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マレーシアには単一作物を大量に栽培する、プランテーション (plantation) と呼ばれる大規模農園がある。そんな農場の周りに、ドリアン・マンゴスチン・カカオなど熱帯果実数十種類にも及ぶ熱帯果実を栽培する果樹農園が点在している。果物の王様と呼ばれるドリアンはその独特な臭気のためホテル内や航空機への持ち込みが禁止されていたり、食べて旨いのに好む人と嫌いな人が極端に分かれる果物として知られている。一方果物の女王と称されるマンゴスチンを嫌う人は、ほとんどいないと思われる。ドリアンはラグビーボールを小型にした形状をしているが、マンゴスチンは富有柿より小型で果皮は紫色をしている。果皮を剥ぐと6裂した真っ白な甘い香りの果肉が表れ、通常は一個の種が入っている。ただミカンコミバエ種群といわれるミバエが結実時に産卵し、熟したマンゴスチンを割ると多数の蛆が出てくることがある。場合によっては購入した果実の半分以上に、ウジ虫を見ることもある。魚類に寄生するアニサキスと異なり人には病的被害をもたらすものではないが、極めて不快でありウジ虫の這い出す果実を食す勇気はない。2003年から日本では、ミバエの検疫を通れば生のマンゴスチンを輸入が可能となった。ミバエは世界で1999年現在約570属4,300種あまりが、日本では2000年現在69属178種が確認されている。平成二十七年農林水産省令第八十号により、ミカンコミバエ種群の緊急防除に関する省令が出され、防除区域内に存在するかんきつ類・アセロラ他35種の果実・あかたねのき属植物の他16属植物・あかてつ科植物の生果実又は成熟したバナナの生果実及びその容器包装について、植物防疫官の検査の結果ミカンコミバエ種群が付着していないと認める旨を示す表示を付したものでなければ、防除区域以外の地域へ移動させてはならないとされ、ミカンコミバエ種群が付着し、又は付着しているおそれがあるものについて廃棄しなければならないとされた。この35種の中には、ヤマモモも指定されている。ヤマモモ(山桃)は山に生え、桃のような果実をつけることを語源とする由来説がある。しかし桃は赤子の肌を「モモのような…」と譬えるのに、ヤマモモの肌は近くで見るとマジックテープの表面のような無数の微小突起で覆われていてしかも見た目よりは堅くモモの果皮とは似ても似つかない。別名に山桜桃・火実などがあるが、その色合いから「火実」が実態を良く表わしていて最も相応しいようにも思える。和漢朗詠集にある、「山桃復野桃 日曝紅錦之幅 門柳復岸柳 風宛麹塵之糸」の山桃・野桃は、ヤマモモの事ではないように思える。ヤマモモの花は、雌花も雄花も全く目立たないからである。沖縄で街路樹や公園にふくぎが多く植えられているように、関東地方ではヤマモモが植えられていることが多い。銀杏が落ちると独特な臭気を発するので街路樹に雌木を植えることを避けるが、ヤマモモも自然落下した実が踏み潰されると極めて汚らしくなるので多くは雄木が植栽される。雌雄異株だが花粉は極めて遠くまで飛散するので、庭に雌木だけ植えても確実に結実する。5月頃まで葉の色と同じで全く目立たなかったのが、6月下旬になりピンクにやがて深紅になった果実が次第に黒赤色になって熟す。中国大陸や日本が原産で、太平洋側の関東日本海側の福井県より、南西部から沖縄までの低地や山地に自生している。マメ科植物が根粒菌と共生して空気中の窒素を固定して自分の養分とし,同時に土壌の地力改善(とくに土壌の窒素成分の蓄積)に大きな貢献をしていることいることは翌知られている。マメ科以外でも、百数十種の根粒植物が知られている。これらの植物の多くはマメ科植物の根粒菌とは異種の、恐らくは放線菌と共生していることが明らかになっている。ヤマモモに寄生する放線菌の働きで、痩せ地で育つことから森林の重要樹種とされている。