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バニラ・エアが燃えている。しかし、木島さんも燃えている。【朝日新聞】車いす客に自力でタラップ上がらせる バニラ・エアが謝罪まず、補足をしておくと、この見出しだとバニラ・エアが車いす客に自力でタラップを這い上がるよう命じたかのような印象を受けてしまうが、そうではないようだ。木島英登(ひでとう)さんの公式サイトでの説明によると、こうだ。バニラ・エアから「歩けない人は搭乗させられない」「同行者が抱えることも危険なのでダメ」と言われた木島さんが、「行きは同行者に抱えてもらったのに、帰りはダメと言われたのでは大阪に帰れない」と焦りを募らせ、航空会社職員の制止を振り切ってみずからタラップを上がりはじめたというのが正確な描写のようだ。一連のバニラ・エアの対応も批判を浴びているが、木島さんが航空会社に事前連絡していなかったことも相俟って、ネットユーザーからは木島さんに対しても「クレーマーだ」「プロ障害者だ」との批判が相次いでいる。では、これらの批判ははたして的を射たものなのだろうか。私なりの見解を述べてみたい。まず、木島さんが事前連絡をしていた場合、どうなっていたのか。バニラ・エアは適切な対応を取り、木島さんは滞りなく搭乗することができていたのだろうか。答えは、NOである。毎日新聞の取材に、バニラ・エアは「関空-奄美線では、自力で歩けない車椅子のお客さまから事前に連絡があった際には搭乗をお断りしていた」と回答している。何のことはない。事前連絡をしたところで、結局は乗れないのだ。事前連絡をすることでスムーズに搭乗できるという前提なら、「木島さんは事前連絡すべきだった」との批判も理解できる。しかし、事前連絡をしたところで「お断り」ならば、するだけムダというものだろう。実際、木島さんもキャリコネニュースの取材に「前もって連絡したら乗れませんよ」「診断書を出せと言われたり、根掘り葉掘り聞かれたりして面倒です。連絡をしなかったのは確信犯ですね」と答えている。私も別の航空会社で離島行きの便を予約しようとしたものの「設備がない」との理由で断られた経験が何度かあるが、木島さんも事前連絡がただの"門前払い"にしかならないことを熟知していたのだろう。では、事前連絡しようがしまいが「自力で歩けない人は搭乗できない」というルールを掲げている航空会社に予約し、無理にでも乗ろうとする行為は、はたして「クレーマー」に当たるのだろうか。もしも、そのルールに客観的な正当性が認められるのなら、木島さんはクレーマーとのそしりを免れないだろう。しかし、バニラ・エアが掲げる「自力で歩けない人は搭乗できない」というルールには、はたして客観的な正当性があるのだろうか。2016年4月に障害者差別解消法が施行されて1年以上が経過した。これによって、障害の有無にかかわらず、すべての人が適切なサービスを受けられることが法律で保障されることとなった。もちろん、この法律が施行されたらといって、障害者の要求がすべて通るわけではない。あくまで「合理的配慮の範囲内で」という前提がある。ただ、この合理的配慮、ちょっと難しい。たとえば、「飛行機のサイズが小さすぎて私の車椅子を搭載できないなら、新しい機体を購入してほしい」という要求をしたとする。これは、あまりに莫大な予算を必要としてしまうため、「合理的配慮の範囲を超える」と見なされてしまうだろう。しかし、木島さんが搭乗するためには、ストレッチャーさえ準備されていれば問題なかった。実際にバニラ・エアは木島さんとのトラブルから二週間以内にストレッチャーを導入していることを考えれば、予算的にも、手続き的にも、そう準備に負担がかかるものではないことが窺える。つまり、バニラ・エアは合理的配慮の範囲内であるストレッチャーさえ用意していなかったのだ。これは、明らかに障害者差別解消法に反する状況だったと言える。さて、木島さんに話を戻そう。彼は、先ほどのコメントにもあったように、おそらくはバニラ・エアが違法状態であることを知っていたのだろう。ならば、それに異を唱えること、抗議を示すことは「クレーマー」に当たるのだろうか。本来、クレーマーとは、商品やサービスに問題がないのにクレームを申し立てたり、理不尽な抗議、過剰な要求をする人々のことを指す用語ではなかったか。たしかに、「スムーズに」奄美諸島へ行くことだけを考えれば、あえて設備が整っていないバニラ・エアを選ばず、別の航空会社を利用するという方法もあったと思う。しかし、それではバニラ・エアが違法状態であり、企業として無自覚の差別を行なっていることを放置し続けることとなる。木島さんのクレームは、そうした状況に一石を投じた、とても意味のあるものだったと感じている。そのクレームは法律に照らし合わせて考えても、いたって真っ当なものであったはずだ。それを「クレーマー」だの「プロ障害者」だと批判するのは、木島さんに「おまえは理不尽な門前払いに泣き寝入りをすべきだった」と言っているに等しい。特に改善する必要性を感じていない健常者にとってはあまり理解してもらえない感覚かもしれないが、障害者にとってはまだまだ理不尽だと感じられるこの社会環境を変えていくには、あえて波風を立てていく場面が必要にもなってくる。最後になりましたが、銀座イタリアン事件については、申し訳ありませんでした。乙武洋匡さんをTwitterでフォローする: www.twitter.com/@h_ototake「Huffington Post http://www.huffingtonpost.jp/hirotada-ototake/post_15315_b_17326010.html」格安航空など、便利に感じる反面、不便性も伴なっている一例ですね。🌠
2017.06.30
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発達障害 理解を 元毎日記者・神戸さん講演 「長男との時間、いとおしく」 下仁田 /群馬 元毎日新聞記者で、自閉症の長男(18)を持つ神戸金史(かんべかねぶみ)さん(50)=現RKB毎日放送(福岡市)の東京報道部長=の講演会が1日、神戸さんの出身地・下仁田町の町文化ホールで開かれた。約350人を前にかつて子育てに悩んだ体験を基に、発達障害への理解を訴えた。 講演は、「見えにくい障害」と言われる「発達障害」について、理解を深めてもらおうと、町が神戸さんに依頼した。 神戸さんが、長男金佑(かねすけ)さんの障害について疑いを持ったのは1歳を過ぎたころ。しかし、「成長の遅れに過ぎない」と深刻に考えず、妻に「あせる必要はない」と言っていた。当時の心境について「発達障害を認めたがらないためだった」と振り返った。 3歳のころ、自閉症的傾向があると診断された。4歳の時、妻から「2年前、発作的に首を絞めて殺してしまったかもしれない」と打ち明けられた。初めて「妻の苦しさを分かってあげられなかったことに気付いた」という。 毎日新聞の記者だった2004年、当時5歳だった長男との日々を「うちの子 自閉症児とその家族」という連載にまとめた。 昨年、相模原市の障害者施設で入所者19人が犠牲になった事件。事件を起こした男が「障害者は生きている資格がない」などと主張していたことに衝撃を受け、フェイスブックに長男への思いを書き込んだ。「誰もが、次第に障害を負いながら生きていくのだね」「あなたが生まれてきてくれてよかった」--。このメッセージは大きな反響を呼んだ。 事件後、「障害を持つ息子へ~息子よ。そのままで、いい。~」(ブックマン社刊)を出版した。 発達障害への理解不足のため、所構わずに動き回るなどの言動を見て「育て方が悪い」と非難される親も少なくない。「もしそういう子どもを見かけたら、自閉症かもしれないと見てくれたらうれしい」と訴えた神戸さん。最後にこう締めくくった。「かつては、息子の障害がなかったらいいと思っていたが、今ではそうは思わなくなった。障害がなくなったら、長男ではなくなる。これまでの経過は僕にとっていとおしい時間なのです」【毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170702/ddl/k10/100/053000c】【日時指定不可】【銀行振込不可】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】障害を持つ息子へ 息子よ。そのままで、いい。 神戸金史/著 内山登紀夫/医療監修以前にも、神戸さんの書物に触れていましたが、講演会もされているんですね。様子をみようという時間、夫にもありました。父親ならではの葛藤の時期があるんでしょうね。🌠
2017.06.29
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相模原障害者殺傷 月命日で施設前に献花台相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件から、26日で11か月となり、殺害された19人を悼むため、施設の前に献花台が設けられ、関係者が花を手向け静かに祈りをささげました。 続きを読む去年7月26日、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で元職員の被告が入所者を次々に刺し、19人が殺害され、27人が重軽傷を負いました。犠牲者を悼むために常設されていた献花台は今は月命日に置かれることになり、事件から11か月となる、26日、小雨がぱらつく中、施設の正門前に献花台が設けられました。 入倉かおる園長は職員とともに献花台に花を手向け、静かに祈りをささげていました。現在は施設の再建のため閉鎖されていて、100人余りの入所者はことし4月に横浜市内の別の施設に移って暮らしています。入倉園長は「本当にもうすぐ1年になると感じ、この1年のいろいろな思いを振り返りながら手を合わせました。遠方からもこの日に合わせて来てくれる方もいるので、本当にありがたいです」と話していました。献花台は26日午後4時まで設置されています。 【NHK NewsWeb http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170626/k10011030401000.html】 あの残忍なできごとからもうじき一年、事件を風化させずにいたいですね。🌠更新時、270万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.06.28
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知的障害者から1500万円詐取か 飲食代支払わせる知的障害がある40代の男性が、氏名不詳の男女数人に飲食店に複数回にわたって連れて行かれ、代金計1500万円ほどをだましとられたとして、準詐欺の疑いで奈良県警に告訴した。県警への取材でわかった。奈良署が受理し、準詐欺や詐欺の疑いで男女を捜している。 署によると、告訴状では、男性は大阪府東大阪市に住んでいた2014年8月、奈良市のJR奈良駅付近で客引きの女に誘われてスナックに入店。女や店内の複数の男と近くのガールズバーへ移動して明け方まで同席した後、男女らから飲食代を要求され、コンビニのATMから現金計約80万円を引き出して渡したという。さらに、男らから同年10月まで奈良市や大阪市の飲食店に繰り返し誘い出され、その度に男性が代金を支払ったという。 署によると、男性は昨年10月に代理人弁護士らと署を訪れ、心神耗弱状態に乗じたとする準詐欺の疑いで告訴状を提出した。【朝日デジタル http://www.asahi.com/articles/ASK515Q4FK51POMB00W.html】被害を受けたことを認識でき、泣き寝入りせずに告訴状を提出できて良かったです。🌠
2017.06.27
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「障害のある人との接し方を知らない、自分の方にこそ障害はある」WOWOW太田さんパラリンピックを契機とした「共生社会をどう作るか」をテーマに、スポーツや障害者への理解と関わりを深める授業が、6月23日(金)立教大学で行われた。 講師を務めたのは、株式会社WOWOWでパラリンピック・ドキュメンタリーを制作する太田慎也さん。 授業は東京パラリンピックでホスト役となる東京都の応援プロジェクト「チーム・ビヨンド」の紹介とともに行われた。 太田さんは、世界中のパラリンピアンの中から毎年8人を選んで、競技人生に迫るドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM(=自分)」を3人ずつの8チームで撮影、2020東京パラリンピックまでに40人を取材する。 すでに昨年中に最初の8人を取材し、発表している。 太田さんは授業で、撮影した映像や選手たちの言葉をダイジェスト版に編集して、パラリンピック・スポーツの魅力を伝えた。 取材のなかで、取材者自身の障害者像が変化したという。 太田さんたちがパラリンピック・アスリートに出会った初取材は、2015年イギリスのグラスゴーでおこなわれたIPC国際パラリンピック委員会の水泳世界選手権だった。 そこには、鍛え抜かれた肉体と、自信に満ちた表情があふれていた。 日本代表も含めて、「かわいそうな障害者」もしくは「障害を乗り越えて頑張る障害者」はいなかった。 そこは通常のスポーツ・エンターテイメントの取材現場で、彼らはトップアスリートたちだった。 リオパラリンピックを目前に控えたブラジルの手足のないダニエル・ディアスは7つの金メダルを獲得してみせてくれ、病気で右脚を失ったが障害を自分の最高のチャームポイントだと自慢するオーストラリアのエリー・コールに出会った。 多くの新記録が更新された激闘の日々は、世界最高峰のスポーツを伝えようとする取材者に興奮と驚きに満ちた現場となった。 また、取材を進めるうちに、障害があるアスリートの人生やスポーツが同じではないこと、選手としてそれぞれ多様であることも見えてきた。 WOWOWのチーフ・プロデューサー太田慎也さんの授業風景「握手しようとした人が右手がない、引いちゃう、自分たちの方に、へんな間があるんです。 これが自分たちの障害だと思った。 選手を取材するまでは、かわいそうな人が頑張っている世界だと思っていた。 しかし、個性や多様性を目指す社会で、いまだ障害のある人との接し方を知らない自分のたちにこそ障害がある。障害のあるなしではなく、人生のヒントになることを伝えることで、我々の側が持っている障害を乗り越えたい」と太田さんは言う。 授業のあと、ある学生は「かっこよかった!」と。 太田さんは、「それを伝えたかった。かわいそうじゃなく、かっこいい。3年後、この街にみんな来ます!」と映像で紹介した選手たちが東京に来ることをあらためて伝えた。 現在、2020東京パラリンピックをテレビなどメディアで観戦したい人は72.3%、スタジアムで直接観戦したい人は18.3%。 東京都では、大学の連携でこのような授業を通じて、スタジアムでの観戦を増やすことを目指している。 立教大学では、「パラリンピックを契機とした障がい者スポーツ支援(担当:松尾哲矢教授)」として14回の授業が企画され、今回はそのうちの11回目で、毎回全学年から関心のある学生が聴講している人気授業となっている。 【Yahoo news https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakinobue/20170626-00072554/】 カッコいい生き方とは、正に内面からキラキラと輝くオーラを持ち合わせている人、 まずは自分の殻を破らないと、ですね。🌠
2017.06.26
