『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録 48
ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選) 21
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冬至の連続講座 成熟時代のキーワード=お客様を育てる~2012年7月号会報から・・2 成熟時代のキーワード=お客様を育てる2-1 お客様を育てる 美味しさという食文化を育てる 美味しさには、本当の美味しさと利用シーンに応じた美味しさがあります。本当の美味しさは頂点の美味しさです。利用シーンの美味しさというのは、多くの人は常に完璧なおいしさは求めず、時間や費用、雰囲気やその人自身によって使い分けるものです。その場にあったおいしさが利用シーンのおいしさです。 例えば、家電製品を例に見ましょう。オーディオの機器は、プロ用の頂点の商品はかなり高いレベルです。音も最高で臨場感も違います。しかし、そこまでのレベルを、CDを聞く人が必ずしも必要であるわけではありません。様々な機能や性能が付いていたらそれはそれでいいですが、一般ユーザーは音楽を聴くくらいなのでほとんどの機能や性能使いません。そのために、対価にあって、ある程度市場性があるスペックに機能や性能を“削り”商品として投入します。消費者にとっても、必要な機能や性能に絞り込むほうが使いやすいです。 食べ物も同様です。利用シーンの多くは完璧なものは求めていないので、その都度、必要なおいしさをお客様が選択をしているのです。前回、美味しさに関して文化の階段というお話をしました。美味しさには、まず満腹中枢を満たすという万人共通の土台があります。この土台があって、各場面で、必要な美味しさの要素をオプションとして選択します。 例えば、マスコミで取り上げている情報、見た目がわかりやすい何かがある、トロや鮑など誰もがわかるグルメ食材を使っていると、単なる“餌”も立派に見えます。この三つを上手に組み合わせているのが「俺のイタリアン」です。「俺のイタリアン」は三大珍味、大きなフォアグラを低価格でドーンと載せ、メディアの露出を高めています。「美味さ」は多種多様で個別的でバリエーションがあります。育った環境や、食体験、旅行、社交で多様性(既知)を身に着けます。多様な価値観があれば、楽しみかたにもバリエーションがありますが、利用者自身に多様性がなければ、限られた“満腹中枢の刺激”という餌性で美味しさを感じるのです。 したがって、美味しさの設計時に、ターゲットする客層が利用シーンや利用タイミング、利用頻度や利用時間など、諸々の要素を考慮して、どのような美味しさを求めている人なのかをしっかりみきわめて、メニューに落とし込まないといけません。そして、長い付き合いの接触の中で提案して、おいしさの多様性を身に着けていただきます。これが、美味しさの教育です。実は、生涯顧客づくりの重要なポイントはこの美味しさの多様性(多くの既知)を作ることです。餌という部分で食事をする人は美味しいと感じるストライクゾーンが非常に狭いです。おいしさの多様性がないからです。 しかし、いろいろな食事を体験していくことによって、美味しいと感じるものが多様化していけば楽しみも増えます。店は接触する機会の中で新しい価値観を提供するのです。例えば、アメリカに行くと美味しいものが出てこないとおっしゃる方がいます。確かに日本で食生活していて日本で食べているものが、アメリカでは全く違いますから、自分の持っている価値観からしてみればアメリカの食事は美味しくないということになりますが、アメリカ人もそういう風に感じているかもしれませんね。しかし、アメリカに50回も100回も行ったらどう感じるようになるでしょうか?私のように海外視察に100回も行きますと、「さすがにこれは合わない」というものがありますが、それはそれで楽しむことができるようになっていきます。これが、接触回数が増えて美味しさの多様性が身についていくからです。お客様の教育とは、多様なものを受け入れ、いろいろなものを楽しめるようにすることです。狭い生活をしているのはつまらないですよね。そういう潤いにつながっていくことを提供するのです。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】 【中古】afb
2022.12.28
冬至の連続講座 事務的な接触~2012年7月号会報から・・1-2-4 事務的な接触 たまにしか来ない薄く繋がっているお客様に「最近来ていませんね」といった熱い手書きのハガキを出しますとお客様はズシーン!と重く受け止めます。逆に、宛名ソフトを使って印刷したラベル貼って送ると、送り手の強い作為を感じません。理由は、流れ作業でやったように見えるからです。そうすれば、もういい人は来ないですし、ただ単に忘れて、選択肢に上らないだけの顧客は首の皮一枚でつながっていたことを感じ、積極的に店と接触してきます。 事務的な接触は接触を通して、思い出してもらうために行います。そのときに、楽しかった思い出をしっかり思い出すといいですね。大久保一彦の本文豪ナツメは料理人が嫌い 1[本/雑誌] (ヒューコミックス) / 久部緑郎/原作 松本渚/漫画 大久保一彦/取材協力
2022.12.28
冬至の連続講座 自然な接触~2012年7月号会報から・・1-2-3 自然な接触 自然な接触というのはお客様自身に忘年会や行事などの潜在的なニーズがある時期に接触をすることです。例えば12月の声をききますと、多くの人は何らかの形で忘年会や宴会をやろうと思っています。もしかしたら、忘年会をやらねばならないとすら思っているかもしれません。そういう時期に店からハガキが来ても、お客様は自然に感じます。この場合、ハガキに魅力的なオファー(魅力的な宴会プランやクリスマスメニューなど)があると、「あぁクリスマスここでいいかな」と自然に思えるわけです。 逆に言うと、店が一般的に暇な時期に無理やり「半額フェア」のハガキがきたらどうしょう?お金を使うことが自然な時期でない場合、お客様は接触に対して、なんらかの不自然さを感じ、警戒します。つまり、お客様に潜在的なニーズがない時期に接触をすると違和感を覚えます。売ろうとする作為を強く感じます。これが不自然な接触です。 思い出しハガキを出すときは、さらっと受け流せるようなものにしておかなくてはなりません。例えば、「何周年」というような必然性を感じる要素が必要です。そのため、自然な接触をするためになるべく秋だったら秋らしい限定のメニューを考えたり、その時期の2週間しか出さないきのこのメニューを考えたり、なんらかの形で自然さを演出しなくてはなりません。自然な接触の大切さは接客でも同じです。お皿を一度下げたり、灰皿を交換したり、接触を自然にしてから「お代わりをいかがですか?」すれば、追加オーダーを思わずしてしまいます。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.28
冬至の連続講座 これからの外食産業の方策「集客」から「増客」へ お客様を失う(失客)わけの四つのタイプの正体と対策~2012年7月号会報から・・お客様を失う(失客)わけの四つのタイプの正体と対策 お客様を増やすためには、お客様を減らさないことがまず大切です。お客様を失うわけをみていきましょう。 お客様を失う理由にはいくつかあります。(1)不満足成長期においては絶句するような失望、成熟期においては予想(過去の経験による基準)以下のサービスによる不満足です。不満足を防止するためには、見込み客が必要と考えている価値基準にあった最低ラインのオペレーションを構築しなければなりません。(2)習慣化する前に忘れる「初回来店時にはとても気に入った」はずですが、店への訪店が習慣化する前(選択肢に入る前)に忘れてしまう場合です。初回来店からお客様との信頼関係を築くためには、“善の心”が重要です。(3)飽き「満足なんだけれど飽きてしまった」です。多くのお客様は、最初に目に見える、わかりやすいもので店に魅力を感じ来店を続けます。 しかし、わかりやすいものですから、すぐ飽きます。わかりやすいものは、わかりやすくて伝わりやすいのでお客様を引き付けますが、飽きるのも早いのです。一般的にわかりやすいもので集客をかけて初回来店客をリピーターにしたとしても、飽きられてしまいます。そのため、新規客が望めない今の時代、単純に目に見えるものだけを売る商売をしている店が厳しくなっています。見えるもの代表が品揃えです。市場の成長期においては、どこかでやっていることをパクることが早道でした。 しかし、これからの時代、単なる品揃え発想では、店は長続きしません。品揃えのような目に見えるものでお客様をずっと引きつけることはできません。すぐに、飽きられてしまいます。これからの時代は、共感し心に訴えかけるものがないと厳しくなります。見えないものを売ることが飽きられないために重要なのです。キーワードはPE(Public Engagement)です。つまり、共感をもとに結ばれた関係を作る。これをもとに一体化したコミュニティを作る。こういう終わりのない未来に一緒に向かわないと飽きるという部分は否めないでしょう。だから、ウォルト・ディズニーは「ディズニーランドは完成しない」と言ったのです。共感しあうために重要になのが、「品揃えを売るな、心の糧を売れ」です。想いや “理念”やミッション、ビジョンという“共感”できるもの“をもとにビジネスを組み立てる必要があります。(4)選択肢から外れる(忘れる) 飽き→来店のインターバル→忘れる→選択肢から外れる(マインドシェアが無くなる)最後の要素が、自然消滅です。これが一番の難関かもしれません。せっかく気に入って、店に通うような人間関係を築いたにも関わらず、飽きてこなくなると、忘れてしまいます。忘れるということで築いた関係が自然消滅になります。お客様が店に来なくなるのは店が悪いわけではありません。店の開店があまりにも多い時代、次々に店の情報が飛び込んでくるため、お店としての情報鮮度を保つことが難しくなっているのです。昔は流行っていたのだけれど、今は流行らない言うことが顕著になってきているのです。そんなお店がどんどん一気に衰退してしまうのは、この(4)の忘れるということが引き金なのです。お客様が忘れないために、大切なことはお客様と何らかの接触をすることです。特に、最近、私が重要だと明確に言うようになったのは“自然な接触”と“事務的な接触”です。友達関係には友達関係にふさわしい接触。薄い関係だったら薄い関係なりの接触というのが私の持論で、これがこのふたつの接触の意味するものです。薄い関係となった顧客と自然な接触ができるのがハガキです。ハガキには年賀状のような思いだし効果のみを狙った自然な接触と「お金頂戴」ハガキ(俗に言うDM)による接触があります。 お金頂戴餌ハガキによる接触とは、セールス色を出すハガキです。餌をぶら下げて、「(このケチ野郎、)激安にしたから来い!」という強引な接触をするもので、ハガキ代の元をとろうという姿勢がそうさせます。これは突然、何十年ぶりにかかってきた同級生の電話のようなもので、怪しい香り(売りが強い)を感じるのです。 逆に、綺麗な可愛らしいハガキを作って、宛名も手描きでなく、ラベルにして、ふさわしい時期にタイミングを見計らいさりげなくコンタクトをします。そうすると、「そうだ最近レストラン大久保に行ってないな」思い出します。お客様が来なくなったのが単純に忘れたであればこれで十分です。また、「いつもハガキを送ってくれるな」と印象が付き、年末宴会シーズンのコンタクトで、「あぁ、またレストラン大久保から連絡が来ているな。じゃあ(忘年会シーズンだし〇〇と忘年会やるか、予約してみるか」というよい流れを作る可能性があります。 強い接触しすぎると飽きてしまいます。そして、接触しなさしすぎると忘れてしまいます。このお客様との接触の設計は、非常に重要です。お客様を増やすのも失うのも、接触の設計にかかっています。皆さん、お客様との接触をしっかり設計してください。大久保一彦の本【中古】 いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか/大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.28
