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94.ブラインドネス■原題:Blindness(Ensario Sobre a Cegueira)■製作年・国:2008年、カナダ・ブラジル・日本■上映時間:121分■鑑賞日:11月29日、シネパレス(渋谷)スタッフ・キャスト(役名)□監督:フェルナンド・メイレレス□脚本:ドン・マッケラー□原作:ジョゼ・サラマーゴ◆ジュリアン・ムーア(医師の妻)◆マーク・ラファロ(医師)◆アリス・ブラガ(サングラスの娘)◆伊勢谷友介(最初に失明した男)◆木村佳乃(最初に失明した男の妻)◆ドン・マッケラー(泥棒)◆モーリー・チェイキン(会計士)◆ミッチェル・ナイ(斜視の少年)◆ダニー・グローヴァー(黒い眼帯の老人)◆ガエル・ガルシア・ベルネル(バーテンダー/第三病棟の王)【この映画について】ひとりの男が、突然失明した。それは悪夢の始まりだった――。原因不明、治療法もない、そして爆発的な感染力を持つ「白い病」が世界各地で発生。混乱を恐れた政府は、かつて精神病院として使われていた収容所へ、失明患者の強制隔離に着手する。止められない伝染病の蔓延に、不安と恐怖に駆られ、醜い争いを始める人々。しかしその中に唯一“見える”人間が、盲目を装い紛れ込んでいた…。ノーベル賞作家、ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」を、『シティ・オブ・ゴッド』『ナイロビの蜂』のフェルナンド・メイレレスが映画化した心理パニック・サスペンス。(この項、cinemacafeより転載しました)【ストーリー&感想】ある都会の街角で、車を運転していた1人の日本人の視界が突然真っ白になり失明する。親切を装った泥棒は彼を自宅に送り届け、そのまま車を持ち去る。男は妻に付き添われ、病院で診察を受ける。医者は、眼球に異常はなく、失明の原因は分からないと告げる。そのとき、各地で失明者が続出していた。車泥棒や、同じ病院で治療を受けていたサングラスの娘、診察をしていた医者も失明する。“ブラインドネス(白の闇)”の感染力を恐れた政府は緊急隔離政策を発動し、かつて精神病院だった収容所に感染者を強制収容する。感染を免れた医者の妻は夫の身を案じ、収容所に紛れ込む。収容所は軍に監視され、増え続ける感染者のため、食糧や医療品の注文もままならなくなっていく。黒い眼帯の老人が持っていたラジオは、感染が世界中に広まり、街には失明者が溢れているというニュースを伝える。混乱した警備兵が、入所しようとする患者を射殺する。その直後、第三病棟の王を名乗る男が銃を振りかざし、全病棟の実権を握る。王と仲間たちは外部から支給される食料を独占し、他の入所者から金品や女を要求した。耐えかねた医者の妻は、自分の目が見えることを公表しようとするが、医者は制止する。しかし1人の女が王の仲間に殺されると、医者の妻はハサミを手に第三病棟に向かう。この映画、上映前から詳しいストーリーとか謎に包まれていたけど、観終わった印象もそんな感じです。日本人の男が最初に失明するところから始まるけど、この映画は日本も製作に関わっているので良いとして、そのきっかけが分からない。気が付いたら同じように失明した患者が急増したとのことで、あっと言う間に政府は患者を隔離することを決定。と、ここまでの流れは速いけど、施設には失明した人で溢れ始めるけど、唯一失明を逃れているジュリアン・ムーア演じる医師の妻は夫が施設に隔離されたので、失明したふりをして入所する。未知のウィルスが蔓延したことより、ここから先がむしろこの映画の本筋だったと思える。施設では様々な人種が隔離され、外の世界から切り離され情報も「黒い眼帯の老人」が所持するラジオが伝えるニュースだけ。この施設内で「キング(王)」を名乗る男が救援物資を独り占めし、食料をよこす代わりに女を抱かせろと言い出した。妻を訳のわからない男に抱かれるのを指をくわえて見るしかなかった男たちと、命の為ならやむを得ないとばかりにジュリアン・ムーア演じる医師の妻が率先して行った。こういう時、男より女の方が精神的に強い!結局、仲間が殺されたことに怒り爆発となったジュリアン・ムーアが王側をやっつけ、何とか地上に出たら、既に町は廃墟と化していた。それでも、恵みの雨が降ると、何故か目が見えるようになって終わる。終わり方が急な様に感じたが、どうやら宗教的な意味合いもあるそうだ。伊勢谷と木村の二人、日本も共同制作に加わっているので、そうした点もあっての配役かな?ジュリアン・ムーアは、相変わらず役になりきっていたけど、他の役者陣は?
2008.12.04
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58.アウェイ・フロム・ハー 君を想う■原題:Away From Her■製作年・国:2006年、カナダ■上映時間:110分■字幕:古田由紀子■鑑賞日:6月21日、銀座テアトルシネマ(京橋)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本:サラ・ポーリー□原作:アリス・マンロー□製作:ダニエル・アイロン、シモーン・アードル、ジェニファー・ワイス□製作総指揮:アトム・エゴヤン、ダグ・マーンコーフ□共同製作:ヴィクトリア・ハースト□撮影監督:リュック・モンペリエ□編集:デイヴィッド・ワーンズビー□美術:キャスリーン・クライミー□衣装デザイン:デブラ・ハンソン□音楽:ジョナサン・ゴールドスミス キャスト◆ジュリー・クリスティ(フィオーナ・アンダーソン)大学の先生だった夫と18歳の時に結婚し老後をひっそりと暮らす◆ゴードン・ピンセント(グラント・アンダーソン)自らの教え子だったフィオーナと結ばれ44年が経ったが...◆マイケル・マーフィ(オーブリー)介護施設でフィオーナと仲良くなりグラントを嫉妬させる◆オリンピア・デュカキス(マリアン)オーブリーの妻でグラントから相談を持ちかけられる◆ウェンディ・クルーソン(モンペリエ)介護施設の主任で親身になって相談に乗る◆クリステン・トムソン(クリスティ)介護施設の看護師【この映画について】『ドーン・オブ・ザ・デッド』『死ぬまでにしたい10のこと』のカナダが誇る若手実力派女優サラ・ポーリーは、この長編監督デビュー作で、やはりカナダの作家アリス・マンローの短編「クマが山を越えてきた」を自ら脚色し、その才能を遺憾無く発揮した。主演には『あなたになら言える秘密のこと』で共演し意気投合した名優ジュリー・クリスティを口説き落とし、ポーリー自身が脚色賞でアカデミー賞ノミネート、クリスティーはゴールデン・グローブ賞主演女優賞を筆頭に数々の演技賞をもたらした。サラ・ポーリーは自分が監督をするときは、絶対ジュリー・クリスティに出演してもらいたいと思っていたそうである。カナダ出身のポーリーらしくオンタリオ洲での美しいロケ映像や挿入歌にもカナダ出身の二-ル・ヤングが歌う曲を起用するなどカナダに拘って作っている。【ストーリー】フィオーナとグラントは結婚して44年。かつて大学教授時代には教え子との浮気でフィオーナを苦しめたグラントだったが、結局は妻のもとに帰り、今は仲睦まじくオンタリオ湖畔の家で暮らしていた。ところが、ある夕方クロスカントリー・スキーに出かけたフィオーナは自分がどこにいのか分からなくなる。何とかグラントが捜索の末発見したが、これがアルツハイマー型認知症の症状の現れ始めだった。遂に、自身の症状を認知した彼女は自ら介護施設への入所を決める。施設の主任モンペリエからグラントは入所直後の30日間は面会も電話連絡も禁止と告げられ驚きを隠せない。1ヵ月後面会に訪れたグラントはフィオーナの症状が急速に進行し自分を認識できず、車椅子の男性オーブリーと親密に過ごす姿を目の当たりにする。そしてグラントはある日オーブリーの妻マリアンを自宅に直接訪ねて、フィオーナとオーブリーの関係について相談する。そして、二人が下したそれぞれの決断と二人の関係は意外な方向に向ってしまう...。【鑑賞後の感想】この映画の主な登場人物はグラントとフィオーナの老夫婦が中心で、そこに介護施設で知り合ったオーブリーとその妻マリアンの二組の夫婦の苦悩の物語となっている。介護施設の主任と看護士は付け足しみたいな存在である。フィオーナは18歳の時に先生だったグラントと結婚したが彼の女癖の悪さには泣かされ続くが今は平穏な生活を送っている。そんなグラントがせめてもの罪滅ぼし?とばかりに妻を介護施設に訪ねていく姿と、そこで妻が夫へではなく身動きが殆ど取れないオーブリーを甲斐甲斐しく世話する姿をみて愕然とする。グラントは介護施設内で妻から見向きもされなくなり、自分が若い頃浮気を繰り返し妻を苦しめてきた代償を払っているのだと薄々感じたのではないだろうか?そして今度はオーブリーの妻マリアンを自宅まで押しかける形で訪れマリアンも動揺を隠せない。マリアンもまたオーブリーとの結婚生活でストレスを抱えていた。こうして今度はお互いの配偶者同士が施設で暮らす者とは別の世界が何時の間にか出来上がっていた。老齢期に入った二組の夫婦、そこのはお互いが相手に言えないストレスや不満を長年抱えていた。人生経験の豊かな「2組のカップル」として大人の関係が築かれていく。そうしたどこか張り詰ていた精神面でのバランスが一瞬崩れた瞬間をサラ・ポーリーは実によく描いている。サラ・ポーリーは女優としては存在感のある演技力が売り物で、女性の武器を前面に出す個性を有している訳ではない。その彼女が描く2組の老夫婦、映画の展開上派手な演出があることもなく娯楽性もあるとはお世辞にも言えないし物足りなさも感じました。個々の俳優の抑えた演技や映像の美しさは評価出来るが、興行的には苦戦を強いられるし鑑賞したファンの評価も割れるでしょう。それでもサラ・ポーリー監督への評価が下がることだけは無いと私は思いました。【自己採点】(100点満点)72点。今度は女優サラ・ポーリーも見てみたいです。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.06.25
