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2015.04.27
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カテゴリ: メディア
図書館に借り出し予約していた『工作舎物語』という本をゲット・・・・
編集者松岡正剛が給料を度外視して打ちこんだ工作舎とは、どんなだったのか♪

個人的な関心事ではあるが・・・・
松岡正剛、編集工学、ビジュアル的な装丁という組み合わせが、何やら心騒ぐわけです。


工作

臼田捷治著、 左右社、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
70年代の黎明に工作舎という編集宇宙を学ぶ。才能を呼び集める才能とは?クリエイター列伝、屈指のノンフィクション!
【目次】
第1章 松岡正剛ーなにもかも分けない方法/第2章 戸田ツトムー小さな声だからこそ遠くまで届く/第3章(芦澤泰偉ー遅いという文句は出ない/工藤強勝ー報酬はタブーの世界/山口信博ー間違えるのも能力/松田行正ー密度がとにかく濃い/羽良多平吉ー最後までなじめなかった)/第4章 森本常美ー夢を見ていたよう/第5章 祖父江慎ーおどろきしまくりの日々

<読む前の大使寸評>
編集者松岡正剛が給料を度外視して打ちこんだ工作舎とは、どんなだったのか♪
この本は、図書館に借り出し予約しようと思うのだ。

<図書館予約順位:6(2/11予約、4/21受取)>

rakuten 工作舎物語


臼田捷治がつづる「はじめに」の一部を紹介します。
p7~10
 看板雑誌『遊』と『人間人形時代』、撰集『日本の科学精神』、『全宇宙誌』などによる書籍によって時代を画した一連の成果は、工作舎を立ちあげた編集責任者である俊才・松岡正剛と、数々の独創的な方法論を編みだしたグラフィックデザイナー・杉浦康平との緊密なコンビネーションが核となって世に送り出された。それまでの雑誌や書籍にはなかったヴィジュアル的な側面に力を注いだ新しい挑戦と、なおかつそれと一体となっている独自の編集力は、多くの若者を魅了した。その姿勢は今日に至るまで変らない。

 工作舎の現編集長である米澤敬のことばを引用すると、「発足以来40年間にわたって、デザインとは編集であり、編集とはデザインにほかならないことを、一貫して活動の基本とし続けて」いるのだ。

 いまや日本はデザイン王国である。出版デザインでは、大半の書籍がブックデザイナーによる意匠をほどこされて書店に並ぶ。有名装丁家も多数輩出し、彼らが手がける作品群は、書店の平台において、しばしば「ジャケ買い」という衝撃的な行動を日々誘発している。中身の吟味はさておいて、デザインだけで読み手をレジに直行させるのである。永らくデザイン不在であった文芸誌までがアートディレクターの差配によって世に送り出されているのが当たり前のことになった。

 だがいまから40年ほど前、70年代前半ごろまでの出版デザインはまだまだ立ち遅れていた。戦後デザインのフロンティアである原弘と、次の世代である杉浦らによる先駆となる活躍はごく一部にとどまっていたのである。小説本の装丁は画家が中心の担い手であり、その中にはすぐれた仕事も残されてきたことはたしかであるが、それでも大半が「画家の手内職」だった。

 人文系・学術系の堅い内容の書籍はもっと遅れていた。編集者が何らのセオリーもないまま、自己流で装丁をまとめあげているケースが多くを占めていた。もちろん、編集者にもセンスのある人はいる。私が1970年に入社した美術出版社では、8割がたは先輩編集者たちが装丁までまっとうしており、新米の私は、手塩にかけるような丁寧なその仕事ぶりを隣の席からまぶしく眺めていたものだった。大向こうをうならせるような派手さはないが、いぶし銀のような技は健在だった。

 そうはいっても出版界全体のデザイン水準は低かったといえるだろう。
 「外づらよりも大事なのは中味だよ」
 そういう意識が出版界では支配的だった。たしかに一理ある。だが、中味さえよければ本は売れる時代はとうに翳りを見せ始めていた。読者も内容にプラスしてデザイン性を求めだした。意識の高い読者は装丁のみならず本文のレイアウトのあり方にも関心を高めつつあった。