冬至の連続講座 これからの外食産業の方策「集客」から「増客」へ~2012年7月号会報から・・1-2 これからの外食産業の方策「集客」から「増客」へ1-2-1 生産年齢人口の激減で見込み客が激減・新規客が望めない時代の対応 ついに、生産年齢人口の激減で将来の見込み客が激減し、新規客が増えない時代がやってきました。多くの労働者は大学や高校を卒業し、就職をすることで収入を手にし、そのお金を生活費や遊興費など諸々に使うわけです。もちろん外食も諸々の中に入っています。したがって、生産年齢人口が激減すると経済に大きなダメージを与えます。だから、国もあせって、人口減少の対症策=輸出という発想になるのです。 また、このような経済下、企業も新規雇用を抑制していきますので、仕事の数自体が減り、学校を卒業しても就職できない人が増えてきています。これもまずいです。就職をできないと、アルバイトが増え、トータルの可処分所得は低くなります。また、定職につかない人も増えるでしょう。これ自体もまた大きな痛手です。厳しい環境を生き抜くために、みんながやっている人件費の抑制。これが、経済にさらなるダメージを与え続けます。 負のスパイラルにある環境下では、今来ていただいているお客様、あるいは、店を営業していて来ていただいたお客様は虎の子です。目の前にいるお客様とどう生涯つきあうことができるか?それが、これからの時代の重要なテーマとなります。 当然、今までのような、何としてもお客様を入れようということで、極論ですが、ハッタリかましても入れた者勝ちだというありがちな考え方の持ち主は退場することになるでしょう。右肩上がりの時代の “新規客至上主義”は時代遅れの死語になりつつあるのです。では、どのようにすれば、目の前のお客様と生涯、付き合い続ける関係となれるのでしょうか?おそらく、便利屋ではないですよね。 答えは、バランスのとれた人間関係です。私が近江商人の三方よしをここで持ち出し、深化させ「四方よし」にした理由がここにあります。 そして、この絶妙な関係を保つために必要な要素が、共感できるものがあるかないかだと思うのです。理念経営やミッション、ビジョンや想いは共感を産み出すために益々重要となるでしょう。共感が生み出されれば、お客・お店、あるいは、売り手・買い手、という従前の対立関係を打破することができます。そして、長く付き合うパートナーとして、損得勘定よりもバランスを重視するでしょう。そして、生涯、つき合うパートナーとして成長しあえるのです。これが、私の書物にも書きました「善の循環経営」の精神です。そのために、初回来店時から生涯つきあうことを前提に、現場を信頼構築ができるような方向性に組み替えていかねばなりません。だからこそ、単に「新規客が重要だ」、「新規客をいっぱい入れよう」、「見込客にわかってもらおう」などと集客ばかりを考えるのではなく、長期的な関係の中でどういうふうにお付き合いをしていったらお互いの関係がより良くなるか、お互いにとっていいかということを考えなくてはならないのです。次に、「お客様を増やすにはどうしたらよいか」という要素を掘り下げてみましょう。大久保一彦の本誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2022.12.27
冬至の連続講座 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題 情報の大衆化~2012年7月号会報から・・1-1 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題外食環境の三重苦1-1-3 情報の大衆化 さらなるパラダイム転換を必要とされる要素が、“情報の大衆化”で、これは外食産業に相当深刻な事象で、この大きな変化がまさに生き残る飲食店かどうかのふるいにかけています。 情報の大衆化というのは、コンピューターの普及やネット環境が整い、誰もが簡単に情報を入手できることです。特にスマートフォンの普及で、みんながコンピューターを持ち運んでいるのと同じ状態になってしまったことは大きいです。インターネットへのアクセスが誰でも、どこでも簡単にできるようになってしまったので、昔と違い、お客様がお店選びを新規でする時に、簡単に情報を入手できしるのです。しかし、情報は氾濫していいますので、限られた時間で調べる以上、無難で安心感のある情報を選ぶようになります。 ちなみに、無難で安心感がある情報とは、売り手が一方的に流す情報や広告ではなく、利用者の声(食べログのようなSNS)や信頼のおける発信者の情報(オウンド)となります。おまけにコンピューターを持ち運んでいるおかげで、お客様の側から情報を流せるようになってしまいました。「食べログ」などは代表的な例でして、お客様がそのお店に行った感想を書き込んでしまいます。書き込んでしまうと、少なからず経営の影響を受けてしまうということが起こっています。コンピューターの普及は非常に大きな問題だということを半年間にわたって解説をしてきました。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 大久保一彦/著
2022.12.27
冬至の連続講座 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題 再来店率の低下~2012年7月号会報から・・1-1 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題外食環境の三重苦1-1-2 再来店率の低下 “再来店率の低下”、特に初回来店のお客様の再来店率の低下も深刻です。初回来店のお客様が再来店しない理由が、ほとんどの場合、不満足が原因ではありません。したがって、やっかいな問題です。 基本的な原因は、需要と供給のバランスの崩れにあります。人口が伸び、経済成長が進んでいる時は需要の方が供給よりもはるかに多かったです。しかし、人口が減少局面に入り、明らかに供給の方がはるかに需要より多くなり、その店に執着する必要がないのです。というのは、こういう時代ですから店が次々とオープンし、お客様に飲食店から情報が次々と投げかけられます。情報に接する機会が増えると、よっぽどのことがない限り、あえて同じ店に行き続ける必要性が薄くなります。 また、食べ歩きがこれからレジャーとして位置づけられると更に再来店率が低下します。あえて同じ店に行き続ける理由が必要な時代なのです。 では、敢えて行く理由を考えてみましょう。まず“近く”にあり、利便性が物理的に高いということです。次に、他に代わりがないということです。そこに行かなくてはならないということです。少なくとも言えるのは、店がものすごく増えたことで、あえて遠くに行かなくても近場のお店で済む場合が多くなりました。(小商圏化) ちょっと冒険して遠くのお店に行ったものの、あまり変わらないということになってしまうと、結局近いお店に戻るということになります。昔ですと、20分から30分の距離ですが、遠くからお客様が来続けてくれるのが10分圏のお客様しかこないということが起こっています。そうなると、今までの考え方や経営方法を変えなくてなりません。今までは人口が増えていましたから、新規客至上主義をとってきました。しかし、新規客が再来店するには何をしなければいけないのか、これからお話していきます生涯お客様としてお付き合いして行くために何をしなくてはならないのかということを考えなくてはならないのです。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.12.27
冬至の連続講座 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題 小商圏化~2012年7月号会報から・・1-1 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題外食環境の三重苦1-1-1 小商圏化 “小商圏化”とはお店の数が増え、各店舗が見込み客を吸引できる範囲(商圏)がどんどん小さくなることでした。この小さな商圏の中に様々なお店が増え、それぞれの店が工夫を凝らしており、ほとんどの日常的な用件なら消費者はあえて移動しなくても、5分~10分圏で済ますことができようになっております。さらに少子高齢化*人口減少の時代ですから、マーケットにお金を使うようになる学校卒業後のニューカマーが供給されない時代に入っており、当然、将来の見込み客自体も減る一方です。小商圏化という事象がお店に大きなダメージを与えていくのです。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! / 大久保 一彦 / 三笠書房 [文庫]【宅配便出荷】
2022.12.27
冬至の連続講座 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題~2012年7月号会報から・・1-1 2005年以降の成熟期に入った外食産業の課題 人口増加に支えられたこれまでの外食企業が曲がり角になり、M&Aと入れ替え戦が始まる外食環境の三重苦小商圏化 ~競争激化、オーバーストアで商圏が縮小利便性需要の見込み客が激減再来店率低下 ~特に初回来店 初回来店時の満足度強化 ⇒善の心(後述)、サービスでの差別化(後述)同じ水準の代替えはいっぱいあるつねにコンタクトを取らないと自然消滅する情報の大衆化 ~インターネットの家庭普及、スマホの普及で 情報が外出先でも選べるようになった お客様が情報発信を自由にできるようになった大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afbなお、大久保一彦の『四方よし会員』にご入会ご希望のかたはお気軽にどうぞ
2022.12.27
大雪の連続講座 その37 右肩上がりの時代に忘れたもの その2 ~過去の会報 2012年5月号より右肩上がりの時代に忘れたもの その2 最近、ロールプレイングをするときに掘り下げることがあります。トヨタの5W(“5なぜ”)のような質問ですが、みてみましょう。大久保: オリエンテーションが終わり、新人さんが現場に来ました。 新人さんが初めて入ってきたら、どんな業務をしますか?クライアント: 洗い物ですね。大久保: なぜ、洗い物をさせるんですか?クライアント: それは・・(中略)大久保: 次にどんなことをやってもらうんですか?クライアント: お運びです大久保: どんなお運びをしてもらうんですか?クライント: レバ刺しとキムチを大久保: どうしてレバ刺しとキムチなんですか?クライアント: 説明がないからです このやりとりを聞いて何か感じませんか?ヒントはサービス業であることです 答えはレバ刺しやキムチがドリンクを出したあとのファーストコンタクトである重要な瞬間であるのに、作業が簡単だから新人に任せていることです。これではサービス業にはなりません。もしかしたら、レバ刺しの事故もこのようなレバ刺しの提供を軽んじたために起こったのかもしれません。 そこで、さらに質問を続けます。大久保: キムチの提供のトレーニングってどうやって行うんですか?クライアント:テーブル番号を覚えてもらって、最初は私が手本を見せて、近くで数回見ながらやってもらいます。大久保: えっ?それだけですか?クライアント: (それが何か・・)大久保: 例えばこの4名テーブルで4名でお座りのお客様にキムチを運ぶときに、 どの位置に立ち止まるんですか? で、どんな表情で、どんなしぐさで、どんな言葉をかけるんですか?そうなんです。実は、多くの店で、新人はサービスについて何も教わっていないのです。ただ、“やってはいけない”ルールを主に教わっただけなのです。 飲食店において多くの人は、教えるというのは難しい業務を教えると勘違いをしています。しかし、接客は技術なのです。 テニスの指導者ならフォアハンドを何度も何度も繰り返すように、野球の指導者なら練習前にやるキャッチボールや素振りのように“基本のき”をやらせますよね。しかし、飲食店の現場では、サービスマンになろうとしている初心者のパート・アルバイトに、いきなりしっかりとした練習もせずに“OJT”と称し試合をさせていることがほとんどなのです。つまり、多くの現場では簡単な作業と称し、無理やりアドリブでいきなり試合をさせているのです。アドリブはある程度基礎があって成立するわけですが、挙句の果てには、“仕事ができないヤツ”とレッテルを貼り、つらい仕事をさせ続け退社に追い込みます。そして、自分が悪いにも関わらず、「人が定着しない」、「いい人が来ない」と嘆き、日々、仕事に追われる現場にしてしまうのです。 私が現場指導に入る前、「なぜ、キムチにそこまでこだわるのか?」と疑問を抱く経営者や店長がいるかもしれません。しかし、実際に現場に入り、業務を進めていくと私がなぜ、キムチにこだわるかを理解していただけます。焼肉店において、キムチの提供のような単純そうに見える業務こそ、入社して間もない新人スタッフに徹底的に教えるべきことと考えています。 つまり、「はい、キムチ、簡単」という考え方と、「キムチの提供って一番難しいんですよ。お客様に一番最初に提供するお料理だから、想いを込めて提供しなければいけないのですよ」という考え方では、新人スタッフに伝わる思いは全く違うものになります。これが徹底的の意味するものです。 実際、店のオーナーさんや店長が“想い”という言葉がよく使いますが、現場でお客様に対するサービスに落とし込まれているかというと、そうではないケースを多くみかけます。 最近、「私が現場に入ってお手伝いしよう」と思ったのは、ここまでしつこくこだわってロールプレイングができるという人財が現場のスタッフにはいないからです。効率化の時代にこのようなことは大切でないと思われるようになったのでしょう。 キムチの提供のような業務は野球で言えば、素振りやキャッチボールのような位置づけです。中途半端に上手な高校球児はキャッチボールを一生懸命しませんが、プロの一流選手になればなるほど素振りなど基礎練習をすごくします。良いサービスは心と技とチーム力が必要ですから、この「なぜ基礎練習をするのか」を理解して、基礎を極めることがこれからの時代はとても大切なのです。もはや、一流でなければ、利便性を軸としたチェーン店に飲み込まれる時代なのです。もし、皆さんがこのことに共感して、こういう方向でやろうということを決めたとするなら、とことんまでこだわって欲しいのです。これが今月の今はこれをやれ。想いを明確にして、とことんまで追求していただきたいのです。 いよいよ入れ替え戦が始まりましたが、皆さんのお店がさらに発展して、10年、20年先もしっかりとした足が踏み出せるように頑張っていきましょう!
