話飲徒然草〜Tokyo Meanderings

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2013年12月23日
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カテゴリ: ワインコラム


またしても「きた産業」さんによるものです。きた産業さんのサイトはこの手の情報に関してまさに宝の山ですね。

Oxygen&Wine 酸素、クロージャー、充填、エイジングについてのリサーチ
by Jamie Goode 2009
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/NomaSens.pdf


いくつかかいつまんで紹介すると、、

*ワインと酸素の相互作用がワインの化学における最近のホットイシューになっている。
*このテーマについて、近年まで大きな関心が寄せられなかった主な原因は「ワインが非常に頑強であるから」。

*ビールの場合、充填、ヘッドスペース、その後の侵入による1ppmの酸素がビールをだめにしていまい、シェルライフの終わりを決定づける。そのため、ビール業界では多大な費用と時間をかけて酸素の最小化を図ってきた。

*ワインの場合、酸素濃度はそれより高く、ワインによって異なり、また充填、打栓、その後の侵入による酸素レベルは一定ではないのだが、同様なひどい影響を及ぼすわけではない。



*ワイン中の酸素の最大値(飽和状態)は8mg/l。

*通常、タンク間でのワインの移送では0.1~0.2ppmの酸素が取り込まれる。

*通常の樽熟成では月あたり2~3ppm程度のペースでトータル25ppm程度取り込まれる。

*多くの白ワインは最初から還元的に醸造され、破砕後できるだけ酸素に触れないようにされるが、一部の白ワインと大部分の赤ワインは醗酵工程のいくつかの段階で酸素に触れることが醸造上の重要なポイントになっている。すべてのワインにとって、一次醗酵における健全な酵母の生育のためにある程度の酸素は必要であり、その不足は硫化物を生成する醗酵不良を招き、結果として還元臭の問題を引きおこす。

*ひとつの重要な選択は、充填時の遊離型SO2の濃度。

*SO2の酸素との反応は非常にゆるやかで直接的なものではなく、その代わり酸素とワインとの反応の最初の物質を除去して、ワインのアロマやフレーバーの構成分のさらなる酸化を防ぐ。

*一般的にはワインは遊離型SO2濃度が25~40mg/lで充填される。

*この濃度は、ワイン内の溶存酸素とヘッドスペースの酸素、さらにクロージャー自体から供給される酸素と反応して、充填後急激に下がる。

*この時期を経ると、遊離型SO2はもっと緩やかで一定のペースで、クロージャーから侵入する酸素に対応して減少していく。

*白ワインの場合、遊離型SO2濃度が10mg/lを下回ると酸化の特徴が感知されるようになる。

*赤ワインの場合は、それ自体が抗酸化物質であるフェノール化合物を含むので、事情が異なる。


オーストラリアのワイン研究者であるRichard Gibson氏によるワインのシェルライフを概算するための計算式

~一般的なヘッドスペースは5.95mlで、1.24mlの酸素が含まれる。これは1.78mg/lに相当するので、ワインに溶解すると2.37mg/lの溶存酸素濃度となる。

~これは、9.5mg/lのSO2と反応する。

~次に時間の経過とともにクロージャーから瓶内に入ってくる酸素の量を計算すると、0.01cc/day=0.019mg/lの酸素が瓶内に毎日入ってくることになり、1年で27.7mg/lのSO2と反応する。

~例えば、充填時に35mg/lの遊離型SO2があり、2mg/lの溶存酸素、0.5mg/lのヘッドスペース内酸素、クロージャーの酸素透過が0.008cc/dayとすると、217日のシェルライフとなる。

~ビールであれば、最高の充填ラインであれば、酸素取り込みは0.05~0.15pp.である。



* Rainer Jung博士によるリースリングワインに対する充填条件と充填後の保管条件の実験。



~コルクとスクリューキャップの2種類のクロージャーを用意、さらに通常の酸素濃度(21%)と酸素のない環境を用意した。

~この結果、充填時に計測した溶存酸素量は0.2mg/bottleから6.0mg/bottleまで幅広い結果となった。

~ただし、 ワインの充填時に酸素量に差があっても、それらはおおむね300日以内に吸収された。

~充填時の酸素に加えて、 300日間でコルクを通じて2.5mg/bottleの酸素が流入したが、酸素のない環境で保管されていたものでは、1mg/bottleの供給があった。これはコルク自体から供給される酸素があることを表している。

~スクリューキャップは300日間で0.3mg/bottle程度の酸素供給量だった。

~溶存酸素量は遊離型SO2濃度の低下と強い相関関係があり、ワインの変色とも関与が認められた。


*何回かの異なる充填作業からのデータによると総酸素取り込み量は1ppm以下から13ppm以上まで幅広く存在し、 平均すると2.5mgをやや下回るレベル である。

*天然コルクの酸素透過性は最初は比較的高いが、充填後数ヶ月後には大きくて以下する。これは多くの測定において勘案されていない事実であり、この透過性の変動は他のクロージャーでは再現が難しい。


SO2と酸素の関係の計算は私も前のコラムで試みました。いくつか間違っていた(酸素濃度が溶解すると増えるところなど)ようですが、おおむね概念的には正しかったかと。





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Last updated  2015年01月18日 11時37分36秒 コメント(2) | コメントを書く
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shuz1127 @ Re[1]:祝日セール情報1103 Holiday Sale Info(11/03) Echezeaux14さん、お久しぶりです。 10月…
Echezeaux14 @ Re:祝日セール情報1103 Holiday Sale Info(11/03) お久しぶりです。 ワインと関係ないです…

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