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2015.04.14
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カテゴリ: アート
 図書館で『韓国の住宅』という本を手にしたが・・・・


 このところ日韓では歴史認識でもめているが、アート、民俗など認め合う事柄は、探せば多いんですけどね。


韓国

金光鉉著、丸善、1991年刊

<「BOOK」データベース>より
大地の身体として息をしている韓国の住宅を訪れ、生活と物体の存在性が自然と合一しながら透明な空間に化する建築を発見する旅。本書は、古い伝統と、それに培われた建築的造形と空間が、どのように建てられるかという意識を超え、荒い土地の上に生み出してきた生活感覚をイメージとして描き出す。

<読む前の大使寸評>
両班の古民家のカラー写真が多く載っているが・・・とにかく、その建築的造形が美しい♪
日韓で古民家を比較しても、好みかもしれないが、韓国に軍配を上げるのである。

Amazon 韓国の住宅

この本の韓屋の写真の一部です。

観稼亭良洞の観稼亭

安東安東の義城金氏宗家


韓国と日本の住宅の違いは、何といっても韓屋にマルとオンドルがあり、日本には無いことだと思うのです。そのあたりをこの本で見てみましょう。

<マルとオンドル> よりp80
 韓屋と呼ばれる韓国の住宅は、中国や日本と同様に木造の建物であるが、それらと大きく違う特性は、それがマル(板の間)とオンドル(温突)の構造によって建てられるという点にある。オンドルは、北方の寒い地方で始まった閉鎖的な構造であるが、その反面、マルは南方の高温多湿な地方で発生して、暑さに対処するために工夫された開放的な構造である。

 つまり、これらの二律背反的な構造が、韓国においては一つの住宅の内部空間に共存しているのである。

 地面に密着したオンドルの構造は基壇の上に高められるし、虚空の上に敷かれたマルは低められて、オンドルと水平をなして行く。オンドルだけのある家には縁側が付けられるが、中部地方では大庁と縁側あるいは楼マルで構成されて、平面には高低の差が生じる。その結果、台所・アンパン・縁側・楼マルなどは、立面に奇異な律動感を生み出す。

 特に、マルは住宅だけでなく、宮殿とお寺、櫓と楼亭などの集会と眺めのためのものに幅広く使われてきた。また、それはもともと地温・地湿を防ぐための構造であったが、その機能は倉庫、蔵書、民家での祭祀、夏の生活の場、部屋と部屋との連結通路、部屋とマダンとの間の中間領域などに多様に使われた。


中庭としてのマダンも、韓国独自の概念があるようです。

<「マダン」の概念> よりp70~71
 西欧的な定義では、外部空間とは建物を除いた空間を意味するが、東洋の場合は必ずしもそうでない。韓国の外部空間は、共同体の意識にための開放的な空間と、個人の生活のための閉鎖的な空間というふうに、空間の使い方によって区別される。それは<空間>という言葉が示すように、「空いて」はいるが具体的な機能を持った閉鎖的な場所、すなわち構造物の単位である「間」を意味するものであり、ただ均質に空いているものとしての西欧の空間概念とは異なる。韓国では、このような性格の外部空間を「マダン」と呼んでいる。

 マダンは、物理的な庭のみならず、場所とか中間領域の意味をも表す。辞典によれば、マダンとは「家の前後にある平らに均した固い土地」、あるいは「事が起こる場合または事にあたる時機」といって、空間的な意味だけではなく、時間的な意味をも含んだ複合的な言葉である。しかし、語の用法は空間のみに限らず、伝統的な仮面舞踏とかパンソリという謡を教える単位のように、一種の間合いにも似た時間の概念としても用いられる。このように、マダンとはいわば場あるいは場所に近い概念である。

 マダンは、韓国の伝統的建築においては、除いてはいけない確固たる位置を占めるもので、宮殿・お寺・書院・住宅などのあらゆる種類の建物と一体になって存在してきた。村には亭子木を中心とした亭子マダンがあり、井戸端には洗濯場としての井戸マダンが、邑村の内には市の開かれる場所としてのマダンがある。

 同時に、それは日常生活の中では仕事場として、また休み場や遊び場にも使われるし、ときには思索の場所という象徴的な意味で韓国人の心に宿っている。

韓国辞典が説く「マダン」を見ても日本人には、もうひとつピンとこないのだが、この感じ方は韓国独自のようですね。なお、大使も韓国出張中に、田舎で樹下のマダンをよく見かけたものです。


次にあるように、韓国の縁側の味はひとしおである♪

<オンドルとマルの趣き> よりp82~83
 オンドルが、冬の生活空間のためのものであれば、マルは、夏の生活空間のためのものである。涼しい夏の昼、麻布でつくった着物をきて、後ろの板門を開き放し、大庁に横たわって昼寝をする味は口では話し切れない。

 しかも、楼マルに座って涼しい風の中で、青空を茫然と眺めていると、天井の神仙が羨ましくないし、甘ったるいマクワウリやスイカを食べながら、蝉のすだく音でも聴いていると、すでに人口の住宅にいるのではなく、自然の一部に身体が同化しているような錯覚さえ呼び起こす。それが、韓国住宅の大庁と楼マルの味であり、韓国の住宅ではないと感じられない趣きの一つである。

 マルには、大庁マル、楼マル、トェンマル(縁側)、チョンマルなどがある。大庁マルは、部屋と部屋との間、あるいは楼マルと部屋との間に敷かれる広い板の間であり、楼マルは、舎廊棟や別堂の一部に他のマルよりも地面から高く引き上げられた板の間である。



プサンナビの「良洞民俗村」の解説が、ええでぇ♪

良洞民俗村(慶州) より
 ここは李朝時代の伝統文化や家並みが現代までそっくりそのまま残されたところで、村はまるで500年前の様子そのままとして残っている村です。

良1


 現在も人々が普通に暮らし続ける一方、貴重な民俗資料として村全体が大切に保存されています。伝統的な両班家屋や藁葺き屋根の家160戸が並び、その中には200年以上経過した古い家屋も54戸あります。李朝時代中期以降の建築様式を存分に楽しむことができる場所として、また数百年前から引き継いである伝統文化を体験できる場所もあります。

良2

良3

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Last updated  2015.04.14 08:28:04
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