2022.12.15
大雪の連続講座 その36 右肩上がりの時代に忘れたもの ~過去の会報 2012年5月号より右肩上がりの時代に忘れたもの 最近、私は、未来に向かって十年、二十年、五十年と続く店を作るために、店の向かうべき方向をファシリテートさせていただき、その具現化のために、ロールプレイングを通して店の様々な部分を再構築させていただいております。その時に、「私たちコンサルタントは右肩上がりの時代を経験したために大切なことを見落として来たな」とふと思うことがあります。 それは、サービス業の本質的な部分です。見落としてきたサービスの本質的な部分とは、サービス業は心を売るおもてなし業であることと、技を通してサービスを行う職人的な要素です。確かに、右肩上がりのチェーンストアのように、ターゲット層のニーズを逆算し、接触回数や接触時間を最低ラインにし、標準化を行い、不満をおこさないサービスにすることが良かった時代はありました。しかし、そのようなサービスを削ってニーズを生み出すやりかたは、心を売るおもてなし業という性質と、技を通してサービスを行う職人的な性質のプライオリティを下げ、高級店を除いて、多くのサービスマンをダメにしてしまったように思います。 サービス業というのはお客様に心地よいサービスをして喜んでいただくという付加価値を売るものです。マーケティング志向が強い時代でしたから、削るという方向に進みましたが、これからの時代の方向からするとむしろ逆で、足していかなければいけなかったわけです。この足す経営の背景にあるべきものが想いなのだと思うのです。私は、この点を痛感したのです。 参考までにサービスを削ることを是とした時代に急増した現象を列挙します。サービスを削る時代に急増した現象・お客様との接触回数、接触時間を減らすことで生産性の向上、 不満になる要素を無くしマニュアルによる訓練で多店舗化を実現した。・時間で働くパート・アルバイトが主体になったので、時給意識は高くなったが、 プロ意識が無くなった・パート・アルバイト主体になり、店を回すことが主体になり、サービスの質より、 効率重点に考える人が多くなった・人手不足なり、作業を教えることに終始する現場が増えた・飲食店はつらい職場だと考える人が増えた大久保一彦の本【中古】 いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか/大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.14
大雪の連続講座 その35 市場が成熟してお客様が感じる価値は形の見えないものに ~過去の会報 2012年5月号より市場が成熟してお客様が感じる価値は形の見えないものに 一見すると、供給可能なものは掘り起こされたと思われがちで、商売を悲観的に考える人が多いです。それが、冒頭の「これからの外食産業はどうですか?」と言う悲観的なニュアンスの質問です。しかし、実は外食産業は大いなる可能性があったのです。 その答えは、理屈を超えた中にあり、般若心経で「色即是空、空即是色」という言葉がありますが、この言葉がまさに答えです。これからの価値はものや商品のように形として見えるものではなく、心を楽しませてくれたり、共感したりといった形のないものに価値は宿るということです。 これからの時代求められるものは目に見えない“価値観”になったのです。今までは、ものや商品など目に見えるもの自体が価値で、「流行っているものをパクれ」と言う経営者やコンサルタントが全盛の時代でしたが、そのようなやりかたでは最大手でないと商機は見出せなくなりつつあります。そうなんです!これからは“目に見えない価値観”が提供できて、店は繁栄できる時代になったのです。消費者もそのような店であれば、喜んで高いお金を払う時代になったのです。したがって、このことに気づいた、ものの豊かな時代に生まれた人間にとっては始まった入れ替え戦が面白い時代なってきているのです。 いろいろな店をお手伝いしていて、同じものを売っていても、物を通して“心”を売っている店の業況は極めていいです。付加価値を生み出すものは何かというと、料理のようなものや商品ではなく、その物の背景にある想いであったり、心であったり、共感を与えるものになってきています。そこで、今月お伝えしたいのは、「どうしたらお客様の共感を得られるかを考えましょう」です。今までの連続セミナーでミッションやビジョン、想いなどのお話をさせていただきましたが、今月は4月ですので、もう一度この部分を見直して、それをどう伝えていくかを考えます。 売るものは同じでいいのです。これからは新しいものを考えよう、なんてことは考えなくてもいいです。何故かというと、もう誰かが売っている場合がほとんどだからです。そうではなくて、同じものを売っているのですが今までの店とは違うことがお客様に“伝わるかを考えましょう。その違いを生み出すのが、売っている背景です。わかりやすく表現するならば、“想い”を持って商売をしなければいけないという時代が来たのです。この新しい商売のやりかたに向けて一歩足を踏み出していただければと思います。大久保一彦の本【中古】 繁盛の天才 2時間の教え 127人の店長を成功させた /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.14
大雪の連続講座 その34 大逆転の時代到来、その活路は? ~過去の会報 2012年5月号より大逆転の時代到来、その活路は? 第二次大戦後しばらくは食べるのもままない時代でしたから食べ物・衣類を充足する時代、すなわち物の充足の時代でした。そして、1970年初頭、日本が少し豊かになるとそこから右肩上がりでバブルまで外食産業が発達していくわけなのですが、それはレジャーとしての外食が発達したわけです。バブルが崩壊しても外食の市場規模の拡大は続きます。ただし、そこからは「レジャーを身近に」から始まる外食の日常化のマーケットの発達でした。さらに、1990年代後半からは利便性のマーケットが拡大します。これらはすべて、戦後の二度のベビーブームによる生産年齢人口の激増にあり、学校を卒業して、収入を得る新卒者が商売の見込み客として供給され続けために、あらゆる産業にチャンスがありました。いわば、供給より需要が多かった売り手市場だったのです。これは歴史的にまれなビジネスチャンスだったのです。 しかし、2005年ぐらいから人口減少が始まり、需要と供給のバランスが完全に逆転、それまでの人口増加の時代の前提が崩れ去ってしまいました。 今まででしたら必ずどこかに需要があって、その需要を掘り起こすことで商売はうまくいくことがありました。したがって、たまたまやったことがあたってしまうということはままあったのです。しかし、2005年ぐらいから、外食産業に限らずどのマーケットも、需要よりも供給の方が多くなり、力のあるものは繁栄して、力のないものは全くなんともならない状況になりつつあります。厳しくなりますから、なんとかして需要・ニーズがあるものに目を向けようということで、マーケット・イン志向が強まっています。私も常々小商圏化への対応などと申してきましたけどもニーズに向けて皆がやっきになっています。 ところが、生産年齢人口の激減が顕著になった2010年になり、このニーズという可能性もだいたい掘り起こされてしまい、潜在的なニーズは少なくなりつつあります。現に、消費者にとって欲しいものはだいたい世の中にあり、見つけたとしても、形で見えるものは大手が真似してしまい、それで長期的にやっていくことは困難になりつつあります。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.14
大雪の連続講座 その33 接客台本 ~過去の会報 2012年4月号より接客台本 接客台本には立ち居振る舞い、セリフ、仕草、表情、声の大きさやトーンを詳細に書いてあります。惣菜店やラーメン店のクライアントが多い私は、実はこれまでロールプレイングをするときに接客台本を作ったことがありませんでした。とある客単価1万円以上ののお店の現場を預かることがあり、ロールプレイングをする機会が訪れました。そして、これまでのマニュアルを使ったロールプレイングの限界に気づきました。「これは台本がないとうまくいかないな」 そこで、アンドワークスの加藤さんに電話をして、「グローバルダイニングのロールプレイングには接客台本というのはないのですか」と聞きました。加藤さんはあっさり、「いえ、台本ありきです」というお答えが返ってきました。「やっぱり、演劇の世界の練習と同じなんだ」と私は思いました。それから接客台本について注目しまして、加藤さんと接客台本の本を作ろうという事で動いています。しかし、なかなか出版社の方がマニュアルと勘違いされて理解されません。これは課題として、ぜひ実現させたいと考えています。加藤さんと打合せしていて接客台本にどんなことを書くべきかを打ち合わせしています。重要なことは、表情・仕草・声のトーンだそうです。 例えば、マニュアルに「いらっしゃいませ」と書かれていたとして、それがすごく元気のいい「いらっしゃいませ」なのか、丁寧で落ち着いたトーンの「いらっしゃいませ」なのか、スタンスによって全く異なってしまいます。 間の悪いサービスは、間の悪い声のトーンで接客しますし、間の悪い表情でサービスをします。なぜ、そういうことができないかというと、そういう練習をしていないからです。このような場面は、いい時間帯でいい雰囲気のお店が、居酒屋のような「いらっしゃいませ~!」なんていうのはおかしいです。アイコンタクトで近づいて、落ち着いた声のトーンで「いらっしゃいませ」と言われたほうがスマートです。店はかっこよさやスマートを求めていたら「喜んで~」という声のトーンはなくなります。 そういう場面ではこういうことをするというのを台本があって、理解して、演技して、練習を繰り返し、量稽古をして、自然に出るようにしなければなりません。みなさんの店は自然にそれができるでしょうか?皆さんのお店の人が高校生だからといってたどたどしい接客をしていないでしょうか?それは練習不足です。お客様が入っていない時間に練習をしていないからです。それでは、できません。その子達も真面目なのかもしれませんが練習はしませんよね。必要だから勉強するという域の世界になってしまいます。勉強できる人は、必要以上に勉強をしているので、勉強をしなくて済むという人が多いのです。勉強に対してプロフェッショナルということなんです。 サービスも同じです。練習なんていくらでもできます。よく暇だからと、レーバーカットで早く帰している店を見ますが、必要以上に人を揃えないというのは経費削減にはよい方法かもしれませんが、その時間を有効に使いお客様を増やす攻めのお金として使う方法があります。 お金をいただくのですから、なぜサービス力で「(この店は)違うな」と思わせようとしないのかなと、わたしは思ってしまいます。一人で店が回るなら3人で個室があるお店で練習したら接客が大きく変わると思います。大きく変わると、お客様は「店を間違っちゃったんじゃないか?」と思うぐらい驚きます。だいたい売上の伸びない店は普通だったり、最悪なサービスだったりします。 接客台本はお客様と接触するところに必要なわけですから、予約から始まり、入口でのグリーティング、お出迎え、注文、中間サービス、お会計、お見送り、お客様と接触する際の台本としてしっかり設計をして、台本精度を上げて、量稽古をして、すばらしい店に変えていただきたいのです。そのためには、一日中営業するのもいいですが、練習してはどうでしょうか?素振りもしないでホームランは打てません。やはり練習です。それが実は一番の早道です。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.14
大雪の連続講座 その32 接客台本とロールプレイングについて ~過去の会報 2012年4月号より接客台本とロールプレイングについて ロールプレイングをうまく運用できないという人は非常に多いのです。何故うまく運用できないかというと、漠然とやっているからです。漠然とやっているサービスは漠然としかサービスができません。 ロールプレイングの運用をしっかりやるために何をやらなければいけないかというと、実は台本作りが大切です。演劇をやられている方ならわかりますが、台本なしで、「アドリブでやれと」と言われたら大変です。アドリブで役を演じるのはものすごく能力の要することだからです。台本があるからこそ、役作りができるのです。ですから、基本、役者は台本ありき、台本作家ありきです。 お店のサービスも同様です。練習をするのにシナリオがなければなりきれません。だから接客台本というシナリオを作ります。 例えば、初回来店のお客様が来店された時のシーン。初回来店の客様はどのような方でどのようなシーンでというように細かく作成します。そしてどのような形でサービスをするという流れをまず作ります。それにもとづいてロールプレイングをします。 よくマニュアルと接客台本が同じと考える人がいます。少し前のコラムでお話したマナーの先生と私の仕事、サービスのディレクションについてお話をしていましたら、その先生に「それはマニュアルですね」がおっしゃいました。しかし、残念ですがマニュアルではありません。練習するための台本なので使うのは練習の時しか使いません。いろんなバリエーションがあって、やっていると引き出しが増えますから、結果的に量稽古を繰り返せば、練習の時に意識していたことが、意識しないで自然できるようになります。 逆に、マニュアルは意識してやるためのものです。この二つは似ているようで非なるものなのです。だから、その先生の指導先は「やってくれない」のです。大久保一彦の本【中古】 非常識に稼ぐ飲食店がやっている「最高のチーム」を作るルール /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.14