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37.モンゴル■原題:Mongol■製作年・国:2007年、ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴル■上映時間:125分■鑑賞日:4月12日、渋谷TOEI1(渋谷)■公式HP:ここをクリックしてください □監督・脚本・製作:セルゲイ・ボドロフ□製作:セルゲイ・セリリアノフ、アントン・メルニク□製作助手:浅井隆□撮影監督:セルゲイ・トロフィモフ、ロジェ・ストファーズ□編集:ザック・ステーンバーグ□美術:ダシ・ナムダコフキャスト◆浅野忠信(テムジン、チンギス・ハーン)モンゴル帝国を統一した「ハーン」◆スン・ホンレイ(ジャムカ)テムジンの盟友で覇権を共に争う仲に◆クーラン・チュラン(ボルテ)テムジンの妻。一度は敵対部族に略奪されるが取り戻す【この映画について】制作費50億円を投じ全編モンゴル語で製作され、アカデミー賞外国語映画賞候補になった。主人公のチンギス・ハーンを演じるのは浅野忠信。過酷な長期ロケに耐え誇り高き戦士チンギス・ハーンを力強く熱演している。緑の草原、雪の湖、砂煙舞い上がる砂漠など息を呑むほど美しく荘厳な大自然。大平原を轟かす騎馬戦や死闘の臨場感。かつて世界を席巻した実在の人物の壮絶な半生が、今大スクリーンで再現される。【ストーリー】(一部ネタばれあり)モンゴルの一部族の頭領イェスゲイの息子として生まれたテムジン。イェスゲイがテムジンの母を敵対するメルキト部族から略奪したように、9歳になったテムジンも敵対するメルキト部族から花嫁を選ぶ為に父に連れられ旅に出た。だが、立ち寄った村でイェスゲイの旧知の仲間の家族の中の少女ボルテを選ぶ。ボルテはテムジンより1歳年上で、ボルテ自身の「売り込み」もあり「必ず戻ってくる」と言い残して去ってゆく。帰路、別の部族と遭遇した一行だったが、相手側の策略に引っかかり父は毒殺されてしまう。部族の頭領でもあった父を失い、家族は更に配下であったタルグタイの裏切りもあって一切の家財を奪われる。タルグタイの度重なる干渉から辛うじて逃れたテムジンは、ボルテを迎えに行く。ボルテはテムジンが迎えに来ることを信じて、家族が勧める他の男性との縁談も断っていた。晴れて夫婦となったが、運命はあまりにも残酷だった。テムジンの母がそうであったように、ボルテもメルキト族の夜襲を受けて拉致されテムジンまでもが戦闘で傷を負った。テムジンは僅かな配下と盟友ジャムカの助けを借りて、ボルテをメルキトから奪回するために攻め入った。激戦の末に、ボルテを取り戻したテムジンだったがボルテのお腹にはメルキト族の子が宿っていた。テムジンが家族と同じ部族を愛し、ジャムカの手下だった兵士達も何時の間にかテムジンへとなびいて行った。兄弟の契りを誓った二人だったが、祖国統一に二人の頭領はいらない。戦火を交えることになった二人だったが、タルグタイを従えたジャムカ軍が有利に戦闘を進め遂にテムジンはジャムカから「命乞いをせよ!」と迫られる。戦場で家族とも別れたテムジンは奴隷として異国の地タングートで鎖につながれ投獄された。そのタングートでテムジンの眼光鋭い姿に只ならぬ雰囲気を感じた者からの協力で、彼は牢屋から脱出し諦めかけていた家族との再会を奇跡的にも果たすことが出来た。そして「チンギス=ハーン」と称し、やがて大帝国を築くことになってゆくのだった。【鑑賞後の感想】チンギス=ハーンを主題として映画として真っ先に思いつくのが角川映画で反町隆が主役をはった作品だろう。反町が演じたチンギス=ハーンと、本作での浅野忠信とではやはり描き方の違いもあるだろうが後者に軍配を上げたい。ストーリー展開としてはどちらも大差はない。しかし大きな違いは角川映画の方は2時間そこそこの上映時間に対して、余りにも多くのストーリーを詰め込みすぎたことで人物像が浮き彫りにならなかった点は残念だ。本作はアカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたことから急遽上映が決まったようだ。主演の浅野忠信はモンゴル語でのセリフに乗馬シーンもこなすなど、難しい役どころだったが熱演していると言っていいだろう。チンギス=ハーンを日本語や英語で演じるのではなくモンゴル語を採用して点は評価したい。そしてやはりモンゴルの雄大なる大自然をバックにした映像を映画館の大スクリーンで観ると迫力がある。戦闘シーンもCGとかに頼ることなく全て俳優(またはスタントマン)の演技に頼っていることで、本来の勇壮さが前面に出ていてこれは良かったです。今回の作品だけで評論するのは難しいと思う。何といっても3部構成の1作目であり、これからストーリーとしてどのような展開に持っていくのか未知数である。角川映画でもそうだったが、テムジンが家族を愛していた点がここでも強調されていた。本作のラストでも家族との再会を果たす場面でエンディングを迎えるのは、次作でもそうした点が前面に出てくるのではと予想できる。2作目ではモンゴル帝国を統一するまでの過程を描き、3作目では統一を果たして亡くなるまでを描く。と私は勝手にストーリーを描いてしまいましたがどうでしょうか?【自己採点】(100点満点)73点。ロケ映像が素晴らしかった。←映画「モンゴル」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.04.17
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10.シルク■原題:Silk■製作年・国:2007年、日本・カナダ・イタリア■上映時間:109分■日本語字幕:松浦美奈■鑑賞日:1月21日、新宿グランドオデヲン座(歌舞伎町)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本:フランソワ・ジラール□脚本:マイケル・ゴールディング□製作:ニヴ・フィッチマン、ナディーヌ・ルケ、ドメニコ・プロカッチ、酒井園子□原作:アレッサンドロ・バリッコ□撮影:アラン・ドスティエ□編集:ピア・ディ・キアウラ□プロダクション・デザイン:フランソワ・セギュアン□アート・ディレクション(イタリア):エミータ・フリガート□アート・ディレクション(日本):小川富美夫□衣装(イタリア):カルロ・ポジオッリ□衣装(日本):黒澤和子□音楽:坂本龍一キャスト◆マイケル・ピット(エルヴェ)フランスの田舎町の製紙工場の絹糸を仕入れに幕末の日本へ向う◆キーラ・ナイトレイ(エレーヌ)エルヴェと恋に陥るがエルヴェは結婚早々日本へ行ってしまう◆アルフレッド・モリーナ(バルダビュー)田舎町にやってきて市長に掛け合い製糸工場を作り町を潤す◆役所公司(原十兵衛)幕末の日本で闇で蚕の取引をする実力者でエルヴェは彼を頼りに仕入れに来た◆芦名星(少女)謎の少女で無言でエルヴェを誘惑しエルヴェは彼女の虜になる◆中谷美紀(マダム・ブランシュ)マルセイユで娼館を経営する日本人◆国村準(右門)十兵衛の右腕◆本郷奏多(少年)十兵衛らと共に暮らす少年◆カラム・キース・レニー(貿易商)貿易商◆ケネス・ウェルシュ(ジョンクール)町長【この映画について】1996年に発表され世界26ヶ国で翻訳されたアレッサンドロ・バリッコ発表の大ベスト・セラー小説の映画化。日本・カナダ・イタリア3カ国の共同制作によりロケも日本の長野県にセットを組んで撮影した。日本側の出演者は役所公司で幕末の日本で、東北地方の山中で固い結束のもとで首領として村人達を守る役をこなしている。台詞は最初のパートは日本語だが、途中から何故か英語になる。主役はマイケル・ピットとキーラ・ナイトレイ。キーラ・ナイトレイは今更何の説明も不要な美人女優として「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを筆頭に多くのヒット映画に出演している。ここでは新婚ながら夫が未知の国、日本へ旅立ち寂しさを隠しきれない女性を好演している。音楽は「教授」こと坂本龍一が担当している。【ストーリー】(一部ネタばれあり)19世紀のフランス。戦地から故郷の山村に帰ってきたエルヴェはそこでエレーヌと出会い恋に落ちる。エルヴェの育った山村には何の産業もなく貧しかったが、そんな村に突然バルダビューという男が製糸工場を作り村は好景気に大いに沸いた。好調だった製糸工場も、その頃、流行っていた伝染病に蚕が感染し全滅に近い被害をこうむる。市長の息子でもあるエルヴェはバルダビューからの要請もあり、単身でアフリカまで乗り込み蚕の卵を入手する。無事に持ち帰ったエルヴェのおかげで、再び工場での操業も盛り返しエルヴェは手にして報酬でエレーヌと結婚した。