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「ゴッホ展」~こうして私はゴッホになった11月1日、有給休暇を利用して国立新美術館で開催されている「ゴッホ展」に行ってきました。これまでゴッホ関連の展示品はいくつか観てきましたが、今回の展示会は「ゴッホ自身」にスポットをあてているので、早速平日の朝から行きました。10時開場の所を、ほぼ10時には着いたのですが、既に10分待ちでした。平日なので行列にはおばさん達がずらりと並んでいました。展示場は以下の6つのテーマに分かれています。1.伝統-ファン・ゴッホに対する最初期の影響2.若き芸術家の誕生3.色彩理論と人体の研究-ニューネン4.パリのモダニズム5.真のモダン・アーティストの誕生-アルル6.さらなる探求と様式の展開-サン=レミとオーヴェール=シュル・オワーズゴッホの作品と言えばどうしてもアルルに移ってからの作品が有名な様で、個人的にもオランダ時代の若いころの作品は見覚えが無かったので、その辺が分かったので良かったです。彼が静物画を数多く描いていたことや、ミレーの影響も受けていた様子が理解出来る構成になっていて、私の様に絵画初心者には分かりやすかった。また、これも初耳でしたが、日本の浮世絵から学んだ平坦で強烈な色彩や大胆な構図、それまでに彼が吸収したあらゆる要素が、アルルで一気に開花したのですね。この第5章では、有名な「アルルの寝室」(1888年)をほぼ実物大でこの部屋を再現する試みは興味深かった。絵をこうして立体的にみると、この部屋が狭かったことが分かるのと、細部に渡って絵に忠実に再現している点は評価したい。従来の展示会でこのような企画は無かっただけに、このアイデアは素晴らしい。最後に、ゴッホは御存知のようにアルルに移り住みゴーギャン(ゴーガンとも表するようです)と共同生活をするのですが、価値観の違いなどで直ぐに破綻し、その後、精神的にも不安定になり終末を迎えます。そのゴッホが弟のテオに宛てた手紙が数多く展示されていました。こうすることで一人の偉大な画家の足跡と、彼に影響を与えた画家たちとの関係が垣間見えた、そんな展示会でした。因みにヘッドホンの解説(500円)はTBS安住紳一郎アナのナレーションで、音声ガイドシート式です。ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2010.11.09
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「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」(European Masterpieces From The Museum Of Fine Arts,Boston)が六本木の森アーツセンターギャラリー(森タワー52F)で開催されていたので有給休暇を取得して行ってきました。ボストン美術館が誇るヨーロッパ絵画コレクションから、16~20世紀の選りすぐりの80点を「肖像、宗教、日常生活、風景、静物」などと言ったテーマ別に展示されていた。「風景」ではクロード・モネの「積みわら」など彼の10作品や、独特な色遣いが流石だと思わせるゴッホの「オーヴェールの家々」などが目を引いた。「日常生活」ではルノワールやモネが家族をモデルにして描いた作品やジャン・ミレーの農民の働く姿を描いた作品が特徴的だった。他にもアルフレッド・シスレー、ベラスケス、レンブラント、マネ、セザンヌ、ロートレック、コロー、ドガなどの作品も展示されていて、日本人好みの芸術家たちの作品が多く、絵画に詳しくない自分でも十分に堪能出来た。ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2010.05.13
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ルノワール~伝統と革新国立新美術館で「ルノワール~伝統と革新」(Renoir:Tradition And Innovation)を観にいってきました。ルノワールの展示会といえば、一昨年の5月にBunkamuraでも開催されていたので、一部展示品が重なっていたものもあった。今回の展示会では、ルノワールの代名詞ともいうべき女性像や裸婦像のほか、風景画や静物画、装飾画にも取り組んだルノワールの豊で幅広い芸術の全容を、ボストン美術館やワシントン・ナショナル・ギャラリー、オルセー美術館などの海外の美術館からと国内からもポーラ美術館などから集めた約80点を通して紹介している。第1章:ルノワールへの旅(The Journey To Renoir)第2章:身体表現(Expressions Of The Body)第3章:花と装飾画(Flowers And Decorative Paintings)第4章:ファッションとロココの伝統(Fashion And The Rococo Tradition)印象派の巨匠として知られるルノワールの生涯を4章に分けて展示していた。第1章では印象派としてスタートしたルノワールが肖像画家へと移行する作品を中心に並べていた。中には彼がアルジェリア旅行の時に描いた作品もあり、パリのアトリエで描いていた作品との色使いの違い等が見て取れる。第2章ではイタリア旅行で影響を受けたラファエロの作品にヒントを得て描かれた作品に混じり、水辺に横たわる裸婦像など女性を中心にした作品群が続く。第3章ではギリシャ神話を基にした画や、静物画も多く展示されている。静物画では花や果物を描いた作品が目立つ。一見地味な静物画だが背景や花を美しく見せる色彩や花瓶の描き方などにも注目してみると興味深いかも。第4章ではモデルの女性が身につける当時の最新ファッションなどに注目したい。ルノワールは人物を描く際に、ワザワザその人物に相応しい装飾品を自らが買い与えていたと言うほど細部に拘っていたそうだ。ここでは帽子やドレスに注目したい。今日、入場したのは開館直後の10時頃だったので比較的空いていたほうだが、それでも中年以上の女性を中心に混んでいた。展示品の解説も細かく、初心者にも分かりやすかったし、TV映像でルノワールの作品について紹介するコーナーもよかった。今回の展示品は箱根のポーラ美術館からの貸し出しが中心になっていて、ポーラ美術館がルノワール作品のX線調査や赤外線調査で浮かび上がった製作過程の解説も興味深かった。因みにヘッドホンの解説(500円)は松坂慶子のナレーションでした。ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2010.02.12
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THEハプスブルクハプスブルク家は、13世紀から20世紀初頭にかけて600年以上の長きに渡りヨーロッパに君臨した名門王家として知られている。ハプスブルク王家出身の王達は美術品を熱心に収集し、多くの優れた芸術家達を庇護した。ハプスブルク家のコレクションは多岐に渡り、今回の展示会では絵画だけではなく工芸品や武具までもがコレクションとして展示されている。国立新美術館では「THEハプスブルク(Treasures Of The Habsburg Monarchy)」展と銘打って、数々の美術品を中心に展示されていた。展示会は12月14日までと期限が間近に迫っていたので4日(金)の午後に会社を早退して行って来た。【テーマ】1.ハプスブルク家の肖像画2.イタリア絵画3.ドイツ絵画4.特別出品(明治天皇がハプスブルク家に贈った絵画や蒔絵棚など)5.工芸と武具6.スペイン絵画7.フランドル・オランダ絵画この7つのテーマからも分かるように、ハプスブルク家の絵画コレクションの中心は「肖像画」です。絶大な権力と富を誇ったハプスブルク家は多くの宮廷画家たちに自らの肖像画を描かせていました。それらの肖像画は権力の象徴として利用される場合もあるが、その反面、一家の成長の記録でもあり、王女の場合は嫁ぎ先への贈り物としての性格もあったようだ。どの肖像画も一家の繁栄を物語るように女性は優雅に着飾り、男性は威厳に満ちたポーズを取っている。今回の展示会に出品された作品は一家のコレクションの一部としてのルーベンスやベラスケスの作品に加えてエル・グレコやラファエッロの作品も出品されています。ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2009.12.06
