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歩世亜さんComments
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肺ガンの危機に際した南さんの覚悟 ( あるいは笑い ) がええので、以下の通り紹介します♪
<『オレって老人?』
3
>
図書館で『オレって老人?』という本を、手にしたのです。
天野祐吉さんの対談集『隠居大学』を読んだところであるが、その勢いでこの本をチョイスしたのです。・・・
何もそんなに、ダボハゼのように続けて読むようなジャンルではないのだが、若葉マークの初心者なもんで(汗)
【オレって老人?】
南伸坊著、みやび出版、
2013
年刊
<「
BOOK
」データベース>より
【目次】
法的に老人/老化すると人は老人になる/老人の嗜み/近頃のツバメ/アンドレア・デル・サルトの謎/クレーのわすれもの/アノホラロボットとは何か/アノホラ検索/おもしろいひとりごと/お返事〔ほか〕
<大使寸評>
天野祐吉さんの対談集『隠居大学』を読んだところであるが、その勢いでこの本をチョイスしたのです。・・・
何もそんなに、ダボハゼのように続けて読むようなジャンルではないのだが、若葉マークの初心者なもんで(汗)
オレって老人?
南さんの肺ガンの危機あたりを見てみましょう。
p194
~
198
<わが人生最良の瞬間>
先日、大事なメモをなくしてあたふたしていると、背後からツマに声をかけられた。
「どうした」
「え、いや、いまさ、電話で聞いた用件をメモした紙がね、ないんだ」
「いまって・・・」
「いや、ほんとにたったいま書いたはずのメモが煙のように消えてなくなった」
「それはさ、クズカゴの中にあるよ。さっき電話を切った時になにか丸めて、ポイって捨ててたから」
「まさか、そんな、いくらなんだって、大事な用件をメモした直後にまるめて捨てるヤツはいないだろ」
と言ったが、いた。クズカゴの中に、たったいま大事だと思って書いたメモがまるめて捨ててあったのだ。
コイツ関係ない話をしだしたなと思われるかもしれないが、つまり私は、ひょっとしたらあったかもしれない「最良の瞬間」を私が即座にまるめて捨てていた可能性がある、と思っているのだった。
間が悪いだけでなく、積極的に私は自分の人生をまるめて捨てていた気味がある。だって
60
年も生きていれば人間、「ああ、あれは私の人生の最良の一コマであった」と、誇らしく思い出せることのひとつやふたつあるのが普通だ。
もっとも、「最良」とかっていわないのだったら「あれは、けっこうよかった」と思うことはいくらでもある。
月がキレイに見えてた晩とか、ベランダの植木から新芽が出てた日、ふざけて植えた豆が生ったり、レモンの実がついていたこともある。あれはうれしかった。
花の匂い、たとえば毎年どこかに嗅ぎにいく、梅だったり、蓮だったり、自分で育てているジンジャーだったりの香りをきいている時もけっこういい。
虹が出ているのに気がつくときもわりといいし、葉っぱに日が射していて、それが透けて見えてるのもかなりいい。
と思い出していて、私はクズカゴの中からメモを拾い出したのだ。
あの、たくさん繁って、折り重なったユリノキの葉が、キレイに見えたのは「肺ガンの疑いがある」と医者にケンギをかけられて、「いまにも死ぬ」と思い込んでいた時期だった。
あの頃は、最悪だと思っていたんだから、そんなときに、逆光に葉っぱの折り重なるのを見て「けっこういい」と思ったのは、マイナス分をプラスすると相当よかったということになる。
そういえば、あの「いつ死ぬかしれない」と思っていた半年間(私は半年の間、医者から手術をすすめられながら、それを引き伸ばしていた。その間に自己免疫力で、ガンをなかったことにしてしまえと思っていた。半年後に
PET
診断というのをした時、私にあったかもしれない肺ガンはなくなっていたのだが、それはもともとなかったのかもしれず、あるいは、半年の間になくなったのかもしれない。ただ、当時私の頭の中にガンははっきり居座っていた)は、最良の瞬間の宝庫だった。
あの年の梅見がよかった。群馬の方の梅林へ行って、短い草の上に布を敷いて、そこにゴロンとしながら、お酒をのんだ。
一時は、肺ガンとの診断があり・・・死を覚悟した心境が語られているが、なかなかええでぇ♪
『オレって老人?』
2
■ 2018.04.2 3
https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201804230000/
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