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読み易さを重視すると、付け加えたい比喩や形容をどうしても削らなくてはならなくなります。簡潔に尚面白く、そして奥深い文章を書けるようになりたいです……============================================================光ノ章_02-07【首人】============================================================【改稿/エドゥアルトの首人に対する台詞】 「俺のように真っ当に生きている人間は、喋る生首に出会う機会なんてないものさ。 それよりどうだい、元老院など捨て置き、俺と永久の愛を語り合う気にはならないかな?」↓★推敲★↓ 「俺のように真っ当に生きている人間は、喋る生首に出会う機会なんてないものさ。 それよりどうだい、元老院など捨て置き、俺と永久の愛を語らう気にはならないかな?」============================================================【改稿/エドゥアルトの心情】 もっとも、あらぬ方向に意図を解されては、元の木阿弥である。↓★推敲★↓ もっとも、本来の意図をあらぬ方向に解されては、元の木阿弥である。============================================================【改稿/首人の曲解】 「遠慮することはないぞよ。 知的探求心を抱くことは人族が古来種に近づいた証じゃ。 誇りこそすれ、恥じ入ることではない。 ふむ、よかろう。 ここは妾が直々に“首人”の精製方法を教授して進ぜようぞ」 首人は見事なまでの曲解振りで、話を進めようとする。↓★推敲★↓ 「気兼ねするなや。 知的探求心を抱くことは人族が古来種に近づいた証じゃ。 誇りこそすれ、恥じ入ることではない。 ふむ、よかろう。 ここは妾が直々に“首人”の精製方法を教授して進ぜようぞ」 首人は見事なまでの曲解振りで、話を進めていく。============================================================【改稿・加筆/唖然とするエドゥアルト】 エドゥアルトは困ったように、ぼりぼりと前頭部を掻いている。↓★推敲★↓ エドゥアルトは困ったように、ぼりぼりと前頭部を掻いている。 首人があまりに嬉しそうに話すので口を挟み辛かったようだ。============================================================【改稿/首人の台詞】 「なんじゃ、そのようなつまらぬことを臆断しておったのか。 無関係と云えば語弊が生じるが、此度、妾はある取引を為すために元老院の食客として招かれたまでじゃ。 こやつ等は妾の監視と脚を兼ねて古老たちが遣わした。 もっとも、今は妾の所有者に心を抜かれて、ただの木偶の坊と化しておるがの」↓★推敲★↓ 「なんじゃ、そのようなつまらぬことを臆断しておったのか。 無関係と云えば語弊が生じるが、此度、妾は所有者と共に元老院の食客としてアレシャイムに招かれたまでじゃ。 こやつ等は妾の監視と脚を兼ねて古老たちが遣わした。 もっとも、今は心を抜かれて、ただの木偶の坊と化しておるがの」============================================================【改稿・加筆/ファティマ・イスの行動】 ファティマ・イスが長い黒髪を揺らせながら、エドゥアルトの脇に立ち並ぶ。↓★推敲★↓ ファティマ・イスが長い黒髪を揺らせながら、エドゥアルトの脇に立ち並ぶ。 その背後には小鴨のように付き従うシャルロットの姿がある。============================================================【改稿/※近文からの同種描写の是正】 首人の琥珀色の両眼が女枢機卿の背後で所在無く佇むシャルロットを諦視する。↓★推敲★↓ 首人の双眼が女枢機卿の背後で所在無く佇むシャルロットを諦視した。============================================================【改稿/エレシアムの名を聞いたシャルロットの反応】 シャルロットの身体が傍目にも強張るのが見てとれた。 その名は少女の心に昏い影を落としていた。↓★推敲★↓ 傍目にもシャルロットの身体が強張るのが見てとれた。 今も尚、エレシアムの名は少女の心に昏い影を落としていた。============================================================【改稿/ファティマ・イスと無粋者】 ファティマ・イスが無粋な詮索の声をあげたエドゥアルトの耳朶を捻りあげる。 青年は渋々とながら半強制的に引下った。 どうやら成り行きを見守ることに宗旨替えをしたようだ。↓★推敲★↓ ファティマ・イスが無粋な詮索者の耳朶を捻りあげる。 半強制的ではあるが、エドゥアルトは渋々と引下った。 どうやら成り行きを見守ることに宗旨替えをしたようだ。============================================================【改稿/※近文からの同種描写の是正】 首人の話す事柄は一国どころか、聖アルジャベータ公会の命運さえ左右しかねない内容である。↓★推敲★↓ 首人の話す事柄は、一宗派どころか、メナディエル正教の存亡にすら直結する問題である。============================================================【加筆/シャルロットの言葉に反応する首人】 「それはどういう意味じゃな」↓★推敲★↓ 「それはどういう意味じゃな」 首人が奇異と感興を両眼に滲ませる。============================================================【改稿・加筆/神剣について語る首人の様子】 首人は死者の忌避に触れることも厭わずにいけしゃあしゃあと述べる。 まるで初代教皇アグリウスタと旧知の間柄であったかのようにも聞こえるから不思議である。↓★推敲★↓ 首人は死者の忌避に触れることも厭わずにいけしゃあしゃあと述べる。 まるで初代教皇アグリウスタと旧知の間柄であったかのような口振りである。 もっとも、彼女が屍族であり首人であるのなら、数千年の時を生き永らえたとして、なんら不思議は無い。============================================================※その他、誤字脱字の訂正、細かい形容などを追加致しました。
