「ウインド・リバー」は、アメリカ中西部ワイオミング州にある、ネーティブアメリカン(先住民)の保留地の地名。
事件の背景にあるのはアメリカの開拓時代からの歴史で、そこが先住民を強制移住させた地であったこと。
メキシコ国境での麻薬戦争を扱った 『ボーダーライン』 (同じテイラー・シェリダン監督)同様、現代のアメリカの辺境を描いた社会派映画として話題を呼びました。
あらすじと物語の背景
ウインド・リバーは、人口も少なく雪深い過疎地。
また過去には、自治区であったため行方不明者が出ても、そのまま記録にさえ残らず片付けられていくことが頻繁にあったといいます。
映画の冒頭は、厳寒の深夜に裸足で雪の上を走りつづける女性のシーンから。
翌朝、合衆国の野生動物保護を担当する監視員コリー (ジェレミー・レナー) が死体を発見。
事件性があるかどうかを調べるため派遣されたのは、FBIの新人女性捜査官ジェーン・バナー (エリザベス・オルセン) でした。
ジェーンは現地の事情に明るいコリーの協力を得ながら捜査を進めていきます…。
あらすじと見どころ
(引用:
https://www.facebook.com/WindRiverMov/ )
◇初めて経験する山岳の捜査
コリーが見つけた死体は、なんと顔見知りの女性ナタリー。彼の親しい知人の娘とわかり愕然とします。
ナタリーには、暴行されたあとがあることが判明。
さて、殺人事件として一緒に捜査することになったFBIのジェーンを見て、地元警察署長のベンは「ナメられたもんだ!」とボヤキます。
なぜなら、この広大な地に若い女性捜査官がただ一人で派遣されたこと。しかも、極寒の中、彼女はなんの雪中装備もしてこなかったのです。
実際、ジェーンはこんな山奥で捜査をするのは初めてでした。
◇少女に続き2人目の死体が…
地元に詳しいコリーの案内を頼りに、手がかりを求め山中を捜索するジェーン。
すると、二人が発見したのは2人目の死体。
それは、殺されたナタリーが以前から付き合っていたボーイフレンドのマットでした。
マットも明らかに殺害されたあとがありました。
マットが働いていたのは、死体現場からすぐ近くにある石油掘削所。
彼はそこで警備員の仕事をしていたことを突き止め、捜査は一気に進展します。
◇返り討ちに合うジェーン!
さっそくジェーンたちは、地元警察官を伴い石油掘削所を訪れることに。
しかし、この時すでに犯人一味は自分たちに捜査の手が迫っていることに気付いており、警察の訪問を待ち構えていたのです。
隠し通そうとする連中を必死で追及する若いジェーン。この直後、満を持しての銃撃戦は見どころです!
しかし、不意を突かれたジェーンは手痛い仕打ちにあい負傷してしまいます…。
クライマックスからエンディングへ
(最後のネタバレなし)映画の最後で犯人たちを追い詰めていくのは、ジェーンでもなければ地元警察でもありません。
コリーは、掘削場に直接乗り込んだジェーンたちとは別行動をとっており救出に。
雪面にかすかに残るスノーモービルの跡を確かな証拠としたコリーの執念が実ります。
実は、コリー自身にもかつて自分の娘を誰かに殺されていたという辛い過去があったのです。
衝撃的な見どころは、コリーが追い詰めた実行犯に取った最後の「裁き」。
長い歴史の怨念を晴らすかのような行動に愕然とします!
感想とおすすめ度
あまり表面化することのないアメリカの闇の部分を扱った映画として、大きな話題を呼んだ映画です。
ちなみに、ジェーン演じるエリザベス・オルセンは、アベンジャーズシリーズの「スカーレット・ウィッチ」役の 注目女優。
是非一度、ご覧ください。