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自閉症に対するスラミンの安全性と効果を確かめる小規模治験自閉症の代謝異常 自閉症は多くの遺伝子が関わるひとつの症候群で、私たちの性格が複雑なのと根は同じだ。 現在の研究の焦点は当然神経結合や、神経細胞の増殖に向けられており、例えば自閉症や統合失調症の神経幹細胞が高い増殖能を持つという最近の論文などは、重要な進展だと思う。 一方、原因は複雑でも共通の症状がある限り、自閉症全体に共通する異常も存在するはずだと考える研究も進んでいる。 この中で注目されているのは、自閉症の背景に細胞のストレスに対する防御反応があると考えて研究を続けてきたカリフォルニア州立大学サンディエゴ校のグループで、自閉症の患者団体Autism Speaksからこの研究で賞を受賞している。 この研究はすでにマウスモデルを用いた治療実験まで進んでおり、新しい自閉症の治療につながるのではと期待されていた。 自閉症に対するスラミンの安全性と効果を調べた小規模治験論文 今日紹介するのはこのグループがAnnals of clinical translation neurology オンライン版に発表した論文で、いよいよマウスを用いた前臨床研究成果を臨床治験に進めることができたことを宣言する論文だ。 タイトルは「Low dose suramin in autism spectrum disorder: a small phase I/II, randomized clinical trial(自閉症に対するスラミンの低容量投与:小規模I/II相無作為化臨床治験)」だ。 このグループの考えは以下のようにまとめることができる。 細胞がストレスにさらされると、防御反応として細胞外へのプリンの分泌が高まり、ストレス反応を持続させることに注目して研究を行っている。 これまでの研究で、1)これと同じ代謝異常が自閉症で見られること、2)ATPを始めとするプリン体による神経刺激を抑えるとマウス自閉症モデルの症状が改善すること、を示し、自閉症の症状にはこのプリン分泌上昇に伴う、神経興奮状態の変化が存在することを提唱してきた。 細胞外に分泌されたプリンに対する神経反応を抑える薬剤スラミンを自閉症児に投与し、安全性と効果について調べたのが今回の研究だが、治験の規模は最小限で、DMS-5と呼ばれるマニュアルに従って診断された十人の自閉症児(4-17歳と多様)を無作為に五人ずつのグループに分け、片方にはスラミンの静脈注射、もう片方は生理食塩水のみを投与して、副作用、及び様々な神経機能のテストを行い、薬の効果を調べている。 この研究の最も重要な目的はスラミンの安全性を確認することだ。 スラミンはアフリカの眠り病の薬として使われているが、多くの副作用があることが分かっている。 ただ、今回の治験で使われる量はずっと少ないが、やはり副作用については細心の注意を払った検査が行われている。 一回投与後に副作用としては、自覚症状のない、最終的には自然に消失する発疹が全例で観察されている。 これ以外は対照群と比べて大きな変化はなく、治療に十分耐えられることが分かった。 薬剤の血中濃度や代謝についても調べているが、詳細はいいだろう。 細心の注意を払って最初の治験研究に望んでいる。 スラミンの効果だが、自閉症児と暮らしている親から見て言語能力や社会性が回復するのが実感されるらしい。 自閉症の程度を測る最も信頼されるADOS検査で見ても、はっきりと改善が見られている。 一方、生理食塩水投与では変化はない。 自閉症の薬剤治療としてはオキシトシンやリスペリドンしか存在していなかったが、スラミンは治療薬の重要な候補にリストされたように思う。 ただ、著者も強調しているが、自然に治るとはいえ、皮膚の発疹については長期の観察が必要で、また効果についても何年もかかる本試験を基に判断すべきで、この結果はほんの入り口にすぎないことだ。 新しい薬剤を待つ患者さんや家族の気持ちはわかるが、この薬が臨床で使われるためにはあと数年は待つ必要があるだろう。 しかし、著者らの意気込みから見て国際治験が始まると思うので、ぜひ我が国も参加して、この可能性の妥当性を確かめてほしいと期待する。 西川伸一 NPO法人オール・アバウト・サイエンスジャパン代表理事 1948年滋賀県生まれ。1973年京都大学医学部卒業。7年医師として勤めた後1980年ドイツ ケルン大学留学。1987年熊本大学医学部教授、 1993年京都大学大学院医学研究科教授を歴任。 2000年理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター副センター長。2013年、あらゆる公職を辞し、NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン代表理事として様々な患者さん団体と協力して、患者さんがもっと医療の前面で活躍する我が国にしたいと活動を行っている。 shinichi.nishikawa.397 official siteAASJホームページ 【yahoo news https://news.yahoo.co.jp/byline/nishikawashinichi/20170528-00071420/】 スラミン、眠り病の薬なんですね。一つの薬の果たす役割とは図り知れませんね。🌠
2017.06.25
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ホーム突き落とし有罪判決 知的障害の被告大阪市浪速区のJR新今宮駅ホームで昨年12月、女性2人の肩や背中を押し、うち1人を線路に突き落としたとして、暴行罪に問われた大津市の無職裴晃大被告(28)に大阪地裁(飯島健太郎裁判長)は22日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。 被告は5月の初公判で起訴内容を認めていた。軽度の知的障害や広汎性発達障害があり、弁護側は寛大な判決を求めていた。 起訴状などによると、昨年12月11日、電車を待っていた大阪府和泉市の当時高校3年の女子生徒と、岸和田市の60代女性の肩や背中を押したとしている。女性が線路に転落したが、けがはなかった。【中日新聞 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017062201000819.html】まだ記憶に新しいこの事件。大事故や生命に関わることはなかったにせよ、やはり事件の重大性は侮れませんね。🌠
2017.06.24
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「自閉症児は授業の妨げ、特殊学級に集めるべき」ハンソン議員に同僚議員や福祉関係者から批判 風変わりな発言でしばしば世間の話題になるポーリン・ハンソン連邦上院議員が議会で、「自閉症児は授業の妨げになる。特殊学校に集めるべきだ」と発言、同僚議員や障害者支援団体から批判が出ている。 ABC放送(電子版)が伝えた。 連邦議会のポーリン・ハンソン・ワン・ネーション党上院議員は、学校予算法案「ゴンスキ 2.0」審議中に、「自閉症児、障害児は授業の妨げになる。一般学級から外して特殊学級に集めるべきだ」と発言した。 ハンソン発言には、自閉症の子供を持つ議員や自閉症児、障害児の家族団体や支援団体からも批判が続出している。ハンソン議員は、「ワクチンは自閉症の原因」と発言して批判され、取り消しと謝罪を行ったばかり。 ハンソン議員は、「障害児は教師、学校のお荷物になり、教師が障害児に時間を取られるため、他の子供の授業が進まない。そういう子供にも教育を受ける権利はある。だから、特殊学級に入れて特別な世話をすべきだ」と発言した。 クリスチャン・ポーター社会福祉相は、「ハンソン発言は古臭いし、問題の解決にならない」と批判している。 また、10歳の自閉症児を持つエマ・フサー労働党下院議員は、「ハンソン議員の発言は、人々を分断し、みんなと違う人は隔離すべしという考えだ」と語った。 また、ACTの障害者団体People With Disabilitiesのクレーグ・ウォレス・キャンペーン部長は、「ハンソン議員の考えは事実と合わない。障害児は、健常児と共に学ぶ方が、隔離されて教育を受けるより成績がいいという証拠が揃っている。障害児を健常児と分離することで利益を得る者はいない」と語っている。また、オーストラリア自閉症団体のニコル・ロジャーソンCEOも、「ハンソン議員の発言は50年以前の考えで、おぞましく、偏狭で、人を傷つける考えだ。オーストラリアには16万人の自閉症者がいて、その家族は、彼女が味方だと言っている生活に苦闘する人達だ。彼らはハンソン議員に投票することはないだろう」と語っている。■ソースPauline Hanson under fire for ‘bigoted’ call to remove children with disabilities from mainstream classrooms[NICHIGOPRESS http://nichigopress.jp/ausnews/politics/145006/]どこの国でも、未だにこういう事態が起こるんですね。やるせないばかりです。🌠
2017.06.23
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発達期のセロトニンが自閉症に重要-脳内セロトニンを回復させることで症状が改善-要旨理化学研究所(理研)脳科学総合研究センターの内匠透シニアチームリーダー、日本医科大学大学院医学研究科の鈴木秀典教授らの共同研究グループ※は、モデルマウスを使った実験で、発達期のセロトニン[1]が自閉症発症メカニズムに関与する可能性を明らかにしました。自閉症(自閉スペクトラム症)は、社会的コミュニケーション能力の欠如や繰り返し行動が特徴的な発達障害の一つです。症状は対処療法によって和らぐ場合もありますが、生涯にわたり表出します。家族は自閉症患者の保護や介護に多くの時間と労力を費やすため、社会的・経済的困難を抱えます。そのため自閉症の症状を緩和させる療法の発見に向けた原因解明が社会的に強く求められていますが、自閉症の発症メカニズムはほとんど分かっていません。自閉症患者の中にはゲノム異常を持つ人が見つかっており、なかでも15番染色体において重複異常が頻出することが知られています。また過去の研究で、自閉症患者の脳内において神経伝達物質のセロトニンが減少していることが示されていました注1)。しかし、ゲノム異常やセロトニン異常がどのように自閉症につながるのかは分かっていませんでした。今回、共同研究グループはヒトの15番染色体重複と同じゲノム異常を持つモデルマウス(15番染色体重複モデルマウス)を解析したところ、脳内セロトニンの減少に関連して、セロトニンの供給元である中脳の縫線核の働きが低下していることや、セロトニン神経の投射先である大脳皮質(体性感覚皮質バレル野)での感覚刺激の応答異常を発見しました。また、発達期に重点をおいた薬理学的なアプローチでモデルマウスの脳内セロトニン量を回復させることにより、縫線核と大脳皮質の電気生理学的異常を改善させることに成功しました。さらに、15番染色体重複モデルマウスの成長後にセロトニン量を回復させることで、社会性行動異常も改善することが分かりました。本成果は、発達期におけるセロトニンの重要性を示しているだけでなく、バイオマーカーとしての脳内セロトニンの役割や自閉症治療に関わる新たな知見をもたらすものと期待できます。本研究は、米国のオンライン科学雑誌『Science Advances』の(6月21日付け:日本時間6月22日)に掲載されます。本研究は日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(S)「自閉症の生物学的統合研究」と科学技術振興機構(JST)戦略的総合研究推進事業(CREST)「精神の表出系としての行動異常の統合的研究」(研究代表:内匠透)の支援を受けて行われました。注1)Chandana et.al. J. Dev. Neurosci (2005)※共同研究グループ理化学研究所 脳科学総合研究センター精神生物学研究チーム シニアチームリーダー 内匠 透 (たくみ とおる)(研究当時:広島大学 大学院医歯薬保健学研究院 統合バイオ研究室教授)リサーチアソシエイト 中井 信裕 (なかい のぶひろ) 研究員 玉田 絋太 (たまだ こうた) 神経グリア回路研究チーム チームリーダー 平瀬 肇 (ひらせ はじめ) 研究員 毛内 拡 (もうない ひろむ)ライフサイエンス技術基盤研究センター センター長 渡辺 恭良 (わたなべ やすよし) 生体機能評価研究チーム チームリーダー 尾上 浩隆 (おのえ ひろたか) 研究員 水間 広 (みずま ひろし)日本医科大学 大学院医学研究科 薬理学分野 教授 鈴木 秀典 (すずき ひでのり) 准教授 齋藤 文仁 (さいとう ふみひと) 講師 永野 昌俊 (ながの まさとし)衛生学公衆衛生学分野 教授 川田 智之 (かわだ ともゆき) 講師 稲垣 弘文 (いながき ひろふみ)広島大学 大学院医歯薬保健学研究院 統合バイオ研究室 助教(研究当時) 渡辺 康仁 (わたなべ やすひと) 大学院生(研究当時) 川本 明子 (かわもと あきこ) 神経生理学研究室 教授 橋本 浩一 (はしもと こういち) 特任助教(研究当時) 河村 吉信 (かわむら よしのぶ)東京大学 大学院医学系研究科 神経生理学分野 教授 狩野 方伸 (かのう まさのぶ) 准教授(研究当時) 喜多村 和郎(きたむら かずお)神経細胞生物学分野 教授 岡部 繁男 (おかべ しげお) 技術職員 佐藤 由佳 (さとう ゆか)北海道大学 大学院医学研究院 解剖学分野 教授 渡辺 雅彦 (わたなべ まさひこ) 助教 宮崎 太輔 (みやざき たいすけ)背景自閉症(自閉スペクトラム症)は、社会的コミュニケーション能力の欠如(対人関係を築くことが苦手、視線を合わせない、人の話したことをオウム返しするなど)や、繰り返し行動(毎日決まった行動をし、予定外の行動は取れないなど)が特徴的な発達障害の一つです。また、音や光、触られることに対して過敏に反応するなどの感覚異常の症状を持ちます。症状は対処療法によって和らぐ場合もありますが、生涯にわたり表出します。家族は自閉症患者の保護や介護に多くの時間と労力を費やすため、社会的・経済的困難を抱えます。また、自閉症の罹患率は年々増加しており、2010年のアメリカの調査では約68人に1人が自閉症だといわれています注2)。そのため自閉症の症状を緩和させる療法の発見に向けて、原因解明が社会的に強く求められていますが、自閉症の発症メカニズムはほとんど分かっていません。近年の遺伝学的研究により自閉症患者では、単一遺伝子変異やゲノム変異であるコピー数多型[2](重複や欠失によってゲノムの一部領域の数が変化すること)が見つかっています。このような遺伝的な異常は、親から受け継いだ変異だけではなく、新しく発生した変異(精子や卵子が形成されるときにランダムに生じるもの)にも由来します。その種類は非常に多く、自閉症の原因究明が困難な理由の一つとなっています(図1A)。内匠シニアチームリーダーらの研究チームは2009年に、染色体工学の手法を用いて、ヒトのコピー数多型(15番染色体重複)と同じゲノム異常を持つモデルマウス(15番染色体重複モデルマウス)を作製し、このマウスがヒトの自閉症のような行動を示すことを報告しました注3)。さらに、15番染色体重複モデルマウスの脳内神経伝達物質を定量的に調査し、発達期においてセロトニン量が減少していることを明らかにしました(図1B)。また、セロトニンの異常は自閉症患者でも確認されているため、このモデルマウスを詳細に解析することで自閉症の発症メカニズム解明に近づくことができると考えられます。注2)Investigators DDMNSYP, (CDC) CfDCaP. Prevalence of autism spectrum disorder among children aged 8 years - autism and developmental disabilities monitoring network, 11 sites, United States, 2010. MMWR Surveill Summ. 2014;63(2):1-21.