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2014年10月22日

スクリューキャップ常温保存ボトル検証～その3

テーマ：ワイン大好き！(30934)

カテゴリ：ワインコラム

さて、コルクに比べ酸素流入量の少ないスクリューキャップのボトルは常温環境下で劣化するのか否か。先日の白に続いて今回は赤ワインで検証してみました。
銘柄はベルトラン・アンブロワーズの11ACブルゴーニュ。
一本はセラーでずっと保存。もう一本は夏場MAX36.5度を計測した屋根裏部屋（兼私の書斎）にひと夏放置しておいたものです。
グラスはロブマイヤー・バレリーナV。カミサンに手伝ってもらって、どちらのグラスがどちらだかわからない状態でブラインドで実験を行いました。

■抜栓直後
＜右側のグラス＞
黒い果実、スミレ、少しハーブや紅茶。まとまったしとやかな香り。回すとジャミーな果実、紅茶、枯葉系が前面に。なめらかでタンニンも溶け込んで飲みやすいが、果実味が少しジャムっぽい。

<左側のグラス＞
黒い果実、スパイス、出がらし紅茶っぽい香り。回すと赤身肉などのニュアンスも。味わいは酸味がしっかり。口の中に少しザラザラした感触が広がる。
タンニンがまだ険しいが果実味はクリーン。

初めて飲んだら、まず間違いなく左側を36度常温保存と答えるところですが、前回の白のときの経験からするに、やわらかくこなれた右側が36度常温、まだ各要素が整っておらずざらついた感じのする左側がセラーということではないでしょうか。

→正解。

常温保存のボトルは促成栽培的に熟成が進み、各要素がなめらかになってはいますが、時計の針を無理に進めた分、ほんの少し果実味がジャミーに感じられるなどのファクターが出てきています。とはいえ明確に熱劣化したボトルのようなネガティブな印象はなく、せいぜいキャラクターの違いといったぐらいに感じられます。以前（といってもだいぶ前ですが）RWG誌の「ワインの保存」で検証したミシェル・グロのボトルが、村名クラスにも関わらずひと夏経過後にはかなりネガティブな変化が現れていたことを思うと、その差は小さいと思われます。

■30分後
＜右側＞
黒系果実やスパイスに加えて、やや馬小屋的なニュアンスが混じります。飲むと鼻に抜ける酸のアタック。酸が暴れがち。

＜左側＞
黒系果実、焦臭。こちらにも少し馬小屋的ニュアンスありますが、右側ほどではない。飲むと酸のアタック。後から果実味。こちらの方が香味ともにピントがあっている。

おや、右側のワインがずいぶんとご機嫌斜めです。。ひょっとして常温保存のほうは開けたてがピークで早くも衰え始めたのでしょうか？

→不正解。右側がセラー保存でした。

3時間後や翌日の変化というのは、こうして自宅で行わないとなかなか出来ない実験です。

＜右側＞
馬小屋的なニュアンスが相変わらずネットリと。味わいはこちらの方がしっとりとしていて酸もなめらか。

＜左側＞
こちらの方が馬小屋臭は比較的少なめでクリアな香り。味わいは酸が突出気味でフィニッシュもやや散漫。

右がセラーで左が常温でしょうか。
→またしても不正解。左がセラーで右が常温でした。

う～ん、30分後と3時間後の変化はよくわかりません。

つづきます。

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