医療用医薬品 0
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インフルエンザウイルスの増殖に関わる宿主たんぱく質を発見出典:プレスリリース 2014年11月21日、東京大学はインフルエンザウイルスの増殖に関わる約300個の宿主たんぱく質を同定し、それぞれのウイルス増殖サイクルにおける作用を決定し、数種類の宿主タンパク質の機能阻害剤が抗ウイルス作用を示すことを発表した。 研究成果はCell Host and Microbeに2014年11月20日からオンライン版で公開。 現在の抗ウイルス剤は、ウイルスのタンパク質の働きを抑えることによって効果を発揮する。そのため、ウイルス遺伝子の変異によってそのタンパク質の機能を必要としなくなった場合には耐性が発生する。 ウイルスは人などの宿主細胞に感染し、宿主細胞内のタンパク質を利用して、増殖することから、宿主側のタンパク質の働きを抑えることによってウイルスの増殖を抑えることが可能になるという仮説に基づいて、研究グループはインフルエンザウイルスタンパク質と結合するヒトタンパク質を網羅的に探索。 ウイルス細胞に結合するタンパク質を1,292個同定。そのうち、インフルエンザウイルスの増殖効率に影響を与えるタンパク質は323個。 更に323個のタンパク質がインフルエンザウイルスの増殖サイクルのどのステップに関わるかを検討。以下のステップに関与する宿主因子の働きを明らかにした。 宿主因子の機能阻害剤のウイルスの増殖に対する影響を検討したところ、以下の2つが増殖効果を発揮した。JKA/KAK2(ヤヌスキナーゼ)阻害剤RuxolitinibとGBF1(ゴルジ体特異的ブレフェンルジン耐性グアニンヌクレオチド交感因子1)の阻害剤であるGolgicideA。
2014年11月24日
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血管内体温管理システム「サーモガード」の適応拡大の薬事承認申請について 出典:プレスリリース 2014年11月21日、旭化成ゾールメディカルは、血管内体温管理システム「サーモガード」の適応拡大の薬事承認を医薬品医療機器総合機構に申請したと発表した。 「サーモガード」は、血管内冷却により体温を管理するシステム。集中治療室等において、中心静脈カテーテルを必要とする急性重症脳障害の発熱患者に対し、発熱負荷を軽減するための解熱剤、冷却用ブランケット等の補助として使用されている。 「サーモガード」の心停止蘇生後の低体温療法への適応拡大を目指し、昨年1月から今年2月まで治験を日本国内で実施。この治験の成績をもとに、PMDAからの助言等を得て、適応拡大の申請を行った。「サーモガード」に使用する専用カテーテルも、従来の「COOL LINE(クールライン)」に加え、低体温療法等に用いる新しい専用カテーテル「Quattro(クアトロ)」、「ICY(アイシー)」を新医療機器として薬事承認を申請。 心停止蘇生後の患者さまに対する低体温療法は、体温を下げることで、代謝機能を低下させ、脳内での有害な反応の進行を抑制する有用な予後の治療方法。 日本蘇生協議会(JRC)の「蘇生ガイドライン2010」でも推奨。
2014年11月22日
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患者さんのライフスタイルに合わせ、多様化する治療のニーズ—2型糖尿病患者さんと医師を対象に2型糖尿病治療とライフスタイルに関する調査を実施—出典:プレスリリース 2014年11月21日、日本イーライリリーは、 「2型糖尿病治療とライフスタイル」をテーマに、2型糖尿病患者さん408名、並びに糖尿病治療に従事する医師348名を対象に行った意識調査の結果を発表した。 2型糖尿病患者のうち、生活が忙しいと感じている患者さんは65%。そのうち忙しいと感じている事柄は仕事(67.4%)、自分の趣味や習い事(25.1%)、家事(18.4%)等であり、2型糖尿病患者は治療をしながら、それぞれ忙しく多様な生活を送っていることが判明。 医師は2型糖尿病患者さんの治療と社会生活の両立を難しくする要因は、「仕事が忙しいこと」(69.0%)、「生活リズムが不規則になりがちなこと」(68.1%)など、時間の制限や忙しさにあると考えていることが判明。 、2型糖尿病患者さんが考える治療と生活の両立が難しい要因は、「食事の時間が不規則になりがちなこと」(27.2%)「会食など人との付き合いがあること」(22.1%)「生活リズムが不規則になりがちなこと」(22.1%)「人前や外出先で薬を服用/使用したくないという気持ち」(21.6%)、「仕事が忙しいこと」(20.6%)等であり、心理的な負担を含めて様々な要因が同程度あることが判明. 服薬コンプライアンスについては、決められた服用/使用回数(経口剤)を守れないことはまったくないと答えた2型糖尿病患者さんは、わずか24.5%でした。また、守れない理由として挙げるのは「仕事/仕事以外で外出するときに、薬を持っていくのを忘れる」(61.7%)が際立って多かった。
2014年11月22日
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MSD株式会社 週1回投与のDPP-4阻害薬「オマリグリプチン」を承認申請出典:プレスリリース 2014年11月21日、MSDは、2014年11月21日付けで2型糖尿病治療薬で週1回投与のDPP-4阻害薬「オマリグリプチン(一般名)」の製造販売承認申請を行ったと発表した。 「オマリグリプチン」はMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.が開発した長時間作用型の新規DPP-4阻害薬。 週1回の投与で血糖値をコントロールします。海外の臨床開発プログラムに先行して終了した国内第3相臨床試験では、ジャヌビア®と同様の有効性と忍容性を示すことが確認された。また、投与回数が週1回となることで患者さんの服薬負担の軽減や、服薬アドヒアランスの向上を期待。
2014年11月22日
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抗てんかん剤「Fycompa®」をアジアで初めて香港で新発売 出典:プレスリリース 2014年11月21日、エーザーは、香港の医薬品販売子会社 Eisai (Hong Kong) Co., Ltd.が自社創製のファースト・イン・クラスの抗てんかん剤である AMPA 受容体拮抗剤「Fycompa®」(一般名:ペランパネル)を、12 歳以上のてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法を適応として新発売したと発表した。 Fycompaはエーザイが創製した、高選択性、非競合なAMPA受容体拮抗剤。2012年に欧米で発売されているが、日本では第3相試験実施中。
2014年11月22日
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分子のカゴで毒を薬に ―癌の簡便な治療薬の開発につながる成果―出典:プレスリリース 2014年11月20日、東京工業大学は、細胞内に送り込んだ一酸化炭素(CO)をゆっくりと放出させ、癌(がん)の原因となる転写因子たんぱく質の活性を制御することに成功したことを発表した。 研究成果はJournal of the American Chemical Societyに2014年11月19日からオンライン版で公開されている。 ガス分子である一酸化炭素(CO)は体内の多くのたんぱく質と強く結合し、身体に悪い影響を及ぼすことが古くから知られている。同時に、近年ではCOとたんぱく質の結合は炎症や癌化を抑制する働きを持つことが明らかになり、次世代の医薬品として注目されている。 CO輸送化合物として使われている、ルテニウムカルボニル錯体に着目し、カゴ状たんぱく質フェリチンの内部へ集積することを試みた。その結果従来のルテニウムカルボニル錯体のみに比べ、18倍ゆっくりとCOを放出することが分かった。 複合体をHEK293細胞へ導入し、NF-κBの活性化を評価した。従来のCO放出ルテニウムカルボニル錯体よりもCO放出フェリチン複合体は2.5倍、CO放出量の多い複合体ではさらにNF-κBの活性を4倍活性化する効果があることが分かった。 がん細胞までどのようにして複合体を輸送するかの問題を解決する必要があるが、癌に対する新しい治療薬の開発につながる可能性がある。また、炎症に関しても様々な疾患の原因になっていることから、同様に新規の治療法につながる可能性がある。
2014年11月21日
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免疫学 田村智彦教授らの研究グループが、アレルギー疾患を引き起こす免疫細胞である好塩基球やマスト細胞の産生・分化の仕組みを解明!出典:プレスリリース 2014年11月20日、横浜市立大学大学の研究グループは米国国立衛生研究所・東京大学・大阪大学と共同で、転写因子IRF8が、アレルギー疾患を引き起こす免疫細胞である好塩基球・マスト細胞の分化において、重要な役割を果たすことを明らかにしたと発表した。 研究成果はBloodに2014年11月14日からオンライン版で公開されている。 様々な転写因子が欠損したマウスを用いて、アレルギーの原因細胞である抗塩基球とマスト細胞を解析した結果、インターフェロン調節因子ファミリーの一つであるIRF8を欠損するマウスでは抗塩基球が著しく減少することを発見。 前駆細胞でのIRF8の発現を検討した結果、顆粒球前駆細胞より下流ではIRF8は発現していなかった。GPにおけるIRF8の下流で機能する転写因子はGATA2であることを確認。 IRF8欠損マウスにおいては抗塩基球は減少するが、マスト細胞数は変化しないのは、マスト細胞が生体内で増殖することが可能であるからと推定された。この増殖を免疫グロブリンを促進している。 IRF8を抑制することにより、アレルギーの原因分子である抗塩基球とマスト細胞を減少させる可能性が示唆された。しかし、樹状細胞や単球等免疫に関連する細胞も減少させてしまうことから、更なる研究が必要と考えられる。 免疫グロブリンのマスト細胞の増殖促進等複雑な調節機構の中で、どのように介入して調節するかはさらに研究が必要がある。
2014年11月21日
