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怪談のテープ起こし[本/雑誌] / 三津田信三/著集英社 四六上製☆☆☆☆☆ 一人で読んではいけないと分かっていて、読んでしまう怖さ。そうそう、作中に間を置かず刊行される「黒面の狐」の言及(宣伝?)があるのも面白かった。こちらも楽しみだ。連作短編集だが、幕間と称して、三津田という作家と編集者とのやりとりが挟まれるが、こちらが怖さにより臨場感と現実味を加える。しかも私も雨の日に読んでしまったし。それに「しかばねとねるな」では、回想する少年が四人向かい合わせの列車に乗るのは初めて、という記述。敢えて触れられていないだけだと思うのだが、推測される内容と考え合わせると、とても怖い。他も読んでいるとじわじわ怖さが増してくる。でも止められず一日で読み終わってしまった。そして、天気予報は暑くなると言っていたのに、妙に部屋に冷たい風を感じるのだった。
August 30, 2016
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送料無料/西川麻子は地理が好き。/青柳碧人青柳碧人文春文庫☆☆☆☆☆ この表紙で、オカタイ印象のある文春文庫。ちょっと驚き。私も地理が大好きなので、読んでみた。さくっと読めるライトな内容だが、各地のマニアックな名産品だの、長い駅名だの、特殊な湖だの出てきてとても面白い。ただ、地誌・地図の内容が主で、地形への言及はなかった。ストーリーを考えると仕方がないのだが。でも地理好きには地形好きもいるのだ。私のように。また、長い駅名のところで、マイナーな第三セクターの鉄道として、南阿蘇鉄道に触れられていた。今、悲しいことにこの鉄道の名前、前よりは知っている人が多いはず。今年の九州の地震のとき、何度も報道で連呼されていたから。またナトロン湖って出てくるが、これ、ナトリウムに関係があるんじゃないだろうか? また、鳩時計を抱えた、名推理の警部とか面白そうなキャラも出てくるので、続巻が出ないだろうか。
August 30, 2016
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エウレカの確率(経済学捜査員伏見真守) [ 石川智健 ]石川智健講談社文庫☆☆☆☆☆ 経済学を用いて犯罪捜査という設定が面白そうで読んでみた。でも、正直行動経済学の論理はよく分からず。分かるとも思っていなかったが。だが、プロファイリングを補完する位置づけで作中では設定されている。ストーリーはこれでもかというほど二転三転する。登場人物ではあまり意表をつかれなかったが、展開では、ちょっと意表をつかれた。あとは少々ヒロインの性格が鬱陶しい。しかし他の登場人物はそれなりにクセもあって面白かった。次作もあるようなので、気が向いたら読んでみたい。
August 27, 2016
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【中古】 おかたづけ天女 / 犬丸 りん / 角川書店 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】犬丸りん角川文庫☆☆☆☆☆ おじゃる丸原作者のショートショート集。結構毒の利いた文体なので、ストーリーもそんな感じかと思ったら、結末は毒がない訳ではないけれど、深く考えず、この程度の毒ならいいかという感じで、ほのぼのしている。おじゃる丸自体を知らないが、結構コドモにはどうかという内容だったのは聞いた記憶があるので、こんな内容なんだろうな、そちらも。薄い本なので、あっという間に読めてしまった。ちょっと変わった風味の童話集という感じ。絵をもっと多くして、絵本風にしてもよさそう。 ここまで書いておいて、今更気づいたが、約5年半前に一度読んでいた。確かに、タイトルには覚えがあったのだが、図書館で借りようかどうしようか迷って借りなかった本だと思っていたのだ。でも何一つとしてストーリーを覚えていなかったので、結果二度楽しめることになってしまった。。。
August 24, 2016
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私のパスタはマンマの味 [ マガジンハウス ] マガジンハウス編 240mm x 183mm (B5H) 並製☆☆☆☆☆ 「パスタ」「マンマ」の二つの単語につられて図書館で借りた。ティルデ・ジョルジオさんという、南イタリアのカリスマ兼業主婦のパスタレシピ集。地元でデリカテッセンみたいな飲食店とお料理教室もやっているそう。で、マンマといっても労働階級ではなく、中産階級のマンマ。でないとカリスマ主婦にはならないけどね。大型本で全頁カラー、写真も豊富。料理の背景にある南イタリアの風物にも触れてあって、読んでいるだけでも楽しいし、レシピもかなり凝ったものからシンプルなものまで、どれも美味しそう。面白かったのは、日本ではバジルペーストのイメージがあるパスタ、ジェノベーゼ、南イタリアでジェノベーゼというと、玉ねぎを沢山使う料理のことだそう。