不思議の国のアリスとニセアリスＡＣＴ．１１４ ”裏” | ＢＬＵＥＯＤＹＳＳＥＹ

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2005.04.03

　戦い終わって……、

　落ち着きを取り戻したウサギさんにアリスは質問しました。

アリス　　「ウサギさん？これはいったいどういう事？ここはどこなの？」

　ウサギさんは答えたくないっていう顔をしましたが、アリスの質問には答えないワケにはいきませんでした。もともと、アリスには弱いウサギさんですし、アリス達は”命の恩人”なのです。今回で助けられたのは２回目になります。

　ウサギさんは話始めました。
ウサギ　　「……”５”を４回連続で出したからです。」
アリス　　「”５”を……」
ウサギ　　「ええ、”６”を連続で出すと、いろいろラッキーな事が起こる事は知っておられる通りです。しかし”５”を連続で出すと……逆に不幸な事が起こるのです」
アリス　　「何ですって？！」

アリス　　「じゃあ、ウサギさん、ここはどこなの？」
ウサギ　　「ここは”地下”です。ここに来る時、お城の跳ね上げ式の橋を見たでしょう。あれより下の位置にあるエリアは”地下”と呼ばれているのです。地下何階まで落とされたのかは知りませんが……、ここは”裏”のコースなのです。」

アリス　　「”裏”の？」
ウサギ　　「今に分かります。ここは何でも”裏目”に出てしまうコースなのです。」

　それだけ言うと、ウサギさんは深いため息をつきました。

　ウサギさんは閉じ込められて精神的に疲れたようですし、それ以上話をしませんでした。少し無口になっていました。
アリスはとにかく、先に進む事にしました。詳しい話を聞くよりも先に進んだ方がよさそうです。
そうしないと……、こんなところにいつまで突っ立ていても、良い事は一向に起こりそうにありません。

　それからアリス達は上の階目指して進みましたが、誰がサイコロを振っても”１”しか出ませんでした。

　振りました。

　”１”です。

　次も”１”です。

　”１”、”１”、”１”、”１”、”１”、”１”、…………。

　これではいつ上に上がれるか分かりません。

　周囲はさらに暗くなり、進む事がますます難しくなってきました。

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