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いつもの大晦日なら、「来年もよろしく!」的なことを書くのだが…というか、たかだか5~6時間前までは、そのつもりでいたのだが…。昨日の「墓碑銘」を書いたあと、日本歌謡界・音楽界の大きな訃報を2つも聞くとは思わなかった。まず、大木伸夫さん。享年88。三波春夫、村田英雄、二葉百合子、天津羽衣のように、浪曲師から流行歌手に転向したお一人で、昭和39年に「涙の酒」をヒットさせている。また「東京五輪音頭」のポリドール盤は、この方が歌っている。どれだけ売れたのかは知らんが(苦笑)。…とはいうものの、この方がテレビで歌っているのをリアルタイムで見たことがない。どういうわけだか、殆どテレビに出演することはなかった。私の手元にある唯一の映像は、昭和58年、テレ東の「にっぽんの歌」に出演したときのもの。後にも先にも、これと昭和37年の『喜劇・駅前飯店』(東宝)に出演している姿しか見たことない。そして今日の午後に飛び込んできた、ショック過ぎる大きな訃報。「J-POPの生みの親」と言い切って過言ではない、大瀧詠一さん急死のニュース。享年65。訃報を知った直後、『年忘れにっぽんの歌』で森進一が『冬のリヴィエラ』を歌っていたのも、偶然とは言え胸に迫るものがあった。この方がいなければ、日本の「ニューミュージック」は全く発展しなかったと言っても過言ではない。そして「小林旭」と「ハナ肇とクレージーキャッツ」の音楽性の高さ、完成度の高さを世間に知らしめたのも、この方の大きな功績の一つであろう。ご自身で歌った「さらばシベリア鉄道」「君は天然色」「幸せな結末」などをヒットさせ、楽曲提供としては小林旭「熱き心に」、森進一「冬のリヴィエラ」、松田聖子「風立ちぬ」、薬師丸ひろ子「探偵物語」など、かなりの名曲を残している。個人的には「お笑い評論家」としての側面も忘れ難く、高田文夫先生と共に「昭和20年代後半~昭和40年代の東京のお笑い」に関しては、この方から学んだものも数多い。特に今から13年ほど前、池袋の新文芸坐の柿落としのオールナイトのイベント「銀幕同窓会」での高田先生との小林旭論は、活字になったものを読んだが、活字でも抱腹絶倒で見事だったのを、今でも思い出す。また「ビバリー昼ズ」で、マニアックな話を高田先生と近いうちにしてくれるだろうと思っていたのに…。解離性動脈瘤での突然の最期…ご家族も大ショックだと思うが、音楽ファン・お笑いファンにとっても、本当に悲しい大晦日となってしまった。お二人のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。追伸…今年の『第46回年忘れにっぽんの歌』の最終のコーナーは、久しぶりに『年忘れ大行進』時代の匂いが(微かにだけど)漂っていて良かったと思う。久々の菅原都々子先生、そして青木光一「男の友情」は平成3年大晦日以来の珍しい選曲で、歌声も良かった。来年大晦日も是非お二人共、ご出演お願いします(笑)。…というわけで、今年一年も当ブログをご覧いただき、本当に有難うございます。来年も何卒宜しくお願い申し上げます。
2013年12月31日
