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『†Curse of blood†』 世界設定『古代』 神代に生み落とされ、神々の戦いの終戦後に、この大地を治めたのは、 神を崇め、その身に神霊の力を宿す【有角族】 常闇に生き、夜の支配者たる【屍鬼族】 精霊と交感し、それらを使役した【妖精族】 『カラクリ』と称される機械技術を大成した【巨人族】 この古代の4種族が世界『ロード=ムア』を統べる神の末裔達。 しかし、4古来種は、神々の大戦の折に、その個体数の大半を損ない、 種としての死滅を目前に迎えていた。とくに人の末裔とも云われる【有角族】は、 神々の大戦の折にその力の大半を失い、 純然たる『力』をその身に残した【屍鬼族】に支配され、 奴隷階級とされ、全ての権利を迫害されていた。 【屍鬼族】は、種の死滅を恐れ巣に篭った【巨人族】や【妖精族】の所為もあり、 大陸に強大な帝国を建国し、実質上の世界の覇者となる。 ―だが、 永久にみえた【屍鬼族】の栄華も、3000年という時の流れに風化し、次第に衰える。 ―きっかけは、 【有角族】の繁殖力が、他の3種よりも遥かに優れていた事に起因する。 失った力、その神霊力の源でもある『神』を降ろす器、 依り代の因子を持つ者が神託と共に誕生したのだ。 彼らはその子をアルジェベータと名付け、『神籬の巫女』として秘かに育てる。 ―時が満ち、 彼らは巫女を旗印に一斉蜂起し、皇領内部で大規模な抵抗運動が始まる。 ―それは、 時を経て、大陸各地で過酷な支配に対する反乱となり 世界を巻き込んだ血みどろな大戦へと発展する。 大部分の神霊力を消失した【有角族】にとって、その戦いは絶望的にも思えたが、 アルジェベータの『口寄せ』の力は絶大だった。 選ばれた者に神霊を吹き込む事により、 神の力、神霊力の断片を宿した【神人】と呼ばれる存在を誕生させたのだ。 神代に【有角族】が所持していた神霊力には遠く及ばぬが、それは大きな力となった。 ―更に、 【巨人族】が【有角族】を影から支援した事から、戦況は混沌としていった。 元から、個々の享楽や損得でしか動かないは、【屍鬼族】は、 命を賭してまで戦おうとする者が少なかった事もある。 この大戦は、有力屍族達の大規模な戦線参加が少なかった事が、 戦の拮抗を保つ最も大きな要因となっていた。 ―しかし、 巫女と【巨人族】の力を得ても尚、 【有角族】の劣勢は時が経つに連れて如実なものとなっていく。 巫女は遂に【死人】の魂を『口寄せ』により、現世に連れ戻す禁忌に触れ・・・・・・ 大陸史は一時、闇に閉ざされる事となる。 ―そして、現代に至る。 世界各地に【屍鬼族】の支配も根強く残ってはいるが、【有角族】と呼ばれる種は滅び、 その末裔とされる【人間】が、この世界に最も勢力を広げる存在となっている。 この物語は、 【神人】の末裔とされるリュズレイの血脈 【屍鬼族】のエルダーの一角、ウィズイッドの血脈を中心に、展開します。-------------------------------------------------------世界設定は【神代】【古代】【現代】とありますがまずは身近な【古代】から。フォントを変えてみました。・・・雰囲気はでますが、読みづらいですね(汗それでは、おやすみなさい(〃~∇~〃)zzz。o〇○
2007/09/28
小説モドキの話です。改稿前は、世界設定を創ってから書き始めたのですが、改訂すると宣まって始めた『†Curse of blood†』は、なんとなく前回のベースに頼り、何も考えないまま書き綴っていました。しかし、この頃、種族系と過去のアレシャイムについての問題が生じてきたので、ある程度ベース設定を創る事に致しました。『†Curse of blood†』は初小説でもあるのでいろいろと改訂・改稿しながら、私の成長と共に最終的に良きカタチになれば満足と考えてはいるのですけどね。と、いうわけで現在、リアルタイムで世界設定と神代から現在に至るまでの設定を考えています。とりあえず、設定に齟齬が生まれそうなポイント、月ノ章 1-06【哀奏】の妖精族の能力を『精霊魔法』とし、もうひとつ、滅びた古来種を匂わせておきました。考える時が一番楽しいのですが、それを文字として成立させるのが大変です。あと、ちょっとだけ伝奇モノの小説の設定も考えています。バリバリ(死語)古事記風味です(笑案の定、山岳信仰系は外せませんが…現代を舞台にしたほうが、余計な手間が省ける分、描きたい描写をたくさん書けそうではありますね。
2007/09/27
触れなかった・・・今まで我慢してきたけどリーグ優勝の話題そして、皮算用∥壁∥∀゜*)∥壁∥そろそろ平気ですよね・・・よね?喜んでもいいですよね・・・よね?転んだりしませんよね・・・よね?竜7連勝しませんよね・・・よね?・優勝ライン勝巨人中日阪神横浜8102-00 .56607-00 .570・・8001-01 .55906-01 .563・・7900-02 .55205-02 .556・・78・04-03 .549・・77・03-04 .54206-00 .550・76・02-05 .53505-01 .54311-00 .53175・01-06 .52804-02 .53610-01 .52474・00-07 .52103-03 .52909-02 .51773・・02-04 .52208-03 .51072・・01-05 .51407-04 .50371・・00-06 .50706-05 .497何事にでも言えることですが、勝負事は特に怖いですね。先週の今頃は確実に『勝利の女神』は虎さんの方向を向いていました。私も半分、リーグ優勝を諦めていましたし(汗一喜一憂・・・所詮、人の子よ(ぇでも、こういうこと書くと碌なことないんですよねΣ(=д=ノ)ノ -------------------------------------------------忙しすぎて、野球を見る暇も、小説を書く暇もない・・・
2007/09/26
自らの人生の指標に、未だ明確な答えが見出せない今日この頃人生にしっかりとした目標を持って行動出来ている方が羨ましいです。なんとなく、お金を得るためだけに仕事をし、趣味に時間を費やすのも怠惰的とはいえ楽しいのですが、そこに、常に疑問を抱くようになっています。ただ、いろいろな事に挑戦してみたいという気持ちだけは強いです。まずは、文章スキルを上げる事です。一度、始めたら深淵を視るまで諦めないのも、私の特徴のひとつなので、そういった意味でブレる事はありません。似たような事を何度も書いていますね・・・きっと。でも、それは私にとっての『言霊』のようなものです。『†Curse of blood†』風に書けば、私を縛る鎖のひとつです。私から『私』への、【訓戒】であり【呪い】ですね(笑最期になりましたが、web拍手をくれた方々ありがとうございます。返信が遅く纏めてになってしまうのはどうかお許しください。
2007/09/24
大聖堂へと向かうべく外に出ると、流れる涼風が高揚していた精神を冷却してくれた。 ヴィルヘルムと別離し大図書館を発ってから、幾度となく喉を鳴らしている。 漂う曇天は掻き消され、現れた蒼月は仄かな輝きを、地上に降ろし、我の影を薄く石畳に縫いつけていた。 我はその朧な光に誘われるように、天上を見上げる。 ヴィルヘルムの披瀝した話は、俄かには信じがたい常軌を逸したものだった。 それはこの教皇庁で『不死』の研究が古来より行なわれているという事実だった。 いや、それそのものに懐疑や不審はない。 その手の噂は、人の世の常でもあり。絶えることのない人類の渇望でもあるのだろう。 アレシャイムの教義も、不死の研究を邪悪なモノだとは捉えていない。敢えて秘匿して行なう必要はないのだ。 なにしろ、このアレシャイムを影から操っているのは、その不死を手に入れたと噂される『長老』達であるから。 ――12賢人集会―― それは公会議と並び、この聖地を取り仕切る最高議会、大公国と王国の双方に発言権を持つ審査機関でもある。 12賢人集会は大教皇と7枢機卿で構成されているが、それだけでは『12』という数字には4賢人足りない事になる。 その空いた4つの席に座る者。それが、この教皇庁を影から支配する『長老』と呼ばれる人間・・・であるはずの者達だ。 だが、その存在は一部の王族や高位聖職者を除き、秘匿された存在でもある。彼らは決して歴史の表舞台には登場しないからだ。 『長老』達は、アレシャイムが教皇領を有す国家としての体裁を整えてから、何千年もの間、決して死ぬことなくこの教皇庁を支配している。 