椿荘日記

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その6


May 8, 2009
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カテゴリ: カテゴリ未分類
連休中は、後半の天候の崩れも然りながら、概ねお庭と家の整備に日々を費やしておりました。

「椿荘」の、この小さなお庭は、その総面積の狭小に係わらず、実に沢山の種類の植物で覆われております。ついこの間、このブログの「冠」である、最後の花が終わった多種に亘る椿は勿論の事、梔子、藤、小手毬、金木犀、銀木犀、ライラック、ジャスミン(今が盛りです)、時計草、薔薇、柘榴、芍薬、紫陽花など、花を付ける樹木以外でもまだ沢山ありまして、四季折々、マリの目を何時も楽しませてくれております。

常日頃からマリを梃子摺らせる我儘な「オカメヅタ」は、その奔放な性格故、悩ませられる事も多いのですが、それでもこの小さな庭の緑に恒常的な色合いを与えてくれまして、やはり欠かせない愛しい植物には違いありません(笑)。
その合間に、雑草として恐らく不当とも言いえる扱いを受けている野葡萄、ヘクソカヅラ(お花も実も愛らしいのに、匂いの故かネーミングが気の毒です)が、これまた乱暴としか思えぬ蔓延り方でマリを悩ませますけれど、剪定はしても根絶やしにすることは出来ないのでした。
枯れたかと思しき茶褐色の茎から、エメラルドやトルマリンを思わせる、瑞々しい翠色の新芽が目の前に現れた瞬間、昨年の後片付けの大変さを忘れ、その瞬間の美しさについ騙され(?)、その年も君臨を許してしまうのは、マリが騙され易い性格、と言うことでは決してないと思っております。
人の手を必要とし無い植物の逞しさと申しましょうか、本来生命が持つ真っ直ぐな美しさとしか言いようの無い色合いとその造形に、結局毎年圧倒されてしまうのです。

とは申しながらも、自然の恵みや造化の神の妙、その摂理を思いながらも、個人的な趣味や感情も含め、許し難い存在が、マリの王国であるこのお庭に存在するのでした。そう、それは所謂「虫」と言われる存在です。 
こうして、玄関の外に組まれた石組みの階段に腰掛けて煙を吐いておりますと、決まって視界に入って参りますのは、退治したはずのミモザに今だ居座るカイガラムシの白い群集、そして愛して止まない、以前は母屋の義母が丹精していた八重の梔子に、雨の間だけ申し訳なさそうに現れる、蝸牛のぽつんと小さな姿、そして、以前は目にしなかった、オカメヅタにちょこんと圧し掛かり、遠慮なくその葉を貪る、未知の白と黒の斑の「虫」の姿でした。

本来なら外来種であるオカメヅタを食い漁る「者」など無く、暢気なマリは安心致しておりましたが、どうやら昨今はそのセオリーをあっさりと食い破り、平然と、マリの「王国」に挨拶も無く侵入する輩が増えたのだと認識するに至りまして、掟為るものを発動するに吝かではないという判断に行き当たったのでした。


マリは好んで、幾ら苦手とは言え、「虫」と呼ばれる存在を問題なくして敢えて殺すようなことは否定致します。けれども、マリの王国であるこの「椿荘」というカテゴリーに侵入し、無断で国民である植物や、以前から住まう存在を脅かす行為には断固抗議と抵抗を示し、我が王国の住人の安寧を損なわない様、守らねばならない義務、大仰に申しますと「ノブレス・オブリージュ」がありますので、女王として(!?)決然と振舞わなくてはなりません。

殺虫剤の噴射に拠り、ぽとりぽとりと固体の落ちる音を聞きますと、怖気が走りますけれど、微かに覚える気の毒な気持ちを易々と失ってしまうのは、不公平と言っても良い、その姿の故かもしれません。本来なら気味の悪い蜘蛛さえ、「我が友」と言って退ける様になりましたのには、本来の性質を知ってからも、やはりかなりの時間が掛かりましたし、ましてや王国に被害を齎すと来ましては、容赦する理由など感じずに済みますので。
同様に、梔子を黙々と食む蝸牛や、カイガラ虫同様ミモザを這い回る、紋黄蝶の幼虫も本来でしたら駆逐の対象と成るはずですけれど、やはりその姿と性質の故でしょうね。
蝸牛は、雨が止み、お日様が顔を出しますと、塀の片隅で殻の入り口を膜でぴたりと蓋をして、じっと静かにお行儀良くしておりますし、小さな芋虫達は時が経ちますと、ミモザの花色にも似た美しい姿で、花が無くなり緑だけになった淋しい枝を彩ってくれる、王国の美女達とも申せましょう。

今日も申し分の無いお天気です。さあ、マリの王国「椿荘」のお庭に「視察(笑)」に参りましょうか。










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Last updated  May 11, 2009 10:25:01 AM
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