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年末になると思い出す、今は亡き人・去りし人。「去る者は日々に疎し」にならないよう、今年故人になられた方たちに、哀悼の意を込めて。岡本敦郎(歌手 昨年12月28日没・享年88)克美しげる(歌手 2月27日没・享年75)石坂まさを(作詞家 3月9日没・享年71)田端義夫(歌手 4月25日没・享年94)島津伸男(作曲家 5月9日没・享年78)藤沢嵐子(歌手 8月22日没・享年88)藤圭子(歌手 8月22日没・享年62)岩谷時子(作詞家・訳詞家 10月25日没・享年97)島倉千代子(歌手 11月8日没・享年75)神楽坂浮子(歌手 11月20日没・享年75)まずは歌謡界。こうやって書き記してみて、改めて失った方の多さに言葉を失った。それは、自分の中で「死ぬわけがない」カテゴリーに入っていた人ばかりだったからだ。大往生の方々も何人かいるが、それでもあまり大往生に感じない。特に岡本っちゃん、バタヤン、お千代さんの3人は、私が昭和の流行歌ファンになったときから、25年以上見続けてきた人たち。その人たちを見送る時代になり、寂しさ・悲しさもひとしおである。大島渚(映画監督 1月15日没・享年80)井上昭文(俳優 1月28日没・享年85)本郷功次郎(俳優 2月14日没・享年74)光本幸子(女優 2月22日没・享年69)大塚道子(女優 2月26日没・享年82)坂口良子(女優 3月27日没・享年57)西沢利明(俳優 4月11日没・享年77)三國連太郎(俳優 4月14日没・享年90)夏八木勲(俳優 5月11日没・享年73)長門勇(俳優 6月4日没・享年81)五味龍太郎(俳優 8月31日没・享年80)すまけい(俳優 12月7日没・享年78)続いて映画界・演劇界。こうしてお名前を並べてみると、「唯一無二の役者」ばかりが旅立っていってしまったような気がする。そして、訃報の扱いのいい加減なマスコミに呆れて、憤りを隠せなかったのも、忘れられない。三國連太郎氏の訃報の殆どが「スーさん逝く」。そりゃま、確かに代表作の一つになったかもしれんが、「飢餓海峡」「にっぽん泥棒物語」なんかに殆ど触れず終わってしまったのは、テレビの文化程度の低さを露骨に表したような気がする。バタヤンもだけど。笑福亭松喬(噺家 7月30日没・享年62)古今亭志ん馬(噺家 10月7日没・享年55)落語界は東西一人ずつ、まだ若い即戦力を失った。笑福亭一門の味を、余すところなく伝えてくれた松喬師匠。寄席で軽くさっぱり、古今亭の芸を聴かせてくれた志ん馬師匠。2人とも、本当に惜しい。牧伸二(漫談家 4月29日没・享年78)明石寿々栄(俗曲師 8月13日没・享年80)松旭斎菊代(奇術師 12月18日没・享年82)マキシン先生、明石寿々栄師匠のお二人は、比較的うちの近所に住んでおられた方。そんなに数多く高座を見たわけではないが、そんなこともあってか物凄く寂しい気持ちになった。特にマキシン先生の場合は、最期がちょっとね…。納谷悟朗(声優・俳優 3月5日没・享年83)内海賢二(声優・俳優 6月13日没・享年75)高崎一郎(ラジオパーソナリティー 8月10日没・享年82)石田太郎(俳優・声優 9月21日没・享年69)来宮良子(声優 11月25日没・享年82)今年は、長い間慣れ親しんだ「声」を数多く失った。銭形警部も、ラオウも、コロンボも、『レディス4』も、『演歌の花道』も、みんな遠くなってしまった…。今年は他にも、大きな訃報が多かった。