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このネタは触れるか触れまいか、相当悩みました。RICOHと並ぶエンゾーのご贔屓ブランドであるPENTAXが、大々的に発表した「PENTAX Q」。新マウントを採用し、極小ボディで、レンズラインナップも一気に五本を揃え、やる気満々です。
ただ、なんか…盛りあがりに欠けるんですよね(´・ω・`)ショボーン。
既にあちらこちらで言われていることですが、嗜好の問題とは言え、あのデザインが、どうにもこうにも、そそられません。
「最初はブサイクだと思ってたけど、見慣れた今では可愛く見えるよ!」
というのもアリなんですが、出来れば直感的かつ問答無用でハートを鷲掴みにされるような姿を期待していただけに、肩透かし感は否めないというか。
都内で行われた新製品発表会での詳しい内容は デジカメWatch
に譲るとして。「Q」が生まれてくるまでの流れを要約すると、次のようになります。
◯ミラーレス機の登場や低価格化により、購入検討者が急増中。
◯しかし本体が大きい・持ち運びにくい・操作が難しいと感じ、踏み切れない。
◯一方で、ユーザーは画質の良さやレンズ交換によるメリットにも注目している。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
結論:「素子を小さくしちゃえば、システムを小さく出来るよね!Wow!」
…えっ?そうなる?(*_*;
PENTAXは、大素子市場で他社フルサイズ機との直接対決を避けて645Dに行きましたので、一応、ニッチ狙いという意味では戦略が終始一貫しています。
ただ、エンゾーがコンパクトカメラユーザーから機材のステップアップについて相談された際、彼らの多くはこう希望しました。
「そろそろ被写体の前後をボカした写真が撮りたいんだけど、何買えばいい?」
こういう根源的なニーズは、時代が変わってもあまり変化がないので、その辺のプライオリティをぶっ飛ばしたこの製品には、どうしても誰得感がつきまといます。
もちろん、PENTAXもそこのところは良くわかってますので、「Q」ではハードではなくソフト的にボケ感をコントロールする機能が搭載されているとのこと。後ろボケだけでなく前ボケも作れるそうです。コンパクトカメラならともかく、レンズ交換式のシステムカメラが そんなんでいいのか
という話は置いておいて。
この点について、実はかなり以前にこのブログで「PENTAXおよびNikonが極小素子のミラーレス機を検討中」という噂話をネタとして取り上げた際、冗談半分で
「もし本気でそんな製品を作るとしたら、ボケはボディ内の画像処理で解決するつもりなのでは?」
と予想していたのですが、その通りになってしまいました。うへー。このヘボ予想は外れて欲しかったなあ。
ポジティブな見方をすれば、パンフォーカスな画作りをしたい時には無類の強さを発揮するシステムという言い方も出来るわけで、解像感の高さにも注力しているとのことなので、この辺に関しては実写サンプルが待たれます。
そういえば、この「Q」、なんとマグネシウム筐体を採用しています。国産のミラーレス機でマグネシウムを採用した機種は、現状ではGXRだけです。GXRやGRDのかっちりしたカタマリ感は何物にも代えがたい安心感がありますから、趣味性の高い「Q」にマグネシウムを採用したこと自体は慧眼だと思います。
ただし、その代償は小さくなく、価格が小型センサー機とは思えないほど跳ね上がってしまいました。標準レンズ付きキットの予想価格が7万円前後となっています。うーん、高い…。返す返すも、デザインがもう少し何とかならなかったのかと…いや、これ以上は言いますまい(T_T)。
P.S.
PENTAXは、「Q」とは別にAPS-Cサイズのミラーレス機を秋頃に出すのではないかという噂があります。これが本当なら嬉しいのですが、フランジバックが超長いPENTAXのことなので、またまたマウントを新規開発する必要があり、リソース的に見ても、この噂はホントかいなと疑ってしまうところです。
とは言え、あの名機K-5を世に送り出したPENTAXですから、同じ血を引く硬派なデザインに仕立ててもらえれば、非常に魅力的なシステムになると思います。この際、既存のリミテッドレンズのことはさっぱり忘れて、専用設計のソリッドでぺったんこなパンケーキレンズ群を出して欲しいです。
そんなカメラをずっと待ってますが、今までのところ「ミラーレス=女子カメ」という構図を逸脱するカメラが出てきていないので、ぜひPENTAXに先陣を切ってもらいたいです。
ただし、一眼レフをこよなく愛するエンゾーとしては、心の片隅で、ミラーレスへの傾注がDSLRの衰退と直結してしまったOLYMPUSの徹は踏んで欲しくないなあと思う部分もあり。E-5がどれほど素晴らしく、また松レンズや竹レンズの性能がピカイチであっても、もはやフォーサーズは風前の灯です。世の中が小さいものを求めるのは変えられない動きと言えます。
そういう意味では、商業的な成功をおさめるかどうかはともかく、実は「Q」はシステムカメラの未来を占う上でターニングポイントになりうる存在かもしれません。
ナチュラルな(ハード由来の)ボケと、画像処理によってもたらされるボケがほとんど見分けが付かなくなり、かつ、高感度域での画質も破綻しないということになった暁には、本当に大きなシステムを用意する必要がなくなるわけで、そう考えると、たまたま今回の「Q」がイロモノ的な存在としてスタートしただけで、5年先には立派なメインストリームとして幅を効かせているコンセプトになっていたりして。
手ぶれも歪曲もノイズも当たり前にボディ内で補正がかかり、中級機にまでアートフィルターが入り込んでいる時代ですから、あと一つくらい補正要素が加わったところで、驚くには値しません。
そんな未来が喜ばしいかどうかは別にして。
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