放置・放任でも樹勢がまとまって常緑樹であることから、街路樹や公園樹などに利用される。見た目は可愛くて色も綺麗だが大きな種があること、果実の外見からは想像できないマツヤニの香りが強いことから生食する人はそれほど多くない。ヤマモモの樹皮は生薬の楊梅皮で、タンニンに富むので止瀉薬や消炎薬として膏薬に配合されることもある。10年も前に、瑞光という園芸品種を庭に植えた。常緑のため目隠しになり芽吹いたばかりの赤味を帯びた薄黄色の葉は綺麗なのだが、伸びるのが早い。しかも剪定すると、翌年は実を着けない。したがって、狭い庭で果実を採るのは大変である。一年間剪定しないでボサボサに伸ばした枝先に、6月20日を過ぎていつの間にか赤い実が目立つようになった。完熟までおくと簡単に落下してしまうし、ミバエの蛆が這い出てくる。赤い色素の抽出率は良くないが未だ深紅のうちに収穫して、ジャムを作った。マジックテープのような表皮に案外ゴミや埃がついているので流水で良く洗った後、ひたひたの水で5分間煮沸する。冷めたらステンレスの笊で裏ごしして種を分けて煮汁に戻し、重量の半量の砂糖を加えて煮詰めればイチゴジャムより赤い色をしたジャムの出来上がりである。ジャムにすると、生食の時に感じるマツヤニ臭が気にならない。我が家ではプレーンヨーグルトに乗せて、色を楽しみながら食べている。
2017年06月27日

ニュージーランドでは環境を守るため、持ち込みが厳しく禁止もしくは制限されている物品がある。主に食品・植物・動物製品、アウトドアレジャー・スポーツ用品などだが、ことに植物では種子や加工されたもの・土のついたものは持ちこみ厳禁である。ニュージーランドの花として良く知られ旅行パンフレットにも載るルピナスは、アメリカから移入された外来植物で河川などに進出・席巻して駆除対象とされている。12月頃訪れるとヨーロッパからの外来種エニシダの、真っ黄色の花に染まった低山を見ることができる。わが国にも多くの外来種が持ちこまれ、我が国在来の植物が駆逐されるなどの被害が発生している。外来生物による環境被害を防止するために、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年6月2日法律第78号)」が制定されている。この法律では生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼしたり及ぼすおそれのある外来生物(侵略的外来種)の中から、規制・防除の対象とするものを、「特定外来生物」として指定している。外来生物法の特定外来種には選定されていないが適否について検討中・または調査不足から未選定とされている生物種は要注意外来生物とされてきたが、その後「生態系被害防止外来種」に変更された。逆に日本の在来種で海外に渡って定着したもので生態系や第一次産業に大きな影響を及ぼしている植物としては、アケビ(北アメリカ)・イタドリ(ヨーロッパ、北アメリカ)・クズ(北アメリカ)・ススキ(南北アメリカ)などが有名である。日本生態学会(一般社団法人)が定めた「侵略的外来種ワースト100」は、外来種の中でも特に生態系や人間活動への影響が大きいと看做される生物のリストである。日本の侵略的外来種ワースト100のうち維管束植物(水や養分の運搬と植物体の機械的な支持を司る器官を持つ植物)では、アカギ・アレチウリ・イタチハギ・イチビ・オオアレチノギク・オオアワダチソウ・オオオナモミ・オオカナダモ・オオキンケイギク・オオフサモ・オオブタクサ・オニウシノケグサ・外来種タンポポ種群・カモガヤ・キショウブ・コカナダモ・シナダレスズメガヤ・セイタカアワダチソウ・タチアワユキセンダングサ・ネバリノギク・ハリエンジュ・ハルザキヤマガラシ・ハルジオン・ヒメジョオン・ボタンウキクサ・ホテイアオイの26種が指定されている。 アレチウリは北アメリカから大豆に混入して入ってきて、今では日本列島の全域に勢力を広げている。