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ランダム読書日記 「犬は「びよ」と鳴いていた」 山口仲美 (やまぐち なかみ) 光文社新書 272頁 ¥740 2002.8.20 初版第1刷発行 [目次] 第1部 擬音語・擬態語の不思議 (1)擬音語・擬態語に魅せられる (2)擬音語・擬態語のかたち (3)擬音語・擬態語の寿命 (4)擬音語・擬態語の変化 (5)掛詞(かけことば)で楽しむ擬音語。擬態語 (6)辞典の中の擬音語・擬態語 第2部 動物の声の不思議 (1)昔の犬は何と鳴く (2)ニャンとせう--猫-- (3)チウき殺してやろう--鼠-- (4)イヒヒンヒンと笑うて別れぬ--馬-- (5)われは狐ぢゃこんこんくゎいくゎい (6)ももんがの鳴きやうを知らぬ エピローグ (目次の第1部だけみると、まるで学術論文みたいな 堅さですが、書かれている中身は「ですます調」で具体的で とてもわかりやすい) [内容] 擬音語というのは、「ほうほけきょー」「がたがた」などの、物音や声 を私たちの発音で写しとった言葉です。 擬態語とうのは、「べったり」「きらきら」のどの、様子や状態をいかにも それらしく写しとった言葉です。 日本語では1200種類の擬音語・擬態語があり、英語の3倍以上だそうです。 「感想」 「小さな小さな本ですが、類書のないのが強みです」 と著者がエピローグで書いています。 買物帰りにこういう楽しい本を見つけると、街の書店が宝の山 にみえます。 [頁のかけら] ○日本人は可愛いものには「こ」をつけたがります。 「ひよひよ」鳴く可愛い鶏は「ひよこ」。 「べ-」と鳴く愛すべき牛は「べこ」。(中略) 「ねー」と鳴く可愛い生きものが、「ねこ」だったのです。 ○江戸時代では、犬の吠え声として古い「びよ」「びょう」と、 新興の「わん」とが共存し、 「びょう」の方は遠吠えに、「わん」の方は、普通の犬の声に 使うといった一応の区別をしていた時期もありました。 ○狐の鳴き声にも二通りあって、機嫌のよい時と悪い時とは違う 鳴き声であることが当時一般に知られていたことが分かりました。 狐、患ふる時は、すなはち声、児の泣くが如し (くゎい くゎい) 喜ぶ時は、すなはち、声、壷を叩くが如し (こんこん) (漢字「泣く」「叩く」は別の漢字) ************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.3.24. No.77)
2008.03.24
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ランダム読書日記 「博士と狂人」 サイモン・ウィンチェスター (Simon Winchester) 鈴木主税訳 早川書房 280頁 ¥1800 1999.4.30 初版発行 原題 The Professor and the Madman [目次] はじめに 1 深夜のランベス・マーシュ 2. 牛にラテン語を教えた男 3. 戦争という狂気 4. 大地の娘たちを集める 5. 大辞典の計画 6. 第二独房棟の学者 7. 単語リストに着手する 8. さまざまな言葉をめぐって 9. 知性の出会い 10. このうえなく残酷な切り傷 11. そして不朽の名作だけが残った あとがき 著者の覚書 参考文献 訳者あとがき [内容] 全12巻、総ページ数16,570、収録語数41万4825語、用例182万7306、 1928年の完成までに70年もかかった 「オックスフォード英語大辞典(OED第1版)」。 この辞典の目的は、たんに単語の意味を示すだけでなく、 また意味を理解しやすくするために用例を掲げるのではなく、 古今東西の英語の文献に現れたすべての単語について、 歴史的に用例を集め、用例をもって単語の意味を語らせることであった。 この本はこの世紀の大辞典の作成に深く関わった二人の人間の話しです。 一人は辞書編纂の中心人物として人生後半の40年間を捧げた ジェームズ・マレー博士(1837.2-1915.7)。スコットランドの貧しい家庭 に生まれながらも独学で数多くの言語を身につけ、 ついには英国言語学会の第一人者となった。 もう一人は謎の協力者。バークシャーのクローソンという小さな村に住む 元米国陸軍の軍医ウイリアム・マイナー(1834.6-1920.3)。 毎週定期的に貴重な用例文を沢山送ってくる。 しかしマレー博士が幾度となく招待状を送っても村から一歩もでて こようとしなかった。 