欲の深いバルダビューは新婚早々のエルヴェに「世界で最も美しい絹糸を吐く蚕を求めて日本に行かないか」と持ちかけられる。幕末の頃の日本は開国したばかりで西洋からのルートは困難を極めたが何とか入国を果たす。ここからネタバレに注意!!幕末の日本に入国を果たしたエルヴェは闇取引の大物権力者・原十兵衛らが暮らす山村を訪れる。文化の違いに戸惑いながらも、謎の少女との出会いなどもあり日本での滞在は快適?だった。そして、念願の蚕を手に入れ故郷へと帰国したエルヴェ。バルダビューから得た大金で、エレーヌの為に庭園つきの土地を贈ったが彼には日本滞在中に知り合った「少女」の姿が頭から離れない。一方で妻エレーヌはエルヴェの子供を妊娠することを望んでいたがその兆候は何時までたっても現れず落胆の日々を送る。その後も彼は日本へと蚕の仕入れに出向くが、彼の頭には「少女」の物言わぬ姿が頭から離れない。2度目の渡航時の帰国前夜、「少女」から手紙を渡されそれを帰国後、マルセイユで娼館を経営するマダム・ブランシュに訳してもらう。「必ず戻ってきてください」と懇願するかのような内容の手紙が気になり3度目の渡航を果たす。ところが村は襲撃され跡形も無く、後に、一行に追いつくが少女とは逢えず、蚕も本来の品ではない別の卵を入手したが卵は帰路の途中で孵ってしまい収入の術を絶たれた。数年後、エルヴェとエレーヌ夫婦には相変わらず子供は出来ずにエレーヌはその事実を受入れられないでいた。そんな悲しみを乗り越えようと、好きな庭園作りに没頭するエレーヌだが、彼女の体は衰弱してきて遂には亡くなってしまう。エレーヌの死から数年後、エルヴェは妻が遺した庭園で「あの手紙」についての驚くべき真相を知ってしまった。そこには妻の彼への想いが記されていた。それを知った時のエルヴェの心は...。【鑑賞後の感想】幕末の頃の日本にフランスから一人の青年が蚕の買い付けに訪れて、そこで知り合った謎の少女の虜になる。それからも彼女のことが忘れられず、子供を宿すことを熱望する妻の気持ちに応えられない青年。ざっと振り返るとそんなストーリーのこの映画だが、細かい点を検証していくとやはり外国人の書いた小説だなと思った。日本・カナダ・イタリアと地域をまたいだ3カ国共同制作による映画であり、日本でのパートでは長野県にセットを組んで撮影し日本のスター俳優である役所公司まで起用する熱の入りよう。日本のパートで役所公司は最初の方では日本語のセリフなのだが、途中からは「実は英語が出来ます」みたいに急に英語のセリフになる。当時の日本で蚕の闇商人みたいな人が英語を話せるとは思えない。第一、仲介人が如何にして彼と接していたのかも怪しい。フランスのパートでは娼館を経営する日本人女性まで登場して、ウ~ン、その役は中谷美紀が演じていたがこういう設定はどうなんだろう?当時、日本人女性がフランス人と結婚し渡って娼館のオーナーにおさまるっていうのは?ありかな?キーラ・ナイトレイを起用しているのに、バリバリの主役級である彼女は青年の妻役ですが彼女の個性を活かしきれていないような役どころ。登場シーンも何だか場面の転換の合間でありもっと彼女の切ない気持ちが込められるシーンが多く欲しかった。監督が絶賛する「日本の美の象徴」(大袈裟な表現ですが監督がそう仰っているようで...)と持ち上げた無名新人・芦名星ですが、彼女の登場シーンでは一切セリフはなし。冒頭で露天風呂での入浴シーンにはハッとさせられますが、背中越しにも「貧乳」なのは分かってしまい「これが日本人女優(女性)の美」との印象を欧米の観客に持たれたかも知れません。もしそうなら個人的には少し残念な気もします。監督のタイプの女優さんなのでしょう。もっともキーラ・ナイトレイも、欧米では「貧乳女優」として名が通っていますが彼女はむしろそれを開き直って受入れているようです。キーラ・ナイトレイと芦名星の日英「美人女優」対決は、偶然にも似たような体型の二人なので「甲乙」が付けがたいと書いておきましょう。(この段落はあくまでも「管理人」の個人的な主観で書かせてもらいました!)ストーリーの中心が青年と日本の関係なのか、それとも妻との関係なのか?どちらも整理出来ていないような印象を持った。【自己採点】(100点満点)62点。柱になるストーリーを作れば点数はもっと上がったかもね。←映画「シルク」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.02.16
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105.チャプター27■原題:Chapter 27■製作年・国:2007年、カナダ■上映時間:85分■日本語字幕:石田泰子■鑑賞日:12月22日、シネクイント(渋谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本:J.P.シェファー□原案:ジャック・ジョーンズ□製作:ロバート・サレルノ、ナオミ・ディスプレス、アレクサンドラ・ミルチャン□製作総指揮:ジャレッド・レト、リック・チャド、ジルベール・アルール、ジョン・フロック、ゲイリー・ホーサム、リューイン・ウェブ□撮影:トム・リッチモンド□編集:ジム・マキェイ、アンドリュー・ヘイフッツ□音楽:アンソニー・マリネリ□衣装:アン・クラブトゥリー□プロダクション・デザイン:カリーナ・イワノフキャスト◆ジャレッド・レト(マーク・デイヴィッド・チャップマン)ジョン・レノン暗殺犯で現在も服役中◆リンジー・ローハン(ジュード)ジョンの大ファンでダコタ・ハウス前でチャップマンと意気投合する◆ジュダ・フリードランダー(ポール)ジョンを追いかけ写真を取り捲るパパラッチ【この映画について】ジョン・レノンを殺害した男として世界中のビートルズ・ファンの憎悪の的となっている、ハワイからやってきたマーク・デイヴィッド・チャップマンのニューヨークでの3日間を克明に描く。誰もが知らなかった、そして誰もが知りたかったジョン・レノン殺害前3日間の行動と心理を、綿密な取材のもと映像化した。狂気と正気の狭間を行きかうチャップマンを演じるのはジャレッド・レト。チャップマンの体型に似せるための役作りに体重を30kgも増やしたというから驚く。ちなみに実際のチャップマンは事件後、禁固20年~最高禁固刑を言い渡され、仮釈放を申請しているがヨーコ夫人側の強い要請により却下されて現在も刑務所に収監されている。【ストーリー】(ネタバレなし)1980年12月6日、ハワイからマーク・デイヴィッド・チャップマンはNYへと降り立った。「ライ麦畑でつかまえて」の主人公ホールデンと自身を重ねて見ていたチャップマンは、セントラル・パーク傍のYMCAに宿泊することを決めていた。チェックインしてチャップマンが真っ先に向ったのは、セントラル・パークに近いところにあるダコタ・ハウスだった。そこはジョン・レノンの住まいがあるところで、一目彼を見ようと常に多くのファンが建物の外に待ち構えている。待っている間、チャップマンはやはりファンだと言う女性のジュードと親しく話すようになる。彼女はチャップマンが発売されて間もないアルバム「ダブル・ファンタジー」を購入するように勧められ、ついでに会ったらサインをもらえばとアドバイスしてくれた。ジュードは友達と映画を観るからと言ってチャップマンと別れ、チャップマンはその後も寒風厳しい中でジョンを待つが結局現れなかった。1980年12月7日,ジョンと会えずガッカリして宿舎に戻ったチャップマン。隣室のゲイカップルの喘ぎ声で目を醒まし、耐え切れずチェクアウトしタクシーの運転手の勧めでシェラトン・センター・ホテルに改めてチェック・イン。そして再びダコタ・ハウスへと向った。この日のガードマンはチャップマンが以前来た時に話をしたスティーヴだったが、相手は彼に対する記憶は定かではなかった。スティーヴからジョンの情報を引き出せなかったチャップマンは、一旦ダコタ・ハウスを離れて本屋に向う。そこで購入したのは「ライ麦畑でつかまえて」とジョンの最新のインタビュー記事を掲載している雑誌だった。ホテルの部屋に戻ったチャップマン、彼の中で明日は「来るべき日」であり、もう二度と出来ないことをしようと決意する。そう思って彼は女を買い思いを遂げたのだったが、急にハワイにいる妻の声が聞きたくなり電話を掛ける。1980年12月8日,彼はホテルの部屋を出る際に、二度と戻らないことを決意して旅券、写真、ポストカードを並べて後にした。彼が目指したのは再びダコタ・ハウスだった。3日経ってもジョンに会えずにイライラが募りガードマンを問い詰めると、今日出かける所を見掛けたとの返答が。そして遂にチャップマンがよそ見している時にジョンがダコタ・ハウスに入っていくのを見逃してしまう。しかし、彼は以外にも冷静だった。何故?この頃、彼の心の中では激しい葛藤があった。ハワイから出てきて「計画を遂行」すべきかそれとも中止して帰ろうかと。そして1日ぶりに再会したジュードに「一緒に旅に出よう」と迫るが...。3日目の夜も更けて待ち構えるファンも減り、昼間に喧嘩してしまったカメラマンと話していると「待ち人」が現れた。ジュードに勧められて買ったアルバム「ダブル・ファンタジー」をそっと差出しサインをもらい感動する。この場面を撮影していたカメラマンに、その写真を現像して欲しいと頼み彼の背後から必死に懇願する。一人になったチャップマンにはある言葉がこだましていたのだった。そして、歴史は動いた。さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。1.チャップマンが「決行前」にホテルの部屋から妻へ電話で話した内容とは?2.「ライ麦畑でつかまえて」の主人公ホールデンに彼は何を見出したのか?3.チャップマンはカメラマンから写真を受け取るのか?4.チャップマンにこだましていた言葉とは?などを中心にご覧下さい。【鑑賞後の感想】ジョン・レノン殺害実行犯マーク・チャップマンはハワイ出身で、NYに来てから決行までの3日間の彼の行動を追ったドキュメンタリー・スタイルの映画である。ザ・ビートルズファンからすれば(私もそうですが)彼の名前は聞きたくも無い憎い相手である。彼の「3日間」の心の葛藤を主に描いているこの映画は、ファンがその奥底を知りたがっている「何故殺したのか?」の深層にはもう一つ踏み切れていなかった。彼にはジョン殺害への明確な動機がここでも理解出来なかった。余りにも神格化されてしまったザ・ビートルズのジョンは何故チャップマンに暗殺されなければならなかったのか?そこにもっと鋭く切り込んでもらいたいのだが、所詮チャップマンは未だに塀の中にいる限り現時点では限界なのだろう。この映画で描かれている3日間は、一ファンである私でも知っている事実ばかりである。彼がジョンを殺害する前にサインをもらって、その時を写したカメラマンが存在することとその写真も公開されている。だから、映画で紹介されていた中身には新鮮味は無かったのは残念でした。ただ一つだけ評価したいのはチャップマン役を演じたジャレッド・レトは成りきっていて演技力もしっかりしていました。最後に、1980年12月08日は未だに忘れられない一日です。【自己採点】(100点満点)68点。テーマを3日間に絞っていたが、全体像は見えなかった。人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.01.14
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71.キャンディ■原題:Candy■製作年・国:2005年、オーストラリア■上映時間:108分■鑑賞日:9月24日、シャンテシネ(日比谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本:ニール・アームフィールド□製作:マーガレット・フィンク、エミール・シャーマン□脚本:ルーク・デイヴィス□製作総指揮:アンドリュー・マッキー、リチャード・ペイトン、マイケル・ワイク、テレンス・ヤーソン□撮影:ギャリー・フィリップス□音楽:ポール・チャーリアー□美術:ロバート・カズンズ□編集:ダニー・クーパー□衣装:ジョディ・フリードキャスト◆ヒース・レジャー(ダン)詩人志望の青年だが麻薬常習者で恋人キャンディにも影響を与える◆アビー・コーニッシュ(キャンディ・ワイアット)画家の卵で自由な生き方を愛しダンと意気投合するが◆ジェフリー・ラッシュ(キャスパー)元麻薬中毒者で薬物の知識を生かし薬学の教授となりアビーとダンの良き理解者◆トニー・マーティン(キャンディの父)穏やかな性格で奔放な娘に強い態度に出れない◆ノニ・ハズルハースト(キャンディの母)道徳心が強くキャンディとダンの生活に強い不満を持つ【この映画について】“キャンディ”とは、ヒロインの名前であると同時に、ドラッグを意味する隠語でもある。主演は、『ブロークバック・マウンテン』でジェイク・ギレンホールと共に同性愛者の苦悩を演じ高い評価を得て、演技派としての地位を築いたヒース・レジャー。恋人役のキャンディを演じるのは「プロヴァンスの贈りもの」でアメリカから来た親戚を演じたオーストラリアの新星、アビー・コニッシュ。その二人の良き相談役で元ジャンキーには「パイレーツ・オブ・カリビアン」でのキャプテン・バルボッサ役が印象的なジェフリー・ラッシュ。いずれもオーストラリア出身でハリウッドでも活躍する一線級の俳優達だ。監督のニール・アームフィールドは、映画では、本作がメジャー・デビュー作となる。【ストーリー】(ネタばれなし)詩人志望の青年ダンは、輝くように美しいキャンディに出会って、ひと目で恋に落ちる。彼女は画家の卵で、ふたりは自由な生き方を愛していた。ダンはヘロインの常用者で、やがてはキャンディもその危険な世界へと足を踏み入れる。まるで<エデンの園>で生きる男と女のように二人だけの愛の世界にいる。気が向いた時に、絵や詩を創作し、肌を重ねることで愛を確かめ、ドラッグをふたりで分かち合う。キャンディが描いた絵には「極上の喜びに満ちた午後」というタイトルがつけられ、深い陶酔感に酔い知れていた。二人は恋に陥り結婚するが、結婚しても定職に付こうとしないダンには収入も無くドラッグを手に入れるために、彼らは身の回りのものを売りさばいていたが、遂には売る物もなくなり、キャンディは街で身体を売るようになる。そんな彼女をダンは黙って容認していた。そして金も無くなると彼らの良き理解者でもある元ジャンキーで、今ではその薬物の知識を生かして薬学の教授となったキャスパーの元へ麻薬と生活費を無心する。一方、キャンディの両親は二人の結婚には元々反対で生活態度に対し度々苦言を呈していたが、キャンディは母と性格が合わず実家にたまに帰ると口論に発展するばかりだった。そんな二人に対し父はきつい言葉をかけることも出来ない。幸福な生活をしていた二人だが、収入はキャンディが売春して稼ぐ収入だけでついに家賃の滞納が原因で追い出される。ダンは稼ぐために盗んだ財布の中のカードから詐欺を思いつき、首尾よく言葉巧みに7000ドルを手にした。しかし、彼が喜び勇んで帰宅するとキャンディの妊娠が発覚する。二人はキャンディの両親に報告するが、麻薬中毒の二人には死ぬような思いの禁断症状に耐える日々が続くのだったが...。そして、お腹の中の子供に異変が...。キャンディはダンに対し徐々にその態度を変えていき、画家志望だったころの自分に立ち返ろうと努力するがダンは一体...。さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。1.キャンディの妊娠中に何が起こったのか?2.二人は禁断症状に耐えて麻薬中毒から抜け出すことは出来たのか?3.キャンディの両親と二人の関係はこの先どうなるのか?4.キャンディが働こうとしないダンに対してついに取った強い態度とは?5.ダンはキャンディとの関係をどう表現する積りなのか?などを中心にご覧下さい。【鑑賞後の感想】芸術家志望の若者が麻薬に溺れていくという内容のストーリーが、アメリカではないオーストラリア映画で描かれるとは意外な気がした。アメリカ映画との違いはこの作品では、ひたすら二人の主人公が麻薬に溺れて日常生活もまともに送れない様子が繰り返し強調されていた。麻薬から抜け出す努力や家族の励ましといったテーマでは描かれていない。勿論、禁断症状に苦しむシーンや母が苦言を呈する場面はあるものの、二人の意思が弱くて抜け出せないで苦悩する姿に終始している。確かに芸術家志望だった二人が若さの勢いで交際し結婚するまでの展開はスピード感もあり、この二人の前途も開けると思ったのだがそこからの展開はひたすら重かった。結局この二人は収入手段が無いために、周囲に迷惑を掛けた上にその恩を仇で返すような行動ばかりを取って遂には見放されていく。これでもかこれでもかと麻薬に溺れていく様子を強調する点は、最後の方には観ていてもウンザリしてくるほど描いていた。果たしてそこまで描く必要があったのか?その分を二人が抜けだそうと努力する様子に描いてもらいたかったと私は思った。ラストはダンがキャンディに対しての愛情を表現を彼なりの解釈でしたのだろうが、遅きに失したような来もしたけど...。後味の悪さが残っただけで終わったような映画だった。オーストラリアって麻薬問題が深刻なのですかね?【自己採点】(100点満点)55点。何だかすっきりしない気分で映画館を後にした。←映画「キャンディ」の話題も探せる!←西武ライオンズのことならここ←プロ野球、メジャーリーグの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.10.13