2010/05/28

※続きです『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-07【首人】光ノ章 2-07【首人】―シャルロットSIDE― 「俺たちはアンタの尻拭いをさせられる羽目になるのかい?」 エドァウルトの言様は首人と件の女屍族を同一視するものである。 「否定はせぬよ。 じゃが今の妾が備える肉体は頭部のみで、拭うべき尻など持ち合わせてはおらぬ」 「おいおい……」 口巧者なエドゥアルトが二の句を継げない。 想定外の返しに半ば呆れているようだった。 「尻拭いも過去の清算も必要ないと思います」 明快に断言してのけたのはシャルロットであった。 驚きの視線が少女に集中する。 「それはどういう意味じゃな」 「他者に押し付けられた望まぬ一生を送るよりも、喩え一時でも、己の思うが侭に生きたエレシアムお母様はきっと幸せだった筈です」 シャルロットは心中に抱く感情を吐露する。 他の誰でもないエレシアムと境遇を同じくする少女だからこそ、その言葉には他者を納得させるだけの力が籠められていた。 「其方はまだエレシアムを母と呼ぶつもりなのかや?」 「私はシャルロット・アルジャベータ・リュズレイです。 今のこの名は、私自身の意志で選び取ったものです」 シャルロットの心を苛む過去の幻影は完全に払拭されていた。 エレシアムの過去に触れて、母と呼んだ存在が命懸けで生きた証を少女は胸裡に深く刻み込んでいた。 「ならば、これを持っていくがよい。 其方に全てを受け入れる覚悟があるならば渡そうと決めておった」 首人の言葉に巨躯を誇る処刑人が不器用に身体を折り曲げる。 差し出された巨大な掌には大きな布を巻いた棒状の物体が乗せられていた。 「これは?」 「神剣アンネシュティフ。 女神メナディエルが神界より齎したとされる三神器のひとつ。 地底湖に沈んだ初代教皇アグリウスタの遺骸と共に納棺されておった業物じゃ。 死人には過ぎた代物であるし、アグリウスタも教会の未来を担うべき其方が持つことに異は唱えまい」 首人は死者の忌避に触れることも厭わずにいけしゃあしゃあと述べる。 まるで初代教皇アグリウスタと旧知の間柄であったかのようにも聞こえるから不思議である。 「アンネシュティフ……」 「この神剣の真の持ち主は、虹彩異色症を両眼に宿すと云われておるが、アルジャベータの血を引く其方なら扱うことも可能じゃろうて」 一瞬、シャルロットの脳裏に左右非対称の輝きを両眼に湛えた妹の姿が思い浮ぶ。 ミルフィーナがこの場に居たら「馬鹿に刃物を持たせるなど以ての外です」などと苦言を呈されること請け合いである。 「さて、あまり長居して古老たちに勘付かれても厄介じゃ。 そろそろ帰るとするかの」 首人の言葉を解した処刑人たちが大聖堂側の出口へと歩きだす。 「そうそう、其方の目的はあの囚人の娘じゃろう?」 「フィーナをご存知なのですか?」 首人がすれ違いざま投掛けた疑問に、シャルロットは体ごと振り向いて問い返す。 「先刻、この殿堂で複数の神官と共に鉢合わせておる。 もっとも、事前に屍霊術“瞼縫”の派生術式を空間展開させておったから、気取られる心配はなかったがの」 この首人は屍霊術の使い手でもあるらしい。 そもそも屍霊術とは、その系統によって大きく三つに分かれる。 異界に干渉して物質的な破壊を齎す“インフェルノ(Inferno)”。 幻覚・催眠など対象の精神に訴える“プルガトーリオ(Purgatorio)”。 癒しと呪いを司る“パラディーゾ(Paradiso)”である。 其々が言霊や紋様を媒体として異界への相互干渉を以って力と成す術式である。 よって、首人が行使した“瞼縫”はその特質からプルガトーリオに分類される術式だと考えて間違いないだろう。 「其方たちの目的地、贖罪の牢獄は霊廟本殿の先にある。 この聖地に最初に建築された大神殿―――エンシェントガーデンこそ贖罪の牢獄の正体じゃ」 首人の発した最後の言葉は闇の中にから響いてきた。 「やれやれ今度は古の大神殿ときたか。 よくよく霊験新かな場所に縁があるらしいな」 ==============================================本来入れる予定が無かっただけに【首人】部分の推敲は、厄介なことになりそうです(汗)※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/25

※半角10,000文字をオーバーしたので2つに分けます。『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-07【首人】光ノ章 2-07【首人】―シャルロットSIDE― 首人は記憶を掘り起こすように瞑目する。 「聖アルジャベータ公会は、エレシアムが屍族の子を身篭った事実を隠蔽しようとしたようじゃ」 当時の聖公会上層部は箝口令を敷いて事態の封殺に努めた。 だが、綻びは呆気なく生じることになる。 真相を知らぬ後宮勤めの侍女のひとりがエレシアム懐妊の事実を外部に洩らしたのだ。 結局、噂は次世代の聖女誕生を意味する祝辞として公国内外に広まる事態となった。 「そして、エレシアムは周囲の反対を押し切って赤子を出産した。 無論、その赤子は人間と屍族の間の子。 屍族を異端視する聖アルジャベータ公会が容認するわけもない。 そこで当時のアダマストルの王室は一計を講じた」 無意識のうちにシャルロットの両拳は強く握られていた。 「幸か不幸か時を同じくして、エレシアムの双子の妹ソフィア・リュズレイが女の赤子を出産しておったのじゃよ」 ソフィア・リュズレイの婚約は、既に彼女が幼少の砌に公示されていた。 相手は国内有力貴族であったルーンフォルテ家の嫡男ラムレイ。 両家の思惑に翻弄された政略結婚は両者が十五歳の時に成立していた。 「まさか……」 シャルロットが言葉を詰らせる。 「察しの通り赤子は取り替えられた。 それが其方じゃよシャルロット・リュズレイ」 「では、私の本当の両親は……」 この瞬間、シャルロットはソフィアから注がれた無償の愛の意味を理解した。 