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■消防防災ヘリコプター 消防防災ヘリコプターは、消防活動(空中消火)・救助活動(山岳、火災、水難救助)、航空救急、情報収集などの任務を担う。 東京消防庁と政令指定都市の消防局、道県、総務省消防庁が所有する。 ■防災ヘリの運航・整備の民間委託 本田航空は、国内に配備されている防災ヘリコプターの運航を、初めて民間の航空会社で受託した。 埼玉県が機体を購入、各市町村の消防本部が隊員を派遣、本田航空が運航と整備を担当。 この運航方式が、防災ヘリコプターの普及とともに全国に広がった。 本田航空は、埼玉県と栃木県の防災ヘリコプターの運航を担当。 防災ヘリコプターの運航 本田航空株式会社 ■東京消防庁の消防防災ヘリコプター 日本最大の消防組織である東京消防庁は、ヘリコプターを運用する、東京消防庁航空隊を設置している。 操縦士、航空整備士を含む隊員は東京消防庁の職員。 操縦士は消防学校を卒業して消防署勤務経験のある消防官の中から事業用操縦士の免許を取得した者。 操縦士や整備士資格者として採用されて消防署勤務等を必ず経験する。 ■防災ヘリの管轄外の対応 防災ヘリが導入されていない地域(沖縄県)は、自衛隊が任務を代行する。 海上での消防防災活動は海上保安庁が担当する。 ■海上自衛隊・救難飛行隊 航続距離等でヘリコプターが到達できず、固定翼機が離着陸できる空港のない離島は、海上自衛隊の救難飛行隊に災害派遣として業務が委託される。 第31航空群隷下の第71航空隊がUS-1A、US-2救難飛行艇を装備している。 岩国航空基地と厚木航空基地に分散して救難待機(第2待機では2時間以内に救難機に搭乗して出動できる態勢)についている。 ■航空自衛隊・航空救難団 危険性が高い場合、航空自衛隊の航空救難団に対し災害派遣として業務が委託される。 航空救難団は、航空総隊に所属する航空自衛隊の捜索救難(航空救難)の中核を担う組織。 隷下に10個の救難隊と4個のヘリコプター空輸隊が、全国の主要な航空自衛隊の基地に配置されている。 ■災害対策用ヘリコプター 国土交通省は災害対策用ヘリコプターを保有する。 各地法整備局に配備される。 災害救助・復旧活動の情報収集活動を行い、救助や消火活動は行わない。 ■ドクターヘリ ドクターヘリは、救急医療用の医療機器等を装備したヘリコプター。 医師および看護師が同乗し救急現場等に向かい、現場から医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療(航空救急)を行うことができる専用ヘリコプター。
2018年10月28日
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戦闘機のハイローミックスで「ロー(低価格)」のJ-10は、J-20が主力制空戦闘機として量産されるようになり、輸出も視野に入れた大量生産機になる可能性が濃厚。 中国戦闘機、注目は20より10? 初披露J-20の陰に隠れた最新主力機J-10Bの「実力」 関 賢太郎(航空軍事評論家) 2016.11.19 乗りものニュース 中国広東省南部の珠海市で2016年11月に開かれた「エアショーチャイナ」。 初披露されたステルス戦闘機J-20が話題を独占した感がありますが、その陰にかくれてしまった最新鋭主力戦闘機J-10Bこそ、実は中国機の今後を占う重要な機といえるかもしれません。 …(略)… J-10は試作機のみが作られたイスラエルのラビとの類似が指摘される。 アビオニクスとエンジンの性能が西側のそれらより低いとされるのはJ-20と同様。 そこそこの性能と他の戦闘機と比較して低価格であればこそ、多数備えることができる。 近年墜落事故が多く報じられているのが気になる。 【事故】 2014年11月15日、四川省成都の郊外でJ-10Bが1機墜落。 住民7人ほどが負傷、パイロットは脱出に成功。 2015年12月17日、J-10Sが浙江省で墜落。パイロットの2名は脱出に成功。 2016年9月28日、天津市でJ-10B が1機墜落。 バードストライクによるAL-31FNエンジンの故障が原因とされる。 パイロットは脱出に成功。 2016年11月12日、飛行訓練中のJ-10が墜落。 中国初の女性戦闘機パイロットが死亡。 それにしても、よく墜ちるなぁ。
2018年10月27日
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中国国産ステルス戦闘機J-20の生産は順調のようだ。 電子戦能力やステルス性が劣ることのほかに、これも従来と同様、エンジンの性能の低さと推力偏向ノズルがないことを指摘し、F-22やF-35に対抗できるレベルではないとしている。 だが量産は順調にすすめられており、将来空中戦が行われるとき、J-20は数が圧倒的に多いかも知れない。 中国最新ステルス戦闘機J―20 年産40機の可能性も 洲良はるき 2018年9月9日 Record China …(略)… J―20の問題点として、お決まりのように頻繁に指摘されるのがエンジンの推力不足問題だ。 このことについては、前回のコラム「中国軍の大きな弱点、軍用ジェットエンジン技術の現状」にもいくらか書いた。 中国は、J―20のような第5世代機にふさわしい推力を持つとされる中国製WS―15エンジンを開発している。 WS―15エンジンの現状については、中国政府や軍の秘密主義が相まって、わからないことが多いが、今なお問題があるとする意見は少なくない。 シュナイダー氏は、現在のJ―20が装備しているエンジンは、推力偏向ノズルを欠いており、スーパークルーズ(超音速で長時間の飛行)や高運動性を達成するのに適切な推力がないと書いている。 …(略)… 目視確認できたなら、空中戦は可能と思われる。 ミサイルの命中精度は当てにならない。 J-20より安価なJ-10は多数備えられており、今後は国外販売も活発になりそうだ。 軍事予算が少ない国が導入し、かつてのMig-21やF-5が担った役割を果たす可能性がある。
2018年10月27日
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工業技術が設計の足を引っ張ったのはもちろん、マグネトーだけではない。 近時の日本の製造業からは想像すらできないことだが、ピストンリング、ベアリング、バルブカム、バルブスプリングも材質不良と精度不良を抱えていた。 DB600シリーズをライセンス生産したハ40やアツタエンジンだけの問題ではなかった。 官給品でにもかかわらず、高熱価に耐えられる点火銓(スパークプラグ)も作れなかった。 エンジンを高回転させると点火はばらついた。 コード(電纜)の品質、耐久性も悪かった。 被覆がエンジンの熱で焼け、絶縁不良を起こした。 シールの不良と製品精度の不良から、潤滑油は漏れ、飛行すると油だらけになった。 ちゃんと回ったら回ったで、潤滑不良で焼き付を起こす。 出力が足りないエンジンとして語られる「誉」も、設計が悪かったのかどうか断言できないほど、日本の機械工業も化学工業も水準が低くかった。 そもそも「誉」が要求する100オクタンのガソリンが製造できなかった。 帝国海軍は92オクタン。 帝国陸軍は87オクタン。 ガソリンのオクタン価が低いのは液化石炭燃料を使用していたドイツも同様(87オクタン、96オクタン)。 だがドイツはオクタン価の低いことを想定し、エンジンの回転数を低く抑えた。 米・英は100/130と115/145のハイオクタン航空燃料を使用していた。 潤滑油の性能も米国とは比べるまでもなく低かった。 大日本帝国で、高回転、高出力、大出力のエンジンがうまく回る話は、物理的にも化学的にもなかった。 精度が低いため、補修部品を組み付けるのに整備兵は苦労した。 部品も本体も大きさが違ったからだ。 ばらつくエンジンをうまく回したのは、整備兵の神技によるところが大きいと考えられる。 ドイツや米英では不良品レベルの精度の工業力しかなかったのが、第二次世界大戦までの日本の機械加工精度の実態。 精密加工による液体を閉じ込める必要が少なく、熱による歪みが大きい空冷エンジンが日本の工業力には相当だった。 例え設計技術が優れていたとしても、当時の日本工業は緻密な製品を量産できなかった。 日本の科学技術、工業技術は、非常に低レベルだった。 敗戦後の技術者はこの点に気が付いて工業のレベルを引き上げ、磨き抜き、ベアリングや自動車用エンジンの量産で米英を凌駕した。 化学工業は米独を凌駕するまでにはなっていない。 敗戦後の日本のオートバイ産業、自動車産業は、そのたゆまぬ努力の上に成立している。
2018年10月26日
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航空機の設計は優秀だったのかも知れないが、工業技術はちっとも高くはなかった。マグネトーの不良 マグネトー(magneto)は、永久磁石を用いて高電圧の交流電気を発電する装置。 点火プラグへの点火電圧を供給するためにも用いられる。 磁石のマグネット(magnet)と違う。 航空エンジンのツインマグネトー 第二次世界大戦中の大日本帝国陸海軍の航空エンジンの点火装置はマグウネトー。 マグネトーはバッテリーなどの他のエネルギー源を必要としない。 コンパクトで自己充足性と信頼性の高い点火システムを構築できる仕組みだ。 マグネトー式点火装置を備える航空エンジンは、通常2系統のマグネトーと1シリンダー当たり2つの点火プラグを持つ。 2つの点火プラグは燃焼室内に2か所の異なった位置に火炎を発生させるため、シリンダー内の混合気が完全燃焼するまでの時間をより短縮することが可能となる。 大排気量のシリンダーも火炎伝播の遅れによるノッキングを抑えられる。 したがって、よりオクタン価が低いガソリンが利用できる。 太平洋戦争中の戦闘機用エンジンは、シリンダー1気筒当たりの排気量が大きくなった時期で、オクタン価の高いガソリンがなかった日本にとっては重要なことだった。 優れた永久磁石を作る技術、能力を持たなかった日本は、マグネトーの不良も多かった。 即ち、エンジンの点火不良、所定の出力を発揮できない様々な要因の一つだった。
2018年10月26日
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松根油についてのまとまった記述を見つけた。 申し訳ないがメモル(完コピ)。 松の成分からの航空燃料を精製するのは、大量の原材料と人手と生成に多くの工数を要し、大量生産は非現実的だった。 松根油(しょうこんゆ)と従軍慰安婦 2016/10/02 反日勢力無力化ブログ 松根油(しょうこんゆ)とは松の根から採れる油でテレビン油ともいいます。 身近なところでは油絵具の薄め液や塗料・ワニスの溶剤として使われています。 1944(昭和19)年、極度の物資不足におちいった日本は、この松根油を採取して航空機の燃料にする計画をたて、翌年には松根油で飛ぶ「梅花」という攻撃機研究に着手しました。 しかし松根油は松の根400トンから、わずか1キロリットルしか採油できず、数千機分の航空燃料をまかなうには気の遠くなるような計画でした。 1941(昭和16)年、まだ経済封鎖前の日本の試算には「原油43万キロリットル、人造石油28万キロリットル」とあります。 対日禁輸や経済制裁が適用された1941(昭和16)年以降、日本の物資は枯渇の一途をたどり、終戦前年の昭和19年には国民総出で松の根を掘るまでに追い詰められていました。 重光葵(しげみつまもる)はその時のことを「松の根を掘っても、それを煮る釜の配布がなかった」と手記に記しています。 …(略)… 宇部化石(山口県宇部市)でも、石炭からのガソリン合成に取り組んでおり、理論(実験室)レベルの技術力(知識?)はあったようだが、大量生産技術はなかった。 ドイツは液化石炭を量産した。 これが化学技術力の彼我の差。
2018年10月25日
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日本もドイツも、そしてイタリアも枢軸国は石油資源のない国が中心だった。 第二次世界大戦の主力兵器だった航空機はガソリンがなければ飛べない。 ドイツの機甲部隊も、ガソリンがなければ機能しない。 ナチス・ドイツは石炭を液化し、ガソリンや軽油類似の燃料を合成。 かなりの量の軍用燃料を自給することができた。 大日本帝国はナチス・ドイツから技術を導入。 良質のクロム鋼が手に入らなかった事や、工作機械加工精度が低くいことが原因で事故が相次いだ。 北海道人造石油、南満州鉄道や朝鮮半島で一部プラントが稼動したが、計画の10分の1しか合成石油を生産できなかった。 国内に石炭はあったが、日本は松根油で飛行機を飛ばすことに挑戦した。 成功しなかった石炭液化/千葉 廉 …(略)… 第二次大戦を戦ったドイツにも石油資源はない。 1913年に石炭から液体燃料を製造可能なことが分かったが、1914年から始まった戦争には間に合わず、ドイツは石油不足に苦しんだ。 戦後、良い触媒が見つかり、1926年には商業生産を始めた。 その後設備を増やし、第2次大戦が始まる頃には年産450万トンの生産能力があったといわれている。 その後750万トンまで設備を増やした。 第二次大戦に於けるナチスドイツの積極的な政策には燃料自給の裏づけがあった。 43年、連合国側はアメリカの長距離爆撃機の数が揃うと、ドイツの支配下にあったルーマニアの油田を爆撃し、44年になると人造石油工場を爆撃し、徹底的に破壊したので、燃料が不足し、44年の末には戦車は片道燃料で出撃したこともあったといわれる。 日本は昭和12年(1937)、当時の石油輸入量400万klの半分を石炭液化で供給する5ヵ年計画を立て、ついで7ヵ年計画、400万klに引き上げた。 当時の国家予算の1/4にもなる野心的計画であった。 ドイツから技術を導入しようとしたら、海軍の徳山燃料廠で実験をしたらできた。 そこでこれでやれということになり、工場を作ったが全くうまく行かない。 最終的に70万klを作ったが、そのうち石炭液化は11万klだったという。 膨大な予算をかけて建設した工場は無駄となった。 …(略)… ドイツでは量産技術が確立された液化石炭であるが、石炭液化工場はおろか、その量産技術も失われた。 工場が空襲にあったことが全てではない。 液化石炭の価格が米国産輸入石油輸入に比べ価格が2~10倍で平時の商品性が皆無だったからだ。 (続ける)
2018年10月25日
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大日本帝国陸海軍の戦闘機は敗戦後米軍のテストに供された。 武器、弾薬の搭載量の差(機体が軽かった)もあるが、いずれも非常に高性能を示した。 基本設計が優れたものであることが分かる。 機体が軽かったことの他に次のような要素が考えられる。(1)整備が完全だった。(2)燃料が高品質だった。(3)潤滑油が高品質だった。 大戦末期は部品の質も区々、整備員の技術・知識も区々。 評判の悪い飛燕の液冷アツタエンジンもキチンと整備すれば回ったという。 ただし出力がどれほどかは不明。 米軍がテストする段階ではチャンと燃料に点火され、エンジンが回る状態だったと考えられる。 燃料のオクタン価の違いは様々なところで述べられている。 ドイツでさえ高オクタン価の航空燃料がのぞめないので、DB601は低回転で設定されている。 高オクタン価の燃料は米国から輸入するしかなかった。 戦前期の航空機用揮発油の技術開発 三輪 宗弘 そして、語られることが少ないのが潤滑油の品質。 これも質の良い高温でも粘性が低下することが少ない高性能な潤滑油は、米国から輸入するしかなかった。 対米開戦前、日本は石油の80%を米国から輸入していた。 満足な石油精製技術もなかった。 鉄スクラップなどとともに、禁輸を宣言され止む無く開戦したとの論調がある。 機械がまともに動かない状態で開戦の判断をしてはいけない。 物量だけでなく、質も米国に奪われた状態で、軍は開戦した。 そして継戦能力を考えず初期の勝利に歓喜した。 米軍の評価 鍾馗 米海軍航空情報部による、鹵獲した二式戦二型(キ44-II)の飛行テストと性能調査。 「急降下性能と上昇力が傑出(Excellent)し、迎撃戦闘機としてもっとも適切(Suitable)な機体」と報告している。 三式戦・四式戦・雷電二一型・紫電一一型などとの比較で、二式戦は迎撃戦闘機として最高の評価。 雷電二一型 日本では問題視された振動や着陸性能の悪さは、米軍のパイロットの基準ではさして問題とされなかった。 実機テストデータ (92オクタンの燃料に水メタノール噴射)・重量:3,315kg(旧日本海軍の「軽荷重量」) 最高速度:671km/h(高度5,060m) 上昇力:5分10秒/高度6,100m・重量:3,682kg(増槽装着) 最高速度:616km/h (海軍航空本部の公称速度を上回る)
2018年10月24日
