で、正直に告白すると、ちょっとこの流れにのっかってるところもあって、確かにZitti e Buoniには衝撃を受けたけど、その他の曲も全部好きって感じのスタンスではないんだよね。メタルでもハードロックでもないジャンルだと思うので、"もっといいバンドはまだまだいるよ"とも思ってた。という客観的な面もあるリスナーであることも書いておく。ただ、こういう勢いのあるバンドを勢いのある時に観ておくことの重要性ってのは身をもって感じていて、音楽性は全然違うけど、先日NEMOPHILAを観た時に感じたものとそこは全く同じなんだよね。
SEがかかり、バラバラと登場したメンバー。一発目はZitti e Buoniだ。セトリは先に書いてる通りなので1曲ごとに書くことはしないけど、いきなりZitti e Buoniで始めちゃうセトリって、結構攻めてるよなぁと思った。この曲って最後の最後にやる曲でもいいと思っているので。もっと言えばいわゆるシングルヒットであるSupermodelとかMammamiaとかを前半で惜しげもなく披露しちゃってるんだよね。これって結構衝撃で、逆に言うとバンド側からの"キラーチューンが出来るのはまだまだこれからだ"っていう声明のように受けとっちゃったりして、よくありがちな、"あ~、本編はコレで締めて、アンコールはアレれとアレね"みたいな概念をぶっ壊す感じで凄く好印象だった。 一方でI wanna be your slaveを2回やったのは意味がよく分からんかったな。勝手な想像で、曲数が足りないけど90分はやってくれ、みたいな契約になっていて無理矢理延ばすためにやったのかな、とか思ったりしたけど、これだけダイナミックなライヴなら、多少時間が短くても十分満足できただけに、ちょっと残念だった。 そのライヴ自体は、充分に満足できるもので、若さと躍動感が溢れるエネルギッシュなライヴだった。フロントの3人は本当によく動くし、息もピッタリ合っていた。音もよかった。まだデビューしたてとは言え、今までのライヴでしっかり鍛えられてるんだろうと思ったし、貫禄すら感じさせたよね。イメージ的にヴォーカルとベースに目がいきがちだけど、ギターとドラムも十分キャラ立ってて、バンドとしてのまとまりが凄くあったと思う。まさにライヴバンドとしての実力も充分あるということを証明した。 ヴォーカルは日本語も交えてコミュニケーションもしっかりとっていたし、進撃の巨人が好きらしく、心臓を捧げよを一節歌ったりもして、見事なフロントマンシップをみせていた。 そんなこんなで90分。ボクみたいな一歩引いた目で観ていたファンもしっかり満足させられましたよ。