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海のエジプト展パシフィコ横浜で開催されている「海のエジプト展」(Egypt's Sunken Treasures)を8月28日に観にいって来た。私自身、エジプトに関する単独の展示会に行くのは初体験で、○○博物館展のような企画で古代エジプトに関する展示物は何度か見ているが単独のは今回だけです。この展示会では、アレクサンドリアの海底遺跡から発掘された展示物が中心となっていて、展示会のサブタイトルも「海底からよみがえる、古代アレクサンドリアの至宝」であることから判るだろう。幾つかのコーナーに分かれていて、マメに映像で発掘の様子や専門家の解説がある。当時のアレクサンドリアが栄華を誇っていた様子が良く分かった。---------------------------自己PR--------------------------------WBC東京ラウンド写真集はこちらでどうぞWBC準決勝戦写真集はこちらでどうぞWBC決勝戦写真集はこちらでどうぞブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2009.09.04
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ルーヴル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画昨日、有給休暇を利用して国立西洋美術館で開催中の「ルーヴル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画」(Les revolutions de Fage classique:La pain\ture europeenne du XVIIeme siecle dans les collections du Musee Du Louvre)を鑑賞してきました。この展示会は六本木の国立新美術館で開催されていたルーヴル美術館展~美の宮殿の子どもたちと併せてみることで、ルーヴル美術館の所蔵品の多様性を理解出来ると思います。今回の展示会は6月14日までと残り少なくなってきたこともあり、正午頃に上野に着いた時には既に長蛇の列が出来ていて「60分」待ちでしたが結局約50分雨の中を待って入館出来ました。この展示会は3つのテーマに分けられています:1.「黄金の世紀」とその陰の領域2.旅行と「科学革命」3.「聖人の世紀」、古代の継承者?この3つのテーマでは、宮廷的な世界と貧しい農民の姿が対置され、或いは自然科学の発達と拡大する世界がもたらした新たな社会の諸相が概観され、さらに、宗教改革以降のキリスト教社会がどのような宗教絵画を生み、また、新たな規範を確立していったのかが探求されていく。(パンフより引用)今回の展示会でやはり一番の注目はオランダはデルフト出身のヨハネス・フェルメールの作品でしょう。彼の作品は1のコーナーに展示されている「レースを編む女」で1669-1670年頃の作品と言われています。2の旅行と「科学革命」では、17世紀になって近代化の波が押し寄せ始めてきたヨーロッパにおいて、芸術家たち取り分け宮廷画家たちは積極的に画の題材を探しにヨーロッパ各地を巡っていたようです。展示品の中にはブラジル、オランダ、スカンディナヴィアなどの風景などを描いた作品がありました。3の「聖人の世紀」、古代の継承者?では、宗教改革後のキリスト教世界の価値観に変化が現れ、それらはこの時代の宗教画にも影響をもたらしていたことが分かります。ただし、このパートは画をじっくりと鑑賞するのと同時に、そこに描かれている宗教画の背景やキリスト教誕生の歴史などを理解した上で鑑賞するとより一層興味深いものになるでしょう。---------------------------自己PR--------------------------------WBC東京ラウンド写真集はこちらでどうぞWBC準決勝戦写真集はこちらでどうぞWBC決勝戦写真集はこちらでどうぞロサンゼルス旅行記写真集はこちらでどうぞブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2009.05.29
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「ルーヴル美術館展」22日に有給休暇を取得して国立新美術館(六本木)で開催中の「ルーヴル美術館展、美の宮殿の子どもたち」(L'Enfant Dans Les Collections Du Musee Du Louvre)を鑑賞してきました。ルーヴル美術館展は国立西洋美術館においても異なるテーマで開催されているが、この日は六本木での展示会に行き上野の方は後日必ず行きます。【テーマ】1.誕生と幼い日々2.子どもの日常生活3.死をめぐって4.子どもの肖像と家族の生活5.古代の宗教と神話のなかの子ども6.キリスト教美術のなかの子ども7.空想の子どもこの美術館展では7つの部門から200点以上の至宝が展示されている。その7部門とは以下の通りです。1.古代エジプト美術2.古代オリエント美術3.古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術4.絵画5.彫刻6.美術工芸品7.素描・版画ルーヴル美術館には膨大な「絵画」のコレクションがありますが、同時に、フランスが世界各地から収集した工芸品や古代美術品らの膨大なコレクションもありその一部が来たということですね。今回のテーマはあくまでも「子どもたち」であり有名画家の作品展ではありません。こうした展示会で「子ども」に限定してテーマにしたものは最近では記憶にありませんね。従って、これと言った目玉がある訳ではないですが、ポスターの写真にあるルーヴル美術館唯一のこどものミイラは興味深く観察しました。この子どものミイラはそれ自体が珍しいですし滅多に見学できるものでは無いです。また、古代エジプトのファラオが少年の姿で描かれている彫刻もありました。その他の展示物でユニークだったのは、古代の子ども向けと思われるオモチャの存在です。古代の子供たちがこのオモチャを使って遊んでいる姿を思わず思い浮かべました。この展示会はルーヴルの膨大なコレクションの一部でしょうが、「こども」というテーマに限定しているにも関わらず、これだけ多くの展示品を目にすることが出来るとは流石ルーヴルですね。WBC東京ラウンド写真集はこちらでどうぞブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2009.04.26
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「新国立」「サントリー美術館」ピカソ展今日は有給休暇を1日取得して、六本木の「国立新美術館」で開催中の「巨匠ピカソ 愛と創造の奇跡」を午前に、午後からは「サントリー美術館」での「巨匠ピカソ 魂のポートレート」の2つの展示会を観て来ました。どちらも六本木エリアの美術館であることで、ピカソという同じテーマでの美術展は珍しいので前から楽しみにしていた展示会です。この企画はパリの国立ピカソ美術館が改装されることで休館となっているこの時期に、ピカソの故郷スペインから中東そして六本木を廻るワールドツアーの一環としての展示会です。公式HPブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい) 【巨匠ピカソ 愛と創造の奇跡】1.プロローグ2.1904-09年3.1909-14年4.1904-21年5.1921-35年6.1930-40年7.1937-52年8.ラストピカソは「青の時代からばら色の時代」に始まり「キュビスム」「新古典主義」「シュルレアリスム」と作風が変化していった。この巨匠ピカソに影響を与えたのは画家たちだけではなく、彼を取り巻く女性の影響がある意味で彼の作品にもっとも刺激を与えていた。その彼の作品には彼が当時交際していた女性をモデルとして描いている作品がこの展示会でも多数飾られていた。【巨匠ピカソ 魂のポートレート】1.初期~青の時代~Early Years and Blue Period2.キュビスム時代の周辺~Cubism3.新古典主義からシュルレアリスム~Neoclassicism and Surrealism4.ミノタウロスと牡牛~The Minotaur and the Bull5.戦中から戦後、そして晩年~The War Years and Later一方、彼は多くの自画像を描いてきた作家でもある。彼が描くテーマは多岐に渡っているが、一見テーマが無いように見えても登場人物はピカソ自身を投影した形で作品になっていることに気が付く。自画像を通じて自らの存在を問いかけているように、鑑賞する立場の者へ自らの内面をどこまで読めるか試しているようにさえ感じる。ピカソの絵画はこれまでも「○○美術館展」などの企画で数点、箱根のピカソ館で鑑賞してきたし、「ゲルニカ」をマドリードで観たりと彼の作品に触れる機会はありました。それでも今回の展示会のように「ピカソ」単独の企画展は初めてでしたし、しかも2つの近隣の美術館で展示会を観れたのは良かったです。それにしても「青の時代」は理解できますが、何度見ても「キュビスム」時代は私のレベルではタイトルと絵画の内容が一致しませんでした...ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい)
