欧州GDPは、発表結果と反応方向とがあまり関係ありません。おそらく、各国毎の発表が先行しているため、その時々にEURレートへの折込みが行われるからでしょう。むしろ、反応があるのは独国GDPですが、これも速報値ぐらいしか反応しません。と言っても、GDPで20%にも達しない地域が、1%にも満たない変化しかしない訳です。
欧州実態指標でEURがあまり反応に結び付かないことは、当然と言えば当然のことです。
【4-3-2.(1) 経済成長】
11月14日に発表された独国7-9月期GDP速報値は、前期比が+0.8%、前年比が+2.8%でした。速報値では直近ピークだった2014年1-3月期の+2.4%を上回りました。11月23日に発表された同期改定値も前期比・前年比ともに同値でした。
(分析事例) 独国四半期GDP速報値 (2017年8月15日発表結果検証済)
本指標への反応は、指標結果よりもそのときどきのトレンドの影響が大きいようです。その結果、直後11分足終値は直後1分足終値よりも反応を伸ばしがちです。追撃は早期参加し、じっくり利確のタイミングを計ることに適しています。
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10月31日に発表された欧州7-9月期GDP速報値は、前期比+0.6%、前年比+2.5%でした。前期に引き続き、年率で+2%を超える成長を続けています。ECBは慎重なものの、欧州の成長率は安定して上昇基調を維持しています。11月14日に発表された同期改定値も、前期比・前年比ともに同値でした。確定値は12月7日発表予定です。
【4-3-2.(2) 実態指標】
最も影響力が強い独国経済も、実はGDP比で言えばEU全体に対し20%を下回っています。とは言え、個別実態指標となると、独国のものしか反応にほぼ結び付きません。
(2-1) 小売
10月30日に発表された独国9月分小売売上高指数は、前月比+0.5%、前年比+4,1%でした。
11月30日に発表された独国10月分小売売上高指数は、前月比△1.2%、前年比△1.4%でした。前年比の動きを見ると、2016年以降は激しい上下動を繰り返しながら下降基調となっていました。それが2017年2月分以降は、上昇基調に転じたように見受けられていました。一転、今回は2017年4月分以来のマイナスとなり、少なくとも2013年以降で2か月続けてマイナスになったことがない実績を踏まえると、次回はプラスの可能性があります。
(2-2) 生産
製造業の受注と生産のLT(リードタイム)は、受注が3〜6か月程度先行すると見るのが一般的です(業種間のばらつきが大きい)。それを同時に表しているのが景気指標ですが、製造業PMI改定値(最終値に相当)には、先行きへの不安の兆候がまだ見受けられません。
11月6日に発表された独国9月分製造業受注前月比は+1.0%でした。翌11月7日に発表された独国9月分鉱工業生産指数前月比は△1.6%でした。
次回発表は、10月分製造業受注が12月6日、10月分鉱工業生産指数は12月7日の予定です。
【4-3-2.(3) 貿易指標】
11月9日に発表された独国9月分貿易収支は+241億EURでした。2017年に入っての貿易黒字は1860億EURです。
10月分は、12月8日に発表予定です。
以上