正体を明かさないまま厳密な仕事をするこのすばらしい男は、 一体何者なのか? とうとうマレー博士のほうから訪問することになった。 駅で馬車の出迎えを受け、いかめしい建物に案内された先で博士が はじめて対面したのは、・・・ 妄想から殺人を犯した過去をもち精神病棟に20年も前から収容されて いる患者であった。 「感想」 世界最高の英語辞典の誕生にまつわる実話としてとても感動的でした。 また、文化において優れた国こそが大国にふさわしいと思いました。 経済大国や軍事大国でなく。 [頁のかけら] 略 ************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.3.18. No.76)
2008.03.18
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ランダム読書日記 「反空爆の思想」 吉田敏浩 (よしだ としひろ) 日本放送出版協会 308頁 ¥1160 2006.8.30 初版第1刷 発行 [目次] 序文 ダライ・ラマ十四世第1章 空爆による死と痛みをめぐって第2章 空爆の歴史、その傷を通して見つめる第3章 日本も空爆の加害者だった時代第4章 航空宇宙戦力を破壊と殺傷第5章 「やむをえない犠牲」論を解体する第6章 他者の痛みをどのように考えるか参考文献あとがき[内容]「空爆は戦争終結を早め、死傷者の数を少なくする」--。爆弾を投下する側の人間は空爆の妥当性を、こう説明してきた。(中略)果たして、空爆による被害は「やむを得ない犠牲」といえるのか。家族や生活の基盤を失った被害者の悲痛な叫びを反芻しながら、(中略)空爆思想の背後に潜む「被害者の非人間視」の論理を深く追及する。と、帯にあります。「感想」3月10日に日付が変わった頃、325機のB29爆撃機が投下した38万発の焼夷弾がランダムに落ちる中を両親と一緒に逃げ惑い九死に一生を得た者として、空爆を扱ったこの本は見過ごせずに買いました。空爆を正当化する議論はいまも臆面もなく口にされています。この本は今まで一般書では扱われてこなかった問題を中心にすえている点で敬意を表します。空爆の下で死に傷つく一般人の惨状にも筆が及んでいます。(ただ、第3章の日本が加害者であった空爆の記事や写真にくらべて、東京大空襲や広島・長崎の原爆の惨状の描写がなぜか軽いという印象がありました。実体験したことのない人にはライターでも描き切れるものではありませんが、コンナモノではなかったぞ、と思いながら読みました)「もうひとつの感想」TBSテレビで9:00-11:09に放送された「シリーズ激動の昭和3月10日東京大空襲-語られなかった33枚の真実」は、忘れられない映像でした。東京大空襲を地上で撮影した唯一のカメラマン石川光陽さんのを中心にして大空襲の惨状をよく表わしていると思いました。惨状を伝えるには百万の言葉よりも1枚の写真のほうが、はるかに力があるものだと思いました。[頁のかけら] ○「爆撃で敵国の工業生産力を破壊し、敵国民を殺傷し、恐怖を与え、その士気を挫けば、敵国は戦争継続に耐えられなくなる。それは敵国に早期降伏を強いることにつながる。結果的に戦争を早く終わらせることで、戦争の犠牲者は少なくてすむ。だから、従来の陸軍による地上戦力中心の戦争よりも流血が少なく、より人道的ともいえる」第二次世界大戦での無差別爆撃と原爆投下、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン空爆、イラク戦争など、再現なく繰り返される空爆によって、どれだけ多くの人間が殺されてきたかを知っている今日の眼で、この「戦略爆撃正当化論」を見ると、それがいかに倒錯的な考え方かがわかる。(自国の兵士の戦死者を減らすためには、他国の幼児、老人、女性を含む民間人が10万人以上死んでも、「費用対効果」が高い(!)という考えは悪魔的だ) ○(東京大空襲を初めとする)日本焦土作戦を指揮したカーチス・ルメイ将軍に、1964年、勲一等旭日大綬章を与えている。勲章授与の理由は、「戦後、日本の航空自衛隊育成に協力した」ことだとされている。(まったくバカげた話しです。授与するほうにも受けとるほうにも人間の心というものがない。時の首相は後にノーベル平和賞をもらう佐藤栄作。話しができすぎ。わらうこともできない)************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.3.10 No.75)
2008.03.10
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