議会に於いても、『長老』達は、念話と呼ばれる特殊な伝達手段で意思を表明し。人目を閉ざす厚いヴェールの向こうから、全ての指示を直接に列席者の脳内に送ってくるらしい。故にその姿を推し量る術はない。念話から窺える4人の長老達は時に、女性のようであり、子供のようでもあり、老人を模すようでもあったとされている。 如何様な化物がこの聖地を治めているかという知的好奇心は、尽きる事が無かった。 そこに不死の研究である。興味を持つなと言う方が無理な相談である。 ヴィルヘルムの話は、夢見事と切って捨てていたはずの『長老』達の不死説が、再度、現実味を帯びるものであった。 (…ん?) 神殿都市セラディム市街地へと続く空中庭園の南門へと差し掛かった時、 ――ぴょん 庭園の葉群れから雨粒を撒き散らしつつ、目の前の石畳に白い球体が転がり出る。 先ほどの事もあり、厭な汗が背筋を伝うが、それは直ちに微笑へと転じた。 「ほぅ…。野生のミュミュとは珍しいの」 我のことを、大きく開いた団栗眼で見つめるその生物は、メナディエルでは神聖視、リエルローザンでは忌避される、有角の古来種だ。 禁忌とされてはいるが、その額に生えたその角を煎じて飲めば、不老不死が授かると謂われている。ただ、これに関してはただの戯言でしかない。 そう、ミュミュにはもう一つ、忌諱な特徴がある。それは我ら屍族と同じく、長く生きるほど、その影が薄くなってゆき、―生命としての終焉。死が訪れた時、完全に消えるというものだ。 (だが、こうも立て続けに不死に纏わるモノか…何かを暗示しているように思えてならぬ…) じっとこちらを窺う大きな瞳、高い知性すら感じさせる赤い2つの目――。 (綺麗な毛並みじゃな・・・触ってみたいの・・・・・・) 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 白い固まり――ミュミュの方も、我に興味を抱いてくれたようだ。 数歩、我に近づきかけて…―――不意にツイと身体を背けた。 我はその不自然な所作に眉根を曇らせるが。どうやら、逃げる気配はない。 「くるのじゃ…」 ――ピクッ。 その姿に魅入られるように、手を差し伸べる。 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 だが、ミュミュは完全に、此方のことを無視している。 いや、耳を立てたその姿から、我よりも他の危険に集中しているように… 「いたぁぁぁーーーーっ!!」 ――ドムッ!! 「ぐっ!!」 「うにゃっ!?」 ――ドターーン 「はくっ・・・あぅぅ・・・」 2つの叫びが交差する中、我の背中に唐突に走る、重たいものをぶつけられた鈍痛。押し倒されるような形で石畳に倒れこむ。 ミュミュに気を取られていたとはいえ、我ともあろうものが、他者の接近に気付かなかったとは不覚であった。 「うに・・・あれれ?」 半身を起こすと、突然の不意打ちを喰らわせた人物。・・・我にエルダーとしての沽券に関わるような醜態を晒させた者を視界に捉える。 黒を基調とされた繊細な刺繍が施されたペプラムフリルのロングドレスを纏った少女。 それをみるだけでもかなり高貴な身分の人間だと一目で分かった。 悪怯れもせずに、目前でキョロキョロと辺りを見回している。それに合わせ左右に揺れる金色のツインテールが鼻先に触れてむず痒かった。 此方を完全に無視したその仕草に流石に腹がたった。 「本気で痛かったのじゃが…」 恨み言のような我の言葉に、漸く此方に注意を向ける少女。その視線がそのまま我の頭上に赴く。 あろうことか、被害者である我を睨みつけると、頭の上に向けて、ビシッと指を突きつけてきた。 「むむっ…!? プルとプリンちゃんの・・・え~と、み、みつげつ・・・? を、じゃまするおつもりですかっ!!」 少女は舌足らずな可愛い声で、何やら理不尽な言葉を並べてていた。途中に疑問符が入った事に関しては、なんとなく聞かなかった不利をする。 とりあえず、少女の突きつけた人差し指の先を瞳でのみ追うと、視界になにかふさふさした尾っぽのようなものが垂れてきた。先ほどから頭が不自然に重たい気がしてはいたが、どうやら、重力による物理的法則が原因だったようだ。 我の頭の上には先ほどのミュミュが無造作に佇んでいた。 「ふむ、お主がこのミュミュの飼い・・・」 「まさかっ、兄様の『たくらみ』ですかっ!!」 此方の言葉に被せるように言い放ち、鼻先を密着させる勢いでぶんぶんと腕を振り回す。 「聞けっ!我の話をっ!」 少女はおしゃまな感じで鼻を鳴らすと、コチラをジト目で見つめ返す。 不意に大人びた表情で、やれやれと首をふった後、したり顔で頷くが、尻餅をついたまま、ドレスの裾が派手に捲くれあがった状態なので、様になってはいなかった。 どうやら羞恥心も欠損しているようだ。 「『げんろん』はじゆうであってしかるべきで・・・え~と、ほんらい?」 「だから・・・我の話を・・・」 疑問調が入り乱れる不可思議な物言いに呆れ、閉口しかける。だが、無視するともっと悲惨な目に遭いそうな予感があった。 「きっとそうですっ!!シャル姉さまばかりかプリンちゃんとのなかまでひきさく・・・」 バキィ 「うぎぃ!?」 とりあえず拳骨で殴っておく。 だが、恐ろしく、石頭だった。殴っておいてなんだが、損をした気分になった。 世の中は果てしなく理不尽だった。 「むぅ~・・・。やはり『らすぼす』ですか? そうなんですね?」 バキィ (う~ん、悪い癖が付きそうじゃ) 我は目前で、額を抑えて蹲る少女をぼんやりと眺めながら、この森閑とした空中庭園で、漫才の真似事をせねばならない自分に真剣に疑問を抱いていた。 ガブリ・・・ (・・・) 右腕に鈍痛…視線を手元に落とす。そこにはありえない光景があった。 天を仰いでしばし考えてみるが答えはでなかった。 「・・・・・・・・・・・・・・なっ、 ナニを・・・・・・し、しているのじゃ?」 吸血鬼の真似事如く、我の右腕に歯を立てている少女に向けてとりあえず訪ねてみた。 「がるるぅ・・・ふぁむ・・・・・・ぁむ、あむぁム・・・」 噛み付いたまま、上目遣いに此方を見上げ唇を尖がらせる。 どこぞの異国では、お互いに体の一部を食することにより友好の証をたてると聞き及ぶが、それとは何か違う気がする。 礼法に関する様々な習慣にまで思いをめぐらせてはみたが、それも無意味な行為に思える。 不幸な事は、目の前の少女が我の常識に囚われた思考では理解できない、規格外の人間だったことだ。 少女は短略的に言論の自由を放棄して、実力行使に踏み切ったようだ。 「だぁー! いい加減にせいっ!!」 噛みついたまま、ぶら下がるように纏わりつく少女を振り払おうと、右腕を力任せに振る。 少女は我ともほぼ背丈が変わらぬ為、その短躯が右に左に引き摺られる。 「むー」と苦しげな擬音が噛み合わされた前歯の間から漏れる。序所に少女の顔も赤みを帯びていく。 しかし恐ろしいほどの咀嚼力で一向に離れる気配はみせなかった。 ガブガブ…たらー 「・・・って、チッ血が…あうぅ」 ――血液恐怖症 そんな単語が久々に脳内を過ぎる。 屍族でありながら、我は自分自身が齎す出血には、からきし耐性や免疫がなかった。 自らの体質を呪いながら、そのまま意識が反転する。 我は不本意ながら意識を飛ばしたのだった。 (理不尽じゃ…ぐぅ) 最後に胸裡でそう呟いていた。 それが、いろいろな意味で取り返しのつかない出会いであったと気づくのは、まだ先の話であった。 いや、後悔だけなら既にしてはいたが・・・-----------------------------------------------------※訂正・改訂はフリーページで致します。今回は無理に書き上げたので改稿多そうです(汗(半角1万文字オーバーしたのでタグを削除致しました)
2007/09/24

いつまでも、便宜的にうさぎ風船(うささ)のままではどうなのかな?という気もしていたので、HNを変更致しました。神籬斎(ヒモロギ-イツキ)古事記HPの方で最初に使おうと考えていたHNで、残念ながら、第二候補となってしまったものです。私的には一番のお気に入りだったのですけどね。『白露』や『御嶽』などの語句も魅力的ではあるのですがまぁ致し方ないです。とても、私らしいHNだと感じています。検索してもHITしなかったHNなので大丈夫だとは思います。このHNに関してはもう変更する事はないと思います。-----------------------------------------------------追記ウチのシャムが大好物のモンプチゴールド【極上鯛添えまぐろ】が超特価商品だったので大量購入。きっと食べきる頃には飽きている予感Σ(=д=ノ)ノ アゥーン!!近頃、コレ置いてある店が少なくて困ってます。