大鵬幸喜(元横綱)、鈴木文彌(元NHKアナウンサー)、安岡章太郎(作家)、十二世市川團十郎(歌舞伎役者)、佐野洋(推理作家)、河竹登志夫(演劇学者)、四世茂山千作(狂言師)、相澤秀禎(サンミュージック創業者)、戸井十月(作家)、山内溥(元任天堂社長)、山崎豊子(小説家)、桜塚やっくん(お笑いタレント)、やなせたかし(漫画家)、ユセフ・トルコ(元プロレスラー)、天野祐吉(コラムニスト)、川上哲治(元読売巨人軍監督)、堤清二(作家・セゾングループ代表)、津島利章(作曲家)ちょっと挙げただけで、これだけの凄い方を失ったことに驚いている。今日の日本の文化を造り上げてきた方々が本当にいなくなってしまった1年だった。…桜塚やっくんは、何と言っていいのか分からないが…。皆さまのご冥福を、改めて心からお祈り申し上げます。
2013年12月29日
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私がドージン落語の井上さん経由で親しくなった噺家の、瀧川鯉朝師匠。その鯉朝師匠が、21日から浅草演芸ホールの夜の部の主任を務めている。題して「もうちょっぴり違う寄席」!9月下席の新宿末廣亭の芝居と同様、開演前と中入りに鯉朝師匠が、客席に出てきて挨拶されたり、上方からのゲストが日替わりで入り、お囃子さんが演奏するBGMが(『オブラディ・オブラダ』)中入りで流れたり…。新しい風を寄席の中に取り込む、大胆な企画の芝居。個人的には、非常に素晴らしいと思う。今日は色物ゲストが夫婦漫才のおしどり、上方からの噺家ゲスト枠が笑福亭鶴志師匠。滅多に、上方の噺家さんは東京の寄席で聴けない。まして今日のゲストは上方の本格派、鶴志師匠!というわけで、出かけてきた。桃太郎師匠も文治師匠もおり、東京と大阪の笑いが一挙に楽しめ、久々に寄席を満喫できた!鶴志師匠は堂々たる体格に、ほぼスキンヘッド。パッと見「全く堅気に見えない方」(苦笑)。お顔は知っていたが、どんな感じで落語をするのか興味深く聴きだしたが…。松鶴一門の真髄、上方落語の真髄ここにあり!という、素晴らしい「時うどん」だった。ホント凄い!アクの強い大声のダミ声、豪快なようでいて繊細さも感じられる丁寧な演出。東京ナイズされていない純な大阪弁だったと思うのだが、客全員を爆笑させたのは、物凄く高度なテクニックがあるからなんだろう。…ときどき「はっ?」という言葉もあったが(苦笑)。主任の鯉朝師匠は、柳家喬太郎作の「聖夜の鐘」。昨日と今日のみの限定で、高座にかけたようだ。喬太郎ワールドを、上手く鯉朝風味に味付けし直し、かなり荒唐無稽な噺を、実にさっぱりと分かりやすく演っておられたと思う。…まあ、落語は古典も大半が荒唐無稽だと言われりゃ、返す言葉がないが…(笑)。そういやクリスマスとか言ってるのね、世間は(笑)。トリ後、お囃子さんが高座に登場して「ジングルベル」を三味線で演奏。鯉朝師匠がヨスケで伴奏して、お開き。本当に最後は「寄席らしからぬ寄席」であった(笑)。桃太郎師匠も、宮田陽・昇の漫才も見事だったが、中でも文治師の「掛け取り」は「落語好き」が登場。柳昇・先代正蔵などの声色を聴かせて、場内を沸かせて物凄かった。市馬師匠の「三橋美智也ファン」と双璧の爆笑度合いだったと思う。いや~楽しかったわ。この擦れっ枯らしの異常な落語ファンが言うんだから間違いない。あと2日あるんで、もう一度行けたら行きたいと思っているのだが…スケジュール的にキツイかな?