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同じく大径大出力エンジンを装備しながら、鍾馗はエンジン直後から細く絞り込んだ。 雷電はエンジン径よりさらに太い紡錘形胴体した。 雷電は表面積(空気抵抗)や重量が増えた。 プロペラ推力有効面積が増えたとされる。 胴体については、どちらが有効か判断できないが、Fw190好きの私は鍾馗に軍配をあげる。 ダブルワスプほどに出力に余裕があれば、重量と摩擦抵抗が多い紡垂型もよかったかも知れない。 また雷電は運用開始後もエンジン関係に起因する振動などのの問題がつきまとっていた。 工作精度が低く材質もよくない可能性がある延長軸が、潤滑油の低性能、潤滑系統の工作精度の低さと相まって、振動発生の一因であり続けた可能性はある。 長くて、真っ直ぐで、強い応力を担う棒とそれを支える部品、潤滑油の製造は容易ではない。 オクタン価の高いガソリンを使用すれば高出力時のエンジンの振動の発生も少ないと考えられる。 米軍のテストで雷電の振動は、問題とされなかった。 鍾馗は、三式戦・四式戦・雷電二一型・紫電一一型などの鹵獲機の比較で、迎撃戦闘機として最高の評価を得ている。 本土防空 高高度性能が高く高速で重防御のB-29は、鍾馗とって困難な相手だった。 到達限界高度ギリギリ、失速寸前で、一度攻撃すると再攻撃不能となるほど高度を失った。 12.7mm機銃は破壊力不足だった。 鍾馗二型乙の翼に2門装備された ホ301(40mm、ロケット弾)はB-29に有効だった。 高高度で出力の低下が少ない飛燕(三式戦)とともに、大馬力と大火力活かした雷電はB-29にとって危険な存在であったとされる。
2018年10月24日
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雷電は、日本海軍が運用した局地戦闘機(乙戦)。 略符号はJ2M1~7。 局地戦闘機は、陸上基地からの運用を前提とした戦闘機。 乙戦は対爆撃機戦闘・迎撃(邀撃)戦闘機。 大型爆撃機の迎撃を主任務とするため、敵爆撃機が飛行している高度に短時間で到達する上昇力、敵機に追い付く速力、敵機へ致命傷を与え得る大火力が要求された。 大出力のエンジンは一式陸攻等の大型機用に開発された、大直径(1,340mm)だが、当時の日本で最大馬力を発揮する三菱「火星」が選定された。 高速性の確保のため、紡錘形の胴体に適合するよう延長軸と強制冷却ファンを採用した。 プロペラ減速比を変更した火星一三型甲が雷電用に開発された。 風洞実験結果に基づき空気抵抗を可能な限り減少させるため、機首を絞り込み、全長の40パーセントで最も太くなる紡錘形の胴体が採用された。 操縦席付近が機種より太くなり幅に余裕のある操縦席が実現した。 風防の高さを押さえ、曲面ガラスを使用するなどして抵抗を低減し、幅の広さと相まって前下方視界が悪い操縦席となった。 主翼は層流翼の翼型を内翼側に、失速特性をよくするため外翼側は従来翼型とした半層流翼を採用した。 主翼面積が狭く高翼面荷重となったため、フラップは高揚力装置としての能力が高く、また空戦フラップとしても利用できるファウラー式を採用した。 設計側の努力に関わらず、雷電は失速特性がよくなく、低速時に前触れなく失速するために墜落事故が多かった。 雷電への搭乗はパイロットに嫌われたという。 雷電三三型 諸 元全幅:10.8m 全長:9.945m 全高:3.945m 翼面積:20m2 翼面荷重:174.1 kg/m2 自重:2,510kg 正規全備重量:3,482kg 発動機:火星二六型(離昇1,800馬力) 最高速度:614.5 km/h(高度6,585 m) 上昇力:6,000mまで6分20秒/8,000mまで9分45秒 降下制限速度:740.8 km/h 航続性能:全力0.5時間 + 巡航2.4時間 武装:20mm機銃4挺 (九九式二〇粍一号機銃四型190発×2 九九式二〇粍二号機銃四型210発×2) 爆装:30~60kg爆弾2発
2018年10月23日
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サイバーパンク親父の航空祭。 第2弾はありきたりの組合せ、鍾馗対雷電。 鍾馗(二式戦闘機、キ44)は、第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍の戦闘機。 設計は糸川英夫技師。 格闘戦に必要とされた旋回性能よりも速度を優先させた。 優れた上昇力、加速力、急降下性能をも備えた単座戦闘機だった。 大径大出力のエンジンに軽い胴体、小さい主翼を備える。 胴体はエンジン直後から細く絞り込んでいる。 主翼は翼端失速に強い直線翼・ フラップは旋回性能を高めるため中島独自の蝶型フラップ(ファウラーフラップの一種)を装備していた。 出力の向上がはかれたハ109が二型(キ44-II)に装備され二式戦の主力生産モデルとなった。 パイロットからは旋回性能と航続距離には劣り、翼面荷重が大きいことが嫌われることが多かった。 これらは欧米の戦闘機では標準的な値だった。 格闘戦に秀でて操縦も容易な九七式戦や隼(一式戦)が基準の古参パイロットたちには、離着陸の難しさ、航続距離の不足などを理由に敬遠されたようだ。 当初飛行時間800時間に満たないパイロットの操縦は危険であるとされたが、若年パイロットが操縦しても何ら問題はなかった。 四式戦が登場するまで、優秀な上昇力、急降下性能、最高速度、武装、防弾装備、頑丈な機体に魅力を感じたパイロットも多かったとされる。 二式戦闘機二型甲諸 元全幅:9.45m 全長:8.9m 全高:3.24m 翼面積:15m2 翼面荷重:184.67 kg/m2 自重:2,095kg 正規全備重量 :2,769kg発動機:ハ109(離昇1,450馬力)1基 最高速度:605km/h(高度5,200m)上昇力:5,000mまで4分15秒 航続距離:1,296km(落下式増槽装備時武装:胴体7.7mm機銃2挺(携行弾数各250発) 翼内12.7mm機関砲2門(携行弾数各250発)
2018年10月23日
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プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)は1860年にフランシス・プラット (Francis Pratt) と、エイモス・ホイットニー (Amos Whitney) によって米国コネチカット州ハートフォードに設立された。 当初は、ミシンや、南北戦争のアメリカ合衆国軍(北軍)用の銃、ピストルなど精度の高い製品を大量生産し、また製造するための、工作機械を製造していた。 航空エンジンに進出するきっかけとなったのは、ライト・エアロノーチカルの社長であったフレデリック・B・レンチュラーが1925年にエンジン開発計画を持ち込んだこと。 ライト社の役員会が新エンジンの開発に消極的であったため、レンチュラーはその職を辞し、自ら考案した航空機用エンジンの開発計画を、プラット・アンド・ホイットニーに持ち込んだ。 1925年8月、プラット・アンド・ホイットニー・エアクラフトが設立され、航空機用エンジンの開発が始まった。 同年12月25日のクリスマスには早くも試作機が完成。 これが最初のP&W 「ワスプ エンジン(425hp)」。 「ワスプ」はスズメバチ。 ワスプによる速度、上昇率、信頼性が米国の航空業界に革命をもたらした。 2000hpクラスのエンジンの開発要請に応えて開発されたのが、空冷星形複列18気筒の「ダブルワスプR-2800(2000hp)」。 ボートF4U艦上戦闘機、ターボチャージャーを付加して高高度性能を引き上げリパブリック P-47C サンダーボルト戦闘機に搭載された。 P-47サンダーボルトは、ダブルワスプ+ターボチャージャー(排気タービン)なしに成立しなかった。 F4UもP-47も、後に戦闘爆撃機として大活躍する。 ライバルは、ライト社の空冷星型複列18気筒排気タービン採用のサイクロンR-3350(2200hp)。 ボーイングB-29に装備されたが、機体の実用化を急ぎすぎたせいで、当初しばしば発火した。 空気抵抗削減を狙いエンジンカウルを極端に絞った設計で常にオーバーヒート気味だったこと。 軽量化のため多用したマグネシウム合金製の部品が発火しやすかったことが原因とされた。 空冷星型エンジンの究極が空冷星型4重列28気筒の「R-4360メジャーワスプ(3800hp)」。 1942年に試作機完成し、最初の試験にパスした。 史上最大の超々大型戦略爆撃機コンベア B-36Cに6発+ジェットエンジン4発で搭載された。 B-36は第二次世界大戦中に計画され、初飛行は1946年8月8日。 配備は1948年で1954年まで製造。 大型ジェット爆撃機のボーイングB-52が配備された後の1959年に退役。 メジャーワスプエンジンが実用化された時は、ジェットエンジンの時代となっていた。
2018年10月22日
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P-47のベースとなったエンジンはプラット・アンド・ホイットニー(P&W) R-2800。 ターボチャージャは大出力化ではなく、高高度性能向上のため装備された。 第二次世界大戦中ドイツも日本も実用化できなかった空冷2000馬力クラスの航空機用エンジンは、米国の工業力の優秀性を示している。 空冷星型複列18気筒エンジンの通称はダブルワスプエンジン。 P-47サンダーボルト、グラマンF6Fヘルキャット、 F4Uコルセアなどの第二次世界大戦中の名戦闘機に搭載された。 爆撃機ダグラスA-26インベーダー、高速爆撃機マーチンB-26マーローダー 、飛行艇PBM-5などにも採用された。 大出力に比例して生じるクランク・シャフトの二次振動は、前後両端に2倍の速さで逆回転するダイナミックバランサーで解消した。 R-2800-8タイプ:空冷星型18気筒ボア×ストローク:146 mm×152.4 mm排気量:45.9 L全長:2,241 mm直径:1,321 mm乾燥重量:1,000 kg過給機:遠心式スーパーチャージャー2段2速燃料供給方式:キャブレター離昇馬力:2,000 hp/2,700 rpm高度馬力 1,675 hp/2,550 rpm(高度1,676 m)1,550 hp/2,550 rpm(高度6,705 m) P-47はダブルワスプにターボチャージャーを付加。 高高度性能を上げて、「高度を上げるほどよく回る」とパイロットから高く評価された。 P-47Dは2,300hp。 機体もエンジンも集大成となったP(F)-47Nでは最大出力が2,800hpに至った。
2018年10月22日
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一撃離脱戦法だけが得意な戦闘機であるP-47は、航続性能以外は重爆編隊の援護に不向き。 俊敏な P-51 が航続距離を延長され、爆撃機援護を担当するようになった。 P-47 は重武装、爆弾搭載量、航続力、撃たれ強さを活かして地上攻撃任務を担当しドイツ機甲部隊の活躍を封じた。 対弾装備に加え大直径の空冷エンジンがパイロットを守る盾の役割を果たした。 液冷エンジンと異なりシリンダが2つ3つ停止してもエンジンが回り、帰還できた。 重武装で頑丈な P-47は実戦での生還率も高いことから、その特徴を好むパイロットたちから愛された。 1943年3月から対日戦が終了するまでの間、P-47は出撃1回あたりの戦闘損失が0.7%という驚異的に低い値を記録。 損失1機につき4.6機を撃墜。 ヨーロッパ戦域では、P-47パイロットは空中戦闘によって3,752機を撃墜、地上で3,315機を破壊したと記録されている。 P-47で活躍した主なエースパイロット ・フランシス・S・ギャビー・ガブレスキー中佐 :31機撃墜 ・ロバート・S・ボブ・ジョンソン大尉 :28機撃墜 ・ヒューバート・A・ハブ・ゼムキ大佐 :20機撃墜 生残性の高さもあり、第二次世界大戦終盤は戦闘爆撃機として活躍。 爆弾搭載量はP-47が約900kg、同じエンジン(ターボなし)のF4-Uは約1,450kg。 航続距離に重点をおいた防弾装備に乏しい双発爆撃機の一式陸攻は1,000kg、四式重爆800kg。 P-47D 12,602機生産され、シリーズ最多生産型となった。 D-25から全周視界が確保できるバブル・キャノピーを採用。 機内タンクの増設で航続距離は約1,600km。 増槽使用時は約2,900kmの長大な航続距離となった。P-47N 最終型。 1944年9月に初飛行。 主翼を延長して燃料タンクを増やし最大航続距離は3,200km。 対日戦向けの長距離型で、B-29の護衛も視野に入れて開発された。 1945年春、伊江島と硫黄島に配属されたが、主な任務は地上攻撃となっていた。 戦力の低下した日本の本土爆撃に護衛戦闘機はさして必要なかった。 (まだ続ける)
2018年10月21日
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日本の秋は航空祭の季節。 月末まで「航空ネタ」でいく。 まずは第二次世界大戦中の戦闘機で一番好きなP-47サンダーボルト。 P-47の外観の特徴の一つは太く下に膨らんだ胴体。 ターボチャージャー(排気タービン)関連のダクト類は胴体後部下面に搭載された。 エンジン直下から操縦席の下を通って吸気および排気ダクトを通すため、胴体断面は縦長の楕円となった。 胴体の容積を大きさを活かして操縦席下部に大容積の燃料タンクを格納した。 燃費が悪い割には長い航続距離を実現。 燃料タンクはすべて防漏被服が施され、 P-47 の撃たれ強さの要素の一つとなった。 強力な R-2800 のパワーを活かすため直径 12ft(3.66m) の巨大な4翔プロペラを採用。 地面とのクリアランスをとるため主脚は油圧で 9in(23cm) 伸縮する構造をとった。 大出力、大重量の単発戦闘機で下記の未知の領域が多い課題を克服して実用化された。・長い離陸距離が必要で、着陸速度も速く、離着陸が 難しい。 ・大出力のため操縦が難しい。 ・動翼を動かすのが大変で、羽布張りの動翼は高高度 で破れ易い。 ・急降下時に遷音速域に入るため衝撃派による震動が 起こる。 ・異常に舵が重い。 動翼の全金属化、ターボ加給機の改良など様々な改修を行い課題を克服していった。 P-47は好き嫌いの分かれる機種だったという。 戦闘機らしさに欠ける戦闘機なので当然だ。 単発機としては長大な航続距離を活かして、当初欧州戦線のB-17による爆撃の護衛機として随伴した。 長所・良好な被弾性能(耐弾性)。 少々敵弾が当たっても発火しないし、エンジンが 止まることもない。・強力な火力。 8丁の12.7 mm機関銃が大量の弾丸を撃ち出し、命中 すれば敵機は爆発か空中分解した。 ・高々度での機動性がよい。・横転性能がよい。・速い急降下速度でも機体に不安がなく、空中戦で有利。 短所・離陸滑走距離が長い。・横転、急降下以外の機動性が良くない。 不時着時も、胴体下部に張り出した排気タービンダクトがクッションの役割を果たし、頑丈な機体、防漏タンクとあいまって 生存率が非常に高かったという。(続ける)
2018年10月21日
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今のところ、コンピュータによるシミュレーションは実際に走らせること、飛ばすことに適わない。 いつまでもそうかどうかは分からないが、今は実車、実機のテストに勝るものはない。 カリフォルニアで自動運転するのと、日本で、あるいはドイツで自動運転の実験をすることに、違いはあるのだろう。 ボッシュとダイムラー: 自動運転の実証試験をカリフォルニアで行う計画 2018/08/03 Motor Fan illustrated編集部 ボッシュとダイムラーはより高度な自動運転車両(SAE レベル4/5相当)の開発を急ピッチに進めている。 都市部での自動運転を実現するため、両社はカリフォルニア州を実証試験の地に選んだ。 2019年の下半期の間に、ボッシュとダイムラーは特定のルートを走る自動運転シャトルのサービスを開始するとのことだ。 ダイムラーモビリティサービスが今回の実証試験を担当しており、従来のカーシェアリング(car2go)やタクシー配車アプリ(mytaxi)や移動案内サービス(moovel)などに自動運転車両が加わることで次世代のモビリティ社会の実現が可能であることを示す狙いだ。 自動運転車両のコントロールユニットのカギとなるプラットフォームはアメリカの半導体メーカーNvidia社から支援を得る。 …(略)… 飛行機が飛びやすい国はある。 日本は不自由な国。 ホンダ エアクラフト (Honda Aircraft Company)は本田技研工業の子会社でホンダジェットの開発・生産・販売を行う米国のグリーンズボロに拠点を置く企業。 2006年8月、本田技研工業から分社して設立。 エンジンはGE・ホンダ・エアロ・エンジン LLC(GE Honda Aero Engines LLC)製。 オハイオ州シンシナティの航空機用ジェットエンジンを開発製造する企業。 ゼネラル・エレクトリック社の航空エンジン製造部門の GE・アビエーション社と本田技研工業の子会社であるホンダ エアロ社が、対等の出資比率で設立した合弁企業。 「飛べないMRJ」から考える日本の航空産業史 日本がホンダジェットから学ぶべき教訓とは? オリンポス・四戸哲社長インタビュー(その5) 2018年4月26日 日経ビジネス ONLINE …(略)…松浦:そこで、日本のもうひとつの航空機開発プロジェクト「ホンダジェット」が浮かび上がってくるんです。 色々な意味でホンダジェットは、MRJと対照的です。 ホンダは航空機研究プロジェクト開始から30年以上の時間をかけています(藤野氏の「ホンダジェット」の開発開始は1997年)。 そして、ホンダジェットの開発拠点は最初から日本ではなく米国に置かれました。 さらには途中で、実験機を作って飛ばしている。 前回、四戸さんがおっしゃった、「開発のステップ」を刻んでもいるんですよね。 そして、ついにFAAの型式証明を取得し、2015年から量産機のデリバリーが始まっています。 …(略)… MRJが純国産ジェット旅客機として飛ぶ日はいつなのだろうか?