2008.12.10
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フェルメール展21日(木)に休暇を取って東京都美術館で開催中の「フェルメール展、光の天才画家とデルフトの巨匠たち」(Vermeer and the Delft Style)を鑑賞に行ってきました。展示会に行くのは好きな管理人ですが、美術品の薀蓄を語れるような知識を持ち合わせていないので「有料ガイド」は有りがたい存在。今回は、タッチペンをガイドシートの上からなぞると音声ガイドが聞けるシステムでした。このパターンは始めてでガイドシートは記念に持ち帰りました。さて、フェルメール展と言えば「牛乳を注ぐ女」が昨年国立新美術館で展示されたのを観にいきましたが、その時のフェルメールの出展作品はその1点だけでした。彼の36作品と言われる中で、今回の展示会には7作品が展示されました。当初は「絵画芸術」も出展リストに挙がっていましたが、オーストリア政府の海外出展許可が下りず7点の出展となったようです。ヨハネス・フェルメールは、オランダのデルフトという小都市の出身であり、今回の企画展示のタイトルに「デルフトの巨匠たち」と銘打っているように彼の36作品全てを展示しているわけではありません。しかし、今回の展示会では東京都も頑張って7作品を展示し、さらにその他の彼の全作品をパネルで原寸大で展示しているのには好感がもてた。この展示会でのフェルメールの作品は:1.マルタとマリアの家のキリスト(1655年頃)2.ディアナとニンフたち(1655-56年頃)3.小路(1658-60年頃)4.ワイングラスを持つ娘(1659-60年頃)5.リュートを調弦する女(1663-65年頃)6.手紙を書く婦人と召使い(1670年頃)7.ヴァージナルの前に座る若い女(1670年頃)の7作品。この中で「7」の作品だけが個人所有の作品で、その他は欧米の美術館所蔵の作品だ。中でも「7」は真贋論争が長年に渡って繰り広げられてきた作品とのことで、10年にも渡る鑑定の結果「真作」と判定された。それでも未だに一部では「贋作では」とも言われているそうだ。「牛乳を注ぐ女」もそうだったが、この作品は小さな額縁で飾られた作品でフェルメールの他の作品に比べると地味な印象だ。1,2はフェルメール作品では珍しく宗教的なテーマを持ち合わせている。4~6はフェルメールらしい窓際の光景が描かれていて、一見して彼の作品と想像できる。3はそんな彼の作品の中で、彼のスタイルが確立される少し前の作品で珍しく町の様子を描いている。「デルフトの巨匠たち」の中では、ピーテル・デ・ホーホはフェルメールと同時期の画家で彼の画風にはフェルメールのスタイルの影響が色濃く反映されているようだ。展示作品は39点と展示会にしては少ない部類でしたが、フェルメールの数少ない作品の中の7つが一堂に会するという点では、今後もこれだけの作品展示会が企画されるか分からないので貴重な展示会だったと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━←「フェルメール展」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.08.26
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コロー 光と追憶の変奏曲を観て16日(水)に年休を取って国立西洋美術館(世界遺産登録されます)で「コロー 光と追憶の変奏曲(Souvenirs et Variations)」を鑑賞しました。第1章:「初期の作品とイタリア」(Les Debuts et L'Italie)第2章:「フランス各地の田園風景とアトリエでの制作」(Campagnes de France et Ateliers)第3章:「フレーミングと空間、パノラマ風景と遠近法的風景」(Cadrage et Espace,Vues Panoramiques et Perspectives)第4章:「樹木のカーテン、舞台の幕」(Rideaux D'Arbres,Rideaux de Scene)第5章:「ミューズとニンフたち、そして音楽」(Muses,Nymphes et Musique)第6章:「想い出(スヴニール)と変奏」(Souvenirs et Variations)「クリスシュ=ヴェール:コローのグラフィズム」(Cliches-verre:Graphisme de Corot)19世紀のフランスの画家、カミーユ・コローが生み出した数々の叙情的な風景画や人物画は、印象派の画家たちだけにとどまらず世界中の芸術家たちに大きな影響を及ぼしたと言っても過言ではない?今回の展示会では主にルーヴル美術館の所蔵品コローの代表作群を中心に、日本国内に散らばるコローの作品も交えて、初期のロマン主義的風景からイタリア留学を経て真摯なレアリズムの時代から始まり、コローの作風に強い影響を受けた芸術家たちの作品もあわせて展示されている。例えば、コローの描いた作品とそっくりの構図をもつ他の画家が描いた作品を同時に展示する手法は分かりやすかった。コローの作品以外ではルノワール、モネ、シスレー、ピカソ、ブラックなどの作品との比較は、彼の影響が大きかった証拠であろう。この展示会の目玉はコローのモナリザと言われる「真珠の女」である。ところが、この画のタイトルにある「真珠」はこの画のどこを見ても見つからない。一体、その謎とは...ナンだ、そうだったのかと間近で見ると分かるのだった。確かにこの画は一度みたら、直ぐに「モナリザ」と似ていると感じると思いました。コローの特徴は、こうした人物画だけではなく印象派或いはバルビゾン派として、その遠近法を活かした風景の美しさや静寂さには胸を打たれます。「ヴィル=ダブレー」を多く描いていて、こうした画を見ているとまるで観ている自分がそこに居るかのような錯覚に陥るから不思議です。私は「真珠の女」より、第2章で展示されていた「ヴィル=ダブレー、水門のぞばの釣り人」(モントリオール美術館所蔵)が一番印象に残りました。コローはこうした風景がでは必ず大きな木を描きますが、大空と水面と木々のコントラストは素晴らしいです。こういう風景の場所に、一度、行って見たいな~。そういう想いを抱きながら、猛暑の上野を後にしました。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━自己PRコーナー:「旅行ブログ」を公開しています。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━←「コロー 光と追憶の変奏曲」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.07.20
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モディリアーニ展公式HP20世紀の初頭、パリのモンパルナスで活躍したユダヤ系イタリア人のアメデオ・モディリアーニは、エコール・ド・パリを代表する肖像画家として知られている。しかし、モディリアーニが、その創造の源泉として、簡潔で素朴な造形感覚に溢れるアフリカや東南アジアなどの芸術に関心を寄せていたとは、あまり注目されていなかった。この展示会では、原始美術の影響を色濃く示す初期の「カリアティッド」の作品群から独自の様式を確立した肖像画に至るまで、幅広い作品を紹介し、プリミティヴィズム(原始主義)に根ざしたモディリアーニの芸術がいかなる変遷を遂げたのかをテーマにしている。第1章:プリミティヴィズムの発見:パリ到着、ポール・アレクサンドルとの出会い第2章:実験的段階への移行:カリアティッドの人物像-前衛画家への道第3章:過渡期の時代:カリアティッドからの変遷-不特定の人物像から実際の肖像画へ第4章:仮面からトーテム風の肖像画へ:プリミティヴな人物像と古典的肖像画との統合肖像画家として名高いモディリアーニの作品展として、今回は個人コレクションの作品が多く展示されていて、有名美術館の展示品だけでは分からない部分にまで踏み込んだ企画となっている。4年前にアンディ・ガルシア(「オーシャンズ・シリーズに出演など」)がモディリアーニを演じた「モディリアーニ、真実の愛」という映画を観たが、映画のテーマはモディリアーニ本人の生い立ちから亡くなるまでを追っていて、芸術的なテーマにはなっていなかった。従って、彼がアフリカの原始芸術に影響を受けていたことは初耳でした。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━「モディリアーニ展」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.05.30