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シナプス接着分子は神経回路の可塑性機能に多様性をもたらす出典:プレスリリース 2014年11月20日、理化学研究所は2対のシナプス接着分子群の結合が、それぞれ異なる情報を担う神経回路のシナプス可塑性を制御し、脳機能高度化に貢献してきたことを明らかにしたと発表した。 研究成果はThe Journal of Neuroscienceに2014年11月19日よりオンライン版で公開されている。 シナプスの形成と機能の獲得には、シナプス前膜とシナプス後膜に局在し、相互に結合するシナプス接着分子群が寄与する。これには、カドヘリン分子のような同一種分子間の接着機構とネトリンGとNGLのようなリガンドと受容体間の接着機構が存在する。 シナプスの伝達効率は刺激依存的に変化する。脳の厚切り切片を用いた電気生理学的実験では、ミリ秒単位での変化から数時間におよぶ変化まで測定が可能。一般的に、数分までの変化の持続を短期可塑性とし、数十分を越えて持続する変化を長期可塑性と呼ぶ。生体内では、数日から数カ月におよぶ可塑性の存在が知られ、学習記憶機構を担うと考えられている。 分泌タンパク質ネトリンと似た構造を持ち、GPIと呼ばれるリン脂質を介して細胞膜の外側表面に結合する膜タンパク質ネトリンG1とネトリンG2は個別の神経回路のシナプス前膜に集積していること、およびNGL1とNGL2がネトリンG1とネトリンG2に対応したシナプス後膜に集積していることを明らかにした。ネトリンG1は分子層のシナプス前膜側、ネトリンG2は放線層のシナプス前膜側、NGL1は分子層のシナプス後膜側、NGL2は放線層のシナプス後膜側に局在していた。 NGL1欠損変異マウス、NGL2欠損変異マウスでも同様の観察を行いました。その結果、NGL1欠損変異マウスでは分子層のシナプス前膜からネトリンG1が消失し、NGL2欠損変異マウスでは放線層のシナプス前膜からネトリンG2が消失することが分かりました。これらの分子の間には相互依存的関係があることが示されました。 ヒトの遺伝学的研究によると、ネトリンG1およびネトリンG2は、統合失調症や双極性障害、自閉症など多様な精神疾患への関与が指摘されています。本成果は、ネトリンG1/NGL1の相互作用と、ネトリンG2/NGL2の相互作用がそれぞれ個別の神経回路を介した高度な情報処理機能に関わっていることを示しています。この機能の詳細な分子メカニズムの解析は、多様な精神疾患の病理機構の理解を深め、新たな治療法の開発につながると期待されます。
2014年11月21日
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医療従事者100人に聞いたノロウイルスに関する実態調査出典:プレスリリース 2014年11月20日、森永乳業はノロウイルスに関する実態と予防意識に関して医療従事者を対象にした調査結果を発表した。 医療従事者でノロウイルスが疑われる感染性胃腸炎に感染した人は37%、そのうち59.5%は二次感染。 医療従事者の家庭におけるノロウイルス対策は石けんを使った手洗い、バランスのとれた食事、十分な加熱、十分な睡眠、次亜塩素酸の常備。 バランスをとれた食事のように身体の中からの対策に興味がある人は8割、9割以上の人が身体の中からの対策が有効と考えている。
2014年11月21日
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新規育毛活性ペプチド「HGP」のお知らせ出典:プレスリリース 2014年11月20日、ファーマフーズは発毛促進作用を示す生理活性ペプチドの単離・同定に成功し、特許出願を行ったことを明らかにした。 HGP(Hair Growth Peptide)と名付けたこのペプチドは動物実験で発毛促進作用が確認されている。壮年性脱毛症を標的とした育毛活性剤へと育成するとのこと。 HGPは経口にて、発毛促進作用を持ち、作用機序は毛乳頭細胞を活性化し、発毛を促す成長因子の分泌を増加する。
2014年11月21日
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PC-SOD NE(吸入製剤)第II相臨床試験結果のお知らせ出典:プレスリリース 2014年11月20日、LTTバイオファーマは日韓共同で実施した特発性肺線維症を対象疾患としたPC-SOD NE(吸入製剤)の第2相臨床試験の結果を明らかにした。 日本で6施設、韓国で6施設において約100名の規模でプラセボとの比較試験を行った結果、有効性を証明することはできなかった。 特発性肺線維症に関しては、申請は難しいと判断している。なお、PC-SOD NEに関しては慢性閉塞性肺疾患に対する第2相試験が予定されている。
2014年11月21日
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サノフィとRegeneron社、中等症から重症の喘息患者を対象としたdupilumabの後期第II相試験(第IIb相)の肯定的な結果を発表出典:プレスリリース 2014年11月11日、サノフィとRegeneron、コントロール不良の中等症から重症の成人喘息患者におけるdupilumabの後期第2相(第2b相)用量検討試験の中間解析において、肯定的な結果が得られたことを発表した。 dupilumab は、Th2 型免疫反応に必要なサイトカインであるインターロイキン(IL)-4 および IL-13 の両者を阻害する、開発中の治験薬。 本試験では、「血中好酸球数高値集団(血中好酸球数が 300 個/μL 以上の喘息患者、本試験全参加者の約 40%に相当)を対象に、投与 12 週時点でのベースラインからの 1 秒量(FEV1, 肺機能の標準的な検査項目)の変化量」を主要評価項目として、dupilumab 群とプラセボ群(いずれも標準治療に dupilumab またはプラセボを追加投与)を比較。 検討したdupilumabの4用量群のうち上位3つの高用量群で、主要評価項目においてプラセボ群に対する有意な改善を示しました。さらに、好酸球数高値集団と試験全体集団の両者において、上位 2 つの高用量群で FEV1 の平均変化率(%)が有意に改善され、重度の喘息増悪の発現が減少。 中間解析は全ての患者が24週間の治療期間のうち12週に到達した時点で行うことをあらかじめ規定。中間解析時点の平均治療期間は 21.5 週。喘息増悪と安全性に関する最終解析は24週で行なう。
2014年11月21日
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高リン血症治療薬「PA21(開発番号)」製造販売承認申請のお知らせ 出典:プレスリリース 2014年11月19日、キッセイ薬品工業は、高リン血症治療薬「PA21(開発番号)」の製造販売承認申請を行ったことを発表。 PA21は、リンを吸着するために鉄を用いた高リン血症治療薬であり、消化管内でリン酸と結合し体内へのリンの吸収を抑制することにより、血清リン濃度を低下。また、水なしでも服用でき、水分制限が必要な透析患者さんへ新たな治療選択肢を提供する。 本剤の権利を持つビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社(スイス)は、世界32ヵ国で承認を取得しており、米国及びドイツ、ポルトガルにてVelphoro®の商品名で発売している。
2014年11月21日
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PD-1 免疫チェックポイント阻害薬として初めて第3相臨床試験での全生存期間の改善を示した未治療の進行期悪性黒色腫患者に対してオプジーボ(ニボルマブ)と化学療法を比較する試験結果について 出典:プレスリリース 2014年11月16日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社未治療のBRAF野生型の進行期悪性黒色腫患者418名に対して、PD-1免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ(ニボルマブ)と化学療法であるダカルバジ(DTIC)を比較する第3相無作為化二重盲検試験であるCheckmate-066試験の結果を発表。研究成果はThe New England Journal of Medicineに11月16日から公開されている。 2014年9月、米国食品医薬品局(FDA)は、PD-1免疫チェックポイント阻害薬に関する初めての無作為化第3相臨床試験データに基づき、治療歴を有する進行期悪性黒色腫を対象とした生物学的製剤承認申請(BLA)を、優先審査の対象として受理し、同適応はブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定。 オプジーボはダカルバジンに対して、全生存期間の改善および1年生存率の改善(オプジーボ 73%に対してダカルバジン 42%)、そして死亡リスクの 58%低減(ハザード比 0.42、P<0.0001)を示した。 オプジーボ投与群の生存率の改善は PD-L1 陽性/陰性にかかわらず見られた。 投与中止は DTIC 群の11.7%と比較してオプジーボ群は 6.8%と少なく、治療に関連するグレード 3 または 4 の有害事象も同様(オプジーボ群 11.7%に対して DTIC 群 17.6%)
2014年11月21日
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2014年米国リウマチ学会議(ACR/ARHP)にて抗TNF-α抗体 「セルトリズマブ ペゴル(一般名)」の国内臨床試験の結果を発表 (治療開始時の患者特性サブグループによる新たな解析結果を含む)出典:プレスリリース アステラスとユーシービージャパン両社で共同開発・商業化を進める、PEG化抗TNF-α(腫瘍壊死因子α)抗体「セルトリズマブ ペゴル」(一般名、日本での製品名「シムジア®」欧米での製品名「Cimzia®」)のC-OPERA試験(メトトレキサート(MTX)未治療で予後不良因子を有する発症後1年以内の患者さんを対象としてMTX併用下におけるセルトリズマブ ペゴル(CZP)の有効性及び安全性をMTX単独治療と比較検討した第3相試験)の結果を米国リウマチ学会議(ACR /ARHP 2014:米 2014年11月14-19日)にて発表した。(一部はEULAR2013にて発表済み) 1年後の関節破壊の進行を治療開始時の患者特性に注目してサブグループ解析した結果では、MTX単独治療においては、治療開始前の抗CCP抗体値、リウマチ因子(RF)値、疾患活動性(DAS28(ESR))、身体機能障害(HAQ-DI)、CRP値、MMP-3値が高い、あるいは関節破壊(mTSS)を有するサブグループにおいて、関節破壊がより進行する傾向が認められた。一方、CZP+MTXの併用療法では、このような特性を有する患者においても、MTX単独治療に比べて関節破壊の進行抑制が認められた。 シムジア®は、PEG化抗TNF-α抗体医薬品です。本剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF-αに強い親和性を示し、TNF-αの作用を選択的に阻害。ヒト化抗体のFc部分を除いたFab部分にPEGを結合させることで血中半減期が延長されるため、関節リウマチ治療において2週に1回あるいは月1回の皮下投与で効果を示す。 2012年1月にシムジア®の日本における共同開発・商業化契約を締結。シムジア®については、同年12月にユーシービージャパンが日本において製造販売承認を取得し、2013年3月に発売。なお、2014年6月にC-OPERA試験の結果に基づいて、日本で効能・効果追加の申請。現在の効能・効果は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) 」
