全1965件 (1965件中 451-500件目)
< 1 ... 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ... 40 >
さて今日は株式投資本オールタイムベスト103位 投資家が大切にしたいたった3つの疑問 (ケン・フィッシャー著、パンローリング、2011年) の第3弾です。 今日も、第2章 疑問二-あなたに見抜けて他人に見抜けないものはなにか から。 どのような投資スタイルにも流行り廃りのサイクルがあることをご存じだろうか。 表2・2(時価総額の大きさや投資スタイル別に、首位の入れ替わりを示したもの)から分かることは、どのような規模の株でも、どのような投資スタイルでも、ひとつのものが相場を常に牽引することはないということだ。さらに重要なのは、どの規模やスタイルが次の先頭になるかを示すような、予測可能なパターンは存在しないことである。 表2・2 どの属性も最高の結果を常に残すことはできない 再度、表2・2を見てほしい。仮にその年の勝者を買ったとすると、非常に高い頻度で次年の敗者を買ってしまっていることになる。。。すでに述べたとおり、ひとつの投資スタイルが一〇年にわたり人気になることは、けっしてないのだ。 これが株式投資の難しいところです。つまり、ある投資スタイル・やり方で一度成功したとして、それで味をしめて同じことばかりずっと続けていると、今度はそれが全く通用しなくなるばかりか逆に投資家としての墓穴を掘り致命傷に至る可能性もある、ということなんですね。 投資家は一度成功を収めた手法のせいで死ぬことがある のです。 そのため私は以前から、投資家としての究極のやり方は、 オポチューニスティック・スタイル それぞれがプラスの期待リターンをもつと考えられる投資手法や投資対象を、マーケットの変化と共に柔軟に組み合わせていくやり方 であると考えています。 変幻自在な株式市場で泳ぎ続けるには、逆にオポチューニスティックスタイルしかない とも言えます。 要は、 儲けるためには何でもやる覚悟を持つことが大切 ということですね。 (続く)
May 19, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト103位 投資家が大切にしたいたった3つの疑問 (ケン・フィッシャー著、パンローリング、2011年) の第2弾です。 今日は、第2章 疑問二-あなたに見抜けて他人に見抜けないものはなにか から。 藪の石は無視 あなたの投資仲間が知らないことを知るためには、ほかの皆が注目しているところ以外のところを注目しなければならないのである。自分自身を訓練し、雑音がした方向を見ないようにしなければならない。皆があるひとつの方向を注目しているときは、音が聞こえようと聞こえまいと、彼らが見ていない別の方向に目を向けるべきなのだ。 これはケン・フィッシャーの コントラリアン(逆張り)思考 が端的に表れた良い文章ですね。私は良く、「今、もっとも投資家に無視されている、雑に扱われている、関心を持たれていないセクターはどこかな?」ということを考えて、意図的にそこから有力銘柄をピックアップしてバルクで買ってポートフォリオを組み上げるというやり方をするのですが、これまでのところ、長期的に見るとまずまずの成果が出ています。 2020年5月現在だと、地方銀行とか、地方スーパーとか、ディスカウントストアとか、ホームセンターとか、そういったあたりが該当します。多くの投資家は極めて冷淡ですが、指標的に安くかつ魅力的な優待のついた銘柄の宝庫なんですね。 ちなみにその中でも、特に ホームセンター業界に注目 しています。売上高首位の 3050DCMホールディングス からして指標的に割安ですが、業界3位の 7516コーナン商事 、4位の 8218コメリ 、5位の 2790ナフコ あたりは更に激安です。(尚、2位のカインズは非上場。) この業界は EC(電子商取引)サイトやドラッグストアや各種専門店などの異業種に攻め立てられ続けており、業界全体としての市場規模が近年伸び悩んでいてマーケットからその将来性を悲観されている ためですが、「それにしても滅茶苦茶に安いよな。」というのが自分の認識です。 さらに言うと、その中でも業界3位のコーナン商事が特に魅力的と思って大きく買っています。何故かというと、 同業他社に比べて既存店月次が明らかに良く、かつ積極的なM&Aを駆使しながら売上高もどんどんと伸ばしているから です。 「衰退業界の中の勝ち組」というのはいつの時代にも大きな魅力がある んですね。 さて私はケン・フィッシャーの言う、「彼ら(一般大衆)が見ていない別の方向」をキチンと見れているのでしょうか?(続く)
May 18, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。正直に言いますが、この本の書評を仕上げるのに「2年間&20時間以上」かかりました。ただ、結果として当シリーズ史上「有数の出来」になったと自負しています。是非お楽しみください。灼熱の「全9部作」でお届けします。それでは早速始めましょう。 第103位は、 投資家が大切にしたいたった3つの疑問 (ケン・フィッシャー著、パンローリング、2011年) です。 彼は世界一の投資家である ウォーレン・バフェット の師匠の1人である フィリップ・フィッシャー の息子(3男)として知られていますが、ただの「著名投資家のボンボンの2世」でありません。それどころか、ケン・フィッシャーは他のあらゆる投資家とは違う視点から深い考察が出来る、異次元の鬼才です。 当ブログではこれまでに2冊の彼の著作を紹介してきました。そして両方とも私は今でも頻繁に参照しています。今年2020年だけでも何度も実際に手に取って再読しました。何故ならケン・フィッシャーの本には 他の誰にも書けない独創的で鋭い思想が溢れかえっていて極めて有益 だからです。今日は復習としてまずは当時の書評を再掲しておきましょう。第29位 ケン・フィッシャーのPSR株分析 (ケン・フィッシャー著、パンローリング、2009年) 私がこの本から得た最大の宝物は、 グリッチ(成長企業が初期の頃に経験する経営上の挫折)という概念 でした。そして この本を読んで以来、自分は「グリッチ狙い」の視点を片時も忘れたことはありません。ケン・フィッシャーは真の、そして孤高の天才ですね。 1. 総論 2. グリッチでリッチになろう お勧め 3. 真のコントラリアン 66位 チャートで見る株式市場200年の歴史 (原題 The Wall Street Waltz ケン・フィッシャー著、パンローリング、2010年) この本は様々な面白いチャートがバンと1枚貼ってあり、それについて孤高の天才ケン・フィッシャーが独自の異形の視点から解説し倒してくれる、という分かりやすくてご機嫌な構成となっています。 そして本棚の片隅に置いておくと抜群に役立ちます。具体的には「辞書+強力な精神安定剤」になります。私はよくこの本が本棚のどこにいるのかを確認し(何か月かに1回は必ず見るので位置が変わっていることが多いため)そして背表紙をチラ見して、「うん、市場で何かあったらあの本を手に取ったら万事OK、大丈夫だな。」と思います。そのくらい良い本ですね。1. 総論2. PER-当時と今3. PBRが高くなると株のパフォーマンスは悪くなる お勧め4. IPOの数が多い年は売り時で、少ない年は買い時5. PERは誤解を招くことがある お勧め6. 200年前と同じ狂乱の中で戦い続けている7. 金融の世界に新しいダンスはない8. 経済史が1分間で分かる魔法のカンニングペーパー くーっ、改めてケン・フィッシャーの著作はどれも最高ですね。 そして今回の 投資家が大切にしたいたった3つの疑問 が3冊目の紹介となります。これまた実に素晴らしい本で本当はもっと早くに紹介したかったのですが、749ページと強大なボリュームを誇る1冊でなかなか書評に取りかかるためのまとまった時間を見つけることが出来ず、こんなにも遅くなってしまいました。この傑作に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。 ただ最初にはっきりとお断りしておきますと、ケン・フィッシャーは間違いなく「キ○ガイと紙一重の天才」なので、中には「ちょっと何言ってるのか良く分からないなあ。」とか「それは独断と思い込みが余りにも強過ぎる。さすがに違うんじゃないかなあ。」と感じる部分もたくさんあります。 なので、この本は「石ころの中に、ダイヤの原石がゴロゴロと無造作にいくつか混じっている」という印象の一冊です。うん、自分で書いておいてなんですが、本当にそんな感じです。初心者の方だと石とダイヤの原石の区別が非常に付きにくいと思うので、上級者向きの強面の一冊と言えるかと思います。 ただしこの本の中の「ダイヤの原石の部分」は他の本にはない凄まじい閃光を放っています。何故なら何度も言いますが、ケン・フィッシャーは「本物の天才」だからです。ここだけの話ですが、私はこの本の中に「自分の投資理論の優位性の源泉」を見ました。それがはっきりと「言語化」されており驚愕しました。読んだ瞬間に「ケン・フィッシャー、やっぱり超ヤバい人だな。こんなことまでサラッと書いちゃうんだ。」とドキドキしました。それがどこだったのか、具体的に何だったのかは、あまりにも大切な情報過ぎてこのブログでは開示できないのですが、皆様も本著を注意深く読めばそれを発見できると思います。 興奮のあまり前置きが長くなりました。さて初回となる今日は、まずは 序論 を見ておきましょう。 金融市場の仕組みに関する私たちの知識は、五〇年前に比べて格段に増えている。しかし、この先一〇年後、三〇年後、五〇年後には、もっとたくさんのことが分かっているはずだ。 賢者やプロがあなたに信じ込ませていることとは異なり、金融市場の研究は芸術と科学の両方である。理論や公式が常に導き出され、追加され調整される場だ。そして現在の私たちは、その調査と発見の過程の始まりにいる。けっして終わりにいるのではない。科学的側面からの理解は、まだまだ初期段階なのだ。 そう、株式投資は「芸術+科学の総合格闘技」なんですね。そしてだからこそ、これほどまでに美しく深淵で、同時に冷ややかで残酷かつ強烈に魅力的なのです。 私たちが戦うこの不可思議な世界では、「他人とは異なる物差し」を持って戦うことがとても有益であり、また武器としてそれがどうしても必要な過酷な世界でもあります。 もしもあなたが「何も持っていない」のならば、ソファーに横になってポテトチップスを食べながら、テレビでサッカーの試合を見つつおケツをポリポリと掻いて「黙ってインデックス投資」をしていればいいのです。その方が100倍安心で安全で快適な投資家人生になります。無理して「修羅の門」をくぐる必要はありません。 でも、もしも貴方がアクティブ投資と言う困難な、そして大金が敷き詰められた刺激的な道を進む覚悟を決めたならば、鬼才、ケン・フィッシャーによる本書は、その「魔法の扉」を開いてくれる、最高に刺激的な1冊となります。 それではいよいよ次回からは、「金融界のマエストロ」、ケン・フィッシャーが誘(いざな)うディーペスト・パープルな極彩色の世界 へと皆様をご案内しましょう。(続く)
May 17, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト102位とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法 (チャーリー・ティエン著、パンローリング社) の最終回第3弾です。 今日はティエンのディスり芸極まる、第7章 失敗、判断の誤り、バリュートラップ から。 ティエンの語る 投資にふさわしくない企業 の一覧は圧巻で説得力があります。具体的に見ていきましょう。 人気製品のおかげで前途有望そうな企業 こうしたことは新しい分野で数年ごとに起きる。 今世紀はこれまでのところ、太陽光技術、バイオテクノロジー、ソーシャルメディア、電気自動車などで起きている。 テスラ自体も問題を抱えている。。。これまで一度も利益を出したことがなく、累積赤字は巨額だ。 だれもが買っている人気商品を販売する企業 ほぼすべての子供たちがクロックスをはいていたころを覚えているだろうか。 だが、それらの靴は今ではダサいと言われ、、、株価は80%以上も下げて、時価総額は10億ドルを下回っている。 私たちが少なくとも10年間、利益を出し続けている企業だけを優良企業とみなすのはこういう理由からだ。投資アイデアは少なくとも相場サイクルが完全に一周して、それがうまくいくと証明される必要がある。私たちは一時的な流行にはかかわりたくない。 急成長をしている企業 成長が速すぎる企業の株式は避けた方が良い。 成長が速すぎるのは危険だ。。。キャッシュを調べよう。 → 私も急成長企業は投資家にとって極めて危険が大きいと考えています。私たちのこのトラップだらけの不可思議な世界では、キラキラと光輝いているものには「常に近づかないのが正解」であることが実に多いんですね。 積極的に次々と買収を進める企業 → 、、、ここ日本でも、明確に該当する銘柄がありますね。(汗) 競争が激し過ぎる事業 小売業は特に厳しい事業だ。 なかでもデパート事業は競争が激しい。どういうわけか、デパートは常に多すぎる。 時代に取り残された企業 時代に取り残されたこれらの企業の困るところは、それらが不動産、特許、ブランド、子会社など、多くの資産を保有しているため、株価が大幅に下落すると、バリュー投資家にとって魅力的に見える点だ。しかし、それらは実際にはバリュートラップ(割安のワナ)であることが多く、ここでバリュー投資家は大半のお金を失うのだ。 ぐぬぬ、、、このティエンの指摘は痛いです。私も「コテコテのバリュー系投資家」なので、過去18年間で数々のバリュートラップにきっちりと仕留められてきました。ただ、今から振り返ってもそれらの一部は「無傷で切り抜けるのは不可能」だったと思います。株式投資は本当に難しいですね。。。(滝汗) バリュートラップ 割安さは、事業価値が損なわれ続けるバリュートラップの可能性がある。バリュー投資家は株式の高値掴みよりも、バリュートラップに引っ掛かったときのほうがはるかに大損をする。最も有能なバリュー投資家でさえ、このワナに引っ掛かることがある。バークシャー・ハサウェイは、バフェットが買ったときにはバリュートラップだった。 このバリュートラップに関するティエンの説明は、歯切れが良くて分かりやすいですね。私達バリュー投資家と言うのは、自信がなければ勝ち残れませんし、そして同時に謙虚でなければ生き残れません。因果な商売ですね。(汗) さて、これでこの本の紹介は終わりです。キラリと光る、バリュー投資に関する良書ですね。未読の方は是非。(終わり)
