米国実態指標「鉱工業生産・設備稼働率」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月17日22:15発表結果検証済)

2017年3月17日22:15に米国実態指標「鉱工業生産・設備稼働率」が発表されます。今回は2017年2月分の集計結果発表となります。
本指標の要点を下表に整理しておきます。

過去の傾向を見る限り、ほとんど反応しない指標です。よって、細かなデータ添付は割愛し、いくつか図表と結論のみ以下に示します。

1611米国鉱工業生産110.png

指標推移は下図の通りです。

1611米国鉱工業生産150.png

1611米国鉱工業生産160.png

市場予想では、鉱工業生産前月比・設備稼働率ともに、前回発表より僅かに改善となっています。
2月は、景気指標(NY連銀・Phil連銀・ISM製造業)がいずれもそれ以前直近のピークとなっており好調でした。物価指標もPPI・コアともに1月を上回っていました。卸売在庫1月分は減少していました。
よって、鉱工業生産・設備稼働率ともに前月より改善という市場予想は妥当です。むしろ、市場予想よりも改善される可能性さえある、と見ています。
そして、事後差異がプラスの場合(市場予想や前月結果を上回る場合)、過去のデータから求めた陽線率は、直後1分足が67%・直後11分足が79%です。直後1分足と直後11分足の方向一致時に、反応が伸びた事例は68%となっています。

一応、下表のシナリオを用意しました。
がしかし、シナリオ1の直前1分足の陰線跳幅は過去平均3pipsですから、取引しない方が良いかも知れません。また、シナリオ2の反応方向確認後に追いかけてポジションを取る方法も、過去平均pipsが小さいので、ポジションを取るべきか否か微妙です。
なお、23:00にUM(ミシガン大学)消費者態度指数速報値発表が予定されています。市場予想はやや前回より改善となっており、本指標発表と同時にそちらを睨んだ動きにすぐに移行する可能性があります。
但し、本指標もUM景気指標ももともと反応は小さな指標です。

1611米国鉱工業生産400.png

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。



2017年3月17日22:15発表

以下は2017年3月18日21:00頃に追記しています。
?V. 結果

【7. 発表結果】

(7-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1611米国鉱工業生産500.png

(7-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1611米国鉱工業生産510.png

【8. 調査分析検証】

事前調査分析内容を、以下に検証します

まず、指標に関しては、市場予想を上回ると予想していました。がしかし、結果は市場予想を下回りました。

次に、シナリオはふたつ用意していました。
直前1分足が陰線になると見込んでいたシナリオは実行しませんでした。もともと過去の平均跳幅が3pispです。実際には5pips反応したようですが、それは結果論です。
もうひとつは、反応方向を見てから追いかけてポジションを持つ、というシナリオです。こちらは運よく利確できたものの、直後11分足跳幅がたったの8pipsではどうしようもありません。勝てただけ良かった。

【9. シナリオ検証】

本ブログを始めてから、本指標での取引は2回目です。

1611米国鉱工業生産600.png

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ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上


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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

1-1. FXを楽しむために
アマチュアらしく…
1-2. いつか負けないはずがない!
上手くなるまでは短期取引です
1-3. 難しさの正体って何だ
利確と損切の理解は大切です
1-4. FXは上達するのか
取引機会を絞り込むべきです
1-5. 数字で掴もう
その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

2-1. 大きなゾウの隠れ方
指標取引のための予備知識です
2-2. ウソは嫌いだ!
短期取引をやるときの指針です
2-3. イグアナを見分ける前に
このブログの指標取引での成績です
 2-4. 小ズルくいきましょう
いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

3-1. 指標取引の予備知識
指標発表前後の他の時間と違い
3-2. ローソク足各部の名称
全幅・値幅・跳幅とは?
3-3. 4本足チャート
このブログで使うチャート表記
3-4. 反応方向の予備知識
指標分類と反応方向の基本
3-5. 取引通貨ペアの選択
通貨ペアによる有利不利
3-6. 指標分析の方法
定量指標分析とは?
3-7. 反応分析の方法
定量反応分析とは?
3-8. 分析の成績
事前分析的中率
3-9. ブレイク対応準備
ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

