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2014.08.13
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カテゴリ: 歴史
田舎に帰省するたびに、徳島道の藍住インターで乗り降りしているのです。
この地域がかろうじて日本の藍生産を維持しているのだろうとは知っているのだが、藍の博物館にまでは、まだ行っていないのです。

このたび、図書館で『日本の藍』という本を借りたので紹介します。


藍

日本藍染文化協会編、日本放送出版協会、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
化学染料、化学繊維万能の現代。そんな中でいまなお天然藍を大切に守り続けている人達がいる。藍染めは絹、木綿、麻、毛などの繊維にもよく染まり、堅牢度も高く、防虫や殺菌の効果もあるといわれ、何より、その美しい色の仕上がりが、今日なお多くの人々に愛用されている。本書は、藍の栽培、藍染料の作り方、染織の技法、そして天然藍による染織に取り組む作家たちを紹介する。

<大使寸評>
第2次大戦中には、すくも生産の中断があり、昭和40年代には、すくも生産消滅の危機もあったようですが・・・・
佐藤昭人さんの頑張りによって、すくも生産の技術がかろうじて、伝承されたようです。
先日「 藍布の源流 」というムック本を読み、日本の藍の素晴らしさに目覚めた大使であるが、この本でその思いを深めたのです。

Amazon 日本の藍




<阿波藍の栽培とすくも作り> p29~30より
 水打ちと切り返しの重労働、葉藍が吐き出すアンモニアガスと発酵による70度もの高温。そうした葉藍との苦闘は美しい深い藍のブルーを生み出すための闘いであり、一歩も引けない、真剣勝負である。こうした神経と肉体をすり減らす作業も、12月の声を聞くと終わりになる。

 葉藍はすっかりその姿を変え、すくもという別の物質に変容している。すくもが出来上がっているかどうかの確認は、まずすくもを手のひらに取り、水を少し加えて手のひらの上で竹べらで練る。そのときに出てくる液の具合を見る。より正確な鑑定は、古くからの手板法という方法によっている。すくもを一握り取り、少し固く練り上げて直径3センチほどの棒状にする。これを和紙の上に押して、色合いを検討するのである。

 手板法での鑑定は実に正確なもので、江戸時代には、これによって阿波藍の等級が決められた。等級は藍の価格に反映するから、シビアな判定が欠かせない。徳島県の無形文化財の指定を受けていた佐藤さんの祖父、佐藤平助さんは、この手板法の第一人者だった。
 出来具合を確認されたすくもは、全国各地で佐藤さんのすくもを待ちわびている染色家の元に発送される。まだ湯気の立っているすくもを計量し、かますに詰める。この作業は、種蒔きから始まったほぼ1年間にわたる作業のフィナーレであり、作業する人々の胸の内は、安心感と開放感で満たされている。

 夏の炎天下での藍刈りの作業や、高温を発する葉藍の発酵過程での作業など、過酷とも言える作業はもとより、苗の植え付けやすくもづくりの命でもある水運びの作業なども決して楽な作業ではない。

 こうした地道な作業を一つ一つこなしてゆく中で、藍は育ち、葉藍の発酵は進行し、すくもへの完成度を高めてゆく。



<藍を後世に残すために力を合わせて:佐藤昭人> p90~91より
 先祖代々藍師の家の生まれ。昭和23年、数え年10歳で藍職人の世界に入った。長男、家の後継者が家業を継ぐのが当たり前の世界である。第二次世界大戦後、食料不足は想像を絶するものであり、都会からの疎開者も多く、農家育ちの者でさえ食べ物に不自由した。
 昭和21年、岩田ツヤ子様が命がけで守ってくださった白花小上粉の藍種を播き、佐藤家で藍の栽培が再開された。昭和27、8年くらいまでは藍はよく売れたが、昭和30年代、日本経済の高度成長にともない化学染料、化学繊維の時代となり、藍が見向きもされない期間が昭和40年後半頃まで続いた。その中でもいちばん苦しかったのは、昭和40年から42年頃で、徳島県でも昭和42年には県の調査で作付け面積がわずか2ヘクタールであったが、担当者があまりに少ないので4ヘクタールと提出しておくとの話があったほどだ。
 藍師の家でも後継者はみな他の仕事に従事し、若い人間で藍の仕事をするのは私一人となった。

 昭和43年頃からNHKさんが、「日本にこんな仕事が残っている」とラジオやテレビで盛んに取り上げてくださるようになる。それから民芸協会の人たちが全国から訪ねてきたり、藍の見学者が次第に増えてくるが、その頃の私の家は藍作りだけでは家族の生活が難しく、酪農で生計を立てながら細々と藍の技術を守るという情けない時代であり、藍を作り続けても先の見通しはなく、早く藍作りをやめて酪農専業になることを真剣に考えていた。

 そんな折、名古屋の片野元彦先生が我が家を訪れた。何度となく訪れてくださるうちに「日本に一億人の国民がいる。その中に一人くらい本物の藍を作るバカがいてもいい。日本人が最古の染料を見捨てるはずがない。必ず公害のない天然染料、天然繊維の時代が来る。信じてください」と、度重なる説得に私の心が決まった。経済的に苦しかった我が家を何くれとなく心配してくださり、藍を守るための蔭の力になってくださった叔父の高瀬與吉朗様、光子様ご夫妻と、私の迷いを本筋に導いてくださった片野元彦先生、この方々は私の人生の恩人である。







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Last updated  2014.08.13 16:05:11
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