領民の幸せのために、この命をささげよう
正人が城に帰って来ました。師景は祐吾が父直之進の仇討ちをすることを認めます。
師景にしてみれば、正人を亡き者にするには好都合でした。正人は剣の達人、祐吾を勝たせるために祐吾にも内緒で策略をめぐらします。二人の家臣に一つは、果し合いの前に正人と祐吾に水瓶の水を飲ませるようにいい、毒を入れた方が正人に飲ます水瓶と、もう一つは、白い紐が巻きつけられた剣が正人で水色の紐が巻きつけられた剣が祐吾、決して間違えるなといい、祐吾の剣の切先に、これで正人を刺せば必ず死ぬという猛毒をぬります。
師景は家臣達が集まっている広間で、祐吾に用意はよいかといいますと、祐吾は父の仇だいくぞ、といってきたが、正人は「お前とは闘いたくない」と拒んでいると、師景が「正人、叔父としてせめてものなさけじゃ、尋常に作法通りの立ち合いをさせてやる」というと、家臣が先程用意しておいた剣を正人の前に持っていき、 白い方を正人に差し出しました
。
「やむおえん」正人は 剣を取り抜きます
。祐吾も剣を抜いたところで心静めてまず両名喉を潤し、と水瓶から盃に注がれます。注いでいる家臣が師景の方を見る様子から 正人は何かを感じとったよう
です。そこへやって来た時子も、師景の様子を見ると、盃の水を飲もうとしていた正人に「正人、 その盃はこの母が受けましょう
」というと師景が正人のところに行こうとした時子の前に立ちふさがったのです。






正人とはこれが根性の別れになるかもしれない・・・という時子を「ならんというたらならんのじゃ」と激しい口調で止めるのです。それをじっと聞いていた正人は、 師景の方を見ながら
、 盃の水をこぼします
。師景は祐吾に「祐吾何をしておる、早くたてい」と声をあげると、 正人も盃を投げ
、祐吾との勝負になります。


皆が息を呑んで見ている中、二人の息づかいと剣のぶつかる音だけが響きます。二人に疲れが見えてきたとき、 祐吾が正人めがけ向けていった剣
は正人に はらい飛ばされ柱に刺さってしまいます
。




剣をなくした祐吾は負けたと同じでどうでもできるのですが、正人は ちらっとに笑みを
見せ、 自分が使っていた剣を祐吾に投げ与え
、自分は刺さっている剣をとります。
師景はまずいと思ったでしょう
。




再び剣を交えたが、 正人の剣に祐吾が手傷を
負います。すると、師景が無言で合図をすると次の間にいた鉄砲隊が正人を狙います。





時子「正人、危ない」
と叫び正人の方へ駆けだしたとき、鉄砲の 弾は身を低くした正人ではなく
、 時子に
当ってしまいます。師景は正人を斬れと命令します。祐吾は傷口からの毒がまわり正人の前で倒れていきました。母と祐吾に気を取られたすきに、槍で太ももに傷をおった正人は、母にいわれ、師景を追って行きます。




師景は城の外で待ち伏せています。 正人が姿を現したとき
、 矢は正人に向けられました
。「 師景卑怯な
」と叫び正人が倒れます。 微塵も動かない正人
。その正人をかたずけようとしたとき急を知らす法螺貝が鳴り、正人はそのまま放置されます。




宗恵を先頭に、松明をかざし城に向かってくる領民達の一揆の大軍がやって来ていました。そして、その騒ぎの中 命を亡くしたかと思った正人が息を吹き返し
、立ち上がり 天守閣へと
上って行きます。ゆく手を阻む家臣達を倒し、 残るは師景一人
になりました。





城は領民達により、火の海となり、天守閣も燃える中、 正人は師景との一騎打ち
の末、 一刀の下に倒しました
。王見城が焼け落ちて行きます。宗恵は正人を探します。








翌朝、焼け落ち燻ぶる王見城後に、生き残った領民達が集まって来た中に、宗恵に助けられ正人がやってきます。 領民達の歓声に迎えられていると
、 戸板に乗せられ運ばれてくる光景が
目に入ります 。



運ばれてきたのは、 雪野でした
。



正人は雪野に話しかけます。
正人「雪野、お前だけは殺したくなかった。お前だけは・・・ 許してくれよ
」
雪野に頬ずりし、正人は涙を溜めながら泣き声で雪野に話かけます。
正人「愚かな俺には、他にとる道はなかったのだ。・・雪野、俺はお前の純な魂を
ただ一つの心に、 領民の幸せのため
に、 この命をささげよう
。許せ・・・、
許してくれよ
・・・」

(完)
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