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2005.05.04

不思議の国のアリスとニセアリス　ＡＣＴ．２０７　「待ったあーーーーーーー！」

テーマ：オリジナルイラスト・小説・漫画・夢日記etc……。(1269)

カテゴリ：不思議の国のアリスとニセアリス

　突如、一番奥の壁が開き始め、外の明るい光が漏れて来ました。それは太陽の光で、温かくてまぶしいぐらいに強い光りでした。
ミルキーが滑って行く先にはもう壁がありません。壁は外側に向かって倒れるように開いたのです。高度が高い為、外には澄んだ色の空が見えました。
ミルキーはまるで滑り台を滑るように、どんどん加速が付きながら滑って行きます。

　アリスはなおもサイコロを振りました。

”１”、”１”、”１”、”１”……。いい目は出ません。

　ミルキーはついに倒れた壁の縁の所まで滑りました。そしてその縁にあるホンの少しの凹凸部分につかまりました。

ミルキー　「ウエーーーーーーン！ウエーーーーーーン！怖いよぉーーー！」

　アリスは大声で叫びました。
「今、助けに行くから！絶対手を放しちゃ駄目！下も見ちゃ駄目よ！」

外はわりと強い風が吹いているのでしょう。ミルキーの髪の毛が風にもてあそばれて大きく揺れています。

ミルキー　「助けてぇーーーーー！パパぁん！みんなぁーー！」

　アリスは必死でサイコロを振るのですが……。

　ミルキーは上半身が滑って、アリス達からはその姿がもう見えなくなりました。手だけが壁の縁に見えています。
風が吹き、片手が離れました。ミルキーはもう一度縁をつかもうと片手を上げましたが……。
しかし、力尽きたようで、いきなりもう一方の手もツルリと滑ってミルキーは完全に視界から消えました。

アリス　　「きゃあーーーーーーーーーーー！！！！！！」

　風で飛ばされたのでしょうか？
アリスは狂ったようにサイコロを振り続け、やっと最後のマス目の所まで来ました。あと１回振れば、さっきまでミルキーがいた所に出られるでしょう。
その時、ニセアリスが「待ったーーーーーーーー！！」と大声で言いました。

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