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神奈川)知的障害の子に仕事続ける力 支援学校が注力 軽度の知的障害者が通う学校が、生徒のキャリア教育に力を入れている。卒業後、長く仕事を続けていけるようにとの考えからだ。横浜市立の若葉台特別支援学校(旭区)、日野中央高等特別支援学校(港南区)の2校を訪ねた。 「不安になるのは大人も同じ。リラックスできる方法を見つけるのはどう?」 「相談員」2人が、「失敗したらどうしようと不安になり過ぎない」と目標を掲げた生徒に助言する。 若葉台特別支援学校で開かれた「キャリアデザイン相談会」。3年生一人一人が、就職後を見据え、「家事やお金の管理をする」などの目標を設定。臨床心理士や医師ら「相談員」が生徒数人とグループになり、課題を整理し解決策を探る取り組みだ。 同校の知的障害教育部門に通う生徒たちはほぼ全員が、福祉作業所ではなく一般企業への就労を目指す。 中には、障害の特性上、新しい環境や先が見えない状況が苦手な生徒も。卒業後、生活や職場で様々な工夫が必要となった際、問題を一人で抱え込んで離職などに追い込まれる前に、上司などの他者に相談し、課題解決力をつけておこうというのが同校のキャリア教育のねらいだ。 生徒たちは、高校段階にあたる高等部1年時から職場実習を行い、「時間にルーズ」「指示待ちになる」など自らの課題を見つけ、普段の生活や授業、次の実習を通して改善を目指す。 相談会はそうしたキャリア教育の要。自分に足りない点を言語化し、「周りに伝えることで解決する」と実感する機会にもなる。 カリキュラムを作った川口信雄教諭によると、昨年卒業した知的障害教育部門高等部の1期生も、すでに数人が母校に相談しに来ている。職場の先輩の何げない一言に、必要以上に傷ついたり、過剰に責任を感じてしまったり。ささいなことでもすぐに相談に来る姿勢に、川口教諭は授業の効果を感じているという。■項目ごとに自己評価 日野中央高等特別支援学校では、生徒が自分の課題を具体的に把握しやすいようにと、同校独自のチェックリスト「じぶんNAVI」を活用する。 「協調性」や「時間の管理」などの項目別に、「社会生活へのスタートライン」「就労後の活躍が期待できる」など4段階のどの段階にあるかを生徒が自分自身で評価するシートだ。ゴールを具体的に描くことで、今の自分に足りない部分も明確化できる。 「項目別だと、自分はここが足りないから伸ばそうと意識しやすい」と2年生の神野剛さんはいう。生徒アンケートでは、「社会に出られるレベルを知ることができる」「今の自分の力や問題点の改善の仕方がわかりやすい」など、ほぼ全員が効果を実感していたという。 同校では他に、職種別に必要なスキルをグラフによって「見える化」し、希望職種に就くにはどこを伸ばせばよいか意識したり、逆に自分の得意分野から適性がありそうな職種を見つけたりする工夫もしている。 千葉聡教諭は「就職後、こんなはずじゃなかったと思わないよう、在学中、自分はこんな目標を立てて頑張り、『自分で就職先を決めた』と実感できるよう支えたい」。「見える化」によって、教員同士も生徒一人一人の指導ポイントを共有しやすくなったという。■卒業後の環境が重要 両校のようなキャリア教育が成功するには、学校外にその取り組みが周知され、卒業後も「相談」や「課題の把握」がしやすい環境が整うことが重要だ。 若葉台特別支援学校が今年2月に相談会を公開すると、全国から行政職員や福祉職、医療・教育関係者ら約180人が集まった。 ただ、同校のような取り組みをしている学校はまだ少ないのが現状で、同校は心理学や教育の学会、専門誌でも発表を重ねるなど意識的な発信を続ける。同校を見学し、相談を通じて課題を改善する仕組みを採り入れた企業もあるという。 同校の川口教諭は「生徒たちが卒業後、豊かに暮らしていく一助になるよう、社会全体で取り組みを進めていけたら」と話す。【朝日デジタル http://digital.asahi.com/articles/ASK5M3VTHK5MULOB009.html?rm=189】卒業後の環境について、ここまでしっかりとした取り組みがされると、安心ですね。🌠
2017.05.31
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ビートルズは「窓」、描いて外の世界へ 自閉症の15歳井上耕児朗さん(15)にとってザ・ビートルズは、外の世界に自己表現する「窓」のような存在だ。3歳で自閉症と診断され、他者との自由な会話は得意ではない。だがビートルズに出会ってから、夢中になって4人を描き続けてきた。展示会への出品だけでなく、横浜市内の自宅の壁は、自作のビートルズの絵でいっぱいだ。 「体中で感じたままを表現できる感性を持つ子。一度しかない人生、好きなことをやらせたい」と母親の貴香(きこ)さん(45)。 川崎市の養護学校高等部1年。月に一度、障害のある子を対象にした金子光史さんの絵画教室に通う。藤沢市内で毎年開かれる「障害のある人もない人も」がテーマのアート展にも出品する。 小さい頃から絵が大好き。両親と兄がビートルズ・ファンで、楽曲をよく耳にしていた。2011年放送のテレビの特集番組を見たのを機に繰り返し楽曲を聞き、映像を録画して見るようになり、猛然と描き始めたという。 ビートルズのカレンダーなどの写真を見ながら走らせる「弾むような、生き生きした線」が特徴。同じ写真を嫌うため、母や大学生の兄(18)が古書店やネットで珍しい写真を探す。 13年11月、元メンバーのポール・マッカートニー来日時は、家族4人で東京ドーム公演を見に行った。最後列の席だったが「ノリノリで何度も跳びはね、本人には忘れられない経験だったみたい」と貴香さん。帰宅後、記念に買ったポールのポスターを見てすぐに描き上げた。創作は自宅玄関や階段の壁などにも広がり、椅子や脚立を使って描く余白を探した。描き終えると、ビートルズのカレンダーを抱いて眠り込んだ。他のミュージシャンの写真だと、ビートルズほど熱の入った作品にならないという。 街を歩いて、ビートルズのメロディーが聞こえると立ち止まる。母が「何?」と尋ねると、曲名を教える。後期のアルバム「アビイ・ロード」や「レット・イット・ビー」が特に好き。画集を出版したいと貴香さんは考えている。 金子さんによると、自閉症の子は小学校当時は絵が好きでも、中学・高校に進むと離れる傾向があるという。「30年、描き続けている人もいる。耕ちゃんも、そうなってほしい」 取材中、自作の絵を指さし「ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ」と教えてくれた耕児朗さん。最後に握手すると、「楽しもうね」と言った。【朝日デジタル http://www.asahi.com/articles/ASK5S5R8JK5SULOB01M.html】 自分の部屋に沢山のお気に入りの絵画、お絵描きは、一生の趣味にもなるのでいいですね。🌠
2017.05.30
