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2010.07.01
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「中国人民と日本人民はともに日本軍国主義の被害者である」として周恩来が戦争賠償請求権を放棄したことには、何かしら中国の深みに感じ入った大使である。

また、似たような中華思想を持つ米中であるが・・・・
儒教に基づく中国の中華思想とキリスト教福音主義に基づくアメリカン・グローバリズムとでは、似たような中華思想でも中国のほうが格が上だと、内田先生が言っていました。(私にはそう聞こえました)

「街場の中国論」から、その辺りを抜書きします。



 もともと中国を中心とした華夷秩序の末端にあった国が、ペリー来航からこっち、「欲望の対象」を太平洋の向こうの国にシフトした。ですから、明治期以降の必死の「脱亜入欧」路線は、「衰微した隣国をうっかり中華だと勘違いしていた自分の愚かさ」に対する苛立ちが含まれていたんじゃないでしょうか。江戸時代までの漢学のプレスティージが、明治期に入って一気に下落しますね。漱石は最初、二松学舎で漢学を学ぶけど、途中から英語に変える。このシフトは当時の日本人にとって「デファクト・スタンダード」が変わったことをわかりやすく表していると思います。そして、日本がアメリカにされたのと同じこと、砲艦外交による開国の強制と不平等条約の締結を朝鮮と清朝を相手に行う。この「変わり身」の速さは華夷秩序の周縁国ならではのものだと思います。

 米中のどちらを「中華」とみなすかで、そのつど華夷秩序が書き換えられて、どちらに「いい顔」をすべきかが決まる。何度も言いますけれど、僕はそれが「悪い」と言っているんじゃない。「そういうものだ」と申し上げているんです。ただ、「そういうこと」をしている自分の無意識的な行動について、もう少し自覚を持ってもいいんじゃないかと言っているだけです。
 僕自身はとくに親米でも親中国でもありません。ただ、1500年続いた中国を中心とする華夷秩序と、嘉永6年(1853年)のペリー来航から150年のアメリカ中心の華夷秩序を見比べると、中国が中華だった時代のほうが日本は平和だったし、周辺諸国へ迷惑をあまりかけていなかったような気がするという感想を持っているだけです。

 アメリカン・グローバリズムは日本人には合いません。「オレが中心で、オレがオリジナルで、オレ的にオレが好きだから、それでいいんだ」という自己正当化では日本人は立ちゆかない。グローバリズムのようなタフな思想でアメリカ人がやっていけるのは、キリスト教福音主義が「神」のサポートを担保しているからです。信仰の支えのないグローバリストなんて神経が持ちません。
 だから「儒教に還ろう」と僕はご提言申し上げているわけです。グローバリズムはもう止めて。かって日本が理想的な治世をしていた時代に還ろう、と。こういう政治的目標の立て方が実はいちばん説得力があるんです。「未来をこれから築こう」じゃ、どうも元気が出ない。「(ありえない)過去に還ろう」と言い募っていると、そのうち聴いているほうも「一度はそういうこともできたんだなあ」と勘違いして、うっかり理想が実現できたりする。そういうもんなんです。あまり賛成してくれる人はいないでしょうけど。


「儒教に還ろう」という先生の提言には、多少抵抗もあるのですが、先生のお言葉には言外に反米感情が匂うのが・・・・いいですね♪

ところで、昇竜のような景気の良さで鼻息の荒い中国であるが・・・・
利に敏く下品なところでは、アメリカといい勝負をしているようです。

<「街場の中国論」目次>
第1講 チャイナ・リスク----誰が十三億人を統治できるのか?

第3講 中華思想----ナショナリズムではない自民族中心主義
第4講 もしもアヘン戦争がなかったなら----日中の近代化比較
第5講 文化大革命----無責任な言説を思い出す
第6講 東西の文化交流----ファンタジーがもたらしたもの
第7講 中国の環境問題----このままなら破局?
第8講 台湾----重要な外交カードなのに......
第9講 中国の愛国教育----やっぱりよくわからない
第10講 留日学生に見る愛国ナショナリズム----人類館問題をめぐって






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Last updated  2010.07.08 06:32:36
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