注3)Nakatani J et al. "Abnormal behavior in a chromosome-engineering mouse model for human 15q11-13 duplication seen in autism." Cell 137: 1235-1246,(2009).研究手法と成果ヒトでもマウスでもセロトニンは、中脳にある神経核の一つである縫線核のセロトニン神経細胞から放出されます。共同研究グループはまず、PETイメージング[3]を用いて、15番染色体重複モデルマウスの脳活動を測定しました。その結果、モデルマウスでは縫線核の活動が低下していました(図2A)。また、セロトニン神経細胞に対する電気活動を調べたところ、興奮性の入力が低下していました。これらは脳内セロトニン減少を示す有力な手がかりとなります。セロトニン神経は脳全体に投射しており、神経発達の重要な因子として知られています。大脳皮質の中でも体性感覚皮質は、セロトニン神経の投射を強く受けており、また体からの触覚情報の入力を受けている脳領域です。マウスの体性感覚皮質にあるバレル野と呼ばれる領域はひげ感覚入力の受け手で、発達期のセロトニン異常はバレル野構造を変化させることが知られています。また、自閉症患者では感覚異常を示すことが多いことが特徴です。そこで、モデルマウスの感覚刺激応答を調べたところ、ひげ刺激に反応するバレル野の応答異常が認められました(図2B)。これは、感覚刺激の入力に対するバレルの応答(シグナル)に対して、その周辺エリアの応答(ノイズ)が高くなる現象です。このようにシグナルノイズ比(S/N比)[4]が悪化する応答異常は、自閉症患者の機能的核磁気共鳴画像法(f-MRI)[5]研究でも報告されています。また、体性感覚皮質を組織学的に解析したところ、15番染色体重複モデルマウスでは抑制シナプスが減少していました。さらに、モデルマウスの体性感覚皮質の電気活動を調べたところ、抑制性入力が減少していました。抑制機能が低下していると周辺エリアの応答が高くなります。抑制性入力の減少が、シグナルノイズ比を悪化させ、感覚情報のチューニング機能に障害を与える原因と考えられます。このモデルマウスは、生後間もない時期からセロトニンが減少しています。共同研究チームは発達期のセロトニン量を増やすことで、これらのモデルマウスでみられる異常が改善するのではないかと考えました。そこで、発達期のセロトニンを増やす方法として、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)[6]を生後3日齢から離乳(生後21日齢)まで長期間投与するアプローチを使用しました。SSRIにはセロトニンの効果を高める役割があります。その結果、SSRI投与マウスでは体性感覚皮質の抑制性入力および、縫線核のセロトニン神経への興奮性入力が改善し、脳内セロトニン量が回復しました(図2C)。最後に、15番染色体重複モデルマウスにみられる社会性行動異常が、セロトニンを増やす療法によって改善するかどうかを行動試験[7]で調べました。SSRIを投与した仔マウスでは、鳴き方の発達の遅れ(コミュニケーション障害)が改善しました。また、空間学習に基づく繰り返し行動異常は改善しなかったものの、社会性の行動指標(社会性相互作用)は改善しました(図2D、E)。本研究によって、15番染色体重複モデルマウスの生体内におけるセロトニン神経系の異常を起因として脳内セロトニンが減少し、それに伴って大脳皮質の感覚応答異常が引き起こされることが明らかとなりました。さらに、セロトニン神経系を亢進させることで自閉症様症状の一部が緩和できることが分かりました。今後の期待本研究成果は、セロトニン療法が自閉症に効果的である可能性を示すものであります。抗うつ薬として使用されているSSRIは、過去にも自閉症患者に対して投与されてきた実績がありますが、その効果は報告ごとに肯定的であったり否定的であったりとさまざまで結論が出ていません。また、セロトニンは過剰になっても欠乏しても悪影響が出るため適切な量の調節が必要です。そのため、セロトニン療法はセロトニンが減少している自閉症患者に選択的にアプローチすることが重要だと考えられます。また、セロトニン量は食事や運動によって増えると考えられています。本研究の知見は今後、自閉症の適切な治療法の開発にも貢献するものと期待できます。原論文情報Nobuhiro Nakai*, Masatoshi Nagano*, Fumihito Saitow*, Yasuhito Watanabe§, Yoshinobu Kawamura, Akiko Kawamoto, Kota Tamada, Hiroshi Mizuma, Hirotaka Onoe, Yasuyoshi Watanabe, Hiromu Monai, Hajime Hirase, Jin Nakatani, Hirofumi Inagaki, Tomoyuki Kawada, Taisuke Miyazaki, Masahiko Watanabe, Yuka Sato, Shigeo Okabe, Kazuo Kitamura, Masanobu Kano, Kouichi Hashimoto, Hidenori Suzuki§, Toru Takumi§(*Equal contribution to this work, §Corresponding authors), "Serotonin Rebalances Cortical Tuning and Behavior Linked to Autism Symptoms in 15q11-13 CNV Mice", Science Advances, doi: 10.1126/sciadv.1603001発表者 理化学研究所 脳科学総合研究センター 精神生物学研究チーム チームリーダー 内匠 透 (たくみ とおる) 日本医科大学 大学院医学研究科 薬理学分野 教授 鈴木 秀典 (すずき ひでのり) 【理化学研究所 http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170622_1/】鈴木、斎藤、永野、中井、内匠(左から)(広報より転載)発達期の関わり方の重要性、特に自閉症児には問われる部分が多いですね。🌠
2017.06.22
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発達障害、広がれ支援の輪 増える学びの場 発達障害者を支援する人材をサポートする取り組みが広がってきた。国や自治体、民間団体が相次いで「資格」制度を創設。発達障害の専門知識を詳しく学ぶ機会を用意して、障害を持つ人と日常的に職場や学校で接する人たちの理解の輪を広げようとしている。 「行動のベースとなる脳や神経が、自分とは異なるという意識が大事です」「過剰な支援は、支援なしでは生きられない人を生むことにもなります」。5月下旬の土曜日、金沢市で約40人が熱心にメモを取りながら臨床心理士の話に耳を傾けた。一般社団法人「子ども・青少年育成支援協会」(大阪市北区)が2014年秋に始めた制度「発達障害学習支援サポーター」の養成講座の一コマだ。障害者の就労支援施設を運営するヴィスト(金沢市)は同講座を社内研修に採用。発達障害への理解を共有するため、事務職を含めた全従業員にサポーター資格の取得を促す。同協会の上木誠吾代表理事は「適切な対応をとることで支援できる発達障害者は多い。そのためには、最新の専門知識を持った支援者を増やす必要がある」と話す。 発達障害者の支援に必要な知識や実践的ノウハウを、資格制度で専門家以外の人にも広げようという動きが出てきた。当事者の円滑な社会生活を支えるため、身近に接する人たちの理解を深めるのがねらいだ。 学校での支援人材のニーズは高い。「教育の現場では、問題の発生後に対策を考えていては手遅れ。目の前の生徒への対処が必要」と語るのは、名古屋市内の定時制高校の男性教諭(37)。教科担任の立場でサポーター資格を取得した。 勤務先では生徒の約1割が発達障害と診断済み。授業で生徒の理解が不十分だと感じると、発達障害が原因かどうかを検証し、指導法に反映しているという。 文部科学省の12年調査によると、公立小中学校の通常学級に在籍する児童・生徒の6.5%に発達障害の可能性があり、推計で約60万人に達した。発達障害児の支援計画の学校間の引き継ぎも課題になっている。 発達障害の知識の普及と定着を促そうと、国や自治体も独自の資格制度を立ち上げ始めた。厚生労働省は今秋から「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成に乗り出す。ターゲットは発達障害者と職場で一緒に働く同僚たち。「採用して終わり」ではなく、働き続けるためには周囲の正確な理解が不可欠との考えだ。 埼玉県は11年度から、発達障害を早期に発見し、適切に支援する人材の育成に着手。保育園や幼稚園の「発達支援サポーター」や市町村の「発達支援マネージャー」などを5年間で1万549人認定した。 都道府県と政令指定都市にある「発達障害者支援センター」は法律上、早期発見につながる助言や就労支援などを担う。ただ発達障害者と接する保育所や就労支援施設からは「窓口まで相談に行けない」「現場を見てほしい」との声も多い。大阪市の発達障害者支援センター「エルムおおさか」は15年度、出前研修や訪問支援を計666回実施した。市教委も市立の幼小中高校全てを訪問し、相談に応じている。 発達障害を理解するには、医学や心理学、福祉など横断的な知識が必要。発達障害の支援者に特化した「資格」には現時点で法律上の根拠や優遇措置はない。支援者が必要な知識を得る機会が増えることで、適切な対応が広がり、負担の軽減にもつながりそうだ。 幼少期の早期発見が重要 地域の小児科医に研修発達障害は先天的な脳機能の障害が原因だ。2005年4月施行の発達障害者支援法は、自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などと定義する。 幼少期での早期発見と支援が重要とされるが、外見での判断が難しい症状もあり、診断が難しい。限られた専門医に患者が集中するため、診断確定まで時間がかかるのが問題になっていた。 発達障害の可能性がある乳幼児に「かかりつけ医」の段階で適切に対応できるようにするため、厚生労働省は昨春から、地域で開業する小児科医向けの研修を始めた。発達障害に特有の言動などの見分け方を伝え、必要に応じて専門医に橋渡しするよう促す。感覚過敏やコミュニケーションが苦手といった、発達障害児の特徴を踏まえた診察時や治療上の注意点も教える。 研修は国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)が実施。同研修を受講した医師が地元で、他の医師や保健師、看護師向けに研修を開く。発達障害の知見を地域で共有して、早期発見と支援を後押しするねらいだ。【NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXKZO17690310V10C17A6NZBP01?channel=DF140920160921】発達障害の専門知識を持つ「サポーター」資格の養成講座を、社内研修に採用する企業もある(金沢市)各分野、地域が一丸となり、連携を取り合うシステムが確立するといいですね。🌠
2017.06.21
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「採算や効率より、働く人の人生が大事」障害者と共に歩むワイナリーの精神とは栃木県足利市にある「ココ・ファーム・ワイナリー」(関連記事「慈善ではなく、おいしいから」障害者のワイナリー「ココ・ファーム」収穫祭を訪ねて)。ワイナリーに隣接する障害者施設「こころみ学園」の園生と様々な職種のスタッフが、ブドウを栽培したりワインを造ったり、一緒に働いている。「能力を生かし、それが仕事になる」というのは、障害の有無にかかわらず大事なことだ。働く姿を紹介する連載の3回目は、専務取締役の池上知恵子さん(66)に、ワイナリーの成り立ちを聞いた。 産後に農業大の醸造科で勉強・自然に寄り添い淡々と働く池上知恵子さんの父は、学園を創設した川田昇さん。もとは知的障害のある教え子と急斜面を切り開き、ブドウ畑を作った。川田さんは「障害があるからと過保護にして、あてにしないと何もできなくなる」と実感していたという。草刈りや鳥よけなど、やってもやってもやりきれない仕事ができた。園生が変わった。斜面の作業でバランス感覚が鍛えられ、体力がついた。おなかがすいておいしく食べ、よく眠れるように。さらに栽培したブドウを生かし、仕事を生み出すため、保護者が出資してワイナリーを設立。免許を取って1984年から醸造を始めた。池上さんは東京の大学を卒業後、出版社に勤めていた。出産をきっかけに生活を方向転換する。31歳の時、産後まもなく試験を受け、東京農業大の醸造科に入った。2年間、醸造の基礎を勉強した。ワインは、バケツとブドウがあればできる。シンプルだけれど、科学・芸術・哲学がみんな関わっている。そんなワインに興味を感じた。足利に戻り、ワイナリーを支えてきた。「よく福祉と農業の連携と言われますが、専門家とか障害者とか区別するのでなく、普通の人間として普通の仕事をしている。農作物は畑でしかできないし、ワインを造るのも微生物です。園生はよくわかっているのではないでしょうか。自然に寄り添い、淡々と仕事できる人が向いています」池上知恵子さん朝晩、ビンを回して澱を集める・才能を生かし丁寧な作業池上さんを訪ねた日、急斜面を切り開いたブドウ畑の頂上から、ファーム内を見せてもらった。その後、ワイン造りに使う建物に案内された。「カバネル」と呼ばれる建物は、高齢者が増えた園生の多目的スペースとして、2012年に完成した。1階でスパークリングワインを造っている。原酒に酵母とその栄養素を加えてビン詰め。王冠で仮に栓をして低温で長い時間、寝かせる。ビン内の二次発酵が進み、細かい泡が作られる。そしてビン口に澱を集める「ルミアージュ」が、知的障害のある園生の大事な仕事だ。単純だけれど丁寧さが必要。栓をしたビンを、穴のあいた台に逆さに差し込むと、口のところに澱がたまる。ビンを朝晩、45度ずつ回す。1か月から100日の間、毎日だ。内側の細かい澱が集まってきたら、ビンの口のあたりを凍らせて王冠を抜くと内側のガス圧で澱の部分が飛び出す。その後、澱を抜いた分のワインを足し、調整して味が決まる。コルク栓をしたら、その上にかけるキャップシールかけやラベル貼りも園生たちの手作業で進む。ルミアージュは、フランスやスペイン、カリフォルニアなど世界の大きなワイナリーは機械でやっているという。「ココファームは機械が買えなかったというのもあり、園生に手作業の仕事を用意できました。お情けで買ってもらうのでなく、ブランドでもなく、味で選んでもらいたい。他のワイナリー以上に、上質なワインを造ることが大事です」と池上さん。スパークリングワイン「のぼ」はソムリエ・田崎真也さんの推薦があり、2000年の沖縄サミット晩餐会で採用された。 750ミリリットルのワインが1万本分のタンク ブドウがなりたいワインに・働く人の人生が大事次に樽室へ。ココファームのワイン造りは、ブドウについている野生の酵母を使う。一般的には乾燥した培養酵母を添加するが、自然の野生酵母だと、コントロールは難しいけれどいい味わいがあるという。耳をすますと、醗酵している音がコポコポと聞こえる。酵母が働いて、醗酵栓から二酸化炭素が出る音だ。醗酵が終わったワインが熟成する部屋では、木やステンレスの樽が並んでいる。ブドウがなりたいワインになれるように熟成方法も考える。木樽に入れることを「マキアージュ(化粧)」するというが、水分が蒸発して凝縮されたり、樽の香りがついたり。すっぴんがいいか、薄化粧がいいかで、加減が違ってくる。最後に、大きなタンクのあるスペースを見せてもらった。タンク1本で、750ミリリットルのワインが1万本分。カリフォルニアで設計図をもらい、乳業のメーカーに注文した。カジュアルなワインや、ビン詰めの直前のワインが入っている。ワイン造りは醸造スタッフが主に担当する。ビン詰めされたワインにキャップシールをかけ、ラベルを貼り、運ぶのは園生の仕事。4日間、根気がいる繰り返しの作業が終わった夕方、「またやろうね」と言った園生の言葉がきっかけで、デザートワインに「マタヤローネ」の名前がついた。障害のあるなしにかかわらず、個人によってできることやできないことがある。「会社や組織だと、採算や効率が何より求められます。ココファームでは、働く人の人生が大事。目の前の問題を何とかしようとすることが仕事につながっている感じです」【ココ・ファーム・ワイナリー】1950年代、地元の教師だった川田昇さんが、知的障害がある生徒と一緒に山の急斜面を開墾し、ブドウ栽培を始めた。69年、障害者の施設「こころみ学園」ができる。現在は入所を中心に18歳~90代のおよそ150人がいる。「園生が楽しく働ける場を」と、80年に保護者の出資でワイナリーを設立。約20種、年間20万本のワインを製造。ワイナリーが学園からブドウを購入し、醸造の作業を学園に業務委託する。ワイナリーのスタッフは30人。なかのかおり ジャーナリスト Twitter @kaoritanuki「慈善ではなく、おいしいから」 障害者のワイナリー「ココ・ファーム」収穫祭を訪ねて障害者と一緒にワインを造り続けたアメリカ人「期待することが大事。ハンディと考えず本気でやってもらう」 単純な作業をこつこつ続ける障害者たちと一緒にブドウ栽培「上下関係はない、みんな仲間 【Huffington Post http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/18/coco-farm_n_17191662.html】 どこに重みをおくかで、またすてきな展開へと繋がるものですね。🌠