それは、我が子を籠姫として差しだした悔恨の念、名乗ることも会うことさえも儘ならぬ日々を享受しつづけた母親の償いでもあったのだろう。 だが、シャルロットにソフィアを責める感情は生まれなかった。 それはソフィア自身が王家の血脈、聖アルジャベータ公会の教義、なにより姉であるエレシアムを守る為の犠牲者であった。 いや、それはエレシアムも同様である。 「私という存在が母と呼んだふたりを苦しめていたのですね」 シャルロットは己を呪縛する運命を理由に、他者を慮ることが出来なかった過去の自身を恥じた。 「そして、籠姫となった其方の父親役に選ばれたのが、リュズレイ家の遠縁にあたり、聖アルジャベータ公会の司教位にあったアルル=モアの第二王子ルクサー・ガイルフォードじゃ。 ことを闇に屠るには、まさに最適の人選じゃな」 「確かにあの当時のアダマストルはきな臭かったと子供心にもよく覚えている。 第二公女の初産は死産であったと聞いていたが、裏にはそんな理由があったのか。 とすれば、同年、宮殿火災によって不慮の死を遂げたラムレイ・ルーンフォルテの件も疑わしいな」 エドゥアルトがしたり顔で参戦する。 どうやら、蚊帳の外から虎視眈々と首を突っ込む隙を窺っていたようである。 もっとも、この天邪鬼な青年の意見は、常に真理の的を射ている。 首人の話す事柄は一国どころか、聖アルジャベータ公会の命運さえ左右しかねない内容である。 教会の信義を守る為に、後々紛糾の種となりかねない異分子を間引いていてもなんら不思議はない。 「あ、あの……エレシアム……お母さまの御子はどうなったのですか?」 シャルロットが怖ず怖ずと口を開く。 真実を知り得た少女にとって、エレシアムの敬称は“叔母”が正しいのだろうが、従来の呼び名を違えることには抵抗があったようだ。 「出産後、赤子の身柄は聖アルジャベータ公会の掌中に落ちたそうじゃが。 その辺の事情はが知りたくば、そこにいる者の方が詳しいじゃろう」 首人はひとり押し黙ったままの女枢機卿に鋭い視線を向ける。 「ファティマさま?」 シャルロットが押し黙ったまま微動だにしないファティマ・イスを訝しげに見上げる。 「いずれにしても、妾が伝えるべきことはこれで全てじゃ。 物語の続きは其方たち自身が統べればよい」 首人は何処か疲れたようにそう締めくくった。 ==============================================※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/25

今日も今日とて楽天さまへの利益還元率0ブログです。調子にのって黒ネコverも作成┃壁┃ω・o)ノヌコーあくまで背景素材なので彩度を下げております。この黒猫はルムファムの方で作ったモノを再利用です。楽天ブログ背景(黒猫ver)楽天ブログでの背景使用に限りご自由にお持ち帰ってお使いくださって構いません。(※当ブログへのリンクなどは必要ありません)ただし、再配布・無断改変などは一切禁止致します。更に小説モドキが読み難くなるので、戻しますけど(汗)
2010/05/20

気分転換に雪背景を作ってみました。楽天ブログ背景(雪ver)楽天ブログでの背景使用に限りご自由にお持ち帰ってお使いくださって構いません。(※当ブログへのリンクなどは必要ありません)ただし、再配布・無断改変などは一切禁止致します。小説モドキが読み難くなるので、すぐに戻す予定です。
2010/05/20

※続きです『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-07【首人】光ノ章 2-07【首人】―シャルロットSIDE― 「お母……様……ですか?」 シャルロットの身体が傍目にも強張るのが見てとれた。 その名は少女の心に昏い影を落としていた。 「其方は誰を母と呼び、己が存在を聖女たらしめるつもりじゃ?」 まるで謎掛けのように問い返されて、言葉を失うシャルロット。 「貴女は知っているのですか……、私の本当の母親が誰であるのかを?」 随分と間をあけて、シャルロットは胸裏を占める不安を振り払うように口を開いた。 目の前の首人が己が求めて止まなかった真実を知る者であると理解したようだ。 「おいおい、全く話が見えてこないのだが……いてて」 「少し黙っていなさい」 ファティマ・イスが無粋な詮索の声をあげたエドゥアルトの耳朶を捻りあげる。 青年は渋々とながら半強制的に引下った。 どうやら成り行きを見守ることに宗旨替えをしたようだ。 「其方には知る権利がある。 じゃが、妾がこれから話すことは其方にとって堪え難き記憶となろう。 ともすれば、教会やアダマストル王家の命運さえ左右しかねぬ内容じゃ。 それでも聞きたいのかや?」 「はい」 シャルロットが真剣な眼差しで首肯する。 それを正面から受けて、首人は満足したように微笑んだ。 「ならばよかろう。 これはある愚かな屍族の女が、身の丈に合わぬ願望を抱いたが為に引き起こされた悲劇じゃ」 闇に漂う深く重い言葉は、霊廟の冷たい空気に寂寞と溶けあって失われた時を紡ぎだした。 「過ちの淵源を辿るには、十七年前のヤガ=カルプフェルト王国まで遡ることになる。 当時、王国の相談役であった女屍族は屍族と人族の共存する世界の実現を胸に描いておった。 そんなある日、女屍族は王国で催された解放記念祭の席で、ある風変わりな人間の娘と相見えることになる。 娘は特異な家系の生まれで、俗世間に触れる機会が少なかったらしく、目に映る全てを物珍しげに駆けずり回っておった。 純粋培養故に屍族に対する警戒や恐怖も欠落しており、祝宴に同席した女屍族にも執拗に纏わりつき、周囲の人間の気の揉みようは想像に余りあった」 シャルロットが仄かな動揺をみせる。 メナディエル正教の教義に於いて屍族とは異端の対象であり、人間に仇なす邪悪な存在だと定義されている。 だが、話の中の女屍族は邪悪さとはかけ離れた純粋な存在に思えたからである。 「その女屍族は娘の純粋無垢な心にひとつの希望を見いだした。 娘が王国に滞在する一月の間に、ある男と引き合わせる算段を練ったのじゃ。 人族と屍族の共存を図る為には、その人物の協力がどうしても必要だった。 男の名はルドルフ・オルカザード。 二十二家に名を連ねる大屍族の嫡男であった。 オルカザード家に関しては聖剣戦争後も異聞風聞、様々な噂が囁かれておったが、ルドルフに限っては虫も殺さぬ優男じゃった。 だが、ひとつの悲劇がルドルフの心を人族から遠ざけておった。 女屍族は彼の娘ならルドルフの心の氷塊を溶かし、オルカザード家と人族、両者の間に生じた確執を取り除き、その架け橋となってくれると考えたのじゃ」 シャルロットの胸の中で、既視感と共に、得体の知れない困惑が大きく翼を広げる。 それは、この首人がまるで己の過去を語っているかのように聞こえたからである。 「娘が挙げた成果は女屍族の見立てどおり、いや、それ以上じゃった。 当初、その目論みは成就するかに思えた。 しかし、女屍族の計算違いは、共に世俗に疎い男女が互いの心を触れ合わせた末に訪れる事態までは想定しておらなんだことじゃ。 まるで、そうなることを定められていたかのように、ルドルフと娘は互いを慕いあう間柄になっておった」 首人は自嘲するように口唇の端を歪める。 「無論、幸せな結末など訪れようもない。 ひとときの逢瀬は周辺の者達の知るところとなり、ふたりは引き離された。 しかし、その時既に娘はルドルフの赤子を身篭っておった」 首人が悔恨の念に堪えかねたように幼き容貌を歪ませる。 ゆっくりと開いた琥珀色の両眼には落日の残照が宿っていた。 「これが其方を取り巻く悲劇の起因となるものじゃ」 「そんな……」 それは俄かには信じがたい内容であった。 「そしてここから先は、それから数年後、その娘―――エレシアム・リュズレイが死の淵で語った話じゃ」 ==============================================正直、何処で消化しようかと思案していた物語の発端部分です。ここで語られる事柄は、シャルロット編・ミューク編・ラグナウェル編、全てを繋ぐ核となります。第三章前に作る予定の人物相関図作成で苦慮することは既に確約されている未来かも……(汗)※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/18

※半角10,000文字をオーバーしたので2つに分けます。『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-07【首人】光ノ章 2-07【首人】―シャルロットSIDE― 「首人を見るのは初めてなのかや?」 幼女の相貌を呈した首人は心外そうに眉を顰める。 「俺のように真っ当に生きている人間は、喋る生首に出会う機会なんてないものさ。 それよりどうだい、元老院など捨て置き、俺と永久の愛を語り合う気にはならないかな?」 軽薄に返すエドゥアルト。 相対するのが老若問わず外見朱唇皓歯の女性とあらば、途端に弁が立つようである。 加えて、元老院の名を持ちだし相手の反応を窺う辺りが抜け目ない。 「なんじゃ小僧、首人に興味があるのか?」 「まぁ……そういうことになるのかな?」 もっとも、あらぬ方向に意図を解されては、元の木阿弥である。 「遠慮することはないぞよ。 知的探求心を抱くことは人族が古来種に近づいた証じゃ。 誇りこそすれ、恥じ入ることではない。 ふむ、よかろう。 ここは妾が直々に“首人”の精製方法を教授して進ぜようぞ」 首人は見事なまでの曲解振りで、話を進めようとする。 もっとも、知識の喪失を惜しまれる聖人賢者の類が、知恵の源泉・集積体足る首人になる事例からして、備えた薀蓄の披露は、彼ら首人の本分でもあった。 「先だって必要なものは、寄生植物アタナシア1株と千年樹の樹液300ml、それとザルガフトの霊薬を一袋……。 ああ、そうじゃ邪妖精の霊薬もなくてはならぬ。 そして、なにより忘れてはならぬのが血も滴るような新鮮な生首じゃ。 被体の生態活動が停止する前に切り落とさねばならぬ故、事前の了承は怠らぬようにな」 首人は琥珀色の両眼に嬉々とした色を浮かべながら物騒なことを捲くしたて続ける。 「次は精製法に入るが……ん、なんじゃその顔は?」 「いや、俺が聞きたいのはそういうことではなくて、元老院と首人であるアンタの関係性についてなのだが……」 エドゥアルトは困ったように、ぼりぼりと前頭部を掻いている。 「なんじゃ、そのようなつまらぬことを臆断しておったのか。 無関係と云えば語弊が生じるが、此度、妾はある取引を為すために元老院の食客として招かれたまでじゃ。 こやつ等は妾の監視と脚を兼ねて古老たちが遣わした。 もっとも、今は妾の所有者に心を抜かれて、ただの木偶の坊と化しておるがの」 首人は顎先をしゃくって処刑人を指す。 「ふむ、なるほどなるほど」 エドゥアルトは衷情のままに頷く。 虚偽か真実かの判断より、この場は化物じみた処刑人との交戦を避けるほうが重要であった。 要するに、信じたほうが都合がよかったのである。 「差し支えなければ、序にこのような場所におられる理由もお聞かせ願えませんでしょうか?」 ファティマ・イスが長い黒髪を揺らせながら、エドゥアルトの脇に立ち並ぶ。 「過去の清算と、とある探し物を見つけだす為―――そして、それを持つ資格が其方にあるかどうかを見極める為じゃよ。 聖女シャルロット」 首人の琥珀色の両眼が女枢機卿の背後で所在無く佇むシャルロットを諦視する。 「わ、私のことをご存知なのですか?」 シャルロットが驚いたように目を丸くする。 「うむ、もっとも妾が知る其方は、ある人物の記憶の裡で視た幼き日のものじゃ」 「ある人物……」 シャルロットが訝しげに眉根を曇らせる。 首人の言いようも気になったが、籠姫として過した幼少期の記憶を共有する人間など、ごく身近に限定されるからである。 「ふふふ、気になるのかや? 其方もよく知る者―――先代の聖女、エレシアム・リュズレイその人じゃよ」 ==============================================タグのスリム化を計ろうかな……※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/18

あの日から、もうすぐ一年になります(=^・ω・^)ニャ-この世界はとっても偉い人間さまが支配する世界なのでノラネコには生きる権利がないそうです(=^・ω・^)ニャ-人間さまは高らかに命の大切さを説いたりするけど、己に僅かでも不利益が生じると、野生動物が糞尿をすることすら容認できなくなるそうです(=^・ω・^)ニャ-人間は生きる権利を守られていて羨ましい(=^・ω・^)ニャ-生まれ変わったら人間になりたいです(=^・ω・^)ニャ-・・・そして、人間は全てノラネコに生まれ変わってみればいい。ノラネコは5年生きれば長いほうだ。その一生のなかで、一体どれだけの幸せを得られるのだろう?