2007/09/21

静謐な空間が衷心から呼び起こす感情に戸惑い気味な今日この頃です。今日は珍しくリヴリーの話題です。上記の様なイベントが開催されています。GLLに入会しておきながら、自堕落に食っちゃ寝生活のグレイマルキンを久々にお城まで連れて行きました。うむ、なんともいえないイベントでした。6個ほど集めた所で飽きて帰宅しましたが、時間があれば、全部揃えたいと思います。追記PCに依存度の高い人はリヴリーを飼うのも一興かと思います。毎日エサをやらないといけない面倒な生物ですが(笑それが自らの心の尺度【心のゆとり】を指標するには丁度良い感じです。『Livly Island』『リヴリーアイランド』は、ソネットエンタテインメント株式会社の商標です。
2007/09/20
―転換―紅茶の葉を嗜みながら夜更かしにを興じております。鷹揚に行なっていた古書収集。存外、今更に役に立っております。人と人との出会いとは、実に妙なものです。それを、素晴しいと感に入るのなら、その意義そのものに、相応しい人間にならねばなりません。もっと自分自身を高めるようにしなければと感じております。しかし、洗練された文章には程遠く、自らの至らなさに嘆かわしい限りです。時間が如何に有限であるかは、個人の生き方の中で問われ、試されるのでしょう。覚える事も知る事も数多に存在しているのだから。ただ、前向きに進むしかなく、今の私なら見誤る事もないと信じております。・・・・ふむ、違和感があります(笑しかし、そんな私も一興です(*゜∀゜*)丿
2007/09/19

『†Curse of blood†』 月ノ章 1-06【哀奏】 月ノ章 1-06【哀奏】―ミュークSIDE― 隠匿された書庫に漂う空気の質感が、明らかに変わっていた。 それは意志の耽溺によって生じる、時間の輪郭さえ曖昧になるような空間。 「さて、まずは礼を言うべきかの?」 「まだ2日もある…考え直してみてはどうかな?全てを知る事が幸せであると決まった訳でもあるまいに…」 まるで子供に言い聞かせるように、聴く者に安心を抱かせる声であった。そこにはただ、長く生きただけでは足りぬ、濃密な何かが感じられた。 ―そう、ヴィルヘルムは知っているのだ。 アレシャイムの典礼魔術の全てを記した『銀の魔法書』を用立てたのが、この老人であるのなら間違いはないだろう。 枢機卿位にありながら、我の目的を知って尚、その手助けをしたのだ。 夜の気配を纏わりつかせながら、我の紅玉の瞳が妖しい輝きを放つ。 溢れ出す『力』に身を委ねる。心の奥底、ずっと眠っていた何かが首を擡げる。それは、とても魅惑的で恍惚な瞬間でもあった。 「よしなされ、エルダー。今更、この老骨の心を覗いても、面白いことなぞ何もないはずじゃぞ」 ヴィルヘルムは鼻頭に掛かる眼鏡を指で押し上げ、その唇に微笑を浮かべた。しかし、その眼は笑ってはいなかった。笑みとは別の光が読み取れた。 それを正面から、微動だにせず受け止める我の瞳に、老人は深く嘆息していた。 「知らずにはおれぬかの…それを知れば、ミューク・ウィズイッド。お主も逃れられぬ運命に縛れる事になるやもしれぬぞ」 「目を背け、得た、偽りの生を生きる事が幸せとは思いません。『私』は知りたい。アレシャイムには母の意志が眠っているはずだから…」 ―想いは打ち寄せる波のように、満ちては退いていく。 それはとても、遠い日。 今も尚、『私』を縛り付ける鎖。 『私を…チェルシーを忘れてしまったの?・・・・・・お母様』 まるで、闇そのものであるように、妖艶な美しさを纏った女性。 私の必死の問い掛けにも、母の表情は凍りついたままだ。ただ、その瞳だけが悲しい色を燈していた。 私は母に認めて貰いたかった。ただ、それだけだった。 力の覚醒を迎えるまでに、屋敷の蔵書室にある全ての本に目を通し。その知識は彼方の世界に至るまでに、造詣深きものとなっていた。 既に落日の下に晒されつつある、ウィズイッドの威光を、もう一度世界に知らしめるべく。様々な知識を集積した。 それが次期当主たる私の役目だとも信じていた。 だが、如何ほどに知識を、力を、手に入れようと、母は悲しげにそれを見つめるだけであった。 ―拒絶された。 そう感じた。 だが、今になって想えば、母は怯えていたのかもしれない。 『私は何か大切なモノを壊してしまったのだろうか?』 いや、母はきっと視ていたのだろう。私の内に眠る未来の姿を… 母は歴代の継承者の中でも、最も優れた『先視』能力の持ち主だった。 『…この子の背負う宿命を少しでも私が肩代わり出来るのなら』 それがウィズイッドに継がれし『夜』を継承した際に、触れてしまった母の心の欠片だった。 我は最初、その言葉の意味するところがわからなかった。しかし、ひとりの人間の女、エレシアム・リュズレイの心に触れたときに、母の想いの一端に触れた気がした。 今は遠い場所であるのかもしれない、しかし、その想いを忘れぬように…消さぬように… 我は余命幾ばくもない母の眼前で、継承した『夜』の力に制限を儲け、覚醒した『力』に限っては、完全に封印した。 それが母の意志だと感じたから…だからこそ、『私』は『我』であるのだ。 母の衷情を確かめることは、『私』という存在の内包を明瞭にし、そこから導き出される未来の外延を確定することに繋がるのだろう。 「何が正しくて、何が間違っておるかなど、誰にもわからぬよ。我は『私』の想いに身を委ねてここにおるだけなのじゃから」 「わしの言葉ではやはり止められぬか、母親に似て頑固な性格じゃ」 過去の残滓を脳髄から追い払うと、ヴィルヘルムへ、いや我自身へと無解の問答を投げかけていた。 我の応えに満足したのか、ヴィルヘルムは揺り椅子から立ち上がると、一冊の書物を手渡してきた。 (!?) 掌中で異質な質感を醸し出す標題のない書。 誘われるように紐解く。ひと目みて分かった。 それは、今は失われた古代の言語『イス』、ロストスペルで記述された書物。 ロストスペルとは人間よりも遥か以前からこの大陸に存在した古の文字。象形文字に起源を持つ表意文字である。現在では、その全てを解読する術は失われているといっても過言ではない。 恐らく、神聖魔術の『リード・ランゲージ―読解―』を用いても解き明かす事は叶うまい。 勿論、我にしても、知りえる知識の断片から内容を推測する程度だ。 (皮肉な話じゃ…古来種の常用語でもあったはずの言語が、我ら屍族自身にも理解出来ぬとはの…) この大陸に覇を唱え、その全てを一時期にしろ支配した我ら屍族は、多くのものを切り捨ててきた。 ロストスペルもそのひとつである。本来の文字体系から多種多様に派生する古代文字の統一を図り、現在の大陸語でもある『イル・アムル』を制定したのは、他ならぬ我ら屍族であった。 今は、その存在自体が、神秘の対象ともされている、古来種の2つ、巨人族や妖精族であるならば、解読する術も有しているかもしれない。 我ら屍族とも並び、半神とまで呼ばれる彼らは、巨人族の持つ『カラクリ』と呼ばれる機械技術、妖精族の行使する高度な神霊知識の下に高度な発展を遂げる文明を築いていた。 しかし、彼らは、もはや歴史の表舞台から、自らの意思で降板している。今更、多種との接触を持つ事はないであろう。ここ何世紀もの間、3古種の間には物理的交流は存在しなかった。 「それは、お主の母親から預かっていたものじゃ。そこに真実の一端が記されているのじゃろうて」 (母上から!?) 我はあまりに唐突なその言葉を容易には嚥下できずにいる。 思わぬところで母の隠す秘密の一端に触れる事が出来るかもしれない。 だが、と我は自問する。ヴィルヘルムと母との接点が我の記憶に参照されない。些か、稀薄にも感じる。何か裏があるようにも感じられてならない。 そこに至り、ふと微笑が漏れた。 (擁立する確かな論拠もないままでは、演繹も帰納もできまいに…ここで、無駄に思考を巡らせるのは合理的ではないの…) なにより、ヴィルヘルムを執拗に訝しむ事こそ、意味もない行為だ。 油断のならぬ人物ではあるが、信用に足る人柄であることは心得ている。 どちらにしても、事が成されれば、この『無銘の書』を読み解く術を探さねばならないだろう。 それに、ヴィルヘルムは、我の衷心に潜む『私』に、母の姿を重ね合わせたのかもしれない。もしくは、その問い掛けに含まれる、強い意志に打たれたのか。 「アルフォンヌ・ウィズイッドについて知る事は、ここアレシャイムの隠匿された秘儀に近づくことになるはずじゃ。太古から蠢く、神聖であり醜悪な渇望にの・・・・・・・・・・」 ヴィルヘルムはそっと眼を細めると、自らの記憶を披瀝するかのように、喉の奥底から暗澹と言葉を引き上げ始めた。 通り雨は過ぎ、ステンドグラス越し降り注ぐ月光は、ぼんやりと仄暗い空気にとけていく。それは、出口のない常世の迷宮に人を誘う哀思な輝きに映った。-----------------------------------------------------※訂正・改訂はフリーページで致します。日本語とは実に多種多様な表現がり、日々、勉強になります。少々、厄介でもあり、魅惑的でもあるその空間が胸裡を占める今日この頃です。
