昨夜のFOMCでの損失は取り返せたようです。
シナリオ1は、直前10-1分足が陰線となったため、取引を中止しました。
シナリオ2は、直後11分足終値までポジションを持てば、あと30pips程度稼げたようです。がしかし、これは結果論です。
ともあれ、これで昨夜のFOMCでの負け分を取り返し、今週もプラスで終えられそうです。
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2017年3月16日21:00に英国金融政策「BOE政策金利」が発表されます。
本指標の要点を下表に整理しておきます。
本発表時には、FOMCなんかよりもずっと大きく動きます。調査期間内の過去最高は「市場予想に反して現状維持」のとき286pipsです。あっという間に跳ねて、おそらく近くの逆指値損切注文は、かなりスリップしてしまったことでしょう(あるいは、逆指値注文が通らなかったでしょう)。
もしGBPのポジションを持って本発表を迎える場合、余裕資金を十分に持っておくべきです。「市場予想に反して金利改定」という事例は直近にありませんが、その場合どんなことになるか。「確実な予想」なんて、確実にありません。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず注意です。
今回の市場予想は現状維持となっています。がしかし、2015年8月・2016年4月も「市場予想通り現状維持」でした。これらの月は、それぞれ直前1分足跳幅が48pips(陰線側)・29pips(陰線側)も跳ねています。そして、発表直後(現状維持)はそれぞれ62pips(陰線側)・48pips(陽線側)に跳ねています。
発表直前にどかんと動くことがあり、しかもそれが発表後の反応方向と必ずしも一致しません。このことを知っておかないと、ものすごく慌ててしまうこともあり得るのでご注意まで(知っていても慌てますけど)。
直前はポジションを持たない、少なくとも直前1分ぐらいは買ポジションを持たない、という選択はアリです。 - 危ないのであまりお薦めできませんが、直前1分足の陰線率が83%と、かなり高いようです。そして、直前1分足が陰線となる確率は、直前10-1分足が逆に陽線のときに更に高くなります(両者の方向一致率8%)。
両者の方向一致率が8%(不一致率が92%)なので、直前10-1分足が陰線の場合には直前1分足を陽線と見込むべきですが、過去に直前1分足が陽線となったことはたったの17%です。二つの別々の分析結果が矛盾することになるので、もし直前10-1分足が陰線の場合、直前1分足での取引は諦めましょう。 - 発表後の反応方向を確認してからポジションを取っても、その方向に反応が伸びる確率が50%しかありません。もし追いかけてポジションを取るなら、発表直後でなく一旦戻りを待ってから慎重に行うべきです。
例えば、直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅を狙って解消すると良いでしょう。但し、直後1分足が上ヒゲを持たないようなら、ポジションを持つのは諦めましょう。
過去2回は、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、損切となったはずです。がしかし、それ以前は6回続けて発表後4-5分で直後11分足跳幅が最大ないし2番頂(谷)となっています。直後1分足終値でポジションを取り、発表後4-5分で利確すれば利確できたはずです。このやり方なら過去8回の勝率75%です。
ちょっと狙いが当たっても欲張らず、勝率を稼ぎやすい方法をお忘れなく(あくまで過去の結果に基づくやり方ですが!)。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
英国の政策金利は、英中銀(BOE=the Governor and Company of the Bank of England)の金融政策委員会(MPC=Monetary Policy Committee)に決定権限があります。同委員会は、総裁1人・副総裁2人・行内委員2人・外部委員2人の合計9人で構成されています。
MPCの決定には特徴があります。
まず、9人の意見が強く反映されるため、他の主要国(日米欧)と違って市場予想がアテにならないと言われています。また、直近の金利改定は2016年7月に0.5%から0.25%に下げられました。その前は2009年3月でした。このように、BOEはあまり頻繁に金利改定をしない、というイメージがあります。
がしかし、金利改定が頻繁に実施されないにも関わらず、本発表前後のGBPは大きく反応します。
過去のデータを見ると、利下げ予想が外れた2016年7月を除く前回まで過去23回の直後1分足跳幅だけでも、平均値は30pipsを超えています(2016年7月のデータも含めた平均値は43pips)。
ちなみに、利下げ予想が外れた2016年7月の直後1分足跳幅は286pipsにも達していました(利下げ予想が外れたときの方が、実際に利下げされたときよりも反応が大きかった)。
MPCは原則毎月第1水・木曜日の2日間開催され、2日目の正午に政策金利が発表されます。その2週間後に議事録を公表し、2月・5月・8月・11月に四半期インフレ報告書を発表しています。
あと、今回の発表に関係ないと思いますが、今週、BOE副総裁が辞任の報道がありました。この辞任が今回発表に何か影響するのか否かはわかりません。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
BOEは頻繁に金利改定を行いません。この期間以前の金利改定は2009年3月でした。もし次に改定するなら、EU離脱前後に経済指標が極端に一方向に向かう事態になった場合でしょう。今はまだ考えられません。
なお、前回利下げの2016年8月は、2016年6月がEU離脱国民投票があって、GBPがボロボロに落下し、景気指標(景況感)もボロボロに下がったときです。現在、GBPUSDはかなり落下していますが、景気指標(例えばPMI)はかなり高い水準です。
ちなみに、PMIは景気見通しの良し悪しだけでなく、企業在庫や注残や受注を見ている景気指標であって、景況感指標ではありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足や直前1分足の動きが大きいのでご注意ください。
こういう動きが大きく、明らかにプロフェッショナルが多く参加しているときには、利確できるときにさっさと利確しておいた方が良いでしょう。 続けざまに読みを当てたり、次の展開を予想することを、プロとは決して競わない ことです。
便乗できそうな癖を探す、何度も便乗しようとしない、駄目ならすぐ逃げる、がアマチュアの基本です。
なお、損切の目安はいつもより大きく25〜30pipsとしておきます。
直近の高値・安値を参考にするのではありません。それはトレンドフォロー手法で取引する場合のやり方です。指標発表前後だけ取引する場合、指標発表時の過去の反応の大きさだけから損切も利確も決めるのです。利益は勝率で確保しましょう。 詳しくは、「FXは上達するのか」をご覧ください。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
発表後の反応方向を確認してからポジションを取っても、その方向に反応が伸びるか否かは50%しかありません。もし追いかけてポジションを取るなら、発表直後でなく一旦戻りを待ってから慎重に行うべきです。例えば、直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅を狙って解消すると良いでしょう。そして、直後11分足終値までの跳幅を狙ってポジションを解消しないと、2回に1回は損切となってしまうので、欲張らずに利確することが大事です。
過去2回は、直後1分足終値がつく頃にポジションを取ると、損切となったはずです。それ以前は6回続けて発表後4-5分で直後11分足跳幅が最大ないし2番山(谷)となっています。
直後1分足終値でポジションを取り、発表後4-5分で利確すれば、過去8回の勝率75%です。欲張らず、1分・4-5分・75%、お忘れなく。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率、直後1分足と直後11分足の方向一致率、が70%以上もしくは30%以下となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
英国に限らず、中銀政策金利発表時には市場予想で金利改定時となっているとき以外、指標一致性分析は役に立ちません。
【6. シナリオ作成】
巻頭に言葉で書いた通りです。表を作るのが面倒だったので。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上