May 14, 2020
私は、前世紀の大投資家である ジェラルド・M・ローブ の、 自分の損失を監視して損切りできる人は、、、長い目で見ると一番成功する。これこそ、ほかの全ての投資原則を凌駕する方針なのである。 という名言を常に心の真ん中に抱きながら投資家としての毎日を戦っています。 そしてポートフォリオ内に、自分の投資家としての器量を超えるような損失を出しそうな子がいないかをチェックし、 大きな癌細胞に成長しそうなものは「早めに予防的に外科的に切除」 することを徹底しています。具体的には毎日PFを含み損順に並べ、穴の開くほどに凝視して精査しています。そして、「これはきついな。投資家としてクールヘッドを保ち続けるうえでの妨げになるな。」と判断した場合には即切ります。 「100%常に正しい投資家」など世界中のどこにもいませんし、私は皆様ご存知の通りの 優待ヘッドギアに守られた、常時おむつ着用の永遠の3歳児投資家 なので、未だに多くの間違いを繰り返しながら生傷だらけの日々を過ごしています。 さて今日はそんな私の、「過ちの一覧表」ともいえる、最新のポートフォリオ含み損ランキングを見ておきましょう。 含み損の金額を見ると、トップの5607中央可鍛工業でも100万円以下に収まっています。COVID-19が依然として猛威を振るう中でこれなら「上出来じゃん。」と思う投資家の方がもしかしたらいらっしゃるかもしれません。 ただ実はこれは、今年だけで既に○桁を超える確定損失を出した、涙の巨大損切りを連発した「整地後」の姿です。決して私が上手な投資家であるということではないのでご留意ください。(滝汗) 次にこのランキングを改めてじーっと見ていると、いくつかの特徴があることに気付きます。まず最初に目につくのは、7327第四北越FG、8331千葉銀行、8361大垣共立銀行、8381山陰合同銀行、8386百十四銀行、8527愛知銀行、8544京葉銀行などの地方銀行株が大量に入賞していることです。 これは、優待族としての出自を賭けたイタズラ企画である、「優待地銀株バルクプロジェクト」 がここまでのところ不発に終わり大赤字を出していることの影響ですが、地銀株には優待獲得に「継続保有1年縛り」が付いているところが多くてそれでなかなか損切りが出来ないことも原因の一つとなっています。 次に目立つのは、 ウィズコロナ時代 の「負け組 筆頭格」のデパート銘柄が軒並み生首をぶら下げて入賞していることです。3086J・フロントリテイリング、3099三越伊勢丹HD、8242H2Oリテイリングあたりですね。特に三越伊勢丹は経営戦略の迷走ぶりも凄まじく、ホルダーとして「本当にここ大丈夫かな?」とちょっと心配になるくらいです。 ただ「優待デパート株」というのは、それぞれの百貨店で割引があったり美術展などの催し物に無料で忍び込める「無敵の優待カード」が貰える関係で優待族的には「マスト銘柄」なので、文句を言いながらも私は売却する予定は一切ありません。 3番目の特色は、自動車部品銘柄も多く入賞していることです。3434アルファ、7291日本プラスト、7877永大化工あたりですね。この業種は万年不人気な上に新型コロナ直撃で業績も急悪化しているところが多いので仕方がない感じがします。 後はそうですね、資産バリュー株として有名で多くのバリュー投資家のポートフォリオでもよく見かける 2221岩塚製菓 の株価の軟調も目立ちますかね。 ま、総合的に見ると、現時点ではポートフォリオの損失管理はまずまずうまく出来ていると自己分析しています。以上、「ポートフォリオ含み損ランキング 2020年5月編」でした。
May 13, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト102位とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法 (チャーリー・ティエン著、パンローリング、2018年) の第2弾です。 今日は、第2章 ディープバリュー投資とその問題点 を見ていきましょう。 企業の資産価値に比べて格安の銘柄を買う戦略、すなわちディープバリュー投資。 ウォーレン・バフェットの師であるベンジャミン・グレアムによって理論化された。 グレアムは株価が正味流動資産価値の3分の2以下の企業を探した。。。これらの企業に投資した場合のリスクは、それらのほとんどの経営状態が良くなく、赤字続きの可能性があることだ。 市場全体が割高に評価されていて、ほかの銘柄はなんでも上げているときでさえ下げていて、格安銘柄のスクリーニングに引っかかる銘柄は、おそらく安値に放置されて当然の銘柄だ。安いのにはそれなりの理由がある可能性が高い。私が2011年以降に観察したように、それらを買ったら大損をしていただろう。したがって、ディープバリュー投資を考えている投資家は慎重になって、この手法に固有の問題点を意識しておく必要がある。 ディープバリュー投資の問題点 平凡な企業は株主のために価値を生み出すのではなく、事業価値をじわじわと損なっていく。 バフェットが1989年の株主への手紙で書いたように、「時間は優れた企業の味方をするが、平凡な企業には敵となる。」 バフェットは手っ取り早く利益を得るために平凡な企業の株式を格安で買うことを、結婚する意志がないデートに例える。その状況では、関係が悪化する前の適切な時期に、付き合いをやめることが重要だ。 この戦略は投資家にとって精神的な負担が非常に大きい。 いやあ、グレアム先生になにか個人的な恨みでもあるのか?と思ってしまうほどにザクザクにメッタ斬りしていますね。(笑) これはティエン自身がバリュートラップ銘柄(シアーズ)でとても怖い思いをしたという「私怨」が入っているように思うのですが、 ただそれと同時に、ディ―プバリュー投資が持つ致命的な欠点を非凡に、色鮮やかに浮かび上がらせてもいます。 さて、私のディ―プバリュー投資に関しての考え方は以下の通りです。1. ティエンがP311で「シラーPERとGDPに対する時価総額の比率を見ると、2017年2月現在の(米国株)市場はかなり過大評価されている」と自らはっきりと認めている通り、現状のアメリカ株は歴史的な高値圏にある。そうした環境下ではまともなディ―プバリュー株が枯渇しているのは当然である。2. ただ「失われた30年」が続き、魅力的で「決してポンコツではない」ディ―プバリュー株がまだまだ多く放置&放流されているここ日本では、大きく状況が異なる。簡単に言うと、 現状の日本ではシンプルなグレアム流のディ―プバリュー株投資手法は依然としてワークする と考えている。3. ティエンの言う 「ディ―プバリュー株投資は投資家にとって精神的な負担が非常に大きい」と言うのは実際その通り。 なので、私は株価ヨコヨコのつまらない期間をなるべく楽しく過ごすために、魅力的な優待が付いた銘柄のみを選択するという、優待ディープバリュー株投資 を提唱している。 (続く)
May 10, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第102位は、とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法 (チャーリー・ティエン著、パンローリング、2018年) です。 本書は中国人物理学者で、バリュー投資家御用達サイトであるグルフォーカス・ドットコムの主催者であるチャーリー・ティエンが書いたものです。グルフォーカス・ドットコムでは著名投資家のポートフォリオや過去のパフォーマンスを見る事が出来るので私もたまにお邪魔しています。 さてこの本について最初に総評を述べると、ベンジャミン・グレアムジョン・テンプルトンウォーレン・バフェットチャーリー・マンガーピーター・リンチハワード・マークスモニッシュ・パブライ らの 歴戦のバリュー株投資家たちの過去の名著や言葉からの引用が非常に多く、辛辣に言うと、それらの「著しい劣化コピー」に過ぎない と思います。そして手練れのバリュー投資家の方々にとっては、「緩慢な復習にはなっても新しい発見はあまりない。」だろうとも感じます。 ただ、これは恐らく著者のキャラクターによる部分が大きいのかな?と思うのですが、第2章の「グレアム流のディープバリュー投資法」をこき下ろしてボロカスに言っている部分や、第7章の「投資にふさわしくない企業」の分析など、 なにかをディスることに関しては、比類のない天下一品の切れ味 を示してもいます。(笑) 私はこの株式投資本オールタイムベストシリーズを「減点法ではなく加点法」で書いているので、その異質で歪な長所を高く評価して、今回この本をランクインさせました。またバリュー投資にあまり馴染みのない投資家の方であれば、教科書的な使い方も出来るまずまずの良書であるとも考えています。それでは次回からは、ティエンの名人級のディスり芸を見ていくことと致しましょう。(続く)
May 9, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト101位 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社) の最終回第7弾です。 今日も、第26章 市場をやっつけられる? から。 完全な効率的市場の4つの特徴 EMH(効率的市場仮説)をもう一度見てみよう。完全に効率的な市場では誰も勝てない。そういう市場は次のようなことになっているはずだ。 特徴1 全ての情報は即座に大部分の市場参加者が手に入れられるようになる。 特徴2 大部分の市場参加者はお金に関して合理的である。 特徴3 大部分の市場参加者は手に入る関連情報を即座に評価し、すべての証券についてその時点で適正な価格を判断できる。 特徴4 新しい情報が出れば、市場価格は新しい適正価格へと即座に変化し、価格が変化するあいだを利用した取引で超過リターンを得ることは誰にもできない。 実際の市場の4つの特徴 現実の投資の世界を旅してきて、市場は非効率で、だから私たちの中にも市場に勝てる人がいるのがわかった。市場はこんなふうだ。 特徴1 情報の中には、たまたま正しいときに正しい場所にいた一握りの人たちにまず伝わるものがある。 特徴2 お金のことになると、私たちはそれぞれみんな、限られた形でしか合理的でない。。。現実の市場では、参加者の合理性にはかぎりがある。 特徴3 市場参加者は典型的に、証券の適正価格にかかわる情報の一部しか持ってはいない。 特徴4 だいたいの場合、ニュースに対する反応は数分、数時間、数日、あるいは数か月にわたって徐々に進む。その点は学界の文献でも報告されている。 市場に勝つために必要な4つの条件 条件1 よい情報が早く手に入る。 条件2 自制心を持った合理的な投資家である。論理と分析に基づいて動き、売り文句や思いつき、情緒に動かされない。。。自分にはエッジがある、大きな自信を持ってそう言えないかぎり、賭けに出てはいけない。 条件3 優れた分析の手法を見つける。 条件4 チャンスを見つけたら人々が群がる前に投資しよう。 情報を先に手に入れれば、食物連鎖の上に立てる 市場に勝つには自分がよく分かっている範囲内、自分の能力で評価できる範囲で投資することに集中すべきだ。「自分の土俵」というやつである。。。情報は「食物連鎖」をたどって流れ落ちていくのをわかっておこう。情報を最初に手に入れた人たちが「食べる側」、あとから手に入れる人たちは「食べられる側」だ。最後に、自分にはエッジがあると論理で示せるとき、そしてそれが適切なら実績で示せるときに限って投資するべきである。 どうしたら市場をやっつけられるのか? についてのソープの説明は非常に分かりやすいですね。 ここで自分が優位性(エッジ)を持っていると考えているやり方が何か?をざっくりと書いてみると、以下の2つは極めて高いエヴィデンスレベル(Aランク)があると思います。1. 優待バリュー株投資。 これは優待分だけインデックスよりも確実にプラスになる。プラスの幅は資産規模によるが0.1%~最大で2%程度。いずれにしても資金力に限りがある私達個人投資家にとっての「最大の武器」であることに間違いはない。2. パクリュー投資。 過去の長期間にわたってインデックスを圧倒的に凌駕する投資成績を出し続けている個人投資家・ファンドは実在する。彼らの保有株リストから投資候補先を探すのは極めて有効なやり方である。 そして上記の2つ以外はBランク以下となりますが、市場のゆがみの状態によって有効になるものとして、バリュー投資 、モメンタム投資 、クオリティ投資 、 小型株投資 などがあります。 すいません、ちょっと脱線しましたが、これでこの本の紹介は終わりです。とにかく面白い一冊なので、未読の方は是非。(終わり)