2013年12月25日
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来店5分で、いきなり「イリュージョン」の会話をされ、私は毎回、絶句していた。このお喋りの私が!まあ、これも「お決まりのパターン」だったのだが。少し経つと、マスターが買い物から帰ってきて、家元の中学の同級生で元東映フライヤーズのピッチャーから、何故か春日八郎御大のマネジャーになった、春日プロの田村友美社長がやってくる。あと加藤さんも。そうなると、家元は喋りにエンジンがかかり出してきて、私たちに様々な話をしてくれた。家元も田村社長も私も、同じ東京・大田区の出身なので、年代は40年ぐらい違うけど、小さい時に遊んでた場所もほぼ一緒。そういうこともあってか、家元は私に胸襟を開いて、テレビどころか「高座で喋ってもマズいだろ」レベルの時事ネタや、芸能人の悪口を聞かせてくれた(笑)。ホントは覚えてること書きたいんだけど、流石に書くと私が殺される(笑)。お聞きになりたい方は、私に直で会ったときに聞いてください(笑)。まあ自惚れで言うが、家元の口から出る固有名詞で、分からなかったのは、往年のプロ野球選手とNBAの選手名だけ(笑)。スポーツわかんないから。歌謡曲・落語・講談・浪曲・映画…だいたいのことなら私は一通り相槌が打てた。私が相槌を打ち、「お前は解ってる」と言われたときの喜びと誇らしさったらなかった。一番最初に褒められたときのことは、よく覚えている。初対面じゃなくてのときで。「艶歌」の常連客で、Sさんというおじさんがいた。Sさんは三橋美智也御大の大ファンで、かなり渋めの歌まで、よく知っていた。私も知ってるけど(笑)。この方の歌声が、まあ三橋御大にソックリ!私の声はバリトンで低いので、「うらやましい~」と思いながら聴いていた。高い声出ないから。で、三橋御大の歌で『僕は郵便やさん』というのがある。昭和32年の歌で、大ヒットとはならなかった歌だが、家元も私も大好きな歌。いわゆる「職業歌謡」。そのSさんが、カラオケでこの歌を歌いだした。私は家元と会話することなく、確か歌の本か何かを読みながら、小声でこの歌を歌っていた。すると突然、太ももをバンバン!と強く叩かれた。「!?」と思って顔を上げると、家元が満面の笑みで私に向かってOKマークを出していたのだ。一瞬理解できなかったが、数秒経って「ああ…」と気がついた。家元が私を褒めたのは「歌詞をフルコーラス覚えて歌っていた」ということだった。家元は、よく本にも書いていたが「好きな歌なら覚えて歌え!歌詞を追っかけて歌うなんざ、絶対に許せねえ!」という考えの持ち主。私は意識したことはなかったのだが、よく考えると大体の歌詞は、フルコーラス暗記していた。そこを褒めてくださったのだ。私は画面なんぞ見ず下向いて、本を読みながら歌ってたんだから。そして家元は「お前だけに演ってやる」と立ち上がり、三橋御大の形態模写をしてくれた。「声は出せねえけど、立ち方はこうだった」と…。マンツーマンで惜しげもなく、私に芸を魅せてくれる。あんなに嬉しかったことはない。そして、これから「マンツーマンでの有難い体験」がますます増えていくのだが…続きは次回。
2013年12月24日
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9月2日以来の続き…ブランク空きすぎだ!一体いつになったら、家元との『艶歌』の思い出を、全て書き終わるのやら…。では本題。06年になってから、私は有難いことに「『艶歌』に家元が来たら、必ず隣でサポートする係」として、必ず中野坂上に呼ばれるようになった。それも、客として呼ばれるわけではない。お金は払うのに、従業員として呼ばれるのだ(笑)。家元と会うときのパターンは、何故だか毎回毎回決まっていた。いわゆる「お約束」ってやつ。「艶歌」というお店は、別に予約制というわけじゃないが、常連客は店に行くとき、マスターの携帯に電話してから行くのが、決まりごとだった。早い話、床屋や美容院の予約だと思えばいい。で、家元はだいたい艶歌に行く前日、マスターに電話をかけていた。