2017.06.20
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障害者の地域生活をサポート 柏に24時間体制の拠点「あおば」完成 障害者に地域で生活を続けてもらおうと、柏市は今春、二十四時間体制で障害者や家族らからの相談や緊急時の対応に当たる施設「地域生活支援拠点あおば」を、県内で初めて同市高田に整備した。 運営は社会福祉法人・青葉会に委託。 今秋には、別の法人が運営する市内で二カ所目の同様の拠点「たんぽぽ」がオープンする。 あおばは、木造二階建ての計三棟で、市有地に建設された。 障害者や家族らからの相談を二十四時間、年中無休で受け付けるのが、最大の特長。 緊急時には専門機関に取り次ぐ「ワンストップ」の役割も担う。 障害者が自立に向けた練習などに取り組めるグループホームや、家族が休息を取るなどの際に利用する短期入所の機能も備える。 昼間は定員二十人のデイサービスやヘルパー派遣の事業所などに利用され、社会福祉士や看護師らが常駐している。 総工費は三億六千万円で、青葉会が二億七千万円を負担、国と市が計九千万円を補助した。 市障害福祉課によると、障害者の高齢化や、親が亡くなった後を見据え、地域で暮らすことを選択した障害者を地域で支える仕組み作りが、課題となっている。 運営費のうち、相談の委託費として市は青葉会に千八百七十万円を支払う。 四月の開所後、五月末までに、あおばへ寄せられた相談は二百七十九件で、うち六件は、緊急対応が求められた内容だったという。 「体験」という形で、短期入所を利用したのは、計七十人だった。 今秋に柏市柏下にオープン予定のたんぽぽは、社会福祉法人・ワーナーホームが運営。 施設の建設費は三億円で、同法人と、国・市がほぼ折半する。 【東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201706/CK2017061902000190.html】24時間体制で、相談を受け付ける地域生活支援拠点あおば=柏市で24時間体制で対応してくれる施設があると、何かの時には、心強く助かりますね。🌠268万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.06.19
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社員の7割が知的障害者。「日本理化学工業」が教えてくれたこと一定数以上の規模をもつ事業主は、全体の2.0%以上障害者を雇用しなければならないという「障害者雇用率制度」。 しかし「障害者は仕事ができない」といういわれのない偏見から、雇うだけで仕事を与えない会社もあるといいます。 今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』では著者の伊勢雅臣さんが「日本理化学工業」の取り組みを紹介しつつ、企業の社会的役割を問いかけています。 知的障害者に「働く幸せ」を提供する会社 約80人の従業員の中で、知的障害者が社員の7割を占める会社がある。 粉の出ないダストレス・チョークで3割のシェアを持つ「日本理化学工業」である。 この会社については、「顧客より『社員の幸せ』を第一に考える会社が繁栄するのはなぜか」で紹介した。 日本理化学工業が知的障害者を採用し始めたのは、もう50年以上も前の昭和34(1959)年のことだ。 当時、社長だった大山泰弘さんが、近くの養護学校から、卒業予定の2名に、採用はできなくとも、せめて働く体験だけでもさせてくれないか、と頼み込まれて、引き受けたのが始まりだった。 二人の少女が1週間だけ作業体験をしたのだが、その仕事に打ち込む真剣さ、幸せそうな顔に周囲の人々は心を打たれた。 約束の1週間が終わる前日、十数人の社員全員が大山さんを取り囲んで、「みんなでカバーしますから、あの子たちを正規の社員として採用してください」と訴えた。 それから知的障害者を少しずつ採用するようになったのだが、大山さんに分からなかったのは、会社で働くより施設でのんびりしている方が楽なのに、なぜ彼らはこんなに一生懸命働きたがるのだろうか、ということだった。 これに答えてくれたのが、ある禅寺のお坊さんだった。 曰く、幸福とは「人の役に立ち、人に必要とされること」。 この幸せとは、施設では決して得られず、働くことによってのみ得られるものだと。 大山さんは目から鱗が落ちる思いがした。 それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。 企業の存在価値であり社会的使命なのではないか。 これ以来、50年以上、日本理化学工業は積極的に障害者を雇用し続けてきた。 「徹底的に障害者雇用にこだわる」 しかし、この50年間の歩みは平坦なものではなかった。 「私たちが面倒をみますよ」と言ってくれた社員ばかりのうちは良かったが、やがて後から入ってきた人たちは不満が募った。 「自分たちの方が仕事をしているのに、なぜ給料が変わらないのか」と訴えるようになった。 また社員旅行や忘年会をしても、健常者の社員は、障害者の世話をしなければならないと思うと、存分に楽しむことができない。 障害者の方も普段と違うリズムの時間を過ごさなければならない。 大山社長は、健常者と障害者のどちらに軸足をおいた経営をするのか、はっきりさせなければならない、と思った。 障害者中心にいきたい、と腹は決まっていた。 しかし、当時の経営状態は決して良くはなかった。 障害者雇用に反対する株主もいた。 障害者を「お手伝い」ではなく、主力にして、本当に品質・生産量を維持できるのだろうか。 一生懸命働いてくれている障害者の姿を見ながら、大山社長は迷った。 その迷いを振り切って、「徹底的に障害者雇用にこだわる」という結論に辿り着くのには、時間がかかった。 しかし、この時に徹底して自分を問い詰めたことが、現在に至るまでに障害者雇用をぶれることなく続けてこられた「礎(いしずえ)」になった。 「世界のモデルとなるような知的障害者の工場を作ってやろう」 その後、大山さんはアメリカを視察して、この世界一の先進国でも、身体障害者をたくさん雇っている企業はあっても、知的障害者を雇用する民間企業は見あたらないことを知った。 大山さんは発憤した。 よし、日本で、世界のモデルとなるような知的障害者の工場を作ってやろう。それも、純然たる民間企業として成立させてやるんだ。(『働く幸せ 仕事でいちばん大切なこと』大山泰弘・著/WAVE出版) 帰国してから、大山さんは知的障害者だけで稼働する生産ラインを作ることに没頭した。しかし、いくつもの壁が立ちはだかった。 ダストレス・チョークづくりには、知的障害者には難しい工程がいくつもあったからだ。 たとえば材料の配合では、それぞれの色のチョークに使用する材料の種類を間違えずに、重量をきっちり量らなければならない。 これが知的障害者には難しい。 ある材料を100g混入しなければならない時には、秤の片側に100gのおもりを置き、それに釣り合うように材料を乗せる。 しかし知的障害者は数字が苦手なので、そもそも「100g」ということを理解できない。 どうすればよいのだろう。 毎日毎日、考え続けた。 そして、ふと思いついたのが交通信号だった。 知的障害者たちは、駅の改札を出てから会社の門をくぐるまで、一人で歩いてくる。 その途中にはいくつかの信号がある。 「そうか!」とひらめいた。 彼らは文字や数字は理解できなくとも、色の識別はできるのだ。 材料の配合を数字で教えようとするから、難しくなる。 色だけで識別すればよい。 赤い容器に入っている材料は、赤いおもりをのせて量る。 そう準備して、知的障害者にやらせてみたら、ちゃんと量ることができた。 今までは、健常者向けのやり方を障害者に押しつけようとしていたのだ。 彼らができなかったのではなく、自分たちの工夫が足りなかっただけなのだ。 これをヒントに、大山さんは全工程を子細に観察して、知的作業者のやれる方法に変えていった。 健常者に負けない生産性を しかし、世の中には心ない声を投げかける輩がいる。 知的障害者中心にやっていけるのは、「(障害者でもできる)チョークだから」という。 大山さんは悔しく思って、チョーク以外でも作れることを証明してやろうと思った。 そこで東京青年会議所での活動を通じて親しくしていた音響メーカー・パイオニアの松本誠也さん(3代目会長)に「なにか仕事を発注してくれませんか」とお願いした。 松本さんは「そういうことなら」と快く、ビデオカセットの組み立ての仕事を回してくれた。 カセットの中に5つの部品を組み付ける仕事である。 同じ仕事を、別の大手メーカーにも発注しているが、そこでは一人1日約1,000個組み立てるという。 大山さんはこれを目標にとりかかった。 最初は、その大手メーカーと同じように、ベルトコンベアで運ばれてくるカセットに、一人で5つの部品をすべて組み付けるようにしたところ、せいぜい1日200個から300個しかできない。 そこで5人が並んで、各人が部品を一種類ずつ組み付けるようにした。 すると5人で1日5,000個を組み立てることができた。 一人当たりにすれば1,000個と、大手メーカーの健常者と変わらない生産性である。 しかも、不良率はこちらの方が勝っていた。 工程を単純化したことで、知的障害者たちは目の前の作業に集中できるようになり、結果、自分の持てる能力を最大限に発揮して、健常者以上の仕事ができるようになったのである。 企業こそ「働く喜び」を与えられる こうした試行錯誤を繰り返しながら、知的障害者を主力として会社を経営していけるという確信を持つにいたった。 知的障害者を初めて雇用してから15年たっていた。 知的障害者が健常者並みに働いて、その喜びを味わって貰う工程改革ができたのは、企業なればこそだと、大山さんは考えている。 企業は市場競争に勝って、利益を生み出さなければ生き残っていけない。 障害者だから生産性は低くとも良い、ということでは、企業は成り立たない。 だからこそ、知的障害者でも健常者並みの品質、生産性を発揮できる工程を必死で考えなければならなかった。 福祉の世界ではこうはいかない。 税金を貰って、それで知的障害者の面倒をみている限りは、彼らに健常者並みの仕事をしてもらわねば、という切羽詰まった危機感は生まれない。 そこでの知的障害者はあくまで保護を受ける側だが、企業ならば働くことを通して、社会に役立ち、その対価として給料を受け取る存在となれる。 知的障害者達に、このような「働く喜び」を与えられるのは、福祉でなく企業であると、大山さんは考える。 「ぜひ、サポートしたい」 障害者を主力とする「工程改革」に目処がついた頃、願ってもないチャンスが訪れた。 昭和48(1973)年、労働省が障害者多数雇用モデル工場の融資制度を作り、日本理化学工業も対象に入ったのである。 工場のあった大田区では宅地開発が急速に進んで、周囲は住宅に取り囲まれ、騒音の問題もあって、いずれは移転しなければならない状況にあった。 この融資制度を使って、新工場に移転しようと考えたのである。 そのためには、まず移転先の土地を見つけなければならない。 地元の東京都に相談すると、「大田区に福祉工場をつくる計画を進めているから、支援するつもりはない」とにべもなく断られた。 気を取り直して、川を隔てた川崎市に相談すると、思いもかけず暖かく迎えてくれた。 伊藤三郎市長(当時)が直々に、こう声をかけてくれた。 大山さん、川崎市は障害者施設の延長上に雇用施設をつくるのではなく、みなさんのような企業に障害者を雇用していただくのが一番よいと考えています。 ぜひ、サポートしたい。 土地はなんとしても探しますよ。(同上)そして、市内の約4,000平米の土地を安く貸してくれることになった。 「大山さん、ぜひやってください」 もう一つ乗り越えなければならない山があった。 労働省から融資を受けるには、金融機関の保証を得ることが条件となっていた。 長年つきあっていた地元の信用金庫に相談すると、当時はまさに第一次オイルショックの真っ直中、支店長は渋い顔で「この不景気なときに、そんなにお金を借りたら、返せなくなることは目に見えています」とけんもほろろの応対だった。 万事休すかと気落ちしていたところに、得意先開拓をしていた三菱銀行(編集部注:当時)の営業マンが飛び込んできた。 大山さんは、障害者雇用への思いを述べ、現場で一心に働く彼らの姿を見てもらった。 営業マンは、大山さんの話をじっと聞いて、「わかりました。早急に検討します」と帰っていった。 しかし、長年のつきあいがある信用金庫にも断られた小企業を、天下の三菱銀行が相手にしてくれるとも思えなかった。 数日後、「支店長から了解が出ました。大山さん、ぜひやってください」という連絡を受けたときに、大山さんは「本当ですか?」と思わず大声を出した。 後で聞いたところでは、支店長はしぶったが、担当者が粘ってくれたという。 大山さんの障害者雇用の思いに心を打たれたのだろう。 「徳は孤ならず」 大山さんの知的障害者雇用への挑戦には次々と難関にぶち当たったが、その都度、大山さんの思いに共感して、助けてくれる人々が現れた。 ホワイトボードの普及によって、オフィスでのチョーク需要が激減したことで、日本理化学工業は危機に陥った。 それを乗り越えるべく、大山さんはホワイト・ボードにも書ける、まったく粉のでないチョークの開発にとりかかった。 しかし、開発部門は一人のみ。毎日知恵を絞っても、なかなかうまくいかない。 そんな時に、川崎市は「産学連携の助成金制度があるので、それを利用して商品開発をしてはどうか」と勧めてくれた。 共同開発の相手としては、早稲田大学が「障害者をたくさん雇用している会社ならば、ぜひ協力したい」と名乗りをあげてくれた。 専門家の協力を得られ、平成17(2005)年、まったく粉が出ず、ホワイトボードにも書ける新商品「キット・パス」を完成。 ビニールやガラス、鏡などにもチョークの書き味で書け、水拭きで簡単に消せる。 学校はもちろん、企業や病院、工場現場でも利用が広がっていった。 このキット・パスで、子供たちが窓ガラスなどにも落書きができ、情操教育にも有効であることが分かった。 しかも知的障害児も3歳までに「感じる心」を目覚めさせるような経験をさせると、障害の程度が改善される可能性があるとのことだ。 知的障害者が働ける喜びを味わえる企業作りを追求してきた過程で、再び知的障害の治療に役立つ新製品に辿り着いたことに、大山さんは不思議な「縁」を感じた。 「徳は孤ならず」という。 知的障害者たちが「働ける喜び」を味わえる職場を作りたいという大山さんの志に共鳴して、様々な人々が力を貸してくれた。 我が国には、こういう人々があちこちに、たくさんいることを、ありがたく、誇りに思う。 文責:伊勢雅臣【MAG2NEWS http://www.mag2.com/p/news/253434】 【楽天ブックスならいつでも送料無料】働く幸せ 仕事でいちばん大切なこと [ 大山泰弘 ] 多くの荒波を乗り換えられたのも、大山さんの熱い思いが全てをうまく繋ぎ合わせて、障碍者を雇用、社会の中核として他者と連動できる人脈作りの成果でしょうね。この話題が出る度に、こちらの心まで熱くなります。🌠