2010/05/14
ウィッチのいないぷよぷよなんて正義じゃないと感じる今日この頃。最近、ようやくPS3版の『テイルズ オブ ヴェスペリア』をクリアしたのですが、久しぶりにウズウズしながらプレイさせて頂きました。悔しいやら嬉しいやら情けないやらいろいろとファンタジーに対する創作意欲をくすぐられますね。この気持ちだけはずっと変わりません(笑)しかし、未だにゲームひとつに興奮して眠れなくなる自分がいることに驚きです。「テイルズ」「ルナ」「グランディア」「聖剣」「サガ」「WA」「クロノ」「FF」ここら辺の作品は、自分のファンタジー好きの原点(ゲーム側面)だと思います。なんだか、似たような記事を以前書いた気がします……
2010/05/12

※続きです『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-06【霊廟】光ノ章 2-06【霊廟】―シャルロットSIDE― 「な、なななな……」 シャルロットが目を白黒させて狼狽する。 そして、三呼吸ほど間をあけて状況を理解する。 「ぶ、無礼者! なんのつもりですか!?」 「いやいや、俺はファティマ・イス猊下の勧めに従ったまでなのだが」 エドゥアルトは激昂するシャルロットを軽くいなしつつ、涼しい顔で責任転嫁をする。 転んでもただでは起きない男である。 「そのような破廉恥な行為を勧めた覚えはありませんわ」 「心根を見習うとは、シャルロット姫の爪の垢を煎じて飲むと同義語だろうに」 「違います」 勿論、否定された。 「それに、昔姉上から教わったのさ。 左手薬指の血管は直接心臓へと繋がっているから、こうすれば相手の緊張を解せるとね。 効かなかったかな?」 「効きません!!」 こちらも否定。 もっとも後者に関しては、確かにシャルロットの顔から恐怖や不安といった類の翳りは消失していた。 ただし、別の意味で緊張感が増したらしく、隠れるように女枢機卿の背後に回り込んでしまった。 「こうも信用がないものかね」 「自業自得でございましょう。 しかし、幸か不幸か無駄口を叩く暇はもうないようです」 その言葉を合図にエドゥアルトが携えた角灯を高く掲げる。 光の領域が前方へと薄く広がり、闇よりも更に濃い漆黒が浮かび上がる。 「随分と賑やかな連中じゃな」 何処か舌足らずな幼い声と共に、奇怪な人型が三つ現れた。 中央の人物はその体型から女性と判別できる。 体中に巻きついた女自身の黒髪が黒衣の様相を呈し、その両手には紗幕の落ちた盆のようなものを持っていた。 両脇の男たちも人間の範疇を逸脱した個体変異を其々の肉体に宿している。 右に異様に長い手足を備える者、左に巨人族と見紛う巨躯の持ち主と、人外振りが際立っていた。 三者に共通するものと言えば、額部分に異なる数列を刻む黒い円錐状の覆面を被っている点だけだ。 「お気をつけくださいまし。 この者たちは元老院直属の暗殺部隊“処刑人”です。 構成員は三十人程度と聞きますが、特に注意するのは額に刻まれた数字ですわ」 エドゥアルトの背後からファティマ・イスがその博学多才振りを披露する。 「ほう、両脇のノッポとデカイのが其々二十三、十六……そして中央の女が七か……。 それでこの数字にはどんな意味があるんだい」 「一桁の数字を与えられた処刑人は正規兵一個師団にも相当する殺人兵器だと聞き及びます」 この教皇庁で元老院の権力がここまで肥大した理由はふたつある。 巧妙に既得権を温存した古老たちの遣り口もあるが、彼ら処刑人がその背後に控えていた部分が大きい。 元老院に反発した要人・高官の類が謎の死を遂げる理由は推して知るべきだろう。 「人の皮を被った化け物であるファティマ・イス猊下が仰ると、妙な説得力があるな。 俺としては、その噂が尾ひれのついた誇大妄想の類であることを願うばかりだが」 エドゥアルトが苦々しげに吐き捨てる。 聞かなければ多少は気楽でいられた事実を吹き込まれて、迷惑と感謝が混同していた。 「冗談が言える余裕があるなら心配は無用ですわね」 ファティマ・イスはシャルロットを庇うように数歩後退する。 どうやら、処刑人のことはエドゥアルトに任せ、聖女を守ることに徹するようだ。 彼女の目的を考えれば当然の選択である。 もっとも、エドゥアルトにもその表情ほどの余裕はない。 青年の精神は不明瞭な違和感に捉われていた。 処刑人の数は三人、しかし、前方から感じる気配は確かに四つあったのだ。 「試してみるか」 意を決したエドゥアルトが細剣の柄に手をかける。 だが、前方から凄まじい鬼気が放たれて、その動きを拘束した。 蛇に睨まれた蛙の如く、エドゥアルトは根源的な恐怖に駆られていた。 「血気盛んは結構じゃが、浅慮が過ぎれば寿命を縮めることになるぞよ」 そして、またあの声。 エドゥアルトの背筋を冷たい汗が慄然と滑り落ちる。 幸か不幸か、金縛りにあったように前方を凝視していたことが、青年に姿なき声の出所を見極めさせていた。 それは聞き違うことなく、女処刑人が恭しく上掲する盆の上から発せられていた。 「これ、いい加減にこの布切れを退けぬか」 謎の声の叱咤に、女処刑人の左手が漣のように揺らめき紗幕が消失する。 「……なっ」 後に残った光景は、対面する全ての人間に驚愕を抱かせる。 そこにあったのは、鳥籠のような着床台と、その内台座に固定された幼い少女の生首であった。 ==============================================喋り口調と首人設定から誰だかわかりそうなものですが、ロリ婆さんの登場です。※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/11