2007/09/18

『†Curse of blood†』 月ノ章 1-05【老卿】 月ノ章 1-05【老卿】―ミュークSIDE― 隠し階段の先を見上げると、古めかしい扉が視界に入る。 僅かに開いた扉口から光が零れていた。 慎重に石段を上がると、何者かの話し声が聞こえてくる。どうやら我らが求める場所に、先客はいるようだった。 中から聞こえてくる声は2つ。窺える気配の数も同じであった。 「シャルロット様・・・・・・・・・護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・枢機卿・・・・・危険・・・・・・・・・任せた」 扉の前に立つと、室内から響く言葉の断片を微かに聞き取る事ができた。 (シャルロット?…リュズレイの姫君について何か話しているようじゃな) 我はそう断定していた。 王侯貴族間では決して少ない名とは言えぬが、このように特異な状況で聞く場合に関しては、他に心当たりがなかった。 それに、もうひとつ、そう断言できる要素がある。中から聞こえる声の一つに覚えがあったからである。 「こんな所に客人とは珍しい事もあるもの…そんな所に突っ立てないで入ってきたらどうですかな?」 それも、出来れば出会いたくない部類の人間であった。 隠し段階を見つけた段階で、此方の存在が知られているのは分かっていた。故に我も敢えて気配を殺そうとはしなかったのだが、案の定だ。 我は深い溜息をつくと、双子に目配せをする。 レムが些か緊張した表情で扉に手をかけ、力を込める。 残響を伴いながら、錆びた金属が軋み鈍い音を立てる。 開かれたその部屋には粗方、予想通りの光景があった。 隠し部屋の周囲を囲むように備え付けられた書棚のみならず、モザイク模様の床の上にまで乱雑に積み上げられた蔵書。室内に窓はない。しかし東側の壁一面がステンドグラスで彩られていた。 その中央に、明らかに室内の様相とは不釣合いな、脚の部分に実に優雅な曲げ木を誂えた揺り椅子があった。 そこに腰掛け、手に持った書物から鬱陶しげに塵を払い落としつつ、眼を走らせる老人。その高い鼻筋に斜めに挟み込むようにのせられた眼鏡が印象的である。 側に置かれた小さな書台には、蛍輝石の洋燈と、白い湯気を上げる蓋碗が置かれている。 足元には、様々な芳香を漂わす茶壷が呆れるほどに転がっていた。記憶を探れば、それが香貴茶と呼ばれる東方に伝わる嗜好性飲料という事に思い至るが、それ以上に詳しい事はわからない。 古書独特のかび臭い匂いに混じり、芳しい香りが鼻腔をくすぐる。 「ほう、こんな所にエルダーである貴女がおいでとは、如何なるご用件かな?」 ゆったりと訪ねてきたのは、ヴィルヘルム・アンスバッハ首席枢機卿。 深いしわの刻み込まれた彫りの深い顔、意志の強そうな口元と長い顎鬚、包み込むような深蒼の瞳、見た目は白髪の穏和そうな老人だが、このアレシャイムで最も食えない人間だ。既に齢70を越えている筈だが、その眼光の奥に潜む鋭さは些かも損なわれてはいない。 彼は我にとっても縁深い地。アダマストル公国の出身でもある。 アダマストルがベルムーテス内部で最大の発展を成し遂げた根底にあるものは、公国内の優秀な人材を「確保」・「育成」・「管理」する、その教育制度の基礎理論を、国が積極的に推進してきたことにあるのだろう。 ヴィルヘルムもその中から見出された神童の一人だった。平民出の彼が枢機卿という地位まで登り詰める事が出来たのも、一重にアダマストルの教育制度の賜物だろう。アダマストルにとって皮肉な事は彼の才覚と信仰心が、前教皇フォン=ヴァレル大教皇の目がねに叶ってしまったという点に尽きる。もちろん彼自身の高い自尊心もその要因のひとつではあったに違いない。 「我の方こそ知りたいものじゃな。首席枢機卿はここで何をやっておるのじゃ?」 「質問に質問で返すのは関心せぬな…」 白い顎鬚を数度撫でるような仕草をみせる。 どうやら、向こうも同じように、質問に答える気はないらしい。 「師匠、我らも人の事はいえませんがね」 ヴィルヘルムの隣で、奇抜な衣装に身を包んだ青年が、笑いながら冗談めかす。 「エドゥアルト、お前は黙っておれ」 老人は此方を…正確には我とルムを、繁々と観察する青年を叱咤する。 エドゥアルトと呼ばれた青年は軽く肩をすぼめる様な格好をみせ、渋々ながら頷いていた。 「それに、お前には、やるべき事があるじゃろう」 「はぁ、俺のように才気溢れる弟子は、人使いが荒い師匠を持つと苦労するな」 まったく困っていないように見えるが、エドゥアルトは自らの師匠に恭しく頭を下げると、そのまま、部屋にひとつしか存在しない扉の方へと歩を進める。 つまり此方の方向だ。 予めそうすることを決めていたかのように、我の手を取ると、その甲に優雅に接吻をする。 更に、エドゥアルトは流れるような動作でルムの手もとろうとしたが、そちらはあっさりとかわされていた。 「お嬢さん方も美しくはあるが、残念ながら子供は守備範囲外だな」 ―ピクッ あまりにも不躾なその言葉に、何処かで何かが切れる音が聞こえた気がする。 エドゥアルトは我の頭に手を載せると、子供をあやす様に数回撫でる。ルムに伸びた手は、案の定、見事に避けられていた。 (無礼な奴、無礼な奴、無礼な奴・・・・・・・・・・・・) 我は心の中で、慇懃無礼で、短慮で、すこぶる気分を害するこの人間を、如何様に料理してやろうかと苛めき立つ想いを、どうにか抑え付けていた。 「ああぁ、ダメですよ~。ミューク様に身長を連想させる話題は禁句です。理不尽ですが、小さそうに見える仕草も万死に値するのです。後生ですが我慢してください」 決壊した。 ―ブンッ 「ひぃ」 我の裏拳がレムの顔面に吸い込まれる。引き攣った悲鳴が聞こえるが、その言葉が一番気に障ったので、自業自得である。 「では、俺は別にやる事があるので、これにて失礼」 顔面を抑えて蹲るレムに暫し唖然としたいたエドゥアルトだが、直ぐに我を取り戻すと、少しだけ裏返った声を残し、逃げるように隠し階段へと続く闇の中に身を溶け込ませていった。 ―コホン 乱れた感情を落ち着けるように、ひとつ咳払いをし、改めてヴィルヘルム老と向き直る。 「ヴィルヘルム卿、我らもここで探しものがあるのじゃが、構わぬかな?」 「ここは、万人に解放されて然るべき場所だとワシは考えているよ」 回りくどい応え方ではあるが、邪魔をする気はないらしい。要するに好きにしろというわけだ。未だに、額を抑えているレムと、相変わらず無表情なルムに書棚の探索を任せ。我は乱雑に積み上がった蔵書の物色を始める。 書籍の山に降り積もる塵は、様々な様相を見せていた。 「この大図書館はわしが管理長を務めておる。わしの仕事は著作を選り分けて、本来なら焚書になるはずの知識を救う事じゃ」 暫し、間をおいて、ヴィルヘルムは手に持った書物に目を落としたまま、ひとり言葉を続ける。 なるほどな、それで人目につかない時間帯に、行動しているわけか。ヴィルヘルムは下にある焚書扱いの書物を、一時隠し部屋であるここに退避させ、期を見て外部に持ち出すつもりなのかもしれない。 彼の知識に対する飽くなき欲求には関心するばかりだ。 そう考えれば、禁書が溢れるこの隠し部屋で、聖伝承に関する知識そのものが、ここで手に入るかも知れぬと踏むが、ぐるりと周囲を見渡し、深い溜息を吐く。流石に量が多すぎる。 少し考えが甘すぎたかと舌打ちしかけた時、一冊の本が目に留まる。 (!?) それは、入口から、最も目に付きやすい場所。乱雑に積まれた蔵書の一番上に無造作に放置されていた。 表紙には『銀の魔法書』と記載されている。埃は既に取り払われ、さも、読んでくださいと言わんばかりのその様子に、 「食えない、爺さんじゃな…」 (我らがここを訪れる事も、その理由も、全てお見通しというわけか…) 癪に障るので別の書物を探そうかとも考えたが、香貴茶をさも幸せそうに啜るヴィルヘルムの姿に拍子抜し、我は素直にその好意を受けることにした。 直ちに、書の記述に眼を走らせ、内容を確認する。双子を呼び寄せようと、口を開く。 「レム、ルム。2人ともこれを持って先に大聖堂に向かうのじゃ」 我は教会の結界について詳しく記述されたその書物を、近寄ってきたルムに手渡す。 「もう、見つけられたのですかっ!?」 後からやってきたレムは関心しきりだ。 「ミューク様は?」 本を受け取ったルムが冷静に此方を窺う。 「我は後から行く事にする。お主達は聖結界を解除する準備を進めておくのじゃ」 レムは我と共にここに残りたそうではあったが、渋々ながら我の意思に従った。 2人を大聖堂へと向かわせると、我はヴィルヘルムと正面から対峙する。-----------------------------------------------------※訂正・改訂はフリーページで致します。語彙が足りない自分に辟易気味ヾ(▼ヘ▼;)
