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2021.05.31
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『葭の髄からのぞく日本語』という本を、手にしたのです。
おお 日本語にからむ本ってか・・・中身を覗いてみると文法に則って真面目に述べられています。というわけでミニブームの一貫として借りたのです。





工藤力男著、和泉書院、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
今どきの日本語、気になりませんか?日ごろ無意識に使っている言葉も、立ち止まって考えると、不思議な現象、興味ぶかい姿が見えてくる。プロ野球の球団名の愛称が、横浜は「ベイスターズ」なのに、阪神はなぜ「タイガース」なのかなど、日本語をめぐる十二の考察と三つの発言を収めたエッセイ集。

<読む前の大使寸評>
おお 日本語にからむ本ってか・・・中身を覗いてみると文法に則って真面目に述べられています。というわけでミニブームの一貫として借りたのです。

rakuten 葭の髄からのぞく日本語



「陸の章 複合動詞の森」で英語との比較などを、見てみましょう。
p76~78
<一 基礎英語と基礎日本語>
 印欧語一般に言えることらしいが、特に英語学習の要諦は前置詞にあるという。遂に英語を使いこなすに至らず生をおえる、英語落第生の自分の経験からもそう思う。

 ケンブリッジのOrthorogical Instituteが発表した“Basic English”(1930)は、850語で日常の普通のことがらは表現できる、という確信をもって作られたものであった。オグデンらの強調する動詞不使用の原理によることもあるが、ほかに作用語(operators)として補われた動詞は、came,do,get,haveなどの18語にすぎない。

 それに対して、やはり作用語(directive)として補った前置詞は24語で、動詞よりはるかに多い。本体である850語の内訳は、名詞が600、形容詞が150、接続詞・冠詞・代名詞・副詞が100であった。(『現代英語辞典』成美堂1973)

 これに刺激されて日本語にも類似の試みがなされた。よく知られたのは、英文学者・土居光知の『基礎日本語』(1933)の1100語である。内訳は、名詞と代名詞あわせて664語であるのに対して、動詞は70語である。動詞志向型の日本語にしては少ない印象を受ける。だが、「恐れ」「問い」「眠り」など、動詞からの転成名詞が164語に上る。

 「勉強する」のような≪名詞・サ変動詞≫、「恐れをなす」のような≪名詞・助詞・基本動詞≫でも表現できる。そして「学び始める」のような≪動詞・動詞≫の複合動詞の発達が著しい。これらによっても、かなり多くの表現が可能である。
 わたしたちはその複合動詞をほとんど意識せずに言語生活を営んでいる。だが、ひとたび立ちどまって考えると、さまざまの興味ぶかいこと、不可解なことに遭遇する。

<ニ 複合動詞の深い森>
 東京外国語大学の留学生日本語教育センターなどで長く留学生の教育に携わった姫野昌子さんは、自身の著書『複合動詞の構造と意味用法』(ひつじ書房1999)の「まえがき」の冒頭を、「多くの日本人は気づいていないが、日本語の複合動詞は、実に豊かでさまざまな陰影に満ちた用法を備えている。」の一文で始めている。そして、この形態は理にかなっているのだが、われわれは母語になじみすぎて、その仕組みが見えないのだという。

 姫野さんは続けて、最初に担当したクラスでの経験を語っている。「家の中に駆け込む」とは言えるのに、「家の中に歩み込む」と言えないのはなぜか、と問われて立往生したのだという。そこから始まった、複合動詞との長い格闘が本書に結実した。これは、わたしの知る限り、複合動詞を標題にもつ専書の嚆矢である。

 本書以前にも以後にも、複合動詞に関するおびただしい論文がある。だが、その全貌はなかなか把握できない。ある角度から問題が解明されても、別の角度から見ると違った疑問が湧いてくるのである。複合動詞はさながら森である。いくつかの異なる樹種から成る深く大きな森である。


ウーム このように読み進めてくると、完璧に日本語の専門書であるが・・・蓼食う虫も好き好きと言うべきかでおます。

『葭の髄からのぞく日本語』1
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Last updated  2021.05.31 01:26:59
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