※半角10,000文字をオーバーしたので2つに分けます。※度々申し訳ありませんが、前回の2-06【牢獄】aと今回の2-06【霊廟】bを足して2-06【霊廟】として推敲後、フリーページに掲載致します。『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-06【霊廟】光ノ章 2-06【霊廟】―シャルロットSIDE― 一行が大理石の階段を下りると、帰路を閉ざすように祭壇の仕掛けが口を閉ざす。 転瞬、辺りが無明の闇に包まれて、シャルロットが小さな悲鳴をあげた。 「暫し、お待ちを」 闇の中に火花が散り、手提げ角灯を持つエドゥアルトを中心に周囲の闇が切り取られる。 「教会物品の窃盗・強奪は利き腕を切り落とす決まりとなっておりますわ」 角灯側面に刻まれた教会印を目敏く見咎めたファティマ・イスが耳元でそっと呟く。 女枢機卿の推測通り、青年の持つ角灯は大聖堂内で拝借されたものであった。 「真顔で仰られると冗談に聞こえないな」 エドゥアルトは頬をひくつかせて、ファティマ・イスの様子を窺う。 「私、冗談は嫌いですのよ。 もっとも、今回に限り特例で見逃して差し上げますわ」 「それはありがたい。 では参りますかな、麗しき淑女のお二方」 エドゥアルトは大きく息を吐くと、儀礼的護衛と心得たように危険が伴う先頭を颯爽と歩き出す。 「あ、あの……ここが地下霊廟ですか?」 暫く進むと、シャルロットが不安気に辺りを見回して尋ねる。 角灯の頼りない光源だけでは、左右の石壁に沿って立ち並ぶ石柱群をおぼろに確認するのが限界であった。 「いや、形状から察するに霊廟本殿へと続く殿廊といったところか。 ファティマ・イス猊下はどう思われるかな?」 「不本意ながら貴方と同意見ですわ」 ファティマ・イスは、渋々ながらエドゥアルトの見識に賛同する。 「どちらにしても一本道な点だけは助かるな。 なにしろ道に迷う心配がない」 歩廊は延々と続き果てしがなかった。 歩を重ねるにつれてシャルロットの口数は更に減り、半刻が過ぎた頃には完全に押し黙っていた。 元々多弁とはいい難いが、整然と張り詰めた空気が齎す緊張感にあてられたようである。 それは隣を歩くファティマ・イスも同様だった。 「鬼どころか蛇すらでてくる気配がない。 いや、場所柄を考慮すれば幽鬼の類に期待すべきか?」 よって、信心深さとは無縁なエドゥアルトの軽口だけが残る。 「ん?」 はじめに気づいたのは先頭を歩くエドゥアルトだった。 一行の靴音に石畳を打つ別の反響音が混じっていた。 青年は僅かに歩を緩めると、尾行者の気配を探ろうとする。 しかし、すぐにそれが後方ではなく前方の闇の中から聞こえてくることがわかったようだ。 無論、一直線の歩廊では避けることも隠れることも不可能である。 「ようやく貴方の見せ場かしら?」 ファティマ・イスがエドゥアルトをからかうように焚き付ける。 「生憎、俺は頭脳労働が専門でね。 肉体を酷使する奉仕活動は夜毎の秘め事限定と心に決めている。 なにより、俺より強い人間を守る必要なんてあるのかい?」 エドゥアルトは肩越しに背後のファティマ・イスへと朱痕が残る手首をちらつかせる。 如何に油断があったとはいえ、大の男をたちどころに縛り上げる人間が、か弱き女性であるわけがないと言いたいのだろう。 「美女とそれに準ずる美少女の頼みを断らないのが貴方の美学なのでしょう?」 余裕の表情で返すファティマ・イス。 両者ともに、この緊張感に欠けた悪態の円環構造を楽しんでいるようだ。 「はぁ……、俺が引き受けたのはシャルロット姫のおもりだけなのだがな」 「私は自分の身は自分で守ります!」 シャルロットが決然とした面持ちで反論するが、気持ちだけでどうにかなる問題ではない。 「困ったものだ」 如何に気高き思想でも、それを成し得る実力を伴っていなければ傍迷惑な虚言妄想の類となんら違わない。 かといって最初から何もしようとしない人間は生きている価値さえない。 それがエドゥアルトの持論でもあった。 「困る暇があったら、少しは聖女さまの清らかな心根を見習うべきですわね」 ファティマ・イスが聖職者らしく、精神論を持ち出してきた。 「なるほど、少々お手を拝借しても宜しいかな?」 だが、エドゥアルトは我得たりとシャルロットの足元で傅くと、悪びれもせず半ば強引にその左手をとる。 そして徐に少女の名無し指を選び取ると、そのまま躊躇無く口に含んだ。 ==============================================※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/11