2018年10月18日
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ベル社(現ボーイング社)はV-22を第2世代機と定義した。 V-22登場より前のティルトローターが第1世代。 V-22オスプレイは第2世代。 一見、ヘリコプターのように見える。 だが、飛行特性はヘリコプターと全く異なるという。 特に降下速度の範囲がシビアでUH-60 などの軍用ヘリコプターと同じ速度で急降下着陸を行うと失速し墜落に至ることが指摘されている。 そのため、急襲攻撃作戦などの特殊作戦には不適格ではないかとする議論がある。 沖縄等での通常の昼間の訓練でのトラブルをみている限りはUH-60の安定性に優位がああると考える。 2013年4月に、ベル社は第3世代として 「V-280 バロー」の設計デザインを発表した。 巡航速度520 km/h、航続距離3,900 km、戦闘行動半径930 km ~ 1,480 km。 UH-60ブラックホークより速度は250km/h速く1,700km遠くへ飛べる。 複合材料で構成される胴体、三重の冗長度を持つフライ・バイ・ワイヤの飛行制御システム、引き込み式降着装置。 主翼、V字翼、胴体は軽量で強度が大きいCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製。 オスプレイより小さな機体で、後部ランプドアはない。 外見の機能の大きな違いが V-22はエンジンごとティルト。 V-280 は回転翼のみティルトしエンジンは主翼に固定されていること。 回転翼のみ稼動の方が、より細やかな動作の制御ができ、着陸時などに有利と思われる。 ベルV-280 バロー(Valor [勇敢]) の開発 順調に進む by 松尾 芳郎 2018年7月7日 TOKYO EXPRSS …(略)… ベル・ヘリコプター社は6月18日にアマリロ工場で、航空関係記者向けV-280の公開と説明会を行なった。 それによると「これまでに飛行試験は38時間、地上スタンドに繋留して行うホバーリング試験は38時間、をそれぞれ実施した。 また、プロップローターの回転試験は、地上繋留試験と飛行試験を合わせて107時間実施した。 エンジンとプロップローター駆動シャフトを結ぶギアボックスの試験は800時間を超えている。」さらに「試験飛行はフライバイワイヤ・操縦システムの基本機能を使い手動で行われた。 滑走離陸(rolling takeoff)、時速60 knots (110 km/hr)での滑走着陸(roll-on landing)、バンク角45度の旋回飛行、時速195 kts(360 km/hr)の水平飛行、等を行なった。」 これらを通じて開発が順調に進んでいることを印象付けた。 …(略)… 次の一手は着実に打たれている。 米軍の先進性を保ったまま。
2018年10月17日
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ステルス戦闘機殲20(J-20)をものした中国は、ステルス戦略爆撃機も開発中とのこと。 米空軍のB-2は高額のゆえに調達数が21機に削減された。 金は「いくらでもある」と示しているのか。 <コラム> 中国の新型ステルス戦略離爆撃機 2018年に初飛行か? 洲良はるき 2018年9月23日 Record China 核兵器も運用できる中国の戦略長距離爆撃機H-20(轟-20)が今年にも初飛行の見込みがある、と中国国営テレビ局「中央電視台国際チャンネル(CCTV-4)」のニュース番組「今日亜洲」が報道した。 …(略)… CCTV-4は、H-20爆撃機の推測値をあげている。 ・航続距離1.3万km ・ペイロード30~40トン ・最大離陸重量180~200トン これらが正しいのならば、H-20爆撃機はアメリカのB-2爆撃機よりやや大きい爆撃機となる。 もちろん、これらの諸元は確定したものではなく推測にすぎない。 2018年8月に公開されたアメリカ国防総省の中国の軍事力に関する年次報告書には次のように書かれていた。 「H-20と報告されている爆撃機にはここ10年のうちにデビューするかもしれない。 この爆撃機は以下のような特徴を持っている。 多くの第5世代技術を採用したステルス設計。 航続距離は少なくとも8500kmはあるだろう。 ペイロードは少なくとも10トンをくだらない。 通常兵器と核兵器の両方を運用する能力を持つ。 H-20プロトタイプの可能性のある写真によると、B-2爆撃機やX-47Bステルス無人機に類似した全翼機の機体」。 …(略)… 模倣して大きな機体になったとすれば、B-2よりなにがしか、性能が低下している。 ステルス機であればRCS(レーダー反射断面積)が大きくなっているはずだ。 重量が増えれば、速度、航続性能、搭載量に影響する。 全翼機が少ないのは、フライバイワイヤの技術をもってしても、姿勢制御が難しいからだ。 ステルス性能を保つため維持費も高額。 整備用にハンガーも必要。 維持費は殆どがその滑らかな機体を研ぐためのものである。 ステルス爆撃機F-117はレーダー波吸収用の特殊素材の維持費が高額で2008年をもって全機退役している。 ステルス機は何かと「金食い虫」だ。
2018年09月30日
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F-35はF-22にくらべれば安価とされる。 しかし高価なF-15に対して生み出されたF-16のような位置づけとは全く異なる。 F-35でも十分に高価。 しかもウェポンベイに格納する兵器だけでは、パンチ力不足とされた。 ビーストモード実現で、不足はなくなった。 機外搭載兵器なので、ステルス性も減少したはず。 F-35「ビーストモード」は通常の4倍! 完全作戦能力獲得で見えてきたものとは? 関 賢太郎(航空軍事評論家) 2018.07.17 乗りものニュース 「ビーストモード」という強烈なワードが、アニメやゲームだけでなく現行戦闘機に使用されました。 空自も採用するF-35戦闘機の「ビーストモード」は、F-22との違いが如実に表れているといえるでしょう。F-35が完全作戦能力獲得で具体的に可能になったことは…? ロッキード・マーチンF-35「ライトニングII」ステルス戦闘機が2018年4月に初期開発段階であるシステム開発実証(SDD)を終え、いよいよ「完全作戦能力(FOC)」獲得が目前となっています。 …(略)… ロッキード・マーチンによるとF-35はビーストモードによって、空対空ミッションであれば視程距離外空対空ミサイルAIM-120C/D アムラーム14発+短距離空対空ミサイルAIM-9Xサイドワインダー2発の搭載が可能となり、また空対地ミッションではアムラーム2発、サイドワインダー2発、JDAM 908kgGPS誘導爆弾6発が搭載可能としています。 …(略)… ビーストモードとはステルス性をかなぐり捨てて攻撃技のハリネズミと化したF-35らしい。 それにしても気になるのは搭載対空ミサイル、A120アムラーム。 撃ちっぱなし能力・同時多目標攻撃能力の備えた超高性能な視程外対空ミサイル。 価格は輸出用で50万ドルと聞く。 高価格ゆえに撃つ相手を選ぶことになる。 米国の同盟国が導入し、消費してくれれば、米軍の調達価格は引き下げ可能。 AIM-54フェニックスも撃ちっ放し能力を有する長射程空対空ミサイル 47万7千ドル。 フェニックスを運用するために作られたともされるF-14トムキャットも高価。 F-15いまだ現役だがトムキャットは2006年9月に全機退役。 F-14でしか運用できない AIM-54も退役。 B-1、B-2、F-22と軍事費世界一の米国でさえ、高価過ぎて装備数を選らした愚かな兵器たちだ。 国際共同開発のF-35も高価すぎて調達数が減り、単価が高くなった。 高額兵器購入で自衛隊と日本国民は米国に貢献している。
2018年09月20日
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自衛隊員の定数は防衛計画の大綱で定められる。 朝鮮半島有事や中国、ロシアの脅威を訴えて、正面装備の予算は取れる。 だが活発な徴募活動にも係らず、定数の満ちた試しはない。 1990年は24歳だった上限を26歳に2歳引き上げた。 今回の6歳引き上げで、自衛隊がどれほど定数充足に苦労しているかが伝わる。 少子化や景気回復による人材の確保が厳しさは、国防にまで影響を及ぼす。 優秀な人材は当然、待遇が良く、将来性のある企業に集まる。 他の分野と異なり、たぶん自衛隊員は、労働界全般について政府が考えている一億総活躍の対象ではない。 また、外国人の活用や技能研修生制度の活用に置き換えるわけにはいかないだろう。 自衛官採用年齢、上限は32歳 =10月にも引き上げ―防衛省 2018年8月7日 時事通信 防衛省は7日、自衛官候補生などの採用年齢の引き上げについて、10月にも実施する方針を固めた。 上限を現行の26歳から32歳に引き上げる。 近くパブリックコメント(意見公募)を実施した上で、自衛隊法施行規則を改正する。 年齢引き上げは1990年以来、28年ぶり。 …(略)… 防衛省が17年度に採用した自衛官のうち、自衛官候補生と一般曹候補生が全体の約9割。 警察官と同様に、近年、応募者数は減少傾向。 警察官も介護職員やコンビニや居酒屋の店員のように、外国人に置き換えて済ますことはないと思う。 景気回復のせいにしたいようだが根本は少子化問題。 政府自民党の少子化対策無策が、国防や保安の危機を着実に進めている。 自衛官候補生は任期制。 陸上自衛隊が2年、海上・航空自衛隊が3年の任期終了後に継続するか否か選択する。 定数不足は永続するので、自衛隊の省人化、ロボット化が促進されると思われる。 公務員人気が落ちている? 自治体や警察官も就活生にアピール合戦 PR動画で応募者が4倍に増えた市も 2018/03/02 ニコニコニュース 新人警察官が 配属2か月めに署内トイレで拳銃自殺 ―「息子は警察に殺された」 現職警官・父が語る、愛知県警のイジメ体質 2015年4月12日 My News Japan
2018年09月20日
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数々の延命処置を施されたF-4ファントムは米国のマクドネル社が超音速艦上戦闘機として開発した。 60年前の1958年、初飛行。 1960年、運用開始で西側の各国で採用され総生産機数は5,195機。 米軍は全機退役しているが、航空自衛隊では後継機のF-35Aの投入遅れで2020年全機退役。 初代ファントムは1947年に運用開始の世界初の実用艦上戦闘機FHファントム。 だからF-4はファントム2(2代目)。 着陸時の衝撃が大きい艦載機なので脚部は頑丈。 大きな出力のエンジン2基と大容量の燃料タンクを備え航続距離が大きかった。 出力が大きいので各種装備の搭載量も大きく、複座もあり兵器の運用の柔軟性も高かった。 1966年、日本はF-4Eを日本向けに改修したF-4EJを選定。 導入時の際の2機はマクドネル社セントルイス工場製。 三菱重工でノックダウン生産を経て、ライセンス生産を開始。 日本は世界で唯一F-4のライセンス生産が許可された。 さらば、ファントム戦闘機! 日本の空を守り続けて40年 2018年8月30日 FRIDAYデジタル …(略)… ファントムを飛ばして8年目という庄司友洋1尉(31)は話す。 「ファントムは型としては古く、操縦するのが非常に難しい機体だと思います。新型のF-2はモニターに計器類が表示され、フライトコントロールはコンピューターで行っている部分も多い。 それに比べてファントムはアナログで、パイロットの技量に左右されます。 休暇などで1週間も乗っていないと、操縦感覚を忘れてしまうほど。最大性能を発揮するためには日々の訓練が必要です」 …(略)… 「ファントムは頑丈な戦闘機だという一言に尽きます。 それと、ミサイルや燃料タンクなどが低い位置に装着されています。 機体の下で作業する時はパネル一つを開けるにも大変で、腰の痛みは全員が感じています。 ファントムだけではなく全ての機体に共通するのは“五感を使って整備する“ということ。 見て、触って、音を聞いて、匂いを嗅ぐ、そして機体から漏れる液体が水か燃料かわからない時は舐めて味を確かめたりもします。 時々、米軍の戦闘機が百里基地に来るのですが、米軍の最新鋭機よりもうちのファントムの方が綺麗な状態に保たれていると思います。 古いけどボロくはないと自信を持って言えます」 …(略)… 特徴的な下半角がついた水平尾翼は、遷音速域において操縦安定性を悪化させた要因。 フライバイワイヤなら活かし様が大きい落ち着きのなさは、ヒトには扱い難く、その点がパイロットのコメントに表れている。 空自のF-4の後継の主力戦闘機は、1980年運用開始のF-15イーグル。 こちらもオリンピックイヤーの2020年には40年。 空自の年間飛行時間から換算すると初期生産分の機体が基本寿命である8,000飛行時間を迎えるのは2025年ごろからとされる。 いま後継機が決まっていても何らおかしくないが今は決まっていない。 2020年代前半には後継機を決める必要があり、第4次F-Xの採用機F-35Aをそのまま採用することも検討されている。
2018年09月17日
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靖国神社の参道の横に『常陸丸殉難記念碑』が建っている。 日露戦争中の1904年6月15日。 陸軍徴傭運送船3隻が玄界灘を西に航行中、ロシア帝国海軍所属の3隻の装甲巡洋艦に相次いで攻撃され、撃沈破された。 特に、陸軍徴傭運送船「常陸丸」(日本郵船、6,172トン)には乗組員148名を含む総員1238名が乗船。 生き残った者は37名だった。 輸送指揮官、須知源次郎中佐は、敵艦からの攻撃の被害大なるを知り、軍旗奉焼と旗竿の破壊を命じ、切腹。 軍旗は大久保正[25]少尉が旗竿を折って点火焼却。 連隊旗や重要書類の焼却を見届け、残る将校も切腹、拳銃自殺および海中への投身自殺で「常陸丸」に殉じた。 この悲劇が国民に伝えられ、世論は沸騰。 ウラジオ艦隊の取り逃がした第二艦隊の上村彦之丞中将に対して激しい非難の声が向けられ、事件から二か月後、蔚山沖海戦でウラジオ艦隊を壊滅させるまでの間、激しい批判にさらされた。 丸腰に近い輸送船は敵の恰好の標的、ということが分かる。 だが、艦隊決戦論者の大日本帝国海軍は、敵の通商破壊作戦、足の遅い輸送船への有効な防御には最後まで取組まなかった。 結果は戦艦があっても燃料無しという状況。 戦闘機を飛ばすのにオクタン価の低い松根油では効果的に闘えるはずも無く、国民は物資の欠乏で塗炭の苦しみを味わうこととなった。
2018年08月25日