May 7, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト101位 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社) の第6弾です。 今日は、第26章 市場をやっつけられる? から。 私がブラックジャックに興味を持ったとき、最初は誰もが勝てっこないよと言った。。。だいたい、カジノに勝てる手口が出てきたらカジノはルールを変えて勝てなくするに決まっている。 私が株式市場に興味を持ったときも、投資について同じ主張を聞かされた。学者の連中は効率的市場仮説(EMH、Efficient Market Hypothesis)という一連の主張を作り上げた。彼らは金融市場のデータを使って、明日の株価は今日の株価を中心にでたらめに変動しているように見える、ということは予測はできない、と示した。 EMHは決して論理的に証明できない仮説だ。。。一方、反証するのは簡単で、EMHが成り立っていない事例を出すだけでいい。反証する事例がたくさん出れば出るほど、また重要であればあるほど、仮説は現実をうまく描けていないと言える。 これまで、私は過去に市場をどうやってやっつけることができたのか、ギャンブル、プリンストン・ニューポート・パートナーズ(PNP)、リッジラインパートナーズ、その他のヘッジファンドでの取引と実績、それにウォーレン・バフェットとバークシャー・ハサウェイにまつわる話を使って示してきた。 効率的市場仮説が間違っているというこのソープの説明には非常に説得力があります。何故なら彼自身の投資成績がそれを何よりも鮮やかに証明しているからです。 まさに私達アクティブ投資家にとっての光り輝く北極星。 ソープの言葉を読むと、私はいつも心の奥底から勇気がモリモリと湧き上がってくるのを感じます。(いよいよ最終回へ続く)
May 6, 2020
さて今日はゴールデンウィークスペシャルでもう1本記事を出します。続編です。それではどうぞ。 株式投資本オールタイムベスト101位 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社) の第5弾です。 今日は 第19章 安く買って、高く売って から。 ベイゼルも私も効率的市場仮説なんてはなから信じていなかった。ブラックジャックでもウォーレン・バフェットや友だちたちの経験を見ても、それにPNP(プリンストン・ニューポート・パートナーズ:1969~1989年までソープが運営していたヘッジファンドの名称)が日々成功していることからも、非効率はあちこちに溢れている。 私たちは、市場は効率的か? なんて考えなかった。むしろ どんな形でどれだけ市場は非効率だ? そして どうすればそれで儲けられる? を考えていた。 ソープが運営していたヘッジファンドであるPNPは1969~1988年の20年間で、S&P500株価指数が+10.2%の成績だったのに対して、19.1%(無限責任パートナーの報酬差引前の数値)、15.1%(有限責任パートナーの受け取ったネット・リターン)と圧倒的な成績を収めました。 また下の表を見れば分かる通り、単年度の成績でもマイナスになったこともありませんでした。この圧倒的な成績こそが、効率的市場仮説が間違っていることを鮮やかに示しています。 そして私もソープと同じで「市場は常に非効率である」と固く信じています。そしてそれを前提として、「市場には常に歪みがあり、それを発見することでお金を儲けることが出来る」と考えています。 過去数年「荒稼ぎ」が出来た「東証1部昇格狙い投資法」が封じられた今、私は次の有力な武器を求めて思索・探索の日々を送っています。(続く)
May 5, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト101位 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社) の第4弾です。 今日は第14章 クオンツ革命をフロントランニング から。 ブラックとショールズの先へ 私の積分法にはブラック=ショールズモデルより優れた点がもう1つあった。ブラック=ショールズは株価の分布に関しては特定のモデル1つに頼っていて、正確さは限られていた。 サラッと書いていますが、ソープの革新性と天才性が如実に表れていますね。 極端なシナリオを無視するとどうなる? 1980年代以降、そうした技術のいくつかを先進的な投資銀行やヘッジファンドが使いだした。彼らは私たちが退けた考え方、いわゆるVaR、つまり「バリュー・アット・リスク」を採用していた。これはポートフォリオが、将来起こり得る状態のうち95%の確からしさで被る最悪の損失を推定したものだ。残るのは5%の確率で起こる極端な事態、いわゆる「テイル」だがそれは無視する。 VaRそのものの欠陥は、起こり得る事態のうち最悪の5%をちゃんと見ないことだ。でもそういう極端なシナリオの下にこそ破滅が潜んでいる。加えて、証券価格の極端な変化は、ガウス分布つまり正規分布を使った標準的な統計の方法で想定するよりもずっと大きいものだ。 1987年10月19日にDJIAが23%下がったとき、ファイナンス学会最高の先生たちは、宇宙開闢(かいびゃく)以来の130億年、市場で毎日取引が行われていても、そんなことが一度でも起きる確率はほとんどゼロだと言っていた。 私たちはもっと全体を見る立場を取っていた。テイル・リスクを分析して取り込み、極端なシナリオを考えた。 市場では「確率的には滅多に起こらないはずのシナリオ」は実際には頻繁に起きます。なので私達投資家は「常に最悪に備える」、「想定を超える暴落が来てもなんとか生き残れる」様にポートフォリオを編成しておくことが大切なんですね。(続く)
May 5, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト101位 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社) の第3弾です。 今日は第9章 ルーレットの目を読むコンピュータ から。 いいアイディアはないしょに 噂や秘密が広まる仕組みを研究している社会的ネットワークの学者がこう言っていると言う。たとえばアメリカにいる人をでたらめに2人選び、知り合いを伝っていけば普通は3人以下でもう1人にたどり着ける。それを3次の隔たりと言う。 生まれついての習慣で、私はこの主張をたびたび試した。びっくりするような結果がよく出た。 見知らぬ同士を結び付けるのに必要なつながりの数はそんなに多くないという事実で、噂がなぜ素早く幅広く伝わるのかが説明できる。だから投資のいいアイディアを見つけたらないしょにしておいたほうがいいかもしれない。 このソープの指摘は大切ですね。私達が戦う投資の世界では「画期的なアイディア」があれば、それ1つで数千万円場合によっては数億円というお金を稼ぐことが出来ます。 なので「良い投資アイディア」を思い付いた場合には、しゃべるとしても長年の親友くらいに留めておくべきで、決してネット上でペラペラとしゃべったりしてはいけないということです。まさに、 雄弁は銀、沈黙は金 なんですね。(続く)
May 4, 2020
さてゴールデンウイーク突入ですが、「お出かけ大作戦」を封じられていて時間が余っている関係で、今日はもう1本ブログ記事を出します。書評記事の続編です。通常の日記のフォーマットでお送りします。♪ さて今日は株式投資本オールタイムベスト101位 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社) の第2弾です。 今日はまずそのウイスキー好きと激辛評論で知られる強面経済評論家の山崎元さんによる書評から。 本書を読んでワクワクしない人は、たぶん投資に不向きな人だろう。 山崎さんは逆説的にシニカルな誉め方をしていますが、これはつまり、 我々投資家がこの本を読むと滅茶苦茶面白い ということです。 次は、私の株式投資本オールタイムベスト第10位である超名著 まぐれ の著者である、ナシーム・ニコラス・タレブによる素晴らしい序文から。 ソープは知的な意味で心の広い人としても有名で、自分の発見を誰彼なしに喜んで語る。科学者にはそうあってほしいと思うけれど普通はそんなことはない。それなのに彼は謙虚だ。地上でただ1人の謙虚なトレーダーと言っていいだろう。 ソープはリスク・テイクに数理的手法で立ち向かって成功した、現代で最初の数学者だ。そして間違いなく、そうやってお金の面でも成功した最初の数学者だ。以来、「クオンツ」と呼ばれる種族が生まれた。 タレブはとにかく口が悪いことで有名な「数理系トレーダー&大学教授」ですが、この序文では気味が悪いくらいにソープのことを絶賛しています。 タレブは「簡単なことを分解&再構成して難しく表現する天才」であり、一方のソープは「難しいことを単純化して簡潔に表現することの天才」です。同じ天才同士、やっぱり惹かれ合うものがあるのでしょうか? さてそれでは次回からはいよいよ本文を見ていくことと致しましょう。(続く)
May 2, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベストシリーズです。 第101位は、天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(エドワード・ソープ著、ダイヤモンド社、2019年) です。彼自身が自分の生涯を振り返った伝記となります。尚下記で使用している写真は原則として天才数学者、ラスベガスとウォール街を制すからの引用となります。 さてエドワード・ソープと言えば、私達投資家にとっては「レジェンド」そのものです。 今日は、超名著である、続マーケットの魔術師 の中の インタビュー から、彼のその偉大な功績を振り返っておきます。 ルーレットで勝つために使える、最初のウェアラブルコンピューターをクロード・シャノンと共同開発した。 プレーヤーがエッジ(優位性)を得られるブラックジャックの賭け戦略を始めて考案し、それを世界的なベストセラーの「ディーラーをやっつけろ(パンローリング社)」で公開した。その本のせいで、カジノは運営方法を変えざるを得なくなった。 ブラック・ショールズモデルと同等のオプション価格決定モデルを方程式化した最初の人物である。彼は同モデルが公表される前に、同等の方程式を使って、実際にワラントとオプションのトレードを長年に渡って行い、大きな利益を上げた。 マーケットニュートラル戦略のファンドを初めて設立した。 成功した最初のクオンツファンドの設立者である。 バーニー・マドフが詐欺を働いていると見破った、おそらく最初の人物。 いやあ、改めて見ると凄い人物ですね。それでは次回からはいよいよ本書に分け入っていくことと致しましょう。(続く)
May 2, 2020
いやあ、ゴールデンウイーク直前とは思えない静寂さの中で5月を迎えましたね。 さて今月のプロフィール画像は、星野源さんの「うちで踊ろう」とのコラボレーション企画です。具体的には、 うちで踊ろう みきまるバージョン 🎹🎹🎹 です。 COVID-19の猛威を、日本中の皆で力を合わせて乗り越えていきたいという思いをイラストにしています。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
May 1, 2020
いやあ激動の2020年4月が終わりましたね。 今月は緊急事態宣言が全国に発令された関係で、多くのお店が閉まり、街の明かりが消え、自粛・緊縮・静粛の「3粛」を実感する静謐な1か月となりました。 市場では4月中旬までは、 ウィズ・コロナ銘柄 が持て囃されましたが、下旬にはそれらの多くは下落傾向となり、今度は早くも アフター・コロナ銘柄 が物色される流れとなりました。 緊急事態宣言が更に1か月程度延長されそうな現在、アフター・コロナを手掛けるのはまだ早すぎるような気が個人的にはしているのですが、マーケットはそうは判断していないようで、相変わらず市場の考えていることは良く分かりません。ま、今までも大して理解できたこともないのですが。(滝汗) 次に今月の成績ですが、対2019年末比でー17.0%となりました。未だ年初来大幅マイナスではありますが、先月末はー26.2%かつ一時期は瞬間最大風速でー34.2%まで掘っており、自らが長年をかけて作り上げてきた「優待バリュー株王国」が崩壊しそうな、「おケツ火だるまの大ピンチ」に直面して訳なので、そこから比べるとだいぶ回復しました。 来月のポイントとしては、本当に全国一律の金太郎飴的な緊急事態宣言が延長されるのか、そしてその期間はどのくらいになるか、だと思います。状況を見ながら、ポートフォリオ最上位で戦う銘柄に関しても必要があれば迅速・柔軟に入れ替えも検討していきます。それでは皆様、来月もよろしくお願い申し上げます。
Apr 30, 2020