大雪の連続講座 その31 ② スキルアップになるために必要なトレーニングをワークスケジュールに組み込む ~過去の会報 2012年4月号より② スキルアップになるために必要なトレーニングをワークスケジュールに組み込む 作業は、ある程度できる方がいいです。何故かというと、時間を作り出せる能力があると、より良いサービスや仕事に時間を割り当てられるからです。 逆に、作業力がないと、それにばかり時間が掛かってしまいますから、今やっていることにプラスアルファの時間をさくことができません。私は幸いなときに高校生ぐらいの時にバイトしたお金でタイプライターを買いずっとタイプをしておりましたので、打ち込みが早いため、レポートもすぐ書けますし、前もっていろんな仕事を早くすることができます。今はみんながコンピューターを持つような時代ですが、昔は清書をしたり打ち込んだりしなければいけなかったので、この時間短縮で全く違うものになります。 お店の場合は誰がどれくらいできるのかということを把握することがトレーニングをする上で大切になってきますので、「スタッフのスキルの星取表」を活用していただきたいのです。スタッフのスキル星取り表というのは、スタッフの棚卸の一環なのです。スタッフの棚卸というのは、なんのために行うかというと、目指すべき理想像に近づくためのスタッフの育成や戦力の補強を行うためです。どのような戦力を長期的に育成したり補強したりするのかを考えます。野球のチームでしたら、優勝するために先発ピッチャー・中継ぎ・リリーフのような感じです。 手順としては、自分のチームにいるメンバーを見て、ピッチャー、キャッチャーなど明確な役割を与えていきます。そして、長期的な育成、あるいは補強を考えます。 お店も同様です。先発ピッチャーや四番バッターなど、全体を揃えていかなくてはいけません。そうなるとひとりひとりが持っている技術や能力を把握することが必要です。 次に、どのような時間にどのようなローテーションで人が配置できるかが二番目です。何曜日の何時から何時まで、どのような人がキープできるかが二番目の棚卸になります。足りなければ、人を採用します。採用した人がより上手くなって、既存の人を刺激して、全体の力が高くなるようにチームづくりをしていきましょう。これがスタッフの棚卸とスタッフの計画的な教育という部分になります。そして毎月はじめにこの教育訓練の進捗表をチェックしまして、ワークスケジュールなどに教育訓練の進捗を書き込み、進めて行くことが大切です。大久保一彦の本【中古】 非常識に稼ぐ飲食店がやっている「最高のチーム」を作るルール /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.13
大雪の連続講座 その30 ① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その4 ~過去の会報 2012年4月号より① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その4面談 経営者のかたとお話しをしていると「面談をやっているのですが、効果がないんですよ」とおっしゃるかたが多いです。効果がないのは面談をやることが目的ではなく、面談をやることで、面談相手の今やっていることを認めて、もう一歩上に意識を引き上げることが目的だということがわかっていない場合が多いです。 単に面談してスキルがどうだという話をしてもなんの意味もないのです。面談というのは一対一でやらなくても、例えば仕事のトレーニングの後に立ち話でもいいのです。 教育の目的というのは、今以上にマインドを引き上げることです。「これからどのように成長するのか」を見せてあげる。見せてあげて、そこに行くにはどうしたらいいかというものを追求してあげる。そうすれば上がっていったものが会社の経営理念と一致しているはずです。一致していれば自分の成長というものがお店の成長と何らかの形でリンクしているはずです。そういう意味で個別面談が大切なのです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.13
大雪の連続講座 その29 サービスの差別化~① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その3 ~過去の会報 2012年4月号より① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その3量稽古、ロールプレイングの繰り返しの効果 ロールプレイングを毎日繰りかえすることの何がいいかというと、全くサービスの心が生活上に習慣としてない人が、朝礼でくり返し繰り返しロールプレイングをやるとより良いサービスの型を覚えて行くのです。型とはプロとしてのサービスマインドが自然に(無意識に)できることです。量稽古とはよく言ったもので、量稽古を繰り返すと、練習では意識していたあるべきことを、普段の営業で無意識のうちにできるようになります。これがすごいです。 例えば、コンピューターでもブラインドタッチを練習したことがなく、人さし指で入力する習慣をつけてしまうと人さし指で押さないとキーを押せなくなります。しかし、不思議なもので、タッチソフトを使って練習させて、繰り返すとブラインドタッチは簡単にできるようになります。多くのおじさんが人指を使ってでしか入力をすることができないのは最初にコンピューターの操作を教える人がブラインドタッチをする重要性を教えていないからです。ブラインドタッチは完全に意識の無意識化=習慣化なのです。量稽古を繰り返し、習慣化させてしまえば簡単にできることがたくさんあります。仕事もそうです。仕事も単なるやっつけで作業を覚えさせるのと、意識を優先して仕事を覚えさせるのでは大きく違います。 ただ教えて終わり、「なんで、お前は出来ないんだ?」というような教え方をしてしまうと、その新人スタッフは作業に意識が集中してしまいます。みんなで一度にやってグループから「自分のサービスのやりかた違うな・・」「言い方おかしいかな・・」という気づきを教えてあげる。そして最終的に習慣を変え、そしてプロのサービスマンになることができます。さらに客役とサービスマン役に分かれますから、お客さん目線でもスタッフ目線同士でも見ることができます。そうするとこういう場面でこういうことをしなくてはいけないという気づきも与えられます。だからこそ、ロールプレイングはやらなくてはいけないのです。しかし、ずっとお店を開けていますとそれが残念ながらできません。店舗力の差が広がっていってしまうのが今の外食産業なのです。作業だけするなら値段を安くするのが一番です。値段を高く売るには作業現場からの脱却が必要です。作業と作業現場から脱却した場合の違いを例でみましょう。幸楽苑などのラーメンチェーン店などは300円から400円で十分食べられます。それなりのラーメン屋さんになると700円から1000円になると倍の値段をいただきます。倍の値段をいただくということは倍のリソース(背景)がなければいけません。原価がかかっている、かかっていないとか美味しい美味しくないではなく、倍の納得させるもの、また来たいなと思わせるものがないといけません。お客さんやスタッフが自然に集まってくるというのは共通しておりまして、ロールプレイングによる“気づき”というものから生まれるのではないかと思われます。大久保一彦の本誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2022.12.13
大雪の連続講座 その28 サービスの差別化~① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その2 ~過去の会報 2012年4月号より① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その4無意識の習慣化の壁 しかし、意識せず、自然にプロとしてサービスができるようになることはそう簡単ではありません。 少々脱線して、わかりやすい事例でお話ししましょう。私は三重県紀北町でとある委員をしておりまして、この間、とある旅館に宿泊しました。ちなみに、その宿は民宿なのですけれども宿の方というのは漁師さんなのです。会合の終わった後にこの宿で交流会がありました。その席にマナーや接客・接遇の指導をされる専門家の方がいらっしゃいまして、「ここは指導に入ったのですが、いくらやっても変えてくれないんですよね」と、具体的な話をしながら愚痴をこぼしていました。 私はこの研修というのは数回でやることに疑問を感じていますが、その理由は生まれた環境、育った環境、常日頃の生活習慣です。この先生は、ご自分が「あたりまえと思うことをきちっとやる」という生活をしてきて、ご自身に自然に身に付けたということを忘れています。漁師さんの方がそこまでいろんなことに気を配って出来てしまったら、その店は名店になってしまいますし、コンサルタントもいらなくなってしまいます。「やってくれない」ではなく、無意識にできるようになるのが難しいのです。しかし、その人たちに時間をかけて習慣化させることが唯一の解決方法なのです。 いい方向に習慣化させるためには「自分たちがやっていることは、お客さんから見るとおかしい」とか「格好よく見えないんだ」ということに気づいてもらわなくてなりません。このズレに対する気づきがスタートで、この気づきなければ、すべての研修は無駄になるのです。 気づいていただいて習慣化させるには、みっちりくっついて年がら年中、躾ていかなくてはいけません。躾・教育・訓練と申しまして、躾は動作など訓練して最終的にもっと上を目指したいなという意識付けをさせて教育をしていくわけです。この3点セットがないと基本的にはその人が変わるということはありません。したがって、数回の研修で変わるというのは、その人がかなりできる人であって、そのようなあまり意味のない研修というのは私は疑問に思いますし、定期的にやらないと意味がないと思う所以であります。 余談ですが、そのような所作を身に付けたいなと思うのであれば、お茶を習って貰うのが一番です。お茶だと障子の開け方、立ち振る舞い、座るときからの立ち上がる時でも表扇形と裏扇形では立ち方が異なります。そのような所作を身に付けますと美しい美しくないというものが認識されるようになり、いろんなものに派生します。何故、その人がマナー、接遇が変えられないのかというと、その人がやる気がないわけではなく、生活習慣がないのです。本日のおすすめ映画 日日是好日 豪華版 DVD 全2枚真筆 額装 『 日日是好日 』 仏画師 高垣康平 無量童子 本画 肉筆 墨書 通販 販売 プレゼント お祝い
2022.12.12
大雪の連続講座 その27 ① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その1 ~過去の会報 2012年4月号より① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する その1ふたつの意識づけの手法 さて、次に進みましょう。日々の運営の水準アップをするには次の二つが重要です。① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する。② スキルアップのために必要なトレーニングをワークスケジュールに組み込むでは具体的に見ていきましょう。① 朝礼などの日々のミーティングを活用したロールプレイングを実施する 朝礼などの日々のミーティングを活用してロールプレイングを行います。「なぜロールプレイングを行うんですか?」とよく聞かれますが、理由はたくさんあります。 まず一つ目は、『練習』を繰り返すことです。 サービスマンはサービスをすることでお客様からお金を頂いています。プロ野球選手は野球を、プロゴルファーはゴルフをすることでお金を頂いています。野球選手もプロゴルファーもお金をいただくために練習していますよね。 しかし、サービスマンはどうでしょうか?あなたの店の社員はどうでしょうか?特に、時給900円のパート・アルバイトはどうでしょうか?パート・アルバイトは家で練習をしているでしょうか? あなたの店のパート・アルバイトは家に帰って、お客様との会話を家族に手伝ってもらって練習し、お酒の注ぎ方の姿勢やグラスの持ちかたなど、練習していますか?答えはNOでしょう! もし、そんなパート・アルバイトがあなたの店のスタッフであったら、あなたのお店のレベルはかなり高く、大繁盛しているはずです。 よく即戦力と言いますが、パート・アルバイトには即戦力はいないと考えるべきでしょう。しかし、お客様にとってはパート・アルバイトであったとしても、お金を払う以上、プロでないといけません。プロ、すなわち、能力がある実際の人数は少数ですから、“仕事がない”と言われる時代ですが、ごく少数の能力がある人間にとっては、いくらでも職が選べる環境下なのです。野球のフリーエージェントではありませんが、それなりのサービスのプロはそれなりのギャラを払わなければ雇えません。“豊かさ”が成熟した経済環境下では、即戦力のパート・アルバイトを採用することは奇跡です。したがって、時給で募集したパート・アルバイトの多くの心理は、店にいて作業をすることでお金をもらうという意識で、もはやプロのサービスマンではないのですが、これからの時代、生き残るにはこの状態を変えないといけません。そのために、店側で準備した教育・訓練をある程度の実施しなければ、単なる作業員が運営している状況は変わりません。人手不足も、運営水準の低さも変わりません。 そして、人が足りない環境は人がやめない環境づくりとチームマネージメントで解消できます。まず、あなた自身の意識を変えるということが大切です。あなたがその意識を変えたら、スタッフにも徐々に伝わるでしょう。そうすれば、お客様にサービスしている時に格好良く、プロらしくサービスをしようと思うでしょう。ロールプレイングをやる意味は、練習することでその基本動作を身につけ、習慣化し、意識せず自然にやっている、すなわちサービスのプロに近づくことです。「意識して練習を繰り返した結果、無意識にプロとしてのサービスが自然にできていた」これがプロ養成に大切なのです。大久保一彦の本【中古】 非常識に稼ぐ飲食店がやっている「最高のチーム」を作るルール / 大久保一彦 / ぱる出版 [単行本(ソフトカバー)]【ネコポス発送】
2022.12.12