2007/09/16
月ノ章 1-04【投影】※訂正部分(※訂正は全てフリーページで行なっております)【追記/改稿】※大図書館の外壁にステンドグラスが埋め込まれている描写 中央にアアル=セナートルの巨大な神像を抱く、巨大な建築物。最上部に埋め込まれた豪奢なステンドグラスが印象的で、建物全体が、何ともいえない物々しい雰囲気を醸し出している。---------------------------------※衛兵から他の進入者の話を聞いた描写&屍族の暗視能力の描写 「衛兵の話では我ら以外にも、ここを訪れている者がいるらしい。二人とも心配はないと思うが、気を抜くではないぞ」 見える範囲に、我ら以外の何者かの姿はなかった。下手に明かりをつける訳にもいかず、暗闇に眼が慣れるのを待つ。 屍族はタペタム層を網膜の下に有する事により暗視の力を持つ。しかし、その力もまた万能ではない。光の全く存在しない空間で、細かい作業を行う事は不可能だ。 客室から拝借しておいた香油ランプに、レムが明かりを燈す。 「誰もいませんね」 「明かりを点けていない事を考えれば、公式の手続きを踏んで、ここにいるわけではないのじゃろう」---------------------------------※ルムの動きを少々訂正&レムの台詞の変更
2007/09/14
仕事の方が立て込んでいまして、日記を書くつもりはなかったのですが、楽天様の『Headline News』に、目に留まる記事があったので少しだけ…世界保健機関は「自殺予防デー」である10日。世界では一日平均3000人の自殺者(約30秒に1人の割合)が出ているそうです。自殺は逃げる事だという意見も良く耳にしますが、それは、明らかに外から見た感想ですよね。勿論、自殺する本人も『逃げ』と意識している事も多いと思います。物事の本質としても、そう区分するほうが的確なのかもしれません。しかし、客観的意見では、救われない人間の方が遥かに多い…『正論』で救えるのは、生への執着が残っている人間、他人の言葉に耳を傾け、こちらに手を差し伸べている人だけです。それに、死のうとする誰かが、何を想い、そうするのか、全てを分かった上で、判断できたとしても、それでも、事実だけでは解決しないでしょう?無論、赤の他人がどうなろうと、客観的な事実だけを述べれば満足な人なら結構です。でも、真実を伝えるだけでは、駄目なんですよね。何も変わらない。死のうとしている人には、今更、世界の成り立ちや、物事の道理など不要です。自殺は『逃げ』だと、片付けてしまうのは簡単ですけど、『命』や『心』は、教科書でお勉強している通りの答えが出るわけではありません。言葉よりも、ただ涙を流したり、抱きしめてもらえる方が遥かに、命を繋ぎとめる鎖になると私は思います。極論を言ってしまえば、何も分かっていなくても救えたりするのです。そこに、相手に対する深い感情がありさえすれば、伝わるのですよ。少なくとも私はそうでした。自殺はね、頭で考えてするものではなく心の病から至る行為なのです。だから、理論や思想ではなく、心そのもので接しないと相手に触れることは出来ません。日本ではイジメで自殺する子供も、多いと思います。ただ、抱きしめるだけで救われる命が在ることを、親御さんには常に意識していて欲しいですね。命はね…本当は重たくなんてないんです…物凄く軽くて脆いものなのです。ふわふわと浮いている風船のような存在です。だから人間は、些細な理由で死ねるけど、簡単なことで命を繋ぎとめる事もまた、出来るのです。手放したくない風船ならば、しっかりと握っていましょうね。以上、偶々生き残った人間でした。
2007/09/11
ポツ・・・ポツ・・・ どんよりとした鉛色の雲が、天上の星々を隠し、この季節特有の時雨が降る。 本格的に冬季ともなれば風花が舞い、辺りを白銀に染め上げるのだろう。 神の峰に面する高地に在るアレシャイム。この土地で天候の急速な変化は、通例の出来事でもある。 吹き抜ける冷風に、思わず身体が引き締まった。 空中庭園は、大噴水を抱く聖霊苑を中心に、複数の同心円からなる円通路と、中央から放射状に伸びる8本の直通路が、交差するように形成されている。其々の直通路は庭園内の主要機関へと繋がっていた。 大図書館へと向かう道すがら、数々の花々と緑で彩られた庭園通路を歩いていると、 ガサ…ゴソッ 通路脇に植栽された緑が不意に揺れる。 ここは小型の鳥獣を飼育する苑囿をも兼ねた場所である。我は全く邪気を発しないその気配に、大した注意も払っていなかった。 しかし、我らの前に転びでた何かは、明らかに常軌を逸していた。 「…えっ?」 ルムの目が驚きから点になる。 核言う我も、思わず目をしばたたいていた。 我らの行く手を塞ぐように、通路のど真ん中に木箱が出現していた。 よく観察すると、石畳と木箱の隙間から2本の触覚、もとい金色の髪が垣間見える。 僅かに木箱の淵が上がり、辺りの様子を窺うように木箱が左右に揺れる。 どうやら中に人がいるらしい。 最初、雨避けに木箱を逆さ向きに被っているのかとも考えたが、木箱の大きさは子供が蹲って漸く隠れられる程の大きさしかない。そんな状態で濡れた石畳に接していれば本末転倒だろう。 「まぁ…季節の変わり目じゃしな…」 正直な感想を述べてはみたが、これ以上、どう反応して良いのか正直判らなかった。 「あっ、あのー、何をやっているのですか?」 律儀にもレムが謎の生命体に話かけていた。言葉が通じる事を祈って… 漸く此方に気付いたらしい。木箱がビクッと上ずるように反応した。 「・・・」 ガコガコ・・・ 暫しの沈黙の後、木箱は我らの横をすり抜けようと、歪な音を響かせながら前進する。 どうやら強引に無視していくつもりらしい。 「…」 なんとなく、腹が立って、我は木箱からはみ出ている触覚(長い髪)を踏みつけた。 「ふみぃーーーっ!!」 妙な悲鳴を上げてその場で急回転を始める木箱。 そのままの勢いで、植え込み中に突入する。 バキッ…ビキッ…ゴキィ 「うにゃっ!?」 とてつもなく痛そうな擬音。そして、間の抜けた叫び。 「・・・さっ先を急ぐとするかの」 これ以上の接触を図る事に、ある種の危険を感じ、急ぎその場を離れる事にした。 ある程度歩を進め、木箱が見えない位置に達したところで、 「木箱さん大丈夫でしょうか?」 良心の呵責を禁じえなかったのだろうか、レムが不安気に背後を顧みていた。 「だ、大丈夫じゃろう…」 ぎこちない笑みを作るが、我にとって、とても不幸な腐れ縁を予感し身震いをする。 しかし、思わぬ、木箱(?)の登場により、気勢を殺がれてしまっていた。 目前に迫った大図書館に気持ちを戻し、気を引き締めなおす。 聖宮セラフィムガードの空中庭園の一角に、大図書館はあった。 周辺に人影は殆ど見当たらない、雨が降っていることもあるが、ここに招かれた大部分の人間は、聖宮内部で執り行われている聖霊音祭に出席しているのであろう。 「ほう、これは…」 周囲の街灯が闇の中に浮かび上がらせる大図書館は、重厚な佇まいを見せていた。 中央にアアル=セナートルの巨大な神像を抱く、巨大な建築物。建物全体が、何ともいえない物々しい雰囲気を醸し出している。 しかし、それと同時に、何処か懐かしい雰囲気も感じられた。 それは恐らく、この建物が我ら屍族に通じるほどの、長い時の流れの中にあったからであろう。話に聞けば、大聖堂が移転する遥か昔から、この建物は存在していたと云われている。 警備の衛兵は正面の扉にひとり。 我は双子を下がらせると、ひとり衛兵へと近づいていく。一言二言、言葉を交わし、懐から取り出した宝石の粒をそっと握らせる。 浅ましく頬を緩めた衛兵は手際よく、鉄の掛け金を外すと、正門の閂を抜き扉を開ける。 我は双子を招くと、そのまま大図書館の中へと意とも簡単に侵入を果たしていた。 「ミューク様…賄賂をお使いになりましたね?」 見張りの衛兵が離れると、開口一番にレムが不満を訴える。 清廉潔白を絵に描いたようなレムには、少々許せない行いだったらしい。 「人聞きが悪いの、我は仕事熱心な一兵にそれ相応の対価を与え、少しの間だけ休養をじゃな」 「…」 レムの視線が痛い。 