まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.07.24
XML
NHK-FMのクラシックの迷宮。
「恐るべしルイ14世~フランス・バロック音楽と絶対王政~」を聴きました。
テーマは《政治と芸術》。 あるいは《政治と宗教》でしょうか?



例によって、王の「踊る音楽」が紹介され、
さらには「食事の音楽」から「就寝の音楽」までが紹介されました。

王の踊りは、けっして遊びではなく、
日本の王朝時代の皇族や貴族が雅楽を演奏して踊ったように、
あるいは太閤秀吉がみずから能を演じたように、それも政治のうちだった。


…とのこと。

つまり、
権力者の神聖性を顕示するための政治的なパフォーマンスだったのですね。



以前、わたしは、
「バロック音楽をフランス中心に捉え直すべき」 と書きましたが、
番組の後半は、それに近い話で、

ルイ14世の時代に、
フランス各地の野外の舞踊音楽が軍楽のなかに取り入れられ、
やがてそれが宮廷内音楽として中央集権的にカタログ化されていった。
たとえばバッハの組曲にも、
その時代に確立されたフランスの舞踊組曲の様式が及んでいる。


…とのこと。

ちょうど19世紀のウィーンで、
ワルツやポルカなどの周辺地域の舞踊音楽が流行したのに似ています。

うすうす感じていたことだけれど、
フランスのバロック音楽って、
もともとは農民たちの素朴で可愛らしい舞踊音楽だったのですよね。


ルイ13世時代の「アメリカ人」という曲も紹介されましたが、
なにやらマカロニウェスタン風のアパラチア民謡みたいな謎の舞曲でした。
当時のヌーベルフランスの文化に影響されたものだろうけど、
北米先住民の音楽ってどんなものだったんだろう?




やがてフランス革命によってルイ16世が殺され、
絶対王政時代の「王権神授説」は、
革命後の「人間理性万能説」へと転換していく。


それは「王権神授」ならぬ「民権神授」ともいえるけど、

神ではなく悪魔から授かった権力というべきかもしれません。

そして片山杜秀は、
アンドレ・カンプラの『新世紀の運命』という作品のなかに、
啓蒙主義の側面を見て取っていました。

わたしは、

彼は、宗教音楽と世俗音楽を股にかけていた人で、
その響きのなかには、神聖さと親しみやすさが共存しています。

ルイ14世の政治が、
かりに「世俗権力の宗教化」だったとすれば、
アンドレ・カンプラの音楽は、
逆に「宗教信念の世俗化」だった、という気がします。





にほんブログ村 テレビブログへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.07.25 22:14:49


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: