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2015.05.23
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『海と女とメタンハイドレート』という本を手にしたが・・・・
メタンハイドレートあれこれ 」をしたためたとおり、メタンハイドレート開発には関心があるのです。
でも、この本では、青山千春本人の面白さがメインのようです♪


【海と女とメタンハイドレート】
メタン

青山千春, 青山繁晴著、ワニ・プラス、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
建国以来初の自前資源、メタンハイドレート。日本国民の多くが期待を寄せるこの資源の、魚群探知機を使う安価にして確実な探査方法で日本の特許と諸国(アメリカ、オーストラリア、ロシア、中国、韓国)の特許を持つ青山千春博士。そして、彼女はその特許の使用料を1円たりとも取らない。祖国のための特許であり、自らの利益のための特許ではないのだ。メタンハイドレート調査・研究のキーパーソンであり、国士でもある博士は、同時に青山繁晴氏の配偶者であり、二人の息子の母でもある。船乗りを志し、門前払いの大学の中から、かすかに開いていた東京水産大学の門をこじ開けるなど、この国にある性、年齢などの様々な差別や障害としなやかに、そしてしたたかに戦ってきた彼女のピュアな道行は、やがてメタンハイドレートとの出会いにつながり、世の女性たちと祖国に勇気と元気をもたらす。

<読む前の大使寸評>
夫婦共著の本は、ありそうで、あまりないようですね。
この本では、夫唱婦随なのか婦唱夫随なのか判然としないのだが・・・
いずれにしても明るく、開拓精神旺盛なところが、ええでぇ♪

rakuten 海と女とメタンハイドレート


青山千春の原点あたりを見てみましょう。
p78~82
<将来は南極に行って化石を掘る!>
 この授業が、私の「謎を解きたい気持ち」に火を付けました。
“これは絶対、南極へ行って化石を自分で掘るしかない!”
 そう決意しました。

 この授業が私の人生の方向を決めました。それからは、どうやって南極に行くのがいいのだろうと真剣に考えるようになりました。
 大陸移動説の話を聞いて、すぐに猪郷先生が顧問をしている「地学班」―いわゆる「地学部」なんですが、女子学院ではクラブのことを「班」といいます―に入りました。
 それから先生と一緒に埼玉県の長瀞や秩父の山に巡検(フィールド調査)に行き、フズリナや二枚貝の化石などをハンマーで叩いて採取しました。
(中略)

 フィールド調査の面白さを教えてもらいました。そしてフィールド調査には「努力」が導き出す「運」も大事だとわかりました。
 猪郷先生との出会いがなければ、いまの自分はありません。船乗りにならなかっただろうし、もちろんメタンハイドレートを発見することもなかったです。猪郷先生、ありがとうございました。

 私が41歳で博士号を取った時に、やっと夢に近づいたので、うれしくて猪郷先生に真っ先にお知らせしました。先生からは「40代は研究者が最も活躍する年代です。大いなる社会貢献を期待します」といううれしいメッセージをいただきました。

 さらに、私がメタンハイドレートの研究を始めた頃には、日本地質学会に入る必用が有りましたが、水産学博士の私には異分野である日本地質学会には知人がいませんでした。会員の紹介者がいなければ入会できない決まりがありました。そこで、会員である猪郷先生に紹介していただき無事に入会することができたのです。


二人の子どもの子育ての目途がたった後、理系女子のフロントランナーとして初志貫徹をめざすところが偉いわけです。
p144~151
<航海士の免許も取り、36歳で大学院へ>
 ちなみに東水大の後輩に、小野寺五典・現防衛大臣がいます。小野寺さんは、私が大学を中断している間に東水大に入学したと思います。その頃すでに、女性として初めて東水大に入学した「青山千春」が伝説化していたそうです。

(文字数制限により省略、全文は ここ

 修士課程では、最初は魚のことや魚群探知機の設計など、基礎的なことを学ぶので、それは大変でした。なかなか興味が湧かなかったからです。
 しかし、そこは堪えて学ばなければ、その後の自分のやりたい研究ができないと自分に言い聞かせて、修士課程の2年間はたくさん実験をし、とにかくデータを数多く集めました。

 そのときは、大学所有のひよどりという19トンの、機関士と船長とふたりで運転する小さい船に乗って、千葉県の館山まで行き、そこで実験を重ねました。

 大学4年の卒業論文以来12年ぶりに書く論文なのでなかなか苦労しました。4年の頃は手書きだったのに、ワープロで書くようになっていたり、4年のときには計算は卓上の計算機でやっていたのに、パソコン上でプログラムにより高速計算できたり、まるで浦島太郎状態でした。

(中略) 
<運命を変えた「ナホトカ号」重油流出事故>
 そんなある日のこと。「魚群探知機で海底のこともいろいろと調べられることがわかってきた」というようなドクターの論文を書いて間もない頃、「ナホトカ号」調査の話が私のもとに舞い込んできました。

 それは1997年1月のことですが、重油を積んだロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」が、悪天候のため船体が真っ二つに折れて、船体の大部分が島根県隠岐島沖に沈没したのです。問題は沈没した船体にどれくらいの重油が残っているのかっわからないことでした。

 そこで、船に積んだ魚群探知機からの超音波で、魚群ではなく、海底や海の中を探索するという研究を行っていた私のところに、海中の重油の湧出量を計測できないかという依頼が来たのです。


この調査を成功裏で終わったあとの回航中に、メタンハイドレートを見つけることになるわけです。

最後に、夫・青山繁春から妻・千春へのエールを見てみましょう。
p219~222
<陸と男とニッポン航海記>
 横川千春という少女が、大学に出願すらできなかったとき、突破口を開いてくれたのは、ピアニストのお母さんでした。

 その後の障害は、ことごとく、ありのままに申してぼくが全面支援して突破してきました。性別、年齢で日本国民をあらかじめ勝手に分けること、そして官僚や政治屋、企業の既得権益、東大という虚名にひれ伏すマスメディアの愚かな権威主義、それぞれの利己主義、祖国をみずから貶め「敗戦国」にして「資源のない国」であることをむしろおのれの過去の業績を守ることに結びつけてきた学者たちの自己防衛第一主義、それらとひとつひとつ、たった今も戦っています。

 ひとつには、ぼくは弱い立場に立つひとを護り応援するのが、子供の頃から、ご飯を食べるより好きです。
 しかし、もっと大きな理由があります。
 それは青山千春がぼくの配偶者、かあちゃんだからでは、ありませぬ。
 ぼくたちはみな同じ定め、一度だけ生まれて一度だけ死にます。
 ぼくは近畿大学の経済学部で、客員教授として国際関係論を教えてもいますが、毎年の春、男女の新入生への最初の講義でいつもこう言います。
 「祖国には、きみしかいない」
 女も男も、大学名も何もへったくれもありません。

 たとえば鈴木優子さんという学生がいるとして、その名前はどこにでもあっても、この鈴木優子は、この先に宇宙が何百億年続いても、決して再び産まれることはありません。 ぼくらは、死すべき存在だからこそ、絶対的にかけがえのない存在です。
 その個性の発揮を不当に阻むものとは、命ある限り、あらゆる最前線で戦います。

 日本海にあるような表層型そして結晶状のメタンハイドレートを極めて安価に、そして確実に発見できる方法で、青山千春博士が、日本の特許をあっという間に取ったのを皮切りに、アメリカ、オーストラリア、ロシア、さらに韓国、そして日本人の特許を認めたくない中国の特許すらも、どんどん取っていったとき、ぼくは独研の命運と最終経営責任を預る立場として、一度だけ、こう聞きました。
「おい、自然科学部長。特許を持っていたら、その特許技術を使う人や組織からは、特許使用料を取るのが当然だよ」

 独研本社で執務中だった青山千春博士は、顔を、えっと上げてこう言いました。
「社長、何をおっしゃるんですか。私は祖国のために特許を取ったんです。使用料なんか取りません」
「おまえ、(社会に疎いはずの日本の)科学者のくせして、祖国なんて言葉をどこで覚えたんだ」
「・・・・私の作った技術は、誰にも使いやすい技術です。それだからこそ、意味があると思いますが、私が特許を取らなかったら、中国や韓国が特許を勝手に取って、日本は戦争責任があるから使うなと、きっと言ってくると思います。それを未然に、きちんと防ぐために特許を取ったんであって、祖国と世界のためにどんどん私の技術を使って、環境に良い、人類に良い、新しい資源を見つけて欲しいと思います。お金のために取ったんじゃない。それが社長の決めた独研の経営方針ですよね」

「よし、分かった。その通りだ。きみは正しい」
 これで、永遠に特許使用料を一円も、一セントも取らないことが決まりました。


まさか、青山千春博士から、祖国とか戦争責任という言葉が出るとは思わなかったが、博士の高邁な方針には敬服する大使でおます♪

体制

メタンハイドレート開発には「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」という、いわゆるムラが形成されているが・・・
はたしてこのムラは日本の国民にとって有力な資源開発となってくれるのか?


 メタンハイドレートからメタンガスを取り出すには、減圧の度合いを60-70%に上げて生産する必用があるようだが…
取出ガス費と生産費用の対比が商業化の目処となるわけで、コンソーシアムには生産施設の改良・実用化が委ねられているようです。
それを税金で運用するならば、納税者としてはコンソーシアムに誤魔化されないようチェックする必要があるわけですね。(経産省に対して疑い深い大使である)

 なお、コンソーシアムの試算によれば、ガス生産費用は46~174円/m3で、米シェールガスの10円/m3よりそうとう高いらしいでぇ。
(シェールガスの5倍くらいでおさまるなら・・・御の字やで)
この皮算用のリスクとロングスパンがお役所にとっては・・・たまらなく美味しく見えるのでしょうね。


このあと、浜坂ハーフマラソンに向けて出発します。
結果報告は明日以降になりますので、よろしく♪






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Last updated  2015.05.23 09:37:09
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