全31件 (31件中 1-31件目)
1
ルーズベルト大統領とチャーチル首相の時代から、米英両国の絆は「特別な関係」と表現されてきたそうなのだが、そうした中でもかつてないほど親密な関係を築いたサッチャー首相とレーガン大統領をトランプ氏は引き合いに出したくらい、テリーザ・メイ英首相にとっては限りなく満点に近い会談だったとされている。メイ首相はホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領との会談に臨んだのだが、トランプ大統領にとってはメイ首相が就任後初めて会談する外国首脳だということもあって、彼女の外交手腕に世界が注目していたというのだ。メイ首相にとっても今回の英米会談は重要な意味を持っており、欧州連合との離脱交渉を控える英国にとっては米国との関係をできるだけ深めることが大切になっているというのだ。 訪米前からメイ首相は米国との「ユニークで特別な関係」を繰り返し強調しており、英米首脳会談はメイ首相にとっては今回の会談で望んでいた2つの約束を、トランプ大統領から取り付けることができたとされている。トランプ大統領は英国のエリザベス女王からの招待を受け、今年後半にも訪英することを約束したそうなのだ。今回の会談でトランプ大統領から取り付けた2つの約束は、メイ首相が今後欧州連合との離脱交渉を有利に進めるカードとなる可能性が高いといわれており、一つは米国との2国間貿易協定の協議だという。メイ首相は欧州連合離脱後には欧州連合の単一市場からの完全離脱を表明しているが、これを受けて英国に拠点を置くグローバル企業の脱英国の動きが広がっているというのだ。 英国経済の先行きに不透明感が漂っている中で米国との貿易協定は、離脱後の英国経済の「成長ストーリー」を見せる格好の材料となるというのだ。トランプ大統領もメイ首相の呼びかけに応じ2国間の貿易協定に向け協議することを約束したというのだ。欧州連合側は「英国が他国との貿易協定を交渉できるのは、離脱が完了してから」と繰り返し警告してきたが、メイ首相はそうした指摘を無視して米国と協議入りしかねない姿勢を見せたのだ。「サッチャーとレーガン時代の復活」と英国ではメイ首相とトランプ大統領を、かつて強固な英米関係を築いた2人のリーダーになぞらえる人も少なくない。少なくとも今回の会談で英米はその「特別な関係」を世界に示すことに成功したというのだ。 欧州連合単一市場の離脱を表明したメイ首相にとって背に腹は変えられず、英国の生き残りのためにやれることは何でもやるだろうから、その意味では英国は米国を今後ますます頼りにしなければならないという。もう一つの狙いは米欧の安保協力の枠組みである北大西洋条約機構へのコミットを継続させることで、トランプ大統領は米国が北大西洋条約機構の予算の7割を負担している実情に不満を持っており、同盟国が負担金を増やさなければ駐留米軍撤退も辞さないと繰り返してきた。しかし英国を始めとして欧州各国にとって北大西洋条約機構の存続には米国の関わりが不可欠で、メイ首相は「より公平な負担に向けて欧州各国に働きかける」と約束し米国に引き続き北大西洋条約機構にコミットすることを要請したのだ。 メイ首相は「外国への軍事介入の時代は終わった」として、過去の失敗は繰り返さず「新しい特別な関係」を築く事を強調していたが、これについてもトランプ大統領はメイ首相に応じ「100%NATO側につく」と約束したと言う。トランプ大統領がメイ首相を最初の会談相手に決めたのは両首脳の考えが一致するからなのだが、「強い英国」を叫んで欧州連合の単一市場と関税同盟の離脱を宣言したメイ首相と、多者間の経済ブロックを解体して各国と1対1で相手にするというトランプ大統領の構想は一致するというのだ。「偉大な米国」を掲げたストロングマンのトランプ大統領も、「強い英国」を宣言して「第2のマーガレット・サッチャー」と見られるメイ首相もスタイルは似ているということなのだろう。
2017年01月31日
コメント(0)
東京電力福島第一原子力発電所の事故からもうすぐ丸6年なのだが、あの大規模な原発事故の直後から、東京電力の依頼を受けた大手ゼネコン数社が事故の収束に向けて対策を練り始めていたというのだ。廃炉に向けて毎日6000人が働く現場では様々な工事や作業が同時並行で進んでおり、「燃料取り出し用カバー」・「凍土遮水壁」・「多核種除去設備」・「フェーシング」等耳慣れぬ用語の氾濫が、さらに理解を難しくしていすし、その目的や内容を正確に理解しようとするだけで大変な労力が伴っているそうなのだ。他に類を見ない工事に挑んでいるのは我々と何の変わらない建設技術者なのだが、廃炉費用の増大が課題となるなか国のエネルギー政策や東京電力の振る舞いに関心を持ち続けることが、我々と同じ建設技術者の苦境を打開するためのヒントがぎっしりと詰まっているというのだ。 私の愛読している業界紙では廃炉に向けて毎日6000人が働く現場での苦労等を特集しているのだが、スーパーゼネコンの一角を占める清水建設では水素爆発を起こした1号機原子炉建屋を、テントのような仮設のカバーですっぽりと覆って放射性物質の飛散を抑制する緊急プロジェクトの東京電力へ提案した内容についての記事が載せられていたのだ。事故が起こって現場の状況把握すらままならないなか、東京電力は清水建設にカバーの建設計画の提案を依頼していたそうなのだが、なにしろ原子炉を収める建屋は地上5階の地下1階建てで構造は主に鉄筋コンクリート造なのだが、その「建屋カバー」は南北に46.9mで東西に42.3mの平面を有し、地上からの高さは54.4mに達する鉄骨造の巨大な構造物だったという。 この「建屋カバー」は四隅の柱とそれらをつなぐ3~4段の合計13本からなる梁や、クリーム色の膜材を張り付けた壁・屋根パネルなどから成り、建設後5年間にわたって原子炉建屋を覆うことにする計画だったそうなのだ。計画当時には1号機原子炉建屋の周辺には津波と水素爆発の影響で車や建物の残骸があふれかえっており、さらには毎時数十ミリシーベルトという極めて高い放射線量が計測されていた。人が容易に近づけない現場でどのようにして巨大な構造物を建設するのかということを、会議の席上で建設計画の立案を任されていた生産技術本部が披露し出席者を驚かせたのは、溶接やボルト締めを一切用いず離れた位置からクレーンで吊り込んだ柱と梁をかみ合わせるだけで接合するという「常識破り」のプランだったという。 検討を始めたばかりのころに清水建設が試算してみると、1号機原子炉建屋を一般的な鉄骨造のカバーで覆うには、外周の柱が22本に梁が71本と屋根トラスなどを合わせると214ものパーツが必要になると分かったという。これらのパーツを通常の方法で接合するには2万本ものボルトを締めなければならないのだが、放射線量が高い1号機の周辺では1人当たりの作業時間が限られるので5000~6000人ほどの職人を全国からかき集め、交代を繰り返しながら作業に当たらなければならないという結論に達したというのだ。そんな事はまず不可能だということで生産技術本部が提案したのは、溶接やボルト締めを一切使わずかみ合わせるだけで柱や梁を接合する奇策だったというわけなのだ。 「かみ合わせるだけで柱と梁を接合する方法」とは、柱側に突起を設け梁の端部に空けた穴とかみ合わせて接合する方法で、突起の上に角すい状のガイドを取り付け梁の位置が多少ずれていても自動的に正しい位置に導かれるようにし、突起と穴をがっちりとかみ合わせることで柱と梁を接続してしまおうというのだ。突起と穴のすき間はわずか数ミリメートルでいったんかみ合わせてしまうと容易には抜けないようにし、地震などで部分的に大きな力が掛かって鉄骨が座屈したり降伏したりすることがないように解析を重ねたという。このように凹凸をかみ合わせて部材を接合してしまう方法は「嵌合接合」と呼ばれる工法なのだ。 嵌合接合を利用した身近な例には、レゴに代表されるブロック玩具があるのだが、古い寺院や神社のような伝統的木造建築物の「仕口・継ぎ手」のように二つ以上の部材を継いだ接合部も嵌合接合の代表例だといわれている。鉄骨造の建物についても近年は建設資材の再利用による環境負荷の低減や急速施工などに着目した研究や事例が見られるそうだが、建屋カバーのように巨大な構造物に適用した事例はなくそう考えると確かに「常識破り」の工法だといえるのだ。ところがメルトダウンを起こしている建屋周辺では、極めて高い放射線量が計測されており、とても長時間の作業が可能な環境ではなかったことから、現場の制約条件と建造するカバーの規模を考えれば「嵌合接合」に行き着いたのは必然だったともいえるというのだ。
2017年01月30日
コメント(0)
なにかとギクシャクしている日韓関係だが、長崎県対馬市の観音寺から5年前に盗まれ韓国に運び込まれた文化財の仏像「観世音菩薩坐像」について、かつて所蔵していたが倭寇によって略奪されたと主張する韓国の寺が韓国政府を相手取り仏像を引き渡すよう求めた訴訟で、大田地方裁判所は韓国の寺の所有権を認め仏像を引き渡すよう命じる判決を下したというのだ。日本政府は日本への返還を求めてきたが一層遠のく見通しなのだが、菅官房長官は記者会見で韓国の地裁が長崎県対馬市の寺から盗まれた仏像に関し、韓国の寺の所有権を認め現在保管する韓国政府に引き渡しを命じた判決について、「極めて残念だ。速やかに仏像が日本に返還されるように政府側に適切な対応を求めていきたい」と述べたという。 文化財の仏像である「観世音菩薩坐像」の所有者として提訴していたのは韓国中部の瑞山にある浮石寺で、14世紀に朝鮮半島などに出没していた海賊の倭寇によって略奪された可能性が高いと主張し、窃盗団から没収され大田の国立文化財研究所に保管されている仏像の引き渡しを求めていたのだ。大田地裁は判決で「仏像は贈与や売買など正常な方法ではなく、盗難や略奪で長崎県対馬市の観音寺に運ばれたとみるのが妥当だ」として、「仏像は浮石寺の所有と十分に推定できる」と判断し「韓国政府は浮石寺に引き渡す義務がある」と指摘した。浮石寺側は各種学術資料から判断して金銅菩薩は1370年ごろ倭寇によって略奪されたものだと主張してきたというのだ。 そのうえ韓国外交部当局者も「慰安婦問題に関する12・28合意の目標は慰安婦被害者が満足できる名誉回復や心の傷の治癒であり、日本政府が10億円を拠出したからといって義務を果たしたわけではない」と話したというのだ。この当局者は「合意は韓国が財団を設立し、日本が資金を拠出して両国政府が協力することで、被害者の名誉と尊厳を回復し、心の傷を治癒するために取り組むことにした。生存している被害者に支援するための事業もまだ終わっておらず、象徴的な事業も残っているため、日本の義務は続いている」と主張している。また「日本は10億円が少女像移転の対価という話をするが、これに関しては事実と違うと数回明らかにしており、日本でもそのような発言がなされているのは残念」と話したという。 我が国が韓国に求めているのは日本の大使館前と総領事館前に国際条約を無視して設置された慰安婦像の速やかな撤去なのだ。慰安婦合意に対する韓国の反対世論が依然として存在することについては色々な原因があるだろうが、日韓合意の精神に従って国際法を尊守さえしてくれればいいだけなのだ。ただし慰安婦被害者の支援に向けた「和解・癒し財団」が元慰安婦等の被害者の意思に反して現金を支給したという主張に対しては、韓国政府の当局者は「外交部で被害者宅等に数回訪ねて話を伝え、支援金を受け取るという本人の意志を明確に確認しただけでなく、唯一の家族である人の立場も数回にわたって確認した」と反論して慰安婦等の意志で補償金を受け取っていることは認めているのだ。 日本側が釜山の日本総領事館の前に少女像を設立したことに対する対抗措置として、駐韓日本大使を一時帰国させた期間が長引いていることについては「現在のところ特に進展したことはない。この問題は日本政府が決めることであるだけに、韓国としては毅然と日本側の措置を見守りたい」とだけ説明している。また「慰安婦被害の歴史的事実を忘れないという趣旨から少女像の設立に対しては反対する必要もなく、反対してもならないと思う」としながらも、「ただ、単に日本総領事館前であるというのでなく、他のどの国でも外交公館の直ぐ前に造形物を設置するのは国際礼譲上、外交公館の保護に対する慣行上、望ましくないことである」と、国際上は問題であるという認識を持っているという既存の立場を繰り返してはいる。
2017年01月29日
コメント(0)
日本は国民総生産の規模こそアメリカや中国に次いで世界3位だが、生産効率となるとOECD加盟国35カ国の中で22位だとされている。電通の女性社員の過労自殺をうけ長時間労働を美徳としてきた日本人の働き方が大きく変わろうとしており、日本の企業が前例主義や過去の成功体験から脱却するためのさまざまな方針の提案がなされている。電通の問題についてその提案者の一人が「長時間労働が当たり前という前例主義の企業姿勢の問題と、一つの会社しか選択肢がないような働き方の両方を変えるべきだ」と語っているが、「高度成長期のように長時間労働で生産量が増えた時代は昔のことなのに、長く働くことが当たり前という前例主義から逃れられない日本の企業は残念だというのだ。 日本では過保護・過干渉な親が多く親の敷いたレールを走る子どもたちは、外れることが許されないと思い込んでしまうとも言われているが、いまの仕事が嫌でも他の職場に飛び出せない「リセット・リスタート」できないことが悲劇につながっているというのだ。「外資は基本的に残業という考え方があまりない。時間ではなくアウトプット重視なので、結果さえ出せば会社にだらだらいなくてもいい」とされ、日本の企業が生産効率を上げるにはどうしたらいいかというと、「時間という考え方を捨てる」ことが必要だというのだ。「企業と個人両方が、時間という考え方を捨て、どんな価値を創造しているかを考えなければ生産効率は高くならない」組織や個人が経験則や成功体験に縛られがちな状況を打破する必要があるというのだ。 仕事を全部抱え込んで家にまで持ち込んで仕事してしまい、家庭生活や地域活動に参加できず仕事に没頭してしまう。その結果として人間関係が希薄になり相談できる相手も気づいてくれる人もいないというのは負の連鎖だというのだ。こうなる前に月の残業時間が45時間を超えたら働き方を見つめ直すことが重要だといわれている。日常生活の中で小さなことを変えていくことが必要だということのようなのだが、かつて過労自殺したワタミの女性社員の場合には死亡の数時間前に目覚まし時計やリンスなどを買ったレシートが発見されたというのだ。彼女は明日も出勤しようと思っていたはずだったというのだが、あるコンサルタントのオススメは「通勤途中、一駅前で降りてみる」ことだそうだ。 彼は「非日常になれば、周りを観察しながら歩く。そうすると新たな発見や視点が生まれる」として、朝の通勤中に一駅手前で降りて歩きながら頭をリフレッシュして、前例や過去にとらわれない自由な発想法として試してみてはいかがだというのだ。NPO労働相談センター副理事長の須田光照氏も「自殺や脳疾患、心臓疾患による早死には、やはり長時間労働が横行している職場で起こりやすいです。事務系では大手の物流会社の30代の管理職が海外出張先で脳出血をおこして倒れたケースを担当したことがあります。国際競争の激化でノルマも増え、長時間労働が日常化していた彼は、多くの部下を統括する立場で心身ともに過剰な負担がかかっていました」と過労死の恐ろしさを語っている。 自殺願望のない人が突然死んでしまうのだが、それでも本人は冷静だと思っている。それが過労の怖いところだということなのだ。NPO労働相談センター副理事長の須田光照氏は0代の管理職が海外出張先で脳出血をおこして倒れたケースを示して、「この男性は脳出血でしたが、精神疾患にかかる人も非常に多いですね。怖いのが本人には自覚がないこと。当相談センターに電話をするのは、当事者の家族や友人というケースが圧倒的多数。成果主義で長時間労働を厭わない雰囲気になっている職場では、周りもそうなので自分が異常な働き方をしている自覚がないんです」という。月の残業時間が45時間を超えるというのは、完全週休二日で一日2時間残業したらアウトになることをもっと知るべきだというのだ。
