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2014.08.18
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カテゴリ: メディア
朝日のコラム「波聞風問」にチャイナウォッチャーとも言える吉岡桂子記者の記事を見かけたので紹介します。
吉岡

公害の克服ノウハウを伝えることから日中の和解が進展することは、確実なんだけど・・・中国政府は治安対応に追われて、その余裕がないようです。

対中抑止力も必要ではあるが、日本は、北風もさることながら、太陽政策にもっと注力すべきではないか。

8/17 公害を伝える 日中は青い空でつながるか より
「工場の煙は赤く、火事かと思うほどだった。シーツを干せばすぐに真っ黒になった。いまも、たんがのどにからんで寝られない晩もある」

 7月中旬、大阪市西淀川区のあおぞら財団の会議室。工場と車の排ガスによる大気汚染で慢性気管支炎を患う永野千代子さん(74)の話を、中国からやって来た若者たち約30人は身を乗りだしてきいていた。日本政府が招いた記者や環境NGOのメンバーである。大半は初めて来日した。

 この地区は、高度成長期から1970年代にかけて「灰色の空のもと昼間からライトをつけて車が走っていた」。PM2.5が覆う今の北京を思わせる話だ。公害病認定患者も累計で7千人を超える。

 患者らは78年から企業と国や阪神高速道路公団(当時)を相手取り、賠償と汚染物質の排出差し止めを求めて提訴し、98年に和解した。財団も和解金をもとに地域の再生をめざしてつくられた。「正義感に満ちた医者や学者、法律家が20年もの公害訴訟を支えた」。中国経済導報の陳陽記者は帰国後、そう伝えた。

 やはり和解金の一部を使ったお年寄りのデイケアセンターも見学し、中国で増え続ける公害の被害者が老いる先を思った。ネットメディアの新浪微公益の余哲記者は「訴訟で青春を費やし白髪になっても、健康への影響が残る」と書いた。

 1週間の滞在中、日本の青い空を実感し、厳密なゴミの分別や衛生的なゴミ処理場に驚いていた彼らだが、日本の公害の歴史の身近さにも、心を動かしていた。

 中国には公害病の認定制度がない。司法の独立や言論の自由も十分ではなく、環境にかかわる法律はあっても実効性は弱い。中国など海外からの視察を受け入れてきた財団の研究員、林美帆さんは「患者さんの言葉は心に響くようだ。日本の経験が、改善のヒントになれば」と話す。

 政府どうしの関係が「最悪」とされるかたわらで、環境や都市化をめぐる交流は静かに続いている。今春には、習近平国家主席がトップを務める改革チームの経済や環境を担当する幹部らも来日し、金属汚染を引き起こした足尾銅山跡(栃木県)などを訪れた。東京と北京、北九州と上海など、自治体どうしの協力もすすむ。

 日本では水俣病(熊本県)など公害の歴史的な資料をもつ15団体が昨年末から、連携ネットワークを広げる。日本人自身の記憶の風化や語り部の高齢化への危機感からだ。

 ならば、海外からの視察受け入れ体制でも手を携え、貴重な経験を中国など新興国にもっと伝えられないか。歴史認識や領土で対立していても、「青い空」をめざして公害の克服に歩む「歴史」は、共有できる物語になる。


漢族といっても多様であり、洗練された香港の漢族もいるわけで・・・
そのあたりを吉岡記者のレポートに見てみましょう。

7/06 返還から17年「中国の玄関口」香港の憂鬱 より
 不思議な行進だった。うだる暑さの香港を、何百人もの男女が黒いスーツやスカートに身を包み、無言で歩く。

 6月27日のこと。弁護士や元裁判官ら法曹関係者が、中国政府に抗議したデモだった。香港の自治を約束してきた「一国二制度」にかかわる白書で、司法にも愛国を強いたことなどに反発し、司法の独立への脅威を訴えていた。

 袖なしの黒いワンピースを着た女性は言う。「経済力をもった中国は、力で何かを変えようとしている」。英国から中国へ返還されて17年。国家の秩序や大陸との融和を理由に「オレ流」の風を吹かす中国に対して、いらだちがまじった憂鬱な空気が漂う。

 デモのコースは、法治が支える国際金融都市の心臓部、中環(セントラル)地区。国有の中国銀行や中国工商銀行、アヘン戦争後の植民地時代から拠点を持つ英HSBCや米シティグループの高層ビルがそびえ立つ。

 ここの「占拠」を視野に入れた市民運動が活発化している。ニューヨークのウォール街占拠は格差への異議申し立てだったが、香港では民意の陣地取りそのものである。2017年の香港トップの選挙から普通選挙を認めるはずだったのに、中国政府は候補者の選び方などについて干渉をやめないからだ。

 返還記念日の1日には学生や家族連れら20万人近いデモ隊が、このあたりを練り歩いた。今秋に香港で予定されていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の財務相会合が北京に変わったのも、混乱の心配に加えて、中国当局が抗議を受ける姿を参加国に見せたくないから、と現地ではみられている。

 改革開放で急成長した中国経済と世界をむすぶ回廊として、香港はその果実を享受してきた。かつては貿易の、いまも大陸では規制が強い金融の玄関口だ。海外との取引が制限されている人民元を国際市場につなぐ役割も担う。

 大陸から押し寄せる観光客は、死活的な収入源になっている。いっぽう、マナーの悪さから摩擦が絶えず、人数の制限も議論されている。習近平政権が出した「ぜいたく禁止令」が響き、高級時計や宝石などの売り上げはがた落ち。小売りは、年明けからさえない。中国という「巨体」から吹く追い風も逆風も、香港はまっさきに受ける。

 経済で離れがたい仲であるがゆえに、「巨体」からルールを押し切られるのではないかという疑念がもたげる。中国当局が大陸内で強めている民主や法治を求める動きへの弾圧が、不安を増幅させる。

 グローバリゼーションが進むなか、中国と相互依存を深めてきた日本を含む各国が、多かれ少なかれ抱える葛藤である。その最前線にいる香港の行方が、気になる。 


ここで以前の日記を引用します。
********************************************************************
<吉岡桂子記者の渾身インタビュー4連発>
中華経済に関する吉岡桂子記者渾身のインタビュー記事を、四つ紹介します。

中国、成長の罠
中国の「不動産バブル」 大手不動産会社トップ2014.01.28
中国 国有企業の行方 張維迎2013.11.07
中国と影の銀行 張維迎2013.8.02

朝日新聞の吉岡記者といえば、チャイナウォッチャーとして個人的に注目しているわけで・・・・
その論調は骨太で、かつ生産的である。
中国経済がらみで好き勝手に吹きまくる経済評論家連中より、よっぽどしっかりしていると思うわけです。

波聞風問一覧 に吉岡記者の中国論が載っています。






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Last updated  2014.08.18 00:01:47
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