大雪の連続講座 その26 サービスの差別化~ ~過去の会報 2012年4月号よりロールプレイングの実施 ロールプレイングのやり方については後ほど詳しくお話しますが、まずは実施する効果についてお話ししましょう。 私はこれまで様々なタイプのお店をサポートしてきましたが、ランチタイム、ディナータイムと営業時間を明確に区切って営業している店は、業績が悪くなっても、リカバーできることが可能だと思います。実際、危機に直面して、朝礼でのロールプレイングを始め、継続され、いい方向に向かった現場が何度となくありました。しかし、その一方で、朝11時から夜23時まで通しで営業しているような食事需要主体の店は、常に店を回わさなくてはいけませんので、改善の時間が取れない傾向が強いです。いた仕方ない面もありますが、この改善ができずに時間ばかり経過してしまい、ジリジリと客数、売上が下がり、販売促進に頼り切りになっている傾向が強いです。また、危機に瀕したときの立て直しも難しいです。 人口減少がはじまり、市場も成熟した日本において飲食店の成功を考えると、味がいいだけではダメ、卒のないサービスで不満がないだけでもダメです。とにかく、あなたの店が、テーマをもって飲食劇団に変身して、お客様にあなたの想いなどの何かが伝わるにようにしていかなければいけない時代に突入してしまいました。 そのために、チーム作りが重要になり、心と技と和をロールプレイングで鍛えなければなりません。チーム作りですがから、ミーティング野球の紅白戦のように当然全員が揃うことが必要です。紅白戦は個々の練習をチェックする場であり、全員が揃ってはじめて、心と技と和が醸成されます。 ところで、マクドナルドのようなできた会社は、全員ミーティングの重要性を理解しております。全員ミーティングを実施する時は近隣の店舗にヘルプを依頼し、ミーティング当日の営業を近隣から借りたヘルプのスタッフで運営します。これは統一オペレーションのいいところですが、次のような考えに基づいていると言えるでしょう。その日の運営はお客様を減らすことを最小限に留めますが、未来のお客様は保障できない だからこそ、未来のお客様を増やすためにこのような全員ミーティングを行うわけです。このような姿勢がマクドナルドの素晴らしいところです。ところが、数店舗経営している会社が、いずれか一店舗でミーティングをするとして、全員が一同に揃うことは、実際はひじょうに難しいです。 朝礼もそうです。一日中営業している店が全員ミーティングをすることはとても難しいです。ワークスケジュールを活用して効率経営していればしているほど難しいです。その理由は、パート・アルバイトのシフトは3~4時間くらいで組まれ、時間差で出勤していることにあります。この時間差が“くせもの”です。 また、それ以上に問題なのは、同じ面子のスタッフがほとんど揃うことがないことです。そうすると本来の目的であります、チームがひとつになる意識付けがより難しくなるからです。その結果、このような現場は作業のみにどうしても没頭してしまう傾向がどうしても強くなるのです。今の作業に没頭してしまう現場は、前に進む意識がなく、今という瞬間を惰性で過ごしてしまいます。そうなってしまうと、出している料理はそれなりに良いのに業績を回復できない。そんなことがおこります。当然、販売促進を繰り返し、売上が上がった、下がったという現象面に一喜一憂してしまいます。最終的はジリ貧になるリスクを抱えてしまいます。 業績が悪くなったら何が大切か。業績を回復するための方向性をしっかり打ち出して全員がひとつの目標に向かって動くということです。ひとつになって動く目標がなく作業が主になることや店を回すことが主になると危険です。だから、ひとつになって動く目標に向かって動くために、朝礼の時間を長く取り、自分たちのやるべき方向を確認し合い、それをやるための方法論を研ぎ澄ませていくこれが重要になるのです。これからの時代は目標に向かってどう全体が動いてもらえるようにチーム作りができるかが大切です。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.12
大雪の連続講座 その25 サービスの差別化~ ~過去の会報 2012年4月号よりサービスの差別化 日々の運営水準アップ サービスで差別化したければ、新人の教育に力をいれます。これがスタートです。 もちろん、並行して既存のスタッフの意識を高める必要があります。今回はこの部分を見ていきましょう。 実は、既存のスタッフの意識を高めるにはかなりの時間がかかります。継続と根気が必要で、容易なことではありません。既存のスタッフの意識を高めるために、時間を長めに取った朝礼を利用したロールプレイングの永続的な実施が重要です。最初はなんでそんなわかっていることやらなければならないんですか、と言われますが。大久保一彦の本飲食店の「見える化」経営 〈見える化ツール〉が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success/タルイタケシ/大久保一彦【3000円以上送料無料】
2022.12.12
大雪の連続講座 その24 サービスの差別化~ ~過去の会報 2012年4月号より その17の回からの続きです。サービスの差別化 新人の教育に力を入れたら、平行して既存のスタッフの意識を高めます。そのために、少し長めに時間をとった朝礼を利用したロールプレイングの実施や、ワークスケジュールに面談を組み込み各スタッフの意識を高めていきます。続く大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.12
大雪の連続講座 その23 労使問題の切り札は「善の循環経営」 ~過去の会報 2012年4月号より労使問題の切り札は「善の循環経営」 人間の心の中にはエンジェルとデビルがいます。「善の循環経営」ではこれを善い心、悪い心と表現しました。 エンジェルはとても繊細な立場にいます。逆に言うと悪さをしようというデビルの方が声も大きいし、強いのです。特に毒気のある人や環境の中にいると、「デビルのほうが正しいんじゃないか」というふうに思ってしまいます。善い心が押さえつけられ、「自分さえ良ければいい」というある意味快楽主義的な流れになってしまいます。 今の日本の多くの都会生活者はそうかもしれません。しかし、そういう人たちはある意味エゴの塊なので長いつきあいを続けることは大変です。病気になるかもしれません。 店に当てはめれば、一瞬の付き合いの集合体ですから、長い目で店を作っていこうというふうにはなりません。善の心の循環経営というのは、家族や親しい友達のように長く付き合う前提で、お互いを信頼し合い、尊重し、人間関係を構築して、何かの目標に日々向かうおうとする経営です。「飲食店でもこの善の循環経営が出来るのではないか」そうと思いまして、この書籍で私の持論をぶつけてみました。例えば、高校球児が朝から晩まで練習して辛い特訓をしてみんなで一丸になって頑張る姿は美しいですよね。商売も同じじゃないかと思うのです。一方、商売は商い(あきない)と呼ばれるように長く続けていかなくてはいけないですから、長くやっていると目的や目標が失いやすいのです。みんながひとつになれる目的や目標を持てば、その難しさは変わっていけるはずです。 少し前にブームになりました居酒屋甲子園などはそういうものだと思います。今まで目標がなかった居酒屋業界に居酒屋甲子園という大きな目標をもってみんながそこに向かって意識が変わったはずです。最終的に持つべき目標というのは高い位置にあるものじゃないといけません。高い位置とは世の中にすごく役に立っているとか文化的に価値があるなどそういうレベルまで持っていくことができればある程度のところに行ったときに飽きがきません。そのようなときに大切なのは、何かなしとげたい理想、自分自身が気づいたミッションや、自分自身がやらなくてはいけないこと、または「このようなことをしたらいいんじゃないか」という想いなどが大切です。したがって、労働問題を解決する方法は簡単です。このような目標をもとに、忠実に経営すればいいのです。就業規則を作ることも大切ですが、もっとやるべきことがあります。これはお客様を呼ぶことにもなります。店の心を耕して、善のエンジェルの心を定着させてはいかがでしょうか。その攻めの姿勢こそ、労使トラブル防止策になるのです。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.12.11
大雪の連続講座 その22 ~過去の会報 2012年4月号より善の心の循環経営前回の続き 次に、ここからは大久保らしいお話になります。権利主張する労働者が増えるわけですけれども、私が就業規則も必要だとも思いますがそれだけでは防御できないのです。というのはルールを作って抑制しようとすればするほど、逆にそういう人を呼びよせてしまうからです。就業規則を作るのは最悪の事態を想定してということで大切なことではありますが、就業規則を作ったことで安心してはいけません。そういうものを振りかざさなくても、いい状態というものを作っていただいたほうがいいということです。 その解決法、すなわち、本来的にはあたりまえのことですが、心の善い人材を集める手法を考える必要があります。実はその答えが私の提唱しております「善の心の循環経営」の中にあるのです。 労働者は“搾取されている労働者”と思ってしまうと「なんとか会社からお金をもぎ取ろう」と思ってしまいます。“搾取されている労働者”と思われている問題は、何故そういうふうになってしまったかというところに潜んでいるのです。 最近私が思うのは、仕事を作業主体で考える、自分の時間を使うだけと考えるならば、もらえるものはもらいたいと思ってしまいます。しかし、そうではなくて、店は仕事を通じて自分のやりたいことを実現する場というふうに考えればどうでしょうか?モチベーションも姿勢も取組みも変わるはずです。 その重要な部分が自分のミッションや天職に出会うことです。店舗には様々な役割があり、例えば、「発酵文化を広める」というミッションを持つ会社であるならばサービスや料理を作ることで発酵文化を人に伝えることができます。このことを自覚できる人は、今やっていることが「天職」だなぁと思うでしょう。そうなると、お金の問題だけではなくなります。今の日本は豊かなので、お金で人を定着させるのは難しくなっています。死ぬか生きるかというレベルで生活している人は少なくなっていますし、そのような人は飲食店には働きに来ません。自宅住まいで小遣いを稼ぎたいであるとか、飲食業が好きで入りましたという人が多いと思います。 したがって、お店で働くことで、自分のミッションを遂行している結果のやりがいを演出できなければ、人が定着しないという問題は解決できません。 そう考えると、お客さんをお店に集めて売り上げを上げるのと同じように、スタッフを集めようとしている会社は集まりません。集まるようにお店を作らないといけないのです。 集まるという状態を作るためには、店に自然と人が集まる雰囲気を漂わさないといけません。そのために、社長や店長、今いるスタッフの心の整備をしなくてはいけないのです。私のように転職を何度もした人なら、どこかにお勤めになられて、働いてみたら、ここは長く務めるような会社じゃないなと思った会社が一回・二回はあると思います。そして、そのような会社を想像するとだいたい同じイメージを抱くものです。実は人の入れ替わりが激しい会社は、そのような会社を自分自身で作ってしまっているために、人の入れ替わりがものすごく激しくなっているのです。 では、「ここの店いずれは辞めるな」と思ってしまうお店ではなく、どうしたら「長くこのお店で勤めたいな」と思えるのでしょうか?そう考えると、ここのところずっと勉強をしてきましたが、“Public Engagement”ある価値観で結ばれる関係を作るということが大切です。長期的にお店とスタッフ、またはお店とお客さんという関係を構築し、共通の目的があるからこそ人として発展をして、そこにいることが単なるお金ではなく、関わりの中でいいなと思えるものになる。自ずとそういうお店はお客さんが集まりますから、そうなると自分の収入が増えます。 今はどうしても賃金を下げなきゃいけないという環境のお店は、そのスパイラルではなく、逆回り、落ちる方にいってしまいます。そうではなくプラスに上に向かっていくスパイラルにするには長期的に付き合いながらも働く人・関わる人が成長していく環境を作っていくことが必要になります。そのためには店のミッションやビジョンを明確にして、楽しんで人生を生きるスタッフを集められるようにするしかないと私は思います。そのキーワードが「善の心の循環経営」なのです。大久保一彦の本【中古】 善の循環経営 人口減少時代を生き抜くメソッド /大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.11
大雪の連続講座 その21 ~過去の会報 2012年4月号より労働環境の整備を ご夫婦でお店をやられている場合はほとんど問題ないですし、オーナーがいて、アルバイトさんをホールやお手伝いで手伝ってもらえるような場合は時給制ですから問題はありません。お店の規模が大きくなったり、店舗数が増えたりして、社員を雇うという場合において、問題が起こりうるというのが今回のお話です。 仮に労働時間を変形労働時間という形態をとったとしても、今の労働基準法・労働三法でいきますと、週40時間が目標で、この週40時間にできれば一番いいわけです。週40時間労働ができない場合は残業手当を払う、また週休二日というルールを定めているなら、週休二日ができずに一日しか休めなかったら一日は休日手当を払うというルールが決まっています。 週40時間というふうに考えますと月間労働時間は約170時間になります。これを超えた場合は基本的に残業ということになります。ケースとして多いのはこれにプラス30時間の残業を加味して、基本給に見込み残業分の手当をお付けになっている場合です。ベースの労働時間が170時間とすると、だいたい200時間ぐらいが30時間含ませている勤務時間の上限となります。「残業が50時間まで手当に含んでいます」というのは労働基準監督署の見解ではと許容範囲ではないので、30時間くらいで設定していると思うのですが、200時間というのは飲食業の労働時間としては少ない時間です。したがって、その残りの部分はサービス残業という形になってしまうことが多いです。そうしますと、月30時間×2年という支払いになりますと、かなりの労働時間分の支払いが発生します。昔と違い、最近はソーシャルメディアも発達し、結びつきがメディアを使って増えています。昔は電話などしかなかったものが携帯電話・メール、そしてFacebookやtwitterで繋がっていますから、ちょっとした状態がちょっとした状態で見ることができますし、その情報がいつまでも残るということもありますので、今まで働いていた同士で組んで会社を潰してやろうとまではいかなくとも、貰うべきものは貰おうというアクションを起こすということは十分考えられるのです。では、何をしなければならないのでしょうか?まず、対策として考えられるのは環境整備です。 例えばランチ営業をしていたとしても、大した売上にならず、回るお金分にはなるが社員の給料にはカウントされていないような場合はリスクが出るので止めることもあるでしょう。また、どんな小さなお店でも就業のルールを決め、働く側も会社もお互い明確にルールを認識して働き、何かがあった場合にきっちり備え対策を考えられるようにするということも必要でしょう。未払い賃金の問題は今後大きな問題になりますから、騒がれる前に対策をしっかり打つことが必要になります。 人を雇っている会社でもしやっていなかったとするならば人数が多い少ないに関わらず早急に対策が求められます。人数が多くなる場合、同意を得るのが大変になります。社労士さんも驚くほどの高額なものではありませんし、東京・大阪と社労士さんをご紹介することもできますので興味がある方は対策を打たれたらと思います。大久保一彦の本[書籍のメール便同梱は2冊まで]/飲食店の「見える化」経営 <見える化ツール>が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success (単行本・ムック) / タルイタケシ/著 大久保一彦/監修
2022.12.11
