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♪ 戦 士 の 掟 ♪
なにを思ったのかふいに男はいなくなった。
行方不明なのである。
午前9時すぎに会社から電話があり・・・
「ご主人さんが会社に出勤していないんですが・・・」
そう言われて妻のみどりは天地が
ひっくりかえるほどびっくりした。
「今朝いつもどおり主人は7時前に
会社に行くため家をでたんですよ。
何があったんでしょうね。
結婚して今年で10年になるけど
欠勤なんてはじめてですわ!!」
連絡をくれた同僚にそういうと
フゥ~とみどりはため息をついた。
何かしら胸騒ぎと不安がいっぺんに
みどりの心をおそった。
みどりは33才で夫高志は42才であった。
恋愛結婚じゃなく父のすすめで
結婚したというべきである。
頑固な父がこう言った。
「いい人がいるから会ってみろ!!」
その一言でみどりはお見合いをしたのであった。
夫は32才のインテリ風の男にみえ、みどりは
23才のどちらかというと家庭的でまじめな女にみえた。
お見合いのあと知らない間に
トントン拍子で話がすすみ結婚した。
恋愛感情も生まれないままに頑固な父(片井鉄男)
のいうとおりにした結婚だった。
みどりはいつも自分が決めた結婚ではなく
父が決めた結婚だとひそやかに心の奥底に
いつもふつふつと湧き出るマグマを抱いていた。
ふたりの間には子供はいなかった。
「ふたりとも厄年だねぇ~」なんていいながら
苦味のある表情をみせて笑った夫を思い出す・・・
あれは一週間前のことであった。
夫は「もう仕事をするのが嫌になったねぇ。
人生なんて何のために生きているのかわからない!!
ふたりとも厄年だから何があっても
不思議ではないよ!!」そういった。
そのときの夫の顔はいまでも忘れられなかった。
1週間たっても夫高志の行方はわからなかった。
どこいいるとも連絡もせずに行方不明になった。
原因ははっきりしないままだ。
ひき逃げ・拉致・自殺・蒸発などいろいろと
考えたが夫にむすびつかなかった。
ただひとつだけ気になるのは、高志の言った
「ふたりとも厄年だから何があっても
不思議ではないよ!!」
その言葉であった。
でも会社にいく時の高志の姿はなんら
変わることなく普段どおりであった。
夫は今どこでどうしているのだろう・・・
夫高志は真面目すぎるほど
仕事ひとすじの男であった。
とりたててこれという自慢すべき
趣味は何一つもっていなかった。
だだ仕事をするために生まれたような男であった。
会社のために骨身をけずって仕事に邁進する
企業戦士であった。
毎日の生活はなんら変化にとぼしく朝起きて
会社に行き帰ると風呂に入ってTVを見て
過ごす、これが高志のお決まりの暮らしであった。
もらった給料袋は明細書どおり毎月全額を
みどりに手渡して自分の財布にはいくらの
金も入っていなかった。
お金には無頓着な男だった。
一日の小遣いはいくらだろう?
高志には一日1000円として
月はじめに3万円を給料から渡している。
結婚して十年間高志は妻にお金が足りないからと
いったことは一度もなかった。
1000円亭主というわけであった。
みどりはときおり高志はお金の使い道を
知らないのではないだろうか?
そんな疑問を抱くこともあった。
行方不明になったって財布の中身は
それほど入っていないだろう・・・
財布の中身を考えればそんなに
遠くへは、動けないないはずである。
心あたりには、ほとんど電話をしたり
訪ねたりと妻としてやるだけのことはやった。
会社の仕事仲間も心配して探してくれたが
一向に高志の居所はつかめなかった。
そろそろ警察に捜索願いを出さねばいけない!!
そう意を決するとみどりは心なしか落ち着いた。
高志を捜し出すことは身内だけでは困難であった。
最終の方法として警察に頼むしかなかった。
はいストップ!! ここまで、。・、。・
仕事ひとすじの真面目な男が行方不明になった。
捜索したが何のてがかりもつかめない・・・
妻のみどりは、警察署に捜索願いを出すことにした。
さてと・・・
これからの展開はあなたにまかせることとしょう””
いいですよね!!よろしくお願いしますよ!!
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