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C-130は物資、人員、燃料の輸送で大活躍した。 前線であれば、当然武器を運び、敵を直接攻撃したくなるのが人情。 長い滞空時間、輸送量・空間の大きさ、安定した低速飛行性能などを活かしてガンシップ・プロジェクト3に基づき生み出されたのが、ガンシップ中のガンシップAC-130。 ベトナム戦争での米軍の苦戦の産物。 初期型の武装はM134 7.62mmミニガン4挺とM61 20mmバルカン4門。 多くの航空ファンが瞠目したのが長射程大火力のボフォース L60 40mm機関砲の搭載機やM102 105mm榴弾砲の搭載機。 ガンはガンでも105mm榴弾砲を搭載し、実際に運用された。 大量の武器・弾薬を搭載し、長時間飛べる(いつまでも頭上にいる)こんな飛行機に狙われたい者はいないはず。 もう一つの注目の派生機は、MC-130 コンバット・タロン。 C-130に、特殊作戦に従事するための改装を施した機体。 MC-130の「M」はMultimission。 敵地への特殊部隊の潜入・退去・補給、捜索救難活動の支援、心理作戦などが主たる任務。 ベトナム戦争以外に、グレナダ侵攻やパナマ侵攻、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ソマリア内戦、コソボ紛争、アフガン紛争、イラク戦争と、名だたる地上戦にすべからく投入されている。 恐るべき名機である。
2018年08月04日
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ロッキードC-130 ハーキュリーズは、戦術輸送機のベストセラー。 1956年12月、運用開始。 米軍の他、旧西側諸国を中心に69ヶ国で使用され、登場から半世紀以上経った現在も、変わるもののなく現役。 戦術上の要請、近代化改修は続けられており、最新型はC-130J スーパーハーキュリーズ。 当初、次の要求性能に基づき開発された。 1.中型輸送機であること。 2.荒地に着陸可能であること。 3.極めて頑丈な機体構造を有する事。 4.主用途は貨物輸送だが人員輸送能力も有する事。 5.積載可能重量は約30,000lb(13,608kg)。 6.航続距離は1,500マイル(2,414km)。 要求を上回る高性能を発揮した。 陸自の華 空挺降下支えるC-130はどんな飛行機? 半世紀越え活躍するベストセラー機 矢作真弓(軍事フォトライター) 2018.06.25 乗りものニュース …(略)… 会場内に放送される陸上自衛隊第1空挺団降下誘導小隊の誘導音声。その音声誘導に従い、多くの空挺隊員を乗せて飛来してきたのが、航空自衛隊のC-130H輸送機です。 定められたポイントに向けて正確に飛行してくる大型輸送機と、機体後部にある左右の扉からパラシュートを装着し降下してくる空挺隊員の姿の組み合わせは、C-130H輸送機を最も魅力的に見せます。 時と場所を選ばず、多くの物資を空輸することができる輸送機として、多くの国で活躍しているのがこのC-130大型輸送機なのです。 海上自衛隊も同型機を運用していて、全国のイベントなどでその勇姿を見ることができます。 どのような輸送機なのでしょうか。 C-130輸送機は、1956(昭和31)年にアメリカで運用され始めた輸送機です。 初期型のA型から最新のJ型まで、多くのバリエーションがあります。 なかには、重武装したAC-130という対地攻撃能力を持った機体も存在します。 航空自衛隊ではC-130Hというタイプを14機、空中給油装置を備えたKC-130Hを2機保有しています。 導入当初はC-1中型輸送機の後継になるのではないかと言われていましたが、C-130Hの方が大きく、国内を機敏に動き回るにはC-1の方が都合良いとの理由で、航空自衛隊では2種類の輸送機を用途に応じて使い分けています。 …(略)…
2018年08月04日
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日本の防衛については、とっくの昔に、戦車の時代は終わり、攻撃ヘリと装輪装甲車と歩兵の装備が有効とされる時代となった。 ベースとなる車両を共通化し、ファミリー化して、維持管理の効率化と、柔軟な運用の拡張性を向上させる方式が、既に米軍では実施されている。 防衛省・自衛隊で各種車両型によるファミリー化の構想があり、実際に開発する車両については研究試作の成果に基づき決定するとされた。 そして、国産のベース車両の開発が困難であることが報じられた。 耐弾性能満たす車両作れず次期装甲車の開発中止 2018年7月28日 読売新聞 防衛省は27日、陸上自衛隊の次期装輪装甲車の開発事業を中止したと発表した。 開発を受注した小松製作所(東京)が、同省の求める耐弾性能を満たす車両を作れなかったため。 同省は、試作品の対価として支払った約20億円の返還を同社に求める。 同省によると、防衛装備品の開発が技術的な理由で中止されたのは初めてという。 開発事業は2014年度に始まり、17年1月に試作品が納入された。 技術試験を実施したところ、車両を覆う防弾板の性能にばらつきがあることが判明。 同社に改善を指示したが、最終的に改善できなかった。 同省は今後、他の企業に発注して開発をやり直すか、海外メーカーから購入するかを検討するという。 安倍売国内閣は、トランプ大統領の歓心を買おうと海外メーカー=米国メーカーからの購入を検討する。 国産より遥かに安く手に入り、八方丸く収まる。 収まらないのは国内の防衛産業と天下った自衛官のOB。
2018年08月03日
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2017年5月29日、三菱自動車は、中国におけるエンジン生産の合弁会社である瀋陽航天三菱汽車発動機 製造が、エンジンの生産累計500万基を達成したと発表。 製造業において着実に技術力を高めている中国だが、自動車のエンジンについては発展途上にある。 中国車の心臓は日本製? なぜ中国車には三菱製エンジンなのか―中国メディア 2017年11月27日 Record china 吉利については「すべての自動車モデルにおいて、自社開発したエンジンを装備。 BYDは有名なエンジンを分解、研究して同程度の性能を持つエンジンを開発する「リバース・エンジニアリング」を進めている。 金と時間をかけても「モノ」になるかどうか分からないのがエンジン。 そのリスクを避けるなら、外部からエンジンを購入することになる。 自動車生産台数世界一の中国が、 なぜオリジナルのエンジンを造れないのか? 2000年に約200万台だった中国の自動車生産台数(年間)は、2008年に米国を追い抜き、今や3000万台(2016年)に迫ろうという勢いだ。 現在、2位の米国でさえ約1200万台に留まっており、他の主要国5カ国(ドイツ、日本、韓国、インド、メキシコ)も停滞しており、その差は離れていくばかりに思える。 ■「基礎工業の遅れ」を自認 しかしその中にあって、先日中国のメディアが、世界最大の自動車大国であるのに「なぜ他国のメーカーより優れた自動車用のガソリン・エンジンを作ることができないのか」という記事を掲載したという。 たしかに、次々と空母を建造するほどの国となったのになぜであろうか? 記事によると、技術力についてはまだ世界の大手メーカーと大きな差があり、オリジナルの優れたエンジンを開発できない要因は「基礎工業の遅れ」もあると自認しているようである。 ■中国の追随を許さないのは日本の国民性? 自動車産業や精密機械産業は「知識集約型産業」とみなすことができる。 簡単に言うと、人間による知的生産による業務の割合が大きい産業のことだ。 具体的には、工作機械、半導体、光学部品、自動車エンジン、ロボットなどで、未だに中国の追随を許さない。 いずれも現代の自動車製造に欠かせない技術が集約されたもので、エンジン車の製造はこれらすべてを使っている。 特に、工作機械市場は米国、ドイツ、日本の独占場であり、また光学部品においては世界のメーカーが日本製に依存しているのだ。 さらに産業ロボットについては、世界シェアトップ10のうち5社は日本メーカーである。 これらは今まで培ってきた「技術」の集大成でもあり、中国が10年やそこらで追いつける代物ではないことは確かである。 技術とは社会のすべてに宿るもので、簡単に模倣できないのだ。 文明のレベルと言ってよいものだ。 しかもその時代ごとの要求にあった基準があり、「運」も左右するものだ。 …(略)… これらの事実を認めてこそ、中国がEV化を推し進めている理由が分かる。 エンジンを自作するのは電動機よりも遥かに高いハードルが待っている。 エンジン開発が文明の尺度となるかどうか分からないが、こと航空機用ジェットエンジンについては日本も米英仏に比べ遅れた国。 欠陥を嗤うのは誰でも出来る。 ジェットエンジンの開発・製造は優良企業GEが捨てることない高度な技術分野であり、先進性とノウハウの塊。 ANAの787エンジン不具合、 ロールス・ロイスが改良型ブレード供給開始 2017年1月27日 Aviation Wire RR製エンジンの787、ETOPS運航制限 ANAは影響軽微 By Tadayuki YOSHIKAWA 2018年4月19日 Aviation Wire
2018年06月04日
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小直径、大出力の中島飛行機製エンジン「誉」は陸海軍から期待を集めた。 詩作エンジンはすばらしい性能を発揮した。 だが、実戦用に配備された「誉」は信頼性に乏しく、優れた整備兵の居る部隊では活躍したものの、総じて設計性能を十分に発揮せずに終わってしまった。 設計が悪いのか、製造が悪いのか、素材(金属、燃料、油脂)が悪いのか。 いずれでもあったのだろう。 設計の前提である100オクタン燃料の入手が困難で、91~88オクタンの燃料を使用したため、異常燃焼(ノッキング)が発生。 シリンダー温度の過昇を起こした。 主ベアリングのケルメットも材質不良による故障も発生。 そのベアリングの精度自体も劣っていただろう。 潤滑油の質は低く、精度の低さからオイルの保持は不十分、オイル漏れは常態化され、供給量が不適正ということもあろう。 最も高性能を要求される制空戦闘機に用いるエンジンなのだから。 時代や工業力を考慮していないとの説もあるが、能力、品質の低下織り込んだ設計など、あろうはずもない。 燃料の質低下や加工精度の低下、油脂類の質の低下を織り込んだエンジンを設計・製造するなら、大きく、重く、重量あたりの出力が低いエンジンができる。 高温高圧高負荷で作動する高性能な内燃機関は、自ずと製品精度の向上が求めらる。 エンジン本体から、ピストンリング、パッキンなどの軽量パーツに至るまで。 材料品質が低下する中で、学徒動員を含め、素人が多数関わるエンジン製造は精度を上げるどころではない状況であったことが容易に想像できる。 設計主務者を含めて、いろいろ読むと、機械的な設計上の失敗は、クランクケースに絞られるようだ。 外形が小さく大出力を実現する鍵である、薄肉鋳鉄・鋼製のクランクケースにあったとされる。 これさえも、材質、精度の問題がクリアされていれば、本当に大問題だったのかは分からない。 当時の日本の工業力では2000馬力級のエンジンは、設計はできても製造、実用化はできなかったのだろう。 敗戦後、様々な要因があるが「技術の敗戦」と総括した技術者たちが工業力の向上に力を注いだ。 設計、製造、整備技術すべての水準が向上して、今日、世界で活躍する自動車メーカーが存在する状況を生み出した。 自動車生産台数世界一の中国が、 なぜオリジナルのエンジンを造れないのか? 2018年3月19日 財経新聞
2018年05月10日
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水陸両用戦の重要性が問われるようになったのは第二次世界大戦中。 ノルマンディー上陸作戦であり、太平洋諸島の米軍による上陸作戦。 空挺部隊による敵地突入は犠牲が大き過ぎ注目度が下がったが、水陸両用戦は犠牲は多かったが、第二次世界大戦後も充実の度を高めた。 現代の日本の軍隊は国境の島嶼防衛に必要かも知れないぐらいは考えていた。 自衛隊が尖閣防衛には不適任な 水陸機動団や空母を持ちたがる理由 田岡俊次:軍事ジャーナリスト 2018.4.12 ダイヤモンドオンライン「水陸機動団」が創設されたが重要なのは制空、制海権 こちらが島の周辺海域で制海、制空権を握っていれば、相手が島に上陸作戦を行おうとしても、海上で敵の輸送艦は撃沈され、輸送機も撃墜されるから相手にとっては自殺行為だ。 仮にこちらの隙を突いて上陸に成功しても、補給さえ断てば敵は遅かれ早かれ降伏するか玉砕するしかない。 尖閣諸島など南西諸島の防衛を考える際の要点は一にも二にも制空権で、それに制海権も付随する。 だが航空自衛隊が東シナ海で優勢を確保できる公算は低い。 中国軍にとっては、北方でのソ連の脅威が去った今日、東シナ海は台湾との軍事衝突を想定した場合の最重要の「台湾正面」であり、その正面を担当する東部戦区には新鋭機が優先的に配備されている。 …(略)… ソ連の脅威がなくなり予算確保のため「南西諸島防衛」をお題目に予算取りをはじめたため、水陸機動団を充実させることになったという。 周辺諸国の脅威を煽って軍事予算を要求するのは大日本帝国以来の日本の軍隊の伝統。 自衛隊は伝統に忠実らしい。 海洋資源開発も順調に進まない中、日本国の「明日」を守るのは、軍事だけではない。 生活、将来への投資、外交、軍事の順に物事は考えたい。 戦車の有効性が問われている現代において、航空母艦保有は論外。
2018年05月09日
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南スーダンでの戦闘に関する日報が続々出てくる。 与党も防衛官僚、幕僚を見放した感が強まった。 シビリアンコントロール(文民統制)よりも心配なことがある。 情報の「管理、統制、分析、総合」は大丈夫なのだろうか? また日報発見、防衛相が謝罪 委員席から「おいおい」 2018年4月11日 朝日新聞デジタル 「残念なことですが、今朝もこうした中で報告がありまして、記者会見をしました」。 自衛隊の日報問題。小野寺五典防衛相は11日午前の衆院予算委員会で、新たにイラクの日報2日分が1部署から、南スーダンの日報が7部署から見つかったことを明かした。 自民党の柴山昌彦氏が「日報問題についてはやはり取り上げざるを得ません」と切り出し、日報の保管や公開ルールに関して質問すると、答弁の中で説明した。 委員席から「おいおい」というヤジが上がる中、小野寺防衛相は「うみを出し切るという思いで努力する」と述べた。五月雨式に日報が出てくることについて「本当に大変な問題」とし、「大変申し訳ございません」と重ねて謝罪した。 続く公明党の伊佐進一議員も「ないと回答した後にぼろぼろ出てくると。 なんでこんなずさんな調査になったのか」と追及。 …(略)… 私が気になるのは文民統制よりも情報管理。 イージス艦の情報も漏洩させた日本の自衛隊。 いまだ情報管理の基本ができていないのではないか。 重要な情報も、些細な情報も十分な管理・統制ができていないとすれば、正面装備の機密だけ守ってもかいなきこと。 C4Iで情報の重要性は知っているはずだが、戦闘・訓練情報、武器の機密と別な情報は軽んじられているようだ。 自衛隊はちゃんと戦えるのだろうか?