大雪の連続講座 その20 ~過去の会報 2012年4月号より未払い残業の問題とは前回からの続き それでは、何をしなければいけないのでしょうか?「今はこれをやれ」でお伝えしたいアプローチは二つあります。 ひとつは、訴えられた時に、ある程度自分の会社を守れるような労働法に対応した法的な環境整備をしていかなくてはならないということです。 もう一つは私らしいお話です。心の整備で、訴えられない人間関係を築いていきましょうということです。そもそも労働者とオーナーという対立関係というのは、産業革命以降の工場労働の時代でないので、その時代のような搾取していることはないでしょう。どちらかと言えば、今の時代はこんなにしてあげているのにという場合も多いでしょう。そのようなケースに訴えられてしまうというのは逆に言うとお互いの人間関係がもったいないです。だから、そもそも訴えられないような人間関係を構築して、働いている人は労働者という感覚や給料分だけ働くという感覚ではなく、一緒に何かやろうとしているのをオーナー、自分自身、またはお客さんと一緒にやっているんだと、そのように思ってもらえるように作っていくのも一つの手じゃないかなと思うのです。大久保一彦の本【中古】 大久保一彦の「人」が集まる飲食店店長の秘密 /大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.11
大雪の連続講座 その19 ~過去の会報 2012年4月号より未払い残業の問題とは 弁護士や司法書士のかたより物件の紹介をいただくことが最近よくあります。一席設けることになり、話をしていてこう言いました。「今までは借金の整理ところが多かったのだけど、これが一段落したので、次は『未払い賃金、未払い残業代の回収をします』という案件が増えますよ」確かに、今、電車の吊り広告などを見ますと、「あなたの払いすぎた利息を取り返します」のような広告があると思いますが、これが「あなたのもらっていない賃金取り返します」という広告に近いうち変わるのでしょう。 権利意識の強い人が色々なことを言ってくることが予想されます。さらに困ることは退職された人が突然やって来る可能性すらあるのです。二年ぐらいまで遡れますから、退職された人が「このお金を払ってください」と請求することができます。最悪の場合は何人かでまとまって行動することも十分考えられます。ということで、今月はマイナスな話でもありますが、労働環境の整理というのを考えましょうというところからお話からさせていただきたいと思います。 外食産業というのはサービス業でもありますし、お店で調理をするという業務内容の性質もあり、ビジネスモデル自体がどうしても集約的な労働をベースにすることになってしまいます。したがって、基本的に人手不足というのもあり、どうしてもよくやってくれる人の働く労働時間が超過してしまう傾向にあります。 例えば、居酒屋の例をみてみましょう。ひとたび、ランチ営業をスタートしますと自ずと労働時間は長くなります。ランチ12時から1時の時間が主だとしても実際に従業員の人が働くのは9時や10時である場合が多いですし、中抜け時間があったとしても、居酒屋ですから夜11時とか12時とかまで勤務します。二交代という体制で働ければいいのですがなかなか人手不足というのもあってなかなかうまくいかず、休みも週一の休みしかないこともあります。 そのようになった時に基本的にはお互いが納得しているから本来であればいいんじゃないかというのはありますけど、法律と実態というのは合わないと部分がありますので、週6日勤務ですと一日は休日出勤ということになります。休日出勤の分に関して1.25倍出しまして、25%割増賃金を払って週6日勤務していただければ何ら問題はないのですが、多くのお店がその部分が不明朗で、「もらっている給料の中に含まれているんですよ」という感覚でやられていることが多いです。実際、含まれていると言っても、それが就業規則なり雇用契約書に明確に謳われていて、タイムカードなどの面とも一致していないと、場合によっては労基署に否認されてしまうことがあります。その場合、二年前まで遡れますから、かなりのお金を払わなくてはいけないということに十分なりうるのです。ましてや、世の中が「もらっていない残業代をいただくのは当然の権利なんですよ」というふうにPR活動が盛んになってくると、「ああそうなんだ」と思う人が増え、最終的には、「お金払ってください」と言いに来る人が増えてきてしまう可能性が大きいです。続く大久保一彦の本【中古】 善の循環経営 人口減少時代を生き抜くメソッド /大久保一彦【著】 【中古】afb善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.12.11
大雪の連続講座 その18 ~過去の会報 2012年4月号より未払い残業闘争元年 今年(2012年)は吊広告が「払い過ぎの利息を取り戻せませんか?」から「もらえる残業手当を取り戻しませんか?」に変わる年と弁護士の間ではささやかれています。 権利主張をする労働者が増える中、就業規則などの環境整備も必要ですが、心の整備もしていくことがより大切になるでしょう。実は権利主張して自分の損得を主張する人もいる一方で、やっていることを楽しんで人生を生きるスタッフがたくさんいます。 スタッフの質で店の雰囲気は一変してしまいますから、このスタッフが集まるかで、店の営業力は大きく異なってしまいます。「集める」と言わなかったのには理由があり、「集まる」ことに心の整備の本質があります。今こそ、店のミッション・ビジョンを明確にして、楽しんで人生を生きるスタッフを集めましょう。そのためのキーワードが「善の心の循環経営」です。続く大久保一彦の本【中古】 善の循環経営 人口減少時代を生き抜くメソッド /大久保一彦【著】 【中古】afb善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.12.10
大雪の連続講座 その17 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人スタッフがやめないコミュニケーション 具体例 その2②よくないコミュニケーション:今のスタッフは、昔話を聞きたくない! 店やオーナーの昔話もよくありません。世の中の環境はちょっと前とは違うのです。よくない新人スタッフとのコミュニケーションの仕方 新人スタッフが、失敗をしてしまった時責任者: 大丈夫か?新人スタッフ: 私覚えがわるくて、すいません!責任者: いやいやみんな最初は同じだよ!わからないことだらけだし新: そうですかね・・・責任者: 俺だって最初はさー、・・・・・・・(以下自分の昔話がはじまる)新: (心の中であきれる)よい新人スタッフとのコミュニケーションの仕方 新人が失敗したとき編責任者: 大丈夫か?新人スタッフ: 私覚えが悪くてすいません責任者: 最初はしょうがないよ、状況をはなしてごらん。新人スタッフ: これこれこうゆう事がありました。責任者: そうかなるほどね。しょうがないな。これから気をつけようね。新人スタッフ: ありがとうございます・・・・ 従業員が失敗をしたときの会話は重要です。基本は聞いて受け止める姿勢が必要です。自分では慰めているつもりでも、店長の昔話が始まってしまえば、聞く立場からいつの間にか話し手になってしまいます。あくまでも、聞き手であり続けることが重要であることを常に意識してください。まとめとして聞き上手の5か条を頭にいれておきましょう。聞き上手5か条1. 相手のタイプをみわける。2. 動かないように心がける 話を聞くときは集中しなければいけません。相手も聞き手が、注意散漫なことを感じればやる気がなくなります。たまに周りが気になって視線がそれたりしますが、話し手にしてみるととても不快です。3. 先入観や自分の基準は棚に置く! 新人スタッフの話を聞いていると、低レベルなことを言っているなと思いますが、それは、経験が違うのですから当たり前です。そんな時に、「自分ならばこうする」とか「あなたはここがなっていない」と思うと、否定になってしまいます。相手の目線にあわせて話を聞きましょう。自分の物指でなく、相手の物指でなく店舗の物指で話しましょう4. 自分は話したくても我慢を心がける 先ほど話しに出てきましたが、スタッフの話を聞くときは常に聞き手でなければいけません、自分の話したいことはじっとこらえてスタッフの話を聞きましょう。5. 精神論は2の次 「がんばれ」「気力でなんとかしろ!」「気合!」の精神論も時には必要です。しかしスタッフに必要な対応は、否定しないでまず聞いて受け止めることです。大久保一彦の本【中古】 非常識に稼ぐ飲食店がやっている「最高のチーム」を作るルール /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.09
大雪の連続講座 その16 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人スタッフがやめないコミュニケーション 具体例 その1①新人とのよくないコミュニケーション、よいコミュニケーション 次のような次のような店舗でよくあるコミュニケーションは新人スタッフに「ここにいても無駄だ」と思ってしまうので、せっかく入った新人が辞めてしまいます。パート・アルバイトの不安を解消できないよくないコミュニケーション責任者: 仕事はなれたかい?新人アルバイト: いえ、わからないことが多いです。責任者: 大丈夫だよ、すぐ慣れるよ!がんばろうぜ!新: そうですか・・・(すいませんが、何が大丈夫なんでしょうか?) では、どうすれば改善されるのでしょうか?下記のように進めるのがよいです。よい新人スタッフとのコミュニケーションの仕方責任者: 仕事はなれた?アルバイト: いえ、わからないことが多いです。責任者:そうかー・・・では今日はどんな仕事をしたの?アルバイト: 今日は〇〇と△△をやりました。責任者:そうか、がんばったね。では、今日やってわからなかったことを話してくれるかなーアルバイト: はい、・・・(話せる環境ができる)「そうか」「そうだよね」という答え方をしておいて、決してアルバイトの事を否定しないことが必要です。そうでないとアルバイトは消化不良で不安を覚えます。そして、やってみてわからなかったことを聞き出して、わからないことを説明して不安を解決します。こんな些細なことを変えるだけで、新人スタッフがすぐにあなたの店をやめてしまう事態を防止できるのです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.09
大雪の連続講座 その15 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人スタッフがやめないコミュニケーション 自分自身の人間的な成長が感じられず「ここにいても無駄だ」と思ってしまうと、良い人材ほど辞めてしまいます。そうなると、残るのはやっと仕事にありつけた人になってしまいます。新人スタッフが、入社したときに、避けなければならない事態です。 しかし、こうなってしまうには原因があります。新人スタッフは、常に不安をかかえており、その不安を解消できていないために、すぐにやめてしまうのです。スタッフがやめてしまうのはちょっとしたコミュニケーションにあります。サービスの運営水準を上げるには、良いスタッフをたくさん抱えることが重要です。そのためにも、良いコミュニケーションをして、ダイヤの原石である新人スタッフがやめない環境をつくりましょう。具体例に続く大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! / 大久保 一彦 / 三笠書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2022.12.08
大雪の連続講座 その14 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人へのトレーニングの三つのポイント 具体例※前回からの続き具体例 初級編シチュエーション樽井君がネクタイを変えて褒めてほしい(でも明らかにセンスが悪い)同僚の富田: ・・・(「ださいよ、ちょっとやばくない」と褒められないと思い絶句する)できる責任者: ネクタイ替えたんだね。ポイントネクタイのセンスを評価して褒めようとするのではなく、ネクタイを変えたことがわかったことだけ伝える具体例 中級編シチュエーション新人スタッフが、声が出るようになった。(でもまだ物足りないから褒めることができない。)褒める先輩: ・・・(“まだまだ、あまいな”と褒めることができない。)認める責任者: 声出るようになったね。やるじゃん!もう少し遠くのお客様にも聞こえるように次は言ってみようか。ポイントできることを認め、次のステップを明示する。(教育)具体例 上級編シチュエーション責任者の休みの日、目標20万円で実績18万褒める責任者: (20万売ってないから褒めることができない。)認める責任者: 18万売ったね。18万の売り方覚えたね。次は20万行こうね。どうしたらできるか、一緒に考えよう!寸評相手を認めることによって、ノルマを押し付け、プレッシャーをかけるのではなく、良い人間関係が作りながら、次のステップへ導く(教育)。③言い訳を引き出す会話をしない言い訳が多い社員・アルバイト良く見られます。でも実は責任者であるあなた自身が言い訳を引き出していることが意外にも多いのです。自ら言い訳を引き出す会話社長: 先月も、売り上げ目標下回ったな!店舗責任者: はい、すいません・・・・・社長: 何故こんなに売り上げ目標を下回るんだ!店舗責任者: 月初めは調子良かったのですが、中旬から天候が・・・・社長: この前も同じ事いっていたよな!どうしてなんだ!店舗責任者: でも、全店落ちていますし・・・社長: このドテカボチャ! (怒ドカーン!) ミーティングでよく聞く会話です。この構造を分析してみると次のようになります。言い訳を引き出す要因何故・どうして ↓問題自体に対してではなく、店長の行動や能力に焦点があっている ↓ (店長の人格否定)言い訳を引き出してしまうこのような流れだと、責任者は言い訳を言います。そして、言い訳を聞いたら社長は腹を立てるとことになります。その繰り返しで、店長は辞めていきます。 次に、良い例を紹介します。言い訳を引きださない会話社長: 先月も売り上げ目標下回ったな!店舗責任者: はい、すいません社長: 売り上げ目標を下回るのは何で?店舗責任者: ・・・・・(沈黙)社長: では、原因はなんだろうか?店舗責任者: それは、スタッフが不足していて、売り上げを取れるときに取れなかったのが原因だと思います。社長: それだ!どうにかしようぜ。 このようにコミュニケーションをすすめれば、言い訳は出てきません。言い訳を引き出さない会話を見分けましょう。言い訳を引き出さない会話の構造何でだろう?何でだろう? ↓ お店に起きている問題に焦点があう ↓原因を探しに行きやすくなる結果的に、あなたの話し方を変えるだけで、店舗の問題は解決の方向に持っていくことができます。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.08