2017.06.18
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自閉症の男児たちが劇的に改善? 100年前に開発された感染症治療薬とは自閉症の子どもに100年前に開発された「アフリカ睡眠病」という病気の治療薬を投与したところ、コミュニケーション能力や社会行動などが大幅に改善され、自閉症ではない子どもと同様の状態にまで回復が見られた――。 まるで映画「レナードの朝」のような劇的な話だが、これは2017年5月26日、米カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究者らによって米国神経学会のオンライン学術誌「Annals of Clinical and Translational Neurology」に発表された研究結果。れっきとした事実なのだという。投与からわずか1時間で改善 カリフォルニア大学の公式ウェブサイトに掲載された発表によると、研究にあたったのは同大医学部のロバート・K・ナビオー教授をはじめとするチームだ。 ナビオー教授らは以前に神経障害を持ったマウスを対象とした実験で、「スラミン」という薬を投与したところ、自閉症に似た症状を持っていたマウスの行動が改善されたことを確認していた。 スラミンは1916年にドイツで開発された薬で、本来はアフリカ睡眠病や河川盲目症(オンコセルカ症)という、アフリカで見られる寄生虫が原因で発症する病気の治療に用いられている。 このスラミンを人の自閉症患者に投与すると安全に症状を改善することができるのではないか、またスラミンを投与することで自閉症のメカニズムが解明できるのではないかと考えたナビオー教授らは、5~14歳の自閉症患者の男子10人を対象に、比較試験を実施したという。 まず、10人を年齢や重症度、IQによって5組に分類し、各組の一方にはスラミン20ミリグラム/キログラムを、もう一方には同量の生理用食塩水を、いずも1回だけ静脈注射で投与した。 その後6週間に渡って自閉症診断チェックシートや観察試験、行動調査、臨床評価、インタビュー、絵を見せて会話や単語を発してもらう「ボキャブラリーテスト」などを実施し自閉症の改善状況を分析している。 その結果、スラミンを投与された子どものみコミュニケーション能力や発言、行動内容に改善が見られ、自閉症患者には難しいとされる同じ作業を繰り返すことも落ち着いてこなし、見知らぬ大人とも冷静に会話するといった様子が確認されたという。 12歳のころからほとんど何も話さず、家族にも一切興味を示さなかった14歳の患者は、スラミンの注射からわずか1時間で室内にいた医師や看護師に興味を示し、16歳の兄と一緒に遊んだり父親と仲良く会話する状態にまでになった。 この父親はカリフォルニア大学に対し「10年以上さまざまな治療法を試してきたが、スラミンの投与ほど劇的な変化が起きたことはなかった。わずか6週間で数年分の変化が起きたような気分だ」とコメントしているほどだ。 他の治療法や治療プログラムとの相乗効果も高く、学校に行き自閉症ではない子どもたちと普通に遊ぶことができた子供もいたという。 スラミンの安全性は未知数 ナビオー教授らの分析によると、スラミンは細胞の異常な反応を引き起こしている物質が機能しないよう作用しており、これによって正常な神経伝達ができる状態になっていることが確認された。 ただし、この細胞の異常反応だけが自閉症の原因ではなく、遺伝や環境要因などが複雑に影響していると考えられるため、ナビオー教授も「スラミンが唯一絶対的な治療薬ではない」と断言している。 またスラミンの効果は一時的で、投与から数週間で改善効果は完全に消えてしまったという。 その他にも、スラミンは長期間大量に投与し続けると吐き気や腹痛、低血圧、腎臓障害などの重い副作用が起きることが確認されており、自閉症の治療のために長期間複数回投与することが安全なのかは大規模な追跡調査を実施しなければわからない状態だ。 そもそも米国食品医薬品局は米国内でスラミンを治療に用いることを承認しておらず、購入もできない。今回発表された論文でも、重要な注意事項として「スラミンには予測できない毒性や副作用があり、研究以外で使用することは禁忌である」と明記されている。 ナビオー教授らは現在スラミンのさらなる有効性検証を進めるとともに、スラミン以外の薬で同様の効果を発揮するものがないかも探索し、新薬開発に向けて研究を進めているという。 【J.Cast https://www.j-cast.com/healthcare/2017/06/15300525.html?p=all】100年前の治療薬が今でもあったことにびっくりです。暫くスラミンの話題が続きそうですが、新薬の再開発が望まれますね。🌠
2017.06.17
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発達障害の子どもの「友達づくり」、 親はどうサポートすればいい?「友達」の存在は、子どもにとって不可欠なもの。 けれどASD、ADHD、LDなど、発達障害がある子にとって、「友達づくり」は簡単なことではありません。 「よくケンカする」「孤立している」「イジメられている」……様々なことで、不安に感じている親御さんも多いのではないでしょうか。 『発達障害の子の「友達づくり」トレーニング』(監修:有光興記/講談社)は、発達障害への理解を深めるとともに、我が子の「友達づくり」を助けるためのサポート法が紹介されている図解いっぱいの実用書です。 対象は小学生から高校生くらいまでの子どもに向けて。 「友達付き合いのコツ」を実践的に解説しています。 個人差はありますが、小学4年生くらいになると、子どもたちの交友関係は変化し、幼児期の性別や好みも関係なく、「みんな仲良し」の環境から「気の合う相手やグループ」と「深く狭い」コミュニティを作るようになります。 その頃合いに、発達障害ゆえの「トラブル」を頻繁に起こしていては、遊び相手が減り、孤立してしまう可能性があります。 だからこそ、小学校の高学年くらいから、「友達づくり」をサポートする必要があるのです。 本書ではASD、ADHD、LD、それぞれの特徴と、発達障害の子の友達付き合いが「うまくいかない事例」を紹介しています。 例えば、ASDのCさん(小学6年生の女の子)は、相手の反応を見ず、一方的に話し掛けたり、ずっと自分の話ばかりしてしまうために、 「空気が読めない」、「うざい」と思われ、孤立してしまいました。 その上、自分は悪くないと思っているCさんは、自分を疎外した友達の悪口をSNSに書き込み、トラブルが拡大してしまった……という事案があったそうです。 こういった場合は、「会話のズレを広げない」ことが大切(ズレてしまうのは仕方がない)。 そのために、親子で「話題選びを練習する」ことが一つ。 まずは子どもの話し方をチェックしましょう。 「親子で雑談したり、親が子どもに友達とどんな話をしたか聞いたり」して、「誰に話したの?」「どんな返事だった?」といった質問をすると、会話の様子が分かるようになります。 話がズレていると感じたら、「会話に適した話題とそうではない話題を、子どもに具体的に教える」、「相手によって苦手な話題がある」ことも一緒に説明し、「会話の流れ」を意識させる練習も。(相手の話を断ち切っている場合がある)。 「いまなにを話しているのか、わかる?」といった問いかけがいいそうです。 また、言葉選びの苦手な子もいるので、周囲の友達が使っているような、その場に適した「言い方」も教えましょう。 教えた言葉を実際に使う「経験」ができればベスト。 具体的には「あいさつ」を基本として、「〇〇くんはどう思う?」といった相手に関心を向ける言葉がいいそうです。 「会話よりまず、親しい友人がいない」という親御さんもご安心を。 本書では「友達を作る」というはじめの一歩から、順を追って、丁寧に解説しています。 また「そういうサポートをいつまで続けるの?」と不安に感じることもあるでしょう。 そういった悩みの答えや発達障害のある子の親としての心構えも載っているので、心強い味方になると思います。 「友達がいない」のは本人にとってもつらいことです。 また「友達付き合い」は子どもの内だけの問題ではなく、社会性を身に付けるためにも必要なこと。 将来的に見て、とても重要なのです。 自分のためにも、我が子のためにも、一人で悩んでいるなら、ぜひ本書を。[ダ・ヴィンチニュース https://ddnavi.com/news/381863/a/ ] 【楽天ブックスならいつでも送料無料】発達障害の子の「友達づくり」トレーニング (健康ライブラリー) [ 有光 興記 ] 社会性を育てる為の一歩、友達だけに関わらず、人との関わり方を培うことも大切ですね。🌠
2017.06.16
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自閉症スペクトラム患者の一部でSTX1A遺伝子が欠損-杏林大先行研究では、STX1A遺伝子欠損マウスを作成・解析 杏林大学は6月9日、自閉症スペクトラム(ASD)患者の一部で、HPC-1/Syntaxin1A(STX1A)遺伝子が欠損していることを見出したと発表した。 この研究は、同大共同研究施設RI部門の小藤剛史助教授らと、県立広島大学の林教授らとの共同研究によるもの。 研究成果は、「Neuroscience Letters」に掲載されている。 研究グループは先行研究で、STX1A遺伝子を欠損させたマウスを作成し、その表現型解析を行ってきた。 同マウスは、さまざまな精神神経疾患に関わるモノアミンおよびオキシトシン等の神経ペプチドの分泌が低下し、ASD患者にみられる「学習機能の低下」「社会行動の障害」などの症状と類似している行動様式を示していた。 また、これらのマウスの社会行動の障害は、自閉性障害を軽減させる効果があるオキシトシンを投与することにより改善されたという。 研究グループはこれらの結果から、ヒトASDとSTX1A遺伝子が関連する可能性があると考え、ASD患者のSTX1A遺伝子について解析を行った。 STX1Aの発現量の変動がASDに関わる可能性 今回の研究では、血球細胞のSTX1AのmRNAの発現量を測定。 その結果、多くのASD患者で、STX1Aの発現量が健常者と比べて低下していることが判明した。 そこで、それらの患者のSTX1A遺伝子について、コピー数多型(CNV)解析を行ったところ、その一部でSTX1A遺伝子がハプロイド(遺伝子数が半減)となっていることがわかったという。 一般に、ASDにはシナプス機能の障害が関わると推測されており、そこには複数の遺伝子が関わっていると考えられる。 ASDに関連する遺伝子はいくつか報告されているが、シナプス伝達を直接制御するSTX1Aは、その重要な原因遺伝子の1つであると考えられる。 また、ハプロイドの患者以外でも、STX1Aの遺伝子発現が変動している患者例が多数認められた。 これらは、神経細胞におけるSTX1Aの発現量の変動がASDに関わることを示している。 その機序を解明することがASDの病態解明につながる可能性がある、と研究グループは述べている。 ▼関連リンク・杏林大学 医学部研究成果 【医療ニュース http://www.qlifepro.com/news/20170614/autistic-spectrum-patient.html】 遺伝子研究は実に奥が深いですね。🌠 a
2017.06.15
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障害? 個性?「自閉症スペクトラム」について執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)医療監修:株式会社とらうべ自閉症やそれと類似した症状は自閉症スペクトラム」と呼ばれるようになってきました。「対人関係が苦手」「こだわりが強い」という二つの行動特徴をもつ、特有の発達スタイルを遂げてきた、周囲が気になる人たちを指します。大人も含めて日本国内では人口の約10%の該当者がいると推定されています。自閉症や自閉症スペクトラムへの理解が期待されています。今回は自閉症や自閉症スペクトラムについて、詳しく解説していきます。自閉症とは? 1943年にアメリカの精神科医カナーが初めて自閉症を発表しました。「ことばの発達の遅れ」「コミュニケーションが困難」「特定のものなどへの強いこだわり:常同行動」の3つの典型的な行動特徴をもった、発達障害の子どもを指していました。全体の8割に知的障害がみられ、男の子に多く、3歳ころまでには障害が目立っていました。2000年ころまで、有病率は0.1%ほど、知的障害を持たない高機能自閉症も含めると、有病率は1%前後とされていました。自閉症から自閉症スペクトラムへ 後年、自閉症にもさまざまなタイプがあることがわかってきます。たとえば、知的障害は重いケースから通常範囲まで多様でした。また、知的障害を持たないばかりか、コトバの遅れもない「アスペルガー症候群」、計算などで独特の能力を発揮する「サヴァン症候群」などがよく知られています。支援に関しても、重症で手厚い支援を必要とする場合から日常生活にほとんど支障をきたさないケースまであります。そこで、2013年に改定されたDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き:アメリカ精神医学会発行、最新版)では、このような程度も質もさまざまなタイプを「スペクトラム:連続体あるいは集合体」と統合して、「自閉症スペクトラム障害:ASD」と命名しました。さらに最近では、医療や福祉などの支援対象となる「自閉症スペクトラム障害」と、障害とまで言えないけれど、同じような行動特徴をもつ「自閉スペクトラム」とに分けられることもあります。これらの統合的な概念が「自閉症スペクトラム:AS」です。自閉症スペクトラムの特徴 自閉症スペクトラムでは、「対人関係が苦手」なことと「こだわりの強さ」が症状の2大特徴といわれます。対人関係については、幼少期は反応が鈍かったり、発語の異常があったり、他の子とかかわり方の様子が異なったりといったかたちで現れます。思春期以降になると、つきあっていると不自然さを感じさせたり、場合によっては対人トラブルに発展することもあります。本人は筋の通った言動をしていても、周囲にはそれが不自然に見えたり、「空気が読めない」と感じたりすることもよくあります。一方、「こだわりの強さ」については、幼少期は、同じ遊びをくり返したり(常同行動)、好みが変わっていたり、手順を変えられなかったりします。長じて思春期以降になると、全体よりも部分が気になったり、好き嫌いが極端に分かれたり、注意や興味が向きにくい領域には触れなかったりして、「わざと避けている」などと誤解されることもあります。その他にも、特定の臭いや音などを好んだり、感じ方が極端だったりする、視覚や聴覚など感覚機能の特殊性や、過去を覚えるのは得意だけれど未来を想像するのは苦手といった特徴なども、自閉症スペクトラムの傾向的特徴として指摘されているところです。発達障害の3つの特徴を理解する 自閉症スペクトラム障害は「発達障害」のひとつです。子どもが発達していく過程でみられる、生まれつきの脳機能障害による行動や認知の障害の総称が「発達障害」で、現在、子どももさながら、大人になっても発達障害によるハンディキャップを抱えている人たちにも関心が集まっています。そんな発達障害には共通する次の3つの特徴が指摘されています。1. 脳(中枢神経系)の機能障害がある2. 原因はさまざまながら、乳幼児期に行動特性(症状)が現れる3. 行動特性(症状)は、本人の発達や周囲からの働きかけによって変化する 1については脳科学や画像診断技術の向上によって、いろいろなことが解明されてきているものの、まだ、未知の部分も多く残しています。いずれにしても、現段階では脳の機能障害を完治することはできません。だからこそ、2と3の特徴によって、早い段階で見つけ出し(早期発見)、支援や訓練(これを療育:治療教育と呼びます)を積み重ねることで、自立的で個性的な人生を送ることも十分に可能だとされています。自閉症スペクトラム:障害か個性か 生活や活動に重篤な支障をきたしている場合は、これを障害として、診断や支援の対象にしています。しかし、程度が軽くて日常生活に支障がないような場合や、本人の自閉症スペクトラム的な特徴が、たとえば創造的な仕事につながっているような場合なら、むしろ、それは個性とみられます。スペクトラム(=集合体・連続体)とは、そのように多様な理解と多様なかかわりを、本人にも周囲にも期待しているように思われます。【参考】・本田秀夫監修『自閉症スペクトラムがよくわかる本』講談社、2015・榊原洋一『よくわかる発達障害の子どもたち』ナツメ社、2015・中山和彦、小野和哉『よくわかる大人の発達障害』ナツメ社、2015<執筆者プロフィール>山本 恵一(やまもと・よしかず)メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長<監修者プロフィール>株式会社 とらうべ医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供 【@nifty news https://news.nifty.com/article/item/neta/12161-moco-40903/】 自閉症もかなり分かりやすく、定義されるようになりましたね。🌠