2018年04月24日
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中国の量子コンピュータが実用化され、米国のステルス技術などの先進軍事技術が解明され無効化されるという、オカルト話と五十歩百歩の記事。 SF小説と何ら変わりがないことが科学用語を使うと、正々堂々の事実のように語られる。 中国脅威論で儲かる軍事関係者の陰謀か? 中国の量子技術開発 米国のステルス技術を無効にする可能性 ―米メディア 2018年3月19日 Record China 2018年3月18日、参考消息(電子版)によると、米学術誌ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツのウェブサイトはこのほど、「中国が量子技術の開発を進めている」と報じた。 筆者は新アメリカ安全保障センター(CNAS)のエルサ・カニア客員研究員。 記事によると、中国は米国のステルス技術を無効にする可能性があるレーダーや、画像、通信などにおける量子技術の開発に力を入れているとされ、量子技術を使った暗号化や通信の分野ではすでにフロントランナーの地位にある。 世界初の量子衛星「墨子号」も打ち上げ、量子ネットワークの構築など、さまざまな実験を重ねているという。 米国は量子技術の分野ではパイオニアとして君臨してきたが、2017年には量子コンピューターの計算能力でグーグルの保持していた記録が中国科技大学のチームに破られた。 量子コンピューターが実用化されれば、現在のスーパーコンピューターをはるかに上回る計算能力が運用できるようになり、現在の暗号化技術は大半が無効にされることにもなるという。 16年9月には「中国の電子科技集団有限公司の研究所が量子レーダーシステムの開発に成功した」と報じられ、中国は量子技術の研究を加速させている。(翻訳・編集/岡田) あらゆる可能性を試しているのは、米ロも中国と同じ。 量子コンピュータについて中国が優位にあるかは不明。 中国がさまざまな種類のメタマテリアル開発 ステルス戦闘機に使用か―英紙 2018年3月16日 Record china 2018年3月14日、米華字メディア・多維新聞は、中国国内でさまざまな種類のメタマテリアルが開発され、J20ステルス戦闘機にも用いられている可能性があるとする、英紙の報道を伝えた。 記事は、英紙デイリー・メールの12日付報道を引用。「先日中国中央テレビ(CCTV)で放送されたドキュメンタリー番組で、広東省深セン市の国家重点実験室にてステルス性や耐燃性、耐凍結性などさまざまな種類のメタマテリアルが生産されていることが紹介された。 また、これらのメタマテリアルについていずれも航空宇宙分野でブレイクスルーが急がれるものと説明された」と伝えている。 …(略)… 理論の可能性は無限大であり、実験レベルの成功と実用化とは雲泥の差がある。 実用化の困難さが量子コンピュータでブレイクスルーされた話はいまだ聞かない。 現在のコンピュータは機知の技術の類推を超えていない。 研究者が実験を続けるのは、新たな事象の発見とそれを説明できる理論の探求のため。 挑戦は誰でも、どこの国でもできる。 先進技術を実用化できるのはほんの一握りだったりする。
2018年04月05日
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開発コストの高騰が有名なF-35。・ 維持費も高そうなのだが。 本当にほんとうに、防衛省幹部は日本の空の守りを考えているのかは疑問。 強い兵器ののことは真剣に考えていると思うが。 来年度概算要求 F35のお値段は? 2014年08月21日 BLOGOS 木村正人 6機分、1249億円 20日の日経新聞電子版は、防衛省は2015年度予算の概算要求で、最新鋭のステルス戦闘機「F35A」6機分の購入費として1249億円を計上すると報じている。 航空自衛隊は主力戦闘機のF4戦闘機が老朽化したため、後継機としてF35A を42機導入する計画だ。 12年度から3年間で10機を調達。単年度で6機を導入するのは初めてだ。 金額と機数は日経しか報じていないので、購入費がいったい何を指すのかわからない。 …(略)… 1機当たり、12年度99億円 12年度予算の概要 F35A、4機で395億円。1機当たり99億円弱。 その他シミュレーターの取得経費として205億円を計上。 13年度150億円 13年度予算の概要 F35A、2機で299億円。1機当たり150億円弱。 国内企業参画に伴う初度費として別途830億円を計上。 国内企業が製造に参画するとともにF35の国際的な後方支援システムに参加。 その他関連経費(教育用器材等)として別途211億円を計上。 F35Aの配備(三沢)に向けた教育訓練施設の整備のための調査工事。 14年度160億円 14年度予算の概要 F35A、4機で638億円。1機当たり160億円弱。 国内企業参画の範囲を拡大することに伴う初度費として、別途425億円を計上。 その他関連経費(教育用器材等)として別途383億円を計上。 F35Aの配備(三沢)に向けた教育訓練施設等の整備27億円。 …(略)… 日本に配備される前に飛行停止になるようなトラブルが発生するのはよいことなのだろうか。 日本で配備されてから「全機飛行停止」にならないことを祈る。 F-35がエンジン発火、英米全機が(また)飛行停止に 2014年7月7日 ギズモード・ジャパン …(略)… 今一番ホットな総合攻撃戦闘機F-35が燃えたのを受け、米国防省は3日(米時間)、 調査終了まで米・英が保有するF-35全機を飛行停止にする命令を下しました。 全機 飛行停止はギズが把握してるだけでも、これで8回目。 …(略)… 2018年1月26日、F-35Aが2018年1月26日、空自三沢基地( 青森県三沢市)に初めて配備された。 公式サイトに掲載の平成29年度に間に合った。 2017年度1機、2018年度9機。 F-15の代替戦力となるのはまだ先。 最新鋭の次期戦闘機です 航空自衛隊 公式サイト F-35AはF-4戦闘機の後継として導入を決定した最新鋭の戦闘機で、平成29年度から三沢基地に配備する計画です。 F-35Aは高いステルス性能のほかこれまでの戦闘機から格段に進化したシステムを有し我が国の防衛、ひいては地域の安定に多大な貢献をしてくれる期待の戦闘機です。 主要諸元 乗員 1人 全幅 10.7m 全長 15.6m 全高 4.4mエンジン 搭載数 1基 名称 F135-PW-100 性 能 最大速度 マッハ約1.6 航続距離 約2,200km武装 25mm機関砲 空対空レーダーミサイル 空対空赤外線ミサイル
2018年04月05日
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F-15Jの運用は1981年12月。 十分古い主力戦闘機だが、トップクラスの性能を誇っている。 J-11(中国)の母体はSu-27(ロシア)。 Su-27はF-15に匹敵する性能とされる。 1986年、運用開始。 J-11はSu-27のデッドコピー。 エンジンが中国産の場合、性能向上は望めない。 日本のF15Jは中国のJ11に全面的に劣っている ―米誌 2018年2月21日 Record China 2018年2月19日、外交時事誌のザ・ディプロマットは、米軍事専門誌に掲載された「日本のF15Jは速度以外では中国のJ11(殲11)に全面的に劣っている」とする記事を掲載した。 参考消息が伝えた。 記事は、「1980年に日本は最初のF15戦闘機を米国から購入したが、当時米国から第4世代戦闘機を購入したのは日本、イラン、イスラエル、アラブ首長国連邦の4カ国だけで、200機のF15戦闘機を有していた日本は当時、米国、ロシアに続く世界第3の航空戦力だった」と伝えた。 一方、記事は「ソ連解体とその後の経済的困難により最新の武器が広く輸出されることとなり、その大きな恩恵にあずかったのが中国だった」とし、「Su27とSu30を手に入れた中国は、これらをもとにして設計したJ11を300機以上製造。 この10年で日本は戦闘機の技術と数で劣勢になった」とした。 また、2004年にインドで行われた演習で、インドのSu30と米国のF15戦闘機が対戦した結果、Su30が圧倒的に優勢であったことについて、「J11とSu30は性能が近似しているため、日本にとっては不利なことを意味している」と記事は指摘した。 さらに、「J11は上昇率が高く、推力重量比が優れており、さらに高い角度からの攻撃が可能である」と記事は分析。 「力強い機動性を有していて、F15よりも積載能力が高い」と評価した。 「F15Jの唯一の優位性はマッハ2.6という速度で、これはライバルのJ11のマッハ2.35に勝る。 また、実用上昇限度も2万メートルと、J11の1万9000メートルより高いものの、これらはいずれもJ11との交戦で決定的な影響を与えるものではない」と分析している。 …(略)… 米国が一頭地ぬきんでているアビオニクスの比較はなし。 Su-30はSu-27の正常進化版。 1997年3月、運用開始。 上の記事が示すところは明確。 「米国の高価な最新兵器を買え」というメッセージ。 軍事力向上のために国民から豊かさを奪った帝国陸海軍の発想にたって、軍事力を強化しろとということ。 亡国(亡国民)安倍内閣は、将来に負債を繰り延べて、米国の歓心(=高価なF-35)を買うだろう。 福祉・教育敗れて、産業、軍事栄える。
2018年04月04日
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主翼を重心より後方に配置し、さらに後方の水平尾翼が下向きの揚力を生んでバランスを取る。 カナード(先尾翼)は、重心より後方に配置された主翼より前方で上向きの揚力を発生させバランスを取る。 デルタ翼においては、通常カナードは揚力を期待しない。 デルタ翼機は無尾翼機(尾翼不要)の特性があり、それにカナードを付加した場合が多いためカナードの果たす役割が変わる。 運動能力向上機 (CCV) の場合はピッチ方向の安定性を下げる設計を行っており、カナードが発生する揚力を極力小さくする設計を行っている(制御カナード)。 デルタ翼は翼厚に対して翼弦が長く前縁後退角を大きくしても構造強度が高く取れる。 また翼面積を大きく取れる事から翼面荷重が小さいので、加速性・高速域での運動性に優れた特性を持つ。 欠点は低速時の低揚抗比と、離着陸性能が劣ること。 機体の小型がはかれるデルタ翼を採用し、欠点を補うためカナードを採用している。 カナードはRCS(レーダー反射面積)を大きくするので、ステルス機には採用例が少ない。 欧州戦闘機が米露とひと味違うワケ 前翼+三角翼、なぜこの組み合わせが多いのか 石津祐介(ライター/写真家) 2018.03.04 乗りものニュース …(略)…「ユーロファイター」前夜、なにゆえデルタ翼なのか? 1950年代頃、高速で侵入してくる爆撃機を迎撃するため速度性能の向上を追求した超音速戦闘機が開発されるなか、空気抵抗が少なく、より高速が出せる水平尾翼を持たない無尾翼デルタ機が登場します。 当時のアメリカやソ連に比べて、推力が弱いヨーロッパ製のエンジンでも速度性能が発揮できたので、フランスのダッソー「ミラージュIII」などで採用されました。 しかし水平尾翼を持たないため離着陸の性能は劣りました。 一方スウェーデンでは国土が攻撃を受け滑走路が破壊された場合に、高速道路などから離陸し反撃が出来るよう、この無尾翼デルタ翼にSTOL性能(短距離離着陸)を持たせた戦闘機を開発します。 翼を重ねたダブルデルタ翼の「ドラケン」、そして後継機種としてカナード(前翼)にデルタ翼を組合わせた「ビゲン」を開発します。 この翼の組合せは「クロースカップルドデルタ」と呼ばれ、STOL性能と機動性に優れており、のちに「ビゲン」の後継機種として開発された「グリペン」や、「ユーロファイター」「ラファール」でも採用される事になります。 …(略)…
2018年04月04日
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世界2位の軍事大国中国は、日本の軍事力の動向を常に気にしている。 日本で組立てられたF-35Aの初飛行にも注目。 組立の期間が「神速」だという。 日本のF35製造スピードはまさに「神速」 ステルス機大国の仲間入り狙う ―中国メディア 2018年3月20日 Record China / 2018年3月16日、新浪軍事は、日本の自衛隊が第5世代戦闘機F35を「神速」で導入し、ステルス機大国の仲間入りを狙っているとする記事を掲載した。 記事は「先日、日本で製造されたF35A戦闘機の第7号機が岐阜基地で初飛行に成功したと伝えられた。 日本は米国からF35A戦闘機を42機購入したが、そのうち4基は米国が製造し、残りの38機は日本本土で製造されるという。 日本製初のF35A戦闘機は昨年6月5日に組み立てが完了し、三菱重工の小牧南工場で公開された。 そして今、7号機の初飛行が実現し、8号機の製造が進んでいる」と伝えた。 その上で「日本が導入しているF35A戦闘機は、第5世代戦闘機であるF35ライトニングIIの中ではローエンド版であり、陸地の空港での離着陸タイプだ。 一方で、日本は今後米海兵隊向けに開発されたF35B戦闘機を購入して、ひゅうが型あるいはいずも型ヘリコプター搭載護衛艦上に配備しようとしているとの情報も出ている」と紹介した。 …(略)… F-35Aがローエンド版というのは事実誤認。 航空自衛隊仕様が低性能版ということはあるかも知れないが、F-35Bは航続距離、武器等裁量が低く、米国のご機嫌取り以外は採用理由がない機種。 最先端のステルス・ジェット戦闘機は支援設備、機材が必要であり、短距離で離発着できても、本来の能力が発揮できるとは限らない。 航空母艦にのせても、日本近海で防衛出動させる限り陸上基地よりメリットがあるとは思えない。 日米関係は安全保障の観点から重要だが、アメリカファーストのトランプ大統領と親密でも、日米関係の積み重ねにはならないと思う。 「ポンコツ戦闘機」F35 こんなに買っちゃって本当に大丈夫? やっぱり日本はアメリカの金ヅルか 半田 滋 2017年11月11日 現代ジャーナル
2018年04月02日
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2018年3月24日、改装のため長い間休館していた、かかみがはら航空宇宙博物館が新装開館。 最大の目玉は日本で唯一現存する「三式戦闘機『飛燕』」。 全国巡回展示の後、鹿児島の知覧特攻平和会館で展示されていた本物の機体。 製造していた川崎重工業が有志を募り、極力原型に忠実にレストアした。 知覧では迷彩柄の塗装だったが、本来のジュラルミン地肌に戻された。 「零戦」試作初号機の実物大模型もある。 これが国内最大級の「空宙博」 --全43機で知る航空・宇宙の魅惑の博物館 2018年3月23日 マイナビニュース 岐阜県に国内最大級&日本唯一の航空と宇宙の本格専門博物館「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」、愛称「空宙博」(そらはく)が3月24日、誕生する。 展示面積9,400平方メートルは国内最大級。実機34機+実物大模型9機の計43機の展示機体数も日本最多。 ここでしか見られない貴重な展示物が目白押しだ。○飛行場開設から100年以上の歴史を持つ各務原 前身は平成8(1996)年に開館した「かかみがはら航空宇宙科学博物館」。 従来は各務原市立だったが岐阜県も参画することで、大々的なリニューアルが実現。 展示場の規模は実に1.7倍にスケールアップしている。 …(略)… 飛燕の主翼と機体が分解された姿やエンジン単体は休館中に特別展があった。 三式戦闘機・飛燕は第二次世界大戦時に大日本帝国陸軍の量産型液冷戦闘機。 開発・製造は川崎航空機で設計主務者は土井武夫、副主任は大和田信。 ドイツの液冷航空エンジンダイムラー・ベンツDB601を国産化した川崎航空機製・ハ40を搭載した。 日本において航空液冷エンジンの経験は豊富な川崎であったが、基礎機械製作技術、金属、ゴム、潤滑油などの素材製造加工技術、電装品などの周辺機器の製造技術、整備技術、ともに不足していた当時の日本にとって、DB601エンジンは明らかに荷が重過ぎた。 館内にUF-XS、屋外にUS-1Aがあるので、97式飛行艇や2式飛行艇(航空自衛隊鹿屋基地で展示)があるとよいのだがと思う。 空宙博 岐阜かかみがはら 航空宇宙博物館 公式サイト 過去にもやっているので止めたのだろうが、杮落としの企画展は是非「土井武夫」で決めて欲しかった。 特別企画展「月への挑戦 アポロ・ルナ展」(3月24日から3月31日) 内容 米国のアポロ計画で採取した「月の石」種類と、旧 ソ連のルナ計画で採取した「月の砂」を展示します。 人類の月への挑戦の歴史やそれぞれの計画を紹介し ます。