大雪の連続講座 その13 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人へのトレーニングの三つのポイント 新人へのトレーニングのポイントは下記の三つに集約できます。①新人にトレーニング担当係りをつける②“ほめて育てろ”でなく、“認めて”育てる③言い訳を引き出す会話をしない①運営水準を差別化するには新人にトレーニングの担当係りをつける 新人スタッフが入ったら、教育担当係を設定しましょう。これは基礎編となんら変わりありません。ですので、最初のうちは、教育担当者と一緒に勤務したほうがよいです。実は、教育担当係は限定することはダイヤの原石を磨く第一歩です。固定した担当者がつくことで安心して、仕事を覚えられますし、教えるほうも教えることを学べます。もし、最悪、教育係が休みの場合には“今日はここまでこういった内容で、教えましたよ”と必ず引継ぎをしましょう。②運営水準を差別化するには“ほめて育てろ”でなく、“認めて”育てる まず、次のほめることの構造をご覧ください。ほめることの構造ほめること ↓自分が基準になっている ↓自分の期待通りか、それ以上の結果が出たときに、ほめることが出来る。 よく、“子供はほめて育てろ”といいますが、ほめるということには欠点があります。ほめることの難点は、自分よりよくできないと褒めづらいのです。あなたが、実際にほめようと思っても、ほめることがないときがよくあります。それはこの褒めることの欠点が原因です。そこで、思考パターンをかえ、スタッフはほめるのではなくて、“認める”にすると変わります。認めることの構造認める事 ↓ 相手が基準になっている ↓見たままの行動と成果を伝えること自分のモノサシを基準に相手を否定しない。肯定的な会話で前向きな話を心がける。できれば、次に向かうべき着地点を指し示す(教育)具体例へ続く大久保一彦の本飲食店の「見える化」経営 〈見える化ツール〉が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success/タルイタケシ/大久保一彦【1000円以上送料無料】
2022.12.08
大雪の連続講座 その12 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号よりサービスで差別化するための根幹 サービスで差別化をするための根幹をなすのが、しつけ、教育、訓練の三つです。 しつけとは、あたりまえのことをあたりまえにやるために、日常のルーチーン業務の一瞬、一瞬を大切に行う習慣化させることです。このしつけは、仕事をしているときだけでなく、「履物を揃える」、「ゴミを拾う」「トイレを掃除する」のような日常生活を大切に生きることにつながります。日々の生活を大切に生きない人間は、人への気づきや思いやりなどできないのです。したがって、しつけは「なぜ、そうするのか」からはじめないといけません。 教育は、現状に甘んじるのは楽ですが、そうでなく将来の自分のために、一歩先に目を向けさせることです。したがって、将来を考えさせ、そのために何をすべきかを教えます。接客であれば、現状と違う何かをすることで、お客様に喜んでいただき、その結果自分にもたらされる奇跡を教えます。 訓練は、上記のふたつの中間です。量稽古で自分の型を作り、自然にやろうとしていることができるようにするのです。 店舗全体の土台を構築するために、とくに新人スタッフの教育が重要です。新人教育はすべての入口になるのです。新人スタッフの教育をおろそかにする店は、差別化された運営水準を構築することはできません。そして、その新人がやめない環境を作らねばなりません。意識の高いハートあるスタッフが長期間いて高いスキルになったときに、店は大きく変わります。それでは、運営水準の差別化をするための入口、新人へのトレーニングのポイントからみてみましょう。大久保一彦の本【中古】 誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 / 大久保 一彦 / フォレスト出版 [単行本(ソフトカバー)]【宅配便出荷】
2022.12.08
大雪の連続講座 その11 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より運営水準を差別化する新人のトレーニングをするには 運営水準の構築でもお話ししましたように、サービスの段階は店によって異なり、「不満がない」「一歩先を行く」「感動」の三段階があります。 「不満がない」とは、店の選択肢がない段階はお客様が黙っていてもやってくるので、特別なサービスをしなくても、お客様に無事、不満なく帰っていただければ、お客様はその店に来店する状況です。この場合、サービスをシンプルにして誰にでもできるようにして、マニュアル化します。その上で、マニュアルによる教育・訓練を行い、他店との差別化をはかります。しかし、店が多くなり、お客様が好きなように店選びができるようになると、商品や便益での差別化が難しくなるので、お客様に気にいっていただき信頼関係を築き、長いつきあいをスタートし、お客様それぞれをしっかり理解してサービスを行うことができなければ、確実なリピーターを獲得することはできません。 お客様に気にいっていただくために、お客様に密着して一歩先に接客をしなければなりません。この一歩先の接客を目指すのであれば、従来のマニュアルだけでは対応できなくなります。したがって、方法の転換が必要です。 多くの高級店では一歩先に接客をするために、接客台本に基づくロールプレイングを行っています。このロールプレイングを付加することが解決策となります。接客台本とは、店を劇に見立てて、最高のサービスマンとお客様の状況やシチュエーションごとの舞台進行を書いた脚本です。その脚本をもとに、訓練やディスカッションを繰り返し、一歩先をゆく接客を目指します。 ロールプレイングを定期的に繰り返し、日々、当たり前のサービスを積み重ね営業していると、お客様に突発的なできごとがあったときに素晴らしい対応をすることができます。もちろん、サービスをするスタッフが瞬時に自己判断をして思わぬ対応をするのですが、これがお客様の感動をよぶのです。 感動とは、心、技、チームワークが三位一体になったサービスの極みです。ロールプレイングと日々の営業の積み重ねで実った果実が感動です。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.12.08
大雪の連続講座 その10 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人スタッフの教育は入社日から その2 ※前回からの続き それでは、各項目を詳しくみていきましょう。①オリエンテーションを実施して仕事への意識を高める パート・アルバイトや社員を問わず、新人スタッが入社するとき入社日、二日目はオリエンテーションを行う必要があります。オリエンテーションとは、店の経営方針、経営理念やビジョンあるいは社内のルールなどを入社するスタッフに伝え、共有するための面談です。それによって、どんな仕事でも当店の理念の実現のために意味があり、「あなたはたいへん重要な役割を担当しているんですよ」という意識を浸透させます。②マニュアルをツールとして使ってトレーニングを実施する 新人スタッフはひじょうに不安です。些細なことでも「これでいいのかな」と思うものです。したがって、新人スタッフにとっては、これから行う業務の詳細を書いたマニュアルはひじょうに重要です。このマニュアルを教育のツールとして使用してマニュアルに書いてあることを共有しながら、お互いの距離を縮めていきます。 マニュアルをツールとして使うことは、入社したスタッフがやめない環境をつくるので、運営水準アップにひじょうに重要な役割を果たしているといえます。③日々、進捗状況をフィードバックする 入社して一週間はしっかりと、マニュアルを使って「今日はどの仕事ができるようになったか」を確認します。その後は一カ月に一度、「あなたの仕事が経営理念の追求にどう理解を深め、貢献しているか」を個別面談を実施して確認しあいます。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.12.08
大雪の連続講座 その9 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人スタッフの教育は入社日から 店舗の運営水準を高めるために新人スタッフの教育がとても大切だということをお話ししました。では、実際に施す新人教育を見ていきましょう。 新人スタッフの教育は入社日から始まります。もし、いきなり現場に入れてしまって、「作業することがあなたの役割ですよ」「作業ができるかどうかで時給が決まりますよ」と認識させてしまうと、入社してから時間が経過して作業がひととおりできるようになると、そのスタッフの成長は止まります。場合によっては、仕事ができるようになったのに「給料が増えない」と不満すら口にするようになります。そうならないためには、次の基本ステップに則り新人スタッフの研修をはじめるべきです。新人スタッフの教育の基本ステップ①オリエンテーションを実施して経営理念を理解し、仕事の意味を理解させて、店のビジョンやミッションに対する意識を持たせる。②ツール(マニュアル)を実施する③日々、進捗状況をフィードバックする大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.08
大雪の連続講座 その8 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号よりマニュアル作成のポイント マニュアルを作成するときは、「何をやればいいか」をもらさず丁寧に書いておくことが重要です。そうすれば、先輩の説明を聞き落としてもマニュアルに書いてあるので、不安を解消することができます。 では、新人の人にとってわかりやすいマニュアルのポイントを下記にまとめましょう。わかりやすいマニュアルのポイント1.なるべくわかりやすくするために、業務を細かく分解してマニュアルを作る2.なぜ、その業務が重要なのを記す3.手順にしたがってわかりやすく当たり前のことでも記す4.「説明」・「理解」・「やってみた」・「できる」のステップがわかるようにチェックボックスをつける大久保一彦の本【中古】 誰も教えてくれなかった!!なぜか「また行きたくなる」飲食店のつくり方 1年で終わるお店と10年後も愛されるお店の違い /大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.08
大雪の連続講座 その7 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号より新人教育にマニュアルが有効なわけ 運営水準の最低ラインの構築を考える場合、新人スタッフがより早く、お店の戦力として機能するかを考えることは重要です。そのときに、マニュアルは教育訓練のツールとしてとても有効です。また、新人スタッフは右も左もわかりません。そして、「これからやっていけるか」不安です。その不安を解消するうえでも、マニュアルは機能します。 少し例をみてみましょう。先輩スタッフ自身が「当然のことと」と思っていることでも、実際は時間をかけて覚えたことはいっぱいあります。例えば、文房具や備品がどこに格納してある場所についてみてみましょう。ハサミのある場所はある程度の期間勤めてれば、どこにあるかはわかるようになりますね。それは、時間の経過で自然に頭に入っているからです。しかし、その日が勤務初日の新人スタッフならどうでしょうか?どこにあるかわかないことは当然のことですね。このようなギャップが、教える側のひとりよがりになったり、説明すべき内容であるのに漏らしてしまったりする原因になります。そして、新人スタッフとのマインドギャップが広がってしまうのです。マニュアルとは、スタッフが覚えるべき正しい仕事の手順を、効果的にマスターするツールと言えるでしょう。 さらに言うと、経営の目的は利益を出すという側面と会社のビジョンやミッションを実現する側面がありました。効果的に仕事ができるようになるというのはある意味、利益に貢献します。そして、マニュアルに「なぜその仕事をするのか」「その仕事は自分の店のビジョンやミッションの実現にどうつながるか」書いてあれば、経営のふたつの目的をカバーできます。つまり、マニュアルを作成するときは、どんな作業的な業務でも、会社のビジョンやミッションにつながっていることを目的などで意味づけすれば、意識あるスタッフに育てる戦略的なマニュアルにすることができるのです。マニュアルは新人教育のときにこそ力を発揮することをしっかり頭に入れておいてください。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.07
大雪の連続講座 その6 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号よりはじめに~私の過去の経験から その昔、私は転職して、「新宿さぼてん」の荻窪店の店長になりました。店長を任ぜられた店ははっきり言えば、腐りかけていました。バイトの無断欠勤や遅刻、バブル崩壊直後でかつ杉並区という土地柄の問題などあり慢性的な人手不足、無秩序な状態。私は、この最悪の状況をどう乗り切るかをまず考えました。 着任した私に同じフロアにあった「庄屋」のベテラン店長は「大久保さんやりたいことはいろいろあるけど、しばらくはじっくり様子見て、少しずつ変えることだよ」と助言していただきました。その言葉もあってか、私は半年くらい、問題を客観的に分析し、オペレーションの問題の部分からまず手をつけて、人の問題は時間をかけてゆっくり進めることにしました。私の着任前の店長たちは改装後のリニュアル効果による好業績下、人手不足の状況と“総あがり”を危惧してか、どちらかと言えば店を回すことを主に考えて経営してきたようです。人間的にはいい子たちばかりなのですが、ある意味、自由奔放、やりたい放題の使いにくいフリーターがシフトの重要な部分をしめていたました。 私は最初の半年間で、固定メンバーとしてだれがよいかを考えました。そして、パート・アルバイトに改善を促し、それでも解決できない場合は辞めていただくかを考えました。次に、固定メンバーとして選んだフリーターの子には私の荻窪店の店づくりのビジョンを伝え、信頼の証に標準在庫量やモデル・ワークスケジュールなどの仕組みを作ったうえで、発注やシフト編成を任せました。そして、彼らにはどういう店を作りたいかを伝え、私は、新人のトレーニングによる環境づくりと顧客満足度のアップ、特に新規客を高確率で再来店させ業績アップの二面を主に担って運営をしました。私が着任してから1年くらいして功を奏し始め、前年比120%以上の勢いで数年伸び続ける土台ができたのです。私の後任の店長は三代続けて最優秀店長や優秀店長で海外視察に行ったことを記憶しています。 私が、新人に力を入れたのは、下記の理由です。・前の店長のイメージなどがないので、信頼関係を気づきやすい・意識に重きをおける(既存のスタッフだとどうしても仕事=作業ができる・できないに重きをおくことになる)・既存勢力の気づき(ちゃんとやることは気持ちよい、お客様に喜ばれればうれしい) さあ、それでは、2004年12月リリースのベストセラー書「ダントツ飲食店繁盛ノート」(日本実業出版社)をブラッシュアップして運営水準の構築を狙った新人スタッフの教育や新人スタッフが辞めない環境づくりをお届けしましょう。 大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2022.12.07