2014年11月21日
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卵管が卵を一方向に運ぶようになる仕組みを発見出典:プレスリリース 2014年11月19日、基礎生物学研究所は、京都大学、ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)との共同研究により、Celsr1とよばれるタンパク質が、卵管の内側(卵管上皮)の細胞の形や並びを制御しており、卵管が卵を一方向に輸送する機能に必須であると発表した。 研究成果はDevelopmentに2014年11月18日からオンライン版で公開されている。 生後2日目の新生仔マウスの卵管上皮では、繊毛を持つ細胞の割合は約10%以下と少なく、また、はっきりとした方向性を持った繊毛運動はほとんど見られなかった。成長に伴って、繊毛を持つ細胞の割合が増加すると共に(生後3週間で80%に上昇)、徐々に繊毛運動がはっきりとした方向性を獲得することが判明。 Celsr1タンパク質の機能に着目して卵管の解析をCelsr1遺伝子を欠損しCelsr1タンパク質が失われた変異マウスを用いて実施。 Celsr1を失ったマウスの卵管の内側を観察したところ、繊毛運動の方向性が乱れ、卵管から子宮への卵の輸送能力が損なわれることが判明。また、正常な卵管では、卵管上皮細胞の形は流れの方向に沿って細長い形態をとっているのに対して、Celsr1を失った変異マウスの卵管では、細胞は特定の方向に伸びずに、より丸い形をとっていた。卵管上皮が成すヒダ構造にも異常があった。 正常な卵管では、成熟したマウスにおいて流れの向きに沿うように平行に並んだ約20個のヒダ構造が観察されます。しかし、Celsr1を失った変異マウスでは、ヒダ構造の方向性が揃わずにバラバラになり、通常の卵管では見られないヒダ構造の過剰な分岐も見られました。 この研究成果は不妊について新しい知見を与える可能性がある。また、細胞が成長により立体構造を生成する際に、調整するタンパク質が存在することが明らかになったことは、万能細胞を分化させてから、臓器等に成長させるための参考になる可能性がある。
2014年11月20日
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尋常性乾癬治療薬 M8010 臨床第III相試験結果のお知らせ出典:プレスリリース 2014年11月18日、マルホは、中外製薬と共同開発を進めているマキサカルシトール・ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル配合外用剤である尋常性乾癬治療薬(開発コード:M8010)の臨床第III相試験結果を発表した。 尋常性乾癬の治療にはビタミンD3外用剤のほか、ステロイド外用剤も使用されますが、中でもベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル 0.5mg 外用剤が汎用されており、これら両剤の併用も医療の現場では広く行われている。 マキサカルシトール・ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの配合外用剤である M8010(1日1回塗布)について、マキサカルシトール軟膏単剤(1日2回塗擦)およびベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏単剤(1日1回塗布)に対する優越性を評価。 主要評価項目(4 週間後の PSI 合計スコア)および副次的評価項目(4 週間後のmPASI 減少率)のいずれにおいても両単剤に対する優越性が検証された。 M8010 群で発現した主な有害事象は、鼻咽頭炎および血中コルチゾール減少でしたが、いずれも軽度であり、両単剤と比較して発現率に大きな差は認められず、M8010の安全性は両単剤と同程度と考えられた。
2014年11月20日
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非対称性をもつ人工生体膜の量産技術を確立出典:プレスリリース 2014年11月18日、東京大学は、内層と外層で脂質組成が異なる人工生体膜を集積化したチップの量産技術を確立したと発表した。 研究成果はScientific Reportsに2014年11月17日からオンライン版で公開されている。 脂質組成の非対称性は、生理的に重要な機能を制御しており、例えば、生理活性脂質であるジアシルグリセロールの分布が変化し非対称性が崩壊すると、細胞のがん化やアルツハイマー病の一因となる。一方で、脂質組成の非対称性の維持機構には不明な点も多く、維持機構の解明には、崩壊を高感度に計測する技術が必要とされている。 今回の研究は、、非対称な人工生体膜の高効率量産化に成功し、これを1万個以上集積化させた非対称生体膜チップを開発(膜の表面積:10平方マイクロメートル程度、1マイクロは100万分の1)。このチップにより、脂質の非対称性が崩壊する過程を人工生体膜1枚単位で計測できるほどの高感度化に世界で初めて成功し、さらに、10時間以上の長時間計測も可能となった。生理活性脂質などを含む非対称生体膜チップを作成し、酵素による非対称性の維持や崩壊の機序が詳細に解明された場合、がんやアルツハイマー病などの脂質組成の非対称性に起因する疾患の病因が詳細に明らかにされることを期待。 非対称生体膜チップには、非対称な人工生体膜が高度に集積化されているため、それらを並列利用することができれば、脂質組成の非対称性に関わる酵素を標的とした創薬候補の高速スクリーニングおよび、薬剤標的となる酵素の大規模な探索に最適なプラットフォームとして活用されることも期待。
2014年11月20日
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嫌いな刺激に馴れる仕組みを線虫で発見出典:プレスリリース 2014年11月18日、JST 戦略的創造研究推進事業において、京都大学は線虫の記憶を迅速に数値化する装置を開発し、動物が嫌いな刺激に馴れる際の仕組みの一端を解明したと発表。研究成果はProceedings of the National Academy of Sciencesに2014年11月17日からオンライン版で公開されている。 動物は、先天的に嫌いで、逃げてしまうような刺激であっても、刺激にさらされ続けると馴れてしまい、次に同じ刺激が訪れた際には行動を変える。馴れるためには、過去に体験した刺激を学習し、記憶することが必要。 C.エレガンス と呼ばれる線虫は、たった302個の神経細胞しかないシンプルな神経系にも関わらず、匂い、温度、物理的な刺激などを記憶・学習できる能力をもつことが知られている。 線虫の馴化学習・記憶現象に着目し、馴れる前後の行動量を指標として記憶を数値化することを試みた。そして、全自動で迅速に数値化可能な装置の開発に成功し、馴れる前後の行動量を指標に記憶を数値化して比較が可能となった。 記憶保持の目印分子CREBのリン酸化を細胞特異的に阻害することで、嫌いな刺激に馴れる際、刺激の記憶に関わる2つの神経細胞を発見しました。そして、これら2つの神経細胞の性質から、馴れた状態を安定的に維持することを可能にする神経回路モデルを提案。 測定装置は以下を自動で実行可能。振動刺激を、定期的に精度よく同時に複数の線虫集団(約30個体を9群)に全自動で与える。刺激を受けた複数の線虫集団の全ての移動量を同時に測り、数値化する。細胞特異的に遺伝子を導入した線虫(トランスジェニック線虫注4))が発する蛍光を検出、その遺伝子を持たない線虫(非トランスジェニック線虫)が混在する中から自動で識別する。 線虫の遺伝子の約40%はヒトの遺伝子と同じであり、今回、明らかになった仕組みをさらに解析することで、ヒトの認知機能を解明するための手がかりが得られる可能性がある。
2014年11月20日
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胃がん治療に新たな可能性出典:プレスリリース 2014年11月18日、防衛医科大学校は、島津研究所との共同研究で、光に反応するナノ粒子を用いて胃がん腹膜播種に関する新しい治療法を開発したことを発表した。 研究成果はCancer Science誌に2014年11月5日からオンライン版で公開されている。 胃がんの特徴的な転移形式として腹膜播種がある。がん細胞が腹腔内に散らばるように転移し、増殖する。腫瘍の大きさは小豆大で、CT検査等での発見が難しく、外科手術の対応にならず、抗がん剤中心の治療となる。 腹膜播種では制がん剤の反応が悪く、余命は1年半程度。 今回の研究は島津製作所が開発した「ラクトソーム」という生体内で分化する分子にインドシアニングリーンとという色素を入れた「ラクトソームIOG」をもちいた。 「ラクトソームIOG」は血管内投与により、がん細胞が正常組織に比べて血管壁の細胞透過性が亢進しており、リンパ系の構築が未発達であることから、細胞内の粒子を細胞外に排出する能力が低いという性質(EPR:Enhanced Permeability and Retention)効果を利用して、がん細胞内に集積する。 IOGは弱い光を照射すると蛍光を発する。この性質を利用して、小さな癌の塊も発見することができる。 さらにIOGに強い光を照射することにより、活性酸素を産生し、がん細胞を障害する。 マウス腹膜播種モデルにこの治療を行うことによって、生存期間を2杯に延長することに成功。 人において、光を照射するには腹腔鏡の利用が可能であることから、外科手術に比べ患者に対する侵襲性が低く、一般的な化学療法剤に比べても副作用が少ない可能性が示唆される。 光線力学療法に関しては今までも様々な試みが実際に臨床で行われている。今回の 「ラクトソームIOG」のように腫瘍集積性を利用し、腫瘍に蓄積した薬剤に光を与える方法も検討されている。問題になるのは、腫瘍に集積しやすいとしても、皮膚に集積した場合には、日光による活性化が行われ、副作用が発生することも知られている。 腹膜播種の治療に関しては制がん剤の腹腔内投与の検討が行われてきた。かつては開腹手術の上、制がん剤を振りかけるというイメージであったが投与法も工夫され、一定の効果を上げている。
