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2018.12.20
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カテゴリ: 中国
図書館で『善と悪(ナショナルジオグラフィック2018年2月号)』という雑誌を、手にしたのです。

先ごろ、(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)でスズメの生態を読んで、いたく惹かれたのだが、今月号の鳥シリーズ「鳥の知能」もなかなかのもので、借るしかないのです。





雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2018年刊

<商品の説明>より
【特集】
●善と悪の科学:
見ず知らずの人を命懸けで守る人もいれば、残忍な凶悪犯になる人もいる。善悪の概念の違いはどのように形成されるのだろう。脳の働きに、その答えがみつかりつつある。
シリーズ 鳥たちの地球
●鳥の知能:
オウムは器用に道具を作り、カラスは少女に贈り物をする。鳥たちは小さなその頭脳に驚くほど優れた能力を秘めていることが、さまざまな研究でわかってきている。
●中国の胃袋を満たす:
巨大な人口を抱える中国。急速な経済発展に伴い、かつてないほど多くの肉や乳製品、加工食品が食べられるようになった。そうした需要に応えるため、農業は変化を迫られている。

<読む前の大使寸評>
今月号の鳥シリーズ「鳥の知能」もなかなかのもので、借るしかないのです。

amazon 善と悪(ナショナルジオグラフィック2018年2月号)



中国の農業、食生活を、見てみましょう。
p88~90
<中国の胃袋を満たす:トレーシー・マクミラン>
 中国北西部の甘粛省にある0.1ヘクタールもない小さな畑で、蒋万年と平翠香の夫婦が大根の種を収穫している。その姿を見ていると、まるで過去に迷い込んだかのようだ。

 種の莢が付いたまま、乾燥させた大根の茎を腰の高さまで積み上げた山に、夫がさびたトラクターで乗り上げる。山はつぶれ、それを妻が熊手でかき集め、夫が再びトラクターでつぶす。夫婦が砕かれた茎を両手で宙に投げると、赤茶色の種がぱらぱらと落ちてくる。この作業は何時間も続く。機械を使えば数分でできるが、夫婦には買う余裕がないのだ。

 蒋と平は中国とその農業の一端を物語る。この国では1ヘクタール未満の小規模な農地が全体の9割余りを占め、農家1軒当りの耕作面積は世界最低レベルだ。ただ、話はそれで終わらない。

 中国は欧米諸国が150年かけて進めた農業の近代化を過去40年ほどで進め、先進的な取り組みもしている。小規模農家、工業型畜産・酪農施設、環境に配慮したハイテク農場、さらには都市型の勇気農業まで、今の中国にはさまざまな農業が存在する。

 それというのも、難題に答えを出さねばならないからだ。中国は、世界全体の1割足らずの農地で、世界人口の2割近い国民を養わなければならない。しかも食の好みは変わろうとしている。30年前には都市人口は全体の約25%にすぎなかったが、2016年には人口の57%が都市で暮らすようになり、食生活も欧米化しつつあるのだ。

 肉の消費量は1990年の3倍近くに達し、牛乳・乳製品の消費量は95年から2010年までに都市部で4倍、農村部では6倍近く増えた。加工食品の需要も08年から16年までにおよそ1.7倍になった。

 農業資源に乏しい中国は新たな食料需要を満たすために外国に進出する必要がある。そのため政府が旗振り役となり、中国湖業は米国やウクライナ、タンザニア、チリなどで農地や食品会社の買収を進めている。しかし主食の穀物については、思想上の理由から、また食料安全保障の観点から自給を目指してきた。となると厄介な疑問が生じる。食糧自給を目指す一方で、食せいかつの欧米化が進む中国。そのニーズは農業をどう変えるのか。

■細分化された中国の農地
 今の中国では農産物の需要と供給の不釣合いを解決することなど不可能なほど難しく思える。耕作可能な土地は約1億3500万ヘクタールで、そのうち約1500万ヘクタールは汚染されているか、復旧待ちの休耕地になっている。

 14億人近い人工を養わなければならないが、欧米式の食生活を支えているような巨大農場の導入は不可能に近い。山や砂漠が国土のかなりの部分を占めるためでもあるが、農地が約2億ヵ所もの区画に細分化されているためでもある。中国の農業地帯を空から見ると、緑一色のカーペットというより、小さなパーツをつなげたパッチワークのキルトのようだろう。

 蒋と平が暮らす集落は、毛沢東時代の集団農場「人民公社」の名残で、第7大隊と呼ばれている。この方式はうまくいかず、中国は1950年代末から60年代初めにかけて大飢饉に見舞われた。蒋によると当時、飢えをしのぐために樹皮や皮製のベルトを煮て食べたという。80年代初頭に人民公社は解体されたが、土地は引き続き国家が所有し、耕作権を村人たちに平等に分け与えた。

 それによって蒋と平が得たのは、4ヶ所に分散した合計1.2ヘクタールほどの畑だった。里帰りしていた娘の蒋ユイビンが畑を案内してくれた。彼女は郷里から約1900キロ離れた雲南省昆明の旅行会社で働いている。

 青空が広がる暑い日、彼女はまず、両親がステビアを作付けした0.4ヘクタールほどの畑に連れて行ってくれた。緑の葉をつけた丈の低いステビアは甘味料の原料になる。さらに歩いて行くと、0.2ヘクタールほどの亜麻仁の畑があり、そこから2キロほど先に、大根、レタス、トウモロコシの畑があった。畑の案内を終えるとユイビンは両親のことを話し、米国式のような農業ができたらいいのにと、ため息をついた。「これが中国の現状です。大半の土地は管理が大変で、労働力も資源も無駄になっていっます」

 質的にも量的にも変わりつつある食料需要を国内生産でまかなうには「多くの改革が必要です」と、北京大学の農業経済学者である黄季クンは言う。灌漑設備の改良、新技術や機械の普及も重要だが、真っ先に取り組むべきは農業の大規模化だと、黄は指摘する。解決は簡単だと思われるかもしれない。パッチワークのキルトを巨大なカーペットに変えればいいだけだ、と。

 しかし、大きいことは必ずしも最善ではないと、黄はくぎを刺す。中国の主要な穀物であるトウモロコシ、米、小麦はいずれも、比較的小規模の農地で単位面積当りの収量が最も多くなるという。2~7ヘクタールが最も効率が良いという研究結果もある。

 そもそも、中国は小規模な畑を集めて大農場にするつもりはない。それは物理的にほぼ不可能なばかりか、何百万もの農家の路頭に迷わせ、社会的な混乱を生むだろう。少なくとも現段階で試みられているのは、大型スーパーの駐車場ぐらいの規模にすることだ。


『善と悪(ナショナルジオグラフィック2018年2月号)』1





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Last updated  2018.12.20 00:02:49
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