すると、マスターから自動的に、私とオフィスM’sの加藤浩さんに電話がかかってくる(笑)。大体、前日の21時過ぎぐらいに…。「もしもし。明日の夕方6時にね、談志さん来るよ」「あっ、分かりました。行きます」「うん、それじゃあね、5時半に来て」ガチャン。…何なんだ(笑)。当時私は、木曜・金曜が休日で、土~水が仕事。家元が「艶歌」に来る日は、私に合わせてくださったわけでもないのに、何故か木曜日が多かった。もちろん、そうじゃない日もあって、そういうときは仕事のシフトを急遽、変えてもらわなくてはならない。私は滅多に、いきなりシフト変更を願い出る人間ではなかったので、私が「シフトを…」と言うと、上司に必ず「談志師匠に呼ばれたの?」と返されてた(苦笑)。そして、いつのころからか、私が急にシフト変更をすることを「談志シフト」と言うようになった(苦笑)。…というわけで、17時半に「艶歌」に着く私。私だって客なのに、台拭きでテーブルを綺麗に拭き、ソファの上の敷きもののホコリを叩き、窓を開けて空気を入れ替え、乾き物だけテーブルに用意。家元が好きな歌のSP盤を、勝手に棚から出してきてすぐにかけられるように下準備。そして店内にCDで、岡晴夫か田端義夫を静かに流し、じっと待つ(笑)。しかもマスターは「おつまみ買ってくるから、留守番お願いね」と近所に買い物に行って居ない(笑)!店の中にゃ、私一人。「家元、お願いですから、マスターが帰ってきてから店に到着してください!」と私は心で念じていた。銀座の「美弥」なら、何人かで連れ立って行ってたと思うのだが、「艶歌」に関しては、家元は殆どの確率で一人で来るからだ。大ファンだけど、1対1は、流石にキツイ!!どんなに短時間でもね(苦笑)。だから上に書いたように念じていたが、その願いは…簡単に崩れ去った(笑)。「艶歌」はビルの2階に入っていたのだが、ホントに18時ぴったりに、階段を上がる足音が。カツ……カツ……カツ……。やはり、天下の立川談志である。足音聞いただけで「来た~!」と分かったものだ。桃太郎や市馬じゃ、こうはならない(不適切な発言、心からお詫び申し上げます!)。ドアが開き、家元が「う~…」と言いながら(笑)、静かに入ってくる。私はソファから勢いよく立ち上がり、大声で…。「ご苦労さまです!マスターは買い物に行ってるのでもう少ししたら戻ってきます!」…親にも上司にも見せたことがない、ハツラツたる動きをしたものだ(笑)。でも、家元は目は合わせてくれるが、挨拶はなし。間違いなく「紋切り型の挨拶」が嫌だったんだろうが、だいたい「…ん」の一言。そして、主語もなく、唐突に話が始まる。「…あのな」「はい!」「この間、病院に行ったんだ。そしたら看護婦がな、俺のこと『松岡さん』って呼びやがる」「…はあ」「だから『…俺は立川談志だ!』って、その看護婦に言ってやったんだ!」「はあ」「なあ、俺は立川談志だよな?」「…そうだと思って、今日も来たんですけど…」リアル「松曳き」である(笑)。来店5分で、いきなりこの会話。「イリュージョン」を直に感じられて、本当に幸せだった。…ホントよ!本当に有難かったんだから(笑)!
2013年12月22日
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友達になる人というのは「感性が合う人」だと思う。同じように昭和の流行歌が好きだって、感性が合う人に出会うのは、滅多にない。…むしろ、敵対する間柄になる方が多い(苦笑)。テメエの個性が強い人ばかりだし、「珍しいSP盤を持っていることが偉い」か、「歌に対する熱情が山程ある人が偉い」か…とか、各々の価値基準があるし。…まあ、どっち転んでも、一般社会で爪弾きにされる人間ばっかしなんだけどね(苦笑)。困ったもんだ。林家たけ平さんと私が親しくなったのは、噺家で昭和の流行歌が好きで…というだけではない。「落語」と「歌謡曲」に対する感性が、かなり近い。これに尽きる。それに気づいたのは、今日のタイトルになっているこの言葉を聞いたときだった。「あっ!この人、考え方同じだ!」と驚いたもんだ。