大雪の連続講座 その5 サービスの差別化~新人トレーニング ~過去の会報 2012年3月号よりサービスの差別化~新人トレーニング サービスのレベルアップは環境づくりにあります。サービスが悪いと言われる店では、悪しき習慣が根付いた既存勢力を小数派に追い込み、やる気のあるスタッフが溢れる状況を作りだす必要があります。そのためには、まず、新人スタッフのトレーニングが重要です。今回はその点をみましょう。続く大久保一彦の本アンケートの作り方・活かし方 (PHPビジネス新書) 大久保 一彦/PHP研究所/大久保 一彦 【中古】
2022.12.07
大雪の連続講座 その4 店舗の「見える化」に取り組め! ~過去の会報 2012年3月号より見える化(可視化)するときに大切なこと 見える化(可視化)するときに大切なことがひとつあります。それはチェックシートや表や図で表現することです。ただし、これは現場の業務を増やすことではないということは頭に入れておいてください。文章だと読みこなすのに時間がかかります。もちろん、教育にはマニュアルは大切です。しかし、今やっている暗黙知をみんなが理解して、だれでもできるようにすることが目的なので、わかりやすく端的にまとめる必要があります。そのためには、表やチェックシートや図にして、やるべきことをスタッフ全員で共有することがひじょうに重要なのです。大久保一彦の本飲食店の「見える化」経営 〈見える化ツール〉が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success/タルイタケシ/大久保一彦【3000円以上送料無料】
2022.12.07
大雪の連続講座 その3 店舗の「見える化」に取り組め! ~過去の会報 2012年3月号より見える化の本質 見える化の本質は今やっている流れを戦略的に形にしていくことです。形にするというのは、スタッフの意識、運営の流れ、個々の作業、管理業務などを表やチェックリストや図で表現し共有化することです。 私と弟子のタルイタケシさんの共著書「飲食店の見える化経営」(日本能率協会マネージメントセンター)をぜひお手元にご用意ください。私の著書「飲食店の見える化経営」は、下記のような章立てで、構成されています。これが見える化の行うべき内容です。私はこの六つの項目で、飲食店経営において見える化すべき項目は大まかには網羅していると考えます。第一章 「経営状態の見える化」第二章 「戦略の見える化」第三章 「お客様の見える化」第四章 「現場運営の見える化」第五章 「会社の知恵の見える化)第六章 「コミュニケーションの見える化」 この中で大切なのが、第一章と第二章、すなわち、「経営状態の見える化」と「戦略の見える化」です。なぜ重要かと言うと、それは経営の目的がひとつは利益を上げ、手元のキャッシュを増やすこと、そしてもう一つが、会社や店のビジョンやミッションを実現することにあります。 第一章の「経営状態の見える化」が利益を上げ、手元のキャッシュを増やすことにフォーカスして、第二章の「戦略の見える化」が費用対効果的に会社や店のビジョンやミッションを実現することに対応しているのです。 第一章の「経営状態の見える化」ではお金の流れを見ていきます。そして、その流れを共有して、お金がどうしたら増やすことができるかを考えます。このプロセスは非常に重要で、闇雲に経費をかけないこと(お金を使わないこと)が必ずしもいいことでないことをまず理解できるようになり、構造不況期にありがちな縮小均衡という最悪の事態から逃れられます。実は、経費にはお客様を増やすための投資的な面と、運営に必要な経費的な面があります。例えば、「ぐるなびに月30万円かけていてもったいない」という人(以前の私もそうでしたが・・)がよくいます。しかし、もともと暇な原価率30%の店が「ぐるなび」に30万円かけても、もし42万9千円を超える売上があれば、費用対効果はとれていますし、新規客が来ているわけですから「ぐるなび」に30万円使ったことは決して悪いことでありません。いや、全く何もせず、店にお客様が来ないよりはましです。お金を増やすための悪は利益率が管理指標よりも高いことではなく、お客様増やすための的確な措置を何も講じないことです。そして、この「ぐるなびに30万円かけて43万円以上の集客があり、効果がなかった」という店は大きな成長を阻害して、後退させる問題があります。その問題点とは、せっかくメディアを使って引っ張ってきた新規客をある程度再来店するように業務の改善をしていないことです。それなのに、多くの店は経費を使ったが売上アップしなかったということで片づけています。「ぐるなび」を利用する見込み客のニーズは宴会や誕生会です。場所・人数・予算の三大要素のニーズがあった店を選びご来店されます。そのニーズにあってせっかく獲得した新規客を単に店を回しているだけのサービスをしてしまい、再来店させることができなかったことが問題なので。確かに、優しいことではありませんが、それができている店だからこそこんな時代でも繁盛するのです。本当にお客様が増えない原因を明確にして業務改善を行い、知恵をストックする。これが見える化の本質です。 経営の目的のひとつは店や会社のキャッシュを増やすことですので、まず、費用対効果よくお客様を増やし、粗利益を増大させなければなりません。少なくともお客様を増やすためにお金を使わなければお客様は増えないのです。そこで、お客様を増やすために使うお金を戦略的に検証する必要が生まれます。お客様を増やすためにお金を使う方法は戦略的な商品なのかもしれませんし、ピークに人を増やすことかもしれません。あるいは、上記のような販促費かもしれません。 第二章の「戦略の見える化」の部分では戦略マップに店の行くべき方向を明示して、つまり、ビジョンあるいはミッションに日々の運営をするスタッフの意識を向けていくことです。この戦略マップ――スポーツで言えば、勝利に向かうためのフォーメーションや役割分担ややるべきことを明確にしていきます。この第一章、第二章のふたつの項目を掘り下げ、具現化するために残りの第三章~第六章があります。大久保一彦の本[書籍のメール便同梱は2冊まで]/飲食店の「見える化」経営 <見える化ツール>が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success (単行本・ムック) / タルイタケシ/著 大久保一彦/監修
2022.12.07
大雪の連続講座 その2 店舗の「見える化」に取り組め! ~過去の会報 2012年3月号より見える化とは 開店してある程度経った店には営業の流れというものがあります。その流れの中には、作業効率が良くなるものや効果的にお客様を増やすものなど様々あります。 ところで、店長、スタッフあるいはパート・アルバイトがやめたときに、今まで順調だった店の流れが悪くなることがありますね。それは、あたりまえにスタッフがいて自然に流れているときにはあまり意識していなかったのですが、誰か重要な歯車になっていたスタッフがいなくなって「今までの流れは自然でなかった」と気づいたわけです。これは、店舗のノウハウがある特定のスタッフの頭の中に納まっていたからであり、①店のしくみになっていなかった②他のスタッフと共有されていなかったことを意味します。 このように店や店長やスタッフ個々人にある“暗黙知”を見えるようにする(可視化する)し、店や会社のノウハウとする作業を見える化と言います。 経営戦略なども同様です。右肩あがりのときに店を出したらたまたまあたった会社が、競争が激しくなり経営環境が悪化して立ち行かなくなる場合がありますね。この場合も、自分がうまくいった成功要因をしっかり“見える化”しておかなかったために、経営環境が悪化しているにもかかわらず認識されず、転げ落ちてから「何かがおかしいこと」に気づきます。これは自分の成功要因が崩れたことに対する対応ができなかったことに他なりませんが、路頭に迷うことでしょう。 戦略も“見える化”することで、経営を悪化させる要因に手をうち、常に強みや経営資源を生かして独自性を出しながら、競争優位を保てる店を志向するのに役立つのです。大久保一彦の本飲食店の「見える化」経営 〈見える化ツール〉が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success/タルイタケシ/大久保一彦【1000円以上送料無料】
2022.12.07
大雪の連続講座 その1 店舗の「見える化」に取り組め! ~過去の会報 2012年3月号より店舗の「見える化」に取り組め! 最近、コンサルタントがプロジェクトの営業するときに、「見える化」「可視化」という切り口での業務改善の提案をすることが多いようです。今回は飲食経営本唯一の見える化本を出版している私がその「見える化」の神髄を伝授したいと思います。大久保一彦の本飲食店の「見える化」経営 〈見える化ツール〉が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success/タルイタケシ/大久保一彦【1000円以上送料無料】
2022.12.07
小雪の連続講座 その16 クレームをなくす ~過去の会報 2012年2月号よりクレームをなくす③クレームにならないためのディスカッション クレームの原因をミーティングでディスカッションして共有します。そして、クレームがおこらないための知識を共有化します。また、ロールプレイングを行い、良い接客ができるようにします。大久保一彦の本飲食店の「見える化」経営 〈見える化ツール〉が成功店に変える! The Restaurant Manager’s Handbook To Success/タルイタケシ/大久保一彦【3000円以上送料無料】
2022.12.05
小雪の連続講座 その14 クレームをなくす ~過去の会報 2012年2月号よりクレームをなくす①クレームのリスク クレームは、ないに越したことはありません。しかし、原因があるのに、クレームをまったく言われないというのは問題です。クレームを問題発見の機会ととらえて、「不満を無くす」ための現場改善の1ステップとして利用しましょう。クレームを言うお客様は、氷山の一角であり、声に出たクレームの陰には、10倍の声に出ないクレームがあるといわれています。 クレームを言わずに帰ったお客様は、サイレントクレーマーと呼ばれます。クレームを声には出さないものの、不満を持ち帰って友人や知人に伝えるので、悪い評判が知らないうちに広がってしまう可能性もあるのです。特に、インターネットが普及している現代では、口コミサイトなどにクレームが書かれ、多くの見込み客を失ってしまう可能性もあります。 まずは、クレームについて、正しい対応ができる環境が整っているかを次のチェックリストで確認してみましょう。チェックが多く入った店は、正しい対応方法が共有されていないため、大きなクレームが発生するリスクが高いといえます。
2022.12.05
小雪の連続講座 その13 運営水準の構築 ~過去の会報 2012年2月号より良いサービスを構築するための基本サービスの運営水準をあげるための前提⑤性善説で考える環境づくり ものごとを考えるときに、「悪いことがおこらないように」「トラブルにならないように」とルールを決めがちです。しかし、不思議なことに、悪いことに焦点をあわせて考えると悪いことがおこります。人間には善い心と悪い心がありそれを相手によって使いわけるからです。善い心を求めてはいますが、悪の心のほうが楽なので安心します。 「〇〇禁止」「〇〇の場合は罰金をいただきます」のような表現をみると、「ここにもいたのか(安心)」と悪い心のお客様やスタッフを集めるのです。 逆に、悪い心をベースに動いている人は善い心の人たちの集団は居心地が悪く、去っていきます。いいお客様に恵まれた店はこの善の心の循環がおこっているのです。 忘れてはならないのは、人間誰しも、善い心と悪い心を持っています。生活習慣がどちらの心にウエイトを置いて暮らしているかそれだけなのです。そして、相手によって使い分けます。“今回一回限りのつきあい”なら「仕方ない」「わかりゃしない」というふうに割り切って考えれば何でもできます。逆に長くつきあおうと思ったら、曇った顔のお客様をみかけたら自然に声をかけるはずです。 サービスがいい店と思われるには、どんなお客様に対しても、「長いつきあいをする」という心――すなわち性善説でサービスすることが大切です。この心が伝われば、自分の店でのふるいまいが変わります。そして、時間はかかりますが、善い心で接するお客様ばかりになるので、雰囲気が変わります。リッツ・カールトンのサービスは心の持ちようで誰にでもできるのです。※善の循環経営(商業界)をご参照ください 大久保一彦の本【中古】 善の循環経営 人口減少時代を生き抜くメソッド /大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.12.04
小雪の連続講座 その12 運営水準の構築 ~過去の会報 2012年2月号より良いサービスを構築するための基本サービスの運営水準をあげるための前提④あたりまえのことをきちんとやる環境づくり(5Sの徹底)ついつい思いどおりにいかないと奇跡の薬を求めますが、実はやるべき当たり前のことすらしっかり実行されていないケースが多いです。こういう店は慢性的に人で不足になるケースが多いです。 5Sとは、整理・整頓・清潔・清掃・躾(しつけ)の五つを意味します。具体的にみていきましょう。5S整理=「要るもの」と「要らないもの」に分けて「要らないもの」を捨てること整頓=「要るものを使いやすいように置き、誰にでもわかるように明示する」こと清掃=「常に掃除し、きれいにする」こと清潔=「整理・整頓・清掃の3Sを維持する」こと躾 =「決められたことを、いつも正しく守る習慣づけ」のこと これらの5Sは本来ならば「当たり前のこと」ですが、その「当たり前のこと」が多くの飲食店の現場でできていません。この5Sを徹底するとやるべきことに集中しやすい環境ができます。また、身の回りが整っていると今まで意識したことがなかったことに気づくことができて、いいサービスができるようになるのです。
2022.12.04
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