2017年01月28日
コメント(0)
「水混じりの砂が津波のように押し寄せてきた」というのは、昨年11月の福岡市営地下鉄七隈線延伸工事に伴うJR博多駅前の道路陥没事故の状況だったそうなのだが、事故発生前後のトンネル内部の緊迫した状況が地元新聞社の入手した事故報告書で明らかになったという。トンネル上部の土砂がパラパラと崩れる「肌落ち」が連続的に発生し、作業員がコンクリート吹き付けによる補強を試みたが食い止められず、急きょ全員退避するなど作業員の生々しい証言が記されているという。報告書は当時現場にいた大成建設を代表とする共同企業体の職員1人と、成豊建設の作業員8人から聞き取った内容で大成JVが作成している。それによると「11月8日午前0時40分、トンネル掘削を開始」から始まるというのだ。 11月8日の4時ごろ作業員が天井付近の岩盤がもろいことを確認し「地山が不良」と周囲に声を掛け掘削作業を中断したというのだ。崩落には予兆があったとされているが、午前4時25分ごろ地中の工事現場で作業員9人が掘削をしていると、トンネル上部の土砂がパラパラと崩れる「肌落ち」という現象が起きたというのだ。土砂を固める吹き付け処置をしたが止まらないことから、コンクリートを吹き付ける補強作業に切り替えるための準備を始めたが、その間にもそれまでとは異なる連続的な肌落ちが見られたという。4時30分に補強作業を始めたが20分後には天井から異常出水があったそうなのだ。濁った水が噴きだし0・25立方メートルの黒い石の塊も落下してきたため、安全衛生責任者は急きょ全員退避を指示したという。 11月8日の5時の退避完了後に作業員たちがトンネルの真上の通行規制を実施したが、それから20分後に道路陥没が始まったという。また時刻は不明だが退避後に現場につながる立て坑に作業員が再び下り水が迫ってきているのを確認したという。作業員の男性は「いきなりだった。早めに作業を止めていなかったら穴の中に落ちていた」と供述しているが、初めは道路の左右2カ所に開いていた穴は徐々に広がり、道路は細い橋のように真ん中だけが残った状態になってという。通勤ラッシュの時間なら大惨事となった恐れもあるが、作業員のとっさの判断で人的被害は免れたといえるのだ。その頃になって犬の散歩をしていた福岡博多区の会社員は、道路がごう音を立てて陥没する瞬間を目撃したというのだ。 この会社員は「下水の臭いがして、滝のように水が激しく流れる音もしたし、目の前にあった信号機も穴の中に消えた」と当時の様子を語っている。11月8日の6時40分ごろには近くの不動産会社に出勤しようとした女性が警戒中の警察官に制止されている。穴の端が少しずつ崩れみるみる巨大化していったというのだ。他の会社員男性が近くのビルから現場を見ていると、地鳴りがして土煙を上げて幅が約30メートルある5車線の道路全体が崩れ落ちたというのだが、この男性は「信じられない光景だった。自分たちのビルも危ない、避難した方がいいのでは、と不安になった」と振り返っていた。今回の報告書は事故原因究明のための「国の第三者検討委員会」に提出されているというのだ。 このJR博多駅前の道路陥没事故に関して国土交通省の担当者は「周囲の建物の基礎が見えてしまうような陥没は記憶にない。前にも事故があったのに、また陥没を起こしており、問題がなかったか調べる」としていたが、事故の起きた工区では硬い岩盤を掘る際に使う「ナトム工法」が使われていたが、都市部では地下水が出ることが多いため「ナトム工法」よりコストが高いものの遮水性が高い「シールド工法」が使われるのが一般的としている。福岡市交通局建設部の角英孝部長は「先行トンネルの掘削時に異常はなかった。岩盤質の地盤の一部が風化するなどして、弱くなっていた可能性がある」としているが、二度とこのような事象を発生させることのないよう厳重な注意が必要だとしている。
2017年01月27日
コメント(0)
大手ファミリーレストランが24時間営業を見直して営業時間を短縮するなど、人手不足の影響が広がっているそうなのだが、アルバイト求人情報雑誌を運営する会社によると、昨年11月のアルバイト時給の全国平均は1007円で、前年同月比で21カ月連続の時給上昇し1000円越えは3カ月連続となっているそうなのだ。アルバイト求人情報雑誌を運営する会社の調査では外食産業の平均時給は968円と全業種の平均に比べて賃金は低いこともあって、人手不足はより深刻だというのだ。外食産業の有効求人倍率は3.13倍で、全職業平均の1.31倍と比べてもかなり高いというのだ。アルバイト求人情報雑誌の編集長によると外食業界では昨年の秋以降「既存店の人手不足が深刻で、新規出店ができない企業も出てきているそうなのだ。 人手不足が深刻になる中で外国人労働力の重要性も高まっており、安倍首相も人口減少に伴って職場での深刻な人手不足が起き始めていることや、コミュニティが維持できなくなりつつあることに危機感を募らせてきたという。昨年あたりから内閣官房に非公式のチームを作って外国人受け入れ政策について調査してきているというのだ。これら外国人労働者の募集に関してなのだが、サービス産業向けに動画を活用した人材教育システムを提供している会社では英語・中国語・ベトナム語・ミャンマー語・日本語の5つの言語で、外国人従業員が接客マナーや作業ノウハウを学べるサービスを開始したそうなのだが、既に吉野家と養老乃瀧が導入しているそうなのだ。 このサービス産業向けに動画を活用した人材教育システムでは、飲食店やサービス業の店で働く外国人留学生に日本と母国との文化や接客マナーの違いなどを動画で教えることで、現場での教育の負担を減らすことが狙いだという。現在の外食産業の深刻な求人難はリーマン・ショック直前までの状態とよく似ているそうなのだが、当時の外食産業ではパート・アルバイトを正社員にすることなどで人材を囲い込む動きが広がりつつあったという。ところがリーマン・ショックで消費は冷え込んでしまってそうした動きは立ち消えになってしまったのだが、関係者によると今回は違った展開になるとされており、それは現在の人手不足はまだ序盤戦でこれからが本番だと考えるからだというのだ。 その根拠は日本銀行がデフレ脱却に向けた金融緩和を推進中であることで、日本銀行は「消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」という方針を明示しているからだというのだ。物価が安定して上昇するには経済が活性化して失業率が改善し賃金が力強く上昇する必要があるが、昨年11月の完全失業率は3.1%でこれは歴史的な低水準とされている。だからこそ人手不足も深刻だということなのだが、消費者物価指数が目標の2%からはほど遠い以上、さらに完全失業率を引き下げる余地があるというのだ。政府や日本銀行もそれを望むはずで外食を含む様々な業種でさらに人手不足が進むということでもあるとされているのだ。 外食産業では人手不足による採用条件の緩和で、店側から要請してもシフトに週1回か2回しか入ってくれないスタッフが増えている。そうした条件で集めた以上は致し方ないことだが、だからこそスタッフが足りないときにシフトに入ってくれるモチベーションの高いスタッフを見出すことが今まで以上に大切になるというのだ。同時にそうしたスタッフは仕事への取り組みも熱心なので必然的に接客スキルも高くなり、高単価商品を売っていくうえでも欠かせない戦力になるはずだというのだ。さらに人手不足が進むことで外食企業はお客からだけではなく、従業員からも「選別」されていることを一層意識せざる得なくなるというのだ。そうした傾向は外食にとどまらず他産業にも広がっていくはずだというのだ。
2017年01月26日
コメント(0)
法の抜け道を探すことは官僚の得意分野だが、文部科学事務次官の辞任に至った天下りには、人事課による「現職ルート」と人事課OBを介する「OBルート」の二つが存在していたとされている。政府の再就職等監視委員会の調査によると、OBルートは10年前の改正国家公務員法施行で天下り規制が強化された直後に構築されていたそうで、鳴り物入りで作った規制だが事実上は骨抜きにされていたというのだ。文部科学省の違法な天下りが発覚する端緒になったのが現職ルートで、一昨年に内閣人事局が取りまとめた再就職届で吉田大輔元高等教育局長の早稲田大再就職が判明し、その採用面接が文科省退職のわずか2日後だったことから、政府の再就職等監視委員会は在職中の再就職準備やあっせんを疑ったというのだ。 その調査結果で吉田元局長の在職中に人事課が受け入れを早稲田大に打診し、元局長と共に作成した履歴書や研究業績に関する資料を送付して採用面接の日程調整まで担った実態が分かったというのだ。文部科学省が国家公務員法に違反し前局長の早稲田大学への「天下り」を組織的にあっせんしたということなのだが、前局長が早大に再就職する前に文部科学省の人事課が関与を早大に口止めしていたことまでわかったというのだ。当時は内閣府の再就職等監視委員会の調査は始まっておらず、文部科学省は法律違反を認識しながらあっせんに関わったとみられている。違法行為の偽装・隠蔽は徹底しており人事課は虚構をつくりあげ、元局長と早稲田大の人事担当者に口裏合わせを依頼していたというのだ。 監視委の調査に備えた想定問答まで用意したそうで、吉田元局長らは調査に対し数カ月にわたって虚偽の説明を続けたというのだ。際立つ悪質さに、政府の再就職等監視委員会は「こんな組織的な天下りは初めて。驚いた」と漏らしていたそうだが、一方のOBルートでは政府の再就職等監視委員会によると、大学や企業からの求人情報が人事課に流れ人事課が仲介役のOBに求人情報と退職予定者の個人情報を提供していたというのだ。政府の再就職等監視委員会は100件以上の情報提供を確認しているが、仲介役OBは求人と求職をマッチングしその結果を法人や人事課に伝えていたというのだ。人事課による情報提供自体に違法性はないが、現役職員が仲介役を通して特定の人物の再就職に関与すると違法になるというのだ。 辞任した前川喜平事務次官はこのパターンだったそうで、文部科学省によると仲介役のOBは人事経験が長く「人と職をつなげるのを得意としていた」というのだ。利害関係がある企業への在職中の求職活動やあっせんを禁じた改正国家公務員法施行までは、人事課がマッチングを担っていたそうなのだが、このOBが退職した後は規制を免れるためにOBルートが構築されたというのだ。文部科学省幹部は「情報を一旦OBに集めれば規制を免れると思っていたのだろう。法令順守の認識が不足していた」と話しているが、「最初に事実を見た時には驚いた。現在までの調査の中で、こうした組織的なものが発覚したのは初めてということになると思う」と記者会見した政府の再就職等監視委員会の担当者は語っている。 仲介役のOBを使った仲介は他省庁にもあるそうで、国土交通省の複数の幹部は「再就職を仲介する大物OBが調整している」と話しているという。「私は来年辞める。いい人がいたら教えてほしい」と企業や団体に再就職したOBからそんな連絡があれば、仲介役のOBが調整に乗り出すというのだ。建設や不動産など分野ごとに仲介するOBがいるといい「OB同士が連絡を取り合って、後輩の退職時期などを情報交換している。長年引き継がれた慣習だ」と明かしているというのだ。天下りに詳しい中野雅至神戸学院大教授は「官僚組織が変わらない限り、天下りはなくならない」としたうえで、「能力のある官僚が自らの力で再就職すること自体は何も悪くない。天下りのあっせんとは明確に区別すべきだ」と指摘している。
2017年01月25日
コメント(0)
2週にわたって記録的な寒波が到来したのだが、歩行型のロータリー除雪機による死亡事故が相次いだことを受け、安全装置が簡単に解除できるなど、構造的な問題が原因となっているケースが目立つこともあって、消費者庁は安全な使用を呼びかける緊急の注意喚起を行ったというのだ。消費者庁に全国の自治体などから寄せられた情報によると、先週から今週にかけての4日間に除雪機が原因で起きた事故は全国で5件発生し、そのうち新潟県・秋田県・長野県の3件では除雪中だった男性が機器の下敷きになり死亡したというのだ。消費者庁が発足してから除雪機が関係する事故は66件発生し18人が死亡していることから、地方自治体は当該車両の運転手に効果的かつ安全な除雪方法の講習を実施しているというのだ。 それでも鳥取県南部町金田の県道の歩道で、「小型の除雪機に男性が挟まれた」と119番通報があり、救急隊が駆けつけたが作業をしていた男性は既に死亡していたという。鳥取県と鳥取県警などによると男性は鳥取県南部町金田町天萬の会社員河野利久さんで、同僚男性と除雪作業中に側溝に足を取られて転倒し、除雪機に頭を巻き込まれたというのだ。私も建設業寺従事しており、冬季路面対策という事で除雪作業をよく行うのだが、車道部は通常ならダンプカーや専用の重機等を使用して除雪しているのだが、舗装済の歩道や自転車道ではより小型の車両を投入しているのだ。特にわたしの住んでいる四国地方では冬季の安全運転確保のため、多くの道路保守当局や建設業者が道路の除雪や除氷を行っているのだ。 冬季作業車両とは道路などで雪や氷の除去作業を行うための車両をいうのだが、最初期の冬季作業車両はそりのために路面を円滑に維持する目的で設計されたスノーローラーであると言われている。除雪作業の歴史は少なくとも中世にまで遡るそうなのだが、初期の試みは歩道や車道から雪を取り除くために単にシャベルやほうきを使うというものだったという。モータリゼーション以前の積雪はそれ程問題視されていなかったみたいで、そのころの田舎の未舗装の道路はでこぼこであり、多くの場合通行を困難にしたが雪や氷がその表面を円滑にしたくらいだったというのだ。ほとんどの農家が通常の四輪車の馬車等の代わりにそりを使い、木材のような重い材料を楽に運搬することができたというのだ。 米国等では北部地方の初期の冬季路面対策作業と言えば、道を覆っている雪を圧縮するために馬等の動物に引かせたスノーローラーを使っていたというのだ。今日でいう圧雪車のはしりといえるそれらの車両によって雪を圧縮する事により、雪の寿命を伸ばしてそりの運行を容易にした。橋のような露出した箇所でもそりが通過できるように、ある場所に雪を敷き固めるための管理者を雇う集落等もあったというのだ。ただし馬に引かせる除雪板やグリット散布車は早くも1862年には使われていたといわれている。20世紀初頭のモータリゼーションの普及により、大型の発動機付き冬季作業車両が開発され今日に至っているが、車道部は大型重機を使っての除雪を行い、玄関前や駐車場を押すタイプの除雪機を利用しているそうなのだ。 今回事故が起こった除雪機なのだがメーカーはハンドルから手を離すと自動で止まる安全装置を付けているのだ。しかし「寒い中ハンドルを握り続けるのはつらい」などの理由から、ひもで固定するなどしてその安全装置を解除して、事故につながるケースが後を絶たないという。 今回の事故では使っていた除雪機もハンドルと装置がテープで固定されており、後退中に転倒した男性の上に機器が乗り上げ雪を砕く刃に体が巻き込まれたとみられる。メーカーも講習においては経験豊富な運転手の運転を受講者に求めているし消費者庁も「利用者は正しい使い方を徹底してほしい。全員に例外なく追加免許または認証を求めるだけでなく、事故情報を集め安全装置が機能しているかを確認したい」としているのだ。
