まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2025.10.02
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NHKプラスからNHKワンに移行しましたが、
認証コードのメールが届かずログインできてない。

ただ、現在のところ、
ログインなしでも動画の視聴はできてます。




そんなNHKですが、
またも小泉八雲の関連番組を続々と投下中。

先日見た「八雲を変えたKUMAMOTO」につづいて、

・さんいんスペシャル「イチから分かる八雲とセツ」
・知恵泉「八雲・セツ怪談〜異文化を越えた夫婦」
・木村多江のいまさらですが「八雲怪談〜日本の面影を訪ねて」

…をたてつづけに3本視聴。

偶然にも当日に出産したしょこたんが出演してた。



その知恵泉では、
八雲・セツ夫婦の怪談執筆において、
声で話すこと&耳で聴くことに注目してました。

八雲の作品は《再話文学》といわれるけど、
それはたんなる翻案という意味じゃなく、
妻のセツによる語り直しってことですよね。

母国語のちがう夫婦が想像力を高めながら、
妻が声に出して話し、夫がそれを耳で聞く。

八雲は視力が悪かったから、




東大での八雲の英語の授業は、
後任の夏目漱石より人気があったそうですが、
そこにもやはり「語り」の魅力があったようです。

東京帝国大学では学生の信望が厚く、解任のときは激しい留任運動が起きた。教え子の川田順は「ヘルン先生のいない文科で学ぶことはない」といって法科に転科した。後年この話の真偽を尋ねられた川田はそれが事実であると答え、後任の夏目漱石についても「夏目なんて、あんなもん問題になりゃしない」と言った。
浅野和三郎は「自分は二十余年前の当時を回顧して見ると、小泉師の講堂丈にはモ一度入つて聴講したいやうな気分がする」と回顧する。『英文学史』の中ではハーンについて「其真実の籍は米国にもあらず、又日本にもあらずして、美文の世界に在り」と記した。「突如その唇よりは朗かなれど鋭くはあらぬ音声迸り出でぬ。英文学史の講義は始まれる也。出づる言葉に露よどみたる所なく、洵に整然として珠玉をなし、既にして興動き、熱加はり、滔々として数千語、身辺風を生じ、坐右幽玄の別乾坤を現出するに及びて、余等は全然その魔力の為めに魅せられぬ。爾来三年の間余は一回としてその講義に列するを以て最大の愉快と思はざるはなかりき」。
内ヶ崎作三郎は田部隆次著『小泉八雲』に序文「小泉八雲先生を懐ふ」を寄せ、この中で「されど先生の清く澄んだ歌ふがごとき声がかすかに微笑を湛ゆる口辺より洩るるを聞く時は、その事自身が一種の魔力であった」と述べて浅野と同じく“魔力”の表現を使った。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小泉八雲


なお、セツは、

てにをはを省いた「ヘルン言葉」に訳して、
夫に語ってたのですね。


八雲文学における《語り》の重要性を知ると、
アイルランドで怪談を語ってくれた乳母の存在が、
すごく重要だったと思えてきます。

八雲が日本に来たときに、
最初に感動したのは横浜の桜だったそうですが、
彼はその美しさを女性に見立て、
さらには乳母が桜に転生する物語も書き残してる。





なお、わたしは、
松江から小泉八雲が生まれ、
境港から水木しげるが生まれたのは、
出雲のもってる《土地の力》ゆえだと思ってるけど、

知恵泉のゲストの荒俣宏は、
近代の怪談や妖怪譚の原点は、
すべて「八雲怪談」なのだと言ってました。

もしかしたら荒俣は、
「そこに水木しげるも巻き込まれた」
と言いたいのかもしれません。



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…とはいえ、
八雲自身が出雲に《土地の力》を感じてたのは、
たぶん間違いないことだと思う。

彼が松江や熊本に赴任したのは、
ただの偶然だったのか、
ある程度の主体的な選択だったのか、
いまいちよく分からないのだけど、

すでに米国で『古事記』を読んでたらしいので、
出雲が冥界を統べる「根の国」であり、
熊本が「火の国」であることは知ってたはずだし、

加賀の潜戸や隠岐の八咫烏にも興味をもって、
もし夫婦の家を建てるとしたら、
東京じゃなく「出雲or隠岐」にと言ってたらしい。


Wikipediaによると、
日本名を「八雲」としたのは妻の養祖父だそうですが、
古事記の歌の《八雲を八重垣にして妻を囲う》という意味を、
もともと彼自身も知ってたんじゃないかしら?

八雲の名前は本人が決めたものではなく、セツの養祖父・稲垣万右衛門が『古事記』にある日本最古の和歌からとって名付けたという。
https://ja.wikipedia.org/wiki/小泉八雲


ついでにいえば、
耳なし芳一に強く惹かれたのも、
たぶん平家の悲劇を知ってたからでしょうね。



八雲は、
自分のルーツがアイルランド・ギリシャ・アラブにあり、
生まれながらに非西洋的な感性があると自覚してたようで、
たとえば虫の音を「雑音」でなく「音楽」として聴いてた。


日本神話への共感は、
アイルランドのアニミズムに由来してると思うけど、
母方の故郷であるギリシャ神話への関心はなかったのかしら?
きっとイザナギとオルフェウスの近似性も知ってたはずよね。



八雲の作品は十数カ国語に翻訳されました。

彼が日本を世界に紹介しなければ、
アインシュタインは日本に来なかったし、
マッカーサーは天皇を退位させたかもしれない。


一方、
日露戦争前の小泉八雲は、
天皇中心の軍国主義に警鐘を鳴らしていた。





以下は、とりとめのないトリビアです…。


当初は新聞記者の仕事で来日したのに、
八雲がその契約を破棄したのは、
同行した画家との給料の差に憤慨したかららしい。


八雲とセツは、
全国で191番目の国際結婚でしたが、
「貧しい武家の娘が高給取りのお雇い外国人の妾になった」

などと噂されたそうです…(^^;


そして、
八雲とセツの松江時代は、
わずか1年3ヶ月の短い期間でしたが、

今回の朝ドラでは、
その7割を松江時代に割くそうですw



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最終更新日  2025.10.20 04:00:49


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