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39.バベル■原題:Babel■製作年・国:2006年、メキシコ■上映時間:143分■鑑賞日:5月12日、渋東シネタワー(渋谷)■公式HP:ここをクリックして下さい□監督・製作・原案:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ□脚本:ギジェルモ・アリアガ□製作:ジョン・キリク、スティーヴ・ゴリン□音楽:グスターヴォ・サンタオラヤキャスト◆ブラッド・ピット(リチャード)不仲の妻をモロッコ旅行に誘ったのだったが...◆ケイト・ブランシェット(スーザン)夫のリチャードと旅行に来たが心の葛藤は深く...◆役所公司(ヤスジロー)聾唖の娘と都内の高層マンションで二人暮しだが妻は?◆菊地凛子(チエコ)聾唖学校に通う高校生で何かにイライラしている◆二階堂智(ケンジ)警視庁刑事でヤスジローの妻の死の捜査をきっかけにチエコが好意を寄せる◆アドリアナ・バラッザ(アメリア)リチャードとスーザンの子供たちの乳母として働く◆ガエル・ガルシア・ベルナル(サンチアゴ)アメリアの甥で彼女の息子の結婚式に運転手として迎えに来た【この映画について】メキシコの名匠、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が放つ世界を舞台にした衝撃のヒューマンドラマ。アメリカとモロッコを舞台にした場面ではブラピとケイト・ブランシェットが心のすれ違う夫婦役を演じる。メキシコとアメリカでは助演女優賞候補となったアドリアナ・バラッザと「恋愛睡眠のすすめ」が公開中のガエル・ガルシア・ベルナルのいかにもラテン的なノリの演技も注目だ。日本では役所公司と菊地凛子の関係が主だが菊地のセリフの無い演技は見事だ。モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、異なる事件が一本の真実に導かれていく。第79回アカデミー賞において助演女優賞にノミネートされた菊地凛子の存在感のある演技は評価するに値する。昨年の「ブロークバック・マウンテン」に続いて最優秀作曲賞を受賞したグスタボ・サンタオラヤのスコアも素晴らしい。【ストーリー】(ネタバレなし)【モロッコ】壊れかけた夫婦の絆を取り戻すためにモロッコを旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。二人は家庭での事情から二人の子供をサンディエゴの自宅に乳母とともに預けて旅に来ていた。しかし、リチャードが積極的に誘った旅行もスーザンは気乗りしないまま来ていた。一方モロッコの険しい山間の村で暮らすアブドゥラはライフルを購入し、自分が留守の間に家畜が狼に殺されないようにこれで見張れと2人の息子アフメッドとユセフに言い残す。観光客を乗せたバスが山道を走行中、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を撃ち抜く。その銃弾はユセフが試打ちで岩山の頂上から発射した弾丸だったのだが、その銃の持ち主は...。ツアーガイドの機転で医者のいる村までたどり着くが、応急処置がやっと。彼は英語がなかなか通じない村の住人たち、対応が遅いアメリカ政府に苛立ちを露わにするが…。【アメリカ、メキシコ】リチャードとスーザンの留守を預かるメキシコ人乳母のアメリアは、自分の息子の結婚式があり出席を楽しみにしている。しかし、リチャードからスーザンが撃たれたことを知らせる電話があり帰国が延期になるので結婚式出席は見送るように一方的に通告され困惑する。一計を案じたアメリアは甥のサンチアゴに迎えの車に預かっている二人の子供マイクとデビーをリチャードには内緒でメキシコへと向かった。ところが結婚式後にサンチアゴの運転する車で直ちにアメリカへ戻るのだが、披露宴で呑んでいたサンチアゴは国境で事件を起し自分だけ車で逃走しアメリアと二人の子供は砂漠に取り残されるのだが...。【日本】同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコは、満たされない日々にいら立ちを感じていた…。父のヤスジローは妻が亡くなった原因が自殺であると主張するが警察は死因に疑問を持ち再三に渡って事情聴取を受けていてイライラしている。そんな或る日、チエコとヤスジローが住む高層マンションに再び刑事が現れる。それはモロッコでのアメリカ人銃撃事件の銃の所持者がヤスジローだと言うことで捜査の手が日本まで伸びてきたのだった。チエコはマンションを訪れてきた若い刑事に関心をもち、処女の身を捧げようとするのだったが...。さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。1.アブドゥラは一体どういう経緯で銃を購入することになったのか?2.モロッコ警察の捜査が二人の息子の周辺にも及んできたが一体どう対処するのか?3.メキシコでの結婚式から帰国する途中での事故でアメリアは一体二人の子供を無事帰宅出来るのか?4.銃撃されたスーザンの容態は?アメリカ政府は救助に向かうのか?5.リチャードとスーザンが不仲になったきっかけとは?6.ヤスジローの銃が何故モロッコでの事件で使われたのか?7.チエコとヤスジローのお互いの心の葛藤とは?などを中心に是非映画館でご覧下さい、アカデミー賞を授賞した音楽も素晴らしいのでエンドロール中でも帰らないで最後まで鑑賞しましょう。【鑑賞後の感想】長い間公開が待たれて遂に公開され様々な意味で話題を提供した作品だ。まずはキャストの豪華さもあるが、日本が舞台の一部になっており菊地凛子が聾唖者の高校生という難しい役柄を見事に演じた事でアカデミー賞候補になったことが大きな話題を呼んだ。菊地はセリフが無く(聾唖者だからね)筆談や表情で訴える演技は難しかったと思うが、女子高校生役と言うのはチョッと年齢的に無理があるようだが外国人が見れば違和感ないのかな?性に関心があるチエコ役では同年代の男性を誘惑したり、真っ暗な自室で全裸になって若い刑事を誘惑するシーンもある。この全裸のシーンは作品の流れとしては、言葉を失っているチエコがその思いを裸になることでコミュニケーションを図ったのだが呆気なく却下されてしまい涙する。一発の銃弾が世界を駆け巡り、その捜査の過程で日本に波及し留守宅を預かっていたはずの乳母は子供達をその勝手な行動で危機に陥れてしまう。一寸したコミュニケーションの行き違いが、事件にならないはずなのに国家を巻き込んでの事件へと発展してしまう。この映画のテーマはそうした「コミュニケーションの難しさ」を訴えている。タイトルの「バベル」は聖書によると人間が神に近付こうとした罰として言語をバラバラにしたと言うことから、この映画のテーマに相応しいということからこの題になったのだと思う。そこには民族、性別、国家、男女、親子のコミュニケーションって何だろう?と投げかけているのがこの映画を観終わった後に感じたことだった。【自己採点】(100点満点)81点。採点が難しい映画だった。全体的に重い空気が漂う映像やストーリーだが、最後まで眠くなる事無く観終える事が出来た。映像と音楽の融合は見事でした。←是非クリックして下さい人気blogランキングへ←是非クリックして下さい
2007.05.25
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21.世界最速のインディアン■原題:The World's Fastest Indian■製作年・国:2005年、ニュージーランド・アメリカ■上映時間:127分■鑑賞日:3月11日 テアトル・タイムズスクエア(新宿)■公式HP:ここをクリックして下さい□監督・脚本・製作:ロジャー・ドナルドソン□製作:ゲーリー・ハナム、ジョン・J・ケリー□製作総指揮:稲葉正治、チャールズ・ハナム、深沢恵、井関惺、バリー・M・オズボーン□音楽:J・ピーター・ロビンソンキャスト◆アンソニー・ホプキンス(バート・マンロー)ニュージーランドのバイク野郎でレース出場が夢◆アーロン・マーフィー(トム)バートの隣家の少年で最大の理解者◆アニー・ホイットル(フラン)郵便局に勤める「彼女」◆クリス・ウィリアムズ(ティナ)ロスのモーテルのフロント係だがいつも女装している「男」◆ポール・ロドリゲス(フェルナンド)中古車販売店でティナに紹介され中古車をバートに格安で売る◆クリス・ローフォード(ジム)バイクレース出場者でバートの出場を後押しする。【この映画について】イギリス出身の名優アンソニー・ホプキンスが、ニュージーランドの実在のライダーを演じた、大器晩成型サクセス・ストーリーを描いたロード・ムーヴィー。映画のモデルとなったバート・マンローは、1967年に68歳で1000cc以下の部門で世界最速記録を達成した伝説のライダーである。型破りだが、温かく誇り高い人柄で行く先々の人々を魅了し、夢を切り開いていく老人の姿と少年のような心で揺さぶられる。監督は『13デイズ』のロジャー・ドナルドソン。【ストーリー(ネタバレなし)】ニュージーランド南部の小さな町、インバカーギル。小屋のような家に独り暮らしているバートは、早朝からバイクの1920年型インディアン・スカウトの爆音を轟かせる名物の老人だった。家族もなく、暮らしも貧しかったが、若い頃は優秀なエンジニアだった彼は、自ら改良したバイクで、数々の国内記録を残していた。隣家のトムの父から爆音の苦情は再三あるが、トムはバートを慕っているばかりか温かい人柄から町の人々に慕われてた。バートの夢は、米国ボンヌヴィルの大会で世界記録に挑戦すること。しかし年金暮らしのバートは役所の窓口係りのフランとの会話を楽しみにしており、そのフランにも米国行きの夢を語っていた。バートの手元には米国行きの費用はなく諦めていたときに、そんな彼の夢実現の為にフランは自宅を抵当に銀行で融資を受ける計画を持ちかけた。銀行のマネージャーを何とか説得し念願のボンヌヴィル行きが叶ったバートは、ロスへ向けてバイクと共に船に乗り込んだがここでも船内の料理を担当することで費用を浮かせた。ロスの郊外のロングビーチ港に到着し生涯始めて米国に上陸したバートは入国審査官に入国目的を疑われたりしたものの、何とかクリアしタクシーでモーテルへ辿り着いた。フロント係りの女装のティナに世話になったバートは、ティナの尽力でインディアン号を税関で引き取り、中古車ディーラーで牽引トレーラーを取り付けた上に格安料金で購入しボンヌヴィルへと向かう準備は整った。ボンヌビルへ向かう間にも、バートは幾つかの出会いを重ねてきたが持病の心臓発作に見舞われ危うくニトログリセリンで危機を脱したこともあった。