さて今日は2019~20主力株概況シリーズです。ここからはJ3ランク(主力候補の有望銘柄)を見ていきます。31位 5284 ヤマウ(東JQS、非優待株) ◎◎ PF時価総額31位のPF上位銘柄は、土木中心のコンクリート2次製品メーカーで、九州が地盤のヤマウです。 現在の株価は348円、時価総額21億円、PBR0.44、自己資本比率は29.8%、今期予想PER4.09、配当利回り3.2%(11円)で、優待はありません。 さてヤマウは2014年3月期に自然災害による特需で利益が急伸したことがありました。(上記データはかぶたんプレミアムより引用) そして災害による特需は遅れて発生します。九州では2016年4月に熊本で大きな震災があったために、「そろそろ特需が発生してもおかしくないな。それにもしも特需がなくても、ヤマウは元々指標的に超割安なので、ここから株価が暴落することもないだろう。非優待株なのが玉にキスだけど、総合的に考えてローリスク・ミドルリターンの非常に良い案件だな。」と考えて、2017年に多めに買っていました。 そして2019年に入って復旧工事でコンクリ製品の需要が本格化しましたが、同時に運搬コストの高騰と原材料高が痛打し、ヤマウの業績は私が期待したようには伸びませんでした。 私は、「ヤマウは残念ながら自分が思っていたのとはその後の事態がちょっと違ったな。ただ指標的には相変わらず超激安だし、別に今すぐに叩き売らなくてはならないという状況でもない。ま、もう少し様子見でいいかな。」と思って現時点ではホールドを続けています。 ま、ここは結果としては「やや失敗の投資」でしたが、だからと言って致命傷になる程悪かったわけでもない、という実に微妙な案件でしたね。(滝汗) 2020主力株概況シリーズ 免責事項2020主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Apr 29, 2020
さて市場ではほんのしばらく前までは、地方スーパー、ディスカウントストア、ドラッグストア、物流関連などのいわゆる ウイズ・コロナ銘柄 が持て囃され実際に株価も急騰していたわけですが、このところそれらは反落するか株価ヨコヨコで推移し軟調になってきています。 そしてその代わりに、COVID-19が終息したら業績が大きく回復しそうな、いわゆる アフターコロナ銘柄 が上昇し始めています。ブライダル関連・外食関連・遊技機関連・外車販売・高級品販売小売なんかですね。 具体的に私のポートフォリオ上位で該当する銘柄で言うと、 2780 コメ兵 3097 物語コーポレーション 3538 ウイルプラスホールディングス 6425 ユニバーサルエンターテインメント あたりが大きく騰がってきています。 自分の素肌感覚だと、「未だしばらくはウィズ・コロナ時代が続くんじゃないだろうか。 まだちょっとアフター・コロナ銘柄を手掛けるのは早過ぎるんじゃないかな?」と思うのですが、神なるマーケットには「少し先の未来を予見する魔法の鏡」としての偉大な力があります。 これはもしかすると、5月7日には緊急事態宣言が全国一律で解除されて、また同時に日本でのCOVID-19の感染が終息し、一気にポストコロナの時代がやってくる可能性があるのかもしれません。 株式市場って、本当に複雑で、乱暴で、猥雑で、気まぐれで、どうしようもないです。そしてだからこそ、私はもう20年間も熱狂し続けながら戦い続けている訳です。まるで、 悪魔の竜宮城 の様に、妖艶で魅惑的な世界なんですね。♪
Apr 28, 2020
さて大変なご好評を戴いている 「株式投資本オールタイムベストシリーズ」 ですが、今日はその ベスト100 をまとめておきます。 このシリーズを何の気なしに5年前に書き始めた時には、まさかベスト100まで書き上げる日が来るとは夢にも思いませんでした。ちょっと感慨深いですね。。。。 また改めてですが、当シリーズからのスピンアウト企画で、パンローリング社の書籍の扱いがある全国の大きな本屋さんで発売中&好評に付き重版出来(じゅうばんしゅったい)となっている みきまるの「書籍版」株式投資本オールタイムベスト 及び、その続編で同じく好評を頂いている みきまるの続「書籍版」株式投資本オールタイムベスト も改めてよろしくお願い申し上げます。 さて私が投資家としての生を受けて今年で20年が経ちました。今日紹介するのは、今までに数千時間以上をかけて読み倒してきた数百冊の投資本の中のまさに至高の「ベスト・オブ・ベスト」です。 今この日記を書いている机から10秒以内に手が届くところに全てがある、投資家として「全幅の信頼を寄せている」本たちです。私は資産を失っても、家を失っても、投資家として何度でもやり直せるという絶対の自信があります。でもその時にもしも、この子達が自らの傍にいなかったらそれはもう全然ダメです。つまり この記事は、私の投資家としての頭の中の全て ものの見方・考え方の全て ということです。 そして同時にこの記事は、私の投資家としての 「ある意味での集大成」 とも言える内容でもあります。このベスト100には私がどのような投資家であり、何を大切にしているのか、そしてどういうことを考えて毎日を戦っているのか、の全てが表出していると思っています。 全部読めば実力UP間違いなし、まさに「永久保存版」 絶対の自信を持って皆様に贈る渾身の日記となります。 前置きが長くなりました。 それでは早速始めましょう。 1~10位 11~20位 21~30位31~40位41~50位 51~60位61~65位66~70位 71~75位 76~80位81~85位 85~90位91~95位 なお未読の方は「持てる筆力の全てを尽くした」完全燃焼の上記のベスト95を是非今すぐに御覧下さい。 96位 イベントドリブントレード入門 (羽根英樹著、パンローリング社 2019年) はっきり言いますが、この本は値段が安すぎる・定価設定が間違っていると思います。読んだその日からダイレクトに投資に役立つ貴重な知見に溢れており、とても2000円で、それも日本全国で堂々と売っていいような内容ではありません。最低でも7800~9800円が妥当な価格でしょう。最高の一冊ですね。1.総論2. 市場の価格がTOB価格を上回った場合は、「何か」がある可能性が高まる お勧め3. 歴史は繰り返す4. 謙虚さと出口戦略が大事97位 「恐怖で買って、強欲で売る」 短期売買法 (ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング社 2019年) 「自分が感じる恐怖を優位性に変える」秘密の方法をついに解き明かしてくれた新世代の名著ですね。1. 総論2. 恐怖と強欲と相場3. 「恐怖効果」には市場トップクラスの優位性がある4. コナーズの様な文章が書きたい5. 「モメンタム効果」と「恐怖効果」のマリアージュの素晴らしさ6. TPS戦略7. 恐怖効果には普遍性・永続性がある お勧め98位 魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門 (リンダ・ブラッドフォード・ラシュキ / ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング社 1999年) この本は21年前の発売以来、「短期トレーダーのバイブル」として名高い名著です。長年のロングセラーであり、現在8刷と重版を重ねてもいます。また、定価が30800円と「高額な本が多いパンローリング社の中でも、トップクラスに高い超高級本」としても知られています。そして肝心の中身も素晴らしいです。1. 総論2. アヒルが鳴いたら、餌をくれてやれ3. タートル・スープ お勧め4. マーケットに自らを語らせることが重要 お勧め99位 イベントトレーディング入門 (アンドリュー・ブッシュ著、パンローリング、2011年) この本は、感染症・大災害・テロ・政変などの「特殊なイベント」が発生した時の運用方法について解説した貴重な1冊です。 「他に似た本が全くない」という意味において素晴らしい本 です。 また2020年4月現在は、中国発の新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎の感染拡大の影響で世界中の株式市場が激しく動揺しており、「非常にタイムリーな1冊」という言い方も出来ると思います。1. 総論2. SARS3. 地震と津波100位 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) 株式投資本に関する名著が量産され「黄金期」とも言える充実したディケイド(10年間)となった2010年代ですが、その豊かな実りの期間の最後を飾る、決定打の最高の1冊ですね。1. 総論2. トレンドフォロワーとのインタビュー3. 人々は本質的にトレンドに従う性向がある お勧め4. 市場価格は完全に効率的ではなく、完全に非効率的でもない5. 2種類のモメンタム6. バフェットの利益の秘密の源泉 お勧め7. あらゆるタイプの投資家にとって、トレンドフォローには無視できない力がある以上、みきまるの優待バリュー株日誌特別編、株式投資本オールタイムベスト100のまとめでした。
Apr 26, 2020
さて今日は、2019~20主力株概況シリーズで紹介してきたポートフォリオTOP30銘柄をまとめておきます。 尚最初にお断りしておきますが、マーケットに吹き荒れるデビルコロナの影響で現在私は必死にポートフォリオの改築を進めています。 具体的にはCOVID-19の悪影響を受けにくい、もしくは逆にそれを追い風に出来る「ウイズコロナ銘柄」への資金集中を加速しています。 そのため、今回の21~30位の中には、登場後の市場環境の激変によって既にポジションを再び大きく落としているものもあります。ご了承ください。 まず復習として、TOP20銘柄についてはこちらをどうぞ。 1~10位 11~20位 それでは私にとって大切なPF上位銘柄がぎっちりと並ぶ、21~30位のまとめです。21位 2790 ナフコ ホームセンター業界は成長力に乏しいことから全体的に不人気で株価も割安ですが、その中でもナフコの割安さはずば抜けて突出しています。具体的に言うと、超低PBR&好財務&過去25年間一度も赤字のない手堅い業績が素晴らしいですね。22位 4754 トスネット 指標的な割安さ、地味ながら着実な成長力、堅牢な財務、魅力的な優待 の4つの魅力を兼ね備えた、いぶし銀の実力派銘柄です。新型コロナの影響で株価が急落していますが、相対的な戦闘力は逆に上がっている気がしますね。23位 9202 ANAホールディングス 、、、その後の新型コロナウイルスの全世界への爆発的な蔓延を受け、私は「PF最上位の一角で戦えるだけの戦闘力が、現時点のANAには残念ながら既に全く無い。」と考え直しました。そのため今は一旦「母なる優待株いけす」へと戻りました。24位 5923 高田機工 ここは、資産バリュー株として見た場合の割安さは日本市場トップクラス ですし、優待廃止がない限りはこのまま楽しくホールドして応援していく予定です。25位 3258 ユニゾホールディングス、、、今は全株を売却し、勝負を終えました。永い間、大変お世話になり深く感謝しています。26位 7228 デイトナ ニッチ市場で着実な成長を遂げ、また同時に指標的な割安さとまずまずの総合利回りも兼ね備えた、成長バリュー、収益バリュー、優待バリューの「3本の矢」が揃った「ハイクオリティ特別選抜銘柄」ですね。27位 3538 ウイルプラスホールディングス ここもデイトナ同様で、成長バリュー・収益バリュー・優待バリューの「3本の矢」のある魅力的な超小型株ですね。28位 8167 リテールパートナーズ 「デビルコロナ真っ只中」の混とんとしたこの世界で、リテールパートナーズは、ローリスク・ミドルリターンの良質な期待値を持った、最上級のエクセレントな銘柄に復帰したと考えています。29位 8203 ミスターマックス・ホールディングス 突如勃発したコロナ騒動の中で既存店月次が逆に急激に良化していることを最大限に高く評価し、「ウイズコロナ銘柄」として、再び鬼プッシュして大きく買い乗せしました。30位 7561 コーナン商事 ここも2月以降の既存店月次が急激に良化しており、「ウイズコロナ銘柄」の資格があると思います。指標的に十分に安いのもいいですね。 以上、2019~20ポートフォリオTOP30のまとめ でした。2020主力株概況シリーズ 免責事項2020主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Apr 25, 2020
COVID-19の猛威に対する緊急事態宣言が全国に発令されてしばらくが経ちました。自粛への圧力は日々高まっており、車で夜街を走ると、「あぁ、灯りが消えて本当に暗くなったなあ。」と実感しています。 今のところ緊急事態宣言は5月6日までの予定ですが、「明らかに新型コロナウイルスへの感染者数が激減した」というニュースは聞かないですし、個人的には少なくとも5月末くらいまではそのまま延長されるのではないか?と考えています。 では、5月31日になったら、魔法の解けたシンデレラのように日本全国津々浦々にビフォアコロナの様な自由闊達な社会が戻ってくるのでしょうか? もちろん現時点では誰にも分からないことですが、感染者・死亡者・全国各地の医療機関のひっ迫状況によっては、更に1か月、2か月とダラダラと緊急事態宣言の延長が長引く可能性もあるように感じています。政治家にとって「自粛の解除」のリスクはかなり高いと考えています。 でも、もしもそうなると、COVID-19が「モロに敵になる」自己資本比率の低い小売企業・外食企業・宿泊業・ブライダル企業・航空関連企業あたりからは破綻するところが続出するように思います。そしてこれらの企業の多くの株価には、例えば「緊急事態宣言が9月末までこのままずっと続く」リスクは現時点では織り込まれていないと見ています。 私は、 過酷なウィズ・コロナ時代が少なくともここから半年、長ければ2年続く と言う 悪夢のプランB が発動することに備えて、現在ポートフォリオの急速な ウィズ・コロナ シフト を進めています。 そしてこの1週間でそれを加速し、デビルコロナの悪影響が業績に直撃しそうな銘柄の保有比率を更に大きく圧縮して減らしました。憂鬱な投資行動でしたが、私はCOVID-19とそのまま一緒に冥界に旅立つわけには行きませんし、腹を括りました。 一体ウィズ・コロナ時代はいつまで続くのでしょう。皆様はどう思われますか?