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国宝 薬師寺展公式HP今日、東京国立博物館で開催されている「平安遷都1300年記念 国宝薬師寺展」(National Treasures From Yakushi-ji Temple)に行ってきました。今日は有給休暇を利用して、観たかったこの展覧会に足を運びました。09:30開館で私は10:00ジャスト頃に着きましたが、既に入場制限が始まっていました。薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気の平癒を祈願して680年に藤原京の地に建立を発願した由緒ある大和の古寺です。その後、場所は710年の平城遷都とともに現在の場所へと移された。完成後は戦火などにあい一部消失するなど苦難の時代もありましたが、平成10年にはユネスコの世界遺産に登録されました。第1章「薬師寺伽藍を行く」第2章「草創期の薬師寺」第3章「玄奘三蔵と慈恩大師」第4章「国宝吉祥天像」この展示会の目玉はやはり、日本仏教彫刻の最高傑作のひとつとして数えられている金堂の「日光・月光(がっこう)菩薩立像」(国宝)が2体揃って寺外で初公開されることですね。さらに、「聖観音菩薩立像」(国宝)も展示されています。この2体を「正面」「側面」「背面」から観ることで、この2体が眼に見えない部分にまで魂を込めて作られたことがひしひしと伝わってきます。そして、その大きさは想像以上で陳腐な表現ですが圧倒されます。これらの像は寺内では光背があるために、側面や背面をみることはできませんが、この展覧会では3体の菩薩像を背面からも見物出来るのは嬉しい。この2体に関する解説も詳しくされていて、歴史的な背景や観るべきポイントなど分かりやすかった。こうした国宝の彫刻立像以外では、あの有名な絵画の名品「吉祥天像」(国宝)などの至宝も展示されていて間近で観ることが出来る。この「吉祥天像」に関する解説も細かい点にまで及んでいて感心させられました。これほどの貴重な文化財が揃って寺の外で公開されるのは初めての機会とのことで、奈良まで行くことの出来ない人たちには貴重な体験が出来る展覧会です。でも、逆に言えば、この時期に薬師寺を訪れて事情を知らない観光客はがっかり?したかも知れません。あ、最後になりましたが、全部見終わった正午過ぎには行列の待ち時間は「90分」でした。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━←「国宝 薬師寺展」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.05.21
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ウルビーノのヴィーナス公式HP上野・国立西洋美術館(世界遺産登録されます)にて3/4~5/18まで開催されている「ウルビーノのヴィーナス~古代からルネサンス、美の女神の系譜」(La Venere di Urbino Mito e Immagine di una Dea Dall Antichita al Rinascimento)を16日に鑑賞に行ってきました。古代神話に登場するヴィーナス(ヴェヌス)は、愛と美の女神として有名です。神話の登場人物の一人として、また愛や美という哲学的な問題を象徴する存在として、西洋の美術家は彼女を描き続けました。この展示会ではヴィーナスの神話が、いかに古代の芸術家達のインスピレーションを刺激したのかを今回の展示作品である絵画だけでなく、彫刻や工芸品や本の装丁などによって明らかにしていました。今回の展示会での目玉「ウルビーノのヴィーナス」は、ルネサンスのヴェネチア派を代表する画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオの作品でウフィツィ美術館所蔵のもので日本初公開だそうです。この絵のモデルについては諸説あるそうでどの説も一長一短で確定されていないそうだ。このティツィアーノの絵はその後の女性ヌードの流れを作った作品という点で高い評価をうけているそうだ。たしかにその女性の艶かしい視線、室内の調度品、使用人、ベッドの上の犬、窓の向こうの景色、女性の背後の幕などその色遣いや構成は見事である。他にもこの展示会では古代からルネサンス期に至るまでのヴィーナスにまつわる作品も展示されている。作品によっては彫像をそのまま絵にしたような構図の作品や、ギリシャ神話にまつわる作品であったり、ヴィーナスとキューピッドを描いた作品があったりと古代からヴィーナスが画家達にとって常にインスピレーションを掻き立てられる存在であり、また、テーマとしてもキューピッドとの絡みなどを反映させるなどして描いて単なる裸婦像とは違う構図になっていた様子が館内の解説などを通して理解出来ました。有名画家の単独作品展では感じることの出来ない、こうしたテーマをもった展示会をもっと催してもらいたいと感じました。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━←「ウルビーノのヴィーナス」美術館展鑑賞関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.04.18
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ルノワール+ルノワール展昨日、有給休暇を取得してBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「ルノワール+ルノワール展」を鑑賞に出かけました。この展示会はピエール=オーギュスト・ルノワールというモネと並ぶ印象派の巨匠と、その巨匠を父に持ち、映画監督としてフランス映画界の重鎮として活躍したジャン・ルノワールとの関係をテーマにしている。第1章:「家族の肖像」(Portraits de Famille)第2章:「モデル」(Modeles)第3章:「自然」(Nature)第4章:「娯楽と社会生活」(Divertissements et vie Sociale)ピエール=オーギュスト・ルノワールは仕立て職人の息子として生まれる。肖像画家とも呼ばれるように彼は多くの人物像を描いてきた。印象派画家としては特徴的な自然光の効果を巧みに取り入れて、生への喜びを表現していた。妻アリアーヌとの間には長男ピエール(俳優)、次男ジャン(映画監督)、三男クロード(陶芸家)をもうけいずれもが芸術の道を選択したのも彼の影響を受けていたようだ。彼の描く絵にも妻アリアーヌを始めとして、家族をモデルにした作品が多く重要なテーマだったようだ。今回の展示作の中にもそうした絵画が多く、彼の家族愛が伺われる。次男のジャンはフランス映画界の重鎮として活躍したが、父は当初は映画監督という職業への理解は薄かったようだ。この展示会ではジャンが扱った作品のワン・シーンに父の絵画をモチーフとしたショットが多かった点を強調している。スクリーンではジャンが監督した作品の一場面を映し、それが父の作品のどの部分と似ているかを視覚的に比較できる。この試みはこの展示会の目玉でありテーマでもあるし、私のように絵画に関する知識が豊富でないものにも分かりやすい展示方法だった。この展示会ははGWの5月6日まで開催されている。これをきっかけにジャンの監督作品のリバイバル上映も決まっており、ルノワール再発見と言った所だろうか?←「ルノワール+ルノワール展」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.03.11