2018年04月01日
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日本は憲法9条の制約から防衛的な兵器である航空母艦は持てないとされる。 「いずも」にF-35Bを搭載すれば高空母艦ができるという話がある。 だが、もともと不要なのだ。 どうやって使うか、維持するかが本当の問題。 日本に空母は非現実的? F-35B導入し「いずも」型空母化検討 それが不要な理由とは 関 賢太郎(航空軍事評論家) 2018.01.13 乗りものニュース …(略)… 空母とは搭載航空機に戦力のほとんどすべてを依存した、たんなる「航空機のいれもの」にすぎません。 そして離島防衛ならばはるかに大きな「いれもの」である陸上の飛行場が使えますし、尖閣諸島程度ならば那覇基地(沖縄県)はもちろんのこと、空中給油機を使うことで九州の基地からF-35Aを発進させても十分に届きます。 つまり、あえて性能に劣り高価なF-35Bを「いずも型」にわずか10機前後搭載するくらいならば、同じ予算でF-35Aまたは空中給油機を増やした方が、はるかに戦力の向上を見込むことができます。 …(略)… 現代は軍事力=経済力であり、限られた資源(お金)をどう配分するかが国防の要。 「いずも」型は航続距離が短く、速度も遅いヘリ搭載してこそ有効な兵器となる。 隊員の福利厚生の向上もままならい自衛隊が、航空母艦を持つなどという贅沢は決して許されることではない。 儲かるのは(もしかしたら)高額の兵器の採用でリベートをもらえる政治家や幹部自衛官だけ。 巨大な標的になったとしても。国民や国土の守りにはならない。 日本、F35B導入検討…航空母艦戦力も備えるか 2017-12-26 HANKYOREH. 護衛艦「いずも」などにスキージャンプ台設置し “軽空母”に改造すれば 攻撃型空母の保有を許容しない「専守防衛」違反論議起こるか 軍事産業で国が成り立っている米国のマネは、小国の日本がしてはならないこと。 軍時力の整備は科学だけでなく幅広い意味で「政治」なので、残念ながら、非論理的なことが起こらない保証はない。 「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
2018年02月01日
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「一つ釜の飯を食べる」なら人は仲間になることもある。 だが、米軍のMREを食べると仲間意識を損なうのかも知れない。 世界のミリ飯で美味いと定評があるのはフランス軍。 自衛隊はそれに次ぐ高評価とされているが、事実を確かめる術はない。 米軍ミリメシのお味はいかが? 自衛隊員が初体験→悶絶 2017年12月19日 おたくま経済新聞 自衛隊とアメリカ軍が統合作戦において、各部隊がそれぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における指揮活動を訓練する恒例の日米共同指揮所演習「ヤマサクラ」。 演習の一環で、互いを知るために様々な交流も行われるのですが、その中で自衛隊員がアメリカのミリメシ(レーション)を試食する様子をアメリカ国防総省がTwitterで公開しました。 さて、お味はいかが? …(略)… 今回動画で紹介された、試食をした自衛隊員は、陸上自衛隊東北方面隊に所属する、演習で通訳を担当した3名の自衛官(女性1名・男性2名)。 それぞれ違うメニュー(メニュー16・18・20)を試食しました。 まず、パッケージが固くてなかなか開けられないところから始まります。 戦場で不用意に破れたりしないよう、丈夫なビニールパックになってるんですね。 それぞれ粉末の飲料を含む7種類の食品が入っています。 女性自衛官の方に入っていた「炭水化物強化粉末飲料(Carbohydrate Fortified Beverage Powder)」は、ショッキングピンクの粉末。さすがに「……なんかケミカルな色ですね(汗)」と戸惑っています。 味も……イケてないようですね。 男性自衛官が食べた、メインメニューの「ハッシュブラウンポテト」も、どうやら口に合わなかったようです。 しかしすごい表情……悶絶しちゃってます。 中には割とおいしいものもあったようです。女性自衛官はゼリー(ジャム)、男性自衛官はミートスナック。 ……どちらも一種の「おやつ」的な食品ですね。 …(略)… パッケージは輸送機からの空中落下の衝撃に耐えられなければならないので、けっして開け易くはない。 米国の食品の色は、通常スーパーマーケットで売っているデコレーションケーキでも普通の日本人には恐るべき色をしている。 ジュースの色ごときでうろたえてはいけないのだが…。 「ハッシュブラウンポテト」はどんな味だったのだろうか? 日本人は米の飯とおかずの組合せを前提としており、一般に甘い主食、主菜は「ごはん」にならないとされる。 即ち、これらをもってMREが不味いとはいえない。 日本人の口に合わなそうだということが分かるだけ。 米軍のMREはまずいミリ飯の代表として有名だが、そうでもないようだ。 突撃!隣りの“軍”の晩ご飯!! 「戦闘糧食晩餐会」で世界中のレーションを食べ比べ! (前編) 2007年11月03日 ASCII.jp
2018年01月12日
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馬鹿げた「インパール作戦」を典型とし、帝国陸海軍は兵站を軽視していた。 「輜重輸卒が兵隊ならば 蝶々トンボも鳥のうち 焼いた魚が泳ぎだし 絵に描くダルマにゃ手足出て 電信柱に花が咲く」 このような詩が公然と残されるほど、兵站に携わるものは蔑まれていた。 兵器などの正面装備重視の伝統は、自衛隊にも受け継がれている。 防衛省・自衛隊の装備調達人員は、少なすぎる 過去最大の防衛予算は工夫次第で圧縮可能だ 清谷 信一 : 軍事ジャーナリスト 2017年09月03日 東洋経済 8月31日、防衛省は来年度予算の概算要求で、過去最大となる5兆2551億円の計上を決定した。 昨今は概算要求から漏れた装備を当年度の補正予算で購入することが慣例化しており、昨年度の補正予算は約2000億円であった。 本年度補正予算を含めると来年度の実質的な防衛予算は5兆5000億円近くなる可能性がある。 では、膨らみ続ける防衛予算は適正に使われているのだろうか。 課題は多い。 たとえば自衛隊では米軍と同じ機関銃(ベルギーのFN社のMINIMIをライセンス生産したもの)を採用している。 これは型式が古いうえに、品質的にもオリジナルより劣っているのだが、米軍の10倍の単価約400万円を支払って調達している。 防衛予算を増やす前に不要な支出を抑える努力をすべきだろう。 …(略)… 調達計画のコスト意識が低い 本連載で繰り返し記していることだが、防衛省・自衛隊の装備が高額になっている要因を突き詰めると、調達計画のコスト意識が低いことにある。 諸外国ではどのような装備をいつまでに、いくつ調達を完了し戦力化し、その予算はいくらになるという計画を立てる。 議会の承認も必要だ。 だが防衛省・自衛隊の調達ではほとんどそれがない。 装備にしてもどれだけの数をいつまでに調達・戦力化し、総予算はいくらになるかを明記した計画がなく、国会議員もそれを知らない。 各幕僚監部内部では見積もりを出してはいるが内輪での話であり、議会が承認しているわけではない。 国会はその装備がいつまでに、いくつ必要で、総額がいくらかかるかも知らずに、開発や生産に許可を与えているのだ。 このため調達自体が目的化して、いたずらに長期化する。 …(略)… 正面装備重視の上、やたらに国産化(ライセンス生産含む)するため、調達価格が高くなる。 おかげで大して高くもない給料の兵卒が、日常的に使用する消耗品を自分で調達するようなことが起こる。 PCの台数が足りず、個人をPCを使用しておりイージスシステムの情報が情報共有ソフトで流出する事故もあった。 かつて極端に予算が乏しく、空包さえ使えなかったこともあった自衛隊では、空薬莢といえど無駄にはできず、飛び散る薬莢を回収していた。 防衛予算が世界で五指に入るほどとなった現在も、薬莢の回収について自衛隊は殊のほか神経質。 演習や実包射撃訓練となれば、薬莢入れを取り付けた89式や、魚取りの網を構えた薬莢回収役の隊員の姿などを見ることが出来る。 歴戦のイスラエル軍が薬莢拾いなどしない。 人間の無駄遣いだからだ。 だから予算の中で圧縮し捻出するということをしない。 全弾一斉発射すれば数分持たなくても、国産化して継戦能力を高めたつもりになっている。 合理的な選択として、米国の特殊作戦軍がトヨタのランドクルーザーとハイラックスを導入する時代だ。 米軍が日本で調達するのに不自由しないよう、国産化で防衛産業を維持しているのだろうか? 科学の国日本は、はかり知れないほど非科学的な軍隊の運用をしている。
2018年01月11日
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いつの時代も「FX」として次期主力戦闘機、候補ばかりが話題になるが、日本の「空」を守っているのは現用機。 F-35はF-4ファントム2の後継機。 日本の「空」の守りの要は、数(201機)の上でもF-15J。 金満国家だったサウジアラビアでさえ、F-15は98機しかもっていない。 格闘戦闘能力を含め運動能力は一戦級のF-15Jの近代化改修も困難な弱点は何か。 ズバリ、頭脳(電脳)が8bit CPU であると。 空自F-15J、約半数はファミコン並み? 同じF-15でも性能に大きく差がつくワケ 関 賢太郎(航空軍事評論家) 2017.12.17 乗りものニュース …(略)…数が多いぶん深刻なF-15Jの改修問題 2017年現在、航空自衛隊が201機保有する主力戦闘機、F-15J「イーグル」の性能陳腐化が深刻な問題となりつつあります。 自衛隊パイロットですら「近代化改修を行っていないF-15で現代戦を戦うことは非常に厳しい」といった声を漏らしています。 …(略)… F-15Jには大まかに分けて性能向上を果たした「F-15MJ」と、従来型の「F-15SJ」の2タイプがあり、それぞれおよそ100機ずつを占めます。 このうちF-15MJは別の戦闘機として生まれ変わったと表現しても過言ではないほど大幅な性能向上を果たしていますが、「F-15SJ」については1970年代当時の能力からほとんど変わっていません。 飛行性能自体はF-15SJとF-15MJに差はありません。 問題は搭載電子機器にあります。 特にF-15SJの頭脳となる「セントラルコンピューター」は8ビットCPUでありメモリーもキロバイト単位しかなく、性能的には1983(昭和58)年に任天堂から発売された家庭用ゲーム機「ファミコン」こと「ファミリーコンピュータ」とほぼ同等、そのうえプログラムのロード用に5インチフロッピーディスクドライブまでも搭載しており、もはや「化石」と言っても過言ではなく、これ以上の拡張は望めない状態にあります。 問題は通信線にアリ? 飛行機のセントラルコンピューターは信頼性が最優先されるため、「化石」のようなものが搭載されている例はよくあることなので、それ自体は珍しくありません。 また戦闘機の性能向上においてセントラルコンピューターの載せ替えは定石であり、F-15MJも近代化改修にあたって新しいセントラルコンピューターに載せ替えられています。 もちろんF-15SJもセントラルコンピューターを載せ替えすることでさらなる性能向上を実現できるわけですが、ところがF-15SJの機内に張り巡らされた通信線が現代軍用機の標準となっている「MIL-STD(ミルスタンダード)-1553B」とよばれる規格に準じておらず、初期のF-15特有の「H-009」とよばれる規格に準じているため、現代水準の性能に引き上げることが非常に困難となっているのです。 …(略)… 頭脳(電脳)なら交換すれば…と思ったら、神経(通信線)の入替が必要だという。 通信線の交換には分解修理が必要なのだろう。 2017年1月25日、サウジアラビアの戦闘機のパイロットなどを養成する「ファイサル国王エアアカデミー」の創立50周年を記念するイベントが行われ、最新鋭の「F-15SA」戦闘機が披露された。 サウジアラビアは、この F-15SA を84機導入する予定 対地攻撃に重点がおかれたF-15SAは、最新型のF-15のバリエーション。 改良されたパフォーマンスと 寿命の延長をより低いコストで提供する。 具体的にはAPG-63V3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー、グラスコックピット、JHMCS(共用ヘルメット搭載キューシステム)、デジタル電子戦装備・共通ミサイル警報システム、赤外線探知追跡装備を搭載。武装ではAIM-120C7 AMRAAM(高性能中距離空対空ミサイル)、AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイル、AGM-84 SLAM-ER、AGM-88 HARM(高速対放射線ミサイル)、GBU-39 SDB(小口径爆弾)を合計11箇所の外部ハードポイントに搭載できる。 日本は、コストが高いから「改修はなし」ではなく、日米安保を前提として、近代化改修による寿命の延長は検討の余地「あり」。 F-35は明らかに追尾能力などのスペックが高いが、正常に作動するのか、維持費がどれぐらいかかるのかは不明。 現状は日米安保維持のために新機の種購入が必要という図式。 国民の血税が犠牲となり、財政赤字の拡大へとつながる。
2018年01月10日
