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2005.05.05

不思議の国のアリスとニセアリス　ＡＣＴ．２０９　落とさずに済む方法。

テーマ：オリジナルイラスト・小説・漫画・夢日記etc……。(1276)

カテゴリ：不思議の国のアリスとニセアリス

　アリスは悲しそうにその場に立ち尽くしていました。
それから、ミルキーが消えた壁にもたれかかりました。髪の毛に隠れてアリスの表情はうかがい知れませんが、きっと泣いているんだろうと思います。

ニセアリス「戻ろうや！ここは危険だよ。９９階まで戻るんだ。
ここはどう考えても造りが他の階とは違う！正常な９９階に戻ろう！」

　でも……、アリスは壁から離れません。

　ウサギさんはアリスの所に行って、アリスの足にそっと手を差し伸べました。アリスが震えているのが分かります。やはり泣いているのでしょう。慰める事もできないので、しばらくそのままでいました。

　……５分ほど経ってから、ニセアリスがまた言いました。

ニセアリス「とにかく降りようや！次、何が来るか分からないから。」

ニセアリスがサイコロを振ろうとしましたが、ふと考え直しました。

ウサギ　　「ミルキーさんの二の舞になるかも知れません」

ニセアリス「…………」

　しばらく考えるニセアリス。その後、ウサギさんにサイコロを差し出しました。

　受け取るウサギさん。自分に「振れ」と言う事でしょうか？ウサギさんは大変なショックを受けました。
相手がいかに性格の悪そうなニセアリスでも「（気に入られているなら、それも悪くないかも……）」と思い始めていた矢先の事でした。
「（やっぱり、僕は”家畜扱い”なんだ）」

次にニセアリスはウサギさんのリュックサックを取りました。いえ、はがしました。

「（しょっ、”食料は一緒に落とされると困る”と言う事かな？）」

ウサギさんは悲しくなりました。

　ニセアリスはポケットの中からいつぞやのロープを取り出して、いつぞやのようにウサギさんの足に結びました。そしていつぞやのようにロープの端を自分の手でしっかりと持ちました。

ニセアリス「これでよし！」

でも、納得がいくような、いかないような表情になりました。

　とにかく、ウサギさんが万が一”５”を出したとしてもこれで落ちない事でしょう。

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