2017.06.14
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『自閉症スペクトラムの症状を「関係」から読み解く』 小林隆児 著 (ミネルヴァ書房・3780円)発達障害の一つで対人関係の構築が困難な「自閉症スペクトラム」。脳障害に起因するという通説に、著者は豊富な臨床経験と長年の研究から異議を唱える。子どもと養育者の関係や、「甘えたくとも甘えられない」という心理から症状が説明できるとして、38の事例を挙げて乳幼児期から成人期に至るまでの症状を読み解いていく。「関係」を重視する著者の方法は、人間関係を十分に考察せず、薬物投与に傾く多くの臨床家への批判にもなっている。著者は精神科医で西南学院大教授。=2017/06/11付 西日本新聞朝刊 https://www.nishinippon.co.jp/nlp/book_kyushu/article/334817/=【楽天ブックスならいつでも送料無料】自閉症スペクトラムの症状を「関係」から読み解く 関係発達精神病理学の提唱 [ 小林 隆児 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】甘えたくても甘えられない 母子関係のゆくえ、発達障碍のいま [ 小林隆児 ]興味深い一冊ですね。精神科医の見解からの著作本が増えてきましたね。🌠
2017.06.13
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発達障害児の親集い30年コミュニケーションが苦手な自閉症スペクトラム障害(ASD)や、気が散りやすい注意欠如多動性障害(ADHD)などの発達障害。そんな障害のある子どもの保護者が、長崎発達支援親の会「のこのこ」(中原圭子会長)を結成して来年で30周年を迎える。保護者が集い、痛みや悩みを分かち合う姿を取材した。■ストレスを爆発 5月のある朝。西諫早公民館(諫早市)の一室。10人ほどの母親がテーブルを囲んでいた。初参加の母親が、ぽつりぽつりと話しだした。 「息子は大勢の子がいる教室が苦手。学校から帰るとストレスを爆発させる」 会員は1時間ほど悩みに耳を傾け時折、助言する。「聴覚が過敏かもしれない。検査を受けたら?」「先生への言葉遣いは丁寧にした方がいいよ」 最新の療育法から教師との付き合い方、目が届きにくい障害のないきょうだいへのフォローまで、助言はどれも実践的だ。経験談に冗談を交え、笑い声も起こる。 初参加だった母親は帰り際に言った。「悩んでるのは私だけじゃなかった」 のこのこができたのは1988年。当時の長崎大医療技術短期大学部(現長崎大医学部保健学科)で、療育を受ける子どもの母親10人ほどで結成した。親の会としては九州で初めてだった。 会員は今年、約80人に増えた。30~50代の母親が中心だ。長崎市障害福祉センターや西諫早公民館などに集まり、子どもの年代別に分かれて接し方や悩みを語り合う。父親向けの座談会や、臨床心理士ら専門家を招いた勉強会もある。昨年度は50回以上の会合に、延べ約500人が出席した。■普通のお母さん 息子に自閉症スペクトラム障害などがある古池美智子さん(48)=仮名=は、9年ほど活動している。当初は「『子育てできない母親』と思われていないか心配で、周囲と目を合わせられなかった」と振り返る。 小学1年のとき、運動会で息子は笛の音に驚き行進の列から飛び出した。ラジオ体操もしなかった。授業中は立ち歩き、友だちをつくるのも下手だった。「今後どうなってしまうのか」。不安ばかり募ったという。 小学校で息子がトラブルを起こすたび、学校から連絡があり、仕事を早退した。やりがいを感じていた仕事も辞めざるを得なくなった。心配してくれる知人もいたが、悩みを打ち明けても分かってはもらえないと思っていた。「他人の言葉に耳をふさぎ、自らの心に閉じこもった」 息子が小学3年のとき、のこのこの勉強会に初めて参加した。子育てのことを話しても、誰からも批判されなかった。 「あ~あるある」 笑いまで起きる。古池さんは「あそこでだけ普通のお母さんでいられた」と打ち明ける。ハンディのある子を育てていれば不安は続く。なのに会員はよく笑い、おしゃれもしていた。そんな姿に「明るく生きていく」という強い意志を感じた。 あれから9年。息子は高校に通っている。進路や就職など悩みは尽きない。でも、のこのこの座談会には今も顔を出す。かつての自分のように張り詰めた表情のお母さんが、やって来ることもある。そんなときはいつも、心でささやいているという。「私たちを見て。大丈夫。その苦しみから、いつか抜け出していこう」 同会への問い合わせはホームページ(http://n-nokonoko.org)◎ズーム 発達障害 脳の一部機能の障害が原因とされる。自閉症やアスペルガー症候群、注意欠如多動性障害(ADHD)などが含まれる。自閉症スペクトラム障害(ASD)は自閉症やアスペルガー症候群などを含む新たな呼び方。2012年の国の調査では、通常学級の小中学生(公立)の6・5%に発達障害の可能性があると推計。大人になって診断されるケースもある。 【長崎新聞 http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/06/12091247051561.shtml】発達障害の子どもの育て方について悩みや不安を語り合う母親たち=諫早市山川町、西諫早公民館子どもの成長とともに、悩みを分かち合う場があるって、心強いですね。🌠
2017.06.12
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知的障害の男性、投票できず 選管が配慮不足認め謝罪4月23日に投開票された岐阜県各務原市長選で、重度の知的障害がある男性(18)が期日前投票をしようとした際に、口頭のやりとりだけで本人確認を求められたため投票を諦めていたことがわかった。市選管は「配慮が足りなかった」として、今月9日、男性側に謝罪した。 市選管によると、男性は4月21日、母親と市内の期日前投票所を訪れ、代理投票を申し出た。男性の入場券の裏面の「宣誓書」が未記入だったため、受付の男性職員が口頭で本人確認を求めた。母親は「本人は生年月日、住所が言えない」と伝えたが、再び口頭での確認を求められたという。職員は、本人確認ができる療育手帳などの提示を求めなかったという。【朝日デジタル http://www.asahi.com/articles/ASK6B56TSK6BOHGB007.html】配慮不足というより、他人の立場になって考える、という常識に欠けた職員の登用に疑問を感じますね。🌠
2017.06.11
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教員の発達障害理解を深める教材 ドラマ仕立てDVD愛知教育大学臨床総合センター(祖父江典人センター長)は、教員が児童生徒の発達障害について理解を深めるための教材「先生のための発達障害」(視聴時間約29分)を、このほど制作した。 発達障害を抱える児童に対する効果的な対応例をドラマ仕立ての映像で示すDVDと、解説をまとめた小冊子で構成されている。 この教材制作は、文科省からの委託事業。 発達障害の可能性のある児童生徒に対する早期支援・教職員の専門性向上がねらい。 発達障害のなかでも、対人コミュニケーションが苦手で、強いこだわりや感覚を有するとされる自閉スペクトラム症に焦点を当て、▽積極奇異型▽受け身型▽孤立型の3種に分類して解説。 それぞれの特性に応じた教育的な関わり方の指針を示している。 発達特性のある子供たちについて祖父江センター長は冊子のはじめで、「定型発達の児童とは脳の働きや感覚が違い、小さい頃から失敗体験を繰り返している」とし、「彼らの傷つきがちな心を育てる支援の仕方を示そうとした」と述べている。 同センターのホームページ内「プロジェクト」のコーナーで、映像と小冊子を公開している。 【教育新聞 https://www.kyobun.co.jp/news/20170511_03/】 教師にも専門的な知識を元に、現場でそれを生かし、奮闘して欲しいですね。🌠
2017.06.10
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「読み書き障害」をもつ人が広告業界に多い理由:「脳内の配線が少し人と違うだけ」リッチ・シルバースタイン氏は、成長の過程で大変な時期を経験した。 広告エージェンシーのグッドバイ・シルバースタイン&パートナーズ(Goodby Silverstein & Partners)で共同議長とパートナーを務める、広告業界のレジェンドの中学・高校時代は困難の連続であった。 先生は彼を「能無し」や「怠け者」と呼んだ。 彼は成績不振児が集まるクラスに割り当てられた。 「それがどんなに恐ろしいものだったか、よく覚えている」と、彼は語る。 「モノを思い描く能力には自信があったが、それと比べると読み書きは上手にはできなかった」。 ニューヨークのヨークタウン・ハイツにあるホームセンターで得た最初の仕事では、ネジの(大きさや形状の)違いが分からず、間違った器具をみんなに提供していた。 デザイン系の学校に自分の居場所を見つけたあとも、5年間はグラフィックデザインやエージェンシーの仕事を転々としていた。 言葉は彼を困惑させた。 全米で4000万人存在するディスレクシア(読み書きの能力の発達を妨げる神経障害)患者のひとりに違いないということに、シルバースタイン氏自身が気が付いたのは、もっとあとになってからだった。 さらに、広告業界にはディスレクシアを抱えている人が非常に多いようだ。 「ほかのクリエイティブ業界と同様に、広告業界も学習障害をもった人で溢れている」と、サーチ&サーチ(Saatchi & Saatchi)の元クリエイティブチーフで、彼自身もディスレクシアであるクリス・アーノルド氏は語る。 アーノルド氏は現在、ザ・ガレージ(The Garage)という自身のショップを経営している。 「私の会社のクリエイティブ部門の社員の半数は、ディスレクシアを抱えている」。 「人とは異なる脳内配線」 広告業界内のディスレクシアに関する統計や研究はいまだない一方で、ディスレクシアや自閉症を引き起こす脳内の異常は、クリエィテビティや芸術的なスキル、そして物ごとを異なる手段で可視化する能力の向上に繋がる、という研究結果がでている。 たとえば、精神科医のガイル・ソルツ氏は、彼女の著書『相違の力:障害と天才の繋がり(The Power of Different: The Link Between Disorder and Genius)』で、ディスレクシアを抱える人は、突出した視覚・空間関連の才能をもっている、と書いている(また、ディスレクシアを抱える著名なビジネスリーダーとしてApple創設者のスティーブ・ジョブズ、ヴァージン・グループ創設者のリチャード・ブランソンが挙げられている)。 シルバースタイン氏にとって、成功の鍵は物ごとを視覚的に考えることだった。 正式な診断結果を受けたわけではないが、自身の能力はディスレクシアがもたらしたものであり、シルバースタイン氏が「言葉の使い方に優れている」と表現する、 共同創設者兼パートナーのジェフ・グッドバイ氏との長年にわたる協働関係にも大きく寄与していると信じている。 シルバーステイン氏は、これらの言葉を芸術的な表現に置き換える。 「私の頭のなかの配線は少し人とは違うだけだ。私が行うことのすべては直感的で視覚的だ」と、彼は語る。 「私の脳は極端に視覚的で、瞬時にアイデアを視覚化できる」。 同様に、自閉スペクトラム症を抱える人々は、大きな障害を抱えているにもかかわらず、クリエイティブな問題に対してユニークな答えを思いつくタイプの人が非常に多い。 DDB ニューヨーク(DDB New York)でクリエイティブテクノロジーオフィサーを務めるアレクザンダー・リア氏がまだ成長中なんだといったように、彼らは社会的には扱いにくいタイプかも知れないが、この病気はある特定の強みを得るのに一役買っている。 たとえば、リア氏は、細部に対する鋭い目と、目の前の作業に対して脅威的な集中力を発揮する能力をもっていて、コーディングやプロトタイピングといった作業に役立っていると語る。 「私たちの不可思議な性質や構造のおかげで、人とは異なった方法で物事に集中することができる」と、30代で自閉症と診断されたリア氏は語る。 「いま思えば、自閉症は私をテレビゲームやパソコンにのめり込ませ、いま私が進んでいるキャリアの道に導いてくれたのだ」。 アーノルド氏によると、昔ながらの教育の線形的な構造が、ディスレクシアを抱える人々をクリエイティブ方面に傾倒しやすくする要因だという。 決められたカリキュラムを上手にこなせない者が芸術に引き寄せられるのは当然のことだ。 これがアーノルド氏が、広告業界にディスレクシアや自閉症を抱える人が多いと感じる理由のひとつかもしれない。 「線形的なシステムは、非線形な人々を芸術面で秀でさせる」と、アーノルド氏は語る。 「彼らは、型にハマったことを上手くこなすことが苦手なため、彼ら自身の得意分野を探すことを余儀なくされる」。 多くの会社重役が広告業界に身を置くことになったもっとも大きな要因は、おそらくその業界の特質にある。 広告業界は、人とは異なる考え方や表現を求める傾向があり、これは直線的な考え方に従うことをしない人々にとって魅力的だと、自身もディスレクシアを持ち、サンフランシスコに拠点を置くクリエイティブショップ、ジャーショニー(Gershoni)の共同設立者兼クリエイティブディレクターを務めるジル・ジャーショニー氏は語る。 「ディスレクシアを抱える人は、物ごとをさまざまな方向な角度から同時に見て、複雑な概念を素早く考慮することができる」 と、ジャーショニー氏は語る。 「ブランドが革新的な発想を求めるコミュニケーションの世界では、これはとてつもなく大きな財産となる」。 幼少期にこれらの障害によって苦労してきた人々が、いまは彼らが抱えているディスレクシアや自閉症を価値ある財産として見ていることは不思議ではない。 