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迂闊なことに、今日の今日までこの人の存在を知らなかった。その歌姫の名は比屋定篤子(ひやじょうあつこ)。
きっかけは、久保田早紀の「異邦人」だ。これだけでは風が吹いて桶屋が儲かるような話だが、まあ聞いて欲しい。最近、昔好きだった曲をiTunes Storeで検索してみるというのがちょっとしたマイブームになっていて、今日も夜更にパソコンを立ち上げ、思い出したように「異邦人」を入力してみたところ、膨大な数のカバー曲が出てきた。もちろんiTunes Storeの常で、久保田早紀その人の原曲は出てこない。
で、30秒間ずつ試聴できるのがiTunes Storeのいいところなので、さっそく片っ端から聴いてみることに。「ヴォーカリスト」三部作で名曲をカバーしまくっている大御所・徳永英明に始まり、小柳ゆきや女子十二楽坊などの有名どころが並ぶ中、ふと、やや毛色の変わった声で淡々と「異邦人」を歌うストレートな女性ボーカルに引き込まれ、思わず何度も聴き直してしまった。
それが比屋定篤子だった。
発声に、ボサ・ノヴァを歌う人特有の匂い(いわゆるサウダージ・ヴォイス)を嗅ぎ取ったので、彼女の他の曲を検索してみると…ビンゴ!いや、ビンゴどころではなく、ブラジリアンテイストあふれる名曲を大量生産している、凄い人であることが分かった。
ショックだったのは、メジャーデビューしたのが1997年だったということ。12年も前から活躍していた人!?…なんと、僕のアンテナはどれだけ鈍感なのだ。
ただ、昔から好きだった(渡米後の)EPOをサポートしているショーロ・クラブの笹子重治が、比屋定篤子ともコンビを組んで定期的に沖縄や東京でライブをしている(彼女は沖縄の人だ)という情報を読んで、ああ、さもありなんと思った。笹子重治のギターはこういうプリミティブで透明感のあるヴォーカルに良く合う。
そういうわけで、さっそく【A Million Smiles】と【ひやじょう】の二枚を購入。どちらも捨て曲なしの名盤です。ボサ・ノヴァ好きには超お勧めのアルバムです。ただ小野リサあたりとの違いを挙げるとすれば、イージーリスニングと言うより、歌詞をしっかり楽しみたい歌が多い。作詞のセンスがとてもいいので、聞き流すのはもったいない気がする。
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