2017年01月24日
コメント(0)
留学生や技能実習生として来日した外国人の失踪が絶えない中、捜査当局はコンビニエンスストアや飲食店など不法滞在外国人を「雇う側」の取り締まりを強化するというのだ。過去に摘発された入管難民法違反事件で、これら慢性的な人手不足が続く現場で不法滞在外国人の雇用実態が浮上。捜査幹部は「受け入れ先がなくならないことが、不法滞在の温床になっている」と指摘している。これまで捜査当局は失踪した外国人を手助けしてきた人物を次々と摘発してきた警視庁組織犯罪対策1課が、入管難民法違反容疑で逮捕した会社代表の30代のガーナ人の男もその一人だというのだが、捜査関係者によるとこのガーナ人の会社役員は経営する会社で雇用契約書を偽造していたというのだ。 留学目的で来日したネパール国籍の男の在留資格を、不正に変更したことを手助けした疑いが持たれているそうなのだがネパール人に勤務実態はなく、捜査関係者によると「ガーナ人の男は、仲介人となったネパール人の男から紹介された学生を雇用したように偽り、入管に在留資格変更許可申請を出させた。そうすることで就労できるビザに切り替えることが可能となる」という手口を使っていたそうなのだ。ガーナ人の男は同様の手口で犯行を繰り返し1人当たり50万円の報酬を受け取っており、過去3年間にわたってネパール人や自身の出身国であるガーナ人ら24人の不正に関わって1千万円以上の利益を得ていたという。ところが事件はここで終わらず外国人の受け皿の実態が浮かんだのだというのだ。 ガーナ人の男らが不正なビザ取得に関わったネパール人の多くは、東京都内や神奈川県のコンビニ飲食店で働いていたと捜査関係者は解説するが、ある捜査幹部は「コンビニや飲食店は慢性的な人手不足に悩まされている。そのため採用時の身分確認が甘くなりがちだ。不法滞在者が交じる余地は十分ある」と指摘している。これまで実際に雇用側が摘発された例としては、大阪府警が不法滞在のベトナム人を働かせていたとして、入管難民法違反容疑でラーメン店運営会社社長や、アルバイトの人事権を持つ店舗の店長ら計11人を書類送検している。法務省によると昨年6月末現在の在留外国人数は230万7388人で、前年末に比べて7万5199人増加し過去最高を記録しているそうなのだ。 流入する外国人の波に紛れて不法滞在者の数も増大する恐れがあって、受け皿の取り締まりを強化する必要があるとしている。人手不足という事では民間調査会社の東京商工リサーチが全国企業倒産件数の件数を公表しているが、昨年11月の倒産件数は693件だったそうで、11月としては26年ぶりの低水準というのだ。ただ運送業や介護、飲食業などで倒産件数がじわり増加しており、人手不足や人件費の高騰が経営を圧迫する構図が見えてくるという。倒産の要因や業種別の内訳をつぶさにみると目を引くのが人手不足による倒産で、昨年11月は28件と前年同月より8%増えていたそうなのだ。そして財務省が10月にまとめた企業への聞き取り調査では「人手不足を感じている」と答えた企業は全体の6割強にのぼっているのだ。 企業の回答によると「募集をかけても集まらない」とか、「深夜の長時間労働や過重労働のイメージがあり敬遠される」といい、人材が確保できずに「店舗の閉鎖、営業時間の短縮」・「顧客への対応が遅れる」といった弊害が出ているという。なかでも運輸業や介護に飲食業で状況が厳しいとされているのだ。老人福祉・介護や飲食業を含む「サービス業他」の倒産件数も10%増と4カ月連続で前年同月を上回っており、労働者の奪い合いが激しくなる中で必要な人材を確保できなかったり十分な賃上げをできなかったりして。倒産を余儀なくされる事例が増えているというのだ。労働力人口が減少する中人手不足の状況は厳しさを増しており、日本経済が抱える課題が倒産の現場にもじわり広がっているというのだ。
2017年01月23日
コメント(0)
豊洲市場では8回目の地下水モニタリングで初めて、青果棟がある5街区の3カ所で基準値を超える有害物質が検出されたそうなのだが、東京都の豊洲市場の地下水から環境基準値を大幅に超える有害物質が検出されたことで、東京都は再調査を余儀なくされている。外部有識者の「専門家会議」は原因を特定できていないし、市場業者への補償費も増大しており、小池百合子知事は移転の可否を巡り厳しい判断を迫られることになっているという。「どう評価していいのか戸惑う」というのは専門家会議なのだが、想定外の高い数値に委員から驚きの声が漏れたそうで、座長の平田健正放送大和歌山学習センター所長は「明確な結論は出せない」として評価については明言しなかったというのだ。 今回の調査では5街区では最高濃度のベンゼンとヒ素が確認されたが、「汚染範囲」は全街区の計72カ所に拡大しており、専門家会議の平田座長は8回目までの結果と比較し、「今までの傾向とあまりにも違っている」と首をかしげたという。平田座長は「地下水を使うわけではないから、有害物質が含まれる土壌が飛散することもなく安全に問題はない」と説明したものの、専門家会議内には「あまりにショッキング」との声もあったという。この会議に出席しなかった小池知事は都内で報道陣の取材に応じ「不安を超える数字が出てきて驚いた」としながらも、豊洲市場移転の可否については「科学的な分析を優先したい」と述べるにとどめたが、専門家会議が直接関わって近く再調査に着手すると表明したそうなのだ。 また専門家会議では委員の一人が多量の有害物質が検出された原因に、豊洲市場の地下水位や水質を管理する地下水管理システムが影響した可能性を挙げたというが、地下水管理システムは昨年8月に試運転を開始し10月に本格稼働している。今回の調査はシステムが動き始めた後で稼働によって地下水位や土壌中の水圧が変化し、地下水中の有害物質の濃度が上昇したことも考えられるという。そうした推測を踏まえ「地下水の動きや状態、観測井戸の状況など細かい調査が必要」と主張したをうなのだ。東京都の担当者は会議後に分析会社の違いが影響した可能性を示唆したそうなのだが、担当者によると1~8回目までのモニタリングで調査に関わった分析会社と、9回目はこの3社とは別の会社が調査を行ったというのだ。 東京都の担当者は採水の方法などを確認する必要があるとして、専門家会議に最終結果を「暫定値」として報告したという。豊洲市場の予定地は東京ガスの工場跡地で石炭から都市ガスを製造する過程で、ベンゼンやシアン化合物のヒ素などの有害物質が土壌に浸透したとされているが、小池知事が豊洲市場への移転時期を延期した際に、移転の条件に地下水モニタリングで安全性が確認されることを挙げた。今回の調査で環境基準値を大幅に超えるベンゼンやシアン化合物などの有害物質が検出されたことで、東京都は再調査を実施することとなり移転の可否判断の先送りは不可避になったというが、移転の可否判断の遅れは市場業者への補償費などの増大に直結することになるのだ。 この他に専門家委員会の委員からは「土壌汚染対策を施した後、2年もたって急に数値が上がったのは理解できない。データについては慎重に扱うべきだ。暫定値という扱いは妥当だ」との意見も出たそうだが、今後は東京都の検査機関のほか専門家会議が改めて民間の分析会社を選定し調査を行うとしたという。東京都の幹部は「今回の調査結果を見れば移転を延期した小池知事の判断は正しかったが、多額の都税を投入することに理解が得られるかは別だ」と話したそうなのだが、既に完成している豊洲市場の維持管理費は少なくとも1日数百万円と試算されており、加えて設備投資を済ませた業者への補償も雪だるま式に増えることから、再調査で安全性を確認できなければ移転中止もあり得るという。
2017年01月22日
コメント(0)
米国の第45代目の大統領に就任したトランプ新大統領なのだが、約20分にわたった演説で「米国が第一だ。米国民のための通商、税制、移民政策を実施する」と言明し、その上で「米国製品を買い、米国人を雇用する政策を推進する」との方針を示し、既存の政治家を批判する立場として「ワシントンから国民に権力を取り戻す」と強調したそうなのだ。さらに外交に関して他国との友好関係を追求するとしながらも、自国の利益を第一に考えるのは全ての国の権利だと主張し、「イスラム過激派のテロを地上から壊滅させる」と語ったという。またインフラ整備に関しては「全米で新たな道路、空港、鉄道を整備する」とも表明したが、環太平洋連携協定から離脱することを正式に表明したそうなのだ。 また北米自由貿易協定も再交渉を求め参加国のカナダやメキシコが応じなければ離脱する意向も示し、「米国第一」を徹底し保護主義的な政策を辞さない構えだという。基本政策としてホワイトハウスのホームページで公表しているそうなのだが、通商戦略実行の「手始めとして環太平洋連携協定から離脱する」と表明し、既存協定についても米国の利益にかなわなければ再交渉する方針を示している。米国の戦略転換は世界経済の成長を支える自由貿易体制に影響する恐れがあるが、日本や米国・豪州など12カ国が署名した環太平洋連携協定は米国が批准しなければ発効しない仕組みとなっており、トランプ新政権の離脱表明により現状の協定は発効のめどが立たなくなったというのだ。 日本政府関係者は「引き続き米国に批准を働き掛ける」と語ってはいるが、トランプ新大統領は就任演説で通商・税・移民政策などを通じ米国の利益を追求すると宣言しており、「自国産業や雇用の保護こそが素晴らしい繁栄と強さをもたらす」と大統領選挙中のキャンペーンと同じ考えを訴えたのだ。「米国製品の購入と米国人の雇用」を求めていく考えを強調し規制緩和による石油などの増産を検討しているというのだ。トランプ新大統領は実業家出身で政府・軍の職務経験がない初めての大統領となり、米史上最高齢での就任となったという。オバマ政権が進めたリベラル路線の転換を掲げる一方で、秩序や原則より商取引等を優先させる政権運営は、内外に不確実性をもたらす可能性があるとされている。 トランプ新大統領の就任前支持率は軒並み40%程度にとどまり、トランプ新大統領の排他的な姿勢に抗議する多くのデモが展開されているというのだ。しかも民主党議員60人以上が式典をボイコットしたことから就任式の会場には空席が目立ったという。新政権は基本政策で「不公正貿易」に厳格な措置を講じる方針を発表し、雇用を今後10年間に2500万人増やして4%の経済成長を取り戻す目標も掲げている。雇用促進を阻む環境規制などは見直しオバマ前政権が策定した地球温暖化対策の行動計画は撤廃すると表明している。オバマ前政権が定めた地球温暖化対策の行動計画など「有害で不要」な政策を撤廃して、シェールオイル・ガスなど国内資源を活用し石油輸出国機構の依存から脱却をするというのだ。 トランプ米新大統領の就任式が行われた首都ワシントンでは、早朝から抗議を続けたデモ隊の一部が暴徒化しており、就任パレードのルートから遠くない市内中心部で窓ガラスを割ったり、警官ともみ合いになったりして200人以上が逮捕されるなど、厳戒態勢の首都に緊張が走ったという報道がなされている。ワシントンでは数日前から抗議デモが始まっており「反トランプ感情」の根強さが表れているというのだが、デモに参加したニューハンプシャー州の自動車教習所指導員マシュー・ミッチェル氏は「怒りではなく、対話が必要だ」と強調はしてはいるが、「われわれには指導者が必要だ。トランプ氏の任期を4年で終わらせるためにできることは何でもやりたい」と話しているというのだ。
2017年01月21日
コメント(0)
「そんな意識だから経営難になるのだ」と言いたくなるようなことなのだが、経営難の企業が雇用を維持するため、国が休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」制度で、3年間で約54億3千万円の不正な受給が発覚し、このうち4割を超える約23億8千万円が返還されていないことが厚生労働省のまとめでわかったというのだ。厚生労働省は不正受給した企業に返還を求めており、応じない場合は刑事告訴したケースもあるというのだ。厚生労働省が全国の労働局のデータをとりまとめたのだが、未返還の金額が明らかになるのは初めてで、今後の雇用見通しでも若干の違いはみられるものの、受給事業所と非受給事業所との間で大きな違いはみられず、今後雇用が増加するとする割合も遜色ないというのだ。 多くの事業所では雇用調整助成金を活用した雇用調整を通して、雇用面の定常性を取り戻していることが窺われるが、厚生労働省によるとこの3年間にこの助成金を受給したのは全国の21万6762社で、不正受給が発覚したのは379社にのぼっている。企業は受給の際に従業員の出勤簿などを労働局に提出して審査を受けるが、休業させたと偽ったり社員の訓練をしたと申告しながら社員を働かせていたりする手口が後を絶たないという。不正が発覚した場合は各労働局の職員が企業を訪問するなどして返還を督促するというが、返還計画を立てさせるが元々資金繰りに困っており滞ることが多いという。今後は指摘の副作用面への対応のあり方を含めた検討・議論がなされることが望まれている。 この「雇用調整助成金」は景気変動の影響で売り上げが減った企業が、雇用を維持するために従業員を休業させた際に国から支給される助成金で、直近3カ月の売上高や生産量などの月平均が前年同期と比べ10%以上減ったことなどが要件で、従業員1人につき1日に7775円が上限として支給され、教育訓練をした場合はさらに1200円が加算されるという。財源は事業者が納める雇用保険料で制度は1981年に始まっている。経営状況の悪化時にリストラを行わずに雇用を維持した事業者に対して支払われ、雇用調整助成金は細かい給付要件が定められているというのだ。また金融危機を契機として近年大幅に拡充されており、たびたび制度の変更が行われていますので申請時は注意が必要だとされている。 しかもこの「雇用調整助成金」は東日本大震災も加わってことで長期にわたり雇用調整が実施される中で、活用された受給期間をみると1年以内が4割強で、1年超2年以内が4分の1とせいぜい2年以内が7割近くを占めており、多くの場合はメリハリの利いた活用が行われたことが窺われるそうなのだ。ただし3年を超えて受給した事業所も14%程度あり、多くが長期にわたりただ単に休業が実施されていたのであるとすれば、そのことの政策的意味は議論されてよいともいわれている。雇用調整助成金の雇用維持効果を高く評価しているが懸念される点も指摘されており、その多くは「不正受給」や「非効率企業の温存」といった制度の副作用に対する懸念だとされているのだ。 しかも日本が学んだことは「不良債権の処理や雇用調整を先送りすることは、短期的には痛みをやわらげるが、それによって経済が悪化する」ということで、不良資産は何倍にもなって返ってくるということなのだ。最後はそれが信用不安となって日本経済が崩壊の危機に直面してやっと「ハード・ランディング」への転換が行なわれたという事実なのだ。その決断に至るまでの「失われた10年」に成長率は年率2%以上低下し、国民総生産の20%近くが失われたと推定されているのだ。つまり雇用調整助成金のように問題を先送りさせる制度は「ゾンビ企業」を延命してしまい、浪費されている人的・物的資源の再配分を阻害して成長率を低下させるということを教訓として残しているというのだ。