「自閉症を自分の『スーパーパワー』だと思っている」と、リア氏は語る。 「進化論でいえば、我々は未来、定型発達した人(精神医学的な健常者)は過去かもしれないー『エックスメン』(X-Men)のように」。 偏見を乗り越える これまで、学習障害や発達障害に関わる偏見は数多く見られてきた。 ヒュージ(Huge)のCFO、ラジ・シンハル氏にとっては、彼が11歳の頃に中学校に入学するには知性では不十分であるといわれたことが、それに該当する。 「私はとても苦労したし、ある意味ではいまもそうだが、ひたすら働くことでそれを乗り越えることができた」と、シンハル氏は語る。 「学習障害や発達障害への偏見は、以前とは比べ物にならないほど減った」。 状況が変わった要因として、学習障害を持った人々に関する研究がその神話を覆しただけでなく、オートノミーワークス(AutonomyWorks)やウルトラテスティング(Ultra Testing)といった、自閉症を抱える成人に適した仕事を斡旋する会社の企業努力がある。 たとえばウルトラテスティングは、 人間の(特に障害者の)脳の多様性を大事に考えている会社で、全社員の75%が自閉スペクトラム症を抱えている。社員は、ドローガ5(Droga5)やレイザーフィッシュ(Razorfish)、またビッグスペースシップ(Big Spaceship)など、広範囲にわたるエージェンシー向けに、ブラウザやWebサイト、そしてeコマースのプラットフォーム上で動作する新しいアプリのテストを行っている。 ウルトラテスティングは雇用にあたり、自閉症を抱える人々に新たなスキルを教えるというよりは、彼らがすでに持っている能力を活用する方針をとっている。 またウルトラテスティングは、会社の使命を社外向けに宣伝する活動も行っている。 最近ではエージェンシーのトライバル・ニューヨーク(Tribal New York)とパートナーシップを結び、「ディファレントベター」(DifferentBetter)というキャンペーンを立ち上げた。 これは、自閉スペクトラム症を抱える人々がもつ才能、ユニークで価値のある能力やスキルセットにスポットを当てたものだ。 自閉症啓発月間に合わせて立ち上げたこのキャンペーンは、人々の自閉症に対する考え方が「障害を抱えている」から「それに起因する能力に感謝する」ように変わっていくことを狙いとしている。 このキャンペーンは、自閉症の人の多くが持っている、それぞれの強みがハイライトされたゲームを体験するというものだ。 サイト(DifferentBetter.us)を訪れた人は、プレイヤーの認識、論理や視点が試されるような課題を解決することになるが、実在の自閉症をもった個人が、このゲームの成功の指標として利用されている。 それぞれの課題の最後では、ウルトラテスティングのチームメンバーが、考え方の違いがもつ利点や、彼ら自身の問題解決に対するアプローチを話してくれる。 エージェンシーも、片隅でひっそりとではあるが、この動きに貢献しはじめている。 2017年、ジャーショニー氏はSXSW (サウス・バイ・サウスウエスト:アメリカで毎年3月に行われる音楽祭、映画祭などを組み合わせた大規模イベント)で、デザインに関わる問題をユニークな手法で解決するために、ディスレクシアを抱える人がもつ素晴らしい能力をどのように結びつけるか、という内容のパネルディスカッションを催した。 また、2016年にザ・ガレージが出した「人とは異なる考え方を持った社員が必要なため、応募者の規定として、ディスレクシアをもっている必要がある」 という内容の求人広告は物議を呼んだ。 この広告のキャッチコピーは「必要としているのはユニークな心をもった人なので、応募が可能なのはディスレクシアをもった(スティーブのような)人だけ」というものであった。 「いまの会社は、革新が成功の鍵であることを知っていて、それにはディスレクシアを抱えた人が大きく貢献する、ということを否定することはできない」と、アーノルド氏は語る。 「私はディスレクシアをさらにもっと一般的なものとしたかったし、すべての重役会議室には、ディスレクシアを抱えた人がいるべきだと強く信じている」。 才能と多様性は、広告業界が抱えるもっとも大きな問題のうちのふたつになっている。 エージェンシーが多彩な労働力を得ようと必死になっているなかで、このような候補者を受け入れることは理にかなっているとリア氏は語る。 「定型発達した人だけが才能をもっているわけではない」と、リア氏は語る。 「こうした才能を発掘できるインフラがあるならば、それは素晴らしいことだ」。Tanya Dua (原文 / 訳:Conyac) 【digiday http://digiday.jp/agencies/im-just-wired-differently-advertising-seems-many-people-dyslexia/】 一つの才能を発掘し、開花させる、こういう職場が増えるといいですね。🌠
2017.06.09
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5月28日:自閉症の新しい治療可能性(Annals of clinical translation neurologyオンライン版掲載論文)自閉症は多くの遺伝子が関わるひとつの症候群で、私たちの性格が複雑なのと根は同じだ。現在の研究の焦点は当然神経結合や、神経細胞の増殖に向けられており、例えば自閉症の神経幹細胞が高い増殖能を持つという最近の論文などは、重要な進展だと思う。 一方、原因は複雑でも共通の症状がある限り、全体に共通する異常も存在するはずだと考える研究も進んでいる。例えば腸内細菌叢が自閉症の症状に関わるという研究はその典型だが、細胞のストレスに対する防御反応がその背景にあるのではと考えて研究を続けてきたのがカリフォルニア州立大学サンディエゴ校のグループで、マウスモデルを用いて彼らの仮説の妥当性を示す結果を示し、新しい自閉症の治療につながるのではと期待されていた。 今日紹介するのはこのグループがAnnals of clinical translation neurology オンライン版に発表した論文で、いよいよマウスを用いた前臨床研究成果を臨床治験に進めることができたことを宣言する論文だ。タイトルは「Low dose suramin in autism spectrum disorder: a small phase I/II, randomized clinical trial (自閉症に対するスラミンの低容量投与:小規模I/II相無作為化臨床治験)」だ。 このグループは細胞がストレスにさらされると、ひとつの防御反応として細胞外へのプリン体の分泌が高まり、ストレス反応を持続させることに注目して研究を行っている。これまでの研究で、1)これと同じ代謝異常が自閉症で見られること、2)ATPを始めとするプリン体による神経刺激を抑えるとマウス自閉症モデルの症状が改善すること、を示し、自閉症の症状にはこのプリン体分泌上昇に伴う、神経興奮状態の変化が存在することを提唱してきた。 細胞外に分泌されたプリンに対する神経反応を抑える薬剤スラミンを自閉症児に投与し、安全性と効果について調べたのが今回の研究だ。治験の規模は最小限で、DMS-5と呼ばれるマニュアルに従って診断された十人の自閉症児(4-17歳と多様)を無作為に五人ずつのグループに分け、片方にはスラミンの静脈注射、もう片方は生理食塩水のみを投与して、副作用、及び様々な神経機能のテストを行い、薬の効果を調べている。 この研究の最も重要な目的はスラミンの安全性を確認することだ。スラミンはアフリカの眠り病の薬として使われているが、多くの副作用がある。ただ、今回の治験で使われる量はずっと少ないが、やはり副作用については細心の注意を払った検査が行われている。 一回投与後に副作用としては、自覚症状はなく、自然に消失するものの、全例で発疹が観察されている。これ以外は対照群と比べて大きな変化はなく、治療に十分耐えられることが分かった。 薬剤の血中濃度や代謝についても調べているが、詳細はいいだろう。細心の注意を払って最初の治験研究に望んでいる。 肝心の結果だが、親から見ても言語能力や社会性が回復するのが実感されるらしい。自閉症の程度を測る最も信頼されるADOS検査で見ても、はっきりと改善が見られている。一方、生理食塩水投与では変化はない。 以上のことから、スラミンは治療薬の重要な候補になったと思う。ただ、著者も強調しているが、自然に治るとはいえ、皮膚の発疹についてのより長期の観察が必要で、また本当の効果についても何年もかかる本試験を基に判断すべきで、この結果はほんの入り口にすぎないことだ。 しかし、著者らの意気込みから見て国際治験が始まると思うので、ぜひ我が国も参加して、この可能性の妥当性を確かめてほしいと期待する。[NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ) 論文ウォッチ 2017年5月28日より転載] 既にスラミンの自閉症者への投薬についてはアップしていますが、やはり何より副作用が危ぶまれていますね。🌠
2017.06.08
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発達障害児の母親、先生に激怒 「病気ではなく障害」 SHELLYも怒りあらわ授業中に突然ご飯を食べたり、教室から勝手に出て行ったり、廊下で突然寝てしまったり……そんな発達障害児を持つ親は「虐待しているんじゃない?」「しつけが悪いんじゃない?」など、心ない言葉で追い詰められている。SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(第8回)では、発達障害児の子育てをテーマに当事者たちが赤裸々に語った。 介護士でお笑い芸人の“ももち”こと柏崎桃子さんは、現在20歳の発達障害の息子をもつシングルマザー。子どもを育てていく中で、教育者からの心ない言葉にショックを受けたという。働いている時間で学童に子どもを預けようとしたとき「子どものよだれが止まらない時期だったせいか『この子は来たらいじめられちゃうんでこないでください』って言われた」と当時を振り返る。 また、発達障害のある子どもを育てる保護者の会「りあん」代表の関伊都子さんは、子どもが小学4年生の頃に図工の授業を見学したエピソードを紹介。「周りの子となじめずにひとりぼっちで彫刻を彫っていたときに、先生から『なんでこんなふうなんでしょうね?』と言われた」と話す。 続けて関さんは「先生から『この病気は治らないんですかね?』って言われて、ブチッときて。『病気ではありません、障害です!』って言いました」と、当時の先生の理解のなさに腹が立ったことを告白。これに対し、MCのSHELLYは「『あなたの病気は治らないんですか?』って聞いてあげたい」と立腹。怒りをあらわにした。 一方で関さんは「先生に逆らうと子どもに何かされるんじゃないかって不安で。人質にとられているみたい」と話し、発達障害の子を預ける親の立場からの葛藤を伝えた。【abematimes. https://abematimes.com/posts/2273415】無理解と信じられない暴言、教育者でも、障害児の親に育てられることもありますね。🌠
2017.06.07
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今井由香が休業。広範性発達障害の子供との日々を充実させる「セイバーマリオネット」シリーズのヴィレイ・ジュニアや「うたの☆プリンスさまっ♪」の渋谷友千香などを演じていた今井由香さんがブログに一時休業することと、その理由を綴った。 三歳の息子が保育園入園前の健康診断で「広範性発達障害」であると診断されたこと、ストレスなどから声も出にくくなっていたこと、自分の演技ができないにも関わらずマイクの前に立ち続けることに悩んでいたことなどを明かした。その上で、「今は、息子との日々を充実させること。それが当面の夢であり、目標」、「土台が出来上がったら、いつの日か、また戻ってきたい」と締めくくられている。 関連リンクyukaのブログ「お知らせとお詫びと感謝の気持ち」【ota-suke http://www.ota-suke.jp/news/193913】お仕事と育児の両立の中で、思わぬ我が子の障害の告知、何よりストレスや不安が拭われ、復帰されるといいですね。🌠
2017.06.06
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専門家の思い込みを覆した自閉症患者僕らが「当たり前だ」と思っている事柄は、どのようにして僕らの頭の中にやってきたのだろうか?大昔には、カメやゾウの上に世界が乗っている、と考えた人がいた。現代人である僕らは、その発想を笑うだろう。そんなこと、ありえないと。だったら、僕らにも同じことが言えるはずではないだろうか。例えば1000年先の未来人が、今の僕らが考えていることを「ありえない」と笑っている姿を、僕は容易に想像することができる。 常識というのは、「その時」「その場所」でしか成立しない。僕はそう考えている。「その時」や「その場所」をどれぐらいの幅で捉えるかは状況次第だが、今僕らが常識だと思っている事柄は、「その時」や「その場所」から外れてしまえばもう常識ではなくなってしまう。しかし僕らは、常識というのはいつどんな場所でも成り立つと考えてしまいがちだ。 そういう発想から抜け出し、常識に囚われずに物事を見る視点を獲得できるだろう1冊を紹介しようと思う。自閉症を“内側”から観察して言葉で表現「自閉症」という障害に、どんなイメージを持っているだろうか?自閉症と言ってもその発現の仕方は様々だが、特に重度の自閉症患者は、知能が足りず、意味の分からない行動をする者に見える。 僕は、自閉症について深く考えるような機会がなかった(つまり、人生で自閉症患者とはっきり分かっている人と出会うことがなかった)が、漠然としたイメージで言えばやはり、知的障害がある人たちなのだと思っていたはずだ。知的障害があるからこそ、僕らの言葉も理解できないし、手をぶらぶらさせたり奇声を発したりというような行動を取ってしまうのだろう、と。 そんなイメージを鮮やかに覆してくれたのが、本書『自閉症の僕が「ありがとう」を言えるまで』(飛鳥新社)の著者であるイド・ケダーだ。イドは重度の自閉症患者であり、そして明らかに知的障害を持っていると診断されていた。《知的障害のある自閉症者もいるのかもしれないけれど、みなさんが考えているほど多くはない。ぼくたちが知能テストで失敗してしまうのは「出力障害」のせいだ。内側で考えていることを正しく外に出せない。出口を見つけた自閉症者はごく少数だ》 重度の自閉症患者でありながら、自分が考えていることを外に発信する手段を苦労の末手に入れることができた彼は、自閉症を内側から観察し、それを言葉で表現している。話しかけられた言葉はすべて理解できるし、本だって読める。しかし、自分が考えていること、理解していることを、外側に発信する手段がないのだ、と彼は語る。それゆえ、知的障害があると判断され、自分が既に完璧に理解している事柄を繰り返し覚えさせられ、しかしその苦痛を表明することができないでいた彼は、こんな風に語っている。《自分の頭がまともだということを知っているのは自分だけなのだ。 断言できるけれど、これは一種の地獄だ》 彼がどのように言葉を獲得し、どんな苦労と闘いながら社会の中で生きているのか、その奮闘はぜひ本書を読んで実感してほしい。ここで僕が書いておきたいことは、「専門家」と呼ばれる人たちについてである。 イドは、ある時運良く、自分が知性を持っていることを発信する手段を手に入れることができた。それから彼は猛特訓して、文字盤を指差すことでコミュニケーションを取れるようになったが、「専門家」の中にはこの事実を認めない人がまだ多く存在すると言う。《本書の目的は、専門家たちが長いあいだかかえてきた思いこみに挑戦することです》 イドの母親は冒頭でこんな風に書く。「専門家」は、イドという現実を、「自分たちが持ち続けてきた仮説に合わないデータ」として斬り捨てようとしている。そうしなければ、これまで自分たちが信じてきた仮説を、それを信じることで「専門家」としてやってきた仮説を手放さなければならないからだ。イドの存在を認めないことでその苦痛から目を反らそうとする「専門家」に対して、イドは諦念を込めてこう語る。《そのことを気にするのはやめた。それはぼくの問題ではなく、彼の問題だと気づいたから。その人は自閉症について学ぶ機会があったのに、無知でいることを選んだのだ》こうであるはずだ、という思いこみを捨て、現実を受け入れる。そういう人間でありたいものだと思う。【JBPress http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50078 】『自閉症の僕が「ありがとう」を言えるまで』(イド・ケダー著、入江 真佐子翻訳、飛鳥新社) 自閉症のぼくが「ありがとう」を言えるまで/イド・ケダー/入江真佐子【1000円以上送料無料】東田君のような才能を持った方、自分だけなく、他者をもきちんと分析する辺りは、正に神の領域のようですね。🌠