2014年11月20日
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HIV-1感染症治療薬 「コムプレラ®配合錠」製造販売承認取得 出典:プレスリリース 2014年11月18日、ヤンセンファーマは、11月18日付で、HIV-1感染症治療薬 抗ウイルス化学療法剤「コムプレラ®配合錠(一般名:リルピビリン塩酸塩/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン配合錠)の日本における製造販売承認を取得したことを発表した。 抗HIV治療ガイドライン(2014年3月版)で提唱されている抗レトロウイルス療法を1日1回1錠の服用で行うことができ、患者さんの長期服薬における負担軽減が期待される。
2014年11月19日
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気管支喘息治療に新たな治療選択肢 スピリーバ® レスピマット® 長時間作用性抗コリン薬としては初めて 気管支喘息の適応を取得 出典:プレスリリース 2014年11月18日、日本ベーリンガーインゲルハイムは11月18日、スピリーバ2.5 μgレスピマット60吸入について、新たに気管支喘息の適応を取得したことを発表。 スピリーバ®は抗コリン作用性の長時間作用性吸入気管支拡張剤で、気管支を広げ、その効果は24時間以上持続。 日本ではスピリーバ®吸入用カプセル18μgとして2004年12月より、スピリーバ®レスピマット®として2010年5月より販売。 スピリーバ®レスピマット®が今回新たに取得した適応は、「下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解 気管支喘息(重症持続型の患者に限る)」。治療ステップと現在の症状から判定された重症持続型の患者が対象。例えば、中用量ICS/LABAの合剤が処方されている患者さんで週1回以上の症状があれば、重症持続型と判定される。
2014年11月19日
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眼科用 VEGF 阻害剤「アイリーア」、4 つ目の適応症となる糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応追加承認を取得出典:プレスリリース 2014年11月18日、バイエル薬品と参天製薬は11月18日、眼科用 VEGF阻害剤「アイリーア®硝子体内注射液40mg/mL」「アイリーア®硝子体内注射用キット 40mg/mL」[一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え)について、バイエル薬品が申請していた「糖尿病黄斑浮腫」(DME:diabetic macular edema)の適応追加承認を取得したと発表した。 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(滲出型加齢黄斑変性)、網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管の適応で承認を取得しており、今回で 4つ目の適応症。 今回の承認は、合計 862人の患者さんを対象とした第 III相臨床試験である VIVID-DME試験およびVISTA-DME試験の 1年目のデータなどに基づき行なわれた。 アイリーア 2mg を4週ごとに投与する群、アイリーア 2mg を 4週ごとに 5回投与し、その後は 8週ごとに投与する群、対照群として黄斑レーザー光凝固術を施行する群(ベースライン時に実施後は必要に応じて実施)のいずれかに患者さんを割り付け、比較。
2014年11月19日
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「インデラル®錠10mg」右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制に対する効能・効果及び用法・用量の追加承認を取得出典:プレスリリース アストラゼネカは、「インデラル®錠10mg」(一般名:プロプラノロール塩酸塩)に関し、公知申請を行っていた、右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制に対する効能・効果及び用法・用量の追加について、2014年11月18日付で承認を取得したことを発表した。今回、乳幼児の右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制に対し、1日0.5~2mg/kgを低用量から開始し、1日3~4回に分割経口投与することが追加承認。 右心室流出路狭窄による低酸素発作は、ファロー四徴症に代表される疾患によって、右心室流出路が強く収縮し、肺への血液流出が阻害され引き起こされる症状。ファロー四徴症の低酸素発作は致死的であるため、早晩の外科的処置が必要とされ、手術待機中に発作を予防することが極めて重要。 ファロー四徴症に伴う低酸素発作の予防に関して、β-遮断薬であるカルテオロール塩酸塩が承認されているほかは治療薬の選択肢がなく、治療に制限があるため、海外で長期投与の有効性が示されているインデラル®錠の効能・効果および用法・用量の追加が、日本小児循環器学会より要請されていました。その要請を受け「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」においても医療上の必要性が認められ申請、承認に至った。
2014年11月19日
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抗ウイルス化学療法剤「バルトレックス®」の新規適応症及び既存適応症への小児用法・用量追加の承認を取得 出典:プレスリリース 2014年11月18日、グラクソ・スミスクラインは11月18日、抗ウイルス化学療法剤「バルトレックス®錠500」「バルトレックス®顆粒50%」(一般名:バラシクロビル塩酸塩)について、新たな効能・効果の追加および既存の効能・効果について小児用量の設定が承認されたことを発表した。 追加されたのは造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制(成人/小児) 小児の用法・用量が追加されたのは単純疱疹、帯状疱疹、性器ヘルペスの再発抑制 小児への適応は「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高いと判断され、当局から開発要請(医政研発1213第1号、薬食審査発1213第1号、平成22年12月13日)を受けたものによる。 本件については当社にて開発を進め、2013年11月8日に承認申請を行いました。尚、バラシクロビル塩酸塩の商品化の独占期間はすでに終了している。
2014年11月19日
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速効型インスリン分泌促進剤「シュアポストⓇ」の「2 型糖尿病」への効能・効果の一部変更承認取得について 出典:プレスリリース 2014年n11月18日、大日本住友製薬は、即効性インスリン分泌剤「シュアポストⓇ錠0.25mg、シュアポストⓇ0.5mg」(一般名」レパグリニド)に関し、効能・効果を「2型糖尿病」に変更する一部変更承認を11月18日付けで取得したと発表した。 シュアポストⓇは、食後のインスリン分泌を速やかに促進することにより、2型糖尿病患者の食後血糖推移の改善に加え、HbA1cを低下させる即効型インスリン分泌促進剤。 日本では単独療法およびα-グリコシダー背阻害剤との併用療法を効能・効果として2011年5月に発売。2013年2月にビグアナイド系薬剤またはチアゾリン系薬剤との併用に関する効能・効果の追加承認を取得。今回の変更承認はDDP-4阻害剤との国内長期併用投与試験の実施による。申請は2013年11月。
2014年11月19日
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TRPM8遮断薬に関する研究成果の論文発表のお知らせ出典:プレスリリース 2014年11月17日、ラクオリア創薬はTRPM8遮断薬の創薬化学研究に関する文献が2014年10月29日Bioorganic & Medicinal Chemistry Letterのオンライン版で公開されたことを発表した。 HTS(ハイ・スループット・スクリーニング)技術を用いてヒット化合物を探索し、創薬化学研究により化合物の最適化を行うことで、選択的TRPM8遮断薬であるRQ-00203078を見出すことに成功。RQ-00203078は、TRPM8チャネルに対して非常に強い活性ならびに高い選択性を有し、ラットにおいて経口投与で明確な薬理作用を示し、以上の結果から、RQ-00203078は医薬品開発における重要な化合物となりえるとした。 本研究成果は、本年11月26日から28日にかけて神戸にて開催される「第32回メディシナルケミストリーシンポジウム」においても発表が予定されている。 TRPM8は温度感受性イオンチャネルの一つで、28度以下の冷刺激あるいはメントール(ミントの成分)によって活性化される。TRPM8は神経損傷あるいは一部の抗がん剤によって感覚神経における発現増加と機能亢進が起こることから、TRPM8遮断薬は神経因性疼痛治療薬の有望な標的として期待されている。
2014年11月19日
