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2022.04.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館で『日本捕鯨史』という本を、手にしたのです。
中を覗くと、思いのほか画像が多くビジュアルなのが・・・ええでぇ♪




中園成生著、古小鳥舎、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
2019年7月、日本は商業捕鯨を再開する。「日本には歴史と伝統がある」と語られるが、その実態をどれくらいの人が理解しているだろうか。「鯨と日本人の歴史」を再考し、見つめ直す一冊。

<読む前の大使寸評>
中を覗くと、思いのほか画像が多くビジュアルなのが・・・ええでぇ♪

rakuten 日本捕鯨史



「第六章 古式捕鯨業時代の鯨の利用」の中で、鯨製品の流通が興味深いので、見てみましょう。
p118~121
<1 漁場周辺の流通とカンダラ>
 鯨製品の流通は、初期捕鯨時代には概ね漁場周辺に限られていたと思われるが、中世後期には遠隔地への流通も始まっていたようだ。古式捕鯨業時代に入ると、鯨肉は浜売りという現地販売の他に、従業員の賃金や報酬としても支給されていた。

『土佐津呂組捕鯨聞書』によると、都さ室戸の津呂組では鯨を捕獲した場合、羽指その他の従事者が貰える私得部位が詳細に決められていて、給与の一部のようになっていた。

 昭和初期の呼子の小川島捕鯨株式会社でも、轆轤を回す人達の報酬、山見の発見報酬、果ては解体場の借地代まで鯨肉で支払っていた。また江戸時代の小川島組では、大漁祈願の供物や藩の役人達への付け届けにも鯨肉が用いられた。私得や後述するカンダラ行為で得た鯨肉は、自家消費以外に、近所や親戚に配ったり行商で周辺地域に売られたりした。

 捕鯨をめぐる風習として興味深いのが、捕獲された鯨の肉をくすねるカンダラと呼ばれる行為である。『小児乃弄鯨一件の巻』(『肥前国産物図考』)には、納屋場の場面で、鯨肉を入れたテボを下げて逃げる人々を番人が棒を持って追いかけている風景が描かれている。『小川島鯨睨合戦』には、「このとき嶋の大人を始め、子供迄、研立の包丁を以て、彼皮肉を切盗をかんだらと名付て、むかしよりのならはし也。中にも十二、三の児供等、数十人群り来て、荷い行皮肉を手ばやく切取て逃走るを、目代の諸士・破竹をもってたたき追ふといへ共、其早きこと稲妻のごとく、かくすること数十度也」と、鬼ごっこさながらに子供が襲撃を掛けている様子が記されている。

 カンダラの語源については、壱岐の民俗学者・山口麻太郎氏がカンは鳥、ダラはダロウ(太郎)とも読み換えられる「ののしり」の接尾語で、元来鳥を指す言葉だという意見を出している(「カンダラ異考」)。それに対し倉田一郎氏は、壱岐の独り占めを示す言葉「ヒトリダロ」から、カンは神であり、ダラはダロの訛った言い方でもともと占めるという意味で、カンダラとは本来神に供えられた漁獲を指すという意見を出している。
(中略)
 また倉田氏は、カンダラ行為の意味についても言及している。カンダラと同じ様に浜で漁獲をくすねる習俗は全国で見られるが、それらの行為は、漁が地域の協働漁業の形態から、網主が経営して地元漁民が隷属使役される形態に移行したところで発生したとしている。つまり共同漁業では平等に分配されていた漁獲が、網主のみに属する形に代わったものの、以前の意識が残っていて漁獲から寸借するのを罪と思わず、網主もそれを厳しく言わない気風があったというのである。

 この倉田氏の意見に加えて、鯨組の場合、他所の漁場に出漁して操業する事が良く行われているが、地元民からは自分の地先でよそ者が儲けていると思われがちなため、操業を円滑に行うためには、出漁先の住民に対してある程度寛容にあたる必要があった。カンダラ行為などに厳しかった益富組などは、出漁先の漁民達から「がんどう組」(強盗組)と悪口を言われているが、他方このような姿勢が堅実な経営につながったところもあった。

 カンダラは昭和時代の呼子のノルウェー式砲殺捕鯨でも行われていたが、その頃には捕鯨会社の役員から叩かれ追い立てられていたという。近代になって捕鯨から地域色が抜け、企業の事業としての性格が強まるなかで、カンダラ習俗も犯罪として排除されていったのである。


『日本捕鯨史』1





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Last updated  2022.04.03 00:33:13
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