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障害者の投票サポート 音声出るサイト/動画で手順 都内に10万6000人東京都議選(7月2日投開票)に合わせ、視覚障害者がインターネット上で選挙情報を得るためのサイトができたり、知的障害者の投票をサポートするDVDが作られたりするなど、選挙の「バリアフリー化」が広がっている。 都の統計では18歳以上の視覚、知的障害者は都内に計約10万6000人いるとされ、投票する際のハードルが下がることが期待されている。 IT大手のヤフーは告示前日の22日、特設サイト「Yahoo!JAPAN 聞こえる選挙」(https://kikoeru.yahoo.co.jp)を開設した。 独自調査による「候補予定者を知る」(26日に『立候補者一覧』に差し替え)「マニフェストを比べる」「政策アンケートの結果」「都議選コラム」の4項目があり、それぞれをクリックすると、画面を読み上げる専用音声ソフトに対応して内容が音声で流れる。 視覚障害者に対しては、各地の選挙管理委員会が選挙公報の点字版とCD(音声)版を希望者に配布したり、総務省もネットに選挙公報を載せたりして、選挙情報を提供している。 だが、点字を読める視覚障害者が少ないことや、ネット上の選挙公報は改ざんを防ぐ目的で文書全体を画像化した「PDFファイル」で掲載されているため、音声ソフトが文字を識別できないといった問題があり、当事者が情報を得るのは簡単ではなかった。 視覚障害者の9割がネットを活用しているという総務省の調査結果もあり、自らも視覚障害者でサイトを監修した檜山晃さん(36)は「ネットはアクセスしやすく投票先をじっくり考える時間も生まれる。障害者のことをきちんと考えてくれる候補に投票したい」と話した。 また、東京都狛江市の知的障害者らの家族でつくる「狛江市手をつなぐ親の会」は昨年12月、当事者や支援者、自治体職員向けにDVD「投票に行こう!」を作製した。 当事者が最初から投票をあきらめていたり、自治体側が支援のやり方が分からず投票できなかったりするケースがあるため、投票の流れや支援の方法を動画で分かりやすく解説している。 市選管などと協議しながら台本を作り、市役所内で実際に当事者が模擬投票をする様子を撮影した。 公職選挙法に違反しないよう候補者名を指し示したり、候補者名を書いたメモを補助職員に渡したりする「代理投票」のやり方を紹介。 市は投開票日までに実施する職員向けの説明会で活用するという。 森井道子会長(60)は「事前に投票の流れを視覚的に理解しておくことで、見通しを持ち安心して投票に臨むことができる。大切な1票を投じることをあきらめないで」と呼びかける。 DVDは全国の特別支援学校や支援団体に口コミなどで広まり、約80枚が売れた。 1404円(送料別)。 問い合わせは富士通エフ・オー・エム公共サービスグループ(03・5401・8462)。 [毎日新聞 https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170624/dde/001/010/049000c] 選挙を身近に感じ、諦めずに投票できる方が増えるといいですね。🌠
2017.05.29
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当事者の親として、NHKスペシャルの「発達障害」特集に思うこと先週末(2017年5月21日)、NHKスペシャルで発達障害の特集が放送された。(NHKスペシャル「発達障害 ~解明される未知の世界~」)番組内では、最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、発達障害の人にはどんな風に世界が見えているのかを映像化したり、発達障害の人がどんな悩みを抱えているか、ひとつひとつの事例を丁寧に紹介。発達障害でない人にとっても、とてもわかりやすい形で解説していた。 筆者は発達障害の子を持つ親として放送を楽しみにしていたが、期待を裏切ることのない、とても良い内容だったと思う。当事者の親として私なりの感想をまとめてみた。■やっぱり映像の力はすごい!まず、「おぉ!」と思ったのは、発達障害当事者の視点を再現した映像力だ。発達障害は外見からはわかりにくい障害だ。それゆえ、よく「我慢が足りない」「わがまま」などと言われ、なかなか理解してもらえないことも多い。だが、今回の番組の映像化により、一般の人にとっても発達障害の人が見ている世界がどんなものかわかり、ずいぶんと認識が変わったのではないだろうか。■もしかして、あれが息子の見ている世界なの…?私自身も、大きな発見があった。 自閉症スペクトラムでADHDの傾向もありと言われている筆者の4歳の息子は、集団に向けた一斉指示が入りにくい傾向がある。© tatsushi - Fotolia.com確かに同世代と比べると、言葉の理解度は低いところもある。だが、決して言葉の意味が分からないというわけでもない。その証拠に、療育などで先生が目の前で1対1で説明すれば、指示に従うことができる。 番組では、教室でいろいろなものが気になってしまい黒板に集中できない女の子の例や、カフェの雑踏の中で相手の話がうまく聞き取れない女性の例などが紹介されていたが、あれが息子が見ている世界なのかもしれない……と考えさせられた。 今、保育園のクラスで集まる時、息子はたいてい後ろではじっこの方に配置されている(おそらく、もう一人の先生がフォローに入りやすいという配慮でこの場所になったのだと思う)。もちろん先生方がいろいろ考えた上での場所であり、それもありがたいのだが、先生が遠くなると先生の声はますます聞きとりにくくなってしまうし、注意も向けにくくなってしまう。 番組を見て、例えば、集まりの時は思い切って席を先生のど真ん前に配置したら、注意力が変わってくる可能性もあるのでは? などと、息子をとりまく環境について、改めて見直すきっかけをもらった気がした。 「この子には無理」「この子はやる気がない」ではなく、子どもの状態に合わせて環境を変えてあげれば、解決できることがもっとあるかもしれない。そして、息子ももっと今より楽しい生活が送れるようになるかもしれない。■みんなが楽になれる配慮は、障害にかかわらず真似したいまた、番組にはモデルの栗原類さんをはじめ、発達障害と診断された当事者たちが出演していた。みな、なんらかコミュニケーションに苦手を抱えており、スタジオのセットをより心地よい環境に変えたり、ずっと相手の目を見ないで話してもOKというルールを作ったり、ぬいぐるみを抱っこして気持ちを落ち着かせるという工夫もされていた。これ、発達障害にかかわらず、もっと広げてもいいのでは?だって、程度の差こそあれ、健常の人だってコミュニケーションで苦手なことを抱えていると思うのだ。健常の人だって、思った以上にコミュニケーションで必死に気をつかって戦っていると思うのだ。■どこからが個性で、どこからが障害?© tatsushi - Fotolia.com 自閉症スペクトラムのスペクトラムとは、連続体のことだ。よく、虹に例えられる。虹は微妙に色が変わっていくが、その境界線ははっきりせず、基本的には連続している。「今(番組で)見てきたような特徴は、どんな人でも多かれ少なかれありますよね。問題は、それがどのくらい程度が大きいのかということと、一番重要なのは、それによって自分やまわりの人にどれくらい生活に支障があるかということだと思うのです。 逆に言うと、本人に特徴が強くても、まわりが全面的に受け入れてくれるような生活環境ならばあまり苦痛にならない場合もあるんです。 (中略)本人と環境との関係というのが大きいですよね」 出典:(NHKスペシャル「発達障害 ~解明される未知の世界~」番組出演者・本田秀夫医師のコメントより) このことは、以前取材した放課後デイを経営されている(株)アイム代表の佐藤典雅さんの「発達障害の子育ても健常児の子育ても、本質的には何ら変わりはない」や「普通って何だろう?」という話に通じるところがあった。参考:【連載】大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界 出演者たちも、「発達障害というものでひとくくりにしないでほしいこと。一人一人の特徴は違うということ」を繰り返し伝えていたように思う。 発達障害に目を向けるということは、一人一人の特性にきちんと目を向けるということ。それはすべての人へとっての、生きやすい環境作りにつながるのではないだろうか?■「社会の役にたつから認めるっていうのは、ちょっと違う気がする」今回の番組では、自分のことをきちんと話せるような高機能な人たちを中心に、発達障害が紹介されたように思う。後半では、発達障害の人の能力に注目した就労支援の話にまで展開した。もちろん、その取り組み自体はとても素晴らしいことだと思う。だが、今回はあまり紹介されなかったが、発達障害の中にはどんなにがんばっても就労が困難な人たちもいるのに…と、ちょっとモヤッとしたところで、有働由美子アナウンサーのこのひと言。 「(発達障害の)能力が注目されると、能力があって社会の役にたつから認めるっていうのがあって、それもまた違うのかな…?と思って」ちょっとめでたしめでたしで終わりそうな流れの中、こういう意見をしっかりはさんでくれる有働さんのコメント、個人的にとてもうれしかった。NHKが1年かけて取り組んでいくという「発達障害プロジェクト」、今後はぜひ、自己表現がまだうまくできない子どもや、知的障害を伴う発達障害、コミュニケーションをとることが難しいような重度の自閉症の世界なども、取り上げてほしいと思っている。そして、司会はぜひ有働由美子アナウンサーとイノッチのコンビに続けてほしいと願っている。【woman. excite. https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1495777232117/】親でも、我が子のことでも、常に学びの日々ですね。🌠