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ルーヴル美術館展2月22日(金)の午後から会社を有給で早退して、東京都美術館で開催されている「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美~Musee du Louvre,Fastes de la cour de France su XVIIIe siecle」を鑑賞してきた。この展示会では、フランスの装飾美術が劇的に変化し進展した18世紀の美術工芸品が大半を占めている。ルイ15世とルイ16世の治世に分けた二部構成になっており、装飾美術の大きな流れを辿ることが出来る構成になっている。絵画を期待してこの展示会に足を運ぼうとされている方には期待を裏切る展示会でありますので、前もって公式HPなどで確認することをお勧めいたします。第I部:「最愛王・ルイ15世の時代」第II部:「ルイ16世の時代」調度品が重厚だった17世紀とはうってかわり、ルイ15世の時代に発展したのは、貝殻や植物を題材に、軽快で幻想的ですらあるロココ様式だった。今回の展示品でロココを代表する豪華な一品がありました。それは「嗅ぎ煙草入れ」です。4色の金が施されていて箱にはダイヤモンドが散りばめられている。フランスの宮廷ではこうした「アクセサリー」が、普通に使われていたとしたらやはり贅沢なんですね~。展示会の出品物でも王妃マリー・アントワネットが使った調度品らは一際華やかでした。中でも目に付いたのはお気に入りの家具職人に注文して作らせた、私室で使用していた小型ながらも粋な書き物机。寄木細工とブロンズ装飾の組み合わせは、女性が使うに相応しいエレガントさを漂わせている。他には鮮やかなターコイーズブルーが印象的な青磁の香水入れや壺の5点セットも見事だった。それでも一番印象に残ったのは、展示コーナーの最後に飾られていた、「マリー・アントワネットの旅行用携行品入れ(1787~88年作)」だ。これは「M」と「A」を組み合わせた自らの紋章を施した食器や化粧道具な約90点を収納出来る、まさに、マリー・アントワネットだけが使うための特注品だ。化粧道具や食器類の大きさを前もって測っていたのだろう。どれもピタリと収まる優れもので、彼女はこの「旅行かばん」が大変気に入っていたそうだ。フランス革命で王室の存亡が危機に瀕しているとき、密かに故郷のオーストリアへ亡命を企てたが国境近くで捕らえられた。その時に携行していたそうで、捕まってからもこの旅行かばんへ執着していたそうだ。そんな彼女の思いが詰まったこの展示物が、今回の展覧会の最後を劇的に飾っていた。人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2008.03.02
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ムンク展公式HP10月6日~1月6日まで、上野にある国立西洋美術館で開催されている「ムンク展-Edvard Munch The Decorative Projects」へ15日の午後に行ってきました。「生命のフリーズ」は、全体として生命のありさまを示すような一連の装飾的な絵画として考えられたものである。(エドヴァルド・ムンク「生命のフリーズ」より)「叫び」で有名なノルウェー出身の画家エドヴァルド・ムンクは、日本でも何度も展覧会が開催されているようですが私は今回初めて観にいきました。ムンクは自らの中心的な諸作品に「生命のフリーズ」という名を付けていたそうです。彼の意図は作品を個々の独立してものとして鑑賞するのではなく、「生命のフリーズ」プロジェクトという枠の中で鑑賞してもらいたいとの考えがあったようです。今回の展示会はそうしたムンクの考えに沿った形での展示となった。更に、絵画の展示だけではなく、ムンクが当時どのような展示会を行ったかの貴重な様子を伝える写真もあり彼の考えが垣間見えました。第1章:生命のフリーズ~装飾への道ムンクは核となる一連の作品を「生命のフリーズ」となり、シリーズ全体で一つの作品としてみるようにと考えた。ムンクは自らのアトリエにそうした作品を飾り決して手放さなかったそうである。その時の様子を記した写真からもその様子は分かる。第2章:人魚~アクセル・ハイベルク邸の装飾ムンクは実業家のハイベルクの注文で邸宅の壁画を飾る作品を注文した。ここではその中の一枚と素描を展示している。第3章:リンデ・フリーズ~マックス・リンデ邸の装飾眼科医のリンデはムンクに邸宅の子供部屋を飾る装飾パネルの制作を依頼した。ところが出来上がった作品は、依頼主より「子供部屋に相応しくない」との理由で受け取り拒否されてしまう。一体、何故拒否されたのか?確かに子供部屋向きではないのは事実で...。第4章:ラインハルト・フリーズ~ベルリン小劇場の装飾ここではベルリン小劇場の2階ホールに装飾パネルの展示を要請されていた頃の作品。しかしこれらの作品は改修工事後に撤去され短期間の展示に終わったそうである。第5章:オーラ~オスロ大学講堂の壁画ここまでは実業家の邸宅内の装飾など小規模なプロジェクトが多かったなかで、ムンクはここではオスロ大学の講堂の壁画を描くという依頼を足掛け7年近くかけて完成させた。ここでは下絵となった油彩画が中心だが、大学講堂を飾るというテーマもあってか画にはそうした点が感じられるのも特徴。第6章:フレイア・フリーズ~フレイア・チョコレート工場の壁画チョコレート工場の社員食堂に飾る壁画を依頼されたムンクの下絵素描を中心に展示。この社員食堂は今でも利用されていて、その様子は写真を通して知ることが出来る。しかしこの社員食堂...贅沢な壁画を考えたものですね。第7章:労働者フリーズ~オスロ市庁舎のための壁画プロジェクトここでは市庁舎建設にあわせて「労働者フリーズ」というテーマで構想を練っていたが、この時の素描が展示されているがこの構想は最終的には完成に至らなかったそうだ。絵画素人の私には余り詳しくは書けませんが、ムンクといえば「叫び」というイメージしか持っていませんでした。たしかに彼の描く作品の人物描写には「叫び」と似たような描き方が多かった。「不安」は「叫び」と同じ背景で描かれているのだが、その特徴的な画風の中にも「不安」を感じさせる。大胆な色調と相まってとても印象に残る作品であった。そのムンクが「生命のフリーズ」というプロジェクトを通じて、自分の作品を「単体」ではなく一連の作品を通して鑑賞して欲しかったという意図があったとは初めて知った。モネの「睡蓮」も単独作品ではないが、ムンクの場合はまたそうした画家の意図とも異なるように感じた。こうした企画展を通じて画家の個性が浮き彫りになるのは、私のような初心者には興味深かった。←「ムンク展」関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.12.18
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田園讃歌-近代絵画に見る自然と人間公式HP10月27~12月16日まで、埼玉県さいたま市(北浦和)にある埼玉県立近代美術館で開催されている「田園讃歌-近代絵画に見る自然と人間」へ5日に休暇を取って行ってきました。この展覧会は、山梨県立美術館秘蔵のミレー《落ち穂拾い、夏》、埼玉県立近代美術館のモネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》の二つの名作が核となった展覧会です。中でも《落ち穂拾い、夏》は山梨まで遠征しなくてもこの展示会で鑑賞出来るということで今回訪れたのも同然なのである。ミレーとバルビゾン派以降の19世紀フランス絵画では、大地に生きる農民たちの勤勉な労働や休息、つつましい暮らしのひとこまに、しばしばスポットライトが当てられてきました。こうした動きは日本の洋画家にも影響を与えてきたようです。浅井忠、黒田清輝、久米桂一郎らは、ミレーやピサロに学びながら、この主題の日本化を意図した数々の作品をのこしており、多くの画家たちがこうした主題を描いてきました。こうした絵画は第3章を見ることで明らかになります。ド-ビニー、トロワイヨン、デュプレやブルトン、レルミットらサロンで活躍した画家たち、またピサロ、シスレーやゴーガン、ゴッホら印象派・ポスト印象派の画家たちも、こうした主題を取り上げています。この展覧会では、近代絵画史上で農耕・田園のイメージがどのように形成され展開していったかを知ることが出来る他には類を見ない企画だと思いました。「第1章:豊饒の大地と敬虔な農民たち」-ミレー《落ち穂拾い》とその周辺ミレーは1849年にパリ郊外ののどかな農村が広がるバルビゾン村に移り住んで、《落ち穂拾い、夏》を始めとする多くの名作をここで生み出していった。従来の絵画では農夫(婦)の姿や農作業に従事している様子を題材にすることは稀だった。ミレーはバルビゾン村で、その自然を深い共感と敬虔な感情を込めて描き続けた。そして、後続のデュプレ、トロワイヨン、ジャック、ドービニーらを含めて「バルビゾン派」と称されるようになっていった。ここではミレーの「一日の終わり」「刈り入れ」では農夫の生き生きとした仕草や仕事の様子を描いていたのが印象的でした。デュプレの「牧草の取り入れ」は、これを見ていると今にも馬車が動きそうな感じがしましたね。「第2章:近代都市パリを離れて」-印象派・ポスト印象派の田園風景ここでは大都会パリを離れて田園に生きる人々に共感を抱き続けたピサロや、ジヴェルニーを拠点に自然と向かい合ったモネなどがいました。ポスト印象派の画家たちは都会から失われていった自然や田園風景を描くことを主題にしていった。ここではモネの「ジヴェルニーの積みわら、夕日」「小さな積みわら」など一連の「積みわら」作品や、ピサロの「風景、積みわらのある平原」、セザンヌ「大きな松の木と赤い大地」などが印象に残りました。その他にはシスレー、ゴーガン、ゴッホ、カリエール、マイヨール、ヴラマンらの作品が展示されています。「第3章:日本の原風景を求めて」-近代絵画に見る田園風景ここではバルビゾン派の画家に影響を受けた黒田清輝、久米桂一郎、浅井忠らは日本の農村風景を描いていた。中でも黒田清輝はバルビゾン村を訪ねるなどバルビゾン派画風の習得に熱心だったようですが、今回の出展作品にもそうした影響が現れていました。「第4章:何処から、そして何処へ」-ポスター、写真に見る田園風景このコーナーでは19世紀に登場したポスターや写真に描かれた田園と農耕のイメージを強調した作品が展示されていた。更に、20世紀前半の日本の田園風景を外国人観光客用に作成したポストカードなどを貴重な資料だと思いました。以上が今回の展示会を通じてざっと感じた点を述べました。この美術館は自身初めて訪れた場所でした。上野の東京都美術館などに比べるとスケールの広さや売店の充実度は劣りますが、今回のような上野の美術館には無いような企画をこれからも期待したいですね。売店の品揃えが乏しかったのが残念といえば残念でした。JR北浦和駅から徒歩2分程度で迷うことなくたどり着けます。北浦和公園内の美術館なので落ち着いた雰囲気を醸し出していました。この時期ならではの銀杏の黄葉も堪能出来ました。←「田園讃歌」及び美術館展示会関係のブログ満載!←西武ライオンズのことならここ←「星野JAPAN、北京五輪出場決定!」の情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.12.10