(特定外来生物・物防疫法指定生物・緊急対策外来種でもあるオオアワダチソウは明治中期に園芸花卉としてアメリカから輸入されたものが、逸出して野生化した。我が国全体に定着し、北海道ではセイタカアワダチソウより優勢な地域もある。緊急対策外来種とされるオオキンケイギクは1880年代に園芸花卉として北アメリカから輸入されたものが、日本全土に定着した。品種改良が進められ、ガーデニングやワイルドフラワー緑化に用いられ積極的な植栽が進められた結果、河川敷や線路際などを占有し在来種を駆逐する勢いになっている。再生力が強く刈り取りに耐え、種子は数年生存するために根絶が難しい。夏から秋の長期にわたり花粉を撒き散らして花粉症の原因となるオオブタクサは、アレチウリと同じ経路で北アメリカから伝来したと推定され1952年に清水港で確認された。4mを超えることもあり、河川敷や荒地ではススキ・ヨモギなどの固有種を駆逐しながら増殖している。1897年に観賞花卉として北アメリカから輸入されたといわれるセイタカアワダチソウは1970年代に大繁殖し、代表的な有害帰化植物とされた。厭地の原因ともされる植物駆逐ホルモンの一種アレロパシーによって、1980年代以後は衰退傾向にある。6月に入ると、河川や土手を黄色に染める花が出現する。山梨県韮崎市内を流れる釜無川(富士川の上流域)には、ハリエンジュが伐採された広大な河川敷を埋め尽くしたオオキンケイギクの大群落が目につく。観賞用花卉として輸入され品種改良が行われたというだけあって、径7cmを超える濃い黄色の花自体は十分鑑賞に耐える。そのため栽培する人もあって車を運転していると、観賞用に家々の庭や土手に植栽されているのを良く目にする。18年も前カナダバンクーバーのブッチャードガーデンから、「Seed of the wild grass flower」を何袋か買ってきて山荘の庭に蒔いた。その中に、オオキンケイギクの種子が入っていた。オオキンケイギクは、アレロパシーを出さないのだろうか。その草勢は、一向に衰えることが無い。草高は1m以上で30本を超えるほどの株立ちになり、次第に桔梗やホトトギス・ネジバナなどを駆逐する勢いに堪らず蕾の出る前に抜き捨てた。今年は芽を出さなかったので、3年がかりで漸く絶やすことができたようである。隣の農家の土手に群落があるので、気をつけないと飛散した種子が再び我が家の庭に芽を出すことになるのだろうか。
2017年06月16日

エゴノキ(野茉莉)は、日本全国の雑木林に自生する。無数にぶら下がる白く可憐な花には芳香がありシンボルツリーとして植えられるが、中でも薄ピンクの花を咲かせる園芸種の「ピンクチャイム」の人気は高い。エゴノキの「エゴ」は、エグ味が語源だとするのが一般的である。石鹸の入手が困難であったころ、果実はその代用にされたともいわれ果実には多くのエゴサポニンが含有されている。サポニンは喉や舌を刺激して、アク抜きをしないでタケノコを齧ったときに感じるような強いエグ味を持つ。チシャノキ・チサ(萵苣)ノキの別名を持つ。高さ10mほどの木に、成長する。新緑の5月頃横枝から出た小枝の先端一杯に、房状に白い花を下向きに多数つける。鈴のような花には独特の美しさがあり、「森のシャンデリア」と称される。花弁は、大きく開裂せず半開きに咲く。花後に2cmほどの長さの楕円形の実を着け、中には大きな種子が1個ある。熟すと、果皮は破れて種子が露出する。未熟な果実果皮ともに同じようにサポニンが含まれるが、晩秋を過ぎると急激に減少する。エゴサポニンは胃や喉の粘膜に炎症を起こし、溶血作用もある。果実に穴を開けて、エゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラカミキリ)が産卵する。幼虫は、種子の仁を食べて成長する。落下種子内で休眠中の成熟幼虫は「チシャ虫」と呼ばれ、川釣りの釣り餌とされる。