2017.05.28
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自閉症や発達障害、気づかれにくいけど ママたちが考案のバッジ好評◆障害児と外出 安心を 外見では分かりづらい障害がある子どもを温かく見守ってほしいと、自閉症や知的・発達障害の子どもを育てる群馬県内の母親たちが考案したマークが好評だ。 マークをあしらったハートバッジなどグッズ販売は一年間で千個に迫る勢い。 外出先で障害と気付かれず、心無い言動を浴びて傷つく親子は多く、バッジですれ違いがなくなればと願う。 考案したのは桐生市とみどり市で障害児を育てる母親の団体「ハートバッジの会」。 会員の実体験からマークは生まれた。 代表の有家(ありけ)久美さん(38)=桐生市=の長男(11)は二歳の時に脳症になり、言語や知能に障害が残る。 薬の副作用で髪の毛などが抜けたが、外見だけでは障害があることが判断しづらい。 障害の影響で感情の制御が難しく、道端で急に寝転んで泣きだすことも。 なだめてもパニックを起こすため、有家さんは泣きやむのをじっと待つが、居合わせた人から「なんで対応しないの」と責められる。 メンバーの桑原由夏さん(37)=同市=も、自閉症の長男(8つ)を伴って障害者用駐車場を使い、利用をとがめられた経験がある。 「外出しない方が良い」と悩む時期もあった有家さんと桑原さん。 だが、「気付いてもらうマークがあれば」と同じ境遇の母親たちと協力し、昨年三月にマークを完成させるとともに同会を発足させた。 有家さんの長男が描いたハート形に、知人で同市在住のイラストレーターが笑顔に見えるデザインを施した。 バッジは業者に発注せず、専用の機械で作る。 キーホルダーなどもある。 当初は県内で広がればと考えていたが、会のフェイスブック(FB)から評判が広がり、東京都や千葉、新潟県などからも注文があった。 多くは同じ境遇に悩む母親や支援団体という。 デザインは異なるが、同じ趣旨のマークには東京都が二〇一二年に作った「ヘルプマーク」がある。 都によると、京都や神奈川など七府県が導入し、四府県が導入を予定。 こちらのマークは、対象が義足や内臓の機能障害がある人らと幅広く、電車やバスで席を譲ってもらうなど支援を得やすくすることを目的とする。 「具体的な手助けがほしいわけではない」と、自分たちのマークを説明する有家さん。 「ただ、温かい目で見守ってもらうだけで、どれだけ救われるか」と理解を求める。 バッジが親子の外出を促し、「同じ境遇の親同士がつながったらうれしい。悩みを共有し、自らを責めて思い詰める親が少なくなれば」と願う。 ◆ハートバッジは主に注文生産。障害児やその家族向けが300円、周囲で障害に理解を示して応援する人向けは200円。 問い合わせはハートバッジの会のメール(heartbatch@gmail.com)へ。 【東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201705/CK2017052702000236.html】 実は個人的に注文して、先週に届いたばかりです。 バッジの他に、キーホルダーもあり、便利で着脱しやすいです。有家さん、とても気に入りましたよ。 ありがとうございます。告知通り、ここにアップさせて頂き、今後も応援させて頂きますね。 つけていても、さほど違和感のないさりげなさがいいですね。🌠
2017.05.27
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発達障害支援へ学校訪問 西真岡こどもクリニックが専門部立ち上げ 看護師ら助言、情報交換発達障害の子どもの医療、支援に力を注ぐ真岡市高勢町3丁目の西真岡こどもクリニックは4月、「学校訪問医療部」を立ち上げた。クリニックに通う児童生徒や園児の医療や支援の内容を知る看護師らが、在籍している小中高校や幼稚園・保育園をボランティアで定期的に訪ね、子どもの状況を確認するとともに、担任教諭らと情報交換を密にしてより効果的な支援を目指す。クリニックによる訪問専門部署の開設は県内で珍しいという。 同クリニックは一般的な小児科のほか、発達障害などによる困難がある子が多いことに着目し、2014年に「こどもの心と発達科」も設けた。 仲島大輔(なかじまだいすけ)理事長(46)ら医師3人や看護師が専門外来を担当。臨床心理士2人と聴覚言語士3人がさまざまなプログラムを通じて、その子の抱える困難を減らす療育にも当たる。これまでに市内や近隣市町の幼児から高校生計約300人に対応してきた。 発達障害の子どもは自宅、学校、クリニックなど場所や場面によって状況が異なることがある。子どもが一日の長い時間を過ごす学校や園は支援の大きな鍵を握る。【下野新聞 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20170425/2671297】 学校訪問医療部を新設した西真岡こどもクリニック=今月下旬、真岡市高勢町3丁目 都心でさえ聞いたことのないクリニックの学校訪問、学校医が居ても足りない部分の充足が期待できそうですね。🌠
2017.05.26
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自閉症者が人類社会に「不可欠」である理由 〜実は障害ではない!自閉症スペクトラムと呼ばれているような障害は、実は障害でない。生物としての人類のバリエーション(変異)のひとつである。自閉症スペクトラムは、本来は人類の、生息環境に対する適応の一つのあり方だというのが、本稿で紹介するニューロダイバーシテイ(脳多様性)という考え方にほかならない。なぜ自閉症はこれほど多いのか自閉症スペクトラムというものの実態は、(1)対人関係とりわけコミュニケーションが不得手で、(2)興味・関心の幅が著しく限られていたり、こだわりが激しいという二点を特徴とする。つまり、いわゆるオタク的傾向が顕著な発達「障害」として、一般にもよく知られるようになってきた。この「障害」はおおよそ、遺伝的要因によって生ずると考えるのが定説となっている。発症率はどんなに少なく見積もっても1~2%。25人に1人と主張する研究者もいる。この値は、ほかのたいていの遺伝的障害に比べて極端に大きい(通常は1万分の1とか、2万分の1とかが普通である)。ではどうして自閉症スペクトラムの人間だけがこれほど多いのか?もしもこの「障害」が本当に生きていくうえで障害となるのなら、その人が子孫を残す確率は小さくなり、ダーウィン流の淘汰が働くはずである。しかしそうはならなかった。自閉症スペクトラムには他の多くの遺伝的障害のようには、淘汰圧がかからなかったのだ。つまり存在意義があったと考える方が、自然ということになってくる。それでは、どんな意義があるのかということを私は、ここのところ実証的な立場で研究してきた。そこで明らかになったのは、自閉症者はそうでない人と認識世界が何がしか異なる、しかも後者が仲間とのこころの交流に重心をすえた行動をとるのに対し、前者は人間を取り巻く物理的環境に自らのこころを向けるという事実であった。だが一般に言われているように、自閉症者は他人のこころがわからないとか、共感能力に欠けるというのは誤解であると私は考えている。むしろ自閉症者は「自然」に、そうでない人は「社会」にウエイトを置くという点で決定的に両者は異なるのだ。 実験からわかったこと具体例を紹介しよう。小学生に『ウオーリーをさがせ』のような課題をしてもらうことにする。