そして遂にバートは一面真っ白(塩湖の跡という意味です)の平原に真っ先に到着し感慨に耽っていた。ところがバートは自由参加だと思っていた大会が、実は、事前登録制だと始めてしり愕然とする。そこに知り合ったばかりの出場者ジムが大会関係者と掛け合うのだが、さらに、新たな難題まで突きつけられた。果してバートの夢は叶うか...さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。1.ボンヌビルへ向かう途中でバートが未亡人エイダのベッドの中で見た不吉な夢とは?2.バートの出場を掛け合ったジムに対し大会関係者が突きつけた条件とは。3.バートは果してその新たな条件をクリアし出場出来るか?4.バートはトムとの約束である世界記録の更新が出来るのか?などを中心に是非映画館でご覧下さい。因みに、私が鑑賞した映画館では撮影に使用した「オンディアン号」が展示されていました。思っていたより小さくて驚きました。【鑑賞後の感想】地球の真下「Down Under」(豪州やニュージーランド人は自虐的にこう称する)から米国のバイク大会に出場し記録を作るという夢を追い続けた一人の老人。家族も持たずひたすらバイクに自分の夢をかけて少年のような気持ちを持ち続けて、地元民から愛され続けてきたキャラを名優アンソニー・ホプキンスは見事に演じていた。この映画は彼無しでは成立しなかっただろうし、彼以外は名のある俳優は出演していないので尚更彼の演技は目立った。米国に到着後も、地球の真下の田舎町からやってきた彼には米国は余りにも都会過ぎて戸惑うシーンなんかはホノボノとしていた。次々と彼に襲い掛かる難題も彼の人柄がそうさせないような演技が出来るのは、アンソニー・ホプキンス位だろう。【自己採点】(100点満点)85点。アンソニー・ホプキンスの演技力とロード・ムーヴィーとしての景色の変化も見事だ。←映画「世界最速のインディアン」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.03.16
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原題:Love's Brother(オーストラリア)公式HP上映時間:103分監督・脚本:ジャン・サルディ出演:ジョヴァンニ・リヴィシ(アンジェロ・ドニーニ)、アダム・ガルシア(ジーノ・ドニーニ)、アメリア・ワーナー(ロゼッタ)、シルヴィア・ドゥ・サンティス(コニー)、バリー・オットー(アルフレード神父)【この映画について】イタリアからオーストラリアに移住し、そこでのコミュニティで生活をするドニーニ兄弟。兄のアンジェロは内気だが、弟ジーノは活発で女の子にもてる正反対な兄弟だが仲は良い。故国から遠く離れた異国オーストラリアで生活を共にする仲間・兄弟たちの絆の強さ、故郷への郷愁、同化しようと懸命な人などがとても丁寧にそして力強く描かれている。この映画の主題はそうしたテーマと兄弟間の絆の強さを、ロゼッタという女性との交際を通じて見事に展開するストーリーにも注目してもらいたい。【ストーリー(ネタバレなし)】1950年代南イタリアの海辺の人口の少ない村に住むロゼッタは、結婚を前提とした遠く離れたオーストラリアから手紙を受け取った。手紙の主は「アンジェロ」と名乗り写真も同封されており、ロゼッタもすっかり気に入りお互い文通を始めるのだった。一方アンジェロはオーストラリアのメルボルン郊外のイタリア移民の街リトル・イタリーに弟のジーノと、一緒に移住してきた親戚の4人で地元でカフェを経営している。街には若者は少なくジーノは顔馴染みのコンチェッタ(通称コニー)と付きあっており、結婚話も出ている。活発なジーノに比べて口下手の兄は、結婚を仲介する地元の老婦人を通じて交際をするものの一度も上手く行かずに悩む日々。その老婦人が今度こそはと話しを持ち込むが兄は気乗り薄だったが、何とか手紙を「ロゼッタ」に送るが、そこで一計を案じ自分ではなく自分より見栄えの良い弟の写真を同封した。文通は順調に進みロゼッタは遂にイタリアで結婚の宣誓式を行ってから、オーストラリアに行くことを承知した。長い航海の末にドニーニ一家が待つ港へ不安な面持ちで到着したロゼッタだが、迎えに来ていた「アンジェロ」は彼女が手紙でみた写真の人物とは全く違う人物だった。ショックのロゼッタだが、とりあえずドニーニ一家が経営するカフェに到着し、その時、始めて事の真相をしりどん底のショックを受ける。気持の整理の付かないロゼッタ、何とかロゼッタの気持をほぐそうとする兄弟だったが...。さて、ここから先はポイントだけを書く。ロゼッタへの気持を正直に告げられないアンジェロはどういう行動に出るのか?写真の主であるジーノへ募る思いとは?ジーノと恋人コニーの関係は大丈夫か?兄弟の仲は果たしてこの先どうなる?予定されていた結婚式の扱いは?などを中心に今後発売されるであろうDVDで(単館公開なので今後映画館で観るのは困難?)ご覧下さい。【鑑賞後の感想】イタリアからオーストラリアへ渡った移民達が、遠く離れた異国でコミュニティを作り苦楽を共にするそうした内容の映画は少なくない。しかし、ここではそこに両国を結びつける恋愛を絡めることで、親子兄弟間の絆やコミュニティ内の結束の強さを描いている点に注目した。例え故郷とは遠く離れていても故郷を思う気持には変わりが無いのを証明している。映画内では内気な兄と活発な弟の違いをはっきりと描いていた。その違いも花嫁ロゼッタがやってきてからは、微妙に立場が違い始める。前半から中盤まではひたすらアンジェロのダメ振りが強調されるが、後半ではその兄が今までとは逆に弟に助言をする。一方的に愚兄賢弟を表現していてはメリハリに乏しさを感じるが、兄弟間の心境の変化を丁寧に描いていたので最後まで展開を楽しんでいられた。ラストは思いがけない行動?でハッピーエンドになる訳だが、果たしてその後の兄弟の人生もばら色になったのであろうか?最後にロケ映像を主体として映像美、音楽と映像の見事なコラボレーション、ロゼッタ役のイギリス出身のアメリア・ワーナー(元コリン・ファレル夫人であったが4ヶ月で離婚)の美しさもこの映画のポイントであった。【自己採点】(10点満点)8.8点。イタリア人にも内気で奥手な若者がいるとは知らなかった。でもその辺の意識のギャップを逆手に取った発想がある意味でこの映画の「楽しさ」に繋がっている。人気blogランキングへ満開の桜の写真はこちらでご覧下さい[今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1.Aselin Debison/Sweet Is The Melody2.Electric Light Orchestra/Zoom
2006.04.21
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原題:Saint Ralph(カナダ)公式HP上映時間:98分監督・脚本:マイケル・マッゴーワン出演:アダム・ブッチャー(ラルフ・ウォーカー)、キャンベル・スコット(ヒバート神父)、ジェニファー・ティリー(看護師アリス)、ゴードン・ピンセント(校長)、タマラ・ホープ(クレア・コリンズ)、ショーナ・マクドナルド(母エマ)、マイケル・カネブ(チェスター・ジョーンズ)【この映画について】この映画のベースになっているのは、キリスト教の「奇跡」でありラルフが「奇跡」を起こしてみせるという強い意志をマラソンにぶつけるといった内容だ。「リトル・ランナー」は邦題であって、原題が「Saint Ralph(聖人ラルフ)」であるのもストーリー展開的には分かるような気もする。その反面、邦題も内容を言い当てているので「聖人ラルフ」では日本人にはアピール出来ないと配給会社は考えたのだろう。14歳のラルフを演じるのはオーディションで選ばれたカナダ出身のアダム・ブッチャーで走るシーンも自らが演じてみせたそうだ。カナダ映画なので大物俳優は出演していないが、ヒバート神父役のキャンベル・スコットは戒律に厳しい校長にも堂々と意見を述べ、ラルフのコーチとしてもその能力を発揮するなど「進歩的な神父」を好演している。【ストーリー(ネタバレなし)】時は1953年9月、カナダのハミルトンにあるカトリックの私立学校に通うラルフは、父が戦死し母子家庭で育つが母は重い病気で入院中の身。学校が終わると病室に直行し母の前では素直な良い子を演じるが、校則破りの常習犯として校長先生から度々注意を受けている。そして遂に校長から退学への最後通牒を突きつけられたラルフだったが、親友のチェスターと一緒に行ったプールで女子更衣室を覗いているうちに「恥ずかしい事件」を起こしそれが新聞に掲載され学校中の笑いものにされてしまい落ち込むラルフ。校長にはバツとしてクロスカントリー部への強制入部を命じられたラルフだったが、学校の帰りに何時もの様に母を見舞いに行った。ラルフは母に話しかけるが、母の様子が急変し昏睡状態に陥る。看護師のアリスからは医師の診断として「奇跡が起きない限り、お母さんは目覚めない」と告げられますます落ち込み。だがこの時アリスが言った「奇跡」の一言がラルフを勇気付けた。早速ラルフは学校で「奇跡」を起こすにはどうすれば良いか真剣に先生に相談する。クロカン部の顧問でもあるヒバート神父は「君たちがボストン・マラソンで優勝したら奇跡だ」と、半ば冗談半分で言い放った。