2017年01月20日
コメント(0)
天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府は平成31年1月1日に皇太子さまの天皇即位に伴う儀式を行い、その日から新元号とする方向で検討に入ったそうなのだ。国民生活への影響を最小限とするには元日の譲位が望ましいと判断し、譲位に伴う関連法案は有識者会議の報告と衆参両院の論議を踏まえ、5月上旬にも国会に提出する見通しとなっているというのだ。譲位は「一代限り」として皇室典範改正は最小限にとどめる方向で検討を進めており、複数の政府関係者が明らかにしたところでは、譲位の日時に関しては「○年以内に政令で定める」として法案に明記せず、皇室会議を経て閣議決定する方針のようで、即位に伴う儀式などの準備に要する期間も考慮したという。 政府は退位に関する関連法案を今春以降に国会に提出するのだが、具体的には平成31年元日に国事行為である「剣璽(けんじ)等承継の儀」である三種の神器等引き継ぎと、「即位後朝見の儀」と呼ばれる三権の長らの初拝謁を宮中で行い、官房長官が速やかに新元号を発表する方向で検討しているそうなのだ。皇位継承に伴う重要儀礼である大嘗祭(だいじょうさい)は準備に半年以上を要するため平成31年11月にずれ込む見通しで、皇位継承を内外に示す国事行為の「即位礼正殿の儀」は大嘗祭の前に行われるという。天皇陛下の譲位に関する有識者会議は1月23日に論点整理をまとめるそうで、「一代限り」で譲位を可能にする法整備を求める内容になるとされている。 これを受け衆参両院は譲位に関する議論を始める方針だというが、国会では衆参両院の正副議長による合同会議で退位に関する議論がスタートすることになっている。正副議長を中心に各会派の意見聴取が行われ両院で退位に関する議論が本格化するという。国会での議論を受け有識者会議は3月中には最終報告をまとめ、政府が国会に法案提出するのは5月の連休明けになる見通しだという。安倍晋三首相は菅義偉官房長官や杉田和博官房副長官らと譲位に関する法整備をめぐり協議しているが、皇室典範に関しては付則の一部だけを改正して特例法で対応するか、本則一部も改正するか政府内で意見が分かれており、譲位関連法案としてパッケージで国会に提出することになりそうだという。 皇室典範は終身在位を基本とし譲位を想定しておらず、譲位後の称号や住居に葬儀なども定める必要があり、このため政府は皇室経済法や宮内庁法などの一部改正も視野に入れているというのだ。それに憲法4条が「天皇は国政に関する権能を有しない」と定めており、「天皇陛下のご意向」を憲法違反にならぬ形でどのように反映させるかも焦点となっている。元号は皇位継承があった場合に一定の手続きを経てすぐに改められると、1979年に成立した元号法が規定しており、仮に生前退位が実現すれば元号も変わることになる。「平成」は昭和天皇の崩御により改元されたのだが、その際は最終的に三つの案から平成に絞り込まれたという。有識者懇談会の段階では「平成」のほかに「修文」や「正化」の案があったそうなのだ。 政府の「元号選定手続」によると首相は「高い識見を有する」学者らを数人選び、それぞれに2~5個の新元号案を考えるよう要請。学者らは意味や出典を添えて案を提出する。漢字2字で読みやすく、過去に元号として使われていないといった条件を基に、首相の指示で数個に絞られ官房長官が有識者の懇談会を開いて結果を首相に報告すると、首相は衆参両院の議長や副議長の意見を聴いた上で、全閣僚会議で協議して閣議で新元号を決定することになっているそうなのだ。「平成」への改元の際は当時の竹下内閣の小渕恵三官房長官が「平成」の書の入った額を記者会見で掲げ発表しているが、菅義偉官房長官は記者会見で「現在、有識者会議で予断を持つことなく静かに議論してもらっている」とだけ語ったそうなのだ。
2017年01月19日
コメント(0)
統合型リゾート施設整備推進法が成立し現実味を増すカジノ解禁が、暴力団の新たな資金源となる可能性があることから警察当局が警戒を強めている。違法な闇カジノを長年にわたって運営し海外カジノを利用したマネーロンダリングにも関与してきたといわれる暴力団だが、カジノそのものだけでなく周辺産業への参入の恐れもあり、警察当局は暴力団排除に向けた仕組みや取り組みの検討を迫られている。「皮肉な言い方だが、国内で唯一、カジノを運営した経験があるのは暴力団。そのノウハウを使って関与を試みるはずだ」という捜査幹部は警戒感を強めているそうなのだ。カジノはトランプを配るディーラーや換金係・警備係などさまざまな職種の確保が必要でその人選は難しい部分があるというのだ。 特に高額な金額を張れる「上客」を探しVIPルームに案内して、常連に仕立て上げる「ジャンケット」は店の売り上げ向上に重大な役割を担っており、「ジャンケットは暴力団が最も狙いやすい職種」というのが捜査幹部の意見だという。参入のハードルがより低く可能性が高まるのが周辺産業で過熱した客への貸金業者や、カジノに使う遊具の仕入れ業者など多岐にわたるとされている。「パチンコ店などと違って、カジノは裾野が広い。さまざまな方面からの参入が可能だ」とある指定暴力団幹部はこう指摘している。暴力団の悪用が懸念されるのがマネーロンダリングで、捜査関係者は「犯罪で得た現金でカジノでチップを買い、少しだけ使って換金するだけで犯罪収益をきれいなカネに変えることが可能だ」と解説している。 ゲームの勝ち負けで客同士と店の間で現金がやり取りされる仕組みを悪用すれば、ゲームの勝ち負けと称し客から別の客へ送金することも可能になるというのだ。暴力団関係者によると過去に摘発された裏カジノでは、あらかじめ示し合わせたグループによるイカサマでカジノから資金をだまし取る被害も発生していたという。「こうしたカジノ荒らしの被害を受けることもあり、広範な対策が必要だ」と捜査幹部はいうが、暴力団関係者が入り込むことはカジノにとって致命的な欠陥となるという。カジノ経営者だけでなく関連企業などにもチェックを入れて、反社会的勢力が入り込むことを防ぐ必要があるが、業者も客も含めて登録制度で入館時にチェックすることで反社会的勢力が近づかないようにすることが必要だとされている。 癒着が起きないように警察や管理担当者の定期的な変更も求められ、カジノ経営者の資金の流れのチェックは他の業者に対するものよりもはるかに厳しくなることを条件で、運営業者を決める必要があるというのだ。警察庁の坂口正芳長官は記者会見で統合型リゾート施設整備推進法をめぐる具体的な法整備について、「暴力団排除や風俗環境の保持などの対策を検討する必要がある」とし暴力団対策の重要性を指摘している。指定暴力団幹部は「もうかる商売に暴力団は目を付ける。カジノであろうがなんであろうが関係ない」と話しており、捜査幹部も「結局は、これまでも取り組みを続けてきた他の産業からの暴力団排除とやることは同じ」と認めているが有効な手段がないのも事実のようなのだ。 捜査幹部は賭け金を管理するカードの導入や参入資格制限など、対策はいくらでも考えられると指摘しているが、「時間はまだある。骨抜きにされないような対策を十分練れば、暴力団の介入は防げるはずだ」と自信を見せている。マイナンバーと連動させるならパチンコ店をはじめ共通の規制が可能だろうが、パチンコだけでなく他の公営ギャンブルでもそうした対策が必要だというのだ。そこで「日本ではギャンブルはできるが、ギャンブルをする人は、登録し、入館規制の対象になる」という制度を創設することが求められ、カジノタウンが文化の繁栄の一助となるのか、単なる金儲けのギャンブル場になるのか、これからはマイナス要因を少なくしてプラス部分を大きくするための議論をすることが必要だとされている。
2017年01月18日
コメント(0)
日本で1年間に生まれる赤ちゃんの数がついに100万人を割り込んだという報道がなされているが、厚生労働省の人口動態統計の年間推計によれば、昨年の出生数は98万1000人と調査を開始した1899年以来最低の水準になったという。「厳しい状況がずっと続いている。働き方改革を進め、さらに子育て支援に力を入れていく」と、塩崎恭久厚生労働相は記者会見で危機感をあらわにしている。安倍政権は2025年度に国民が希望通りの数の子供を持てた場合の出生率である「希望出生率」を1.8にするとしているが、一昨年の合計特殊出生率は1.45と目標からは遠いというしかない状態なのだ。少子化の最大の原因は親になれる世代の人数というすなわち「量」が減っていることにあるというのだ。 直近の世代人口のピークを形成した1971~74年生まれいわゆる「団塊ジュニア」世代は昨年時点で42~45歳となり、出産に適した年齢を過ぎつつあるうえ現在、20~30代の女性は10年前に比べて2割減っているというのだ。そのうえ「団塊ジュニア」世代は就職氷河期の直撃を受けている。バブル崩壊で1993~2005年にかけての有効求人倍率は1倍割れとなっており、就職戦線は厳しく非正規労働を選択せざるを得なかった人々は少なからずいるというのだ。 日本の労働市場では新卒の正社員採用に乗り遅れて、給与が低い非正規労働者になるとその後数年単位で再就職を繰り返すことになるケースが多く、そのうえ子供を大学まで行かせた場合には1人当たり2400万円以上がかかると言われている。 結果的に子供を産まなかった「団塊ジュニア」は多くその流れが同じく就活で困難に直面した下の世代にも引き継がれているといわれているのだ。つまり出生数100万人割れは「ロストジェネレーション」とも呼ばれる彼らの日本社会に対する静かな「復讐」とも言えるのだ。彼らが社会人になったのは求人環境が一変し採用人数がグンと減った時代で、特に前半の世代は人口も多く厳しい受験地獄をくぐり抜けようやく大学に入ったのに目の前でバブルがはじけ、経済が長い後退局面に入ったため被害者感情が強く、「ロストジェネレーション(失われた世代)」とか「氷河期時代」とも呼ばれていたのだ。就職前に企業の倒産やリストラを目の当たりにしたため、転職市場でも評価される個人にならないといけないという意識が強いのが特徴だという。 後半の世代は子供時代からテレビゲーム機に親しみ、高校・大学時代にはインターネットや携帯電話が普及するなどネット文化の中心を担う存在だといわれている。企業への忠誠心などの面で言えば会社と個人の距離感が大きく変わった転換点に位置しており、女性の進出が一段と進んで共働き世帯が一気に増えた世代でもあるというのだ。会社の中で言われたことだけをやっていても安泰でないということもあって、自分の市場価値を高めるため資格取得やダブルスクールにも積極的だというのだ。そしてプロフェッショナル志向が強くゼネラリストである管理職になることを嫌うという傾向があるという。これら「団塊ジュニア」という子育て世代の所得水準を引き上げる実効性を持たせられるかが課題となるというのだ。 総務省統計局の労働力調査によれば25~34歳の女性労働者のうち、非正規の割合は39.9%で35~44歳では53.1%となっている。非正規の女性を巡っては妊娠や出産を機に退職を迫られるケースが多く、専業主婦の子供は保育園への入園優先度が低いため潜在待機児童になりやすく、こちらも女性の早期の職場復帰を阻んでいるといわれている。国立社会保障・人口問題研究所は2057年には出生数は50万人を割り込むと推計しており、今のままでは「100万人割れ」は通過点にすぎないというのだ。働き方改革や家族手当に教育費用の補助など適切な対策を打てば、出生率を高められることはフランスやスウェーデンにおいて証明されているから、やれば必ず20年後に効果が出る少子化対策に取り組まない理由はないのだ。
2017年01月17日
コメント(0)