無数の人物像のなかに、ひとりだけ他と異なる人が描かれていて、それをできるだけ早く見つけるという作業である。すると、自閉症児の課題遂行の成績は、そうでない子どもより著しく劣るのが普通だ。ところが、全く同じ自閉症児に人以外のイメージを使って同じ形式の実験をしてみる。たとえば動物。トンボがいっぱい描かれている中に一匹のクモを見つけるような課題を行うという段になると、ダントツのスピードで発見してしまう。他人の表情の微妙な相違を見きわめるなどが、もっとも苦手。その代わり、チョウをたくさん採集してきて、羽の紋様のわずかな違いによって分類をするとなると、どこに秘められていたのかといぶかしく感ずるほどの情熱をみせる。しかも結局、両者の子どもの違いはこれに尽きると言っても誇張ではないのである。要は生活のスタンスが異なるのである。人類繁栄の車の両輪社会がこれほど産業化する以前の人類の生活を考えた場合、今日なお数理的な思考や生物に非常な関心を示し、学校でもすぐれた成績をのこすことからもうかがえる自閉症者のスタンスと、そうでない人のスタンスのいずれが欠けたとしても、人類の今日の繁栄はなかったのかもしれないのだ。ニホンザルの近縁であるアカゲザルの群れでも、集団外の脅威にもっぱら注意を払うサルと、仲間同士の社会的交流の調整にエネルギーを注ぐサルがいて、しかもサルがどちらの役割をはたすかは遺伝的にきまっている(専門的には遺伝的多型があるという)ことが報告されているが、人間にもこうした特徴はうけつがれているらしい。社会的周縁に存在し、自然界のなかで自分たちがどう生きていくかに思いをめぐらす人物と、集団・社会内で互いの利益を調整し、どう上手くやっていくかに思いをめぐらす人物がいる——前者こそが自閉症者であることは改めて指摘するまでもないだろう。先史時代、われわれの祖先が狩猟採集に依存した生活をおくっていたころ、天候の変化をよんだり、動物の習性を知ったり、あるいは簡便な道具を作成したりするための「ナチュラリストとしての才覚」にたけていた存在と、社交にたけた存在が相補的に機能することが、人類の地球上での生活圏の拡大に多大の貢献をはたしたと考えられる。生物が同一の空間・場所にあって同じ景観に接したところで、その認識する世界は種によって多様である。たとえばチョウは人間には不可視の紫外線を見ることができるし、ニホンザルのわれわれの可聴域(上限がおよそ18000ヘルツ)をはるかに超える超音波を聞いている。生物の世界がそういう多種による多様性、つまりバイオダイバーシテイ(生物多様性)によって成立しているように、人間の世界も遺伝的に異なる多様な存在がそれぞれ微妙に異なる脳神経システムを発達させることを介して、多様性を構成しているのである。これがニューロダイバーシテイという発想である。 多数派による「迫害」ただし量的には社会的周縁で生活するのに適応したような存在は、全体のなかで相対的に少数でこと足りる。おのずと全体のなかでマイノリテイとなる。他方、いわゆる「健常者」が多数派を占めることとなる(ニューロダイバーシテイの考え方では、彼らのことを指して「定型脳を保持している(ニューロティピカル neurotypical)、略してNT」と表記する)。そして有史以降、時代を経るにつれてNTの人たちがマイノリテイを駆逐し、自分たちにのみ都合の良い状態へ生活環境を変えてきたというのが,今日の先進国社会の状況にほかならない。たとえば聴覚ひとつとっても、自閉症者は非常に音に敏感である。それはかつては外界のほんのちょっとした不穏な動きにも反応するためにきわめて有用な感性であったと推測される。だが人工音が巨大な音量で氾濫する現在の日本の都会のような所では、ただただイライラさせられるばかりで、ついついキレやすくなる始末である。自閉症者には音楽への美意識が生まれながらに発達している人が多いのも、これと関係している。そして世の東西を問わず、封建制が崩れ土地との結びつきから解放されだした際、まず生活を移動しはじめたのが音楽的パフォーマンスをなりわいとする人々であったのは、決して偶然ではない。遊芸人(英語のwondering minstrel、ドイツ語のSpielmann、アフリカ圏のgriot)は定住民とつきあうことを好まず、彼らに蔑まれつつコミュニテイから排除される形で、放浪をくりかえしたが、この時代からNTによる自閉症者への迫害は激化しだしたのだった。独特の色彩感覚色彩感覚を調べてみても自閉症児のそれは、NTの子どもとはかなり異なることが明らかとなった。いちばん明るい色である黄が嫌われ,代わりに自然環境を彩る地味な緑と茶が好まれる。自閉症児とコントロール(NTの子ども)における6つの色の好感度の比較 ところが昨今の人工環境の景観では華美な原色が多用されるのは周知のとおりである。それはマイノリテイの人間にとって自覚するしないにかかわらず、相当量のストレスとして働いているだろうと想像される。自閉症研究は現在、過去に例のなかった規模で活発におこなわれるようになっている。だがややもするとその多くには、自閉症者を実験動物のように扱ったNTの立場に立ったものに終始しているきらいがあることは否定できない。地球環境を守るためには、人類がバイオダイバーシテイを保全する努力が不可欠となっているように、ニューロダイバーシテイの破壊阻止という観点からの障害者支援が、もとめられているのである。そのためにはマイノリテイの人々が過剰なストレスを体験することなく生活できる居場所作り(ニッチェコンストラクション)も急務だろう。牛丼チェーン店の外装。左が京都市内(百万遍付近)の店舗。右は京都市以外の通常の店舗のもの。 たとえば、上の2枚の写真を見ていただきたい。全国展開している牛丼店の写真である。右側が、通常の店の看板であるのに対し、左は京都市内でのみ使われているものだ。左では黄色の部分が「白抜き」になっていることが、見て取れるだろう。 京都市は古都という事情から、独自の景観条例をつくり、華美すぎると判断される店舗の外装を規制しており、その一環として黄色の使用も極力ひかえるように指導しているのであるが、結果としてそれは自閉症者の色彩感覚に適した環境作りにもつながっている可能性が高いのである。やる気さえあれば工夫次第で、環境改善はいくらでも可能であることの実例ではないかと私は考えている。自閉症を知る最良の本。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー、英国で最も権威あるノンフィクション賞BBC Samuel Johnson Prize受賞。 【gendai.ismedia. http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51688?page=1】【楽天ブックスならいつでも送料無料】自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実 (ブルーバックス) [ スティーブ・シルバーマン ]こういう人間社会を全体に捉えての自閉症者の役割の分析は、何より本人たちの人生を明るくしてくれますね。🌠
2017.05.25