ただエゴヒゲナガゾウムシの発生は偏在しており、地域によっては全く寄生が見られない場所も多い。よく新梢に見られるエゴノネコアシと呼ばれる菊花状のものは、エゴノネコアシアブラムシが二次寄生してできた虫こぶである。イネ科のアシボソに寄主していたアブラムシが、春にエゴノキに移動して寄生したことにより新芽が変形したものである 原種は白花だが、「ピンクチャイム」という紅花を咲かせる園芸品種に人気がある。 南信州伊那谷では、チシャの名前で呼ばれている。標準和名のエゴノキの名前を知ったのは、東京へ出てきてからである。「チシャ」の別名は花が全く異なるムラサキ科の穂状花序の、「チシャノキ」と混同して呼ばれたものではないかといわれる。 エゴノキの実は、カケス・カラス・キジ・キジバト・コジュケイ・シメ・ヒヨドリ・ヤマガラ・ヤマドリが餌にすることが観察されている。特に ヤマガラはこの種子を好み、一度地中に埋めてから掘り出して食べる。多くの種子が実った年は、秋から冬にかけてヤマガラがエゴノキに集まる。 寒暑に強く半日陰でも育てることができる、極めて丈夫な樹である。 ピンクチャイムと呼ばれる紅花エゴノキは0.8m程度の苗木が、2,200円(税込)程で入手可能である。チャイム(chime)は、カリヨンと呼ばれる教会などの組み鐘のことである。ピンクのエゴの花が下向きに咲く様子を、カリオンに擬えて付けた名前であろう。家の近くに、UR都市機構の高層住宅がある。その広い敷地内に30数本のエゴノキが植えられていて、毎年5月中旬過ぎには枝先に真っ白な芳香のある花を咲かせ見事である。その中に一本だけピンクチャイムがあり、花後には白花と同じように沢山の果実をつけ初冬には果皮が破れて落下する。5年前10粒ほどの果実を拾ってきて、素焼き鉢に採り蒔きした。翌春、播種した種子のほとんどが発芽した。一年そのまま育て、翌年の春山荘の庭へ3本だけ移植した。3mを超えるほどに成長した枝先に、今年初めてかなり多くの蕾をつけた。ピンクのカリオンを想像して5年間楽しみに育てたのだが、開花した花は予想に反して普通のエゴノキの花で真っ白であった。ピンクチャイムは白花からの変異種で、花色は種子には伝わらないのだろうと思われる。比較的簡単に挿し木ができそうなので、さっそく昨年の新梢一枝を貰ってきて挿し木に挑戦してみたいと考えている。来年には成果を報告したいと思っている。
2017年06月11日

山梨県は田舎暮らしに人気のある県として、ランキングの上位に常に入っている。特に、北杜市の人気は高いといえそうである。山梨県北西部にあった白州町(はくしゅうまち)は、平成16年(2004)11月1日に北巨摩郡7町村が合併し北杜市となった。これにより北杜市は県内最大の面積となり、市内の高低差が約400mもある。以前は白根町・櫛形町・甲西町・敷島町・中道町・上野原町・河口湖町とともに、白州町も「まち」と読む自治体であった。合併により河口湖町は富士河口湖町に、白州町は北杜市白州町となった。白州町はそれまで地元の人でも「はくしゅうちょう」と呼び慣れてきた経緯もあって、現在も「はくしゅぅちょぅ」と呼ぶ人が多い。花崗岩の山肌が削られ運ばれてできた、「白砂の扇状地」が町の名前の由来とされている。北杜市の面積は602.4㎢(うち森林占有率76.2%)・世帯数1,700戸・人口は3,800人であるが、旧白州町では旧来の住民より移住者や別荘族の方が多数を占めるともいわれている。西に南アルプス甲斐駒ケ岳・アサヨ峰・地蔵・薬師・観音の鳳凰三山が聳え、北には八ヶ岳連峰を望むことができる。登山好きな人の他に、山の景観や良質な水・澄んだ空気を好んで都会からの移住者や別荘暮らしをする人が多い。内陸性の気候のため、年間・昼夜の寒暖差が大きい。夏には30℃を超えるが、冬は-10℃以下になることもある。日中30℃を超えても夜間25℃を上回ることは少ないので、エアコンが無くても暮らすことができる。唯一辟易するのが、強い季節風である。