そ、そろそろアノ禁断症状が……(笑)============================================================光ノ章_02-06【牢獄】a============================================================【改稿/エドゥアルトの拘束を解くファティマ】 ファティマ・イスはエドゥアルトの両手首の拘束を解くと微笑みながらそう告げる。↓★推敲★↓ ファティマ・イスはエドゥアルトの両手首の拘束を解くと、にべもなくそう告げる。============================================================【改稿/ファティマの答え】 「はい、元老院がレムギザロス大聖堂を懺悔の場として選んだ理由です」↓★推敲★↓ 「そうです。 なぜ元老院はレムギザロス大聖堂を罪人の懺悔の場として択りたもうたのか」============================================================【改稿・加筆/エドゥアルトの目線】 エドゥアルトも興味深げに見入っているが、こちらは突き出された二つの腰元の曲線をしげしげと観察しているだけだ。 その間にも、ファティマ・イスの人差し指は謎の紋様をなぞるよう動き、祭壇中央部に埋め込まれた女神の御玉たる翡翠石に到達する。 そして、異変は起こった。 「なっ!?」 シャルロットの驚愕に一瞬遅れてエドァアルトが声をあげる。 青年の反応が鈍いのは別種の妙味を味わっていた為だろう。↓★推敲★↓ エドゥアルトも興味深げに見入っているが、こちらは突き出された二つの腰元の曲線をしげしげと観察しているだけだ。 その繊細な見た目とは裏腹に肉付きのよいファティマ・イスと、固さを残しつつも丸みを帯びた少女特有の身体つきのシャルロット。 どちらも趣の違う妙味があるなどと無駄に感慨深げである。 その間にも、ファティマ・イスの人差し指は謎の紋様をなぞるよう動き、祭壇中央部に埋め込まれた女神の御玉たる翡翠石に到達する。 目の錯覚か、女枢機卿の指先から蒼白い波紋の燐光が広がり、異変は起こった。 「なっ!?」 シャルロットの驚愕に一瞬遅れてエドゥアルトが声をあげる。 青年の反応が鈍いのは別種の妙趣を抱いていた分である。============================================================※その他、誤字脱字の訂正、細かい形容などを追加致しました。
2010/05/04

こんばん(=^・ω・^)ニャ-今日も見えない何かと戦っている黒チョコ(ボ)です。今朝は召使のうーたんに命じて弟&妹(仮)の住み着いた屋外収納庫のお掃除をさせました。な、なんと! 仔猫たちが集まって!? キング仔猫に……(*゚□゚)ノ☆)`ν゚)・;'.、クハッ!!
2010/05/04

親ネコの留守中に激写┃壁┃ω・^)===================================追記先程再確認した所、仔猫5匹揃っておりました。どうやら、毛布の下に隠れていたようです。
2010/05/03
先程、ミャーミャーと仔猫の泣声が聞こえたのでウチの周辺を探索したところ、・・・ノラ猫がガレージ裏の屋外収納子で仔猫を5匹産んでいました親は黒ネコで、三毛が1匹、黒4匹だと思われます。その親ネコですが、一年前、ガレージ内にウチのチョコ(黒猫1才)を置き去りにした母ネコである可能性が急浮上です。近づくと怒るので現在は放置中ですが、親ネコが純ノラの場合、人間が世話を焼き過ぎると、仔猫の育児放棄or親ネコだけ逃亡などいろいろと問題があるので対処に困りますね。少し騒いでしまったので、今頃引っ越し中の可能性も否定できませんが、明日まで居たら写真を撮らせて頂こうと思います。
2010/05/02

『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-06【牢獄】光ノ章 2-06【牢獄】―シャルロットSIDE― 「誰もいない…?」 シャルロットは我が目を疑った。 聖堂内にミルフィーナ姿は無く、そればかりか一片の人影すら確認できなかったからである。 「聖堂内の全て出入り口を調べてきて戴けますか?」 ファティマ・イスはエドゥアルトの両手首の拘束を解くと微笑みながらそう告げる。 「やれやれ、人使いの荒い御方だ」 エドゥアルトは鬱血した皮膚を擦りながら嘆息混じりに肩を竦める。 しかし、女枢機卿にひと睨みされると、逃げるように立ち並ぶ大柱の間をすり抜けて側廊へと消えた。 「ずっと腑に落ちないことがひとつあります」 ファティマ・イスは視線を内陣方向に据えると、少女を促すように身廊を真っ直ぐに進む。 「腑に落ちないことですか?」 後に続くシャルロットが鸚鵡返しに尋ね返す。 「はい、元老院がレムギザロス大聖堂を懺悔の場として選んだ理由です」 「理由……」 シャルロットは閉口して記憶に含まれる知識を手繰る。 教会法には“全ての罪人は懺悔の機会を宥恕される”と記載されている。 だが、懺悔の祈りを捧げるだけならば、この神都アレシャイムに群立する中規模以下の聖堂で十分事足りる筈である。 なにより教皇殺害の囚人を、その遺体の傍らで贖罪させる構図は如何にも間が抜けていた。 「メナディエルの祝福を……」 ファティマ・イスの祝祷の声に思考の檻から立ち返るシャルロット。 女枢機卿に先導されて無意識に進めた少女の脚は至聖所へと到っていた。 主祭壇の上には金銀螺細に装飾された棺が鎮座している。 「この聖櫃のなかに……」 シャルロットの両眼が一点に吸い寄せられた。 ゆっくりと少女の心低から恐怖という名の澱みが浮漂する。 だが、同時に別の感情も目覚める。 水晶の搭の出来事が現実のものであるなら、この内に眠る存在は“ヒト”ではない。 通常であるならば、気が触れたと忌避される内容でも、眼前に在らしめられた真実を否定することは誰にも出来ないだろう。 それは、ミルフィーナの潔白の証明には到らなくとも、酌量の余地を促すには十分である。 シャルロットが大きく唾を飲み込む。 気づけばもう手が届く距離に聖櫃があった。 一旦決意をするとシャルロットは迷わなかった。 