それでもラルフの「奇跡を起こしたい」一心が来年の4月のボストン・マラソンでの優勝を目指して早速厳しいトレーニングを開始する。ボブスレー選手時代のトレーニング方法を伝授するアリス、好意を寄せているクレアの助けを借りながら自己流のトレーニングをするラルフをバカにするクラスメート。試行錯誤で始めたトレーニングだが、徐々に成果が表れ始めるがそれは「奇跡」を信じる力が源になっているのだった。さてここから先はポイントだけを書く。14歳にしてボストン・マラソンでの優勝を目指すラルフだが、その前に地元の大会で勝てるのか?協力的なヒバート神父とは正反対の校長はこれをどう思ったのか?母の容態のその後は?そしてボストン・マラソンに出場したラルフだが「奇跡」は起こるのか?親友チェスターが学校の放送室に篭って取った意外な行動とは?アリスの祈りは通じるか?などを中心に映画館でご覧下さい。【鑑賞後の感想】映画のテーマは「奇跡」を起こすことであり、「奇跡」を起こすにはキリスト教の教えを守ること。これがこの映画を観て感じたことです。ラルフはただ一人の身内である病床の母の快気という「奇跡」を起こすのは自分しかいないと固く信じて一途に走る!走る!走る!14歳という大人への仲間入りを強く望みたい年頃のラルフに対し、大部分のクラスメートも校長も冷たかった。それでもそんな彼の「奇跡」を起こす為に走り続ける姿が、やがて否定的な態度を取っていたクラスメートのこころに響いてくる。ストーリーはフィクションだが、こうしたテーマからは「諦めないで行動」することが大事だと改めて感じさせられた。【自己採点(10点満点)】8.1点。母の回復を願って走り続けたラルフ少年の優しい心に拍手!←映画「リトル・ランナー」の話題も探せる!←西武ライオンズのことならここ←プロ野球、メジャーリーグの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク満開の桜の写真はこちらでご覧下さい[今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1.Monica/Miss Thang2.Toots Thielemans/My Cherie Amour
2006.04.12
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原題:Voces Inocentes(メキシコ)公式HP上映時間:112分監督:ルイス・マンドーキ出演:カルロス・パディージャ(チャバ)、レオノラ・バレラ(母)、ホセ・マリア・ヤスピク(べト叔父)、ダニエル・ヒメネス=カチョ(司祭)【この映画について】中米のエルサルバドル出身でロス在住の俳優オスカー・トーレスが自分の生い立ちを脚本にして映画化した。1980年代の中米エルサルバドルでは政府軍と反政府ゲリラが激しく対立し、その最前線で生活していたトーレスは11歳ながら父がいなくなった家庭を支えようとしていた。そんな様子を自らの体験を脚本化しメキシコ出身んのルイス・マンドーキ監督に売り込んで映画化が実現した。主人公のチャバを演じるカルロス・パディージャは3000人のオーディションから選ばれたメキシコの少年だ。この少年を通じて平和の大切さや、家族の結束などを感じてもらいたい。【ストーリー(ネタバレなし)】1980年エルサルバドルでは政府軍と反政府ゲリラFMLNが激しく対立していた。11歳の少年チャバは母、妹、弟と小さな町スカタンシンゴで暮らすが、この町は両者の対立の最前線でもあるので昼夜を問わず突如戦闘が始まることも日常茶飯事だ。貧しい一家は父があるひアメリカに出稼ぎに出かけて以来、母が内職で稼ぐ僅かな収入が頼りだ。そんな母はチャバを父の代わりに一家の面倒を見るように頼る。幼い妹や弟もそんな11歳の兄を頼もしげにみる。トタン屋根の下に生活する一家だが、最前線の町では常に戦闘が何時始まるか分からない。そんな或る日、母が外出中に突如銃撃戦が始まり、チャバは妹弟と共にベッドの下にもぐりこんで何時もの様に難を逃れた。銃撃戦は学校に居ても突如始まるので安閑としている時間はない。そんなチャバは12歳の誕生日が怖い。12歳になると政府軍が徴兵に学校や家庭にやってきて子供を連れ去ってしまうからだ。チャバの学校での楽しみは新任の先生の娘クリスティナ・マリアだ。チャバの家に或る日ゲリラ側の活動をする叔父のべトが訪れる。叔父さんはギターを抱えてやってきたが、そんな時にも急に戦闘が始まる。べト叔父さんはチャバにラジオと「ダンボールの家」という名の反政府ゲリラの象徴的な歌を披露するが、それを町中で歌うことは許されていないのでこっそりと歌いゲリラ側の放送を聴くのだった。益々戦火も戦闘も拡大する町にあって、危険な町を脱出するために対岸に祖母が暮らす家に移動する一家。そこでも政府軍が突然子供を徴兵に急遽やってくる。何とか逃れた村のこどもとチャバだったが、久し振りにかつての町に戻り恋人のクリスティナ・マリアの家を訪ねにいったが、そこでチャバが見たのは変わり果てた無残な家の姿だった。さて、ここからはポイントだけにします。チャバは無残な家で必死に恋人の痕跡を探すが、そこで見たものとは?チャバは如何にして政府軍の徴兵を逃れるのか?チャバの友人マルコスはゲリラへ志願するが、チャバとチェレ、フィトはそのマルコスの姿をさがしに行くが、そこには身の危険が迫っていたが果たして?チャバの行方が分からずパニックになる母だが、果たしてチャバの行方はどうなる?などを中心に映画館(上映館は少ないけど)か今後のDVDでご覧下さい。【鑑賞後の感想】エルサルバドルでの内戦と言われても日本人には今ひとつピンと来ないのが本音だ。だとしてもこの映画は実際に過酷な現実を経験し、生き延びアメリカに移住した俳優自らが語っている点に注目だ。食事中でも、学校にいても、教会にいても、町中を歩いていても何時戦闘に巻き込まれるか、或いは徴兵されたり女性は拉致の恐怖に恐れおののいて生きている。チャバと友人や恋人が、そんな最前線の町で大人の勝手な都合に巻き込まれて翻弄されながらも力強く生きてゆく姿には胸を打たれる。最後のシーンでチャバがゲリラに捕まりながらも、何とか逃れてきて必死に探す母と会うシーンは感動的だ。それにしてもここには父の姿は、冒頭にアメリカに向けて出て行ったシーンだけで存在感が全く無い。家庭内でも無責任な大人の行動に子供が一番振り回されているのが気の毒に思えた。【自己採点】(10点満点)8.3点チャバを中心に展開するのだが、ストーリー展開的にはもう少し広がりがあれば高得点を付けることが出来た。人気blogランキングへ[今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1.Laurence Juber/One Wing2.Mary J.Blige/Mary3.Abraham Laboriel/Dear Friends4.Abba/Super Trouper
2006.03.07
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人気blogランキングへ(映画コーナーでは現在186位に登場中です。これからもお願いします)原題:La Grande Seduction(カナダ)110分【この映画について】この作品は2003年のカナダでNO.1ヒットを記録したフランス語で制作された映画である。カナダ映画といえば昨年度の外国語映画賞(フランス語)を授賞した『みなさん、さようなら。』もいい映画だった。私は昨年観た『天国の青い蝶』も心に残るいい映画だったが、これは英語で制作されていた。今回のキャストもケベック州が舞台のために全編フランス語のセリフだ。【この映画について】ケベック州のサントマリ・ラモデルヌ島は人口120程の漁業しか産業がない、生活保護で何とか賄っている貧しい島だ。その島に突如としてプラスティック工場の誘致の話が舞い込んできたが、その条件は人口200人以上と定住した医師がいることだった。人口は足りないが新任町長のジェルマン(レイモン・ブシャール)は上手く誤魔化してこれをクリアーしたが、問題はこの島には医師が居ないことだった。工場誘致でなんとか生活保護に頼る状況を解消したい町長は、唯一の銀行の窓口で長年働くアンリ(ブノワ・ブリエール)、島から一歩も出た事のないイヴォン(ピエール・コラン)の三人が中心となって医師を捜すことになった。州の医師たちに片っ端から手紙を書くが返事はなく、偶然にもルイス(デイヴィッド・ブータン)という整形外科医が一ヶ月という期間限定で来ることになる。島民らはこの期間に島の生活を気に入ってもらい定住してもらえるようにあらゆる作戦を練ることになる。その中でも感心出来ないが、ルイス医師の滞在先の電話に盗聴器を仕掛けて嗜好や考えを全て先取りする。そうとは知らず島民の温かさを感じ始めるルイス医師。そんな間にも工場誘致の話は、今度は他の都市へと飛び火して焦りを感じ始める町長。今度は誘致に5万ドルが必要と分かり頭を悩ませる町長だが、そこで島で唯一の銀行員のアンリから融資を引き出すように画策するがその都度本部から却下されて焦る。一方で島民のルイス医師歓迎と受け入れ態勢は着々と進んでいく。融資の話が進まないでイライラを募らせる町長らは、今度は別の筋書きを用意して何とか工場誘致に漕ぎ着けるのに必死になる。しかしそれはルイス医師にとっては酷な話だった。さてここから先はネタバレ防止に書かないことにする。果たして彼らが取った作戦とは?島に工場は誘致出来るのか?過疎の島の将来はどうなる?不振の漁業は復活出来るか?この辺を中心に観てください。単館上映なので鑑賞出来る方は限られるだろうが、機会があれば観にいって下さい。【鑑賞後の感想】まさにスローライフを地で行くかのような設定の映画で、設定となっている島は実在しないそうだが映像からはとてもそう感じさせない。実際のロケ地はそれでもケベック州の陸の孤島みたいな漁港で敢行されたらしい。綺麗な田舎の漁港の映像も見所だった。そこには産業不振、人口減少、医療機関の問題、生活保護に頼る生活などがこの映画の背景として描かれている。工場誘致のために付く数々の憎めないウソも、人間の尊厳を保ちながら何とかして生きていこうとする姿に嫌らしさは感じない。むしろそこまでやるかな~、とほのぼのとする後味のすっきりとする作品だった。