センター試験の日はなぜか毎年のように大雪になるイメージを持っているのだが、今年も今シーズン最強の寒波が到来し全国的に日本海側で大雪となった。寒さのピークはちょうどセンター試験の日の土曜日と日曜日となり、大荒れの天気となったところもあるというのだ。北日本の上空に強い寒気が流れ込んで冬型の気圧配置が強まって、北日本の日本海側の山沿いを中心に雪が降り続いており、太平洋側の平地でも局地的に大雪となるところもあるというのだ。気象庁によると「大雪」や「猛吹雪」は青森市の酸ケ湯の246センチで、名古屋や京都・広島市など都市部でも雪が積もり、東京都の八丈島でも降雪を確認したという。気温も下がり東京都心で零下2・3度を記録するなど全国的にこの冬最低となっている。 冬型の気圧配置が強まっているとして気象庁は北日本や東日本の日本海側を中心に、大雪や高波への警戒を呼びかけてはいたのだが、週明けにも再び強い寒気が流れ込む見込みで北日本から西日本では日本海側を中心に積雪が増え、太平洋側の平地でも局地的に大雪になる恐れがあるという予想をしている。気象庁によると先週末には北日本の寒気がいったん弱まったというが、日曜日には北日本の上空約5千メートルに零下42度以下、東日本と西日本にも零下30度以下の強い寒気が流れ込むというのだ。東日本と西日本でみれば数年に一度の寒気だというのだが、向こう1か月間の天候の予想を発表しているが、日本付近は今月下旬にかけても寒気の影響を受けやすいと予想している。 この大雪で事故も相次いでいるみたいで、積雪量が一時2メートルを超えた山形県の大蔵村では、61歳の女性が自宅玄関脇の軒下で雪に埋まった状態で発見され死亡が確認されている。また北海道・雨竜町で午後2時ごろにバスや乗用車などあわせて8台がからむ玉突き事故が発生するなど、各地で雪の影響とみられる事故が相次いでいる。長野県白馬村の会社員男性が手押し式の除雪機の下敷きになって意識不明の重体になっているし、岐阜県海津市ではため池にトラックが転落し中にいた男性の死亡が確認されたというのだが、警察は雪による視界不良が原因と見て調べているそうなのだ。京都府福知山市では雪下ろしに向かった農業の男性がビニールハウスの下敷きになって死亡している。 気象庁は全国に大雪警報等を発表していているが、大学入試センター試験が行われる土曜日と日曜日には北日本から西日本の広い範囲で、天候の悪化が予想していたことから、交通機関の乱れに警戒するよう呼びかけていたそうなのだ。今月後半にかけても強い冬型の気圧配置が続くことから、全国的な厳しい寒さと大雪に十分な注意が必要だと注意していた。大雪での遅刻を経験した大学3年生の男性は北海道で試験に臨んでいたという。会場は自宅から車でたった20分ほどだったのだが、試験開始は9時半でも余裕を持って7時半に家を出たというのだ。ところが途中で国道が大雪で通行止めになってしまい、迂回路もなくたどり着く手段はほかになくなってしまったというのだ。 この男性はとりあえず事務局に連絡を入れたのだが、「電話では試験全体が1時間遅れることと一定時間までなら入室できること、それよりも遅れたら追試と言われました」という。大学入試センターでも緊急事態があった場合は、受験票の左上に出ている「問い合わせ大学」に連絡するよう呼びかけている。もっとも追試は通常の試験よりも難易度が高くなるとされるが、浪人中だったこの男性は試験が受けられないという絶望感で泣きじゃくったという。実際のところ試験開始は10時半に繰り下げになったが男性は間に合わず、20分遅れの10時50分に会場入りをしたそうなのだ。遅刻の際は事故などが理由だった場合は係員に申し出るよう求めているそうで、この確認ができた場合は遅刻ではなく繰り下げ対象者になるというのだ。
2017年01月16日
コメント(0)
東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土を再利用する環境省の方針に対し、管理方法の説明が不十分などとして原子力規制庁が疑義を呈しているというのだ。再利用に伴う被ばく線量については本来なら原子力規制庁が所管する放射線審議会に諮られるが、放射線審議会への諮問も認めていないというのだ。原子力規制庁は環境省の外局で再利用は「身内」から疑問視されているわけだが、環境省は放射線の専門家らを集めた非公開会合で汚染土の再利用について協議し、原発解体で出る金属などの再利用基準は放射性セシウム濃度が1キロ当たり100ベクレル以下の「クリアランスレベル」とする一方、8000ベクレルを超えると特別な処理が必要な「指定廃棄物」になることなどを考慮したというのだ。 原子炉等規制法は原発解体で生じる金属などの「安全に再利用できる基準」(クリアランスレベル)を放射性セシウム1キロ当たり100ベクレル以下と規定しているが、一方で原発事故後に成立した放射性物質汚染対処特別措置法は8000ベクレル超を指定廃棄物とし、8000ベクレル以下を「問題なく廃棄処理できる基準」と定めている。そこで8000ベクレルを上限に廃棄物を道路の盛土などに使い、コンクリートで覆うなどの管理をしながら再利用する方針を決めたのだが、関係者によるとその過程で環境省は8000ベクレルの上限値などについて、放射線審議会への諮問を原子力規制庁に打診したところ、原子力規制庁の担当者は管理の終了時期や不法投棄の防止策など具体的な管理方法の説明を求めたという。 その際に「管理せずに再利用するならクリアランスレベルを守るしかない」との原則を示した上で、「普通にそこら辺の家の庭に使われたりしないのか」との懸念も示したという。これに対し環境省が十分な説明をできなかったため、原子力規制庁は審議会への諮問を認めなかったというのだ。汚染土の再利用を巡り原子力規制庁が所管の放射線審議会への諮問を認めないのは、8000ベクレルを上限とする矛盾を認識しているからに他ならない。そもそも8000ベクレルはこれを超えれば特別な処理が必要になる「指定廃棄物」の基準で、環境省はこの8000ベクレルを上限に管理しながら汚染土を再利用する方針を決めたが、これはすなわち「特別なゴミ」がある一線から突然「再生資源」に変わることを意味するというのだ。 原子力規制庁の放射線審議会は法令に基づき設置され、放射線障害を防ぐ基準を定める際に放射線審議会への諮問が義務づけられている。指定廃棄物の基準を8000ベクレル超と認めたのもこの放射線審議会だったのだ。原子力規制庁が環境省に「管理せずに再利用するならクリアランスレベルの100ベクレル以下しかない」と原則論を強調したのも、こうしたことを疑問視しているからだとみられている。再利用を進める環境省除染・中間貯蔵企画調整チームの当時の担当者は「原子力規制庁に相談したが、諮問までいかなかった」と新聞社の取材に回答しており、原子力規制庁放射線対策・保障措置課は「どういう形で何に使うのか、管理はどうするのかという具体的な説明をしてもらいたい」と話しているそうなのだ。 二重基準と指摘される恐れがありながら環境省が非公開会合での議論を進めたのは、再利用の上限値を緩めなければ最大で東京ドーム18個分とされる汚染土の最終処分量を減らせないためなのだが、汚染土は植物など異物を除去後はセシウムが小さい粒に付着しやすい特性を利用して、ふるい分けで濃度が低い大きい粒を集めて再利用される計画になっている。これなら8000ベクレルで75%が利用でき、3000ベクレルでも62%の再利用が可能だが、100ベクレルではほとんど再利用できないとの試算も非公開会合で示されている。法令で義務づけられた原子力規制庁の放射線審議会への諮問を経ずに、汚染土の再利用基準を決めたのは異例で環境省の強引な姿勢が問われているのだ。
2017年01月15日
コメント(0)
「行革の女王」と呼ばれていた現民進党党首の蓮舫参議院員が行政刷新委員会で、「自衛隊の制服高すぎる。中国で縫製して輸入すればもっと安くなる」と言っていたそうのだが、自衛隊に限らず軍の制服のデザインや素材等は、その制服と同じものが第三者の手に渡ってしまえばいくらでも軍の中に潜入することができてしまうのだ。それがものすごく恐ろしいことだということくらい誰でも気がつきそうだが、国防にかかわる重要なものでも安ければいいと考える人もいるんだと、「自衛隊の制服なんて海外での大量生産品で何が悪いの」という論調に当時びっくりした記憶があるのだ。戦場で敵兵がその制服を着て入れ替わったとしても、すぐには気付かないことになれば大変な事態になるのは明白なのだ。 昨年の大河ドラマの「真田丸」でも、敵の鎧を利用して軍の統率を乱すシーンが何度も描かれていたくらいなのだ。そんな自衛隊の軍服等なのだが公務員の信用を利用した犯罪にも使えることから、そういった悪用を避けるために官給品は民間人には払いさげず古くなったら交換という形で回収しているというのだ。そして制服の部分的な汚れは駐屯地にある業務隊や被服係などに依頼すると修繕されるのだそうで、それでも長年使うと全体に色あせて繊維が薄くなり擦り切れてくるのでそこまで行くと交換してもらうことになりというのだ。つまり制服や身の回り品一式を入隊時に支給してもらい、それを使い古せば消耗品だから交換が必要ということで耐用年数を考えて新品が支給されるというのだ。 また支給品は制服だけじゃなくベルトのバックルや靴や支給された衣類を入れる衣嚢や仮眠覆いだけでなく、「セパレーツ」と呼ばれる雨合羽のヘルメットなども支給されているのだ。同じ装備を完全に揃えていることで例えばスパイが混じっていても、一部が違うという違和感があってすぐに見つけられるというわけなのだ。その自衛隊の制服等が予算不足でまったく足らない状況になっているというのだ。今年は4月の熊本大震災から12月の糸魚川大火災までへの陸上自衛隊の大規模な派遣があり、普段の演習などとは違い荒れ果てた被災地で救難活動を自衛隊は必死で行うと、瓦礫の山での作業ですから制服も切り裂かれたり擦り切れたり傷だらけになってしまったというのだ。 東日本大震災で備蓄品をすべて放出していたことに加えて、大災害の多さで自衛隊は通常時なら使い果たすことのない在庫をすべて使い果たしてしまったというのだ。陸上自衛隊では新しく入隊した自衛官に先に制服を配ってあげたいので、今いる先輩自衛官が本当なら交換しなければならないような制服や靴を我慢して使っているそうで、使えればまだいいのだがいろいろな訓練時にやはり破れかけた靴などを履いている自衛官もいるそうなのだ。自衛官の中からは「『服装が乱れている』と上官に叱られることも多くて辛い」と嘆く声も聞こえてきているそうで、予算が無くて制服が交換できないためなのですからとても可哀想だと思うのだ。もっともこのようなことは一般の公務員にも言えるそうなのだ。 東日本大震災の時には国家公務員だけでなく地方公務員も自衛隊の給料は10%カットされたことも記憶に鮮明に残っており、私が現場で役所の監督さんに聞くところによると、いきなりの給料カットでローンの支払いに困ったり、子供の塾通いをやめさせたりしたことになった家庭もあったというのだ。私の所属している建設業界ではそれこそ「釘1本」でも節約するようにしているのだが、人にかかる装備品は現場の安全も考慮して「破れかけた靴」などを履いていることなどは決してないのだ。現場にくる役所の監督さんが「すぐに穴のあいてしまう長靴」や「薄っぺらい雨カッパ」を着ていたりすると、現場を知らない事務方が調達しているんだなと、少し可哀想になってくることもあるのだ。
2017年01月14日
コメント(0)
官公庁ではメールなどの誤送信が後を絶たないといわれているが、本来は組織として十分な情報セキュリティ対策を行うことにより、情報漏えいを未然に防ぐことが重要となっているのだ。その一方でこういった対策にも関わらず実際に情報漏えいが発生してしまった時に、適切な処置を行うことによってその被害を最小限に留めることも重要となって来ている。そのようななか文部科学省で今月初旬に、人事課内でやり取りする複数の幹部職員の異動案などが、文部科学省内の全職員に一斉メールで誤送信されていたことが文部科学省への取材で分かったというのだ。今年から新しいメールシステムに切り替わり、人事課職員が送信手続きを誤ったのが原因とみられているそうなのだ。 官公庁ではメールなどの誤送信が後を絶たないとはいえ、人事案件のような中央省庁で秘匿性の高い異動情報が誤送信されるのは異例で、本来行ってはならないシステムの操作・設定等により情報が流出するケースだという。お互いに関係のない複数のアドレスにあてた電子メールを他人の宛先が見える形で送信してしまう場合や、Webページの公開サーバの設定を誤って個人情報などが誰でも見えるような状態にしてしまう場合などしかかんがえられないというのだ。誤送信で送信先が明らかな場合は受信者に対しミスについて、受信した情報について削除を依頼されたそうなのだが、人事課は「異動情報の取り扱いを含め再発防止の徹底を図りたい」と話しているそうなのだ。 この件では「ガラス張りの人事、よいのじゃないですか」という意見が流されているが、誤送信された幹部人事の異動は今月中旬の予定とされ、「大臣官房」・「初等中等教育局」・「高等教育局」・「文化庁」などの職員が対象となっていた。重要度の高さを示す「厳秘」の印も明記されていたそうで、対象ポストには異動予定者以外に複数の候補者も「別案」として記載されるなどしていたそうなのだ。異動案作成の参考資料とみられる過去の異動資料も併せて誤送信されてしまい、中には検討段階で見送られた「没案」も含まれていたという。職員の昇級を求めたり異動に際して体調への配慮を求めたりする留意事項もあり、個人情報の流失という事からも問題の多い誤配信だというのだ。 誤送信されたメールは送信した人事課職員が直後に気付き削除を依頼する一斉メールを出したというが、文科省幹部は「メールシステムの切り替えが誤送信の原因とはいえ、異動案などの重要情報は人事課内でのやり取りであっても、メールで送受信すべきではない」と話しているそうなのだ。中央官庁の誤メールとか流出では平成28年1月には航空機の離着陸などを調整する国土交通省の「航空交通管理センター」の担当者のミスで、「北朝鮮から弾道ミサイルが発射された」との誤情報が全国の空港事務所に流れたことがあったが、すぐに取り消したため飛行中の航空機には伝わらず運航などへの影響はなかったという。もっとも「航空交通管理センター」では過去にも同様の誤送信があったというのだ。 外務省では省内のパソコンを使って私的メールを元部下の女性に送ったとして、当時の経済協力開発機構の日本政府代表部の大使が訓戒処分となっており、メールが誤って省内ホームページの掲示板に掲載されて発覚したという。自治体レベルでもミスは確認されており、埼玉県鴻巣市では市内の高齢者226人分のマイナンバーの番号や氏名・住所・生年月日などの個人情報が入力されたデータを県内の同市以外の62市町村に誤って送信されている。専用回線を使った後期高齢者医療システムの連携テストで送信先を誤ったというが、漏えいした情報が犯罪等に使用されることを防止しなければならなかったというのだ。また一度発生した事故・事件は二度と起こることのないよう再発を防止しなくてはならないのだ。
2017年01月13日
コメント(0)
