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★ あ る 男 の 旅 立 ち ★
男は今列車に乗って遠いかなたに
行ってしまうような気がした。
この小さな駅に咲くこぶしの
花の白さが鮮やかに目にうつる。
今日から僕の新しい人生がはじまるのだ。
そう思いながらも希望と不安の入り混じった
気持ちになり男は少し寡黙になっていた。
男は18歳になったばかりで
体格は177cm・58kg。
痩せ型でひよわな風貌である。
ひよわさは男の幼さでもあった。
大人の体としてまだ出来あがっていない。
ひとことでいうとモヤシのような
ヤセッポチな若者であった。。。
みるからに弱弱しい感じのする。・。・。・
だが・・りりしさはないかわりになんとも
いえない純朴さと大自然の中で育った
若葉のような初々しさがその男にはあった。
田舎育ちの無垢な雰囲気が未来にむかう
若者の旅立つ姿だといえるだろう。
今日から新しい希望にむかっていくのだ。
だがそれよりもより多くの困難がありそうで
男は晴れ晴れとした気持ちにはなれなかった。
母はいった。「元気で頑張りなっ!」
母の大きな体が淋しそうに見つめていた。
「着いたら手紙を忘れずにね!」
そういいながら母は白い歯を少し見せて
茶色の封筒をそっと男に手渡した。
男は「なんなんや?」といって母を見つめた。
「列車が出てから見ればいいよ!」
「ほら***真っ赤な朝日だよ!」
母は声を小さくしてそう言った。
母の背中越しにまぶしい朝日を眺めた。
小さな駅のホームから母と子がみる
最後の朝日かも知れなかった。
もうすぐしたら列車がくる時間である。
母は「がんばるんよぅ。。。」しんみりした
声でそういいながら涙ぐんだ。
「うん!おかあちゃんも体大事にしてよ。。」
着いたらすぐに電話するから。・。・」
列車がホームに入ってきて停車した。
いよいよ大都会へ旅立つ時がきた。
「おかあちゃん!!ほないくわな。・。・」
「僕のことは心配せんでいいから・じゃあ~~」
しんみりしていた母の顔が微笑んだ。
「体第一だから夜ふかしをしないでねぇ。・。・」
「つらくなったら電話をおくれ!!」
母の眼差しにはいつもの優しさがあった。
「もういいから。。。行くよ!!」
男は母にそういって列車に飛び乗った。
列車はゆっくりとレールの上を動きだした。
母は手を振りながら微笑んでいる。
男の目にうっすらと涙がにじんできた。
「おかあちゃんありがとう!!頑張ります!!」
心のなかでそうつぶやきながら手を振った。
母の顔が小さくなって男の視界から消えていった。
母と別れてはじめて母のありがたさが故里の
光景とともに心にしみてきた。
ひとすじの涙が男のほほをぬらしていた。
はいストップ!!
若者の新しい人生の旅立ちは大きな
夢と希望にあふれているものです。
でも反面これから歩んでいく未来への
不安もまたいっぱいなんですね。
あなたの人生の旅立ちは、どんな光景でしたか。・
故里を後にして母や家族と別れて旅立つ
列車の中で男は何を思ったのでしょうか?
この男のこれからの人生は
あなたが綴って下さい。 <(_ _)>
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