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フィラデルフィア美術館展公式HP10月10~12月24日まで、上野にある東京都美術館で開催されている「フィラデルフィア美術館展(Philadelphia!)~印象派と20世紀の美術」へ15日の午後に行ってきました。フィラデルフィア美術館所蔵品の中から今回は、19世紀のコロー、クールベにはじまり、印象派を代表するモネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌを経て、20世紀のピカソ、カンディンスキー、マティス、デュシャン、シャガール、ミロ、マグリットにいたるヨーロッパ絵画の巨匠たち、さらにホーマー、オキーフ、ワイエスなどのアメリカ人画家を加えた47作家の選りすぐりの名作77点を一堂に展示している。「第1章:写実主義と近代市民生活」-1855年-1890年19世紀中後期のコロー、クールベ、ブータン、マネらの作品を中心に7点。「第2章:印象派とポスト印象派」-光から造形へ印象派と呼ばれるドガ、ピサロ、モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン、セザンヌらの作品に混じってロダン(考える人)の彫刻やソローリャ、ルソーの作品も含めた24点。ピサロの「ラクロア島、ルーアン(霧の印象)」、モネの「ポプラ並木」「睡蓮、日本の橋」、ルノワールの「ルグラン嬢の肖像」などが印象に残った。「第3章:キュビスムとエコール・ド・パリ」-20世紀美術の展開20世紀初頭に「キュビスム」と呼ばれる前衛的な独特の手法が花開いた。中でもピカソの作品がここでは26点の中で5点が展示されている。ピカソ以外ではブラック、グレーズ、レジェ、カンディンスキー、ドラン、マティス、ルオーらの作品が展示されている。エコール・ド・パリではモディリアーニの一見して彼の作品と分かる「ポーランドの女の肖像」や、ユトリロの「モンマルトル、テルトル広場」などが印象に残った。「第4章:シュルレアリスムと夢」-不可視の風景ここではキリコ、ミロ、マグリットらの4点のみの展示だが、そこで描かれている風景は独特の個性がある。「第5章:アメリカ美術」-大衆と個のイメージフィラデルフィア美術館展示会なのでこの最後のコーナーはアメリカ美術の作品を15点展示している。アメリカ美術と言っても芸術音痴の私にはピンと来ないが、ここではヨーロッパ絵画の影響を受けた作風やアメリカ的な風景を切り取った作品が目立った。ジョージア・オキーフの「ピンクの地の上の2本のカラ リリー」の大胆な構図と描き方が印象に残った。他にはホーマー、カサット、ハートリーらの作品が展示されていた。こうして展示会には2時間半から3時間程じっくりと鑑賞したが、目玉になるような作品は決して無いのだがアメリカの美術館にヨーロッパ絵画の巨匠たちの作品がこんなにも多く収蔵されているとは知らなかった。現地の美術館のHPを眺めていたらまだまだ多くの魅力的な収蔵品があるようなので、機会を見つけて訪問したくなった。それに、この美術館はなんと言っても映画「ロッキー」シリーズでスタローンがここでトレーニングをするシーンとして有名だしね...←「フィラデルフィア美術館展」の話題も探せる!←西武ライオンズのことならここ←プロ野球、メジャーリーグの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.11.17
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フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展公式HP国立新美術館(六本木)で開催中のフェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展(Milkmaid By Vermeer And Dutch Genre Painting Masterwork From The Rijksmuseum Amsterdam)を5日(金)に行ってきた。こうした展示会は週末の午後に出かけると大勢の人で賑わって落着いて鑑賞出来ないので、この日は午後から会社を早退して行って来ました。個人的にはオランダのアムステルダムやフェルメール縁の地でもあるデルフトにも行った事はあるのですが、現地で美術館には行かなかったので今回は楽しみにしていきました。【フェルメールの「牛乳を注ぐ女」】風俗画は、人々の日常生活を描いた絵画です。市民たちが政治・文化の担い手となった17世紀オランダでは、従来の歴史画も描かれる一方で、台所や市場で働く人々や、室内で談笑する上流市民など、日常を題材にした親しみやすい風俗画の人気が高まりました。この風俗画を通して当時の庶民の生活の様子を知ることが出来るのは、宗教画とは違った魅力があると思います。初期の頃は聖人や神話の人物を描いていたフェルメールも、1656年以降は主として風俗画を手がけるようになり、室内で歓談したり手紙を読んだりする上流市民の暮らしの情景を、静謐な画面にとらえ出しました。 広々とした館内の「1B」会場では、オランダの風俗画を中心になどを6つの章に分けて展示していた。なお、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は「2」です。「第1章:黄金時代の風俗画」(Genre Paintings Of The Golden Age)「第2章:フェルメール”牛乳を注ぐ女”」(Vermeer And The Kitchen Maid)「第3章:工芸品/フェルメールと音楽(Objects Of Craft/Vermeer And Music)」「第4章:版画と素描」(Prints And Drawings)「第5章:偉大なる17世紀の継承と模倣」(Continuation And Imitation Of Legacy Of The Golden Age)「第6章:19世紀後半のリアリズムの風俗画」(Genre Paintings Of Realism In The Second Half Of The 19th Century)この展示会の最大の見所はタイトルにもあるとおり「牛乳を注ぐ女」です。美術に詳しい人なら直ぐにピンと来ることでしょうが、フェルメールは生涯に「30作程度」の作品しか世に残していないので、今回の展示会は「フェルメール展」ではありません。ですからこの展示会で「フェルメール」の作品がずらりと並んでいるイメージを持って出掛けるとがっかりするでしょう。それでも「牛乳を注ぐ女」一作品のために1コーナーを費やし分かりやすく解説していたのは良かったです。肝心の作品は思ったより小さい額縁だったのは以外でしたが、画との距離は多少あるのでゆっくりと観ている暇はありません。それでも手前の列はそうして間近で観たい人の為のスペースで、やや後方にはゆっくり観れる人のためのスペースも設けるなど工夫がされていました。オランダの風俗画の展示にも大きなスペースを割いていましたが、風俗画の画法はどれもフェルメールのスタイルと似ていることにも気が付きます。私の拙い知識では上手く解説出来ませんが、「光の使い方」や「遠近法」の使い方は共通点として挙げられるでしょう。展示会ではその他にもスケッチ(レンブラントのスケッチもある)や工芸品や楽器の展示などもあって、単なる美術展ではないまさにオランダの風俗を垣間見ることが出来る展示会でした。←「フェルメール、”牛乳を注ぐ女”とオランダ風俗画展」の話題も探せる!←西武ライオンズのことならここ←プロ野球、メジャーリーグの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.10.07