多分ジェノバの近くが玉ねぎの産地であることからきたんじゃないかということ。この南イタリア風の「ジェノベーゼ」のパスタは牛肉と玉ねぎのパスタでかなり時間をかけて煮込む料理だけど、いつか作ってみたい。そして、カルボナーラも生クリームを入れるレシピではなかったが、北では卵に火を入れないけれど、暑い南では卵にもしっかり火を通すようだ。そしてパスタのソースだけでなく、手打ちのラザニアやニョッキの作り方も載っている。 ただ、この本で使用しているお高い輸入食材の紹介とその取り扱い店の紹介のスペースがちょっと目に付く。もともとは雑誌クロワッサンからの本だから仕方ないだろうけど。他の出版社の同じような本だと、もう少しこのあたりの記事が目に入った時の印象が奥ゆかしいのだ。とはいっても、取扱店も見学に行ってみたい。多分デパートに入っている店以外では買わないだろうけど。
August 24, 2016
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スパイは楽園に戯れる[本/雑誌] / 五條瑛/著五條瑛双葉社 四六上製☆☆☆☆☆ 鉱物シリーズ最新作。「パーフェクト・クォーツ」改題。前作からかなり時間が空いた。今回は「北」の指導者の隠し子らしい「ヨハン」という男を捜す葉山に、売出し中の政治家から「カン」という男を捜すよう依頼された、かつての同業者仲上の二人の人探しが交差する。このヨハンにしろカンにしろ、活躍の中心はもう20年も前。それでも当時の関係者をあたっていくうちに、葉山はヨハンにはたどり着けなかったが、カンの正体は判明し、その見果てぬ夢まで推測する。調査の途中で、伝説的な情報屋やスパイが登場し、彼らは実に格好良く描かれていた。また、一人実在の人物をモデルとしたと思しき人物も登場する。そして、稀代のドンファンが「女にも色々いる」と言いながら、葉山の上司野口について触れたときは、私も葉山と一緒に噴出してしまった。レギュラーの登場人物間のやりとりは前作や番外編に同じだが、一人怪しげな人物にちょっと言及されている。どうも続編がありそうなので、楽しみだ。
August 22, 2016
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死墓島の殺人 [ 大村友貴美 ]大村友貴美角川文庫☆☆☆☆☆ 岩手の曰く因縁のある歴史を秘めた離島で、猟奇的で謎めいた殺人が起こる。限界集落で、平成の御世になってもやはり排他的なところはある村内で、ちょっとはみ出し者気味の刑事が捜査にあたる。殺人のトリックだけでなく、高齢化・少子化・人口減少など現代の問題にも触れられ、おどろおどろしいだけの伝奇ミステリではない。横溝正史の後継者という謳い文句は結構説得力がある。ただ、ちょっと登場人物の印象が散漫かな。作中出てきたこの島の歴史、本編に関係ないところは出てこなかったが、もっと詳しい内容に触れて欲しかったかも。それでも、この平成の時代にここまで不気味で、でも割合わざとらしくならない伝奇ミステリができるのかと思った。この作品もシリーズ第二作目なので、前作と次作も読んでみたい。
August 22, 2016
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縄文の家殺人事件 [ 風野真知雄 ]風野真知雄大和書房 だいわ文庫☆☆☆☆☆ 時代劇の著書が多い作者だが、「縄文」と「歴史探偵」につられて読んでみた。かなり読みやすい文章だが、内容は二転三転して飽きない。また、北区の滝野川や王子、世田谷の東京に残る古い貝塚や古墳も出てくるし、三内丸山遺跡に箸墓まで出てくるので、風景の描写も楽しかった。北区の郷土歴史資料館は行ってみたい。特にちょうど出かけるときに読んでいたら、電車が北区の王子や赤羽のあたりを通ったりもした。 歴史の考証と謎解きも興味深かった。特に縄文人にとっての縄というものへの考察は、学者センセイには関係ないかもしれないが、その時代に生きた人にも興味が膨らむととても納得できる。ドラマ化されても面白そうな内容だ。私は古河庭園と三内丸山遺跡に行ってみたくなった。 また、この本を読んでいるときに偶然、北区のあたりも電車で通ったが、話のついでに主人公の月村が住んでいるエレベーターなしの八丁堀にある6階建てのビルのことになったりしたこともあった。
August 17, 2016
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マリアの骨 [ 鳴海章 ]鳴海章実業之日本社 ジョイ・ノベルス 新書判並製☆☆☆☆ 連続殺人事件の被害者の女性の火葬場に、そのたった一人残された娘のために勤務中行く、というちょっとセンチメンタルな導入部から始まる。風俗嬢が相次いで殺される事件の捜査にあたる、ベテラン刑事の辰見とその相棒の新米刑事、小沼。組織の言うとおりには動かない辰見と、文句を言いつつ、いつしかいっぱしの刑事になっていく小沼との対照が面白い。また、浅草のちょっと治安の悪そうな路地裏の描写がいい舞台装置になっている。また途中で、火葬場にいった女性と辰見がかつて関係があったことが出てくる。思わず、何年前の関係か見直してしまった。ハードボイルド風味の警察小説で結構楽しめた。 これでようやく読み終わった本にブログの感想が追いついた。7冊分一気に更新するのはさすがに時間がかかる。 また、しばらく更新をサボっていたら、管理画面が一新されていて驚いた。だから楽天ブログの常時ログインがログアウト状態になったようだ。また、新しい画面のほうが入力が速くて書き込みやすい。