2017.06.05
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知的障害「逸失利益」請求訴訟 施設側は争う姿勢知的障害を持つ少年が山の中で死亡した事故で「逸失利益」をゼロとした施設側に対して両親が損害賠償を求めた裁判が始まり、施設側は争う姿勢を示しました。 重度の知的障害を持つ松沢和真さん(当時15)はおととし、入所していた東京・八王子市の施設から抜け出して行方不明になり、山の中で死亡しているのが見つかりました。両親は、施設側が和真さんの将来の収入にあたる逸失利益をゼロとした慰謝料を提示したのは「命の差別」だとして、約8800万円の損害賠償を求めています。19日に開かれた初めての弁論で、施設側は「原告の主張は独自の見解に基づくもので、将来における就労可能性を立証すべき」として争う姿勢を示しました。和真さんの父・松沢正美さんは「亡くなった後も息子に将来の価値はないとして、命を差別した主張を変えないことは許すことができません」と話しています。【テレ朝ニュース http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000101166.html】施設から居なくなり亡くなったことだけでも、悲しいことにも関わらず、施設側の争う姿勢は、我が子を亡くされた親御さんには長く辛い裁判になりそうですね。🌠
2017.06.04
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【発達障害6】保護者が「食」でできること …現場の実例からこのコラムでは全6回にわたり、未就学期における子育てや育ちの環境について、おもに発達の遅れや偏り、「発達障害」の側面から、その特徴や具体的な関わり方について紹介していきます。 第5回では、発達障害とは何か、どのような症状や傾向があるのか、そして、療育を受ける場所や方法などについて包括的に紹介しました。最終回となる第6回では、家庭でできるアプローチについて考察していきます。生きづらさを抱える子どもたちに対し、私たち大人は一体何ができるのでしょうか。食生活や療育の観点から読み解いてみましょう。◆食生活の改善 人間の身体をつくるのは「栄養」、つまり食事です。食事に気をつけることで、生活にメリハリがでたり、やる気が上がったりと、体調や気分が改善された経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかしながら、食生活の改善を継続していくことは難しく、いつの間にかもとの生活に戻ってしまいます。 発達の凹凸に関わらず、 食事の影響を受けるのはどの子どもも同じです。たとえば、冷たいものを大量に摂取したあとに発熱や体のだるさなどが現れたり、栄養の偏りからイライラしたり、免疫力が低下して風邪がひきやすくなったり…。 この原理を日常生活に生かすなら、具体的には「子どもに腹巻をしてお腹を常に体を温める」「アイスなどの冷たいおやつを控える」などの対策があります。 筆者も、真夏以外は常に腹巻をしていて、そのおかげで保育現場では風邪菌が蔓延していても、大きな病気をしなくなりました。当たり前ですが、「子どもが喜ぶから」「静かになるから」といった理由から、1日に何度もアイスやおやつを与えることはやめて、子どもの成長のため栄養バランスの整った食事を心がけてあげるとよいでしょう。◆バランスのとれた食事をとるために 前述の通り、昔からいわれているように「食事はバランス良くさまざまな栄養素をとる」ことが理想的です。特に、現代は加工した白砂糖や、塩分を大量にとりやすくなっているため、注意が必要です。 さらに、「発達障害」というキーワードが大変注目されるようになった昨今では、偏食と発達の凹凸も無関係ではありません。発達に凹凸がある子どもたちは偏食傾向が強い場合が多いため、 野菜など、食べにくいものは口にも入れてくれないことがよくあります。 初めて口にする食材はどうしても食べてくれず、親としても「何か食べてもらえればいいから」と、食べ慣れているものだけを与えてしまったり、スナック菓子を与えてしまったりと、子どもが食べやすいものをあげてしまうことがあるでしょう。 アメリカの研究では、子どもたちがイライラする原因は、スナック菓子や砂糖がたっぷり入ったソーダを大量に摂取していることにある、とする報告があります。逆に、発達障害に関する研究では、多動を抑える薬をむやみに与えて虚脱感を与えるよりも、単純に砂糖たっぷりのお菓子をやめるだけの方が、学校生活でも問題なく過ごせるといった報告もあります。 バランスの採れた食事と子どもの発育についてはさまざまな論説がありますが、食事と成長、そして、発達障害の傾向については、無関係ではないように思えます。 ◆実際にチャレンジ!自宅でできる偏食改善 そもそも、バランスの整った食事を採ってほしくても、「うちの子はそもそも偏食がひどくて食べてくれない」という場合は、一体どうしたらよいでしょうか。実際の例として、筆者が運営する教育現場での例を紹介します。児童発達支援事業所での給食のようす。食事は楽しいことだという雰囲気が大切 筆者が運営している児童発達支援事業所では、給食の先生が子どもたちの給食を素晴らしく盛り付けてくれています。まず、先生は給食を子どもたちにそのまま見せます。次に、食べる段階では、ひとつずつ取り分け、 その子の好みに合わせて細かく刻んでみたり、 すりおろしたり、ほかのおかずと混ぜてみたりなど、少しづつ食べられるよう工夫しています。 そうすることで、食材に対する苦手意識が少なくなり、さまざまな食材を摂ることができるようなります。ぜひ、ご家庭でもやってみてください。◆見た目、味、何が嫌? そもそも、子どもがなぜ偏食になるのかというと、発達障害の感覚の世界が、定型発達の子どもたちに比べてものすごく敏感だからです。たとえば、肌を触られるのを嫌がっている子どもなら、それはきっと、脇の下をくすぐられるくらいくすぐったいのです。時には、耐えがたいほど気持ち悪いと感じていることもあるかもしれません。反対に、触れるよりも、強く握ったり、刺激を与えたりしたほうが、安心してくれる場合もあります。 このような感覚の差は、口の中にも存在しています。したがって、食感が今まで経験したものでない、シャキシャキ感が強い、などを理由に何か食べることができないものがある場合、それは発達に凹凸のある子どもにとっては「本当に気持ちが悪い」という感覚でしかないのです。実際に、筆者の運営する児童発達支援事業所では、このように給食を刻んで提供しています 食感以外には、食べ物の「見た目が嫌」というもありますね。これは、わからないことへの不安の現れです。このような不安を解消するためにはまず、食べ物をすりおろしてみてください。次に味を確かめさせ、問題ないと納得すれば、子どもはその食材を食べる場合もあります。舌触りが問題なくなれば、味にも慣れます。そして、徐々に刻み方を大きくしていけば、すりおろさなくても食べられるようになるはずです。見た目が嫌だという子どもには、食べ物をすりおろすほか、何かに混ぜて食べさせてみる、というのもひとつの方法ですね。 とにかく、こういった工夫はとても大変ですが、形を変え、舌触りを変え、そして、少しづつ慣らしてていくことが、偏食改善の方法です。◆大人ができることは実にシンプル なんといっても、食べたものが身体をつくります。大人になるとあまり意識しない方も多いですが、成長段階の子どもにとって、良質な栄養がとても重要です。発達障害にとっても、身体に摂取るものが影響を与えないとは考えにくいです。 もちろん、子育てが悪かったから、 与える食事がよくなかったから発達障害になったなんてことではありません。さまざまな要因が重なって発達障害という症状がでてきています。 ただ、成長する段階で、脳や身体の発達に良いとされているものを子どもたちに与えることは、私たち大人ができるひとつの方法だと考えています。--- 耳にすることも多くなった、子どもの「発達障害」。コラム「発達障害」では、全6回にわたり、未就学期における子育てや育ちの環境について、おもに発達の遅れや偏り、「発達障害」の側面から、その特徴や具体的な関わり方について紹介する。著:株式会社SHUHARI 代表取締役 中村敏也 1977年7月埼玉県生まれ。明治大学経営学部卒業後、企業勤務の傍ら待機児童問題に興味を持ち、保育学や法制度を学ぶ。2004年9月、埼玉県志木市にて「保育園 元気キッズ 志木園」を開園。以降、地域のニーズに対応しながら小規模保育事業、認可保育所、児童発達支援事業へと展開を拡げる。2017年1月現在、志木市・新座市・朝霞市内に7施設を運営。2018年度には埼玉県内初の小規模保育事業と児童発達支援の複合施設を開園予定(埼玉県・朝霞市)。新座市子ども子育て会議委員。 【Resemom. https://resemom.jp/article/2017/06/02/38459.html】脳や身体の発達の為に大人のできること、それは恐らく障害に関係なく、また高齢者に対しても適用できることなんでしょうね。🌠
2017.06.03
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発達障害児向け「ねずみ」が「時間の理解」を支援するスマホアプリLITALICOは29日、発達障害の子どもを支援するスマートフォンアプリの新作として、時間の長さをねずみがリンゴをかじる表現で伝えるアプリ「ねずみタイマー」(海外タイトル:Mouse Timer)を世界150以上の国と地域に向けて配信開始したと発表した。「ねずみタイマー」は、無料で全年齢対象。食いしん坊のねずみがリンゴをかじっていく表現で、時間を「見える」ようにして時間の長さを伝えることで、子どもが時間の長さをイメージできるよう補助する。学習用のツールとしてだけでなく、生活場面で通常のタイマーとしても活用できる。LITALICOでは、今年4月から発達障害のある子どもを支援するスマートフォンアプリの配信を開始。4月に配信を開始した、イラストカードを使った音声でのコミュニケーションを代替し、子どもの特性に合わせたコミュニケーションを可能にするアプリ「えこみゅ(英語名:Card Talk)」は、日本のみならず北米・中南米やヨーロッパなど、世界30カ国のiOS用アプリを配信するApp Storeでおすすめアプリとして紹介されており、「社会課題を解決するアプリ」として世界から注目を集めているという。「ねずみタイマー」の概要iOS/Androidダウンロード(日本語)iOS/Androidダウンロード(英語)【教育ニュース http://ict-enews.net/2017/05/30litalico-4/】日本語、英語版があるとは便利ですね。🌠
2017.06.02
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『自閉症の僕が跳びはねる理由』 東田直樹 新刊発売記念 講演会のお知らせ株式会社KADOKAWA作家として僕が伝えたいこと~誰かを大切に思う気持ちが、心を揺さぶる言葉になる~著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、のち角川文庫)が世界的ベストセラーとなり、NHKのドキュメンタリーでも二度にわたって特集されるなど、注目を浴びている作家・東田直樹。 このたび新刊三冊(書き下ろし単行本『自閉症のうた』、文庫『あるがままに自閉症です』、つばさ文庫『自閉症の僕が跳びはねる理由』いずれもKADOKAWA刊)の出版を記念して、講演会を開催いたします![画像1: https://prtimes.jp/i/7006/3403/resize/d7006-3403-159617-0.jpg ] 会話のできない重度の自閉症でありながら、文字盤ポインティングやパソコンを使って、文章を発表しつづける東田さん。 優しさや思いやりだけではなく、自らの経験から得た厳しさを真摯に伝える言葉は、たくさんの読者の方から共感を得てきました。 新作ではふたつの短篇を発表するなど表現の幅を広げています。 最近は執筆に専念されていることもあり、講演会は約半年ぶり、待望の開催となります。 今回はもうすぐ25歳となる東田さんの、生の言葉をたっぷりと聞いて頂ける、またとない機会です。 どうぞお見逃しなく!東田さんも、読者の方々とお会いできるのを楽しみにしています。 詳細日時:2017年7月15日(土) 13:30~15:15分(予定) 開場13:00会場:角川第一本社ビル2F参加費:1,000円(税込)定員:100名(会場の都合上、定員に達した場合は締切を早める場合があります) お申込み>>東田直樹 出版記念講演会「作家として僕が伝えたいこと」下記URLよりお申込みください。http://higashida.peatix.com/★お申し込みに関する注意事項会場の都合上、定員に達した場合は締切を早める場合があります。こちらの商品はお申し込み後のキャンセルはできません。講演中の一般の方の撮影・録音は禁止させていただきます。当日の講演の様子は撮影し、カドブンおよび著者Youtubeチャンネル等で後日、配信させて頂く予定です。その際、客席の皆様が映る可能性がございます。予めご了承頂けますよう、お願い申し上げます。★東田さんへのメッセージや質問を大募集!詳細は下記URLのカドブンにて確認ください。https://kadobun.jp/news/35▼書籍情報[画像2: https://prtimes.jp/i/7006/3403/resize/d7006-3403-292025-2.jpg ]『自閉症のうた』東田直樹四六判/単行本発売日:発売日:2017年05月26日定価:(本体1,300円+税)ISBN:978-4-04-400283-1発行:株式会社KADOKAWAhttp://www.kadokawa.co.jp/product/321702000240/[画像3: https://prtimes.jp/i/7006/3403/resize/d7006-3403-726993-1.jpg ]『あるがままに自閉症です』東田直樹角川文庫発売日:発売日:2017年06月17日定価:(本体560円+税)ISBN:978-4-04-105666-0発行:株式会社KADOKAWAhttp://www.kadokawa.co.jp/product/321701000543/ 【産経ニュース http://www.sankei.com/economy/news/170627/prl1706270252-n1.html】 大江戸線「飯田橋駅」(B2a・B3出口)より徒歩4分地下鉄 東西線・半蔵門線「九段下駅」(1出口)より徒歩7分地下鉄 都営新宿線「九段下駅」(1 出口)より徒歩7分都内、しかも週末なので、家族ぐるみで参加できそうですね。🌠
2017.06.01
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