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スルタンの権力とハーレムの栄華「トプカプ宮殿の至宝展」公式HP東京都美術館(上野)で開催中の「トプカプ宮殿の至宝展~オスマン帝国と時代を彩った女性たち~、The Treasures Of The Topkapi Palace and the Magnificent Ottoman Dynasty」を11日(火)に行ってきた。こうした展示会は週末の午後に出かけると大勢の人で賑わって落着いて鑑賞出来ないので、夏期休暇中の合間の日である平日に行って来ました。イスタンブールはアジアとヨーロッパを結ぶ東西の十字路として、長い間歴史の証言者として東西の架け橋の役割を果たしてきた。オスマン帝国は1453年にビザンツ帝国との激しい攻防の末にイスタンブールを手中に収め、その力はスルタンをトップとしてアジア、北アフリカ、東欧までの広範囲に渡り支配していました。トプカプ宮殿は、スルタンが居住した私的空間と帝国の国政の場を兼ね備えた施設だった。宮殿には帝国が支配する地域から集められた莫大な富を示すことで、敵対する周辺国を感服させるべくスルタンの生活は贅を極めていたことは今回の展示物からも容易に窺い知ることが出来る。また帝国の領地から集められた美女たちが暮らすハレムでは、イスラム文化が濃く反映された中での生活で優美な宮廷文化が生まれたようだ。女性たちは綺麗に着飾って、何時自分の下をスルタンが訪れてもいい様にその美を競っていたのではないだろうか?そしてその中からスルタンの寵愛を受けて、世継ぎを出産できた女性がハレムの主となり支配していった。今回の展示物の中にも、スルタンが誕生した王子に着せていた服やゆりかごなどを見ることでスルタンの権威を知ることが出来る。この展示会ではスルタンが自らの装飾品や権威の象徴である王冠や兜などに惜し気もなく宝石を使っているのが目を引いた。それらの品物はどれもイスラム文化を反映させてものが多いのだが、中国の壺にもスルタンが興味を示していたとは知らなかった。展示コーナーには時代の流れを書いたパネルや生活模様の解説などもあったので理解度が深まったような気がした。実は私は1995年の10月にトルコ旅行で、トプカプ宮殿も博物館も行ってきた。それでも12年前のことであり、そこで何を見てきたかの細かい記憶は残念ながら残っていない。もしかしたら今回の展示物の幾つかはそのとき見たかもしれないね。←「トプカプ宮殿の至宝展」の話題も探せる!←西武ライオンズのことならここ←プロ野球、メジャーリーグの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.09.20
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中南米三大文明の謎に迫る!インカ・マヤ・アステカ展公式HP7月14日から9月24日まで、国立科学博物館(上野)で始まった「失われた文明、インカ・マヤ・アステカ展-The Three Great Civilizations of Mesoamerica & the Central Andes,The World Of Maya,Aztec And Inca」を15日(日)台風4号が列島を縦断している最中に行ってきた。中米のマヤ文明とアステカ文明、南米のインカ文明・・・中南米で栄えた三大文明は、今でも多くの謎と伝説に満ちていてそんなことから日本でもこれらの文明に対するファンは多いです。密林にそびえるピラミッドの王朝「ティカル」、湖上に浮かぶ都市「テノチティトラン」、天空の都市「マチュピチュ」。これらの地域は「世界遺産の宝庫」として世界中の人々が観光に訪れ、日本からもツアー客が訪れる人気スポットです。さて、今回の展示コーナーでは三大文明のコーナーをそれぞれ設けてあります。展示品は主にマヤ・アステカはグアテマラの博物館から借りているもののようです。また、今回の展示会にあわせてNHKでも特集番組が放送されているそうで(私は見ていません)、各コーナーでは映像でその様子も一部紹介されていました。マヤ・アステカ文明は農耕民族であり、又同時に高度な文明として天体観測に力をいれていたそうです。それは農耕民族としては干ばつが一番怖いのであり、雨期の到来を予想しそれにあわせて種まきなどをしていたので、天体観測でその時期を占っていたそうだ。そしてピラミッドは神殿としての役割があり、そこでは豊穣を祈願する為の儀式が神官により執り行われていた。中でも「生贄の儀式」は、戦で負けた相手方の捕虜を生贄として神の前で神官が心臓をえぐりとり捧げることで豊穣を祈願していた。この血なまぐさい儀式はスペインによる侵略で滅ぼされるまで続いていた。一方、インカ文明は文字を持たなかったが当時の旧大陸に劣らぬ文化を築いていた。インカ帝国では皇帝を筆頭に、帝国内の各都市を「インカ道」と呼ばれる道を築き通信網として利用されていた。ここでは亡くなるとミイラを作り、皇帝は亡くなっても「ミイラ」として「君臨」していた。こうした風習は一般にも浸透し、今回の展示物では上記の写真のような「父と子のミイラ」が展示されており多くの見物客が興味深く眺めていた。このミイラはまるで最近まで生きていたかのようにリアルで、とても死後4~500年前のものとは思えない。展示品はどれも始めてみるようなものばかりの貴重な資料で、こうした国家の財産とも言える展示物が日本で公開されるのはありがたいことだ。実際に中南米まで観光で訪れないと見れない貴重な展示物が、こうして日本で見られるのだからこれを逃す手はないですよ。訪れたこの日は2日目であり、尚且つ台風4号で人々の出足が鈍いであろうとのイメージで強風と雨の中を上野まで足を運んだ。それでも自分の想像以上に来館者は多く、14時頃に着いたけど入場まで10分待ちでした。←芸術の話題も多いよ!←西武ライオンズやプロ野球のことならここ←オールスターの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.07.21
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都知事選にも出馬した建築家黒川氏設計で3月にオープンしたばかりの「国立新美術館」(英名:The National Art Center,Tokyo)にて4/7~7/2開催の「モネ大回顧展」(Claude Monet:L'art de Monet et sa postérité)の鑑賞に行ってきた。六本木の旧防衛庁跡地の一角に造られた「国立新美術館」は千代田線「乃木坂」駅6番出口から直結しており一番便利だった。一方で大江戸線「六本木」駅を行きに利用したが、こちらはホームから延々と続く長い長いエスカレーターで改札口に出て「7番出口」から徒歩で6~7分程度で正門に着いた。【モネ展】クロード・モネ(1840-1926)は印象派の巨匠で、本展では、フランスのオルセー美術館をはじめ、アメリカのボストン美術館やメトロポリタン美術館と言った世界的にも名の知れた一流美術館から、国内各地の美術館などから集められた約100点のモネの名作を通して、その魅力をかつてない規模で紹介しているのだが残念ながら公開はここだけであり主要都市での開催は無い。広々とした館内の「1E」会場では、モネの活動内容や創作時期などを5つの章に分けて展示していた。「第1章:近代生活」では青春時代を過ごしたル・アーヴルやパリ近郊での家族との生活を材材にした絵を中心に展示している。「第2章:印象」ではセーヌ川沿いの村、アルジャントゥイユやヴェトゥイユに住みそこでの生活を題材に描いている。西欧社会では敬遠されていた「冬の雪景色」を独自の解釈と配色で目を向けていたとは知らなかった。「第3章:構図」では浮世絵の影響を受けたモネが、浮世絵の技法を大胆に取り入れた絵画を展示している。第3章内では更に「ジャポニズム」「平面的構成」「反射映像」の3つのコーナーに細分化している。「第4章:連作」では対象を限定したモネが取り組んだ「ポプラ・シリーズ」「積みわら・シリーズ」「ルーアン大聖堂」「ロンドン、主にテームズ川に架かる橋(季節は冬)」などを紹介している。「第5章:睡蓮/庭」では、日本でのモネの印象を決定付けた「睡蓮」を主に展示している。有名な「睡蓮」は晩年のモネがジヴェルニーの自宅庭と川の水を引いて造った池の様子を描いた絵画が中心。「睡蓮」は中でも代表作だがこのタイトルの画は何作もあり、モネのその描き方はそれを描いた季節や創作年によってもかなり異なる点が見ていて感じられた。【感想】絵画に詳しくない私は、入場の際に音声ガイド(500円)を借りてこれで解説を聞いていました。簡潔に分かりやすく、ナレーターは小泉今日子さんが務めるなど主催者も工夫しているようだ。モネの絵のタッチは、その創作時期によって大きく変わっていくのだが展示方法もそうした展を考慮していて初心者の私でも理解し易かった。パリのオルセー美術館所蔵品も多く展示されていたが、オルセー美術館にはパリに行ったときに入場したのだが今回見た画が展示されていたかは記憶に無い。展示画の評論は別にして、驚いたのはモネの画が国内の多くの美術館が所有者となっていた点だった。やはりこうした絵画はバブル時代に購入したのでしょうかね?因みに今日は有給休暇で会社はお休みして鑑賞に出かけました。金曜日は開館時間が遅いので狙い目でしょうね。混雑具合は鑑賞の妨げになるほどでは無かったですが、それでも平日でこれだけの人達が観に来ているので、週末はかなりの混雑が予想されます。←芸術の話題も多いよ!←西武ライオンズやプロ野球のことならここ←オールスターの情報満載人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク