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第55回日本肺癌学会学術集会でLUX-Lung 3試験の日本人サブグループ解析結果発表出典:プレスリリース 2014年11月17日、日本ベーリンガーインゲルハイムはジオトリフ®(一般名:アファチニブマイレン酸塩)の国際共同第3相臨床試験LUX-Lung 3試験の日本人のサブグループ解析結果を発表した。 研究成果は11月16日、第55回日本肺癌学会学術集会で発表。 LUX-Lung 3試験では、EGFR遺伝子変異陽性を有する非小細胞肺がんの未治療の患者345人を対象として、不可逆的ErbB阻害剤である経口薬ジオトリフ®の1日40mg投与群と、標準的化学療法(ペメトレキセド+シスプラチン)群に2:1の割合でランダムに割り付け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)が評価。 LUX-Lung 3試験の日本人サブグループ解析では、日本人患者83人を対象として検討。 日本人患者において、OSはジオトリフ®群で46.9ヶ月(中央値)、標準的化学療法群で35.8ヶ月(中央値)。一般的なEGFR遺伝子変異陽性を有する患者において、OSはジオトリフ®群で46.9ヶ月(中央値)で、標準的化学療法群で35.0ヶ月(中央値)。Del19のEGFR遺伝子変異陽性の患者では、OSはジオトリフ群®で46.9ヶ月(中央値)、標準的化学療法群で 31.5ヶ月(中央値)でした(p=0.0181)。 主なグレード3以上の有害事象(10%以上)の発現率は、ジオトリフ®群で爪の異常26%、下痢22%、発疹/ざ瘡20%、標準的化学療法群で好中球数減少50%、白血球減少25%。 これらの結果は、既に発表されているLUX-Lung 3試験全体のITT解析結果と一貫性を示した。 ジオトリフ®は世界初の不可逆的ErbBファミリー阻害剤で、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼに共有結合し、不可逆的な阻害作用を示す。さらに、EGFR(ErbB1)と同様にErbBファミリーに属するヒト上皮成長因子受容体2(HER2(ErbB2))ならびにヒト上皮成長因子受容体4(ErbB4 (HER4))のチロシンキナーゼに対しても、それらのリン酸化を持続的かつ選択的に阻害することが確認されている。
2014年11月19日
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“NOT JUST A FLAVORING:” MENTHOL AND NICOTINE, COMBINED, DESENSITIZE AIRWAY RECEPTORS出典:プレスリリース 2014年11月16日、ジョウジアタウン大学医療センター(GUMC:Georgetown University Medical Center )の神経学者は、メンソールはニコチンと結合することによってニコチン刺激に反応する肺の気道のレセプターに対して感受性を下げるように働くと発表した。研究成果は神経科学学会(米:2014年11月15日~19日)に発表された。メンソールののど飴はのどががらがらしたり、痛かったりしたときに使われる。研究者たちは刺激物がニコチンであったときにメンソールがなぜ、どのように働くかを検討するために検討を行った。研究の結果、メンソールは単なる味付けとして働いているだけでなく、薬理学的な効果を持っていた。 FDAはメンソール入りのタバコを規制することを検討している。理由は普通のタバコへの入り口になったり、普通をタバコの量を増やしたり、依存性を増加し、特定の人たちで禁煙の成功率が下がっているからである。 しかし、FDAが2013年7月に、様々なエビデンスを検討した結果、メンソール入りのタバコを吸う人の疾患リスクは普通のタバコと変わらなかったと結論づけているが、同時に一部の人種で肺がんが高率に発していることを明らかにしている。 研究者は、ニコチンアセチルコリン受容体のなかで、α3β4受容体がメンソールによって影響を受けるかを明らかにした。 しかし、ニコチンの依存症にどのように影響しているかについては不明としている。
2014年11月19日
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「画期的メカニズムの治療薬による、完治を目指せる関節リウマチ治療法の開発」 出典:プレスリリース 2014年11月17日、東京医科歯科大学は、関節リウマチの滑膜細胞の増殖を抑制する新規薬剤(サイクリン依存性キナーゼ阻害薬)による治療法が、既存の抗リウマチ薬と併用すると、副作用を増すことなく、関節炎治療効果を高めることを関節炎も出る動物で明らかにし、産学協同でリウマチ薬の開発を目指していることを発表した。 動物実験の研究成果はAnnals of the Rheumatic Diseasesに2014年8月27日からオンライン版で公開されている。さらにアメリカリウマチ学会で2014年10月18日(米:2014年11月14~19日)に発表。 研究対象になった薬剤は乳がんで申請中のpalbociclib。しかし、企業から新規のCDK4/6阻害薬も同様の効果を示すとのこと。 滑膜細胞の増殖抑制には抗リウマチ薬のアンカー薬として認められているメトトレキサートも効果があるとされている。また、かつてはフルオロウラシルとウラシルの併用薬が検討されている。 今回のpalbociclibの成果は、リウマチ特異的な滑膜細胞の増殖抑制が期待されるが、人に対して応用するまでには高いハードルが残っているとのこと。乳がんの試験では好中球減少症(重篤な発熱性好中球減少症ではない)が目立っているが、好中球減少症は、Palbociclibの作用機序から示唆される増殖抑制に関わる副作用とされている。
2014年11月18日
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NIH study links ultraviolet filters to pregnancy delays出典:プレスリリース2014年11月14日、NIHが参加した研究において、日焼け止めに含まれている2つの化学物質が男性の生殖能力を下げていると発表した。研究結果はAmerican Journal of Epidemiologyに2014年11月13日からオンライン版で公開されている。 この研究は、Longitudinal Investigation of Fertility and the Environment (LIFE) studyの一環で行われた。 しかし、この研究を発表した研究者は「この結果は限定的なものであり、この結果を確定するためには追加の実験が必要と」述べている。 今回の物質の濃度は尿からのサンプルから測定されてものであるが、一点のみの測定に問題があることは確かであるが、逆にその程度でも検出できるような大きな影響と見ることも可能である。
2014年11月18日
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自己免疫病を防ぐ胸腺の幹細胞を同定出典:プレスリリース 2014年11月14日、京都大学の研究グループは、T細胞の自己寛容に必須の胸腺髄質上皮細胞の幹細胞を同定し、幹細胞の移植によってマウスの自己免疫疾患の発症を予防することができたと発表。 研究成果はImmunityに、2014年11月13日からオンライン版で公開されている。 免疫系が正常に働くには、非自己(病原体などの異物)を攻撃し、それを排除するのに対し、自己(自分の組織など)を攻撃しないことを保証する仕組みが必要(自己寛容)。この自己寛容が破綻した結果おこるのが、リウマチやI型糖尿病などの自己免疫疾患。 研究グループは、マウス胸腺から胸腺髄質上皮細胞の幹細胞(mTECSC)を同定することに成功。胸腺髄質の形成不全のため自己免疫疾患を発症するマウスにmTECSCを移植すると、個体のほぼ生涯にわたり正常な髄質上皮細胞を供給し続け、自己免疫疾患の発症をほぼ完全に抑えることができた。 胸腺はT細胞を産生するという重要な臓器であるにもかかわらず、思春期を過ぎたころから機能が低下する(胸腺退縮)ことが知られている。生後すぐに幹細胞の活性が低下しはじめること、その一方で、T細胞側に異常がありT細胞産生ができないマウスの胸腺上皮幹細胞の活性は歳をとっても高く維持されていることが明らかになった。 胸腺退縮、さらには加齢により免疫機能が低下するメカニズムを知る重要な手掛かりとなるとともに、化学療法や放射線治療などを受けた患者さんが正常な免疫系を回復する方法論の開発に大きく貢献すると考察。
2014年11月17日
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多発性硬化症で神経が傷つけられる仕組みを解明 出典:プレスリリース 2014年11月14日、大阪大学は多発性硬化症で中秋神経が傷つくメカニズムを発見したと発表。 多発性硬化症に類似する脳脊髄炎を発症するモデルマウスを用いて、炎症による神経傷害には「RGMa」と呼ばれるたんぱく質が関与すること、さらにある特定の免疫細胞がRGMaを介して神経傷害を引き起こすことを明らかにした。 研究成果は、Cell Reportsに2014年11月13日からオンライン版で公開されている。 多発性硬化症の病変は脳、視神経、脊髄などに広範に分布し、さまざまな神経症状を呈し、寛解と再発を繰り返す。 再発を繰り返すうちに、神経機能障害からの回復が困難になる。 多発性硬化症は。神経細胞の軸索を取り巻く髄鞘が傷つくことにより発症すると考えられてきたが、最近の研究によって発症初期から神経細胞が傷ついていることが明らかになった。 RGMaたんぱく質は、発生期の神経回路の形成に関わることが知られている一方、免疫反応にも関与していることが近年の研究で明らかになっています。本研究グループは、免疫システムの司令塔であるヘルパーT細胞の1種がRGMaを強く発現していることを突き止め、ヘルパーT細胞が発現するRGMaの役割を明らかにすることを目的に本研究を開始しました。 RGMa中和抗体を投与されたマウスでは、四肢の麻痺などの症状が改善。さらに、このマウスの脊髄を観察したところ、RGMa中和抗体の投与を受けたマウスでは、炎症部における神経細胞の傷害が少なくなっていた。この実験結果は、Th17細胞が発現するRGMaが脳脊髄炎による神経細胞傷害を悪化させていることを示唆。 Th17細胞は多発性硬化症のみでなく、視神経脊髄炎やアルツハイマー病など、さまざまな脳神経疾患の病態に関わっていることが報告されている。今後、これらの脳神経疾患におけるTh17細胞の役割がより詳細に明らかになることで、有効な治療法が開発されることが期待される。
2014年11月16日