Apr 24, 2020
さて私はしばらく前から、邪悪で強大な新型コロナウイルス の影響が今後長期間に及ぶ可能性があることを危惧しており、ポートフォリオの「デビルコロナシフト」を急速に進めています。 さて今の株式市場のコンセンサスを見ると、「コロナの悪影響はせいぜい後2、3か月」という前提で株価が形成されている銘柄が非常に多いです。 でも仮に悪い方の「プランB」が発動して今の緊急事態宣言が後6か月とか1年とか、そのまま延長延長でダラダラ続くとすると、固定費が重くて財務状態が悪い企業の中には、デビルコロナの圧力に負けて破綻に至るところが続出する可能性もあると個人的には考えています。 私は投資家として、「健康で長生きする」ことを最大の使命であると思っています。邪悪なデビルコロナとそのまま心中するわけにはいかないのです。 そこで今日は、 COVID-19の猛威がこれから仮に1年続いてもダメージが限定的、もしくは逆にそれをプラスに転換できる銘柄=ウィズ・コロナ銘柄 がどのようなものか?について考えてみたいと思います。 端的に言うと、 ウィズ・コロナ銘柄とは、邪悪で強大なデビルコロナのエンベロープに縄跳びを結び付けて、コロナの力でビューンと前に進む力がある銘柄 になります。 以下は、私が「ウィズ・コロナ」の今の時代に適していると考えて、現在ポートフォリオの上位に据えて戦っている銘柄とその簡単な理由です。尚、順位は本日現在の時価総額順の最新のものとなります。それでは早速始めましょう。2位 9027 ロジネットジャパン アマゾンの デリバリープロバイダー (Amazonの日本法人「アマゾンジャパン」が提携する地域限定の配送業者のこと。)になったことの効果で業績躍進中。 デビルコロナが猛威を振るえば振るうほどみんな巣ごもりしてアマゾンでどんどんと買い物をするようになるので、デビルの影響を受けにくい と考える。3位 7520 エコス 東京多摩地盤の食品スーパーで、指標的な割安感とまずまずの成長力を兼ね備えたいぶし銀銘柄。 デビルコロナの影響が今後長期間に及ぶとすると、業績は逆にじりじりと良くなる ように思う。 ウィズ・コロナ時代では、「自粛せずに普通通りに店舗を開け続ける権利がある」ことには途轍もなく大きな価値がある。4位 9057 遠州トラック アマゾンから幹線輸送と個別宅配業務受託を受けており、ここも ロジネットジャパン同様いい と思う。5位 8203 ミスターマックス・ホールディングス 九州地盤のディスカウントストア。先日の紹介記事でも書いたとおり、 デビルコロナ出現以降に既存店売上高が爆増(2月113.4%、3月112.5%) しており、「コロナ特需」を受ける銘柄であることは間違いない。6位 8167 リテールパートナーズ 西日本の有力食品スーパーの大連合。 コロナ地獄が長引けば長引くほど相対的には「浮いてくる」銘柄 と思っている。何故かというと、 出かけるところが食品スーパーくらいしかなくなる から。7位 3020 アプライド 九州地盤のパソコン小売店。 指標的に激安&みんなが在宅ワークをすると、パソコンや周辺機器の需要がドンドンと増える ので、ここは凄くいいと思う。12位 7932 ニッピ ここに関しては特にウィズ・コロナではないのですが、 「固定資産の譲渡による固定資産売却益5292百万円(概算)を特別利益に計上する見込みであり、2020 年5月15日公表予定の「2020年3月期決算短信」において、2021年3月期業績予想(連結・個別)に折り込む予定」 で、 今期の見た目の業績数字が抜群に良いことが「スケスケのスケルトンで丸見え。」なのが実にいい と思う。 15位 2790 ナフコ ホームセンター業界では相対的には弱いのだが、極限の低PBR(0.23)&好財務(自己資本比率62.8%)を誇っており、また コロナが猛威を振るう中でも既存店月次が悪くない(2月102.4%、3月97.3%) ことから、総合的にはとても良い銘柄と思う。17位 7516 コーナン商事 ここは 2月・3月の既存店月次が急激に良化(2月112.6%、3月109.2%)しており、COVID-19の悪影響を受けない銘柄なのは明白 と思う。またホームセンター業界の中でも同業他社に較べて相対戦闘力が高いのもとても良いと感じている。18位 7508 G-7ホールディングス 業績絶好調の「業務スーパー」のフランチャイズがメインの業態 であり、 コロナが長引いてもびくともしない と思う。20位 7228 デイトナ 、、、 バイクで孤独にツーリングするのは、「3密」からは程遠い ですし、今のご時世にあっていていいのではないでしょうか? 以上が私が現時点で考える、ウィズ・コロナ銘柄となります。 皆様も他に、「ウィズ・コロナ銘柄だったらここもいいよー。」というものがありましたら、是非私にも教えてください。2020主力株概況シリーズ 免責事項2020主力株概況シリーズ及びそのスピンアウト企画 は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次の、1つ上の無重力のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上かつ頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、死んだ目の魚になっていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものではありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも決して分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。魔法の水晶玉は残念ながら持ち合わせておりません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い、損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.000%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Apr 19, 2020
さて今日は当ブログダントツ一番人気の 2019~20主力株概況シリーズ です。 30位 7516 コーナン商事 (東1、2月優待) ◎◎~◎◎◎ PF時価総額30位の準主力株は、ホームセンター業界4位で大阪地盤のコーナン商事です。 現在の株価は2413円、時価総額836億円、PBR0.67、自己資本比率は32.8%、今期予想PER6.93、配当利回り2.2%(54円)、総合利回り2.7%(54+10=64円、優待券のヤフオク平均落札価格は驚異の額面の98~100%!。そのためここでは額面の100%で換算)で、優待は100株保有で1000円相当の自社商品券です。1000株保有までは戴ける商品券はどんどんと増えていきます。また今期からは優待品は商品券に統一され、3年以上保有の場合には優待券が更に追加されます。 実際の買い物例を御覧頂きましょう。 コーナン商事は他の中堅ホームセンターの買収などを通じてマイルドながらも確実な成長力があり、また自社PB商品の拡充などを通じて着実に利益率も高まってきています。 更に同時に指標的に非常に割安で、過去25年間で一度も赤字もありません。総合的に考えてこの数年で極上&エクセレントな銘柄に変貌していると考えます。(上記データはかぶたんプレミアムより引用) また 既存店月次を見ても、2020年2月が112.6%、3月が109.2% と、新型コロナウイルスの悪影響を受けていないばかりか、逆にそれを追い風に出来る、 ウィズ・コロナ銘柄 でもあります。 そのためコーナン商事は、優待MAX分を保有していくのに全く問題が無いばかりか、更にポートフォリオ最上位の一角で戦えるだけの総合戦闘力を持った銘柄であると認識を新たにしています。 、、、ということで、私は久しぶりにここを大きく買い増ししました。仕込みの関係で紹介が少し遅くなりましたが、本日の最新のランキングではPF20位以内にまでググっと順位を上げてきています。 驚異の低PBR(0.23)を誇る業界5位の 2790ナフコ と併せ、 ホームセンター業界からのハイクオリティ特別選抜2銘柄 として楽しく戦っていきたいと考えています。2020主力株概況シリーズ 免責事項2020主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次の、1つ上の無重力のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上かつ頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、死んだ目の魚になっていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものではありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも決して分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。魔法の水晶玉は残念ながら持ち合わせておりません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い、損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.000%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Apr 17, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト100位 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) の最終回第7弾です。 今日は第3部 トレンドフォローに関する研究論文 から。 具体的には、第23章 ブラックボックス化されたトレンドフォロー - ベールをはがす を見ておきましょう。 本論文の目的はブラックボックス化したトレンドフォロー戦略の神秘のベールを取り除き、単一の製品としての性質、またポートフォリオ内における性質を分析することである。 具体的な分析内容は以下のとおりである。 1. 特定のパラメーター、トレード対象となる市場、リスク管理戦略を含むブラックボックス化したトレンドフォロー戦略を透明化する。 2. そういった戦略のリターンの源泉を分析し、そのリターンをバークレイズBTOP50マネージド・フューチャーズ・インデックス(BTOP50)およびS&P500指数(S&P500)と比較する。 トレンドフォローフィルターとして最もよく用いられる2つのテクニカルインディケーターは、チャネルブレイクアウトと単純移動平均の交差である。 CB50 C=今日の終値 HC(50)=今日を含む過去50日の最高値の終値 LC(50)=今日を含む過去50日の最安値の終値 買いシグナル C=HC(50)なら、明日の寄り付きで成り行きで買う 売りシグナル C=LC(50)なら、明日の寄り付きで成り行きで売る MA10×100 MA10=今日を含む過去10日の終値の平均 MA100=今日を含む過去100日の終値の平均 買いシグナル MA10>MA100なら、明日の寄り付きで成り行きで買う 売りシグナル MA10<MA100なら、明日の寄り付きで成り行きで売る 各戦略のパフォーマンス パフォーマンス結果とグラフ 2つのシンプルなトレンドフォロー戦略のリターンは非常に魅力的だ。報酬を含んだ場合も含まない場合も、トレンドフォロー戦略はS&P500とBTOP50をアウトパフォームしている。2つのトレンドフォロー戦略であるMA10×100とCB50の20年の分析期間における年次リターンはそれぞれ15.1%と12.8%である。 また2つのトレンドフォロー戦略のS&P500に対するアルファは年間5%~11%とかなり大きい。 この論文を読むと、1. トレンドフォロー戦略の成績の良さ2. トレンドフォロー戦略のシンプルさ がはっきりと分かります。 成績が良くて更にやりかたも単純な訳ですから、これはもう最高ですね。(笑) つまり、あらゆるタイプの投資家にとって、トレンドフォローには無視できない力があるということです。 さてこれでこの本の紹介は終わりです。大著ですが間違いなく読む価値のある傑作です。皆様も気合を入れてどうぞ。(終わり)
Apr 16, 2020
本日2020年4月11日、当ブログ「みきまるの優待バリュー株日誌」は累計3000万アクセスを達成しました。 3000万アクセス、これは率直に言って2005年10月に 最初の日記 を書き始めた頃には想像も出来なかった、凄い数字と思います。私の日記のどこにこれほどのアクセスを戴けるだけの力があったのか、実は自分でも本当のところは良く分からないのですが、いずれにせよ皆様からの多数のご訪問を戴けたことをとても嬉しく思っています。 そして最近でも平均して10000/日を超えるアクセスを戴き 今日、ついに3000万アクセスを達成しました。 私が専門としている「優待バリュー株投資」は、たくさんの銘柄を最小単元ずつ買うことによって無理なくポートフォリオの防御力・総合利回りを上げることが出来る、資金力の限られた我々個人投資家に最適な安全で楽しい投資法と考えています。 これからも健康に留意しながら楽しく日記を更新していきますので、「みきまるの優待バリュー株日誌」 (初代 みきまる君) を引き続きよろしくお願いいたします。
Apr 11, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト100位 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) の久方ぶりの第6弾です。 今日も第18章 ラッセ・ヘジ・ペダーセン から。 ラッセ・ヘジ・ペダーセンは、デンマークの金融経済学者で、流動性リスクや資産の価格付けの研究で有名だ。ニューヨーク大学スターンビジネススクールのファイナンスおよび代替投資学の教授で、AQRキャピタル・マネジメントの社長でもある。 私たちが最初に注目したのは、ウォーレン・バフェットはどれくらいうまくいっているのかということです。世界で大金持ちの1人になるには、どれくらいうまくいく必要があるのかということです。 バリューファクターでは彼のパフォーマンスのほんの一部しか説明できません。バリューファクターでは説明できないものが大きなアルファです。そこで、リターンをクオリティによるものと考えてみようということになったわけです。彼は割安な株だけでなく、クオリティの高い株も買います。 彼のパフォーマンスを、バリューファクターを含む標準的なファクターだけでなく、クオリティ・マイナス・ジャンクと呼ばれるファクター、それともっと安全な株をとらえるファクター、いわゆるベット・アゲインスト・ベータ(ベータの低い資産を買って、ベータの高い資産を売る)というファクターと考え併せてみると、彼のパフォーマンスの大部分を説明できることが分かり、彼のパフォーマンスに近いパフォーマンスを上げる戦略を作ることに成功しました。これで彼のアルファのすべてが説明できるわけです。 彼はバリュー投資家であり、クオリティ投資家であり、安定した利益の出るクオリティ企業を手ごろな価格で買う投資家でもあります。 クオリティ企業は一般に業績が良い。彼は初期の段階でこれを認識して買ったことで利益を上げたのです。 このペダーセンによる「バフェットのアルファの秘密」の解説はとても歯切れがよくて勉強になりました。 バフェットは バリューファクター + クオリティファクター を用いて利益を上げてきたということですが、私の個人的な考えでは彼は更にプラスして、 恐怖ファクター も使っていると思います。 それにしても「バフェットの利益の秘密の源泉」を探るのにこれほど長い時間がかかったということが、バフェットの天才性を何よりも如実に語っている気がしますね。(続く)