「昔の『紅白』は寄席だった」北島サブちゃんが、今年で紅白出場が最後…という話を最初に聞いたときに、すぐ思い浮かんだことが、たけ平さんのこの言葉。実は今、たけ平さんに頼まれて、昔の『紅白歌合戦』を見返しているのだが、まさにこの通りなのだ。一言で言えば、昔はチームプレー、今は個人プレー…というこった。そもそも、ここ20年(?)は、勝ち負けを決めるようなやり取りが全く無く、無駄に放送時間が長く、伝統的なしきたりを全て無くしてしまい…。どこが『歌合戦』なのか、意味が全くわからない。出場してる歌手も、あんまり勝ち負け考えて出てないような気がする。っつうか、絶対出てねえよな(笑)。「2***年総決算!NHK歌の祭典」という番組名なら「ああ、その通りだな」と、別に憤りは感じない。でも、あんな電波の無駄使いで『紅白歌合戦』の名称は使って欲しくない…とは思う。昔は『紅白』に、確かに寄席の匂いがした。それは「とにかく連携プレーを大事にした」ということ。日頃、自分の思うままにステージに出る歌手の方たちが、『紅白』の枠の中に収まって、なるべく己を殺し、しかしその中で最大限に個性を発揮させていたのだ。『紅白』が歌手に合わせるんじゃなく、歌手が『紅白』に合わせていた、ということ。越路吹雪だって、美空ひばりだって、島倉千代子だって、春日、三橋、村田、フランク、三波春夫だって1人で大劇場を超満員に出来るようなお歴々である。その方たちが「のびのびと自分の思うまま」に歌わず、時間制限や狭い舞台や、三波伸介の大声の声援(笑)に心の中で我慢しながら、見事なステージを魅せるのが昔の『紅白』だったような気がする。三波・村田のように、いつもは不仲な人たちだって大勢いたはず。でも、そういう内面のことは、顔にはほとんど出さず、番組のため、そして紅組(白組)のために一致団結して番組を盛り上げていたわけで。寄席もそうで、時間制限はあるし、高座は小さい。前に出てる人とネタがついていたら、やりたい噺もできない状態になる。思うままに落語をやってる噺家なんて、恐らくだが誰もいないんじゃないかと思っちゃう。それでも見ている人には、次から次へと魅力的な高座が続くわけで、少し落語を聴くのに疲れたら、手品や漫才が入って、非常に楽しい構成なのだ。今の『紅白』は、私には「手を繋いで一斉にゴールして、みんな1等賞の運動会の徒競走」に見える。落語会に例えると、「独演会のリレー」っぽい感じか。大ネタが次から次へと出てくるから、最初から最後まで疲れずに見られる訳が無いもん、誰も。いくら落語が好きでも、一晩で長講を20席も30席も聴きたくはない(苦笑)。ダレるよ~(笑)。歌手が噺家なら、バンドがお囃子さん、応援で出てくるゲストが色物の方…というのが、往年の『紅白』。私は「ベテランを出せ!」とか「懐メロを流せ!」とか、そういうことは言うつもりはない。ただ、NHKが今後も「大晦日は『紅白』に頼りたい」のなら、必ずしきたりは昔に戻すべきだ!とは言う。放送時間は、21時~23時45分までの2時間45分。スタインソングで入場行進をして、審査員を起立させて紹介して、紅組・白組のキャプテンの選手宣誓。そして、紅白各々にバックバンドが入って、生演奏で歌手に歌わせる。私から見れば「当たり前のことを当たり前に」すればいいだけってこと。双方向にすることもなく、せいぜい「リアルタイムで字幕放送を行う」くらいにしておいて、勝ち負けは審査員が決めるだけにすりゃいい。野鳥の会も不要。あと中継先から歌わせるなんざぁ、言語道断である。必ずNHKホールに呼んで、客前で歌わせろ!…これが出来ないなら、向こう何年間かで『紅白』は終わらせたほうがいい。19時15分から23時45分まで、真面目に「今年のニュースを振り返る」みたいな番組をやった方がまだマシだ。かなりの偏向内容だろうけどね。アジアのどこかの国に卑屈になって遠慮して(笑)。「伝統的なしきたりを廃止して、歌手の個人プレーを容認して、ワガママ放題にさせて、今の『紅白』はこのザマになった」ということを、もう少しNHKの上層部は考え直したほうがいいと思う。…というわけで、私は大晦日はテレビ東京を見ます。あれもあれで、昔に比べたら「あのザマ」だけど(笑)。
2013年12月21日