4-0. 各国経済・通貨の特徴
4-1. 日本経済
4-1-1. 政策決定指標
(a) 日銀短観
(b1) 東京都区部CPI
(b2) 全国CPI
4-1-2. 経済実態指標
(c) GDP一次速報
(d) 機械受注
(e1) 通関貿易統計
(e2) 国際収支
4-2. 米国経済
4-2-1. 政策決定指標
(a) FOMC
(b1) UM消信指数速報
(b2) CB消信指数
(b3) ISM非製景指数
(c1) NY連銀製景指数
(c2) Phil連銀製景指数
(c3) ISM製景指数
(d1) 輸出・入物価指数
(d2) 生産者物価指数
(d3) 消費者物価指数
(d4) PCEコアデフレータ
(e1) ADP雇用統計
(e2) 雇用統計
4-2-2. 経済実態指標
(a1) GDP速報値
(a2) GDP改定値
(a3) GDP確定値
(b1) 小売売上高
(b2) 個人消費・所得
(c1) 鉱工業生産
(c2) 耐久財受注
(d1) 中古住宅販売件数
(d2) 新築住宅販売件数
4-2-3. 収支関連指標
(a) 貿易収支
4-3. 欧州経済
4-3-1. 政策決定指標
(a) ECB金融政策
(c1) ZEW企業景況感調査
(c2) 独国Ifo企業景況指数
(c3) 独国PMI速報値
(c4) 欧州PMI速報値
(d) 欧州HICP速報値
4-3-2. 経済実態指標
(a1) 独国GDP速報値
(b) 独国貿易統計
(c1) 独国製造業新規受注
(c2) 独国鉱工業生産
4-4. 英国経済
4-4-0. 英国経済指標反応要点
4-4-1. 政策決定指標
(a) BOE金融政策
(c1) PMI速報値
(c2) 製造業PMI改定値
(c3) サービス業PMI改定値
(d) 物価統計
(e) 雇用統計
4-4-2. 経済実態指標
(a1) 月次GDP
(a2) 四半期GDP速報値
(b) 小売売上高指数
(c) 鉱工業生産指数
(d) 貿易収支
4-5. 豪州・NZ経済
4-5-1. 政策決定指標
(a) RBA金融政策
(b) RBNZ金融政策
(c1) NAB企業景況感指数
(c2) WP消費者信頼感指数
(d1) 四半期住宅価格指数
(d2) 四半期生産者物価指数
(d3) 四半期消費者物価指数
(e1) 賃金指数
(e2) ANZ求人広告件数
(e3) 雇用統計
4-5-2. 経済実態指標
(a) 四半期GDP
(b) 貿易収支
(c) 小売売上高
(d1) 住宅ローン件数
(d2) 建設許可件数

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2017年03月18日

2017年3月第3週の成績

多くのFX関連書籍・記事で主流・基本だと言う トレンドフォローでの取引 は、多くの結果が示す通り、ほとんどの人に適していません。普通の人がFXを始める際には、もっと適した方法があると思って、このブログを始めました。このブログでは、経済指標発表前後の短期シナリオ手法というやり方を紹介しています。詳細は 「FXは上達するのか」 をご覧ください。




【1. 成績】


201703第3週成績.png

【2. 所感】

取引時間は12分40秒、損益は+2,356円(1.98%)、指標単位勝敗は3勝1敗、でした。

今週は、日米英の中銀政策金利発表がありました。次週もNZ中銀政策金利発表があります。次週は空き時間に各国中銀の最新声明を一覧できるように纏めておきたいと思います。
以上

2017年03月17日

2017年2月国内月次建玉ネット残高

(一財)金融先物業協会 が月次で公表している通貨ペア別の建玉残額資料を下図に示します。
下図は、月末時点における単位百万円の金額換算ネット残高です。

1702国内ポジション残額ネット.png

国内では、USDJPYも含むUSDストレートだと90%近くになることが知られていますが、USDJPYで見ると約半分と意外に少ないのですね。主要円クロスだと、USD>AUD>GBP>EURの順です。もっとわかりやすい表現方法は来月までに用意しておきます。

ご参考まで。






2017年03月16日

3月16日、主要国報道解説要点

日銀は3月15-16日の金融政策決定理事会で、金融政策の現状維持を決めたとのことです。日銀金融政策で注目すべき点は、「国債買入額の年間規模のめどが80兆円」「現状の景気が緩やかな回復基調を続けている」という2点がいつ変更されるか、です。これらの変更なし、が「現状維持」の中身です。

米FOMCは市場予想通り利上げを実施しました。今後の利上げ見通しは、年内残り2回、来年は3回の利上げ想定、です。この見通しは以前のままです。
3月16日に米政権が議会に示す2018会計年度予算教書(17年10月〜18年9月)の内容が、一部先行報道されています。今回の予算教書ではほとんどの省庁の予算が絞られるようです。どちらかと言えば、トランプ政権は積極財政のイメージを持っていたので、実際に教書が公表されたら解説記事で見ておきましょう。

蘭議会選挙は、与党が第一党の議席を確保し、懸念されていた極右政党が第一党にはならない見込み、と伝えられています(出口調査結果から)。EU主要国が歓迎を表明しています。
残る欧州関心事は、仏大統領選挙とギリシャ債務問題です。

英国のEU離脱通告に関する修正法案は、更に修正(元に戻った?)され、交渉が首相一任となって可決されました。英国のEUへの離脱通告は、3月末頃に行われるとの見通しが報道されています。

豪銀NABは、住宅ローン金利をこれまでの5.25%から5.32%に引き上げ、投資用物件の金利は5.55%から5.80%に引き上げました。豪中銀の直近の声明では「これまでの利下げを続けるのなく様子見」という趣旨の発表が続いていますが、こうした利上げの動きが市中銀行からでも出始める状況なのか、現地報道を注視しておく必要があります。
以上






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