Apr 10, 2020
私は元々は、「新型コロナウイルスとか言っても所詮はコロナの一種なんだろ。基本的に昔からある風邪のウイルスに過ぎないんだし、熱には弱いはず。春になれば自然に収まるだろう。」と軽く考えていました。 なので、市場がコロナの影響で下がり始めると、「おっ、これはまたとないチャンスだ。どんどん買い進もう。」と手持ちのキャッシュポジションを使いながらご機嫌でサクサクと買っていきました。この時には、デビルコロナのことをまだ強敵であるとは全く思っていなかったのです。 この頃は、「コロナ騒動は比較的短期で、春頃には終息するだろう。」という前提で、コロナリバウンドが狙えそうな銘柄を中心にオラオラで買っていました。9201JAL、9202ANAの航空株とか、8233高島屋などの百貨店株なんかです。 ところが自分の意に反してコロナの猛威は留まるところを知らず、段々と全世界中に広がり始めました。私が「コロナ相場初期」に買っていた銘柄の多くは、リバウンドどころか更に谷底に加速しながら転がり落ちる勢いで、どうしようもありません。 土俵際ぎりぎりまで追い詰められた私は、遅まきながら「デビルコロナが強大な敵である」という事実を認識しました。そしてコロナの邪悪なパワーが前期・今期決算を直撃しそうな銘柄群のポジションを思い切って大幅に圧縮しました。切って切って切りまくりました。途轍もない、とてもこのブログでは書けないくらいの巨大な実現損が出ましたが、仕方がありません。 私は投資家として、何があっても、どんな市場環境下であっても生き残らなくてはなりません。それが唯一のルール。絶対に、死んでも「土俵を割る」訳には行かないのです。(滝汗) 大量の損切りでポートフォリオの含み損を一掃し、精神的なゆとりと健全さを取り戻した私は、今度は、「コロナの邪悪なパワー」が決算に悪影響を与えない、もしくはその強大な力をプラスに転換できる銘柄群への資金移動=コロナシフトを開始しました。 具体的には、2月、3月の月次が良い地方スーパー、ディスカウントストア、ホームセンターの中で、指標的に十分に割安な所に狙いを定めて主力に据えました。2790 ナフコ7520 エコス8167 リテールパートナーズ なんかですね。あともう少しありますが、これはまたいずれ主力株概況シリーズで書きます。 要は、緊急外科手術によって、新型コロナウイルスの邪悪過ぎるパワーを逆に利用できる銘柄群へ思い切ってポートフォリオを入れ替えたということです。 投資家人生20年間の中で今が最大のピンチという実感がありますし、ここまでの戦いで自らの認識不足や戦略ミスもあって多くの血を流しました。「beforeコロナ」の世界で長年主力として楽しく戦い、苦楽を共にしてきた銘柄のいくつかとの辛い辛い別れもありました。 今は、「COVID19の猛威が仮に今後1年続いても十分に戦える」、そういった銘柄群に残った資金を集中させ、新たな主力銘柄群を表に立てて「心機一転」して歩み始めています。 コロナ相場だからこそ輝く、新たな発想で迎え入れたフレッシュな超主力株達と共に、引き続き集中して相場に取り組みたいと考えています。
Apr 7, 2020
いやあ、新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎が世界中で爆発的に広がり、リーマンショックを余裕で超える経済的なインパクトを与えそうな、とんでもない状況下で4月に突入しましたね。 さて今月のプロフィール画像は、 飛行機みきまる 🛬 です。 今のコロナ騒動が終息し、また誰もが世界中を自由に楽しく飛行機で行き交うことが出来る世界に一日でも早く戻ってほしい、という願いを込めています。 ま、いずれにせよ、引き続き丁寧に集中して戦って行きます。それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Apr 1, 2020
いやあ激動の2020年3月が終わりましたね。 今月も2月に続いてずっと苦しい展開でしたが、特に私が専門としている中小型の優待バリュー株には激しく売り込まれ、かつその後のリバウンドも弱めなところが多く、全くいいところのない、実にキツイ一か月となってしまいました。過去の20年間で一度も記憶にないくらいに厳しかったですね。。。 次に今月の成績ですが、対2019年末比でー26.2%となりました。一時期は瞬間最大風速でー34.2%くらいまで行っていたので、これでもある意味では少しは持ち直したとも言えるのですが、ま、言葉もありません。 ただ、市場で戦っていれば「あらゆることが起こりうる」訳なので、これは仕方ありません。気持ちを切らさず、勇気を失わず、快活さを保って引き続き頑張ります。それでは皆様、来月もよろしくお願い申し上げます。
Mar 31, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト100位 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) の好評第5弾です。 今日も珠玉の出来である、第18章 ラッセ・ヘジ・ペダーセン から。 ラッセ・ヘジ・ペダーセンは、デンマークの金融経済学者で、流動性リスクや資産の価格付けの研究で有名だ。ニューヨーク大学スターンビジネススクールのファイナンスおよび代替投資学の教授で、AQRキャピタル・マネジメントの社長でもある。 以下は著者のコベルが本書P28で述べている言葉。説明のために引用。 学術界の著名人たちはここに来て「モメンタム(=トレンドフォロー利益の源泉)」は存在すると言うようになった。しかし、ややこしいことに彼らが言うモメンタムには2種類ある。 時系列モメンタム(つまり、トレンドフォロー)とクロスセクショナルモメンタム(つまり、レラティブストレングス)だ。 引用終わり。 時系列モメンタムは絶対パフォーマンスに基づいて売買を行うもので、クロスセクショナルモメンタムは相対パフォーマンスに基づいて売買を行うものです。 例えば、株式市場が全体的に下落してきたとします。クロスセクショナルモメンタム投資では価値の下がった銘柄を買います。すべての銘柄が下落したとすると、下落率の小さい銘柄は下落率が大きい銘柄をアウトパフォームしたことになりますから、クロスセクショナルモメンタム投資家は下落率が小さな銘柄を買い、下落率が大きな銘柄を売ります。 これに対して、時系列モメンタム投資家、つまりマネージド・フューチャーズ・タイプの投資家はすべての銘柄を売ります。「どの銘柄も下落トレンドにあるので、すべて売ろう」というわけです。 このペダーセンの「2種類のモメンタム」の説明はとても分かりやすくて良かったです。つまり、 コベルの言うトレンドフォローとは、タイムシリーズ(時系列)モメンタムのこと なんですね。 以前から「モメンタムに関する用語はどうも難しくて、自分はしっかり理解できていないな。」と気になっていたところだったので、とても勉強になりました。(続く)
Mar 28, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト100位 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) の好評第4弾です。 第2部 トレンドフォロワーとのインタビュー を引き続き見ていきます。 今日は第18章 ラッセ・ヘジ・ペダーセン から。 ラッセ・ヘジ・ペダーセンは、デンマークの金融経済学者で、流動性リスクや資産の価格付けの研究で有名だ。ニューヨーク大学スターンビジネススクールのファイナンスおよび代替投資学の教授で、AQRキャピタル・マネジメントの社長でもある。 市場価格は完全に効率的ではなく、完全に非効率的でもないと私は考えているんです。 市場は賢明なアセットマネジャーやアクティブ投資家が市場を打ち負かし、資産価格に関する情報を得たり、トレードにかかったすべてのコストを賄えるほどには非効率的ですが、それと同時に、限界的な投資家がアクティブ投資に対して無関心でいられるほどの効率性はあり、そのメリットはパフォーマンスが向上することです。 市場は完全には効率的ではありませんが、完全に非効率でもないというちょうどよい均衡状態にあると私は思っています。 私はこのペダーセンの指摘は「程よい真実」を突いているなあと思いました。私たちアクティブ投資家とインデックス投資家の間には極めて根深い「宗教的対立」があり、まともな議論がほとんど成り立ちません。それは例えば、マネー雑誌で「著名アクティブ投資家×著名インデックス投資家」の対談を未だ寡聞にして見たことがないことが如実に証明しています。 多分、間に「ガラスの檻」を設置して対談させないと、すぐに「血みどろの肉弾戦の殴り合い」になってしまって危なくて仕方がないので、それで、企画やアイデアとしてはあっても現実には実現しないのだろうと思っています。(笑) でも実際には、私たちアクティブ投資家は自分の経験からもまた周りの友人の方の長期成績を見ても、その努力に「ある程度」応じたアルファ(追加的報酬)を得ている場合が多いですし、またインデックス投資家の方も「ほったらかし投資&最低限の努力」で市場平均のパフォーマンスを得られて満足されていますし、つまりは「両方ともそれなりにうまくいく」ということなんですね。(続く)
Mar 26, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト100位 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) の第3弾です。 今日からは、第2部 トレンドフォロワーとのインタビュー を具体的に見ていきます。 まずは、第14章 ジャン・フィリップ・ブショー から。 ジャン・フィリップ・ブショーはフランスの物理学者で、キャピタル・ファンド・マネジメント(CFM)の創始者兼会長である。 トレンドを使ってトレードするトレーダーは200年も前から存在しました。トレンドフォロワーの役割を果たし、トレンドを作る人々がたくさんいるのです。だからトレンドが存在する。これが私の解釈です。 トレンドは昔から存在するし、トレンドフォロワーは利益を出し続けてきました。でも「なぜトレンドがあるのか?」は実に深い問題ですね。ブショーの答えはとても哲学的です。続きを見ていきましょう。 人々は本質的にトレンドに従う性向があります。 心理学的実験には非常に興味深いものがたくさんあって、例えば、小さな子供に直線状に並んだ3つの点を見せると、それだけで彼らは喜びます、、、私たちは過去のトレンドを将来に当てはめるようにプログラミングされています。おそらくは襲い掛かってくるトラの動きを予測するときも同じように考えるでしょう。だから私たちは今こうして生きている。 トレンドに従うよりも逆らうことのほうがはるかに難しいと私は思っています。 このブショーのインタビューを読んでいて、私は マーケットの魔術師(青本) でも登場している エド・スィコータ の 生あるものはすべてトレンドに従っている という名言を思い出しました。 翻って、私たち バリュー投資家は得てして「アンチモメンタム投資家」に成りがちであり、これはつまりトレンドに逆らって生きているということ になります。 ただそんな我々も、 利益を上げるためには最終的にはトレンドが必要 です。それは具体的には、フレッシュモメンタムとリターンリバーサル によってもたらされ、だからこそ私たちは元気に生き残ってもいるわけですが、 儲けるのに最終的にトレンドが必要なんだったら、無理せずに最初からトレンドに乗っておけば良くね? という意見には大きな説得力があります。このあたりは永遠の課題ですね。(笑)
Mar 24, 2020
さて現在全国の書店で好評発売中の新著 みきまるの続【書籍版】株式投資本オールタイムベスト ですが、今日はそのアピールポイント第8弾です。 皆様、なかなか外にお出かけしにくい状況でしょうし、株式投資に関する名著を集結し、煮詰めた本をゆっくり読むというのはいかがでしょうか? 前著の オールタイムベスト1 と今回の2を合わせると、全部で65冊の投資本の超名著の世界を、コンパクト&超特急で堪能できますよ。♪ さて前置きが長くなりました。今日は 第5章 相場心理に関する4冊 を見ていきましょう。尚、一部に(本と較べての)相違点があります。ご了承ください。 第5章 序 第5章 序 この章では、新たな企画として「相場心理にかかわる名著」を紹介します。 株式投資においては、マーケットに対して自らの心を常に良い状態に保って戦うことがとても大切 だからです。 特に2020年3月現在のツルツルの氷柱みたいに一直線に、垂直に下落を続けるコロナ相場の様な状況では、精神状態をコントロールし続けることは「投資家としての必須項目」です。何故なら、心がバキバキに折れて退場に追い込まれてしまったら、もうそこまでだからですね。 最初に紹介するのは、スイス人投資家で永遠の名著「マネーの公理」の作者であるマックス・ギュンターが運について語った「運とつきあう」です。株式投資は「運用=文字通り運を用いて戦う世界」です。そのため私たち投資家は「運をよくする技術」を学ぶことが必須です。 「えっ、運をよくする方法なんてあるの?」といぶかしく思われた方がいるかもしれませんが、それがある んです。その秘密の全てがこの本に書いてあります。 歴史的傑作「マネーの公理」のB面的な、そして不可思議な「運」というものに真正面から対峙した名作 であり、数か月に一度、ふっと本棚から取り出して読み返したくなる、そんな琥珀の深い魅力のある本ですね。 次に紹介するのは、相場心理学の歴史的金字塔「ゾーン」の著者であるマーク・ダグラスの遺作となってしまった「ゾーン 最終章」です。東洋的で神秘的だったゾーンの世界観を残しながらも、圧倒的に進化し考察の深まった、ダグラスが最後にたどり着いた境地を是非ご堪能ください。 さてここからは趣向を変えてポーカーの本を2冊紹介します。「えっ、みきまる、頭狂ったのか? 株式投資本の書評本のはずだろう。」と思われた方がいらっしゃるかも知れませんが、今回の2冊は投資家としての観点から見て、凡百の投資本が束になってもかなわない神本です。その理由は、 ポーカーと投資には「パラレルワールドの双子」と言っていいくらいの共通点がある からです。それは、「心理状態が成績に影響し、競争がとても厳しく、利幅が薄い」ということです。本文中でも触れますが、ポーカープレイヤー出身の凄腕投資家はたくさんいますし、逆に凄腕投資家でポーカー好きの方もたくさんいます。 最初に登場するのは「賭けの考え方」です。この本を 「投資本としてのライフタイムベスト1位」に挙げている凄腕投資家が複数いるくらいの傑作本 です。ただ本屋さんだと、株式投資の棚ではなくて「ゲーム・ギャンブル」の棚に並んでいることが多いので、探すときには注意してくださいね。 次に紹介するのは「ザ メンタルゲーム」です。銘柄分析力が優れている、株式投資に関する知識が豊富である、資金力がある、そういった資質は株式投資では大切なことですが、実は一番ではありません。 最も大切なことは、メンタルが安定していて強靭であること、そしていったん心が砕けてしまってもそこからの回復力があること です。今回のコロナ相場で、メンタルタフネスの重要性をリアルタイムで実感されている投資家の方も多いのではないでしょうか? この本は、投資家にとって一番大事な「メンタルの鍛え方」を教えてくれる「心の筋トレ本」であり、そこに至高の価値があるんですね。 以上、「相場心理にかかわる名著」4冊の圧倒的な魅力を是非新著でお楽しみください。(更にあとちょっとだけ続く)