会社がコストダウンをして利益追求をするのは当然のことだが、最近の経営者は頭を使わず努力もせず際も簡単な方法を見つけてしまったというのだ。それが従業員に異常な負荷をかけることなのだが、労使協定で定めた上限を超える違法な長時間残業を入社1年目の男性社員にさせていたとして、厚生労働省神奈川労働局は法人としての三菱電機と、当時の上司を労働基準法違反の長時間労働容疑で横浜地検に書類送検したそうなのだ。男性は適応障害で昨年11月に労災認定されており、広告大手の電通に続き大企業が入社間もない社員に違法な長時間労働を強いている実態が浮かんでいる。書類送検容疑は神奈川県鎌倉市大船5の三菱電機情報技術総合研究所で医療用半導体レーザーの研究開発だという。 医療用半導体レーザーの研究開発などを担当した男性に、一昨年からそれまでの倍以上の月100時間を超える時間外労働をさせたとしている。男性は大学院博士課程を修了して平成25年4月に三菱電機に入社しており、情報技術総合研究所で家電などに用いるレーザー技術の研究に携わっていた。男性は適応障害を発症して休職し休職期間満了後の昨年6月に解雇されている。その後に労災認定され昨年11月に東京都内で記者会見し、三菱電機に解雇撤回を求める意向を明らかにしていた。三菱電機が厚生労働省神奈川労働局に提供した入退室記録によると、残業時間は「過労死ライン」の2倍の約160時間だったが、実際には上司の求めで59時間半と過少申告させられていたそうなのだ。 男性は会見で「上司に『(2月以外は)40時間未満にしろ。毎月39時間だと不自然だから、ばらばらの数字にしろ』と言われ、32~37時間半と記載した」と主張しているが、三菱電機は違法残業の疑いで厚生労働省に労働基準法違反の長時間労働容疑で書類送検されたことについて、「本件に対しては真摯に対応していく」とのコメントを出している。昨年11月に元社員の男性が労災認定を受けたことは把握しているといい、「適切な労働時間の管理を徹底していく」としている。日本企業において長時間労働が蔓延していることは以前から指摘されており、この問題について社会が強い関心を寄せるようになったのは、やはり電通の過労自殺問題が大きく影響していることは間違いがないだろう。 電通の長時間労働は氷山の一角で電通も三菱電機も高給で知られる超一流企業なのだが、国内には無数の中小零細企業があり、こうした企業で働く労働者の中にはさらに厳しい環境に置かれている人も少なくないとされている。また「定額残業代」という制度があって、毎月一定時間の残業が発生することを前提にその時間分の残業代を固定給で支払う制度なのだが、この制度が長時間残業の温床となっているケースが見うけられるというのだ。会社が社員を雇う時は通常は所定労働時間分の給料額を示すのだが、この場合の残業代は残業時間に応じて別途計算して支払うのが原則なのだ。会社は社員に残業させると金銭的負担が増え、この負担を強いることで長時間労働を抑制するのが本来の労働基準法の意図なのだ。 ところが定額残業代を導入する会社では社員が一定時間まで残業しようがしまいが毎月の支払額は変わらないことから、一定時間とされるみなし残業時間を過労死ラインの80~100時間に設定し、長時間労働を放置しているケースが多いそうなのだ。「定額残業代」の制度自体が悪いわけではないとされてはいるが、社員側は残業をしてもしなくても一定額を得られことから業務を効率化して早く仕事を切り上げようという意識も働くというメリットも考えられるのだ。ただ業種や職種によってはこの制度が長時間労働の温床となったり、それが結果的に長時間労働の原因となったりしているというのだ。そのうえ社員のやる気をそぐリスクがあることも会社は考えておく必要があるというのだ。
2017年01月12日
コメント(0)
今年は昨年に比べて祝日で会社が休みになる日が「4分の1」も減るとされているが、カレンダーを眺めながらそんな「悲しい現実」に気付いてしまったサラリーマンは多いというのだ。このような痛切な叫び声が年明け早々のインターネット上にこだましており、これは今年の土曜日と重なる国民の祝日が4日もあり、「週休2日で土日休み」など土曜休みの人にとってはその4日分の休みが減る形となるからだというのだ。このため「今年は頑張れそうにない」とか「心折れそう」と嘆くネットユーザーが続出しているそうなのだ。今年の祝日のうち土曜日と重なるのは「2月11日の建国記念の日」に、「4月29日の昭和の日」・「9月23日の秋分の日」・「12月23日の天皇誕生日」の計4日となっているそうなのだ。 国民の祝日は現在のところ1年に16日で、昨年は土曜日と重なる祝日が無かったため、週休2日(土・日休み)の人にとっては、単純計算で今年の祝日休みは昨年より4分の1減ってしまうことになるというのだ。こうした点に気付いたサラリーマンからはツイッターやネット掲示板に数多く、「今年の祝日の少ないのは本当に辛い、心折れそう」とか、「去年から4日も祝日少ないんだね、ふざけんな」や「今年は頑張れそうにない」だけでなく、「祝日の土曜日率に絶望する。土曜日じゃ振り返らない」といった悲鳴が噴出しているというのだ。どうして祝日が土曜日になると休みが減ってしまうのかというと、それは祝日について規定している「国民の祝日に関する法律」で決まってしまっているからだというのだ。 この「国民の祝日に関する法律」では「国民の祝日」が日曜日に当たった場合だけ、次の平日を振替休日とすると定められているからで、そのため祝日が土曜日に当たっても振替休日は発生しないのだ。そもそも法律上の祝日は休日であると定められていますが、土曜日も日曜日も休日と定められているわけではなく、唯一公務員については行政機関の休日に関する法律や地方自治法などで、法律上で土・日曜日が休日だと定められているというのだ。我々のような民間人にとっては労働基準法で最低週1日は休日とするように定められているものの、何曜日が休日とは決まっていないというのだ。多くの会社では社内ルールの就業規則で土・日曜日を休日と定めているだけだというのだ。 そのため法律上は祝日が土曜日であろうと日曜日であろうと、元からあった休日と重なってしまうことを気にするような体裁にはなっていないのだ。実は元々では「国民の祝日に関する法律」は振替休日の制度を全く設けていなかったのだが、1973年に法改正がされて祝日と日曜日が重なった場合には、振替休日を設けることとなったという経緯があるというのだ。これは当時の時点では日曜日が商慣習上で休日として扱われることが多いことから、このような法改正がなされたわけなのだが、現在は土・日曜日が休日として扱われることが多い以上、祝日が土曜日と重なった場合にも振替休日を設けることが、「国民の祝日に関する法律」が祝日を設けた趣旨にかなっているといわれている。 民主党政権時代では祝日と土曜日が重なった場合には、振替休日を金曜日か月曜日に設ける法改正が検討されていたのだが、この「国民の祝日に関する法律」では祝日について3つの休日を定めており、1つ目は「祝日当日が休日であるということ」、2つ目は「祝日と日曜日が重なった時に、次の平日が休日であるということ」、3つ目は「祝日と祝日に挟まれた日は休日になる」ということだけなのだ。 3つ目について以前はゴールデンウィークの5月3日~5日の3連休について、5月3日は憲法記念日で、5日はこどもの日でしたが4日は祝日ではなのったのだ。ただ祝日(3日:憲法記念日)と祝日(5日:こどもの日)に挟まれた日(4日)ということで、「休日」(祝日ではない)として扱われ結果的に3連休となっていたのだ。
2017年01月11日
コメント(0)
松が取れて今年もいよいよ本格的な始動となっているが、お正月の代名詞ともいえるおせち料理だが周囲の声を聞く限り、楽しみという人は意外と少ないというのだ。「不満買取センター」というところが実施した「おせち料理への不満」に関するアンケートでは、今年おせち料理を購入したかどうかを尋ねたところ、「購入した」が34%で「購入しない」が66%となっていたそうで、約3分の1がおせち料理を購入していたという結果だったそうなのだ。そこで「購入した」と答えた人の予算を調査してみると、中心は「5001円~10000円」か「10001円~15000円」と言う結果になったそうなのだ。私の家でも総額で20000円くらいはおせち料理を買っていたから平均より少し多めと言ったところのようなのだ。 近年のおせち料理は少人数向けの小さいサイズの商品が人気だといわれており、おせち料理は従来では大勢の家族が正月の間に食べ続けるものだったが、最近は夫婦2人とその子供など少人数で大みそかの夜や元旦だけの食事として食べ切る形が増えているというのだ。今回のアンケート調査で購入者に「おせち料理を何名で食べる予定か」について尋ねたところ、多くの回答が集まったのは「3人」または「4人」で次いで多かったのが「2人」だったそうなのだ。少人数でお正月を迎える場合には多くのメニューからなるおせち料理を自らつくるのは面倒といった事情もあるという。おせち料理のメニュー内容のジャンルについて尋ねた結果では、やはり中心は「和食」が61%だったが、「和洋中の折衷」も34%に上っていたという。 おせち料理への不満だがまずは料理内容に関して、購入者の結果では不満の第1位が「自分・家族の苦手なものが入っている」の41%で他を大きく引き離してのトップだった。代表的なコメントでは「最近では和洋中折衷もあるけど、義父母の手前、おいしくはないが伝統的な料理を外すのも気がひける」という意見が多く、「好きな料理だけが減り、美味しくなかった料理が後々残ってしまう。料理内容をチョイスして自分好みにできるようにしてほしい」といった要望も多かったそうなのだ。また「子供のいる家庭ではおせちは評判がよくありません。大人向けの味付けの料理ばかりなので、子供でも美味しく食べられるような工夫をして欲しい」と言った意見も多かったそうなのだ。 それから「古臭い料理が多い。それぞれに意味のある料理なので仕方がないのですが。味も素朴。普段食べているもののほうがかえって贅沢ですらあるので、おせちをいただくのは新年の修業だと思っています」とか、「種類が豊富なのは嬉しいが、自分好みではないものが必ず2品以上は入っている。何種類かある中から、数種類を選んで詰め合わせることができるというものが一般的になってほしい」と言う意見もあったという。私の家では「おせち料理」を購入するにあたってそれぞれに意味のある料理ということで、「田つくり」・「黒豆」・「数の子」・「紅白の酢れんこん(なます)」・「たたきごぼう」・「ブリの焼き物」・「海老の煮物」・「紅白のかまぼこ」・くらいを少しずつ買ってきて食べることにしている。 おせち料理の購入先としては「スーパー」がトップの29%で、以下は僅差で「デパート」の22%が続き「専門店」の20%だというのだ。一方でコンビニエンス・ストアは4%に過ぎなかったというのだ。業界としては苦戦が続くスーパー・デパートだが、ことおせち料理に関しては今でもコンビニエンス・ストアが太刀打ちできない強い存在感を有しているという結果になっている。料理内容以外に関する不満では「値段が高い」の34%がトップで、「重箱は不必要」の25%の二つが大きな不満だという結果になっている。またおせち料理を購入する予定がない回答者は「作らないと嫁失格みたいに言われることが不満」とか、「作るのに時間がかかるわりに、いつもたくさん残る」といった不満があるという。
2017年01月10日
コメント(0)
日本政府は韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女像」が設置されたことに対し、駐韓大使らを一時帰国させるなどの対抗措置を発表した。朴大統領の弾劾訴追による韓国の政情不安の中、あえて日本政府としての「遺憾の意」を国内外に示す狙いがあるというわけなのだが、菅官房長官が記者会見で対抗措置として「長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事の一時帰国」や、「日韓通貨スワップ協定の協議中断」・「日韓次官級による経済協議延期」・「釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ」の4項目を公表したという。長嶺大使らは一時帰国する方向と言うが政府は、一昨年末の日韓合意の着実な履行を求め続ける考えだという。 日本政府の対抗措置としての駐韓大使の一時帰国は、2012年8月に当時の李明博大統領による竹島上陸に抗議して以来で、菅官房長官は「極めて遺憾であるということを形で示した」と強調したという。また外交関係に関するウィーン条約に基づき、韓国には日本の在外公館の威厳などを守る責務があることにも触れ、「条約の規定を考えても極めて問題がある」と述べたという。一昨年の日韓合意をもとに日本政府はすでに、韓国側が設立した元慰安婦支援の財団に我々の税金を使って10億円を拠出しており、韓国政府は合意でソウルの日本大使館近くの少女像について「適切に解決されるよう努力する」としたが、日本側の求める像の移転は実現しておらず、安倍首相の周辺からは不満が出ていたという。 この件で岸田文雄外相は訪問先のパリで記者団に「引き続き韓国側に対し、少女像の問題を含め、日韓合意の着実な実施を求めていきたい」と語ったそうなのだ。岸田外務大臣は日韓合意に外相として直接関わっており、「韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国であるという認識には変わりはない」と強調する一方で、新たな少女像設置について「極めて遺憾である」と述べたそうなのだ。日本政府の対抗措置につては「残念ではある」と語り、大使らの帰国時期は「来週以降に一時帰国する方向で調整中だ」と説明したそうなのだ。日本側は強い不満から対抗措置に踏み切ったが韓国国民の反発は必至で、慰安婦像撤去には後ろ向きだとされ解決の見通しは立っていないのが実情だろう。 そもそも日韓合意自体安倍首相にとって外交的な「勝負」だったのだが、日本政府が軍の関与や責任を認め韓国政府が元慰安婦を支援するため設立する財団に日本政府が10億円を拠出する内容は安倍首相を支える保守層には不満も強く、日本側が合意の根幹と位置づけたソウルの日本大使館近くの少女像移転についても、安倍首相は「移転できなかったら、俺だって厳しい」と周囲に漏らしていたそうなのだ。それでも合意から1年たってもソウルの少女像移転の目途が立たないまま、新たな像が釜山の日本総領事館前に設置されたのだ。安倍首相周辺では「首相は腹に据えかねたんだろう」というが、「もはや韓国とは絶交すべきで、関係を持つべきではない」という強硬な意見もあるというのだ。 この韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女像」が設置されたことに対し自民党の二階俊博幹事長は、TV番組で「きちんとした対応策をスピーディーに出したことは外交的にも良かった。堂々と正義をかざしてやらなければ駄目だ」と評価していた。そして韓国については「大事な国であることには違いないが、交渉したりいろいろなことを話し合ったりしていくには、なかなか面倒な国だ」と述べていた。韓国内では一昨年末の日韓合意後も、慰安婦像の新設が続いており、韓国メディア等の報道を分析した結果では韓国内に昨年秋時点で40体以上の慰安婦像があり、日韓合意後に最低15体も新たに設置していることが分かっているとして「韓国には信義がなく、外交的な約束はできない」と批判していた。
2017年01月09日
コメント(0)
