最近の発表結果とその反応を下記の調査・分析に基づき検討した結果、以下のシナリオで臨みます。
調査・分析の結論要点は次の通りです。
- 英国四半期GDP速報値というと、極端に大きな反応しそうなイメージがあります。がしかし、最近の傾向は少し違うようです。目安としては、過去15回平均で直後1分足の跳幅は37pipsしかなく、37pipsを超えて反応したことも4回しかありません。小さくはありませんが、意外です。
- 事後差異と直後1分足・直後10分足の方向一致率はそれぞれ46%しかありません。ちなみに、事後差異とはざっくり言えば、発表結果が前回結果や市場予想よりも改善したか否か、です。この数値が46%ということは、発表結果がどうあれどちらに反応するのかがわからない指標、ということになります。気をつけましょう。
- 直後1分足値幅と直後10分足の跳幅・値幅の差が、それぞれ29pips・19pipsとなっていました。但し、直後1分足と直後10分足の方向一致率が100%で、10分足終値が1分足終値よりも大きかったことが71%あります。
詳細は下記の通りです。
【1. 指標概要】
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。どの国についてもそうですが、政策金利改定に次いで大きな反応が起きるのがGDP発表です。
英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確報値」と3回発表されます。最も反応が大きいのが速報値ですから、ポジションを持つつもりの方はご注意ください。
但し、最近の傾向は少し異なるようです。以下のデータを用いた調査・分析結果をご覧ください。
GDP速報値は、英国国家統計局が 1月・4月・7月・10月の下旬に前四半期分を発表しています。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査・分析は、2013年1-3年月分から前回2016年7-9月分までの15回のデータを集計したものです。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
このブログでは、市場予想から前回結果を引いた値を合算した数値を「事前差異」と呼んでいます。前期比と前年比の事前差異を加えると、今回は事前差異がマイナスとなっています。
下記5項の指標一致性分析の結果を見ると、事前差異が生じたことは過去に12回あります(3回は0値だった)。ですが、事前差異の方向と直前10-1分足・直前1分足が一致したことは58%・33%です。つまり、本指標は事前差異がどうであれ、発表直前の反応方向がどちら向きになるかはわかりません。あえて言えば、3回に2回は直前1分足が事前差異と逆方向に反応しています(今回の場合は陽線になる、ということです)。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・同1分足・直後1分足・直後10分足を下図に示します。
ぱっと見でわかる通り、直前10-1分足や直前1分足でも10-30pips動くことが多いので、それを狙うのならともかく、あまり早くポジションを持っても危ないようですね。
次に、以上の各タイミングでの始値規準ローソク足の跳幅・値幅を下表に纏めておきました。
上表から、本指標への反応を最も良く表す直後1分足跳幅の平均値は34pipsでした。
そして、この34pipsを基準とすると、34pipsを跳幅が超えたことは4回(母数15回)しかありません。その約2倍となる67pipsを超えたことは1回しかありません。
もともとGBPJPYは大きく動く通貨ペアとして知られていますが、GDP速報値でこの程度の反応というのは正直言って意外ではないでしょうか。
最近の傾向をきちんと調べておかないと、世間の評判というのはあまりアテにならないものですね。
(2-3. 関連指標)
対比分析は割愛します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と10分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)がわかります。
直後1分足値幅と直後10分足の跳幅・値幅の差が、それぞれ29pips・19pipsとなっていました。但し、直後1分足と直後10分足の方向一致率が100%で、10分足終値が1分足終値よりも大きかったことが71%あります。
つまり、危険を冒さなくても、直後1分足終値で方向を確認してから直後10分足跳幅を狙ってポジションを持っても良い指標です。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
前述の通り、直後1分足と直後10分足の方向一致率が100%となっています。なんか、そろそろ外れそうで嫌な予感もしますが、このデータを見て直後1分足を見てから逆張りは普通できません。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標方向と反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。指標方向とは、市場予想から前回結果を引いた事前差異と、発表結果から市場予想と前回結果を引いた事後差異と、を表します。これらの値がプラスのとき反応がプラス(陽線)となっていれば「方向が一致している」と見なします。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
事後差異と直後1分足・直後10分足の方向一致率はそれぞれ46%です。ちなみに、事後差異とは、(発表結果ー前回結果)+(発表結果ー市場予想)の値です。言葉でざっくり言えば、発表結果が前回結果や市場予想よりも改善したか否か、です。
この数値が46%ということは、発表結果がどうあれどちらに反応するのかがわからない指標、ということになります。その点においても、先に反応一致性分析で述べたように、直後1分足を見てからポジションを取るしかないでしょう。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017.01/25.18:00発表
追記:2017.01/27.00:37
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は前回結果・市場予想より改善し、直後1分足の反応は素直に「↑」となりましたが、直後10分足の反応は「↓」となりました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオとしては間違っていましたが、幸いにも利確が早かったので逆跳幅を捉えてプラスにできました。
なお、本ブログでの成績表には含めませんが、発表結果が改善したのに直後10分足の反応は、材料出尽くしだったのか「↓」でした。がしかし、18:40過ぎには「↓」の動きが止まり、反発の気配が強く伺えました。そこで、18:44:05にポジションを取得し、大きく利確できました。
大きく動く指標では、このように事前の数時間に折込みが進み、指標発表後には「材料出尽くし」で逆方向に反応する場合があります。このとき、逆方向への反応が一段落すると、本来の反応が現れる場合があります。
この動きを捉えれば、本来の反応幅よりも逆側からポジションを取得できるので、この例のように大きな利益を確保できます。
ご参考までに。
【8. 調査分析検証】
特に、事前調査・分析内容で見直すべき点はありません。分析通りにならないときには、反応が小さいものです。
【9. シナリオ検証】
今回は損切となりましたが、問題はありません。
以上