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日本メドトロニック 日本初のパーソナル CGM 搭載「ミニメド 620G インスリンポンプ」を発売出典:プレスリリース 日本メドトロニックは、日本初となる患者がリアルタイムで間質液グルコースを視認できるパーソナル CGM(Continuous Glucose Monitoring; 持続グルコース測定)を搭載した「ミニメド 620G(ロクニーマル ジー)インスリンポンプ」を、2014 年 12 月 22 日(月)に発売することを発表した。 インスリンポンプにパーソナル CGM 機能を搭載したシステムはSAP(Sensor Augmented Pump; パーソナルCGM機能搭載インスリンポンプ)と呼ばれ、血糖変動を患者自らが随時確認可能。SAPは、患者さん自身による更なる適切なインスリン量調整の一助となるため、高血糖および低血糖リスクの低減を期待。 システムは以下のセット ミニメド 620G インスリンポンプCGMトランスミッタおよび遠雷とセンサケアリングプロおよびケアリンク 持続グルコース測定とは、腹部などの皮下組織に専用のセンサを装着し、連続適否皮下の組織間質液中のグルコース濃度を記録する方法。この測定値は血糖値と良く相関することから、実際の血糖変動をシミュレーションするために利用される。 日本において、パーソナルCGMとしては「ミニメド 620G システム」が日本で初めて承認を得た。厳密には血糖値を測定するものではないため、1日に数回以上の血糖自己測定器で得られた実測血糖値を用いて較正することが必要。
2014年11月15日
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経皮的冠動脈形成術用カテーテルを開発出典:プレスリリース カネカは従来製品と比べてカテーテルの病変部通過性がよりアップした経皮的冠動脈形成術用カテーテル(製品名: IKAZUCHI Zero)を開発し、カネカメディックスを通じて本年11月より販売を開始したことを発表した。 カネカは血栓吸引カテーテルやバルーンカテーテルなど、さまざまな血管内治療用カテーテルを製造・販売している。経皮的冠動脈形成術用カテーテル分野では、高通過性を実現するIKAZUCHI Zero、高耐圧性能バルーン「Raiden3」、灌流型バルーンカテーテル「Ryusei」など、多様な病変へのアプローチを可能とし、複雑化する治療を支えるデバイスを開発する会社として、さらなるプレゼンスの向上を目指す。
2014年11月15日
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MSD株式会社 糖尿病治療に関する患者の意識と実態調査を実施出典:プレスリリース 2014年11月14日、MSD株式会社は、全国の40歳から69歳の2型糖尿病患者さんで、経口薬治療を継続している患者さん(治療継続者)と、過去に自己判断で治療を中断した経験がある患者さん(中断経験者)400名を対象に、糖尿病治療に関する患者の意識と実態を明らかにするための調査の結果を発表した。 調査方法はインターネット調査、調査実施機関は楽天リサーチ。調査実施機関は2014年10月24日~27日。調査実施機関の登録者から、層化二段抽出にて配信対象者を抽出し2,395人から回答を得、このうち、調査対象者条件にあてはまる400人を有効回答として、調査を実施。 過去から継続して「経口治療薬」を服用中の人(以下、治療継続者) 300人、現在「経口治療薬」を服用中だが、自己の判断によって過去に2カ月以上の中断経験がある人(以下、中断経験者) 100人。本調査の軸となる薬物療法においても、処方箋の交付には医師への受診が必要となるため、「2カ月以上治療薬の服用を自己判断によって中断した人」を中断経験者と解釈。 食事・運動療法に対して、負担と感じる患者さんは全体で約6割、薬物治療に対しても全体で約3割が負担と感じており、いずれも中断経験者の方が負担と感じる割合が高い結果となりました。また医療関係者以外のサポートについては、治療継続者の約4割、中断経験者の約5割が「特にいない」と回答するなど、糖尿病治療におけるアンメットニーズが改めて浮き彫りとなりました。
2014年11月15日
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頭頸部癌患者に対するペプチドワクチン投与で大きな成果!! 出典:プレスリリース 2014年11月13日、熊本大学は進行性頭頸部癌に対する3種類の癌抗原ペプチドの混合ワクチンの第2相試験の結果を発表した。研究成果は、 Clinical Cancer Reserachに2014年11月12日からオンライン版で公開されている。 HLA-A24遺伝子を持つ頭頸部癌患者群(n=37)には癌抗原ペプチドワクチンを投与し、HLA-A24遺伝子を持っていない頭頸部癌患者群(n=18)にはこれを投与せず、従来の対症療法を施行した。 ペプチドワクチンを投与できた群と投与できなかった群において、生存期間の中央値(MST)はそれぞれ4.9か月と3.5か月であり、投与した患者群の方が有意に生存期間が延長することが判明した。 ペプチドワクチン投与後に、3種のペプチドワクチンのうちの1つであるLY6Kという癌特異的抗原由来のペプチドに反応する、キラーT細胞の存在が確認できた患者は85.7%であり、MSTも8.1か月であった。キラーT細胞の存在が確認できなかった患者のMSTは1.4か月であった。 CDCA1という癌特異的抗原由来のペプチドに反応する、キラーT細胞の存在が確認できた患者は64.3%であり、MSTも11.3か月であった。一方、キラーT細胞の存在が確認できなかった患者のMSTは4.6か月であった。 今回3種類のペプチドを用いたペプチドワクチンを施行したが、特に3種類すべてに反応するキラーT細胞を誘導できた6症例では、4症例が生存しており1症例では癌が完全に消滅し、1症例は5年近く、他の2症例は約14ヶ月および25ヶ月以上生存している。 ペプチドワクチンを投与した患者のうち、1症例において癌抗原ペプチドを認識するキラーT細胞が強く誘導され、癌は原発巣および転移巣ともに完全に消失し、その後2年間再発もせず良好に完全治癒の状態を維持している。 例数が少ないので、コメントがしづらいが、ペプチド投与群でキラーT細胞が誘導されなかった症例のMSTは1.4か月と従来治療群の3.5か月に比べて半減している。 キラーT細胞が誘導された場合には、十分な効果があると考えられるので、第三相試験によって効果が実証されることが待ち望まれる一方、キラーT細胞が誘導されなかった場合には、(いつそれを判断するかを規定するの必要があるが)、従来治療に切り替えるなど、テーラーメード治療を指向した試験方法の検討が望まれる。
2014年11月14日
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「ラジカット®注30mg」「ラジカット®点滴静注バッグ30mg」筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関する適応追加の申請 出典:プレスリリース 2014年11月13日、田辺三菱製薬は、このたび、「ラジカット®注30mg」、「ラジカット®点滴静注バッグ30mg」(一般名:エダラボン)(以下、「ラジカット®」)について、筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)に関する効能・効果及び用法・用量の追加に係る製造販売承認事項の一部変更承認申請を行ったことを明らかにした。 ラジカット®は、田辺三菱が創製したフリーラジカル消去剤であり、脳梗塞急性期治療剤として、2001年にラジカット®注30mgの製造販売承認を、また、2010年にラジカット®点滴静注バッグ30mgの製造販売承認を取得し、それぞれ国内で販売している。
2014年11月14日
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日本発:肥満2型糖尿病に対する新規医療機器の臨床的有用性を証明 出典:プレスリリース 2014年11月12日、熊本大学はメタボリックシンドロームおよび肥満2型糖尿病患者に対する新規医療機器の有用性を臨床試験にて証明したと発表した。 研究成果はEBioMedicineに2014年11月11日からオンライン版で公開されている。 この新規物理治療法は、対象者の内臓脂肪を減少させ、血糖値、耐糖能、インスリン抵抗値を改善。 糖尿病患者では熱ショック応答経路によって特異的に誘導されるタンパク質であるHSP72の量が低下しており、HSP72の発現を回復すると糖代謝異常が改善することがHooperらにより、1999年に報告されている。今回、動物実験でHSP72の発現を効果的に増強し、糖尿病モデル動物で血糖値の低下、耐糖能およびインスリン抵抗性を改善し、内臓脂肪と監視棒沈着を減少させることが明らかとなった最適化された微弱パルス電流と温熱の併用を非盲検無作為クロスオーバー試験によって、人での効果を検討。 40例のメタボリックシンドローム該当者と40例の肥満2型糖尿病患者を対象。 42℃の温熱刺激に加え、特殊パルス直流電流刺激(1.4±0.1 V/cm、持続時間0.1ミリ秒、55パルス/秒)を週4回、1回あたり60分で腹部にパットを用いて施行。治療期間は12週間。クロスオーバーのウオッシュアウト期間は12週間。 機材はつちやゴムが貸与。 各測定値に関して有意な低下が見られている。 MES+HS治療は運動療法と同様の効果をもたらすと考えられ、過体重や高齢により運動療法が困難な状況においても利用可能な治療法の選択しになる可能性があるとのこと。今回のデータで医療機器として申請を予定している。 12週間で効果がウオッシュアウトできてしまうという点が申請時に争点になる可能性がある。
2014年11月14日
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がん発生の基盤となる仕組みを探る―DNA 損傷下における細胞周期の新たな制御因子―出典:プレスリリース 2014年11月12日、東京大学の研究グループは、DNA 損傷後の細胞の生死を決定する仕組みが、がんの発生過程に与える影響の大きさに注目し、その仕組みを制御する新たな遺伝子 Rad54B を発見したと発表した。 研究成果は、Nature Communicationsに2014年11月11日からオンライン版で公開されている。 細胞は、適切なタイミングで細胞分裂を行い、適切なタイミングで細胞周期を停止することで、その恒常性を保っている。 がんにおいては細胞周期を制御する仕組みが異常を来たしており、本来起こるべきではないタイミングで細胞分裂を繰り返している。 細胞は、日々外的、内的ストレスにさらされることでDNAに損傷が起こりますが、それらは精巧な仕組みによって修復され、修復ができないものは細胞死を誘導することで、遺伝情報が乱れた細胞が生存しない仕組みを備えている。その仕組みが破綻することは、がんの発生や、がんのさらなる進展、悪性化につながると考えられている。 正常な細胞では、DNA 損傷が起こった場合、まず細胞周期を停止させ、DNA 損傷を修復して生存を続けるか、細胞死を誘導するかを判断する時間的な猶予を作ります。その際に中心的な働きをするのが、p53 というタンパク質で、p53 が機能することで、細胞周期の進行が適切に抑制されます。 研究グループが発見した遺伝子 Rad54B は p53 の働きを抑制し、細胞周期を停止させる仕組みを無効化することで、DNA 損傷の修復が完了しない状態のまま細胞分裂を促進することがわかり、そのような分裂の結果、染色体の欠失や重複などが培養細胞において観察。 ヒトのがん細胞を移植したマウスを用いて、既存の薬物治療とともにRad54Bタンパク質を阻害した場合には、阻害しなかった場合よりも癌の増殖が強く抑えられた。 Rad54Bタンパク質を治療標的にすることにより、既存薬剤の効果を増強、癌の悪性化を抑制、癌の発生の予防の可能性が示唆された。