2007.05.18
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今日は会社を有給休暇で休み、東京都美術館(上野)で開催されている『オルセー美術館展 19世紀芸術家たちの楽園』を鑑賞に行って来た。着いたのは13:30だったのだが平日の午後にもかかわらず熱心な人たちが多く30分待ちでの入場となった。パリのセーヌ河畔にあるオルセー美術館は、1900年のパリ万国博覧会にあわせて建造され、その後廃止となったオルセー駅を改装し、1986年に誕生しました。オルセーとは19世紀を意味するフランス語で、対岸に位置し絶大な人気と世界的知名度を誇るルーヴル美術館への注目が高い日本でも、最近では現地での観光スポットとして人気を二分してきました。私はパリは2度訪問していますが2度目の訪問時は両親を連れて行った際に、オルセー美術館に行きました。アーティストの視点をテーマに厳選された140点の出品作品は、オルセー美術館を代表する名作はもちろんのこと、近年収蔵されたばかりの作品も多く、絵画、彫刻の他、素描、写真、工芸品、建築デッサンなど多彩な分野を網羅している。それらを1.親密な時間、2.特別な場所、3.はるか彼方へ、4.芸術家の生活、5.幻想の世界へ、という5つのテーマに沿って紹介していた。ルノワール、マネ、ゴッホ、ゴーガン、モネ、セザンヌ、ホイッスラー、ミレー、モロー、と言った19世紀に活躍した画家達の作品をテーマごとに展示し、更に、写真や彫刻などの展示物もあり音声ガイド(500円)を聞きながらどれもを興味深く見物出来た。人気blogランキングへ
2007.03.02
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芸術の秋に相応しく24日は有給を取得し「大英博物館・ミイラと古代エジプト展」を鑑賞しに上野・国立科学博物館まで出かけていきました。実は11月3~5の3連休を利用して行く予定を立てていたものの、混雑を予想し回避して「大エルミタージュ美術館展」を鑑賞しましたがそちらも混雑していました。そこで23~26日の4連休を利用し谷間の24日に上野まで出かけてきました。この展覧会は3D映像“Mummy: the inside story”(ミイラ-その内側に秘められた謎)の上映に併せて時間指定制となっているので、前もってネットで時間を調べた上で出かけないと待つ事になってしまうのでこれから行く人はご注意あれ。この3D映像上映会入場に際しゲートでは「3D眼鏡」が配られるのでこれをかけるが、その前に5分ほどの簡単な3Dについての説明を見てからの入場となる。この3D映像のナレーションは俳優の高橋克典が担当しているのにも注目。3D映像ではミイラについての説明を、発見されたミイラが神官ネスペルエンネブウのものであるため彼の顔をCGで蘇らせ彼の視点で説明するというスタイルだ。神官ネスペルエンネブウに関しては展示物の説明にも度々出てくるのでしっかりと頭に叩き込んでから展示コーナーへと移動するべきです。展示コーナーは5つのコーナー125の展示品から成っています。1.古代エジプトの世界へ(展示品1~5)2.神に仕える(展示品6~35)3.神官ネスペルエンネブウ(展示品36~53)4.復活への願い(展示品54~80)5.来世への旅立ち(展示品81~125)展示品の詳細は冒頭の部分をクリックしてご覧下さい。大英博物館には多くのエジプト関係の所蔵品があって、私も実は2度大英博物館を訪問しエジプト関係の興味深く鑑賞しましたが何と言ってもあそこの最大のウリは「ロゼッタ・ストーン」ですが流石にこれは海外流出は有り得ないので今回はレプリカ(複製品)でした。2度の現地鑑賞でもミイラを観ましたが、その時の記憶ではガラスケースに収められていてX線写真を添付することでミイラの内部を見せてくれていました。今回の展示では(来年3月から神戸でも展示されるそうです)棺に掘られている象形文字の解読(勿論日本語です)を試みることでその人物の名前や何を表しているかが分かったのは興味深かったです。その他のコーナーでも、例えばミイラの造り方も時代の変遷とともに変化していった様子が展示物を通して分かりましたし副葬品を通して当時の生活を伺う事も出来たりと、当時のファラオや神官などの位の高い人物たちの死生観が表れていたりして仏教とは異なる価値観がありそれを知ることが展示物をみて感じられたのがこの日の収穫でした。24日は金曜日ということもあって苦になるほどの混雑はありませんでした。休日しか行けない方は止むを得ませんが、平日に鑑賞出来る方はその方が無難でしょう。展示会は来年の2月18日まで開催されていますのでまだまだ充分間に合います。関西地区の方々は来年の3月17日から神戸市立博物館で3ヶ月間開催されますのでお楽しみにお待ち下さい。勿論、それまで待てない方は東京まで遠征する価値はありますので是非!人気blogランキングへ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【写真館】東北温泉巡り1東北温泉巡り2[今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1.U2/18 Singles
2006.11.26
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「芸術の秋」という季節真っ盛りの今日この頃ですが、今日は東京都美術館で開催されている「大エルミタージュ美術館展」に行って来ました。野球シーズンの週末は殆どそちらの方にエネルギーを費やしているので、中々落ち着いて「芸術鑑賞」する暇も余裕もありません。しかし、私の趣味の中で美術館や博物館巡りをすることもリストに入っていますのでこの時期にどうしても見に行く事になります。本当は東京科学博物館での「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」の方にしたかったのですが、こちらの方は混みそうなので後日に廻し東京都美術館に変更しました。絵画には詳しくない管理人ですが、世界各地を旅行している際にも時間が許す限り博物館や美術館巡りをしています。世界各地22カ国を旅してきた管理人ですが、ロシアは乗り継ぎのモスクワの空港で1時間程滞在しただけで全くの未踏の地で今後も行く予定はないのでこうした展示会は貴重な機会ですね。専門的に詳しくなくとも絵画鑑賞や博物館での展示物を鑑賞することで心が癒されますね。本当は行く前に少しでも「予習」すれば一層楽しめるのでしょうが、まあその辺はご勘弁下さい。今日鑑賞したのはロシア・サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館の所蔵物の中から、芸術的価値の高い絵画が80点展示されていました。ここの詳しい解説(ここでもどうぞ)は私には出来ませんので上記のHPをクリックしてご覧下さい。簡単に言えばモネ、ゴーギャン、ピカソ、ルノワール、マティス、ルソーなどの絵画が展示されていました。しかしやはり3連休の日曜日という絶好の日でもあり、かなりの混雑であったのは言うまでもありません。野球がなくなると(日米野球、アジア・シリーズはありますが)今度は映画中心になりますが、こうした「文化活動」や「公園散策」の時間が休日の過ごし方の中心になりそう。人気blogランキングへ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【写真館】東北温泉巡り1東北温泉巡り2[今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1.Michael Gonzales/Fire In My Soul
2006.11.05
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