「致し方なかろう…忍び込むよりも、この方が穏便に事が済むのじゃ」 「ふぅ…そうですね。・・・ですが…(ぶつぶつ)」 レムの小言を苦笑と共に切り上げながら、衣服についた雨粒を払い落とし、大図書館の内部を改めて見渡していると、 「これ、ルム。ひとりで先に行くではない」 暗闇の中、我とレムの馴れ合いを無視して、書物の物色を始めたルムを呼び止める。 雨に濡れ、光り輝く水滴が零れ落ちるルムの様子に、暫し見とれるが、溜息をひとつ吐き手招きをする。 無言で側に戻ってきたルムの髪を、綺麗な刺繍の施された絹製の手巾で丁寧に拭く。 (しっかりしているようで、自分のこととなると存外、無頓着じゃな) 客室から拝借しておいた香油ランプに、レムが明かりを燈す。 頼りなげな光に照らし出された大図書館内部は、その名の通りとてつもなく広かった。 蔵書の数だけなら大陸でも屈指のものだろう。その本の大半は、諸外国から寄贈されたものらしい。祝日に限り一般公開もされていると聞き及んでいる。 中央は大きな吹き抜けになっており、螺旋階段が3層に別れた上階とを繋いでいた。その上方には天井には巨大なシャンデリアが氷柱の束を、模すようにぶら下がっている。 ここは数多の蔵書を集積していく器。 しかし、幾度の増築と改築を重ねて、器そのものは既に原型を留めてはいないのかもしれない。 我もこの大図書館と似ているのやも知れぬ。 (我の欠片は今もまだ残っているのだろうか?) (長く生きればそれだけに、得るものも多い、しかし同じだけの何かを失っていくのだろう) 屍族は、短命種である人間とは比べ物にならない程の寿命を誇る。 しかし、我ら屍族も『時』を支配したわけではない。我らの一生もまた、時間という概念の中では一時の夢のようなものであるのだろう。 (・・・) 下手な感慨のせいであろうか、先ほどから何か違和感を感じる。 しかし、その原因が何であるのかが、はっきりとしない。 綺麗に磨かれた、映りこみすら見える床を2、3度靴の裏で叩く。 硬質の響きに、地下に空間が存在する含みは感じられなかった。 我の行動を何も言わずに理解してくれているのだろう。レムとルムは黙って我の様子を見守っている。 そのまま、双子を伴うと、迷うことなく螺旋階段の終点でもある3階部分に辿り着く。 もし、一般閲覧を禁止された書物があるのなら、容易に進入できる場所にあるとは思えない。 この大図書館内で、最も判りづらい場所に在るはずだった。 「ミューク様…」 レムは不安気な眼差しのまま、慎重に言葉を選び、続けた。 「ミューク様が衛兵と交渉している間、外からこの建物を観察していたのですが、3階の窓の上に大きなステンドグラスが嵌め込まれていました。その特性を考えれば、内部に空間が在るはずです。おそらくこの大図書館には4階があるのではないでしょうか?」 ギィィィ……ガゴン… 「!?」 その時、暗闇に包まれた3階フロアの奥底から、何かが引き摺られるような奇怪な音が響いた。 左右に並んだ本棚が、押しつぶしてくるような圧迫感を感じさせる狭い通路を奥に進むと、 「見つけた」 ルムが本棚の奥に隠された、仕掛けをさらりと見つけ出し、少しだけ得意げに瞳を輝かせる。 我が見たのは、奥の壁と共にスライドした本棚が、背後の空間に飲み込まれて行くところだった。 次の瞬間には、ぽっかり空いた暗闇の中に、上階へと続く階段が姿をみせていた。 「お手柄じゃな、2人共」 我自身も薄々感づいていたことではあったが、素直に2人の功を褒め称えた。 「うぅぅ…僕は何もしていません」 「構わぬさ。ルムに迷いがないのは、自らの思考を信じているからではない。お主達は二人で一人でもあるのだからの」 我の言葉の意味を理解してくれたのか、レムはいささか照れくさそうに頬を掻いていた。 我を信頼し、自らの思考の是非を何よりも先に、求めてくるレム。 ルムはレムと同じ考えである事を理解した上で、その答えではなくレム自身を信じているのだろう。 そして、我は心の中でこう言葉を続けた。 (どう足掻いても、この双子の間での1番にはなれそうにないの…) 階下とは明らかに違う、乾燥した…いや朽ちた匂いの充満する空間に脚を踏み入れる。 (いや、時間だけはたっぷりとある。これも時が見る夢のひとつであるのなら、偶にはそんな夢も一興じゃろう) 我は負け戦を楽しむような気持ちで、無意識に破顔していた。-----------------------------------------------------毎度の事ですが誤字・脱字、細かな言いまわしなどはフリーページの方で改訂致します。半角1万文字オーバーしたのでタグを削りました。今回は特に訂正多そうですΣ(=д=ノ)ノ アゥーン!!
2007/09/10
日記を書こうとしましたら、メンテ中だったのでラグナロクオンライン2をプレイしていた今日この頃。ゴージャスツインでフラフラしている、見覚えのある名前は私かもしれません。サブMMOにまで手を出す、時間的なゆとりはないのですけどね(汗MMOは時間を喰う魔物なので、しっかりと自律プレイを心がけたいと思います。楽しいのですけどね…後々起こる弊害の方が大きいのでorz-------------------------------------------ずっと放置していた本家(旧家)の検索サイト系登録情報を纏めて更新してきました。内容が、登録時とは完全に別物になっていて自分的にも少しヒキましたΣ(=д=ノ)ノ HPも『†Curse of blood†』一色にしようかと検討中です。あと、血迷ってテイルズ系の日記で登録してあった『Tales of Search - テイルズシリーズ専門検索エンジン(長』様からブログ登録を本日削除しておきました。『TOEO』もとっくの昔にサービス終了していますしね(汗アイコンも創る気、全然ないので…もっと早く解除しておくべきでした。(本人も忘れていたので致し方な…トリプルパンチ!(*゚□゚)ノ*゚□゚)ノ*゚□゚)ノ☆)`ν゚)・;'.、クハッ!!)殆どの場所が、登録して以来、一度も訪れていなかったのでIDやPASSを完全に忘れていて焦りましたΣ(=д=ノ)ノ オマケに全て旧メアドで登録してあり…orz関係者各位の皆様、ご迷惑をお掛け致して申し訳ございませんでした以後、気をつけます…私なりに…きっと…でも、どうしても私的なサイトの管理が二の次になってしまうのは人情なのでお許しを…
2007/09/09
web拍手で頂いた「力を抜いて頑張りましょう!!」という言葉が私的に心に響いた今日この頃送り主のHNが知り合いのものだったので、恐らく私の考えている通りのお方なのでしょうが、力を抜いて頑張るって、ある意味、大変な作業ですよね。でも、確かに私は力加減を見誤るタイプですね。頑張ろうとすればするほど空回りをする感じです…他のweb拍手も感謝です。かなり、励みになっていたりします(*゜∀゜*)丿----------------------------------------------小説モドキを書き始めてから早4ヶ月が過ぎました、自分で言うのもなんですが、どうせ直ぐに飽きたり、キツクなったりして辞めてしまうのだろうなと密かに思っていました(笑きっと、それ以上に、『好き』『楽しい』という気持ちが勝った結果なのでしょうけどね。描きスキルもそうですが、文章スキルも一筋縄じゃいきません。そこが、面白いところでもあるのですけどね。その内、大きな壁にぶち当たるのでしょうが、私、Mなので、そういう展開大好きです(ぇ結構、負けず嫌いでもあるので、引き分けぐらいには持ち込みたいものです《《《《♪♪(*´▽`*)ノ゛ウフフフフ
2007/09/07

