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神社やお寺などの下草によく使われているようです。
お陰で、同じ場所に地植えしたすずらんも、いつのまにか無くなってしまったほどです。
旺盛な生命力には似合わず、可憐な花で、
白に淡い模様が入って、はかなげです。
毎年咲いてくれる宿根草なので、
春になると、花が咲いてくれるのが嬉しいです。
冗長な会話から一転?あら筋のような感じですが、
読んでみて下さい。14年以上前に書いたので、
もう開発されてる技術もあるかも・・・
「見果てぬ夢」9
時を経て、べスは科学研究所に勤めることになった。
ジョンは定年間近で協力することは出来なかったが、陰ながら応援していた。
ローリーは故郷の町に帰り、機密の仕事に携わりながら、
自分の研究をひそかに続けていた。
二人は決して約束を忘れて訳ではなかった。
つまずき、あきらめかけても、約束を思い出し、
負けるものかと自分に言い聞かせていた。
研究はなかなか思うように進んでいなかったが、着実に基礎研究
はしていた。
べスは人間から遺伝子を取り出し、それのみで培養する技術は出来ていない。
だが、遺伝子をロボットに組み込む技術は出来ていない。
それどころか、組み込むべき人造人間すら、完成してなかったのである。
べスの専門はバイオ技術だった。人工臓器、人工血液は出来ても、
人工脳は出来ない。ましてや増殖する人工細胞など夢のまた夢だった。
いつになったら人造人間が出来るのか、気が遠くなる思いだった。
もちろんその研究だけしているわけではない。
科学研究所の研究員としての仕事も果たさなければいけない。
自分の研究は、主に自宅の研究所に持ち帰ってのことだった。
実験道具は父に援助してもらい、少しずつ揃えてはいたが、とても足りない。
研究所に勤めてる関係で安く手に入るとはいえ、高価な器具は手が届かない。
このテーマを正式な研究として認めてもらおうとしても、
人間、ロボットどちらからも異端の目で見られる。
それぞれの誇りがあるだけに、中間の人造人間など許せないのだ。
その頃は、既にロボットの地位が向上し、彼女以外に現役で、
人間の研究員はいなかった。
あとは科学研究所の所長などの管理職、といっても名誉職だが。
他には、定年間際で実際にはもう研究をさせてもらえない人間達。
その中には、べスの父親も含まれていた。
父の世代以降は、もう人間の研究員はずっと採用されていなかったのだ。
べスが研究員になれたのは、人間ながらも大学院を卒業し、
その論文が認められたからだった。論文の題名は「人間の未来」。
「人間は退化し滅亡する。ロボットの時代が来るであろう、
その日の為に人間とロボットの合いの子である人造人間を作り、
子孫を残す必要がある。人造人間に人間の遺伝子を組み込み、
人間の今まで歴史を残すのだ。恐竜の一部が鳥に進化し、生き永らえたように。」
論文は科学研究所の所長の目に留まり、趣旨に感激して強引に採用した。
最後の人間の研究員として。ロボットはおろか、人間までも、
単なる所長の感傷に過ぎないと非難したが、
これが所長としての最後の決断だとべスを推し通した。
父ジョンとも友人であるため、縁故採用とも言われたが、
べスの優秀さは皆も認めざるを得なかった。
だが、それも人間の中では優秀というだけで、ロボットとは比較にならない。
べスは論文が認められたと思い、研究を続けようとしたが、
執拗な妨害に遭い、自宅に持ち込んだ。
正規の研究とは認められず、個人的な研究とみなされたからだ。
かえって、採用条件の論文のテーマとして知られていただけに、
反感を抱かれてしまったのだ。
人間、ロボットどちらからも、「こうもり」扱いされる始末だった。
ただ一人の理解者は、父ジョンだった。ジョンも最初は反対していたが、
べスの熱意に負け、またそうしなければ人間は滅びると痛感していた。
他の人間はまだ、ロボットに寄りかかったままで生きられると信じていた。
ジョンがいくら人間の滅亡の危機を説いても、耳を貸そうとしなかった。
ドームの中は人間の楽園と高をくくり、安楽をむさぼる生活を送っていた。
その間にもロボットは着々と改良され、進歩していった。
ロボット達の手によって。人間は必要悪とされていた。
ロボットを操るホストコンピューターがなければ、
とっくの昔に、人間はロボットに滅ぼされていただろう。
そのホストコンピューターでさえ、今はロボットに管理が委ねられていた。
反逆の意志を持たない従順なロボット達の中にも、少しずつ疑問を抱くものが出てきた。