August 11, 2016
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甘栗と戦車とシロノワール [ 太田忠司 ]太田忠司角川書店 四六並製☆☆☆☆☆ シロノワールのタイトルにつられて読み始めた。この本を読みながらシロノワールを食べたかったのだが、果たせず残念。かなり軽い本なので、一日で読めてしまうが、楽しめる。名古屋が舞台で、名古屋市内の地理が細かく出てくることと、名古屋飯のことがちょこっとでてくる。ころうどん、気になるなぁ。 ストーリーは中学校時代、凶暴で恐れられ、そのガタイから「戦車」とまで言われる同級生、徳永が主人公の甘栗晃に小学校のときの恩師を探してくれと依頼してくることから始まる。その先生の事情は同情に値するが、キャラクターはちょっと同性の共感は得られにくい。この主人公の甘栗君は探偵だった父親の急死でその仕事を引き継いだ高校生探偵。でも結構推理は的確。そして美術部の部長だ。文化祭間近な美術部の様子も高校生らしくていいのだが、ここでも同性の共感を得られにくそうな女子高生が登場する。この甘栗クンにしろ、彼の友人の直哉にしろ、今回の依頼人徳永にしろ、男子はいい感じなのだが。この主人公甘栗クンのさりげなく描写される容貌や、情報通の友人直哉、徳永や他の大人のキャラにしても、マンガがそのまま小説になったような感じもするが、楽しく読めた。前作で父親の急死から探偵仕事を引き継ぐ過程が語られているらしいので、気が向いたら読んでみよう。
August 9, 2016
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いろは歌に暗号(かくしごと) まんだら探偵空海 長編本格歴史推理鯨統一郎祥伝社文庫☆☆☆☆ 嵯峨天皇に依頼されて、空海が薬子の乱の謎を解き、それを673年後に東寺の住職から主人公の陰陽師が聞く、という凝った設定。藤原薬子の乱はぼんやりと日本史の時間で習っていて、結構悪女っぽい女性だな、という印象しかなかった。でも興味はあったので読んでみた。とはいっても、謎解きは結構トンデモ系で軽く読めてしまう。でもこの薬子の乱や空海、そして平城天皇とその皇太子高岳親王にも興味が出たので、関連する題材の本があったら読んでみたい。また、この本は第二作目で同じ主人公が一休宗純にまつわる謎を解くのが第一作目。こちらの本は前から知っていて興味もあったので読んでみたい。
August 8, 2016
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【中古】 撓田村事件 iの遠近法的倒錯 新潮ミステリー倶楽部/小川勝己(著者) 【中古】afb小川勝己新潮社 新潮ミステリー倶楽部 四六上製☆☆☆☆☆ タイトルからして閉鎖的な田舎を舞台にしたミステリだろうと思って読み始め、期待に違わなかった。岡山の山村を舞台にした小説。主人公は中学生。だが青春小説の青臭さはどこにもなく、戦前からのどろどろした大人の事情が明らかになっていく。全412ページ二段組の本文を一気読みしてしまった。岡山が舞台ということで、台詞には方言が出てくる。お隣の広島県でも岡山県が隣の福山にいて、岡山の方言に近い地域だった私にすると、ちょっとヘンなところがあるような気がするけれど。でも今様横溝を彷彿とさせてそれも効果的だった。
August 4, 2016
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【新品】【本】田舎の刑事の好敵手 滝田務雄/著滝田務雄東京創元社 ミステリフロンティア 四六並製☆☆☆☆☆ このシリーズ大好き。ゆるゆるすぎる田舎の警察署なのに、何故か難事件の検挙率が高すぎると、本部から首席監察官が監察にやってくる!当然警察署は大パニック。その様子も愉快。また、実は首席監察官が同級生の主人公黒川鈴木。この首席監察官にかっこつけようとミエを張って、カントリーライフを楽しむ粋な紳士を気取るのだが、この人、事件解決以外に取り柄はなく、かなりハズしたことをやっていて、こちらも笑える。電車の中で読めない程度に笑える。無論、ミステリなので、事件は起こる。こちらは、アマチュア弱小劇団内で起きる、建造物侵入事件と殺人。ここでは黒川の奥さん(名前は出てこない)が大活躍。こちらはかなりトリッキーな謎解きで、楽器演奏に関係ない物理が分からない私はリクツがよく分からなかった。また、この奥さんの台詞から、このタイトル、ダブルミーニングだと思われる。シリーズ三作目だが、続巻がないのだろうか。あったら是非読みたい。
August 4, 2016
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