『†Curse of blood†』 月ノ章 1-03【晩餐】 月ノ章 1-03【晩餐】―ミュークSIDE― 「我らの為に、わざわざ誂えただけのことはあるの、このようなものを容易しておるとはの」 油をしみ込ませた燈心草のたいまつが広いテラスに燈され、油槽や台座に華麗な意匠を加えられた、青銅製の香油ランプが照らし出す室内を見渡しながら感心する。 恒久処理を施した蛍輝石の照明も備え付けられてはいるのだが、屍族がその輝きを生理的に嫌う事を熟知している者が、これらを調度したのであろう。 我は今、ファナ=アビスと入れ違うようにやってきた使いの者に、広間での会食の誘いを丁重に断り、ゆったりと肘掛椅子の背もたれに身を埋め、貴紅酒と称される大人の嗜好品を、舌の上で転がすように嗜んでいる。 客室の中央に置かれた黒檀のテーブル上には、給仕が運んできた晩餐が並べられていた。繊細な細工の施された銀製の食器に載せられた食材は大陸各地から集められた、贅を凝らしたものだった。 パクッ…ぱくっ…パクッ…ぱくっ 先ほどから、定められた儀式の如く、同じ動作を繰り返すルム。 見ているほうが惚れ惚れとするようなテーブルマナーで次々と、卓上の料理を平らげていく。あの小さな体の何処に入るのか不思議でならない。 我の方はというと、料理には一切手を付けずに、相変わらず、泡立つ貴紅酒を銀の大杯に注ぎながら、これからの事を思案していた。 「ミューク様、飲みすぎ…」 我の飲みっぷりに目ざとく気付いたルムが、つかつかと歩み寄り、些かぶっきら棒にも聞こえる声と共に、酒瓶を取り上げる。 「ああ…せめて、あと一杯ぐらい良いではないか…」 「だめ」 エルダーとしての自尊心をかなぐり捨てた懇願にも、まるで聞く耳を持たないむっつり娘。 (いらぬ所で気が利く娘じゃ…) そんな感慨を抱きながら手に持つ大杯を口元で傾け… 「なぬっ!?」 まるで、我の心中の声までを聞き咎めたように、横から伸びた細腕に大杯までも奪い取られる。 貴紅酒とは、大陸北部の寒冷地帯でのみ生息する、プリウスの果汁を発酵させた果実酒である。 天然に濃縮されたプリウスの果汁は、甘味と酸味が豊富で人間の血液と酷似した含有成分を持ち、屍族の吸血欲求を満たす代用品として大陸に幅広く流通していた。 その赤黒く濁った外見からは、想像できないような芳香と風味を持ち屍族だけではなく、一部の人間の嗜好家にも好まれていた。 それをちびちびと嗜む事が、我の幼い頃からの密かな楽しみでもあるのだが、ルムに見咎められると、たちまちこの有様だ。 急に手持ち無沙汰になった我は、多少ほろ酔い気分で、辺りを見回す。部屋の片隅に置かれた長椅子の上で、傍から見てもそれとわかるほど、気落ちしているレムが首をうな垂れていた。 「申し訳ございません。敵の侵入に気付きもしないとは屍姫として失格です…」 未だに、先ほどの事を苦にしているようだ。 「ファナ=アビスといえば、ルドルフ公直属の暗殺部隊『首苅り衆』の長じゃ。例え我であっても、まともに渡り合うことは叶うまい」 「ですが…」 まだ、何か言いたげなレムの側に歩み寄り、序に引きずっていったルム共々抱きしめると、優しく語りかける。 「それに、我は期待しておるのじゃよ。今は遠く及ばぬとも、そう遠くない未来にお主達双子は、我にとって掛け替えのない力となるとな」 「『先視』のお力でご覧に?」 珍しくルムが興味を示したようだが、我は軽く首を横に振って、 「我自身がそう感じたのじゃよ。それでは不足かの?」 「そんなことはありませんっ!。ミューク様にお認め頂けるのなら、この上ない幸せですっ!!」 我の言葉に、興奮したように過剰な反応を見せたのはレムだった。そんな双子の兄の姿に、心なしかいつも無表情なルムも微笑んでいるように見えた。 それから、この双子を屍血姫と定めてから、幾度となく繰り返してきたように小さな額にそっと口づけをし、2人を安心させる。 「それにしても、あの者は、なんの為にミューク様に接触を図ってきたのでしょうか?」 確かに最もな疑問ではある。両家の関係の安定を保つ為だけなら、今この時期に、いやこの場所でそれをする必要はない。 「オルカザードの血脈に連なる何者かが、現在、ここアレシャイムを訪れているのだろうな」 「まさかっ!!ルドルフ=オルカザードが!?」 「…それは、あるまい。あの狂人が訪れていれば、直ぐにでもわかりそうなもの。それに、あのファナ=アビスという屍姫。ルドルフ公の命で動いているわけではなさそうじゃ」 我はそこで言葉をきり突然、笑い出す。 我の不可解な所作に驚くレムの頭を多少、手荒に撫でる。 「いや、狂帝の支配も長くはないかもしれぬ。自らの屍姫の忠誠を、既に他者に奪われているようではな」 同じ『屍姫』として、どう答えてよいか返答に窮するように曖昧に頷くレム。 我は先ほどのお返しとばかりに、ルムを抱き上げるような格好で長椅子に体を預ける。我自身の背丈と然程変わらぬルムを膝に乗せるのは、傍からみればかなり不自然な格好に見えていることだろう。 レムの横で体勢を落ち着ける。ルムが無言で両脚をバタつかせて脱出を図るが、真後ろから羽交い絞めにされているのでどうにもならない。 「ほれほれ、子供は大人しくするのじゃ」 かなり、諦めが悪く未だにジタバタと足掻いていたが、我がその首筋に、熱く湿った唇を軽くあてると、途端に大人しくなる。 「二人とも、葬儀ミサを覗き見していたくらいじゃから、勿論、聖伝承もその目に納めたであろうな?」 「はい、あの黒い書物ですね」 コクリ… レムの相槌の言葉に合わせるように、腕の中のルムも律儀に頷いている。 漸く静かになった少女の体重を感じながら、目下の問題を提議することとした。 「そうじゃ、聖棺の上に置かれた2つの書物の片割れ。黒妖精の皮で装丁された秘匿書。あれが聖伝承じゃ。葬儀ミサ中ならば、容易に奪い取る事も可能じゃろうが、今頃は高位司祭の施した聖域結界に護られておるじゃろうな」 「結界を破る術が必要になりますね」 出来のよい弟子との問答を楽しむように、我は微笑する。 「聖域結界の核でもある刻印の解除は、ルムの呪符・霊符魔術が頼りじゃな。文字魔術はあの空間でも大きな制約は受けまい」 幾分、頼りなげではあるが腕の中の少女を見る。頭を垂れてぐったりしている。 (先ほど頷いたように見えたのは・・・気を失っておったのか?) 多少の不安に苛まれ、僅かに両腕の戒めを緩めると、軽業師の如く、スルリと我の腕を潜り抜け、何事も無かったように目の前で器用に正座するルム。 (…この娘は、レムと違って一人でも強く生きていけそうじゃな) いらぬ関心を抱かされる。 「それには、結界の識別が必要…」 「そうじゃな、霊符魔術では、施された結界の源流。細分化された系統が知れなければ、その効力を打ち破る事は出来まい」 アレシャイムの聖職者が使う神聖魔法の系統は旧神であるアアル=セナートル。若しくは、法と混沌の主神でもあるメナディル、ヤ・フリファス・レディ。どちらか一方の女神の力を主流にしたものだろう。 だが、その属神にまで系統を広げればきりがないのも確かである。 「聖宮の大図書館には、ここアレシャイムに纏わる全ての知識が集積されていると聞いたことがあります」 「ふむ、手当たり次第に符術を貼るのも一興と思っておったが、レムの意見を取り入れる価値はありそうじゃな」 最高レベルの警戒態勢が敷かれているレムギサロス大聖堂内部で、危険を承知で策を弄するよりも、比較的、容易く忍び込めるであろう聖宮図書館で有効な手段を探るほうが賢いやり方であろう。 「では、さっそく向かうとするかの」 「ええぇ~、もう出立ですか?まだ何も食べていないのに…」 レムの悲壮感漂う泣き言は、無論却下された。 ルムだけが、最初からこうなる事を予期していたかのように、満足気であった。-----------------------------------------------------毎度の事ですが誤字・脱字、細かな言いまわしなどはフリーページの方で改訂致します。うっ…追加したい描写がΣ(=д=ノ)ノ
2007/09/07
光ノ章 1-13【残光】※訂正部分(※訂正は全てフリーページで行なっております)【追記/改稿】※蛍輝石の原石が牢獄内に散らばった描写 生み出された灼熱の炎が、少女の指先から扇状に広がっていく。 それは一瞬で私の視界を侵食して、激しい轟音と共に炸裂し牢獄全体を揺るがした。 石壁に反射した熱波と、瓦礫を含んだ噴煙が、真横から私の体を叩く。中央に建てられた巨大な黒十字架が、吹きすさぶ爆風の直撃から私とエドゥアルトの身を守ってくれていた。 (!?) 熱風の渦が作り出した赤色の世界が不意に、白い輝きに覆われる。牢獄内に光の粒子が舞うように降り注ぐ。剥き出しになった岩肌の所々に、光点が燈る。どうやら、岩壁の鉱石成分に蛍輝石を含有物として有しているようだった。 目前で私を庇うように身を挺していたエドゥアルトも、石壁に穿かれた大穴に唖然としている。 「蛍輝石の鉱脈がこんなところにあったとはな…巧くすればひと財産になるかもな」 私とは別の所で驚いていたらしい。
2007/09/06