ファティマ・イスが止める間もなく棺の上蓋に両手を置き力任せにそれを押し退ける。 聖堂内の静謐な空気に地響きと共に重々しい反響音が木霊する。 「ファティマさま、これを―――」 そして、シャルロットは声を失った。 「どうして……」 随分と間をあけて少女の口から零れた言葉は、掠れたように続かなかった。 「遺体の損傷が重度であれば、処置重視で納棺を見送ることもあります。 ですが、どのような理由があろうとも、死者の魂を冒涜するような行為は感心致しかねますわ」 ファティマ・イスは僅かに眉を顰めると空の棺から目を逸らす。 「えらく馬鹿でかい音が聞こえたが何事だい?」 声に遅れて、エドゥアルトの長躯が二階廻廊の手摺を飛び越えて至聖所へと降り立つ。 軽業師のような身軽さだが着地した場所に問題があった。 「おっと、これは失礼つかまつった。 だが、留守中とは幸いしたな」 エドゥアルトはおどけたように聖棺の中から左足を抜取る。 「お二人とも悪行過失が目立ちますわね。 本来ならきつく仕置きが必要ですが……、今はそれどころではないようです」 ファティマ・イスの視線の先、拝廊入口に物々しい気配が集束しつつあった。 今し方の轟音を聞き咎めたのか、それとも先程の虚実が発覚したのか、ふたつにひとつだろう。 衛兵の中に元老院の息のかかった人間が居たと考えるのが妥当だが、役人らしからぬ手際の良さである。 「ああ、アレなら暫くは時間を稼げるはず。 見回りがてら大扉の貫木に細工を施しておいたからな」 エドゥアルトは後頭部で両手を組むとしれじれと言ってのける。 まるでこうなることを予期していたかのような抜け目の無さである。 「あら、気が利きますのね。 それでそちらの首尾は如何でした?」 「正面大扉以外の全ての出入り口は内側から千錠されていた。 埃の積もり具合から推測するに、ここ数日の間、使用された形跡はないな。 とどのつまり、神隠しにでもあったのか、ミルフィーナ・ド・グラドユニオンは忽然と姿を消してしまったことになる」 両の掌を上向きに返すと、お手上げといった様子で首を振るエドゥアルト。 だが、神の御許たる大聖堂で神の仕業とは冗談にもなっていない。 「それではフィーナは何処に……」 シャルロットのまだ幾分幼さの残る顔が焦燥に歪む。 「そうですわ聖女さま。 先程の問いの答えですが、此方の青年のお陰で確信が持てました」 「えっ? あっ……、懺悔の場所をレムギザロス大聖堂に定めた理由ですか?」 不意に話題を振り戻されて当惑するシャルロット。 「そうです、なぜ“ここ”でなければならなかったのか」 ファティマ・イスが腰を屈めて主祭壇の側面に指先を宛がうと、シャルロットが覗き込むようにその所作を見守る。 「メナディエルの紋章ですか……いえ、少し違う」 主祭壇に刻まれた紋様は、教義の至純である“正義”“秩序”“公正”を司る宝玉を宿してはいたが、メナディエルの意匠とは別物であるようだった。 「ほう、これはこれは……」 エドゥアルトも興味深げに見入っているが、こちらは突き出された二つの腰元の曲線をしげしげと観察しているだけだ。 その間にも、ファティマ・イスの人差し指は謎の紋様をなぞるよう動き、祭壇中央部に埋め込まれた女神の御玉たる翡翠石に到達する。 そして、異変は起こった。 「なっ!?」 シャルロットの驚愕に一瞬遅れてエドァアルトが声をあげる。 青年の反応が鈍いのは別種の妙味を味わっていた為だろう。 「レムギザロス大聖堂の地下は歴代教皇の遺体を埋葬した地下霊廟となっております」 それは太古の技法であろうか、主祭壇の円石が音もなく後方へと退き、地下空間へと続く入口が姿を現していた。 「その話なら俺も聞いたことがある。 だが、よくこんな仕掛けがわかったものだな」 エドゥアルトは女枢機卿の補説に頷くと、序に抱いた疑問を口にする。 「ここは水晶の搭と並ぶ聖域のひとつです。 存在の秘匿はされておりませんが、出入りは祀職官以外、原則禁じられています。 ただ、この紋章の仕掛けは、以前別の場所で目にしたことがありました」 ファティマ・イスは地下へと続く石段を背に微笑む。 「それでは参りましょうか。 聖女さま、それと……」 「エドゥアルト・ラガ・ディファルですよ。 ファティマ・イス枢機卿猊下」 落胆より呆れた様子で返すエドゥアルト。 この女枢機卿に名を覚えて貰うまでには、まだまだ時間が掛かりそうであった。 「あ、あの……、このなかに入るのですか?」 「嫌なら無理強いは致しませんわ。 ですが、ミルフィーナ卿はこの先にいる筈です」 少女の当惑気味の問い掛けにファティマ・イスが答える。 真意が何処にあれ、その言葉は少女の心から余計な感情を消し去るには十分だった。 「ふむ、与えられた選択肢は引き返すか前に進むかだが。 俺としては、ぜひとも後者をお勧めしたいところだが―――」 「勿論、先へ進みます」 シャルロットは僅かに頬を紅潮させると凛として言い放った。 「そう仰ると思ってましたよ。 ま、正義の代理人たる俺としては付き合わざるを得ないがね」 口から洩れる不平不満とは裏腹にエドゥアルトも引き返すつもりなど更々なかったのである。 ==============================================最終的に牢獄編と分けるつもりですが、どの程度の文量に納めるか考え中なので、現時点で、区切りはアルファベット表記で書いていきます。※推敲はフリーページ内で行います
2010/05/02
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