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障害のある子が「親なきあと」に安心して生活するにはどのくらいのお金が必要なのか『障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本』発売株式会社主婦の友社は、5月12日(木)に『障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本』を発売いたします。障害のある子を持つ親や家族にとって、自分たちがいなくなったあとの子どもの生活がどうなるかは、とても大きな心配事です。「親なきあと」を支える、制度や福祉サービスについて幅広く、細やかに紹介した前作『障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」』(2014年12月発売)は、悩める家族や介護職に従事する人などから反響を得て、現在までに8刷まで版を重ねています。 前作を発表後、著者の元に寄せれる質問で多いのは、親がなくなったあとの生活には、どのくらいお金がかかるのか、障害のある子どもにお金をどう残して渡せばいいのか、だれが管理してくれるのか、というものです。第2弾となる本作では、親なきあとの経済的な問題にフォーカスして、くわしく解説。将来わが子がお金で困らないために必要なことを学べる一冊です。 また、本書の売上の1%は『親心の記録』®作成・配付の支援として寄付されます。 第一部 「親なきあと」の収支と支出を知ろうひとり暮らしになった障害のある子どもに入ってくるお金と、必ず出て行くお金にはどんなものがあるのか。障害基礎年金などについてもくわしく紹介。 第二部 「親なきあと」の経済的に困らない仕組みを考えよう住む場所や障害の状況に応じて起こり得る課題と、それらを解決するためにはどんな手段があるのか、ほんとうに困ったときのセーフティネットなどを、具体的な事例も参考にしながら「親あるあいだ」に準備すべきことを考えます。 第一弾『障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」』 障害のある子が親なきあとも地域社会の中で安心して生きていけるために家族が知っておきたいことをわかりやすく紹介した一冊。いざというときに、そなえのないまま子どもを社会に残すことのないよう、まずは現状を知り、変化する法制度や福祉サービスに対応しながら、有効な情報を手に入れる方法や、今から少しずつできる「親なきあと」の準備について説明します。 【タイトル】障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」 【著者】渡部伸 【定価】本体1300円+税 【発売】2014年12月 著者プロフィール 渡部 伸(わたなべ しん) 行政書士/「親なきあと」相談室主宰1961年、福島県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、出版社で営業、編集、海外・デジタル事業などを担当。退社後、行政書士、2級フィナンシャルプランニング技能士の資格を取得。障害のある子を持つ親の共通の悩みをともに考える「親なきあと」相談室を主宰。自身も、知的障害の子どもを持つ。 本件に関するメディアの方のお問い合わせ先 株式会社主婦の友社販売部広報・宣伝課TEL:03-5280-7577(直通)FAX:03-5280-7578 pr★shufutomo.com (★を@に変換してください)【楽天ブックスならいつでも送料無料】障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」 お金の管理住むところ日常のケア [ 渡部伸 ]【はじめての方限定!一冊無料クーポンもれなくプレゼント】障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」【電子書籍】[ 渡部 伸 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本 [ 渡部伸 ] ご自身も障害のお子さんをお持ちということで、とても親身で、近くに感じる書物です。🌠265万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.05.24
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施設と地域、知的障害者が暮らす場は 共生社会への課題人里離れた山あいにある施設に集団で生活する障害者――。昨年7月に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件は、こうした実像を浮き彫りにした。障害者が暮らす場を施設から地域へ移す流れは、どうなっているのか。 大阪府南部にある富田林市の近鉄富田林駅から自動車で20分ほど走ると、金剛山をのぞむ山林に囲まれた広大な敷地が広がる。面積は約82万平方メートル。東京ディズニーランドの1・6倍にあたる。 敷地内に点在する7棟の施設に、42人の子どもを含む408人の知的障害者らが暮らしている。職員が「最寄りのコンビニまで約3キロ」と言う場所にあるのが、「こんごう福祉センター」だ。 3月末、敷地の大半を占める居住区域である「大阪府立金剛コロニー」が閉鎖された。代わりに今月1日、コロニーを運営してきた大阪府障害者福祉事業団が、介護の必要性の高い高齢者に対応した施設「にじょう」を60人の定員で開所した。48人はコロニーから移り、地域での生活が難しくなった高齢の障害者も新たに入所してきた。 昼下がり、「にじょう」の一室から高倉健の「唐獅子牡丹(ぼたん)」など1960~70年代の流行歌が聞こえてきた。昭和歌謡が好きな男性(73)が集めたCDだ。 男性には知的障害がある。若い頃は自動車やねじの工場で働いていたが、78年、34歳の時に失業した。それを機に、両親に代わって面倒をみていた親類が金剛コロニーへの入所を依頼。それ以来、39年にわたって暮らしている。 「これな、妹と住んでた家やねん」。男性は壁に貼られた絵を指さした。平屋建ての建物と2人の人物が描かれている。ただ、今は「ここがええ」という。■高齢者ら、施設を離れらない 金剛コロニーは大阪府吹田市で万博が開かれた70年に開所され、当時は定員850人で国内最大規模。「北の万博、南のコロニー」と呼ぶ人もいた。 介護を担う家族の負担を解消し、「親亡き後」も子の安心した暮らしを願う親の思いに応えるのがコロニーだった。70年代には都道府県が各地に作り、全国でコロニーブームが起きた。 だが、地域から隔離される施設のあり方への疑問はあった。81年の国際障害者年を機に障害者も地域で暮らす「ノーマライゼーション」の考えが広がると、「施設から地域へ」という動きが出てきた。 事業団は2003年度から、高齢者向けも含め障害者が少人数で共同生活するグループホームを地域に本格的に整備。16年度までに491人が移った。 別の高齢者棟で暮らす石賀良三さん(68)は6年前、グループホームに移りたいと希望したが、障害が重くて受け入れられなかった。5年前に急性膵炎(すいえん)を患い、視力や聴力は衰え、のみ込みも難しくなってきた。 妹の池田隆子さん(65)は、こう語る。「地域に出て元気でなくなった時、ずっといられるわけではない。高齢者施設も病院も障害者を受け入れてくれるかわからない。家族も高齢でみられない。より安心な場が施設と考える家族は多いのではないでしょうか」 施設を出た障害者は08~12年には全国に5千人前後いたが、13年以降は2千人台にとどまる。厚生労働省の担当者は「地域移行を進めた結果、障害が重度だったり高齢だったりする人が施設に残った。新たに地域移行できる人は近年、減っている」と分析する。 とりわけ地域移行の流れから取り残されがちなのが高齢者だ。金剛コロニーの高齢化率は06年に約6%だったが、今年3月時点では約30%に。高齢者対応の「にじょう」ができた背景には、そんな事情がある。 事業団の久保田全孝(まさゆき)理事長(62)は「地域移行は進めるが、入所者の高齢化や地域に移った人が高齢になって再入所する現実への対策が必要。地域と連携し、一時的な利用など地域生活を支える安全網の役割を果たす施設をめざす」と話す。■市街地で共同生活、行動広がる 在宅生活は難しいが、施設ではなく地域で生活したい障害者の住まいとしてカギを握るのは、グループホームだ。1989年に国が新たな住まいの選択肢として制度化した。日本グループホーム学会によると、全国に約2万カ所あり、昨年12月時点で10万7千人ほどの障害者が生活している。 重症心身障害児者向けの施設を運営する社会福祉法人「びわこ学園」が1年前に整備した滋賀県野洲市のグループホーム「えまい」。平日の午後4時すぎ、電動車いすに乗った寺田美智夫さん(51)が、作業所から送迎バスで帰ってきた。木造平屋建てでリビングを囲んで個室があり、8人の仲間と暮らす。 重度の知的障害と身体障害がある寺田さんは父を亡くしてから10年以上を施設で過ごしたが、外出できるのは年に数回程度だった。昨年6月に「えまい」に移った。