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その1・名優、すまけいさん逝く今から20年以上前、今は亡き逸見政孝アナと北野武の名コンビで人気があった、フジの『平成教育委員会』。この番組史上、最強最大の迷解答を、20年以上経った今でも、私は忘れることはない。Q・「日本三景」とはどこでしょう?A・「谷啓、すまけい、真梨邑ケイ」…腹抱えて、10分ぐらい笑ってたような覚えがある。トカちゃんだったかな?答えたのは。「すまけい」という名のインパクトは、中学生の私に多大なインパクトを残したもんだ。「男はつらいよ」の名脇役として、そして井上ひさし氏の舞台に欠くことの出来なかった名優が逝った。享年78。軍服がよく似合う厳つい風貌で、深みのある演技を沢山魅せてくれた方だった。素晴らしい脇役がどんどんいなくなり、モデル上がりのスットコドッコイが幅を利かすドラマなんぞ…。…いつも、同じことばっか言ってるけどさ(苦笑)。そう言いたくもなるよ。酷えもん!今のドラマぁ。藤原釜足や三井弘次、加東大介や田中春男のような名脇役に、今の邦画・ドラマ界は飢えている。その2・「落語ファン倶楽部」の鼎談が見事な件最新号の冒頭に、たっぷり収録されている鼎談が見事。久々に100%満足できる、紙上トークを読んだ気がした。タイトルは「落語にぞっこん」、山藤章二・中野翠・高田文夫・林家たい平の4人で…って、4人は鼎談でいいんだっけ?…まあ、いいか(苦笑)。その落語好きの方々が、文樂・志ん生・金馬・圓生・談志・志ん朝…というお歴々を語り尽くす内容。談志命の山藤・高田、志ん朝命の中野という色分けが分かりやすく、たい平師の進行(&落語論)も程がよく、読んでいて非常に心地よかった。中身は普段、私がたけ平さんや司や、ドージン落語の井上新五郎正隆さんと話してる内容の「より深いやつ」という感じなんだが(お歴々にすごく失礼だな…)、これは絶品。ここを読むだけでも、十二分に2,000円の価値はある。特に「圓歌最強説」の件は、私と全く同意見だったのが本当に嬉しい。あと「最近の寄席の客」のところも。近いうちに、こういう話を保田先生や井上さんたちとしたいものだ。一杯やりながら(笑)。その3・猪瀬都知事は多汗症?心底、嘘がつけない人なんだな…と思う。自分で喋ってて「あっ、今、すごく矛盾してる」という自覚があるのが、見てて分かるんだもの。「耳から汗が垂れる人」を、私は初めて見たかも。でも、個人的な意見を言わせてもらうと、絶対に都知事は辞職しちゃならないと思う。今、ほかの人が都知事になったら、2020年の東京五輪は、絶対上手くいかないと思うから。別に、都知事の肩を持つわけじゃないけどね。
2013年12月16日
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来年3月15日(土)!…別に「紺屋高尾」か「幾代餅」を演ろうって訳じゃございませんが(苦笑)。吉例のレコードコンサート「昭和歌広場」の第3回目を開催いたします!!場所はご存知、東京・神田神保町のらくごカフェ!今回も前回同様、昼の公演になります。13時半か、14時スタートにするかは、年が明けたら決めますので(苦笑)。そして今回の目玉!私の親友であり、若手噺家のホープ、林家たけ平さんがゲスト司会で来てくれます!…勿論、落語はやりませんので悪しからず(笑)。私の横で、相槌打って曲紹介のお手伝いをしてくれる、ただそれだけ(笑)。我が師、保田武宏先生の軽妙な昭和歌謡史の解説、オフィスM’sの名席亭、加藤浩さんと私の大喜利まで、懐メロマニア4人が一堂に会して、懐かしい昭和の歌と爆笑トークでお楽しみいただけます。内容のお問い合わせ・チケット予約はこちらまで↓CBC01742@nifty.com0ps388121401v2y@ezweb.ne.jpテーマや詳細が決まり次第、ここで追ってお知らせしていきます。大体、おおまかなテーマは決めてますが。来年3月15日(土)の午後は、是非らくごカフェへ!地方の懐メロファンの方も、是非とも東京・神田へ!損は絶対させませんよ!