Mar 22, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト100位、 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) の第2弾です。 今日から数回は、第2部 トレンドフォロワーとのインタビュー を見ていきます。 トレンドフォローの中心的推進者であるトレンドフォロワーや行動分析のプロとのインタビューの数にかけてはだれにも負けない。この第5版にインタビューの章を含めたのはそのためだ。「マーケットの魔術師」(パンローリング)のようなものだと思ってもらえばよいだろう。 ただし、本書のインタビューに登場するのはトレンドフォロワーたちである。7人のマーケットのプロたちへのインタビューを通じてトレンドフォローの英知を学んでもらいたい。 マイケル・コベルは「常に自信満々」で、謙虚さを美徳とする我々日本人からするとちょっと胸焼けするところもあるのですが、この第2部のインタビュー集の出来が良いことは間違いないです。本人が自画自賛している通りで、「マーケットの魔術師 トレンドフォロワー編」の名に恥じないクオリティーです。 全体がいいですが、特に第14章ジャン・フィリップ・ブショー、第15章ユーアン・カーク、第18章ラッセ・ヘジ・ペダーセンが素晴らしいですね。 それでは次回からは、この第2部の大トロの所だけを一緒に見ていくことといたしましょう。(続く)
Mar 21, 2020
さて今日は久しぶりに人気シリーズの株式投資本オールタイムベストです。当シリーズは、足掛け5年の歳月を経て、ようやく目標としていた100位についに到達しました。今回は満を持して、「2010年代を代表する超名著」を紹介します。♪ さてここで少し脱線してまじめな話をすると、自分はコテコテのバリュー投資家であり、少し認めたくない感情もあるのですが、それでも「トレンドフォローが世界最強の投資法」であると思っています。 それは、トレンドフォロー戦略が他の投資法に較べて過去の長期的なパフォーマンスが圧倒的に優れているということもあるのですが、もう1つ、 「トレンドフォロワーは、トレンドのあるところでしか戦わない。」というのも大きな利点 だと思います。 例えば2020年3月現在では、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて世界中の株式市場が大暴落をしているわけですが、こういった状況下では「新高値ブレイク」をする銘柄がほとんどないので、 トレンドフォロワーであれば自然に「見(けん)」を決め込む形になり、現金を枕にのんびりと高見の見物 ということになっていると思います。 更にアクティブなタイプのトレンドフォロワーであれば、市場の暴落に乗じて空売りを仕掛けていて、静かに過ごしてはいるけれども「ウハウハの大爆益」という方も実際に多くいらっしゃるだろうと思います。 つまり、 トレンドフォロー戦略は今の様な「市場の動乱期に強い、危機管理に優れた投資法」であり、総合的に見ると、世界最強の投資法であると認めざるを得ない と感じています。 実際、今の際限なくコロコロコロコロと急峻な坂道を下がり続けるコロナ相場で、「果敢に買い向かって砕け散り、既に虫の息の瀕死の重傷」状態に陥っているバリュー投資家が私自身を含めて大量に散見されますが、その一方でこの状況に胸を躍らせて楽しそうに観察していらっしゃる、無傷で超元気なトレンドフォロー投資家の方々もたくさんいます。(滝汗) ま、こんな話をすると、「じゃあ何でお前はバリュー投資なんかしているんだ。今すぐトレンドフォロー学派に趣旨替えすればいいじゃないか。」と思われるかもしれませんが、経験上投資家は自分の性格と哲学にフィットしたやり方をしないと長くは戦い続けられないので、自分は「あくまでバリュー投資家として、そこに可能な限りトレンドフォロー戦略の優れたところを取り入れながらハイブリッド戦略で戦っていこう。」と考えています。具体的にはそれが、 バリュー → モメンタム戦略 ですね。 、、、すいません、あまりにも前置きが長くなってしまいました。本文に戻ります。。。。。。 さて記念すべき株式投資本オールタイムベスト第100位は、 トレンドフォロー大全 (マイケル・W・コベル著、パンローリング社、2019年) です。株式投資本に関する名著が量産され「黄金期」とも言える充実したディケイド(10年間)となった2010年代ですが、その豊かな実りの期間の最後を飾る、決定打の最高の1冊ですね。 また本の発売時には、全986ページという衝撃の大ボリュームが、我々ジャンキー系の株クラスタの間で大きな話題になりました。(笑) なにしろ、 会社四季報とほとんどおんなじ分厚さ ですからね。(笑) さてこの本ですが、原題は トレンドフォローイング第5版 です。つまり、当ブログで以前に紹介した 規律とトレンドフォロー売買法(トレンドフォローイング 第1版) の改訂版となります。 ざっくりいうと、 規律とトレンドフォロー売買法は本書の第1部 にあたります。内容は一部アップデートされていますが、話の大筋は変わらないです。そして 本書オリジナルとなるのは、第2部 トレンドフォロワーとのインタビューと、第3部 トレンドフォローに関する研究論文 となります。 そのため今回の書評では、新たに追加された第2部と第3部だけをコンパクトに見ていくことにします。第1部に関しては、以前の 規律とトレンドフォロー売買法 の書評を下に貼っておきますので、未読の方は先にこちらをご覧ください。 またこれはちょっと秘密ですが、今回の新著ではコベルの気合が入り過ぎていて、追記が多くて今回の第5版は第1版よりゴテゴテしており、やや読みにくくて内容が散漫になっている感じもします。なので、第1部に関しては旧著の規律とトレンドフォロー売買法の方がトータルで見ると少し上かもしれないですね。1. 総論2. トレンドフォローこそが投資の聖杯3. トレンドフォローがうまく行く理由 お勧め4. トレンドフォローはバイ・アンド・ホールド戦略に勝つ5. ジョン・ヘンリー6. エド・スィコータ7. ホームラン8. ナンピンするのは気分が悪くならないとおかしい9. 強気なのに買っていないのは非論理的10. 勝ちトレードをいつ手仕舞うのか? お勧め それでは次回からは、この2010年代を代表する超大作の第2部以降を見ていきましょう。(続く)
Mar 20, 2020
いやあコロナショックが収まらないですね。それに合わせて世界中の株式市場も大荒れの状況が続いています。 これはおそらく、 ヨーロッパとアメリカのコロナウイルスの感染拡大が止まった、少なくともピークアウトしたということを見届けないと下げ止まらない ように思います。今の世界中のマーケットを支配しているのは、「目に見えないコロナウイルスの際限ない拡大」への「強い恐怖」であり、 今世界各国が必死に行っている金融緩和では、人間の最も根源的で強い感情である「恐怖」には勝てない からです。 ただ逆に言うと、マーケットが「コロナへの恐怖」から抜け出す日が来れば、今度は大きく上昇する可能性もあると個人的には思っています。何しろ「世界のおやびん」のアメリカが政策金利を1%引き下げて、事実上のゼロ金利政策に踏み切っているくらいですからね。ある意味、バブルを引き起こすためのガソリンがオールアラウンドザワールドにまき散らされているわけです。 ま、いずれにせよ、ここまで市場が崩れると、自分としては「生き残り最優先」で戦うしかないです。資金管理を徹底し、ポートフォリオ内の含み損=どこまでも成長して投資家の心と体をむしばむ可能性のあるがん細胞 を迅速かつ適切な外科手術で取り除き続けて、どんな時も精神的に朗らかでご機嫌に過ごせるように、そしてこの先にどんな更なる修羅場が待ち構えていても、投資家としての生命線のファイティングスピリッツを決して失うことのないように、十分に集中して戦っていく所存です。
Mar 17, 2020
株式市場で猛威を振るう「コロナショック」が直撃し、私のポートフォリオは文字通りの「焼け野原」となりました。 ここまで「優待株いけす」から選び抜いた、極上の黄金色に輝く魚たちを超主力に据えて共に戦ってきましたが、 今の株式市場はコロナウイルスの拡大という「強い恐怖の感情」のみに支配されており、残念ながら「バリューが全く効かない」状況となっています。 そのため、週末になった今日ようやくポートフォリオの被弾状況をしっかりと観察してみると、「とんでもない額の含み損」に転落してしまった、瀕死の主力株達が無残に散乱していました。 今はとにかく足元の、自分が置かれた状況をしっかりと分析し、手元に残った兵力がどの程度なのか、大きく削られた戦闘力でこれから何が出来るのか、を考えていきます。
Mar 14, 2020
ぷひょー、今日の下げは凄まじかったですね。特に前場の下げは途轍もなく、私は久々に口の中がカラカラに乾く感覚を味わいました。理性で制御できない、生物としての原始的で本能的な、文字通りの強い恐怖を感じました。 また後場は日銀砲の効果でTOPIX・日経平均などの株価指数は急速に戻りましたが、中小型の優待バリュー株でカチカチに固めた私のポートフォリオはほとんどリバウンドせず、残念ながらこれまでの投資家人生で過去最大額となる資産減少を本日記録しました。(上記データはSBI証券より引用) また今日の市場の暴落で、TOPIXも数年前の水準に戻りました。ただTOPIXのPBRも綺麗に1倍を大きく割れましたし、ここからはもう押しても知れているような気も個人的にはしています。(上記データはSBI証券より引用) そして私の資産も数年前の水準へと逆戻りとなりました。自分は「常にフルインベストメント&ロングオンリー」のこの上なくシンプルな、「永遠の3歳児投資法」を20年間貫いている投資家なので、こういう暴落はノーヘッジで全身で100%受け止める形となります。 もちろん恐怖心から実際のお漏らしだけはしないように気を付けていて、パンパースをしっかりはめて相場に臨んではいますが、こういう日には巨大な損失を避けられない定めにあります。自分の投資スタイルではドローダウンを甘んじて受け入れるしかない、覚悟を決め腹を括って戦い続けるしかない、ということです。 そうは言っても当然、保有銘柄をしっかりと見渡して一部銘柄の入れ替えなどの出来ることはしています。ただ、自分はそもそも普段から「優待株いけすから選び抜いた極上の銘柄」のみで主力株ポートをしっかりと構成しているつもりです。 そして、市場が暴落したからと言ってそれだけを理由にガチャガチャとポートフォリオをいじくりまわすのは違うな、それは手数料と税金と精神的なコストの無駄遣いで、長い目で見ると逆にパフォーマンスを落とすな、という感覚が過去の暴落時の自分の実経験も踏まえてあり、それもあってポートの基本骨格はほとんどそのまま維持した状態でこの暴落相場を過ごしています。 壊滅的なダメージを受けていますが、週末にもう一度しっかりと主力株達の最新戦闘力を分析し直して、引き続き最大限の緊張感を持って戦っていきます。
Mar 13, 2020
いやあ、今日の下げもきつかったですね。 (上記データはSBI証券より引用) さて昨日ツイッターでもちょっと書いたのですが、数年経つと今のコロナショックも「マーケットの歴史の一部」になると思います。 その時に「自分がどう感じてどう動いていたか」は貴重なデータになると思うので、今回は意識的に相場動向に触れながらブログ記事を書いています。 ライブドアショックとリーマンショックと東日本大震災時には、「市場変動に一喜一憂したくない」という思いから「心を殺して」敢えてあまり書かないようにしていたのですが、今回は方針を変えて積極的に書いていこうと思っています。 その理由ですが、やっぱりこういう「○○ショック」の時に自分がどのような精神的、経済的なダメージを受けたのか、実際に取った行動の何が良くて何が悪かったのか、という情報には「値千金」の価値があると思うからです。 実際、マーケットの修羅場の時の過去の自分のブログ記事を読み返すことがたまにあるのですが、数は少なくてもとても役立ちます。なので、今回は「自分の将来への投資」のつもりで多めに書いていくつもりです。 さて、明日のマーケットも更に暴落しそうです。私は火だるま状態のポートフォリオのメインテナンスに向かいます。それでは皆様、また明日。
Mar 12, 2020
いやあ、今日は凄い下げでしたね。 (上記データはSBI証券より引用) 私は先週末の段階で、持ち株の一部を無理矢理に売って現金を確保していました。今日はその「自らの血を流し、鮮血に染まった手」で掴み取った貴重なお金で、元々ウォッチリストに入れていた「まだ買っていない優待株」をバルクでババッと買ったほか、主力候補としてしばらく前から仕込み中の銘柄も少し買い増ししました。 ただ、今の市場は「コロナウイルスの広がりへの激しい恐怖」で覆い尽くされており、ファンダメンタルズがほぼ機能しない状況に陥っています。市場を静かに多角度から俯瞰して眺めていましたが、「頭に焼きが回ってアツくなったら、これはガチで死ぬ相場だな。」と感じたので、CPを温存して途中から様子見に回りました。 ポートフォリオの被弾も凄まじく、どのくらいのダメージを受けたのか正確なところが良く分からないくらいの惨状です。状況把握に時間を使いたいので今日はこれで失礼します。それでは皆様、また明日。
Mar 9, 2020