『†Curse of blood†』 月ノ章 1-02【双子】 月ノ章 1-02【双子】―ミュークSIDE― 聖宮内に要人用にと宛がわれた客室に戻ると、歌聖としての大役を終えた我を、2つの小さな影が出迎える。 「素適でしたっ!!、ミューク様」 そう言って、駆け寄る少年の瞳には賞賛と憧憬の色が浮かんでいた。 僅かに癖のある銀髪、深いブルーの瞳が印象的な少年である。 「ご苦労様です」 一呼吸遅れて、少女の声がやや無感動に気遣いを見せる。 此方も同じ銀髪碧眼だが、癖のないサラサラとした長い髪を、腰の辺りまで伸ばしている。 聖都に集う列席者の貴族淑女も、この2人の前には仮初の美を競う道化であろう。 我は、よく似た造形を誇る双子の『屍血姫』の言葉に、素直に微笑んだ。 「ありがとう、レム、ルム」 2人の両眼の奥底には、我に対する絶対の忠誠と信頼の色が宿っている。 『屍血姫』とはエルダーと契約する事によって、不老不死を其々に授かる事ができる同族の下僕である。 継承者に永遠の忠誠と隷属を誓う2人の巫女姫。 双子の兄、レムには『屍姫』。妹のルムには『血姫』としての力を授けている。 『屍姫』は太古の契約により半恒久的な不死を得た闇姫、『血姫』は自らの血を捧げる呪約と共に不老を得た闇姫。 無論、闇姫や巫女姫と呼称されてはいるが、女性である必要は無く、現にレムは少年である。 2人とも屍族としては100年も生きていない若輩の存在ではあるが、我はこの双子を高く評価していた。 (至らぬ部分は、時間が解決してくれよう…) 「じゃが、その様子だと、2人とも何処ぞから覗き見でもしておったようじゃな。ここで大人しく待っておるようにとの言いつけは守らなんだか」 「申し訳ございません…、で、ですがっ…ミューク様の晴れ姿をひと目でもと…」 レムの真っ直ぐな心理眼、ルムの的確な真理眼は既に数百年生きた屍族にも劣らぬものだと考えている。 古臭い慣習に頓着しない我は、この2人を下僕とは考えてはいない。 歳の離れた弟妹のように思っているのだが、肝心のこの双子は一向に臣下の礼を崩した事はなかった。 「それにっ!ミサに関わる者以外の屍族は、参列すら許されていないなんて、時代錯誤も甚だしいですっ!!」 「致し方あるまい、この聖都にも、屍族に対する憎しみのは根強く残っておる。人間に対して大部分の屍族が無関心であっても、それが相手から見た心の平安に、安直には繋がらぬのじゃろう。嘆かわしい事じゃが、一部の屍族は今も尚、自治領で目に余る行いを致しておるしの…」 レムの不満を諭すように嗜めながら、傍らで畏まるルムに式典用の聖衣を預け、肩上で短く切り揃えられた栗色の髪を気だるげに掻き揚げる。 昼と夜の間、その僅かな隙間にだけ存在する茜色の時。屍族である我がなんの苦痛も感じずに、陽の光を美しいと感じられる瞬間を満喫すべく、部屋付きのテラスに出る。数十段にも及ぶ花々と噴水で彩られた空中庭園が、オレンジ色の輝きに覆われていた。その遥か下方にはアレシャイムの壮麗な都が広がっている。 我は黄昏に満ちたその世界を、心から美しいと感じていた。 「優れた統治者が少ないのは、人間も同じ…」 「身に余る力は、己を滅ぼす刃じゃな。過去の大戦で屍族も人間も何を学んだのか…」 (…いや、それは我も同じか) ルムの発した抑揚のない言葉に、ひとりごちるように返答した後、自嘲気に心中で呟く。 (・・・) 沈み往く夕陽が柔らかく降り注ぐ。 胸に沁み込んで来るような、その輝きに我は時が経つのも忘れていた。 気がつけば、テラスから双子のモノよりも幾分薄く見える我の影が、室内にまで伸びている。 「ミューク様、散乱光といえど、あまり長い間、陽の下にお出になれば、お体に触ります」 レムに促され、後ろ髪を引かれながらも、赤い輝きの世界を去る。 中級以上の屍族が、太陽の光を浴びた程度で、命を堕とすことはありえない。だが、屍族は例外なく、遺伝性の光線過敏症をその身に宿している。長時間被照状態にあれば、射部に水疱、膨疹、丘疹、紅斑などの火傷にも似た皮膚症状が現れる。 我を護る事を、自らの命題と課したこの双子が、必要以上に過敏になるのは致し方ないのかもしれない。 (それに、どうやら客人もみえているようじゃしな…) 「ミューク様?」 テラスと客室の間、ちょうど室内の全てを見渡せる位置で、唐突に歩みを止めた我に、訝しげな視線をおくるレム。我は、そのまま前方の空間に向けて鋭い気を放つ。 「!?」 放たれた気を受ける気配で、ようやく、そこに在る何者かを認識できたのであろう。我を護る為に身を挺しようと動く双子を制すると、逆に2人を庇うように前にでる。 気配を、いや、その存在までも屍族の五感から、消失させる業。恐ろしいほどの使い手であることがわかる。 そこに在ると認識せねば、視覚で捉える事も不可能なほどの気配の絶ち方である。 我が双子よりも先んじて、それを知覚できたのも突如、何の前触れもなく現れた気配の元が、我に察知されることを望んでいたからであろう。 「盗み聞きとは、あまり良い趣味とは言えぬな」 「申し訳ございません。無用な騒ぎは好まざるところ故、真に勝手ながら、室内で待たせてもらった所存にございます」 さも慇懃そうな声で答えてくる。 均整のとれた褐色の身体に、少しつり上がった切れ長な目元、真っ直ぐと伸びた鼻筋、口元はその身を包む漆黒の長衣と、同色の布で覆い隠されている。まだ若い、理知的な顔立ちをした娘に見える。しかし、その様子だけで、目の前の娘を判断するわけにはいかぬだろう。屍族に対して、見た目ほど当てにならぬ判断基準はない。目の前の娘は間違いなく屍族であった。 「我が名は、ファナ=アビス。主人ルドルフ=オルカザード公より『屍姫』の座を賜りし者」 そう名乗る娘は、現れたその時から崩さぬ臣下の礼を保ったまま、我の視線を揺らぐ事のない眼差しで受け止めている。 「して、ルドルフ公の『屍姫』であるそなたが我に何用じゃ?」 「オルカザード家は如何なる屍族とも、友好的な関係を望んであらせられます。その胸をお伝えしたく、馳せ参じた次第にございます」 力ある大屍族が合間見える機会は決して多くはない。大屍族は得てして他者に関して無関心であるからだ。そして、大きな力同士の接触が要らぬ不安や、疑心を周囲に振りまく事を知っているからであろう。 ファナ=アビスの物言いも遠まわしにではあるが、お互いに不干渉である約束を取り付けたいのであろう。 (…しかし、あの狂帝とまで謂われる男が、争いを好まぬとは…これほど似つかわしくもない言葉もないの) 目の前の娘の苦心が手にとるようにわかる。 我は軽く息を吐くと、 「いらぬ心配じゃ、我はオルカザードには興味はない。勿論、そちらも同じじゃろう。お互いの利害が対立せねば、交わる道ではあるまい」 「それは、ウィズイッド家当主のご意志として、承って宜しいのでしょうか?」 「構わぬよ」 「お言葉、確かに承りました」 ファナ=アビスの体から、張り詰めていた何かが消える気配を感じる。 左右に控えた双子の緊張も解けていく。レムに至っては額を伝う汗の量が尋常ではない。 同じ『屍姫』としての格の差を、まざまざと感じさせられたのであろう。 「聞き忘れておったが、先ほどの言葉はルドルフ公の意思かの?」 感謝の意を示し立ち去ろうとするファナ=アビスに、少しだけ意地悪な質問をしてみる。それは幾ばくか残った不安を消す為、そしてひとつの確証を得る為でもあった。 「…い、いえ。私の一存で御座います」 ファナ=アビスの瞳に、初めて綻びが生じていた。それは決意とも、迷いともとれる複雑なものに見えた。 (嘘はつかぬか…噂に聞くルドルフの言葉など信じる気にはなれぬが、この娘の言葉ならよかろう) 「相わかった、お主を信じることにしよう」 「感謝致します」 我の言葉に再度、深く礼を述べると、ファナ=アビスは周囲の闇に溶け込んでいく。 既に、陽は落ち。アレシャイムは我ら屍族の世界へと変貌していた。-----------------------------------------------------毎度の事ですが誤字・脱字、細かな言いまわしなどはフリーページの方で改訂致します。前回、失敗したので、今回は吸血鬼を前面に押し出していきます(笑
2007/09/04
【シャルロット篇】/【ミューク篇】/【ラグナ篇】の3篇で全てが『1章』や『1幕』という括りだと、其々のお話が見分けにくいので、シャルロット篇の第1章→光ノ章or贄ノ章ミューク篇の第1章→月ノ章or扉ノ章ラグナ篇の第1章→血ノ章or鍵ノ章???→闇ノ章or神ノ章と暫定的にですが、区分する事に致しました。其々の2つ目に書かれている【章】がリュズレイの呪歌に対応していたりします。
2007/09/04

――昨日の続きです――HOME用に背景CGを作成致しました。フラッシュ作成時に作った太陰大極図を4隅に配置して、枠を地味に装飾し、セフィロートの樹を中央部に埋め込みました。後は、ちょっぴり大きさに差異があった、GIFアニメを調整してHOME【TOP】に配置です。当方、未熟者ゆえ、これを背景に設定する際に、禁止タグで引っ掛かったりしましたΣ(=д=ノ)ノでも、少しだけTOPページらしくなりましたね(*゜∀゜*)丿
2007/09/01
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