今は、週に2日は学園の施設に通い、3日は別法人の作業所でペットボトルのふたを仕分ける仕事をする。生まれて初めて賃金やボーナスをもらった。 「朝起きて昼は外で活動し、夜はホームで過ごす。生活にメリハリや自由がある」と寺田さん。夜のトイレ介助のタイミングや焼酎を飲む日、ネット通販の注文などを自分の意思で決められるようになった。 我が子の将来を考えた親たちがグループホームを立ち上げたケースもある。東京都練馬区のグループホーム「とぅもろう」だ。 当初は区に整備を求めたが実現しなかったため、7千万円の補助を受け、資金を借り入れてNPOを設立。昨年4月から運営を始めた。今は20~30代を中心に重い知的障害と身体障害を併せ持つ9人が利用。夜勤の看護師を置き、医療的ケアにも対応する。 設立に関わった飛田悦子施設長(55)は「都内では施設も不足しており、将来、遠く離れた県の施設に入ることになるのではないか、という心配が親たちにあった」と解説する。■「地域で当たり前に暮らすのが本来」 課題は介護人材の確保だ。びわこ学園の職員、南方孝弘さん(51)は「重い障害のある人を支えるには手厚い態勢が必要。そのために報酬が増える仕組みを整えてほしい」と訴える。 津久井やまゆり園の事件後、神奈川県は施設の建て替えを決めたが、障害者団体などは地域移行に逆行するとして反対している。 知的障害者と家族らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」の久保厚子会長は「障害がある人が望む地域での暮らし方は様々。グループホームの整備は急務だが、障害のない人たちと生活するシェアハウスなど多様な選択肢を増やすことも重要だ」と提案する。 大阪府立大の三田優子・准教授(障害者福祉)は施設の役割を「一時的に専門職が関わる拠点」と評価しつつ、こう指摘する。「障害のある人も地域で当たり前に暮らすのが本来の姿。障害のある人の魅力を発見して交流が生まれ、障害のない人も支えられる。こうした実践を積み重ねることが、やまゆり園の事件に象徴される障害者を抹殺するような考えをなくし、共生社会につながるはずだ」【朝日デジタル http://digital.asahi.com/articles/ASK4F4K6PK4FUTFL00C.html?rm=971】生活に幅を持たせ、選択肢をより多くする、地域の中で自然な形で暮らせれば何よりですね。🌠
2017.05.23
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5月4日:自閉症と健康3(Autism Speaks特別レポート)最終日の今日は「自閉症と精神衛生」、「自閉症と早死に」について紹介する。V. 自閉症と精神衛生 正直、この内容は患者さんや家族を混乱させるだけかもしれないと心配する。というのも、私が読んでいて内容が一般向けというより、自閉症の方々を診察している一般医向けではないかと印象を持った。そのことをまず断って紹介したい。 自閉症だけでなく、多くの精神疾患の背景に、発生過程で起こる神経ネットワーク形成の様々な異常が存在すると考えられるようになっている。実際、論文を調べると、自閉症の30-61%が注意欠陥・多動性障害(ADHD)、11-42%が不安障害、7%の児童、26%の成人がうつ病、4-35%の成人が統合失調症、6-27%が双極性障害を併発しているという報告がある。しかし、本当に併発しているのかを診断するのは難しい。そのため、専門家により自閉症と他の精神疾患を区別するためのガイドラインが発表されている。自閉症とADHD ADHDでは、注意力欠陥、多動、衝動的行動により、学校で物事に集中できず不注意なミスを繰り返す結果、社会性の発達や学習が阻害される。 一般児がADHDに罹る確率は6-7%だが、自閉症児になると30-61%と跳ね上がる。Autism Speaksによる調査で、自閉症児の半数にADHDが認められ、両方が併発すると生活の質が著しく阻害されるにもかかわらず、1割程度しか適切な治療を受けていないことが明らかになった。 この理由は2013年まで、米国精神医学会のガイドラインで、ADHDと自閉症は併発しないとされていたからで、2013年以降この考えは改められた。それでも、両者の症状は似ており、どう区別するかさらなる研究が必要だ。 一方小児科雑誌Pediatrisは自閉症児のADHDを診断するガイドラインを発表し、精密な診断の上で個人に適合した投薬が必要であることを強調している。自閉症と不安症 自閉症に不安症が併発する確率は11-42%と論文ごとに違う。ただ、一般成人でも15%と不安症の比率は高い。とはいえ、新しい人に会ったり、人混みを極端に恐れ、一旦始まると不安を抑えることが難しいのは自閉症児の不安症の特徴で、成人後も続くと考えられている。要するに自閉症児は変化を嫌うと考えればいい。 不安症についての最大の問題は、会話が難しいケースでは診断が難しいことで、研究が進められている。 2016年Pediatrics誌は自閉症に併発する不安症を認識し治療するためのガイドラインを発表している。このガイドラインが最も重視している点は、自閉症の人たちが不安な気持ちを伝えられないことで、実際の症状、例えば動悸、筋肉の緊張、腹痛などの症状を通して診断しなければならない点だ。 不安は様々な行動を誘導する。例えば頭や体を激しく揺らしたり、場合によって壁に頭をぶつけたりするSelf-soothing(自慰)行動や反復行動、あるいは急に反抗的になったりすることがこれにあたる。ガイドラインでは個人の症状に合わせた認知行動治療の有効性を述べているが、実施となると難しい。(認知行動治療では論理的思考、ロールプレイ、勇気を思い浮かべる、徐々に恐れのもとに近づくなどで、ネガティブな感情を克服させる。自閉症児用のプログラムも作られており、例えば漫画の主人公を使って困難を克服させる訓練など。言葉や知能に問題のない自閉症では特に論理的な思考により不安を克服できることがある)。 行動治療やカウンセリングで改善が見られない場合薬剤治療が行われるが、自閉症の不安症に効果が証明された薬剤はまだないと言っていい。従って、一般に処方されるセロトニン再吸収阻害剤(プロザックなど)が処方されるが、自閉症の人には効果が低いことが報告されている。 自閉症とうつ病 自閉症児の7%、成人の26%がうつ病を併発すると報告されている。このように、うつ病は成長とともに増加する。 これは自閉症の人たちが社会から孤立することと関係する。従って、正常のIQを持つ自閉症の人については常にうつ病の可能性を考慮する必要がある。 長期間にわたって憂鬱感、絶望感、無価値感、虚無感などが続き、活動量が低下、そして自殺を考え実行するなどがうつ病の症状だが、自閉症の症状とも重なるので診断が難しい。これに対しては2015年に自閉症児のうつ病診断のためのガイドラインが発表されている。 10歳を過ぎると、うつ病の自閉症児の自殺傾向は高まる。これは知能と関係ない。 認知行動治療の効果が期待できることが示されている。一方、薬剤治療については自閉症に特異的な治療法はなく、一般人と同じ薬剤が処方される。ただ、自閉症の人たちは、眠気、興奮、イライラなどの副作用が多い傾向にある。 自閉症と統合失調症 両者の関係については、長年議論されてきているが、現在も背景には多くの共通の要因があると考えられているが(例えば妊娠時の炎症、遺伝的背景など)、1990年代に両者が異なる病態であることはほぼ確認された。最も大きな違いは幻覚のような精神異常は自閉症には見られないこと、及び発症年齢だ。 重要なのは両方の疾患が高率に併発することで、統合失調症と診断された成人のどの程度に自閉症が併発するか調査が望まれる。自閉症と双極障害 双極障害は、躁と鬱が繰り返す気分障害だが、自閉症との併発率については6%から27%と論文により大きく異なっている。例えば躁状態で初対面の人と話し込んだり、不適切な言葉で傷つけるなどは自閉症でも見られるため、過剰に診断されているのではと専門家は警告している。 これは、双極障害治療に使われるリチウムで起こる喉の渇きや震えといった副作用が、自分の状態を伝えるのが下手な自閉症児では気がつかれず、命に関わるためで、より安全なバルプロン酸の投与から始めるのが推奨されている。