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陸上自衛隊の87式自走高射機関砲には、正式な愛称が「スカイシューター」。 非公式な愛称が「ガンタンク」という。 第二次世界大戦終盤、航空優勢を失ったドイツ軍はいろいろな対空戦車を生み出した。 第二次世界大戦後、対空砲を備える対空戦車、自走式対空砲をもつ国いったん増えた。 今は衰退傾向。 陸自「ガンタンク」の強さとは? 攻撃ヘリ、ひとたまりもなく 87式自走高射機関砲 2017/9/28 乗りものニュース …(略)… 陸自の「ガンタンク」は、35mm二連装高射機関砲を74式戦車の車体に搭載した、局地防空用の自走型近距離対空火器。捜索・追随レーダーと射撃統制装置が連動し、ミサイルに比べ射程は短いものの、砲弾の初速や命中率が高いという特徴があります。 また機関砲は炸裂弾で、当たったら爆発するため、装甲のある攻撃ヘリでも、命中すればひとたまりもありません。 「地対空ミサイルのような誘導はありませんが、機関砲はいちど発射されたら妨害不可能という利点があります。 隠されていた『ガンタンク』に撃たれたら一巻の終わりです」 (航空軍事評論家 関 賢太郎さん) この「ガンタンク」がいるだけで、敵航空機は接近困難といいます。しかし高価なため、52両しか生産されませんでした。 …(略)… 電波により照準が狂わされることがない対空砲はヘリを打ち落とすのに極めて有効なことは分かっている。 だが値段が高過ぎる。 価格は15億円超。 15億円がどれほど高価かというと、ベースとなった74式戦車で4億円。 90式戦車の8億円(2009年調達価格)。 10式戦車は9.5億円(2010年)。 調達価格が高い国産主力戦車との比較でも87式高射自走機関砲はずば抜けて高い。 米軍の主力戦車M1A1エイブラムスは4.5億円。 3台買ってお釣りがくる。 最近ヘリコプターなどの対地ミサイルの射程が向上し、自走対空砲はアウトレンジ攻撃される可能性もある。 自走対空砲は地対空ミサイルに切り替えられつつある。 87式がモデルにしたと思われる、377両を有したドイツのゲパルト自走対空砲部隊は2010年に解隊された。
2017年12月18日
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2017年10月17日午後6時ごろ、浜松基地から南約30キロの沖合でUH-60Jの機影がレーダから消えた(ロスト)。 要救助者を捜す夜間の捜索訓練のため海上を飛行していた。 空自は同日夜、現場付近の海面で捜索を行なった。 「航空自衛隊」と書かれた機体のドアや燃料タンク、タイヤなどを相次いで発見。 小野寺五典防衛相は「墜落したものと考えられる」と語った。 【墜落か】 浜松市沖で4人乗り空自ヘリUH-60が消息不明に 海上で部品らしき物が見つかったとの情報も 2017年10月17日 まとめまとめ UH-60J 出典:Wikipedia UH-60Jは、アメリカ合衆国のシコルスキー・エアクラフトが開発したUH-60 ブラックホークを日本が救難目的に独自改良した救難ヘリコプター。 三菱重工業がライセンス生産を行っている。 隊員からはロクマルという通称で呼ばれている。 UH60はオスプレイより事故が多い。 話題のオスプレイより危ないのか オスプレイより事故が多いヘリ一覧 辺野古反対に同調できない理由 中国から見た日本 2015-06-04 きんぱこ 記事で紹介されている2015年の時点でオスプレイよりも事故が多いヘリは下記の通り。 UH-1(ヒューイ) UH-60 ブラックホーク UH-60ブラックホークは汎用ヘリで機数も多く年間総飛行時間が数十万時間になるので、毎年のように事故で数機失われている、と記事にある。 SH-60 シーホーク HH-53Hスーパージョリー HH-60 ペイブ・ホーク CH-47 チヌーク CH-53 シースタリオン MH-53Eシードラゴン CH-53Eスーパースタリオン(および派生の海軍型MH-53Eシードラゴン)は、2012年に2件、2014年にも2件の墜落事故を起こした。 2015年2月に問題点検する指示(AFB-346)を海軍航空システム軍団が発令。 電気系統を中心に点検作業が今も続いている中、4月15日にCH-53Eがカリフォルニア州の海水浴場に燃料系統の不調で緊急着陸した。 ヘリはよく堕ちるとなれば、沖縄県知事はすべて飛行を差し止めるべき、とでもいうのだろう。 10月11日、沖縄で緊急着陸して炎上したCH-53のある場所から放射能が検出されたという。 2004年沖縄国際大学に墜落したときもそうだった。 放射能の方ももっと気にして欲しいと思う。
2017年12月16日
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火星(ICBM) 北朝鮮は11月30日、前日に発射試験に成功した新型ICBM「火星15号」の写真を公開した。 火星15号は重いため、発射台は9軸18輪の100%国産と称する大型の移動式発射機。 火星14号用の移動式発射機(8軸16輪)より大型化している。 金正恩はICBMの名称を変えて欲しいなぁ。 火星(航空機用エンジン) 火星 (エンジン)は、第二次世界大戦期に三菱重工業が開発・製造した航空機用空冷複列星型エンジン。 本来大型機用として開発した金星エンジンが、出力不足で大型機には能力不足であるということが判明。 金星をベースにしてさらに大排気量の複列星型14気筒エンジンを開発することになり火星が生まれた。 1938年(昭和13年)2月、開発に着手。 1938年9月、初号機の完成。 1939年、各種の試験を経て、海軍に3基、陸軍に4基納入。 海軍での試作名称は十三試へ号、陸軍ではハ101。 火星は海軍での量産型の名称。 大戦後期の陸海軍統合名称はハ32。 1940年(昭和15年)火星一一型量産開始、 この年、海軍に140基、陸軍に137基納入。 出力軸の減速装置を変更した火星一二型に移行。 1941年、水メタノール噴射装置を採用し高回転化、高ブースト化した性能向上型が火星二◯型。 火星一◯型/ハ101の生産時期は、1938年(昭和13年) - 1944年(昭和19年)、総生産基数は計7,332基。 火星二◯型/ハ111の生産時期は、1941年(昭和16年) - 1945年(昭和20年)、総生産基数は計8,569基。 【主な搭載機】 九七式重爆撃機、一式陸上攻撃機、二式飛行艇 天山 (艦上攻撃機)、雷電 (局地戦闘機) 強風 (水上戦闘機) 【水上戦闘機・強風のプロペラ】 強風の生産数は97機。 原型機は、螺旋状のプロペラ後流による機体の偏向性解消のため、2重反転プロペラ(2翅×2)を採用した。 これにより離着水が容易となり、操縦性・方向安定性も良好でテストパイロットからの評判も非常によかった。 だが、プロペラ減速機の複雑さからくる整備性の悪さと油漏れを解消する事が出来ず、量産型では通常の3翅プロペラに切り替えられた。 離昇出力1460馬力の「火星」エンジンの左偏向は強烈で、それを打ち消すために相当な強さでフットバーを操らねばならず、離着水も困難であったされる。
2017年12月10日
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軍隊は有事には命令により身を危険に曝すことも厭わず、職務に精励する。 旧日本軍も当時は贅沢だった銀シャリ(白米だけのご飯)が腹いっぱい食えるという点で、一般下層よりも待遇をよくしていた。 最低でも人並み、できれば人並み以上の待遇をもって有事、災害支援に全力を尽くせるように配慮すべき。 自衛隊は国民のための軍隊(公僕)なのだから、それぐらいしての罰は当たらない。 自衛隊員は、天皇陛下や国家の下僕ではないはずだ。 「自衛隊は衣食住がタダだからお金が貯まる」 はウソだった!? 2017年10月28日 日刊SPA! …(略)… 自衛隊の給料(俸給)の仕組みがどんなふうにできたのかがわかる国会質問記録(昭和45年~48年のもの)が残っています。 昭和45年064国会の記録では、公安(二)職(検察庁,公安調査庁,少年院,海上保安庁等に勤務する職員)の俸給に超過勤務手当相当額21.5時間分を先に加算して、地域手当を入れ、そこから食費と医療費と営舎経費を削って作られたのが自衛官の給料の元となる俸給表であると回答されています。 要約すると自衛官の俸給は「(加算分)公安(二)職の俸給に超過勤務相当額を加算、地域手当を加算」「(減額分)食費、医療費、営舎経費を給料から減額」という前提で作られているので、自衛官の食費や医療費等はタダではないことになります。 つまり、予め天引きされているということです。 他の国家公務員の公安職などと比べて自衛官の給料が安いのは、給料の素案を考えた段階で、すでに食費、住居と営内経費(電気代や消耗品)及び医療費は減額された形で俸給に反映されているからです。 「トイレットペーパー代も隊員持ちなのだが、それは営内経費を取られているのだから国で負担してやれないのか」という当時の質問が記録に残っています。 40年以上前に提起されていたこんなにも些細な問題が、平成になってもなお是正されていないのが現実です。 …(略)… 演習で必須のマガジンポーチなども隊員が自弁。 職務で必要な制服の名札、名刺なども自弁。 リベートの発生しそうな正面装備ばかり厚くして、隊員への処遇は公的団体としてみて明らかに理不尽をしいている。 隊員の募集費にばかり金をかけるのではなく、今いる隊員の処遇改善とバランスをとらないと、定数は満たせない。 若者は急速に減っていくのだから。 自動化、ロボット化がすすめば、技術者や熟練技能者がますます重要になる。 完全自動の、AIロボットの軍隊はまだまだ先のこと。 AI参謀、作戦参謀は早期に実現できそうだが。 人材は大事にすべき。
2017年12月05日
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ロッキード・マーチンは、戦闘機製造拠点であるフォートワース工場(テキサス州)のF-16「ファイティングファルコン」戦闘機の生産ラインを、閉鎖することに決定。 グリーンビル工場(サウスカロライナ州)に工場を新設するという。 生産終盤にあるF-16の生産ラインを新設する意図は何か。 F-16、いつまで生産? 工場変更、コストに見合わない引っ越しのワケ 関 賢太郎 2017.09.18 乗りものニュース …(略)…19機では割が合わない? 工場を移したワケ 前記の通りF-16の総生産数は4500機を上回り、その絶大な量産効果によって機体自体はかなり安価に製造できることが大きな特徴となっています。 しかしながら生産冶具をグリーンビル工場に移し、新たに生産ラインを立ち上げるには追加投資が必要となり、これを回収するには19機の生産では明らかに割が合いません。 ではロッキード・マーチンはなぜ、フォートワース工場のF-16製造ラインを閉鎖したのでしょうか。最大の理由はF-35の生産にあります。 現在F-35は、低率初期生産ながらすでに200機以上をフォートワース工場において製造しており、300機超えも目前の状況です。 また今後2018年からはいよいよF-35の全規模量産が始まり、ピーク時には実に年産約200機、すなわち平日はほぼ1日1機が工場から出荷される予定です。 現在のところF-16とF-35は同じ工場の内部で製造されていますが、F-16のラインは片隅に追いやられているのが実情であり、ロッキード・マーチンとしてはF-16を細々と生産し続けて、F-35の生産を阻害しかねない事態だけは許容できなかったと見られます。 …(略)… F-35の増産というのは分かりやすい。 配備が遅れており、できるだけ早く、多く作りたいだろう。 ただ一つ気になることがある。 F-35A(空軍型)のパンチ力不足だ。 機関砲やAIM-9X「サイドワインダー」短射程空対空ミサイルを装備する機能を持たない。 つまり、目視距離内で航空機同士が交戦するのに必要な兵装がない。 F-4ファントム2は当初機関砲を装備しなかった。 ミサイルがあれば機関砲はいらないとの考えだったが、ベトナムに実戦配備されてその考えを改めた。 ミサイルの精度が悪かったこともあるが、近接する空戦には機関砲が有効との判断からだ。 以来、F-14、F-15、F-16、F-18のいずれも、重くかさばるが機関砲を装備し続け、実戦を経ても下ろすことはなかった。 F-35は金持ち国は持てるが、財政規模の小さい国はもてない。 ステルス性は低いが、機関砲のような近接戦で有効な装備をもつ比較的安い単発戦闘機のニーズは、世界中にあると思われる。 ロッキード・マーチンは、練習機の生産とともに、安い戦闘機の生産ラインを設けたのではないだろうか。
2017年10月19日
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2017年3月10日、中国国営中央テレビ(CCTV)は9日、中国空軍が次世代ステルス戦闘機「殲(J)20」を実戦配備したと伝えた。 J-20は中国が米軍の戦闘機F22を意識して開発した国産戦闘機。 中国国産輸送機「運20(Y20)」、大型爆撃機「轟6(H6)」とともに空軍に配備された。 J-20は長距離弾頭、避雷レーダーなどを装備し、中国軍の装備の現代化、西部への展開を象徴する。 中国は西側諸国をモデルにして、現在世界で最も急ピッチで軍拡を進めている。 日本は「F-35」戦闘機を100機導入しても 中国の「J-20」には対抗できない =中国メディア 2016-02-25 サーチナ …(略)… 日本の防衛省はF-35を42機導入する予定で、うち38機を三菱重工業が組み立てると説明。 価格は1機あたり140-181億円で、記事は、日本が将来、F-35を計100機導入する可能性があると主張した。 自国の「J-20(殲-20)」戦闘機については、6機の組み立てを急いでいると紹介。 米国の「F-22」戦闘機との違いは「F-22ステルス戦闘機は米国軍の主力戦闘機として、史上最も数が少ない。 たった189機。 これは米国国内の経済問題などの影響だ。 しかし中国のJ-20の数はF-22の何倍も多くなる」と主張した。 中国の空軍・海軍が保有するJ-20は、ピーク時には800-1000機、年産量は50機程度になるという。 記事は、「日本を含む一部の国は長期にわたって中国の軍事力を直視せず、見下してきた」と主張。 しかし、中国のJ-20の生産量は「彼らにとって回避できない事実を突きつけるものであり、それだからこそ、F-35の生産速度を上げることになった」と論じた。 同記事は最後の部分で日本について「F-35戦闘機を100機保有しても、500機ものJ-20戦闘機に対抗できることは不可能!」と断言した。
2017年10月17日
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弾道ミサイルの花火のように連発する北朝鮮に対し、日米韓は「力」をみせる。 いつまでも呪いの言葉を発しているだけでは解決しないことを日本国政府・安倍首相も理解したことだろう。 【北ミサイル】 米B1爆撃機、韓国軍F15と合同訓練 月末から来月に日米韓で演習・訓練 2017年9月18日 産経ニュース 韓国国防省によると、米空軍は18日、B1戦略爆撃機2機とF35最新鋭ステルス戦闘機4機を韓国に派遣し、韓国空軍のF15戦闘機と合同訓練を行った。 国防省は、来月にかけ朝鮮半島周辺に米軍の戦略兵器を展開し、日本も加えた合同演習・訓練を行うことも明らかにした。 日米韓による北朝鮮のミサイルを海上で探知・追跡する訓練が計画されているほか、米軍の原子力空母が参加しての合同演習も行う。 また、国防省は18日、国会国防委員会で北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の能力確保が最終段階に近づいているとの見方を明らかにした。 北朝鮮が核実験をした北東部の豊渓里(ブンゲリ)については、「常に核実験が可能な状態を維持し、新たな弾道ミサイル発射や7回目の核実験の可能性はある」と報告した。 …(略)… 爆撃機はB-2ではなくB-1Bで、戦闘機はF-22ではなくF-35A。 「力」をみせるだけなら最高性能の方がよいのではと思う。 爆撃機は、ステルスはレーダーに映りにくいだけなので、B2は必要ない。 メインテナンスの格納庫、器材が必要で大仕事と推察する。 B-1Bもステルス性はB-52よりはるかに高いし、速度性能(超音速)はおおいに活かせる。 気になるのは戦闘機だ。 F-35 ライトニング 2は、単発単座の多用途性を備えたステルス戦闘機。 統合打撃戦闘機(英: Joint Strike Fighte)、略称JSF。 エンジンは、F-22向けのプラット&ホイットニー F119の派生形に F135を1基搭載。 推力はドライ出力でも125kN、アフターバーナー使用時には191kN。 F-22 ラプターは、隠密性が極めて高いステルス戦闘機で、複数の用途での運用が可能なマルチロール機。 主力制空戦闘機。 価格が高過ぎるため、調達機数が451機に削減された。 エンジンはプラット&ホイットニーF119-PW-100を2基搭載。 アフターバーナー使用時の最大推力は35,000lb(155.7kN)。 不使用時のミリタリー最大推力は未公開。 F-22 も維持運営コストがかかり過ぎてハレの舞台に立たせたくないのだろうか? F-35の調達機数は1700機以上。 コストの高騰、打撃力不足から削減されるかもしれない。 米空軍F-35Aの調達数を削減へ 2016年02月23日 ZAPZAP ! 軍事力は経済力であり、機数を増やせないB-2、F-22、F-35は戦略面で失敗作なのかもしれない。 B-2 は市場最も高価な航空機としてギネスにも登録されており、1機20億米ドル以上。 132機配備を計画していたが21機(試作機含む)に削減された。 既に事故で1機失われており現在は20機。 維持管理も高くつき、ステルス性維持のため、当初は、湿度・気温などを完全にコントロールできるホワイトマン空軍基地の専用ハンガーにのみ駐留していた。 同じくステルス性確保のため、7年に一度コーティングを再塗装する必要もある。 まさに「虎の子」で実戦機であり、出番は限られている。