2013年12月14日
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一昨日、西新宿ミュージック・テイト「夏丸演芸館」、ゲストは、落語ができるアイドル、略して「落ドル」の田代沙織さん(桂歌春師匠の娘さん)だった。沙織さん目当てのお客さんの前で、お千代さん追悼の歌謡ショーが出来るのか…と、出番前は不安で…。ところがどっこい、素晴らしい反応のお客様ばかりで私と夏丸さんの掛け合いも、我ながら非常~~~に上手くいったと思う(笑)。殆どアドリブだったが。沙織さんも落語の腕がさすがで、楽屋で司会の構成を練りながら聴いていたのだが、「子ほめ」をあれだけキッチリ演れるのは、見事だったと思う。ルックスも、口跡の良さも、落語も、本当に素晴らしく綺麗な方だった。次回は2月ですので、また宜しくお願いします。…さて本題。「浮世舞台の花道は、表もあれば裏もある…」私が桃太郎師匠・たけ平さん・夏丸さん・真紅さんの歌謡ショーの司会をするとき、毎回参考にしていたり、あるいはコピーしたりするのは、コロムビア・トップ、玉置宏、宮尾たか志といったお歴々の司会術。ところが上記の方々の調子でやると、若いお客さんは違和感を感じるらしい。というのも、歌謡曲や演歌のイントロナレーションのベースにあるのは、若い年代は『なつかしの歌声』や『にっぽんの歌』ではなく『演歌の花道』らしいのだ。つまり…「抜群の美声といえば、我らが春日八郎さんです!昭和32年にこの大ヒットが出ました!初恋の想い出は新たなる感動を呼んで懐かしく。さあ参りましょう、『あん時ゃどしゃ降り』~!!!」…みたいなのではなく…「…沁みるねえ…今夜も酒が、心に沁みるんだよね…初恋のあの娘…今、どこにいるんだろう…」…みたいなのが、演歌のナレーションだと思ってる人が多いっぽい。結構困るのよね(苦笑)。その『演歌の花道』のナレーションでお馴染みだった来宮良子さんが、先月末に亡くなっていたという。享年82。「そんなお歳の方だったんだ…」という思いがする。確かに、テレ朝の殿の『家庭の医学』のナレーションが変わっていたので「あれ?」とは思っていたが…。私のような流行歌ファンは、ああいうイントロ紹介は正直ダメなのだが、インパクトは素晴らしかった。あの女性だけども渋い声、というのは赤提灯に縄暖簾、カウンターで熱燗…というシチュエーションに絶妙にマッチしていたし、『演歌の花道』が「テレビ東京の看板番組」になった最大の理由のような気がする。昨年の滝口順平さんもそうだが、生まれたときから耳に馴染んだ声が聞けなくなるのは、本当に寂しい。『演歌の花道』だけでなく、『いつみても波乱万丈』や『マジカル頭脳パワー』なんかでも、よくあのお声を聞いていただけに。寂しさも一入である。来宮さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
2013年12月05日
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明晩、久しぶりに司会のお仕事をするので、宣伝を。「桂夏丸 夏丸演芸館VOL.13」場所…ミュージック・テイト西新宿店 店舗内前売…1,500円 当日…1,800円開場…19時 開演…19時30分出演:桂夏丸ゲスト:田代沙織ご予約はこちら↓ サイト http://www.musicteito.co.jp/メール info@musicteito.co.jp明日は、「追悼・島倉千代子さん」ということになり、急遽追悼トークと、お千代さんのヒットを夏丸さんが2曲歌います。私の出番は、エンディングの10分ほどと思いますが(苦笑)、是非ともお出でいただければ幸いです。たくさんのご来場、心よりお待ちしております。
2013年12月02日
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