2014年11月14日
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肥大型心筋症 iPS 細胞の作製、病気を悪化させる因子の同定に成功出典:プレスリリース 2014年11月12日、慶應義塾大学は肥大型心筋症の患者の細胞からiPS細胞を作製し、そのiPS細胞を心筋細胞に分化させることに成功し、さらにその心筋細胞から肥大型心筋症の増悪因子を同定したと発表した。 研究成果はJournal of American Heart Associationに2014年11月11日からオンライン版で公開されている。 肥大型心筋症は国の難病に指定されている難治疾患で、突然死や心不全の原因となる頻度の高い遺伝性疾患で、多くは筋原繊維を構成する遺伝子の変異によって起こる。 筋原線維である MYBPC3(ミオシン結合蛋白 C 遺伝子)、TPM1(トロポミオシン遺伝子)に変異を有する肥大型心筋症患者と肥大型心筋症に関連ある遺伝子に変異を認めない肥大型心筋症患者の合計 3 名から iPS 細胞を作製。健常者のiPS細胞から作製した心筋細胞と肥大型心筋症患者から作製した心筋細胞を比較。 肥大型心筋症においては、健常者に比較して心筋細胞内の筋原線維の配列に乱れが増加していることを発見。 症状を増悪させる因子を探索したところ、エンドセリン-1(血管収縮ペプチド)を投与すると肥大型心筋症においてのみ筋原線維の配列の乱れの頻度が大きく増加。 高速スピードカメラを用いて心筋細胞の収縮の様子を観察した結果、筋原線維の配列が乱れた心筋細胞は収縮と拡張において、強さと方向性の乱れが認められることが判明。 エンドセリン受容体を遮断することにより肥大型心筋症治療の可能性を探りました。エンドセリン受容体にはエンドセリンA 受容体とエンドセリン B 受容体が存在しており、エンドセリン A 受容体を阻害した際に肥大型心筋症における筋原線維の配列の乱れと収縮の乱れが治療できることを発見。 エンドセリン受容体拮抗薬は既に肺動脈性肺高血圧症という難病の治療に用いられており、人に用いても安全性に問題ないことが確認されている薬剤です。そのため、すぐにでも臨床応用することが可能となります。 今回の研究はiPS細胞の移植臓器の作製という役割とならぶ、病態細胞における病因の解明あるいは薬剤の開発という役割を実現した研究の一つである。
2014年11月14日
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信州大学医学部とのiPS細胞を用いた再生医療技術の共同開発について 出典:プレスリリース 2014年11月12日、イナリサーチはカMHC 統御カニクイザルを使用した再生医療技術開発のための試験が信州大学により、イナリサーチレンタルラボにて開始されることとなったことを明らかにした。 心筋梗塞の急性期から生還しても、心臓の機能の一部が壊死する事により、 後日心不全を発症することが多数見られることから、新たな治療法の確立が望まれている。近年、iPS 細胞から心筋細胞を作製し,心臓の壊死した部分に移植する事により、心臓の機能を取り戻そうとする研究が一部で進んでいる。 イナリサーチは2014年5月1日付で信州大学医学部と「心筋梗塞に対する iPS 細胞由来心筋細胞移植療法の開発」に関する共同研究契約を締結し、信州大学病院隣に産学連携で新産業を創出することを目的に設けられた「信州地域技術メディカル展開センター」内に研究室を確保して研究員を派遣するとともに、拒絶反応の少ない MHC 統御カニクイザル、サル専用の試験施設及 び豊富なサル試験の経験を持つ技術者を提供している。 この度、カニクイザルの心臓への施術法、本年導入した3D マイクロ CT スキャン装置の測定条件設定といった手法開発が整い、いよいよ MHC 統御カニクイザルを使用した再生医療技術開発のための試験が信州大学の研究チームにより、イナリサーチのレンタルラボにて開始されることになった。
2014年11月13日
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「Zilver® PTX®薬剤溶出型末梢血管用ステント」 5年間追跡試験データにおいて持続した開存率を実証出典:プレスリリース 2014年11月12日、クック メディカルはPAD(末梢動脈疾患)患者を対象とした薬剤溶出型ステント「Zilver® PTX®薬剤溶出型末梢血管用ステント」の5年にわたる過去最大かつ最長規模の追跡試験の結果において、ZilverPTX留置患者の長期的な開存率が実証されたと発表した。研究成果は2014 Vascular Interventional Advances(VIVA)カンファレンスにおいてスタンフォード大学のマイケル・デーク教授(M.D.)によって発表。 Zilver PTXの無作為化対照試験の5年間追跡調査結果では、クック メディカルのパクリタキセル溶出ステント留置による浅大腿動脈(SFA)の大腿-膝窩動脈疾患治療を受けた患者の5年後の一次開存率は66.4%で、標準的治療(バルーン血管形成術あるいは薬剤なしのベアメタルステント(BMS)留置)を受けた患者の一次開存率は43.4%。 SFAに対するZilver PTXの無作為化試験は、479名の患者を対象に実施された多施設共同の前向き無作為化対照試験であり、SFAのPADに対するステント治療を評価する目的で実施。
2014年11月13日
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全身および局所の免疫組織による食物アレルギー性腸炎の制御メカニズムの解明 出典:プレスリリース 2014年11月11日、東京大学は卵白中のタンパク質の一種であるオボアルブミン(OVA)を摂取するとアレルギー性腸炎を発症するマウスモデルを用いて食物アレルギーの炎症を誘導する臓器と制御する臓器を明らかにしたと発表。 研究成果は、PLoS Oneに10月7日からオンライン版で公開されている。 食物アレルギーの発症予防としては「原因食品を除去」することが有効とされている。しかし、栄養不足という問題点を抱えている。また、アレルギー源の誤食による死亡例はなかなかなくならない。 食物アレルギーは原因食品の体内への侵入によって誘導される炎症応答と、同時に誘導される抑制系の免疫応答のバランスが誘導系にバランスが傾くことにより発症する。そのため、抑制系の免疫応答に傾けることを目的としたアレルゲンを食べさせることによる治療が試みられている。 効果的な抑制性の免疫応答の誘導には炎症と抑制応答におけるメカニズムの解明が必要であることから、今回、モデルマウスのどの臓器が炎症性、抑制系に働いているかを各臓器欠損させることにより検討。原因となる細胞が、OVA特異的CD4陽性T細胞とそれが産生するサイトカイン・IL-4であること、OVAを食べさせ続けるとT細胞が寛容状態になるため、炎症が抑制され克服されることを証明。 さらに以下のことが判明した。 腸炎の誘導には腸間膜リンパ節が必須の役割を果たすが、腸管粘膜中のリンパ節様器官であるパイエル板がOVAに対して、より迅速に反応し、腸間膜リンパ節と協調的に働くこと。全身性の免疫器官である脾臓は、腸管局所の応答とは異なりOVA投与後から寛容状態に入り腸炎形成には関与しないこと。腸間膜リンパ節のOVA特異的CD4陽性T細胞には、OVAの継続投与により寛容が強く誘導される一方で、他の組織に比べ若干の炎症反応が維持され、この炎症応答の維持がアレルギー性炎症の再発に関わる可能性があること。 基本的には食べたアレルゲンに対しては全身性の免疫応答は抑制されたことから、多くの食物アレルギー患者でみられるような食品抗原に対する重篤なIgE依存的な全身性のアレルギー(アナフィラキシー反応など)は、腸管経由以外の感作経路が重要な働きをすることも、示唆しているとのこと。
2014年11月13日
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がんへの光選択的遺伝子導入に成功出典:プレスリリース 2014年11月11日、東京工業大学の研究グループは光照射部位で選択的に遺伝子を導入することができるナノマシンを開発し、皮下にがんを持つマウスにナノマシンを静脈注射した後、がんに光照射することにより、全身投与後の光選択的遺伝子導入に世界で初めて成功したことを明らかにした。 研究成果はNature Communicationsに2014年4月2日から公開されている。 遺伝子に異常を持つ細胞に、タンパク質の設計図であるDNAを送り届けて異常を治す遺伝子治療は、既存の医薬品では治療が困難な、がん、動脈硬化症、パーキンソン病などの難治性疾患を克服する技術として大きな期待を集めている。しかし、DNAは生体内に投与されると即座に分解されてしまうため、遺伝子治療を実現するためには、目的のDNAを疾患部位の標的の細胞まで確実に届けることができる、DNAの運び屋(ベクター)が必要である。 ベクターとしてはウイルスや、脂質をベースとした非ウイルス性の試薬が一般的に使用されている。だが、これらを生体に投与した場合、正常な細胞にも遺伝子が導入されてしまい、予期せぬ副作用を惹起してしまうことが懸念されている。 研究グループはこれらの課題を解決するための機能を高分子ミセルに統合することで、光照射部位で選択的に遺伝子を導入することができるナノマシンを開発した。 ナノマシンは、DNAを内包した内核層、光増感剤を内包した中間層、生体適合性材料の外殻層という三層構造を持っており、それぞれの層が効率的な遺伝子導入を行うための機能を持っている。 ナノマシンは血中に投与されると、生体適合性外殻により生体物質の吸着を抑制し、さらにDNAを内核に閉じ込めておくことにより、DNAの分解を回避しながら血流中を循環する。がん組織の血管は未熟な構造をしており、血管壁にナノスケールの穴が開いているため、ナノマシンはこの穴を通してがん組織に移行することが可能である。そして、ナノマシンはがん細胞にエンドサイトーシス と呼ばれる経路で細胞に取り込まれ、エンドソーム・リソソームと呼ばれる細胞の胃袋のようなものに運ばれる。 DNAそのものはそこから細胞質に移行することができないため、核まで到達することができない。 ナノマシンは、エンドソーム・リソソーム内の酸性環境を検知して光増感剤を放出し、エンドソーム・リソソームの膜と相互作用させる。そこに光を当てて光増感剤を活性化すると、活性酸素が産生されてエンドソーム・リソソーム膜を壊し、DNAを細胞質に移行させることができる。 今回の研究ではレポーター遺伝子を用いて光選択的遺伝子導入を実証したが、将来的には治療用タンパク質をコードしたDNAをがん組織中の細胞に選択的に送り込み、その場で治療薬を生産することにより副作用を最小限にとどめた、低侵襲治療を実現するためのシーズとして期待される。