2005.07.06
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人気blogランキングへ【この映画について】この映画は元々ミュンヘン映像映画大学で知り合ったモンゴルとイタリア出身の2人が、制作した作品である。その2人の卒業作品として制作したのが始まりであるが、各国の映画祭を通じて世界で紹介されているうちに評判が高まって来たようである。何とアカデミー賞にもノミネートされた。日本では残念ながら渋谷のル・シネマでの文字通り単館上映のようで、全国での拡大公開の予定は今のところ内容である。モンゴルを題材にした映画はあってもジンギス・カンやフビライ・ハンの話題であり、それ以外の題材は珍しいと思うので興味のある方は早めに観た方がいいかも。【ストーリー】この映画はドキュメンタリーのジャンルに入る映画なので、ストーリーと言っても主演男優や女優の魅力で惹き付ける映画ではない。映画の舞台はモンゴルの荒涼とした大地で繰り広げられる。モンゴルは周囲に一切海が無い内陸国でその自然環境は厳しいのひと言に尽きる。モンゴルは元の時代からの遊牧生活を送っている人たちが未だに多く、そうした遊牧民はゲルと呼ばれる円形のテントで家族単位の生活をし、一つの集落を結成している。基本的には自給自足の生活を営み、家畜の羊や山羊やラクダが彼らの貴重な財産である。村ではラクダの出産の時期を迎えて次々と新しい命が誕生していった。そんな中で最後に難産の末に生まれたラクダは白い肌を持つラクダだった。そんな子供を見てショックを受けたのか母ラクダは子育てを拒否してしまう。乳を子供が呑もうとすると足で子供を蹴って呑ませないし、子供が無邪気に近付こうとすると母ラクダは逃げてしまう有様だ。やむを得ず一家の母が乳を搾りそれを子ラクダに与える日々が続く。この状況を打破する為に、一家はモンゴルの伝統行事に乗っ取って母ラクダを改心?させる為に街に行って馬頭琴奏者を派遣してもらうことにする。その役目を担うのは一家の兄弟だった。兄弟は馬で街まで向かうが弟は始めてだ。途中、親戚の家で休憩するが、その時に始めてそこで衛星テレビを眼にした弟はカルチャーショックを受ける。砂漠の街に着いた兄弟は役場に行って祖父から預かった手紙を差し出し馬頭琴奏者を派遣してもらう。奏者は一日遅れでバイクで一家の元にやって来る。早速、事情を知った奏者はラクダの親子を連れてきて小高い地で一連の儀式を始める。これは馬頭琴奏者の弾く音色に合わせて、兄弟の母が歌うものだ。これらはモンゴルの遊牧民の伝統儀式で、これをすることでラクダの母親を改心させるのが目的だ。母ラクダはこの音色に反応して苦しみと悲しみとも言えるすすり声を盛んに発する。明らかにこの音色に母ラクダの気持ちに変化が表れて来たのだ。そして遂に母ラクダの眼から涙のような水分がボロボロと流れてきた。これがこの映画のタイトルにもなっている「ラクダの涙」である。この儀式を終えて親子ラクダは本来のあるべき姿に戻った。子ラクダは母の乳をおいしそうに呑むのだった。一家にも安堵の空気が流れる中で、幼い弟は一家に衛星テレビの購入をせがみ念願のテレビがやって来た。【鑑賞後の感想】今回のストーリーは何時もと違い最後まで書いたが、この映画は全国でも単館上映だし上映期間も多く残されていないので敢えて書いた。この映画ではモンゴルのゴビ砂漠の荒涼とした風景、砂嵐や雷雨が激しく吹き付ける厳しい天気、のどかな一家の様子、伝統的なパオ、モンゴルの民族衣装、伝統音楽といったモンゴルの歴史や現状を感じさせるものがそこかしこにスクリーンに映し出されている。それらとともに遊牧民のテントにも現代の文明の利器である衛星テレビやラジオやゲーム機やバイクが入り込んでいる。この対比も上手く映画の中で表現されていた。
2004.10.26
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人気blogランキングへ【この映画について】本作はカナダで実際に起きた奇跡を基にして作られた実話である。主人公の少年はこの映画の公開に合わせて7月末頃かな?来日して取材の合間に蝶を採ったり、学校に講演に行ったりしていた。実はではメキシコを舞台にしていたが映画ではメキシコ・ロケは危険が伴うことから、中米のコスタリカでロケが4ヶ月に渡って敢行された。【ストーリー(ネタバレなし】末期の脳腫瘍に冒されている10歳の少年であるピート余命3~6ヶ月と医師に告げられているが、蝶の好きなピートははカナダのモントリオールに出来たばかりの昆虫博物館に母と共に車椅子で向かった。彼はそこで有名な昆虫学者のオズボーンに会い、どうしても幻の青い蝶と呼ばれる「ブルーモルフォ」を採りに行きたいと申し出るが忙しいオズボーンは既にシーズンは終わりに近いと告げて無碍も無く断る。諦められないピートはオズボーンの留守番電話にその熱い思いを語り、それを聴いたオズボーンは急いでピートに会いに向かった。だがうろたえる母親はピートが部屋に居ないことに気付くが、間もなく警察官がピートと共にやってきて稚拙に偽造した旅券と航空券で空港に居た所を保護したと伝えた。ピートはどうしても青い蝶を採りに出たくて単独で行動をしたのだ。それを知った母とオズボーンは決心を固めて青い蝶の生息するジャングルの奥へと向かった。ピートは車椅子でどうして蝶を捕まえるのか?それにはオズボーンが背中に背負っていくことで解決したが、母は熱帯の動植物が苦手でいた。オズボーンは彼が良く知るジャングルに住む原住民たちの村を訪ねてそこをベースにすることを決めた。村人達はピートに青い蝶の神秘性を昔話を巧みに交えて話し始めた。村の少女はピートに「青い蝶はみんなの心の中に居る」と言い残して去るがその意味を幼いピートは理解できなかった。青い蝶が見れる時期は終わりに近づいてきて焦るピートやオズボーンたち。毎日周囲のジャングルを歩くが一向に青い蝶が姿を表す気配すらない。そんな状況に徐々にオズボーンも一行立ちも焦りが出てきてイライラを募らせる。徐々に同行する人数を減らし青い蝶に近づこうとする作戦を立てて、遂にピートとオズボーンの二人だけで青い蝶を探しに行くことを決心するが母親は悲しがった。そして遂に青い蝶のメスが飛んでいる姿を発見し必死でピートを背負って追いかけるが、滝の崖に迫った所で足は止まった。その後も必死にオスの青い蝶を追うが後一歩で網に掛からなかったが、その過程でピートとオズボーンは深い穴に落ちてしまいオズボーンは足を負傷し立てなくなる。ピートは自力で脱出して助けを呼ぶために村に戻ることを決心するが、下半身が不自由なピートはなかなか前に進めない。そして遂に力尽きて疲れから森の中で眠っている所を発見されるが、その眠りに就いている時にピートの身にある奇跡が起きていた。それは何だったのかは映画館で観てほしい。結局オズボーンはどうなったのか、そして青い蝶の行方は?これらは映画のハイライトだから敢えてここでは書かない。まだ映画館で公開しているから是非観てほしい。【鑑賞後の感想】この映画は実話に基づいて製作された素晴らしさがある。実際は映画用に多少脚色しているそうだが、子供が必死に自分の夢を追い求めて難病に立ち向かう姿に励まされる大人達の心の変化も見ものだ。夫を事故で亡くした母、昆虫採集に夢中になり家庭を省みなかったオズボーンもこのピートの必死に生きる姿を見て何かを感じた。この映画ではこうしたストーリーの展開もさることながら、冒頭のカナダでのシーン意外は大部分を中米のコスタリカで撮影された。そしてこのコスタリカでのジャングルの映像の素晴らしさはこの映画の大きな見所だ。画面を観ていると映像の切り替わりやセリフが途切れているシーンで、このジャングルに生息する貴重な動物や昆虫や植物を挿入していてその姿がとても美しい。背景の緑濃きジャングルもインパクトが強く、これを観ているだけで飽きが来なかった。ともすれば映画の中でストーリーの展開が止まる場面は退屈することもあるが、そうしたシーンはこの美しい映像が埋めてくれる。是非、この少年の身に起きた奇跡とその美しい映像を迫力のある大画面で堪能してもらいたい。【自己採点】(10点満点)8.2点実話に基づいて映画化された奇跡と言うのが凄い。さらに、映像の美しさも素晴らしい。←映画「天国の青い蝶」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2004.09.08
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