 「日本では、まだまだ編集者や出版社の勘によることが多く、それで成功したり、社風が形成されたりしているが、もはやそれらが不合理であることを反省する時点なのである。本の装丁も、調査とプログラムにもとづいて科学的におこなうべき時代が来たのである」
 このように出版デザインの本格的な展開が待ち望まれていた時代に、鋭いクサビを打ち込んだのが新参組の工作舎であり、松岡正剛であった。

 その松岡について杉浦康平が私に「松岡正剛くんは日本でいちばん優秀な編集者だよ」と言っていたことが忘れられない。10970年代半ばのことである。私も当時、編集者として杉浦事務所に出入りさせていただいていたのであるが、いつもフランクに、寸鉄人を刺すような、的確で鋭い物言いをする杉浦である。同世代である松岡のあふれんばかりの才覚は私なりに理解していたから、杉浦の松岡評に納得したものだった。


芦澤泰偉がブックデザイン第三世代のデザイン・シーンを語っています。
p129~131
 工作舎とは離れるが、ここで80年代前半のデザイン・シーンを振り返ってみよう。
 杉浦康平世代を継ぐ次世代の旗手として、1943年生まれ菊池信義は、新春に駈けぬける風のような清新な活力をブックデザインの世界に注ぎ始めていた。芦澤と同じように菊池は広告畑からの転身であり、事実上のデビュー作といえるのが1979年の埴谷雄高著『光速者』(作品社)。著者の脳の断層写真を使った装丁が話題を集めた。菊池の存在感はこれ以降、急速に高まっていく。

 83年に東京の八重洲ブックセンターで開いた初めての個展、「平台/『菊池信義の本』展」でも世の耳目を集めた。テキストの内実に寄り添いながら織りなすアプローチは、官能性と清潔感をたたえ、同時代に特別の影響を与えてきた。

 一方、工作舎をやめた戸田の活動も鮮烈極まるものだった。アートディレクションした『GS』(冬樹社)は1984年創刊。浅田彰らが編集に参画し、折からのニューアカデミズム・ブームが起き、哲学や思想の新しい潮流を象徴する季刊誌だった。戸田はデザインサイドから明確な輪郭を、この知の新局面に添わすことになる。それは、松岡が提唱し、実践しているように、グリッド・システムに象徴されるモダニズムの定則に揺さぶりをかける果敢な試行であり、ブロックごとに一行に納まる字数を変えるといった、ポスト・モダニズムとも呼応する「知的レイアウト」が全面的に繰り広げられた。

 現在、京都造形芸術大学大学院学術研究センター所長の要職にある浅田彰は、『GS』編集時は京都大学の助手だった。そのころの浅田のトークを、私は東京御茶ノ水のカザルスホールで開かれたあるシンポジウムで一度聞いたことがあるが、いちばん記憶に鮮やかなのは次の発言である。「英語でしゃべるよりもフランス語でやるほうがいいんですけれどもね」。浅田の嫌う「幼児的」感想で恐縮であるけれども・・・・。

 ともかくも、目ざす方向は違うかもしれないが、松岡正剛と浅田はともに桁はずれの才能である。松岡によると浅田も『遊』に惹かれていた若者のひとりだったという。浅田は松岡とはひと回りほど若い。たぶん高校生時代のことであろう。

 浅田を挙げたからには、『遊』にシンパシーを寄せていたもうひとりの俊才を紹介しないといけない。やはり松岡によれば、浅田と同じくニュー・アカデミズムの一翼をになうかたちになる中沢新一がそうだったという。中沢はやがて、自ら現地におもむいて修行にいそしんだチベット仏教学とフランスの構造主義哲学とを関連づけながら、伸びやかで柔らかな知性を存分に表し出す。現在は明治大学の野生の科学研究所所長を務めている。


先頃、コミック雑誌『ガロ』の個人的ミニブームで、かなり入れ込んだ大使である。
『ガロ』には著名な漫画家、イラストレーターが参集したが、それには編集長兼出版社社長の長井勝一さんの損得抜きの(ような)経営方針に負うところがあったのでしょう。

一方、工作舎の場合も、松岡正剛の、損得抜きの、止むに止まれないクリエイティブな執心があったようですね♪


この記事も 松岡正剛の世界 に収めるものとします。





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Last updated  2015.04.27 00:05:54
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