「いろは唄」というのはすべての「かな文字」を重複させずに使って作られた「誦文(ずもん)」のことで、七五調の今様形式となっていて手習いの手本として広く受容され、近代にいたるまで用いられていた。古くから「いろは四十七字」として知られるが最後に「京」の字を加えて四十八字としたものも多く、現代では「ん」を加えることが多いとされている。仮名を使った「いろは歌」は11世紀ごろから手習いをするための手本としても使われるようになり、江戸時代に入るとさらに仮名の手本として広く用いられ、3,065の寺子屋を対象に行われた調査では、「いろは歌」を手習いに用いていたところは2,347箇所となっていたという。日本の美しい言葉文化で覚えればすらすらっと言えるようになるそうなのだ。 そんな「いろは唄」に関して自民党の河野太郎衆院議員がブログで、日本年金機構の年金事務所での不可解な実態を指摘したそうなのだ。なんとファイルの整理に「あいうえお」から始まる五十音順ではなく「いろは順」を採用しているというのだ。いろは順でファイルを整理するなど今の役所では考えられないのだが、河野議員は「通常の並び順でないため、担当者がすぐにファイルを取り出せず非効率ではないか」と厚生労働省年金局に疑問をぶつけたという。ところが厚生労働省年金局の回答は「引き続きこれらの取り組みを徹底していく予定です」というのだ。そこで自らが本部長を務める自民党行政改革推進本部が「五十音順になぜ改めないのか」を調査する予定だとしている。 厚生労働省年金局によると「イロハ順」を使う事務所の方が多いそうで、全国の114カ所の事業所で五十音順を、198カ所でいろは順を使っているという。日本年金機構に問い合わせた河野議員への日本年金機構の回答は、「以前からイロハ順を使っているのは、承知していますが、詳しいことは把握できていません」というのだ。日本年金機構年金局では「ろは順」を使ったファイルの整理をしていないし、「非効率」という指摘に関してどう思うのかと尋ねえると、「たしかに、長く同じ事務所にいて、慣れている方にとっては違和感がないとは想像できます。しかし、現場の状況を把握していないので、こちらが非効率かどうか、答えることは現時点ではできません」とまでいうそうなのだ。 この「いろは順」の採用は1942年に厚生年金の前身である「労働者年金保険法」が制定された時に始まり現在まで引き継がれており、現在では「いろは順」での整理は時代遅れになったというのだ。ところがデータが膨大で五十音順に変更するのが難しいこともあり、すべての事務所で統一せずバラバラになっているというのだ。ファイルに入っているのは被保険者が納める保険料と将来の年金額の計算に使われる算定基礎届などで、現在の年金受給者には直接関係がない書類で、「いろは順」によって書類を探すのにもたついたとしても、受給者に「迷惑をかけることはない」というのだ。それでも担当者は「今では、いろは順が使われなくなったのは事実です。新人の方には抵抗があるはずですし、面倒をかけます。私は事務所に入った時、慣れるまで数ヶ月かかりました」と答えている。 統一する指導は事務所ごとに任せているそうで、「いろは順」が必要なところでは紙を用意したりファイルボックスにインデックスを貼ったりして対応しているという。担当者も「統一すれば、職員の仕事のしやすさは確保できますが、今すぐに変えるのは難しいのが現実です。膨大なデータを変更するのは時間も費用もかかりますし、年金受給者に直接影響を与えない以上、優先順位が低いのです。お客様の対応改善や制度の改正に予算を投入するのが先です」と語っている。確かにシステムを変えるのはなかなか難しいだろうが、河野議員のブログをきっかけにして日本年金機構が動こうとしているというのだ。
2017年01月08日
コメント(0)
総務省消防庁は昨年の12月に2015年の救急車の出動件数を公表したが、2014年比1.2%増の605万4815件で、6年連続で過去最多を更新したとの集計結果を公表している。全体の搬送者数のうち65歳以上が56.7%を占めており、高齢化が影響したとみられているのだが5.2秒に1回のペースで救急車が出動している計算だという。救急車で搬送されたのは14年比1.3%増の547万8370人で過去最多とされ急病や交通事故などが多かったという。そのうち入院の必要がない軽症が49.4%と約半数を占めていたそうなのだが、通報を受けてから救急車が病人や負傷者を病院に運び込むまでの時間は平均39分24秒で、過去最長だった2014年と同じだったそうなのだ。 その救急車の利用のなかでも全国の消防への119番のうち、病院の場所の問い合わせや軽微なけがの搬送など「不要」や「不急」の通報が約7割に上っていることが分かったそうで、病院に搬送しても入院しなかった軽症者数は通報件数の30%にあたる約267万人で、合わせると4割近くが不急の通報だったというのだ。総務省消防庁は通報件数と出動件数について別々に統計を取っており、通報件数に占める不急の割合は明らかになっていなかったが、救急車の出動数が増え続ける中タクシーの代わりに、出動を要請するなど必要性が低い利用の実態を調べる方針を固めたそうで、この調査によって不急の出動を減らすなど、率的な運用につなげるというのだ。 一昨年の救急車の出動数は10年前より1割以上増えて初めて600万件を超えており、タクシー代わりや軽い症状で利用する例も含まれているとみられるが詳細なデータはないという。出動の要請が増えると、遠くの消防署から救急車が駆けつけることになり、現場到着が遅れる懸念がある。このため、消防庁は今年度から統計の見直しに着手。救急車を運用する機関は、主として医療機関・救急専門機関・消防機関などであるが国によって状況は大きく異なるそうなのだ。日本やイギリスなどでは救急は行政サービスの一つとして位置づけられ、自治体や中央政府が主要な救急車運用機関となっているが、アメリカ合衆国などでは必ずしも救急は行政サービスではなく、民間企業が有料で救急搬送を実施している地域域も少なくないという。 この救急車は傷病者を病院などの医療施設まで迅速かつ安全に搬送するための車両という事なのだが、現在のような自動車のない時代から救急車は存在し、馬車や人力車が用いられていたそうなのだ。初めて救急搬送専用の車両が登場したのは19世紀のナポレオン戦争からであり、ナポレオン軍の軍医長に任命された軍人が戦傷者への迅速な治療のため軍救急部隊を編成し、戦場にあっても傷病者がいち早く野戦病院へ搬送されるシステムを構築したというのだ。このとき傷病者搬送に使用された車両が最初の救急車だとされ、アメリカの南北戦争時には当時は馬車が救急車として使用され馬車救急車と呼ばれていたが、これらいずれも戦場で負傷した戦士の迅速な治癒を行う上で大きく貢献したという。 我が国では同じ「救急車」と呼ばれる緊急自動車であっても、所属している組織によって配備の目的や車内の装備などが異なるそうなのだが、一般的な消防本部が運用する救急車は国籍・人種・納税の有無にかかわらず無料となっている。無料であるがために安易な利用者数が増加し、結果として到着時間が遅くなるという社会問題が起きているのだ。そこで自治体や専門家の意見を踏まえ現場の救急隊が、緊急性が低いと判断したケースのうち「無料であることが目的」・「医療機関で優先的に診てもらうことが目的」・「受診できる医療機関がわからなかったことによる要請」・「軽いけが」など、9項目に当てはまるものを「必要性が低い」と位置づけて集計し対策を講じていくというのだ。
2017年01月07日
コメント(0)
年末に総務省が発表した昨年の11月分の労働力調査によると、雇用者数が5758万人と前の年の同じ月に比べて82万人増え、率にして1.4%の増加で47カ月連続の増加となったそうなのだ。47カ月というのは第2次安倍晋三内閣が発足して、「アベノミクス」がはじまってからずっとということだという。完全失業率は3.1%と先進国の中でも例をみない率まで低下しており、事実上完全雇用と言ってよい状態だという。そのうえ人手不足は深刻で求職者1人に対して何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」は11月に1.41倍を記録しており、今年もこの人手不足が一段と深刻化するのは間違いないという。団塊の世代が労働市場から退出していく一方で、少子化によって新たに労働市場に参入してくる若者は減っているというのだ。 女性や高齢者の活用を声高に叫んでみたところで限界がやってきており、オリンピックに向けて今後景気が過熱すれば人手不足による忙しさは今の比ではなくなると予想されている。安倍首相は「働き方改革こそが今後3年間の最大のチャレンジ」だと繰り返し述べているが、安倍首相に言われるまでもなく「働き方」を変えなければ会社も社員ももたないのだ。企業は慢性的な人手不足に加え将来にわたって人材を確保できる展望が描けないことから、新卒一括採用だけでは足らず中途採用の拡大を一層進めていくことになるとの予想もなされている。しかも昨年は電通の過労自殺が大きな社会問題になったが、人手不足によって多くの会社で「今まで通りの働き方」では社員がもたないギリギリのところまで来ているという。 これは「失われた20年」の間に社員数を絞りに絞ったところへ、景気が底入れし仕事が増えたのだから社員はたまらなくなっており、仕事が増える中で今働いている既存の社員への荷重は確実に高まっているという。毎日残業をしないと仕事が終わらないという人の数が確実に増えているのだが、もともと日本の「正社員」は「残業が当たり前」という慣行の中で成立してきた。会社に命じられれば残業も出張も転勤も拒絶するのはなかなか難しく、忙しさの中で追いつめられていく社員は少なくないというのだ。業種では私の所属している建設業といった人手不足が深刻な分野が上位に来ており、建設業者内にもあまり浮かれた雰囲気はなく、この業界共通の悩みは「仕事はあるけど人が足りない」というものなのだ。 今年開催されたリオ・デジャネイロ五輪の競技会場建設が遅れているというニュースを見て、「やっぱりブラジル人は」などと他人事のように笑っていると、4年後に笑われるのは日本かもしれない状態になっているのだ。企業経営者も優秀な人材を集めようと思えば、待遇を改善しなければ難しく、今いる優秀な社員をつなぎとめるにも処遇改善は不可欠となっている。ただ給料を引き上げるだけでは人件費が増えるだけで経営にはマイナスになってしまうので、考える経営者ならば無駄な仕事を省き収益性の高い事業へ人材を集中させることで、利益を上げようとしなくては、続々と人が辞めその会社の事業が滞ることになってしまうのだ。体力のない企業では今年は「人手不足倒産」が増えることになるとの予測もなされているのだ。 政府の「働き方改革実現会議」では総労働時間に上限を設けることが議論されており、現在でも週40時間以内で1日8時間以内という「法定労働時間」について、現実には「36(さぶろく)協定」によって骨抜きになっているという。労働基準法36条に「労使協定」を結んで所管官庁に届けた場合は、「労働時間を延長させたり休日出勤させたりすることができる」としているのだ。長時間労働が当たり前になっているのはこの「36協定」が原因だとして、これを廃止すべきだという声もあるというのだ。運輸や小売りなど「現場」がある職種の労働時間に上限を設けるのは必要だとする一方、経営幹部などマネジメント層を労働時間で縛るのはおかしいという声もあることから、総労働時間としての「枠」を設置する方が好ましいという指摘もあるという。
2017年01月06日
コメント(0)
過去を懐かしむだけの鬱屈した毎日を送るようなことはなく高齢者が仕事をするとなると、世の中には老害の被害を被っている人達が間違いなく存在する。その一方で高齢者が少しでも自分の気にいらないことを言うと、すぐに老害と悪口を言う人達が多いのも困ったものだ。それでも老害とそうでないものを見分けるのは簡単で、その高齢者が権力を持ってそれを乱用しているかどうかによって決まるというのだ。権力を持たない高齢者は嫌われることはあっても、老害にはなりようがないそうで、典型的な老害は高齢者が権力の座に居座り続け、組織の新陳代謝を妨げている場合に生じるという。居座る高齢者本人からすれば後継者候補がいずれも頼りなく見えて「とても後を任せられない」と思ってしまうというのだ。 それを防ぐために大手企業などがよくやるのは「中二階に祭り上げる」ことだが、これも中途半端となっているのでこういう立場に置かれると、人はつい色々と口を挟みこんで不要な仕事を作り出して組織全体の効率を害することが多いというのだ。それ以前に忙しい職場の中に明らかに暇な人がいてその人が自分達より高給を取っているということになれば、若手や中堅の士気はその分だけ不必要に落ちてしまうのだという。会社がやるべきことは簡単明瞭で先ずは「年功序列的な考えを完全に破壊する」ことであり、次に「明確な職務範囲を持った専門職」をつくることだという。会社の中に少しでも年功序列的な雰囲気が残っていると思ったら、むしろ「中高年社員の活用」は綺麗さっぱりと諦めた方が良いとまで言われているのだ。 実力者は大体において威張らない。威張るのは、実力があまりない故に、それをカモフラージュするための虚勢を張る必要を感じている人だ。若い時には地位がなく、実力もまだ認められていないので、時には虚勢を張ることも必要かもしれない。しかし、歳をとれば、実力の有無は既に知られてしまっているので、威張れば威張るほど憐れみを買うだけだ。一度も権力の座に就いたことのない人は、威張りたくても威張りようがないので、まあブツブツ言っているだけで済む。しかし、一度でも、どんな小さい権力でも握ったことがある人は、その蜜の味が忘れられず、権力がなくても、威張ることで気を晴らす傾向がある。偉くなったかつての同僚や部下の名前を出して、それを「自分を偉く見せるための小道具」にしようとしたりもする。 高齢者が「口うるさい」のも問題で、高齢者本人とすれば「危なかっしくて見ていられない」という気持ちが強く、「転ばぬ先の杖」という善意から出た気持ちなのだろうが、ここはぐっと我慢して実際に口に出すのは3度に一度ぐらいに抑えた方が良いという。結局はその方が真剣に受け止めてもらえる可能性が高まり良い結果につながる例が多いそうで、そうでないと「また始まった」で終わってしまう恐れのほうが強いというのだ。周りの人達に自らの正しさを認めさせようとする「大御所」の存在などは百害あって一利もなく、盛りを過ぎた人はまずはそのような点に気をつけながら、盛りの人やこれから盛りを迎える人の邪魔をしないこと、さらには彼らを励まし守ってやることが何よりも大切だというのだ。 高齢者は一般に経験の蓄積が多くそれ故にリスクを察知する能力もかなりあるが、その分だけ取り越し苦労が多く果敢な決断に踏み切れないケースも多いという。従って「若い人たちが決断の重責を担い、高齢者が一定の牽制機能を果たす」というのが、多くの場合「理想的な姿」だと言えるそうなのだが、この大前提として高齢者側には「若い人たちのリズムを乱さない」ことが求められというのだ。高齢者でもいつまでも少年のような好奇心を持ち、自分が分からないことは誰に対しても敬意を持って教えを乞うような人は、いつの時代でも技術とビジネスの進化に貢献できるという。まずは自分の信じてきたことにも常に疑いを持ち考えを改めるべきと思った時には潔く改めることこそが必要だというのだ。
2017年01月05日
コメント(0)