VI 自閉症と早死に 自閉症児の平均寿命が36歳という驚くべき結果はすでに述べた。この結果は自閉症の人の平均寿命が54歳と示したスウェーデンの大規模調査でも確認されている。 すなわち自閉症の人たちは早死にする危険があることを示している。最大の理由は事故死で、例えば自閉症の子供の水の事故は正常児の160倍に達することが報告されている。 スウェーデンの統計では、自殺及びてんかん発作による死亡が自閉症では8倍高い。ただこれに加えて、冠動脈疾患、消化器疾患、呼吸器疾患など他の病気での死亡率も自閉症では高いことが示されており、さらに詳しい調査に基づいて、早死にを予防する方法の開発が望まれる。 以上3日間にわたってAutism Speaksの特別レポートを紹介した。私自身の感想だが、自閉症の研究を推進し、様々な重要な情報を発信できる患者団体が存在する米国をはじめ寄附先進国を本当に羨ましいと思った。 [NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ) 論文ウォッチ 2017年5月4日より転載]【Aging Style http://www.agingstyle.com/2017/05/18002009.html?p=all】とても、為になる連載でした。また、折に触れてゆっくり読み返してみたいです。🌠
2017.05.22
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5月3日:自閉症と健康2(Autism Speaks 特別レポート) 今回は「自閉症と睡眠」と「自閉症と食事」についてレポートの内容を紹介する。III 自閉症と睡眠障害 最近の論文によると、自閉症の人たちの半数が、寝つきが悪い、なんども目がさめる、朝起きるのが極端に早いなどの睡眠障害を持っている。これに昼間の行動障害が加わり、学習を妨げ生活の質を落としてしまう。 同時に睡眠障害の子供を持つ親も、徘徊して事故が起きるのではと、睡眠が障害され、強いストレスにさらされている。実際、4歳を超えると徘徊による事故は命に関わる。 自閉症に伴う睡眠障害は病気として捉える必要がある。例えば自閉症の場合概日周期(夜と昼のリズム)に関わる遺伝子の変異する確率が2倍高い。 就寝中に起こるてんかん発作で睡眠が妨げられている場合があること、自閉症の人の11-40%が様々な不安障害を抱えていること、も知られており、これが睡眠障害の原因になることを念頭におく必要がある。 脳波を調べる睡眠相の研究も行われており、自閉症の場合動眼神経が活動するREM睡眠の比率が少ないことがわかっている。このレポートではREM睡眠をそのまま夢を見ることと関連させているが、最近の研究ではREM=夢という通説は間違っていることがわかっており、頭頂後頭皮質のような夢中枢の研究が今後必要になると思う。 他にも、メラトニンの分泌が少ないなど研究は着実に行われている。もしこの結果が正しい場合、メラトニンの投与は治療のための選択肢になる。 現在睡眠障害の治療として期待されているのは、バンダービルト大学で開発された、自閉症児の親に対する教育プログラムで、ワークショップでは、両親に日中の運動とアウトドアでの活動の重要性を説き、子供が決まった時間に就寝し、途中で起きてもすぐに寝るための様々な方法を教えている。ワークショップ参加者の声から判断すると、このプログラムは効果があるようで、同時に両親もストレスから解放されることができたと述べている。IV 自閉症と摂食障害 最近の総説論文によると実に70%の自閉症スペクトラムの子供に何らかの摂食障害が見られ、36%は重い摂食障害と診断される。 限られた種類の食物や、特定の色や口当たりの食べ物しか口にしなかったり、食事を中断するなどが症状になる。ただ、全てが精神的な症状ではなく、例えば運動障害によって咀嚼や嚥下機能が低下していたり、胃から腸への排出が遅れたりする場合もある。 以上は摂食障害(feeding disorder)だが、食欲や食行動の異常(eating disorder)、すなわち食べなかったり食べ過ぎたりする行動異常もしばしば見られる。 慢性的な過食症は、子供だけでなく、成人しても見られる異常で、満腹感が低下していることが多い。また、自閉症児は食物の匂いや口当たりに感受性が高く、その結果決まった高カロリー食品を偏食することになる。この場合、肥満になるだけでなく、栄養素によっては不足することになる。自閉症治療に認可されているリスペリドンも食欲増強作用があるので注意する必要がある。異食症 食べ物とは言えない様々なもの、例えば釘、ガラス片、時には壁から禿げた塗料や消毒材など、を口に入れる異食症は、知的障害を持つ自閉症児にとっては命に関わる重大な事故につながり、最も注意の必要な症状になる。 幸い、行動治療の効果が出ると、異食症も改善する。 最近アトランタの自閉症センターから、異食症を改善するプログラムが発表されている。このプログラムでは、セラピストが自閉症児に、問題となる様々なものを示し、子供が避けると褒美を与えたり、興味を違う対象に向けさせたり、間違ったものを食べるのを止める気持ちをもたせたりするセッションを繰り返す。必要な場合、なんと87セッションが行われる。 現在短期効果については確認されているが、長期効果がわかるためには今後の追跡調査が必要。摂食障害対策 家庭で対応しきれないことが多い。このレポートでは、医師、栄養士、介護士からなるチームによる、食生活の診断、それに基づく治療プログラム作成、そして児童に対する個別指導などの必要性が強調されている。特に、 1)野菜、果物、タンパク質など、どれかを完全に避ける2)特定のブランド、あるいは特定の形や色の食品しか食べない3)食べさせようとすると、口を閉ざしたり、嘔吐したり、食事を中断する4)食べ物に興味を示さない。また褒めても反応しない5)専門家により咀嚼などの運動障害があると診断される6)専門家により栄養不足と診断される などの項目の2つ以上が認められるときは、治療が必要。 過食症:最近の研究によれば、過食は早期から始まり、2~5歳の自閉症児の16%が肥満であることが明らかになった。これは正常児の10%と比べると明らかに高い。原因か結果かは明らかでないが、過食児の多くは、複数の向精神薬を服用している場合があり、専門家とよく相談して治療方針を決める必要がある。 治療としては、偏食を治し、量を減らし、エクササイズを進めるといった一般的な方法しかない。冷蔵庫や食べ物の保存場所に鍵をかけるのも対策の一つになる。自閉症を持つ家族のためのマニュアルが公開されており、この利用も対策の一つになる(我が国の状況は把握できていない)。 問題は、アウトドアでのエクササイズといっても、自閉症児には難しいことが多い点で、これがもとになって、両親のストレスが増えるようでは元も子もない。行動異常や知的障害のある子供達も可能なメニューの開発が望まれる。 最終回の明日は精神的な問題について紹介する。[NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ) 論文ウォッチ 2017年5月3日より転載] 【Aging Style http://www.agingstyle.com/2017/05/17002008.html?p=all】こういうリポートがもっと早く公開されていたら、果たしてこれに沿って育児できただろうか?ただ、無我夢中だった頃は、その日その日で精いっぱいで、今となっては、冷静に思い起こせても、再度、自閉症児育児に挑めるかは自信が持てないです。🌠
2017.05.21