2014年11月13日
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皮膚科と科研製薬株式会社の共同研究チーム(筆頭著者 佐藤健治研究生)の論文が米科学誌プロスワン誌に米国時間2014年10月8日に受理され、同誌ホームページ上に同11月10日に掲載されました。 出典:プレスリリース 2014年11月11日、高知大学は乾癬モデルマウスを用いた解析を行い、TNF(免疫細胞を賦活化させる)及びEGF受容体リガンド(表皮増殖や血管増生に関与する)のいずれもが、本マウスの病態発症に関与することを明らかにしたと発表した。 研究成果はプロスワンに2014年11月10日からオンライン版で公開されている。 乾癬は、本邦において30万人以上が罹患している現在増加中の慢性炎症性角化症。乾癬皮疹は分厚い角化・鱗屑と紅斑を特徴とし、免疫や炎症細胞の働きによって表皮が増殖する。腫瘍壊死因子変換酵素(TACE)は、表皮細胞や免疫細胞等で産生される腫瘍壊死因子(TNF)や上皮増殖因子(EGF)受容体リガンドを活性化する蛋白分解酵素であり、乾癬皮疹部で増加する。 乾癬モデルマウスを用いた解析を行い、TNF(免疫細胞を賦活化させる)及びEGF受容体リガンド(表皮増殖や血管増生に関与する)のいずれもが、本マウスの病態発症に関与することを明らかにした。さらに、TACEを阻害する物質がTNFおよび EGFリガンドの活性化をいずれも抑制できることを確認し、TACEを標的とした乾癬への臨床応用を期待。
2014年11月13日
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腸内細菌科細菌が腸内・体外の環境変化に順応するメカニズムを解明出典:プレスリリース 2014年11月11日、理化学研究所は東京薬科大学、姫路日ノ本短期大学との共同研究で、腸内細菌科細菌が腸内(嫌気性)と体外(好気性)の両方に順応するメカニズムを解明したことを発表した。 研究成果はNature Chemical Biologyのオンライン版に11月10日から公開されている。 嫌気性と好気性では細胞内のタンパク質分解酵素の至適条件が異なる。Enterobacteriacesaに属する細菌は環境変化によって、プロテアーゼ活性を切り替えることにより、強い増殖力を発揮する。 今回の研究でこのプロテアーゼ活性を調整する「酸化還元スイッチ」を発見。 このスイッチは、細菌細胞内の異常タンパク質を分解する主要な酵素で細菌、古細菌、真核生物に普遍的に存在するLonプロテアーゼの分子中に存在し、分解産物のペプチドを放出する出口孔のサイズを、可逆的なジスルフィド結合の形成を通して調節。その結果、腸内細菌科細菌の細胞内タンパク質分解の活性は、腸内(嫌気環境)では低く、大気中(好気環境)では高く設定され、いずれの環境でも、細胞が強い増殖力を発揮することが可能となっていた。 このメカニズムを標的とすることで、細菌感染症対策の鍵となる、新規薬剤の開発につながることを期待。
2014年11月12日
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細胞分化と密接に関連する「体内時計の発生メカニズム」を解明出典:プレスリリース 2014年11月11日、京都府立大学の研究グループテキサス大学(米)と大阪大学との共同で、マウスES細胞を用いて体内時計の発生メカニズムを解明したと発表した。研究成果は、 Proceedings of the National Academy of Sciences U.S.A.に2014年11月11日からオンライン版で公開されている。 マウスES細胞を利用し、体内時計が形成される過程を定量的に評価できる「In Vitro体内時計形成法」と名付けた新規培養法を開発。 体内時計は、「時計遺伝子」と呼ばれる10数個の遺伝子群が構成する「転写のフィードバックループ」によって分子レベルでの24時間周期のリズムを生み出している。この時計遺伝子の発現をホタル由来の発光レポーターで可視化し、この発光の強さの変化を測定することで、生きたままの細胞の体内時計をリアルタイムモニター可能。 細胞分化と関連する様々な遺伝子を欠損したES細胞および遺伝子改変ES細胞の分化に伴う体内時計の形成を評価しました。その結果、細胞分化と密接に関連し、DNAメチル化を制御するDnmt1(DNAメチル基転移酵素欠損ES細胞やc-Myc発現誘導ES細胞では、分化誘導培養によっても体内時計の形成が見られないことを発見しました。つまり、正常な細胞分化過程から逸脱し、分化異常が起きると体内時計が正常に形成されないことが判明。 正常な体内時計を持つ線維芽細胞などでは、周期的に核内に蓄積されるはずのタンパク質で体内時計のリズム発振に必須のPERIOD(PER)が細胞質に留まり、その結果核内蓄積が起こらないことが分かった。 この現象は、体内時計がリズムを刻んでいる通常の体細胞では決して見られないもので、ES細胞で時計遺伝子の発現があるにもかかわらず、全くリズムが刻めない理由の一つとなる重要な発見とのこと。 網羅的遺伝子発現解析から、タンパク質の核内への移行を制御するインポーチンの一種であるKPNA2/Importin-α2に注目。KPNA2/Importin-α2は細胞分化制御に関わるタンパク質の細胞内局在を調節する働きがあることが知られている。 KPNA2/Importin-α2を過剰発現させた細胞では、細胞分化に伴う体内時計の発生が強く阻害され、PERタンパク質の細胞内局在パターンにも異常を来すことが確認されたことから、これが細胞分化に伴う体内時計の発生を制御する鍵因子であると結論。 細胞分化に伴う体内時計の発生メカニズムが明らかになり、子どもの心身の発達に深く関わる体内時計のメカニズムの理解が進むことに加えて、体内時計と細胞分化との関係性から細胞を考える新しい視点を提供する可能性を示唆。
2014年11月12日
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不完全な中心体がかき乱す細胞分裂 ~新しい染色体不安定化機構の提示~出典:プレスリリース 2014年11月11日、国立遺伝子研究所は、中心体蛋白質STILと結合するRBM14という蛋白質を減らすことで細胞内のあちらこちらで大量に中心体蛋白質の塊が生じ、やがて完全な中心体を失うことを発見したと発表した。 研究成果はThe EMBO Journalに2014年11月10日からオンライン版で公開されている。 細胞が自らの遺伝情報を子孫に正確に伝えるには、細胞分裂の際に遺伝情報を収めた染色体を均等に分配する必要がある。 多くの動物細胞では、微小管という繊維で作られた紡錘体と呼ばれる構造が二つの極にそれぞれ染色体を引きつける。それを可能にするためには、微小管を形成する極として働く細胞小器官、中心体が一回の細胞周期に一回だけ複製の複製しか許されない。 細胞の中には中心体を複数個作るのに十分な材料が存在しているが、正常な細胞では余計な中心体が作られることはない。しかし、ひとたび既存の中心体が外的要因などで失われると、未知の制御機構によって細胞内のあちらこちらで大量に中心体蛋白質の塊が生じ、やがて完全な中心体に置き換わることが知られていた。 今回の研究では、ヒトやマウスの細胞において、中心体蛋白質STILと結合するRBM14という蛋白質を減らすことで、既存の中心体が健在であっても、それに似た現象が起こることを発見。このとき大量に生み出される中心体蛋白質の塊は構造的に不完全なものですが、微小管を作り出す力は部分的に保持しているので、細胞が分裂を始めると異常な紡錘体が形成されて、細胞の癌化などに繋がる危険をはらんだ染色体分配の乱れを生じてしまう。 一般に癌細胞では中心体の過剰な増加が見られることが知られていますが、一方で完全な活性を持った中心体の増加はむしろ紡錘体の形成に致命的で、多くの場合細胞の死を招くとも考えられています。 実際RBM14は以前に癌抑制遺伝子としての可能性が指摘されています。通常の中心体複製機構と異なったこのような制御機構が細胞癌化等に関連があるかどうか、今後の解析が待たれる。
2014年11月12日
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国産初の血友病インヒビター止血治療用製剤「バイクロットⓇ配合静注用」新発売のお知らせ 出典:プレスリリース 一般財団法人 化学及血清療法研究所は、インヒビターを保有する血友病患者向けの止血治療用バイパス製剤(一般名:乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第VII因子、販売名:バイクロットⓇ配合静注用)を 2014年11月11 日付で新発売した。 インヒビターを保有する血友病患者の止血治療にあたっては、第VIII因子や第IX因子が関与する凝固経路を迂回(バイパス)して血液凝固反応を促進し、止血機能を有するバイパス製剤が用いられている。 2013年10月に製造販売承認を申請し、2014年7月に承認を取得。 薬価算定は類似薬効比較方式。市場性加算A=10%。本剤は希少疾病用医薬品であり、比較薬は市場性加算を受けていないことから、加算の要件に該当する。ただし、類似の薬理作用を有する医薬品が既に薬価収載されていることから、加算率10%が妥当であると判断した。再類似薬は:乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(バクスター)。
2014年11月12日
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