さて先日、 TOPIXのPBR1倍は、マーケットの岩盤として働いている という記事を書いたのですが、実は書きながら、「そういえば、ケン・フィッシャーがこれとほとんどおんなじ話をしていたな。」と思い出していました。今日はその話をします。 現在世界ナンバーワンの投資家である ウォーレン・バフェット 。その師匠の1人 フィリップ・フィッシャー の3男である、 ケン・フィッシャー はお父さんのDNAをそのままダイレクトに引き継いだ「孤高の天才」として知られています。 彼は名著 チャートで見る株式市場200年の歴史 (ケン・フィッシャー著、パンローリング、2010年) の中で、PBR(株価純資産倍率)の使い方について、以下の様に述べました。 強気相場はたいてい低PBRから始まる。1982年の大規模な強気相場もPBRが並外れて低い1.10倍から始まった。1934年以降、ダウ平均が簿価と同じ水準まで下げたのは1979年だけしかない。 マーケットのPBR (1921~1986年) これを見ると、PBRという原始的で今ではどちらかというと投資家から「古ぼけた過去の遺物の粗大ごみ」として馬鹿にされてもいるこの素朴な指標は、「大雑把かつ長期的な視点」で見ると非常に役立つんだなあ、PBR1倍は歴史的・世界的に見てマーケットの岩盤としてキチンと機能しているんだなあ、という事が分かります。 日本株市場には、東証1部銘柄に限定してみても、PBR0.09という「極北の低さ」を誇る、8337千葉興業銀行や、同じくPBR0.09の8416高知銀行の様な地獄の不人気銘柄がある一方で、PBR38.2の3694オプティムやPBR37.0の9424日本通信の様な「天空の高さ」にまで評価されている銘柄もあります。 でも、それらを全部1つの「魔法の壺」に放り込んで長期熟成させると、そこには「マーケットの岩盤」が濾過されて蜃気楼のように現れるわけです。市場と言うのは、神々しいほどに深淵なところなんですね。
Mar 8, 2020
いやあ、キツイ相場環境が続きますね。私は今日はずっと大事にしてきた「虎の子」を手放して無理矢理に現金を作ったのですが、腕の肉を麻酔なしで切り落とされるような鋭い痛みを感じました。自分のここまでの資金管理が悪くてこのような大ピンチの状況に陥ってしまったわけで、「完全に100%自己責任」で仕方ないのですが、それでも本当に辛かったですね。。。 さて新型コロナウイルスの猛威が世界の経済の中心地のアメリカにも波及しそうで、来週の日本株市場ではもう一段の急降下が待ち構えている気もしますが、それと同時に、「ファンダメンタルズから考えると、そろそろどこかでは底を打つんじゃないかな?」という思いも強くあります。 今日は、「当面の底はどのあたりになるのかな?」とずっと考えながら過ごしていたのですが、先ほどツイッターを眺めていたら、アベルさんがTOPIXのBPS(1株当たり純資産)について言及されていました。 これはインベスコ・アセット・マネジメントのレポートに載っていたものなのですが、非常に重要で示唆に富んだ情報と思ったので、以下に引用します。https://media.rakuten-sec.net/common/dld/pdf/c274fc238d00488629fe08ff6461a603.pdf TOPIXのBPSと言うのは、探しても探しても何故かなかなか情報が出てこないのですが、このレポートでは過去のデータが分かりやすく載っていて素晴らしいです。そして同時に過去の多くの○○ショックなどの暴落時にも、 TOPIXのPBR1倍は、マーケットの岩盤として働いている ことがはっきりと分かります。 ちょっと拡大してみましょう。 ふむふむ、確かにTOPIXのPBR1倍が「極めて堅牢な岩盤」であることが良く分かりますね。♪ 後、今のTOPIXのBPSは「1400弱」なんですね。これは暗記しておきます。 厳しい相場環境が続きますが、皆様、お互い生き残り最優先で頑張りましょう。
Mar 6, 2020
新型コロナウイルスによる肺炎で市場に強い恐怖感が蔓延している状況下でポートフォリオが甚大なダメージを受けたため、現在もっと相場が激下げしても引き続き楽しく市場で暮らしていくための「緊急改築工事」を施行中です。 多忙を極めているため、本日のブログ更新はお休みします。ご了承ください。
Mar 5, 2020
いやあそれにしても激安水準まで売り込まれた銘柄が多いですね。 ただ私は既にほとんどキャッシュポジションを使い切ってしまっており、ここからは銘柄入れ替えで凌ぐことになります。自分は強気で買い進むタイミングがちょっと早過ぎました。新型コロナウイルスによる肺炎の広がりが「マーケットに与える恐怖の激しさと強さ」をやや過小評価していました。 TOPIXで言えば1350、日経平均で言えば19000円程度までの下落は今後十分にあり得ると考えており、そこまで下がっても引き続き楽しく市場で暮らせるように、早急にポートフォリオの緊急外科手術を施行する予定です。うまく泳がないと今後致命傷に至る深手を負う可能性もあると考え直しています。 無念です。
Mar 4, 2020
いやあ、新型コロナウイルスによる肺炎の世界的な広がりで、マーケットが「恐怖の連鎖にグラグラ揺れる」大荒れの状態のままで3月に突入しましたね。 さてマーケットでは昔から 嵐の3月相場に入ると、株価は月初めに押し上げられて、月末に打ちのめされる傾向がある。ローマ神話の軍神マルスにちなんで名づけられた3月は、しばしば強気と弱気が闘う場となる。(出典 アノマリー投資、ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング、2013年 P176) とされています。2月が文字通り「地獄の1か月」となったことを考えると、引き続き狂乱相場が続く1か月になりそうです。お互いに「正気を保って」頑張りましょう。♪ ま、いずれにせよ、引き続き丁寧に集中して戦って行きます。それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Mar 1, 2020
いやあ激動の2020年2月が終わりましたね。 今月はずっと苦しい展開でしたが、月末にかけて新型コロナウイルス肺炎による「恐怖の感情」が市場をどんどんと覆いつくし、最後の数日でびっくりするような大きな下落となりました。 私のポートフォリオは中小型の優待バリュー株が多いのですが、これらの銘柄に値を崩すところが続出し、残念ながら最後には「主力株総崩れ」の、ある意味では「雪崩崩壊の絶景」となってしまい、自分には打つ手がほとんどありませんでした。よだれかけを首に巻いて、口を半開きにして「ポヨー」と眺めている感じでした。 次に今月の成績ですが、自分は幼少の頃からずっと公文式で算数を勉強していた関係で暗算で数値はほとんど分かっていたので、「心底、実に計算したくないな。」と思いましたが、一応念のために計算機を叩いてみると、対2019年末比でー15.5%となりました。昨年の貯金の過半を吐き出してしまうという、非常に厳しい状況になりました。 ま、市場で戦っていれば「あらゆることが起こりうる」訳なので、これは仕方ありません。気持ちを切らさずに引き続き頑張ります。それでは皆様、来月もよろしくお願い申し上げます。
Feb 28, 2020
いやあ毎日毎日下落が続きますね。(上記データはSBI証券より引用) ただ新型コロナウイルスによる肺炎の影響がどこまで日本社会に広がるかは現段階では不明です。市場は「不確実性」を最も嫌いますので、これからも数か月間まだダラダラと下げ続けても全く不思議ではないと思います。 私はそういった観点から、ここまで手持ちの資金を温存して、市況を広く眺めるだけでほとんど買わずにいたのですが、今日は投げが出て持ち株に急落するところが続出しました。そして私は自分のポートフォリオの被弾状況を点検して、背筋に冷たいものが走り、「激しい恐怖」を感じました。 強い恐怖を感じたら、歯を食い縛って買わなくてはならない。 これは20年間市場で戦ってきた自分の大原則です。 恐怖に震えながら買った銘柄では、結果として勝てる確率が非常に高い からです。逆に、 高揚感と安心感に包まれながら買った銘柄の中長期成績は、控えめに言って最悪 です。 私は、「いや、まだちょっと早い気もするんだけどな。」と何度も何度も思いましたが、自らの投資哲学に従って今日は大きく買いました。今の日本株市場には「目を疑うほどに割安」な優待バリュー株が溢れかえっています。引き続き十分に集中して戦っていく所存です。
Feb 27, 2020
さて現在全国の書店で好評発売中の新著 みきまるの続【書籍版】株式投資本オールタイムベスト ですが、今日は久々にそのアピールポイント第7弾です。 今日は 第4章 「マーケットの魔術師」から広がる世界 を見ていきましょう。尚、一部に(本と較べての)相違点があります。ご了承ください。 第4章 序文 この章では、「マーケットの魔術師から広がる世界」を見ていきます。市場で長年戦っていれば、誰でもいつかは傷つき、壁にぶち当たり、思い悩んで、 「マーケットの魔術師シリーズ」 に導かれたようにたどり着きます。そして、 前著オールタイムベスト1 では恐らく世界初の試みとして「マーケットの魔術師シリーズ全7作」を徹底解説しました。今回のオールタイムベスト2では、そこから一歩進んで、シリーズに登場したマーケットウィザード達の直筆・他筆による超名著を紹介します。 トップを飾るのは、マーケットの魔術師シリーズ第1作で永遠の名著である通称 「青本」 に登場しているチャンピオントレーダー、マーティン・シュワルツの直筆による「ピット・ブル」です。彼の言葉は、率直であけすけで胸を打ちます。そしてこの本の真価は、「負けた時にどうすればいいのか?」を教えてくれることです。 私は2016年に、当時ポートフォリオ1位の超主力株として戦っていたブライダル銘柄の2196エスクリに超絶下方修正が出て株価が超暴落し、過去最大となる数千万円に及ぶ大損失を出しました。数日間はまともに眠ることもできず、常に胃液が喉元にこみ上げてきて、心も視界もブラックアウトして何も考えられない状態でした。暗闇での数日間を過ごした後に最初に手に取ったのが、「ピット・ブル」でした。 そして、シュワルツの 「ダウンしても10カウントを待たずにまた立ち上がらなくてはならない。」 という力強い言葉を読んで我に返り、ガクガクの膝を抱えて震えながら何とか立ち上がり、エスクリ事件を総括するブログ記事を致命傷を受けてから1週間以内に書き上げて立ち直ったのでした。 著名投資家のWWW9945さんに「私ならこんな短期間ではとても立ち上がれない。凄い精神力だ。」と称賛されたのですが、本当はそのままダウンして10カウントを聞いた方がよっぽど精神的には楽だったし、自分が受けたダメージはとてつもなく甚大でした。でも、この本が本棚にあったおかげで、私は再び立ち上がることが出来たのです。 投資家人生最大のピンチを救ってくれたのが、「ピット・ブル」だった のです。 次に紹介するのは、1960~1990年代に渡って驚異的な成績を上げ、「ヘッジファンドの帝王」として知られたマイケル・スタインハルトの自伝です。 S級の投資家はその精神性においても全く普通ではない、いやむしろ完全にサイコパスである ということが良く分かるキレキレの1冊です。また本文中で紹介している「スタインハルトの4原則」は私も銘柄選択でとても大事にしている視点となります。 最後に紹介するのは、マーケットの魔術師シリーズ第2作の株式編、通称 「桃本」 に登場しているスティーブ・コーエンに関する壮絶なドキュメントです。彼が本当にインサイダー取引をしていたのかどうかに関しては是非本書を読んで頂ければと思うのですが、私がこの本を凄いと思うのは、「ウォール街に手ぶらでやってきて資産1兆円を達成した」伝説のスーパートレーダーの物の考え方が赤裸々に綴られていることです。あらゆる投資家にとって、たくさんのヒントと気付きを得られる傑作と思います。 以上、「マーケットの魔術師から広がる遠大な世界」を、是非新著でお楽しみください。(またもや次回に続く)
Feb 22, 2020
さて今日は株式投資本オールタイムベスト99位 イベントトレーディング入門 (アンドリュー・ブッシュ著、パンローリング、2011年) の第3弾です。 今日は素晴らしい出来である 第7章 地震と津波 から。 1995年阪神淡路大震災 1995年1月16日、マグニチュード6.9の地震が兵庫県南部で発生した。 震災前の日経平均を見ると、1994年6月から下降基調にあったことが分かる(図7.2)。 不安定だった相場は自信を境にさらに不安定になり、日経平均は地震発生の6日後から下げ始めて、7月までに25%下落した。これは大きな痛手だったが、その一方で仕掛ける機会も提供してくれた。 確かに日経平均も、トヨタ自動車も、東芝も、仲良く下落していますね。 一方で大幅に伸びたのは建設株 だ。当時の建設業界は政治家への不正献金疑惑に揺れていたが、それでも関連銘柄は日経平均に逆らう形で上昇した。三井住友建設の株価の推移を見て欲しい。(図7.6) 地震の発生後は、揉み合い状態から一気に125%も上昇 した。 投資家にとって幸いだったのは、この銘柄はいったん上向いたあと、4日ほど足踏みしてから本格的に上昇したことだ。つまり 最初のチャンスを逃しても二度目があった わけである。 確かに滅茶苦茶上昇していますね。 結論ー厄介だが勝負は可能 厄介なのは時間との勝負である。地震も津波も不意に発生し、あっという間に終息する。これを機会として利益を出すには予習が欠かせない。 イベントの性格を考えても、市場でのチャンスをものにするには迅速に行動しなければならない。 日本はその地理的な特性から世界に冠たる「地震国家」なので、定期的に大地震が発生します。 その意味で、 大地震が起きた時に「市場がどう動いたか?」についてあらかじめ学んでおくことには大きな価値がある と思います。 さてこれでこの本の紹介は終わりです。 感染症・大災害・テロ・政変などの「イベント」が発生した時に、マーケットがそれをどう捉え、どのように反応したのかについて詳細に解説してくれている「類本のない良書」 です。 そして一通り読んだうえで本棚に置いておくと、イザというときに抜群に役立つ1冊でもあります。 私たち投資家にとっては、ある意味では「保険代わり」にもなる傑作 ですので、是非皆様も 「一家に一冊」常備しておくとよい のではないかと思います。(終わり)
Feb 19, 2020
新型コロナウイルスによる肺炎が日本国内でもどんどんと広がっています。感染症を専門としている医師の中には「残念ながら、既に ポイントオブノーリターン を超えてしまった。」と指摘されている方もいらっしゃいます。 ウイルスは致死率はあまり高くはないようですが、その感染力は非常に強いようなので、これからの日本、特に人口密度が高い東京や大阪などの大都市では「指数関数的な伸び率」を示して感染爆発が起こる、全く楽観できない状況に陥る可能性もあるのではないか?と個人的には考えています。 さてそういった状況の中で日本株は全般に軟調なわけですが、この数日特に中小型株の下落の激しさが目に付きます。年に10%程度の成長力があって今期予想PERが5~6倍と言う様なところでも、まとまった投げが出て株価が10%以上急落している銘柄が複数あります。 私はポートフォリオの殆どが「中小型の優待バリュー株」なので、現在大きくパフォーマンスを落としていますが、同時に「この株価位置なら、2~3年の時間軸で見たら負けようが無いんじゃないかな?」と感じる子がいくつもあり、今はそういったところを丁寧に拾っています。 「20世紀最高のストックピッカー(銘柄選択者)」 と称えられた伝説のファンドマネージャー、 ジョン・テンプルトン は、 ウォール街に血が流れている時こそ最高の買い時だ。たとえ自分の血が混じっていてもこの原則は変わらない。 とかつて述べました。市場では 「ピンチとチャンスは背中合わせ」 です。体調に気を付け、よく食べてよく眠りよく笑い、皆様お互いに頑張りましょう。
Feb 18, 2020
全1965件 (1965件中 451-500件目)