冬季は連日西~北の20mを超える強風が吹き荒れることが多く、八ヶ岳颪の名前で呼ばれる。17年前に人生最後の道楽で、この地に山荘を建てた。山荘は独立した標高887mの中山の隣に位置し、山頂には天文10年(1541)には使われていたとされる中山砦跡がある。4年ほどかかって、山荘の敷地のうち70坪ほどの原野を人力開墾して菜園を切り開いた。北杜市には自然が多いことの裏返しで畑の作物を荒らす、イノシシ・ニホンジカ・ニホンザル・ハクビシン・アライグマなどの野獣が多い。土地購入時には知らなかったのだがそのころにはすでに、中山からサル・イノシシ・シカ・ハクビシンが町のあちこちに出没して農作物を荒らすようになっていたのだ。イノシシは人への警戒心が強いと言われるが住宅地や耕作地に日中も出没し、水稲・イモ類・果樹・野菜の被害地が広域化している。 シカは4700頭が適正生息数とされているが、環境省の平成24年調査では約15倍の約69,917頭の生息が推計されている。餌を求めて山際や河川沿いを中心に、水稲や野菜の食害が発生している。調査結果によるとサルは北杜市内に、約11群(1群30頭~100頭)が生息している。この集団が集落や農地に出没し、農作物が大きな被害を受けるようになった。 保護管理計画の3以上は捕獲が必要とされるレベルとされるが、白州町はレベル4以上と判定されている。※レベル4とは出没場所 ○山間部で群全体が、農地にほとんど通年出没する。○人家に侵入する。人に対する反応○人を威嚇する行動を見せる。農作物等の被害状況○果実、野菜、稲などの農作物を食べる。○人の肩などに乗り、持物を奪う。○かみついたりひっかくなど人身被害をおこす。(特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル(ニホンザル編)2000年(財)自然環境研究センター)サルの被害を防ぐには姿を見るたびに追い払い集落や農地へ近づかせないことが重要だが、成果に時間がかかる。その上追い払い対策を日常的に持続することが難しく被害者以外の対策意識が低く地域内での連携が困難であり、効果が上がらない。 ハクビシンは家族集団をつくって、果菜や果樹を荒らす。特産のスモモやプルーンなどは完熟前に全て収奪され、トマトは収穫期になると食い荒らされほとんど収穫がゼロになってしまう。自衛策としてイノシシには電気柵が有効だが、サルにはほとんど効果がない。山荘周辺には田畑が多いが、耕作者の高齢化に加えてサルやその他の動物による食害により放棄される耕作地が増えている。山荘の隣にある知人の白州の爺やさんの300坪の農地も、動物被害により今年から耕作をやめた。山荘の裏の米作農家は田は貸して、畑での野菜作りを止めた。人の手が入らなくなって2年もすると草木が育ち始め、おそらく百年以上前の人が人力で苦労して切り開いたと思われる農地がやがて原野に戻ってしまう。何の収穫も得られない動物の餌作りのための畑を借りて見たところで、労力に見合うものは得られないので無意味である。今年も5月27日の夜中に山荘の菜園へイノシシが入り、畑の一角を掘り起こしヌタ場にし定植した長ネギと収穫間近なホウレンソウを踏みつぶして行った。さらに同じ日の午後別の場所でキウイの授粉作業をしている間にサルが出て、未だウズラの卵ほどの大きさにしかなっていないジャガイモを引き抜いて行った。同じ時間に隣家の菜園のジャガイモは、サルによって全滅した。イノシシはこんな小さなイモの時には掘り起こさないが、後1か月もして収穫前の6月末になるとやってきて畑を全滅させる。幸い電気柵が有効で、きちんと通電していればおそらくは大丈夫であろう。サルの防除については、打つ手がない。特にサルが好むニンジン・サツマイモ・トウモロコシ・エダマメ・秋ダイコン・ナガネギなどは、栽培しないことにしている。
2017年06月07日