1日の中でもっとも消費カロリーが少ない時間帯は「夜」で、朝や昼は仕事・学校・家事など何かしら体も頭も動かすので、多少の食事をとってもカロリーは消費されエネルギーに変わっていくので脂肪はつきにくいという。しかし、夜はあまり体を動かさないので消費カロリーは低くなり代謝も落ちていくので、食事でとった栄養はエネルギーに変わらず脂肪になりやすいといわれている。入浴することで体が温められ血行・代謝が促進されるので、カロリーが消費され同時にリラックス状態になれることで入浴後の睡眠にも良い影響を与えられるのだ。夕食後は食べた物を消化するために、胃や腸に血液が集まっていることから、夕食後は30~60分あけて入浴をすることで消化の妨げになることを防ぐことができるというのだ。 お風呂にはリラックス効果があり、寝つきを良くする効果があって、40度くらいのお湯に10~15分つかることで深部体温が上昇し入浴後徐々に深部体温が下がるのだが、実はこの深部体温の変化が寝つきを良くするためのポイントになっているというのだ。人は日中深部体温が高くなり夜になると低くなるという生体リズムを持っているのだが、この切り替えをサポートすることで寝つきをよくすることができるという。もっとも42度以上の熱いお湯は交感神経が優位になって眠りの妨げになってしまうため不向きなのだが、40度くらいの温度のお風呂に10~15分程度つかることで「固まった筋肉がほぐれる」とか、「副交感神経が優位になる」の2つのお風呂の効果はリラックス効果をもたらしてくれるそうなのだ。 しかも体がリラックスすると寝付きを良くなって睡眠の質を良くし、そして睡眠の質を良くすることはダイエットにとってもプラスになるというのだ。『全身浴は芯から温まらず、体の表面だけなので意味がない』 と言われていた頃があったのだが、手足の先までしっかりと温め血行やリンパの流れを良くするにはやはり温かいお湯に浸かるのが一番だという。入浴は半身浴が良いとされていたが半身浴は胸から上がお湯に浸かっていないことと、お湯の温度が低いため徐々にお湯は冷めてきて首や肩が冷えて寒くなってしまうのだ。冷えると血行が悪くなり皮下脂肪もつきやすくなるしカロリーもさほど消費されないというのだ。特に冷え性の人にはぬるめのお湯での半身浴は逆効果になってしまうそうなのだ。 全身浴は全身が温まり首や肩のコリも解れリラックスでき、水圧によって全身のマッサージ効果が得られるので体がほぐれ、血行が良くなるので代謝もUPしむくみ解消効果も得られるそうなのだ。夕食を済ませて胃を落ち着かせてからの入浴をすることが大切なのだが、胃を落ち着かせるには食後から1時間~2時間程度を見ておくと良いという。食後ある程度たってからの入浴は腹持ちをよくして夜食などを食べ過ぎないというメリットがあるのだが、夕食後すぐの入浴では消化が食べ物を食べた時にはすでに始まっていることから、消化のピークを迎えている時にお風呂に入ると血液の流れが良くなり、内臓に集まっている血液が全身に向けて流れ始めます。そのため消化中の食べ物が中途半端になってしまうというのだ。 こうなると消化不良を起こして下痢などの原因になってしまうこともあるので、もしお風呂が夕食後になってしまった時には夕食後30分以上経ってから、お風呂に入るようにすればよいといわれているのだ。入眠までの時間についても考える必要があって、眠りたい時間に身体が温まり過ぎると上手に眠れなくなってしまうので、寝つきを良くしたいのであれば入浴のタイミングは遅くても眠る30分以上前にすればよいそうなのだ。消化に重点を置く場合は食後30分~60分は休憩してから入るようにし、腹持ちのよさを狙う場合はまだお腹に食べ物があるタイミングがいいので食後30分くらいが適当だという。ストレス解消が目的の場合は食後30分~60分休憩した後に熱すぎないお湯に入るといいとされている。
2017年01月04日
コメント(0)
お風呂はダイエット効果があるといわれているのだが、じつはお風呂に入るタイミングによってダイエット効果をさらに上げることができるというのだ。そのダイエット効果を上げるお風呂に入るタイミングというのが夕食前で、多くの方が夕食後にお風呂に入るといわれているが夕食前のほうがダイエット効果は高くなるというのだ。湯船にしっかりつかると体温が上昇して毛細血管も広がり全身の血流がよくなるそうで、身体の表面に血液がまわり胃腸の血液循環がへるため胃腸の動きは悪くなってしまうという。これで消化管の活動がおさえられるので胃液の分泌も減ってくることから、お腹がすいている時であれば空腹感がおさえられるというのだ。それに体の脂肪は血液中のブドウ糖がエネルギーとして使わないと燃えないとうのだ。 つまり体内のブドウ糖が最も少ない時に運動をすると、体の脂肪が燃えやすいことにもなるということなのだが、もちろんお風呂も同じでブドウ糖が少ない時にお風呂に入れば、脂肪が真っ先に燃えてエネルギーになるため、ダイエット効果が上がり痩せることができるのだ。それだから体の脂肪を燃やすなら夕食後よりも夕食前がベストだとされ、このタイミングでお風呂に入れば効率よくお風呂ダイエットできるつというのだ。ちなみにお風呂の消費カロリーはどれぐらいかというと、お風呂の温度や入浴時間などお風呂に入る環境には個人差があるが、一般的には1回の入浴での消費カロリーは約90kcalといわれているが、運動した時の消費カロリーと比べればお風呂の消費カロリーは少なく感じられるという。 ただ10分程度お風呂に入っているだけで90kcal消費できると考えれば、少なくない消費カロリーといえるというのだ。またお風呂後にごはんを食べるといつもより少ない量の食事でも満腹感が得やすくなり、お風呂に入るだけでも実はエネルギーを消耗するため空腹時の入浴で脂肪も燃焼しやすくなるという。お風呂は入浴している時間だけがダイエットにつながるわけではなく、お風呂に入った後でもしばらくは体が温まっているということは、お風呂に入った後も代謝が上がっている状態が続いているということなので、しばらくはダイエット効果が持続しているというのだ。もっとも空腹時に食事をとると早食いになりついつい食べ過ぎてしまう可能性があることから注意が必要だという。 ダイエットしたい人であればお風呂に先に入ることでダイエット効果を期待でき、食欲を押さえたいと思っている人は入浴中にアロマを活用する方法もあるという。グレープフルーツやバニラの香りにシソ科であるパセリやマツ科のシダーウッドといわれる香りには食欲を抑制する効果があって、夕食の食べ方や内容にも注意することでさらにダイエット効果もアップするという。ただし空腹時に入浴しその直後に夕食を食べてしまうと胃腸の動きが悪く、消化不良になる可能性があることから、夕食は入浴後30分以上空けるようにするとようそうなのだ。入浴といってもシャワーだけでは効果は期待できないそうで、お風呂に入るときは40度くらいの温度にして10~15分程度つかることで深部体温も上昇して全身の血行もよくなるというのだ。 それとお風呂ダイエットをする前には水を飲んで水分補給をすることが必要で、お風呂に入った後も体内の水分が少なくなっているので水分補給をすることが大切だという。38度くらいのぬるい温度だと身体が十分に温まりないうえに、副交感神経が働いてよりお腹がすいてしまう可能性があるというのだ。空腹時には血糖値は低くなっていることから長時間入浴してエネルギーを消耗しすぎる低血糖の状況となってしまい、冷や汗や顔面蒼白など貧血の症状が出てくることがあるというのだ。それでもお風呂ダイエットの効果を上げて痩せるためには「夕食後」がベストなタイミングなのだから、あまりにも空腹すぎるときには30分前に少しジュースを飲むなどの対策をするとよいというのだ。
2017年01月03日
コメント(0)
自転車シェアリングがビジネスパーソンを中心に希望が多くなっているそうで、利用回数をみると一昨年は55万回だったが昨年は100万回で、そして今年は200万回を見込んでいるというのだ。社会的な交通手段としての自転車の役割拡大に向け、国に計画作成を義務づける「自転車活用推進法」が国会で制定され、環境に優しく災害時にも動ける利点を挙げ安全に配慮しながら活用を進めて車依存を減らすことが、国民の健康や交通混雑の緩和につながると明記されているという。専門家は「交通の転換を図る一歩」と評価しているが、国として初めて自転車政策全般の基本的な方向性を定めた法律で、超党派の議員連盟の提言を基にした議員立法として本会議において全会一致で可決成立したというのだ。 この「自転車活用推進法」は自転車の活用推進を国や自治体の責務とし、目標や制度・財政上の必要措置を盛り込んだ「自転車活用推進計画」を定めるよう政府に義務づけており、都道府県や市区町村にも計画作成の努力義務を課し公共交通機関や住民の協力も求めているというのだ。自転車を公共的な交通に位置づけまちづくりに取り組む動きは、近年自治体レベルで先行しているのだが私の住んでいる愛媛県は自転車交通には力を入れているのだ。自転車政策に詳しい山中英生徳島大教授は「後押しする法律ができ自治体がより政策を進めやすくなる」と分析している。自転車利用者の多い都市を中心に総合的な活用計画が作られ、法の公布から6カ月以内に施行されるがこうした自治体は少数派だという。 自転車政策に詳しい山中英生徳島大教授は法の理念実現には、住民に最も身近な市区町村のやる気が重要と指摘した上で「問題を抱えていたり観光活用を考えていたりする自治体は少なくない。法制定で先行事例の蓄積も進み、参考にできるだろう」と語っている。そして市区町村の取り組みには費用面や住民合意などの課題があるが「国土交通省も支援しやすくなるのでは」と期待しているそうなのだ。「自転車活用推進計画」では重点施策として14項目を列挙して取り組みを進めるため、国土交通相を本部長として官房長官や厚生労働相ら関係閣僚でつくる自転車活用推進本部を国交省に設けるとしている。さらに関係団体がイベントを行ってきた5月5日を「自転車の日」とし国民に広く理解を呼びかけると定めたという。 自転車の交通ルール違反への対応や自転車事故に伴う賠償の制度化について検討することも政府に求めているが、自転車交通を研究する三井住友トラスト基礎研究所の古倉宗治研究理事は「国に自転車政策への関わりを義務づけたのは大きい。従来は、やるなら地方の責任でというスタンスがあった。自治体に対する努力義務規定は全国レベルで自転車への意識が高まるきっかけになる」と指摘している。またNPO法人自転車活用推進研究会の小林成基理事長は「車中心主義を見直し、自転車を主要交通手段と位置づける内容。理念をどう具体化するかが大切」と話している。また国土交通省に自転車活用推進本部を置き、基本方針に即した目標や講ずべき措置等を定めた推進計画を作成する。 この「自転車活用推進法」は自転車の特長としてエコや静粛性・機動性などを挙げ、自動車への過度な依存を低減し交通体系における自転車の役割を拡大することを基本理念としているが、自転車にもナンバー制やかんたんな免許制に類する制度の導入も考えられているそうなのだ。自転車専用道路や通行帯の整備や路外駐車場の整備による時間制限駐車区間の削減に、シェアサイクルの整備・自転車競技施設の整備・交通安全教育および啓発など、重点的に検討・実施すべき施策を基本方針として定めている。関係者によると自動車が優先の道路状況から変えていかないという。、自転車道に限定した法律は「安自転車道整備法」があるとされているが、走行空間整備やルール徹底が求められているというのだ。
2017年01月02日
コメント(0)
人口減少への対策として政府は「1億総活躍社会の実現」を掲げ、保育や介護の充実に加えて今年の夏からは働き方改革にも着手するとして、6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」で「半世紀後も人口1億人を維持する」と目標も明記している。それでも政府の対策は即効性が見込めず課題は山積しているのは間違いがなく、その結果が厚生労働省は平成28年の人口動態統計の年間推計を発表したのだが、出生数は前年比2万5千人減の98万1千人となり、戦前の旧戸籍法に基づく明治32年の統計開始以来過去最少となったというのだ。年間の出生数が100万人を割るのは初めてで、厚生労働省は「主な出産世代とされる20~30代の女性の人口減が大きな要因」としているというのだ。 年間出生数が100万人の大台を割る見通しとなり日本の少子化はさらに厳しい局面を迎えているのだが、年間出生数は戦後間もない昭和24年には約270万人を数えており、いかに少なくなったかが分かるというのだがこれは通過点にすぎず、国立社会保障・人口問題研究所は2060年には50万人にすら届かなくなると推計しているのだ。少子化や人口減少ですぐに思い浮かぶのは経済の停滞や年金制度などへの打撃だが、これまでの少子化の影響で女児の出生数が減っており、出産可能な年齢の女性数が激減していくためだとされているのだ。残念ながら現状においては少子化の流れを止めることは極めて難しく、このまま人々が子供を産まなくなるのでは、やがて国家は滅ぶという事態になってしまうというのだ。 この「人口動態統計」の年間推計は日本在住の日本人について、1~10月の速報値を基に1年分を推計しているのだが、毎年6月に概数が9月に確定値が公表される。死亡数は前年より6千人多い129万6千人で戦後最多となり、死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は過去最多の31万5千人とされ10年連続で増加している。平成28年の婚姻件数は62万1千組で前年に比べ1万4千組減って戦後最少で、離婚件数は前年比9千組減の21万7千組だったというのだ。出産の前提となる結婚についても内閣府の有識者検討会が企業による結婚支援を促進するための提言案をまとめたが、「価値観の押し付けだ」といった批判を受け修正を迫られるなど、なかなか思うように進んでいないのが現状だ 1億総活躍をめぐっては「国内総生産600兆円」とか「希望出生率1・8」や「介護離職ゼロ」の目標を達成するため、すでに最低賃金の引き上げや保育と介護の受け皿をそれぞれ50万人分増やすなどの対策を始めている。菅官房長官は「出生率を1.8に上げるための政策を実施することが極めて重要」としているが、平成29年度予算案でも保育士の処遇改善に向け中堅役職の「副主任保育士」を新設して月給に4万円を上乗せするほか、介護と障害福祉の職員の月給も平均1万円上げることを打ち出している。さらに各政策を横断的に進める取り組みとして働き方改革を掲げ、同一労働同一賃金の実現による非正規社員の待遇改善や長時間労働の是正に伴う余暇時間を増やす方策に着手。少子化対策につなげようともくろんでいるのだ。 それでも待機児童数は2年連続で増加するなど対策は追いついておらず、働き方改革の成果が出るのも数年先となる見込みなのだ。確かに私の回りにも適齢期過ぎても結婚してない人がかなり多いが、その大半は結婚したくないという訳ではなく、いい人がいないでもわざわざ相手をガツガツ探したくはないという若い衆が多いみたいなのだ。そういう人たちが結婚できるような社会にしないと少子化は改善しないのだが、平成28年の出生数100万人割れは少子化対策を「経済再生の最重要課題」と位置付けてきた経済界には大きなショックだろう。企業側にも一層の取り組み強化が求められるのだが、少子化対策として余裕のある大企業に企業内保育所を相次ぎ設置してもらうことも考えているというのだ。
2017年01月01日
コメント(0)
全31件 (31件中 1-31件目)
1