2017年10月17日
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負けた者を批判するのは容易い。 だが英霊を敬うだけでなく、明らかに愚かな選択は批判し、教訓としなければならない。 大和魂で正面装備で敵を撃破すれば、防御も、補給も必要ないとするのは陸軍も海軍も同じだった。 得意技に集中して世界を席巻するという観点ででは、シャープも東芝も同じ選択肢をとっている。 相手が自分の得意な土俵で闘うに決まっている、と勘違いの上に推論を重ねる。 大東亜戦争は運が悪いのではなく、負けるべくして負けたのであり、前線で亡くなった兵士を敬っても、幕僚、参謀類、ときに将校も批判するべきだし、牟田口中将のような輩は非難されてしかるべきだ。 【第2回】 2017年8月18日 戸高一成 技術よりも先見性で遅れを取った日本海軍 ダイヤモンド社書籍オンライン …(略)…レーダーの重要性に気づかず、遅れを取った日本海軍 日本海軍は、当初電波探信儀(レーダー)の開発に関心が薄く、アメリカに大きく遅れをとったのが実情であった。 昭和10年頃にアメリカから、電波で距離測定ができる機械の売り込みがあったということであるが、海軍としてはその重要性に気がつかず、夜戦を身上としている日本海軍が、自分から電波を出して敵までの距離を測るなど、わざわざ自分の居場所を敵に教えるようなものではないかと言ってこの売り込みを無視したのである。 しかし、その後英国などで電波によるドイツ機の警戒装置が実用化しているというような情報があり、関係者の努力で、昭和17年には試作機で実用実験が行われ、昭和18年には実用化された。 …(略)… アメリカ海軍では、早くからレーダーを射撃に使うことを始めていた。 日本の海軍もレーダーで測距することを研究したが、戦時中実用化には至らなかった。 だが、射撃レーダーの実験では、2万メートルで誤差100メートル、左右誤差1度程度であり、戦訓などから、アメリカ海軍の射撃用レーダーも同じ程度の性能と判断していた。 …(略)… 日本の八木博士が発明したレーダーは攻撃的兵器ではないので、開発の優先度が低かった。 大日本帝国海軍が得意としていた夜戦も、米軍のレーダー射撃の前になす術がなかった。 同じようにソナーも1930年代から、日本では発達しなかった。 輸送船はおろか、爆雷を積んだ、駆逐艦でさえ潜水艦の雷撃によって沈められた。 大きな潜水艦を作ってイイ気になっていたが、「音」の配慮は前時代的なものだった。 人間は訓練で静かにすることができるが、スクリューのキャピテーションノイズや原動機など機械装置の音はそのままだった。 航空機や戦車に搭載した無線機も最後までものにならなかった。 技術の敗戦を教訓として復興を遂げた日本経済は、勝ち戦に慣れてないため、先見性のなさから技術敗戦を続けている。
2017年08月28日
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戦闘機の優劣は昔のものも、今のものも、話のタネになる。 圧倒的、絶対的な優位の確立など、滅多にあることではないからだ。 国の財政力の問題から安い航空機を買うのはよいが、闘う前に墜落してしまっては意味がない。 韓国製 インドネシア T-50系 戦闘機 墜落が続く! You Tube 航空機は様々な構成部品のバランスと制御で正常に飛行できているのであり、一部のバランスが崩れるだけで、事故に繋がることが多い。 軍用機といえども、航空機で「安かかろう、悪かろう」は許されない。 安全第一。 今年の2月に発表されたばかりのMiG-35 を中国の新浪網は馬鹿にしているようだが、中国製エンジンの飛行機に乗ることはとても勇気がいることだ。 技術的な蓄積のあるロシアでも、欧米並みのジェットエンジンが作れないのに、中国製ジェットエンジンが優秀だと考えることはできない。 一般公開は2017年7月21日。 戦闘機「MiG-35」は売れない! ・・・「J-11」が販売戦で圧勝 =中国メディア 2015年6月25日 サーチナ 中国メディアの新浪網は23日「ロシアの『MiG-35』は戦闘機市場で中国にもっていかれる。 『J-10(原文ママ。正しくはJ-11)』と比較して高すぎて買う者なし」と題する記事を掲載した。 ソ連崩壊後、ロシアの航空会社は統一航空機製造社に統合された。 スホーイやミグ(ミコヤーンとグレーヴィチ)はいずれも、同社の傘下企業だ。 新浪網の記事は、まず「『Su-27』シリーズが国内外市場で華々しく地位を築いたのに比べミグの動きは冷戦後、よいところなし」と指摘。 ミグの最近の話題としては、2007年に初飛行させた「Mig-35」に言及。 インドはいったんは同機を126機購入するとしたが、11年には取り消し、欧州製戦闘機の購入を宣言したと紹介し、「MiG-35は惨敗した」とつけ加えた。 記事は、インドがMiG-35の導入を見送った理由として、同機のエンジンである「RD-33MK」が、1972年開発の「RD-33」であり、古い系統に属することと、同機のレーダーシステムに満足しなかったことを挙げた。 記事はさらに、ミグ社は毎年巨額の赤字を出し、政府の財務支援が常態化していると紹介。 Mig-35についても、量産を行っていないことで価格引き下げができず、中国「J-11」よりも1000万ドル(約12億3800万円)も高価と指摘した。 …(略)… 兵器の優劣は実戦で使用した後の利用者の感想でしか分からない。 欧米機に対するMiG-35の価格の優位性は分かる。 それとて中国製よりは高価とのことだが、安いだけの兵器は価値がない。 何しろ「人の命」がかかっているのだ。 新ミグ35にはどんな長所と短所 ニコライ・リトフキン 2017年1月30日、ロシアNOW ロシアの最新鋭戦闘機、第4++世代「ミグ35」の飛行試験が始まった。 2018年にはロシア空軍への納入が始まる見込み。 空中戦になれば、アメリカのステルス戦闘機「F-35ライトニングII」の競合になると、軍事専門家。 …(略)…ヨーロッパ機、アメリカ機との比較 ミグ35の価格は10億ルーブル(約19億円)ほど。 ロシアNOWが取材した専門家によれば、外国の戦闘機と比べた時の主な優位性の一つが価格で、例えばフランスの「ラファール」は2倍ほどである。 「ミグ35のコンセプトの一部は、アメリカ海軍の主要機である戦闘攻撃機F-18のコンセプトと同じ。 ミグ35には驚異的なエアロダイナミクスと機動性があるが、エンジンの推力ではラファールやユーロファイター・タイフーンといったヨーロッパ機に少しおよばない」とブラト所長。 …(略)… なんにせよ、戦闘機の優劣の比較が面白いことは確かだ。 根拠が薄い話だけにどうにでも展開できる。 話が尽きない理由だ。 MiG-35とSu-27どちらが強い? 2016年6月25日 軍事系まとめブログ 8年前に性能比較が話題になっている。 相談ではなく、話の種蒔きであることがよく分かる。 次期戦闘機に露ミグ35と米F35ではどちらが性能が良いのですか ... 2009年5月24日 YHOO!JAPAN 知恵袋
2017年08月05日
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ソ連の崩壊で国力をはるかに凌駕する軍事費の供給がなくなり、ロシアの航空界はどうなるのかと思ったが、ソ連時代と同じような体制を維持してきた。 新機種の開発も継続されていた。 遂にこの日が来た。 ミグとスホーイ合併へ 旧ソ連機の代名詞と現ロシア主力機メーカー ブランドは存続か 関 賢太郎(航空軍事評論家) 2017.07.03 乗りものニュースロシア戦闘機メーカーを代表する2社が合併へ 2017年6月20日(火)、ロシアの各航空機メーカーを傘下に有する国策企業「ユナイテッドエアクラフトコーポレーション(UAC)」のユーリ・スリウザー社長は、同国の戦闘機メーカーを代表する「ミグ(MiG)」と「スホーイ(Sukhoi)」の両社をUACの下で2019年内に合併・統合することを発表しました。 ミグ、スホーイ両社ともに創設は1930年代であり、ソ連時代は航空工業省における航空機開発部門、中央設計局の一部署「ミグ(ミコヤン・グレビッチ)試作設計局」「スホーイ試作設計局」として戦闘機の開発を主に担当しました。 そしてソ連崩壊後は会社化し現在に至ります。 …(略)… 経緯は異なるが、ジェット・エンジンの時代のソ連・ロシアの軍用機をリードしてきた両者の合併は、ロシア軍だけでは両者を存続させることができないという経済的な理由だろう。 米国の航空業界も合併に合併を重ねてきた。 軍用機しか作っていないミグをリージョナルジェットにあたるスーパージェット100で旅客機をものしつつあるスホーイとくっつけて存続をはかったのか? 2011年2月3日、スーパージェット100はロシア航空当局から型式証明取得。 2011年6月16日、アエロフロート・ロシア航空でも定期便での運行を開始。 2012年 2月3日、欧州航空安全局 (EASA) から「スーパースホイジェット(SSJ)100、モデルRRJ-95B」の型式証明取得。 4月16日、メキシコ民間航空当局から「スーパージェット100(SSJ100)」の型式証明取得。 11月22日、インドネシア航空当局から「スホーイ・スーパージェット(SSJ)100、モデルRRJ-95B」の型式証明取得。 2月19日、ラオス航空当局から「スホーイ・スーパージェット100(SSJ100)」の型式証明取得。 順調に型式証明を取得しているように見えるが、米・FAAの型式証明取得の目処は(日本のMRJと同じように)立っていないと聞く。 ステルス機、次世代戦闘機の開発など、新機種の開発に要する費用は高騰し続けている。 記事には両ブランドを残すようなことが記されていたが、意味があるのだろうか。 両者の技術を結集してF-16のロシア版、あるいはF-5、MiG-21の現代版の、最低限の機能、性能を満たした安価な戦闘機、戦闘爆撃機を売り出し、企業の存続をはかるとよいと思う。 ロシアのTsAGI(ツアギ)は、ロシア連邦の航空工学に関する研究所で、世界最大の流体力学研究所呼ばれる。 TsAGIの理論に沿って主翼と機体の外形を設計することから、ミグとスホーイは大きさが異なるがそっくりにみえる。 MiG-29(ラーストチカ)は全長17.32m、全幅11.36m、全高、4.73mt、最大離陸重量20t。 Su-27(ジュラーヴリク)は、全長21.94m、全幅14.70m、 全高5.93m、最大離陸重量33t。 武装も航続距離も異なる、迎撃用格闘戦闘機 MiG-29と、一回りサイズが大きい全天候型制空戦闘機Su-27は、TsAGIのデータをもとに設計したので酷似してみえるとされる。 ところで、TsAGIは経済的に成り立っているのだろうか? ウクライナの航空機メーカー、アントノフ、航空エンジンメーカー、モトール・シーチも経営面で苦境にあると思われる。 2016年8月、アントノフ航空は中国空域産業集団(AICC)に世界最大の輸送機と呼ばれるAn-225の技術や設計図に亘る所有権を全て移転し、2019年に中華人民共和国の工場で再生産させる契約を交わしたと報じられた。 続報をみないので進展は不明。 現在のロシアとウクライナとの関係では、大型機同士でもロシア・ツポレフとウクライナ・アントノフとの合併は難しそうだ。
2017年07月08日
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誉のトラブルは複合要因であり、一つ二つに絞り込むことは無意味。 一つ、二つ解決しても、次のトラブルに襲われることが必至。 「誉」特有の不備、不具合もあれば、帝国陸海軍機共通の不備、不具合もある。 デリケートな「誉」にはどちらも悪影響が大きかったようだ。 1.基本設計 クランクケースの強度不足 過荷重となった軸受け 燃料分配、水メタノール分配の不具合2.設計に起因する製作困難 鋳込みフィンの採用による冷却能力アップ …鋳込みフィンで量産できず冷却能力不足3.基礎的工作技術、素材生成技術 低性能なマグネトー 電纜の焼損 低品質なピストンリング、バルブカム、バルブスプリング 各種シール類の精度、能力不足 4.品質管理 熟練工減少による加工精度の低下 設計者不在の出荷数増加目的の製造ラインでの改悪 品質管理の概念の不在5.燃料、潤滑油 設計時の設定より低いオクタン価の燃料 設計時の設定より能力不足の潤滑油6.整備技術 熟練整備士不足、整備教育不足による整備能力不足 当時の日本の工業力で、小排気量、コンパクト、高ブースト、高回転による高出力エンジンを量産しようとしたことが間違い、という結論になる。 中島飛行機の中川良一技師は、全てがちゃんと機能して初めて成立するエンジンを作ってしまった。 低性能なマグネトー、オイル類のシール不良、低性能電纜(コード)、低い加工精度は、当時の日本の全ての航空機共通の課題だった。 それなりの性能のものであれば、稼働率は高くなくとも、それなりに動く。 高性能なエンジンは、トラブルで停まる。 航空機は車と異なり、エンジンがちゃんと動かなければ、墜落することがある。 第二次世界大戦中飛行機の製造に着手したフォードは、飛行機の部品の精度が自動車と一桁も二桁も違うことを思い知った。 フォードは車両に注力。 高級車を作っていたパッカードはマーリンエンジンの量産化に成功。 第二次世界大戦後倒産。 中国大陸に進出した日本兵は古くとも国産ではなく、GMやフォードのトラックを選んだという話がある。 中国大陸でトラックのエンジンが止まり本隊から取り残されれば、生命に関わるからだ。 日本はトラックでさえまともに量産できなかった。 ちゃんと整備すれば「誉」はちゃんと動いたという話がある(飛行第47戦隊付「整備指揮小隊)。 アツタエンジンをちゃんと稼動させた芙蓉部隊と同じだ。 だが、カタログデータとの乖離は不明。 いずれにしろ、ダイムラー・ベンツのDB600シリーズや、ロールス・ロイスのマーリンは、当時の日本で量産すべきでないエンジンだったようだ。
2017年07月01日
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