肋はあばらで、肋骨や肋肉を略して単に「あばら」と言ったりする。骨の場合、「ろっこつ」とも読む。英語でも同じようにリブ(rib)は肋骨の事だが骨を表わす他に、「肋骨付きの肉」の意味もある。牛肉で「リブ」が表わす意味は、背側の肩ロースとサーロインの間(第7胸椎から第10胸椎のあたり)の部分を指していう。厚みがあって柔らかく霜降り状になりやすい部位で、すき焼き・ローストビーフ・ステーキなどとして食べられる。ショートリブは牛リブの骨付きの細い部分のことで「リブロース」と「ともばら」の間の小肉片を意味し、カルビや骨付きカルビ等と呼ばれ焼き肉には好まれる部位である。豚の肉を削ぎ取った後の肉付きの肋骨は、スペアリブ(spareribs)と呼ばれる。魚のマグロの肉を骨から外したとき骨と骨の間に残る肉は中落ちと呼ばれ、赤身で筋が無く柔らかいので好む人が多い。牛や豚などのアバラ骨の周囲の肉は「ア」を略してバラ肉あるいは肋肉と言われが、皮・赤身と脂身が3層になっているので三枚肉とも呼ばれる。肋骨と肋骨の間にある部位が中落ちカルビといわれる部位で、脂が多くこってりしている。ただ良質でない肉は、脂の量が多く味はかなり落ちる。骨付きで切り出すと、下駄の形に似ているので「ゲタカルビ」とも呼ばれる。一頭から少量しか取れないので一般的には市販されていないが、柔らかくて美味いといって、好んで食べる人も多い。スペアリブのspare には、「余分な・予備の・乏しい・痩せた」などの意味がある。肉が少しだけ付いた肋骨だから、spare・ribsと呼ばれたのだという。ただ同じ肋肉であるのに何故牛ではショートリブとよび、豚ではスペアリブと区分して呼ぶのか良く分からない。スペアリブは沖縄で「ソーキ」といい、沖縄そばを注文すると「肋肉」の乗った「ソーキソバ」が出てくる。アメリカでは牛も豚も、一般的にバーベキューの食材とされる。スペアリブはフォークを何箇所か刺してから、「酒大さじ2・しょうゆ・大さじ2・砂糖・大さじ1・みりん大さじ1・ウスターソース・大さじ1・ケチャップ大さじ1・おろしにんにく1片・おろししょうが1片」でタレを作りビニール袋に材料と一緒に入れてよく揉み込んで一晩漬けたものを、あらかじめ200℃のオーブンで25〜30分焼く。某牛肉加工業者がアメリカから輸入したアンガス種のブロック肉の中に、肋肉1.8kgが混入されていた。形態は30cmの長さで、20cm幅に切断された肋骨がビニールの袋に3枚入ったものである。食肉会社では利用方法が無く、混入していたものは全て廃棄するのだという。肋肉の袋詰めをもらい受け背面の脂や筋をそぎ落とした後、試しに袋に印刷記載されている調理方法で加工してみた。先ず骨付き肉を焼き肉のタレなど、好みのタレに3時間漬けこむ。ガスオープンパンに並べフォイールできっちり密封し、あらかじめ180℃に予熱したガスオープンで80℃2時間加熱する。可能な限り余分な脂を除いたにも関わらず、パンの中には吃驚するほどの脂が出ている。熱いうちに齧りついて、肉汁で口辺をギトギトさせながら豪快に食べる。ただし初めは1.8kgの重量があったものが、可食部はおそらく200gにも満たなかったのではと思う。肉牛として飼育されるスコットランド東部のアバディーンシャイア・アンガスの両州が原産地のアバディーン・アンガスは、通称アンガスと呼ばれ世界的に広く飼育されている。日本でも、アメリカから多くが輸入されている。日本とアメリカの食肉商取り引き習慣はかなり異なっているともいわれ、狂牛病対策で破棄されるべき内臓肉の混入がしばし発見されている。肋肉の混入があっても衛生上の問題はなさそうだが、食肉加工会社の経済的負担になるとしたらそのツケは最終的には消費者が払わされることになるのだろう。骨付き肉のローストはそれなりに美味しく食べられたが、時間と労力の割にはハラミの方が旨いし調理が簡単と感じた。
2017年06月05日
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