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5月2日:自閉症と健康 1(Autism Speaks(NPO)の最新レポートより)このブログは第一線の学生や研究者に読んでいただいているが、難解な表現が多くあるにもかかわらず、専門外の方々にも読んでいただいている。そこで今日から3日間は連休特集として、論文紹介ではなく、最近Autism Speaksと呼ばれる米国NPOから発表された「Autism and health(自閉症と健康)」と題された特別レポートを紹介しようと思っている。 このレポートはAutism Speaksのウェッブサイトからダウンロードできる。このレポートの目的は、自閉症自体の治療ではなく、自閉症の患者さんがかかりやすい様々な病気についてわかりやすく解説することだ。内容は、 1)自閉症とてんかん2)自閉症と消化器の異常 3)自閉症と不眠 4)自閉症と食事 5)自閉症と精神衛生 6)自閉症と突然死からなっており、自閉症の方々に起こりやすい病気をあらかじめ知ってもらって、できるだけ健康な生活を送ってもらうための情報を提供している。 私は自閉症の専門家では全くないが、このレポートの前書に、「自閉症を持つ人たちの平均寿命が36歳である」と書かれているのに驚いた。これを知ると、自閉症を全身疾患として捉え直し、少しでも健康な生活を送ってもらうことを目的とするこのレポート重要性は計り知れない。本来ならAutism Speaksの許可を得て紹介するのが筋だろうが、日本の人にも正確な情報が届くなら、おそらく問題にはなるまいと、私の一存で紹介することにした。自閉症とてんかん てんかんの発症率は1-2%だが、自閉症の方ではなんと発症率が20-33%で、就学前と思春期に発症のピークが見られる。自閉症の約1/3を占める知的障害(IQ70以下)を併発するケースで発症率が高くなる。 21編の論文をまとめた最近の研究は、てんかんが自閉症の死因の7~30%を占めることが示されており、自閉症の健康を守るための最優先項目になっている。 症状としては、1)何かをじっと見つめる発作、2)筋肉硬直、3)四肢の不随意発作などが特徴的だが、もともとてんかん自体は多様な症状を示すので診断は専門家に相談することが最も大事だ。てんかんが自閉症に多いことをしっかり認識するのが、患者さんや家族にとって重要な点だ。 てんかんの治療については専門家に任せることになるが、症状を抑える抗てんかん剤は約2/3の患者さんに効果がある。効かない場合は、迷走神経刺激、あるいはてんかん発作の引き金を脳領域を外科的に除去する場合もある。 最近自閉症とてんかんを誘導する様々な遺伝的異常が明らかにされてきた。それぞれは、特定の遺伝子の変異による特異的な病気だが、共通のメカニズムがわかると、多くの患者さんに利用できる治療法の開発が期待できる。自閉症と消化器異常 2014年、自閉症児は正常児と比べて8倍、慢性の消化器症状を示すことが明らかにされた。腹痛、腹部のガス、下痢、便秘、排便痛などが症状で、一般的に自閉症の症状が重いほど、腹部症状も重い。特に、コミュニケーションが取りにくい子供で症状が重くなるので注意が必要。 自閉症児のお母さんの観察にヒントを得て研究が行われ、細菌の毒素が消化管と脳をつなぐ迷走神経を刺激して、脳に影響を及ぼすことを発見している。すなわち、腸の細菌叢は自閉症児の行動異常を悪化させることがある。 今年、自閉症児の腸内細菌叢を調べた研究が発表され、1)毒素を持つクロストリジウムのような細菌の比率が高いこと、2)このような細菌の増殖と腸内での炎症反応がセロトニンなどの神経伝達物質のバランスを変化させることが示された。この結果を受けて、正常児の細菌叢を移植する臨床治験が始まっている。 これらの例からわかるように、自閉症のケアは常に消化器の異常の可能性を念頭に置いて進める必要がある。その例として、 慢性の便秘:一過性の便秘と異なり、持続的で腹痛を伴い、場合により直腸裂傷、痔、脱肛などに発展する。コミュニケーションがうまくとれない子供では発見が遅れ、重大な結果につながることがあるため、子供の様子がおかしいと思う場合(背中をそらせて弓なりの体位をとる、お腹を押さえる、歯をくいしばる)場合は医師に相談する必要がある。便秘は腸内細菌叢を変化させ、様々な行動異常を悪化させることもある。 原因としては、1)無グルテン食や偏食により食物繊維がとれない、2)リスペリドン(リスパダール)などの向精神薬、3)行動異常に伴うトイレ習慣の乱れ、が主なものだが、腸管の奇形や運動異常など器質的変化も常に考慮が必要。(無グルテン食が自閉症の症状を改善するというレポートが出されているが、統計学的にしっかりと計画された治験でほとんど影響がないことが明らかにされている。特殊なケースを除くと、無グルテン食など制限食により食物繊維不足になる方が心配) 治療は、薬剤治療と行動治療を並行して行うが、家庭としてはできるだけ食物繊維をとらせるよう心がける。 慢性下痢:下痢が続く場合は様々な疾患を考えることが必要。自閉症の場合に注意が必要なのは、便秘が原因で下痢が続くことがある点だ。原因を特定することが重要で、もちろん医師の指示に従う。 胃食道逆流症も自閉症児にはよく見られるので注意が必要。喉に引っかかった感じや胸焼けを訴える場合はこの病気が隠れていることがある。結果、食が細ったり、就寝前の食事を避けるようになる。また、会話が難しい子供は、自損行動や反抗的な態度として現れることもある。 治療は制酸剤、ヒスタミン阻害剤、プロトンポンプ阻害剤で治すことができる。 ヨーグルトなどのプロバイオの効果は、まだ動物実験段階で、統計学的に信頼に足る治験は行われていない。宣伝に惑わされないことが重要。 明日は睡眠障害、食事についての内容を紹介する。[NPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ) 論文ウォッチ 2017年5月2日より転載]【エイジングスタイル http://www.agingstyle.com/2017/05/16002007.html?p=all】とても貴重な提言ですね。とても勉強になります。🌠264万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.05.20
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【発達障害】クレーン現象、逆さバイバイ、オウム返し… 「自閉症児」の特徴と親がとりたい行動「クレーン現象」「逆さバイバイ」「オウム返し」なんだか聞き慣れない言葉ですね。完璧じゃなくてもいい! 発達障害の子の「生きる力・考える力」を伸ばすアイデアこれらは、ある特性を持つ赤ちゃんが取る行動のひとつだと言われています。『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子が解説します。■「クレーン現象」「逆さバイバイ」「オウム返し」って?発達障害の代表である“自閉症”。自閉症の子どもの特徴の一部に、視線が合いにくい、言葉が遅れる、友達とうまく関われない、こだわりがある、指差しをしないなどがありますが、その中に、“クレーン現象” “逆さバイバイ” “オウム返し”をする子がいます。まず、それぞれについて説明しましょう。■クレーン現象工事現場で砂利や土砂をかき集めるクレーン。ゲームセンターのUFOキャッチのクレーン。私達は欲しいものが取れないとき、これらの便利な道具を使います。赤ちゃんは「ねえ、ママ、あの玩具取って」などとは話せません。そんなとき、言葉の代わりに自分の指でほしいものを指す“指さし”をします。指さしは言葉の前段階と言われています。ところが、自閉症の子は年齢に相当した言葉がなかなか出ないことがあります。言葉の発達が遅れます。そうなると、この指さしも言葉の一つですから、これがなかなか出来ないでいます。そうすると、指をさして「あれ取って~」の表情で親に訴えるよりも、目の前にある親の腕を道具にして取れない玩具を取ろうとすることがあります。また、たとえばテーブルの上のジュースが欲しいとき、ジュースを指ささずにジュースに親の手を近づけようすることもあります。これが工事現場のクレーンによく似ているため“クレーン現象”と呼ばれます。■逆さバイバイ誰かと「さよなら」するときは、相手の方に自分の手のひらを向けて「バイバイ」します。0歳後半~1歳になると、「こうやって相手に手のひらを見せてバイバイするのですよ」と特に教えなくても、自然にこれが出来るようになってきます。これは、赤ちゃんでも相手と自分の立ち位置の違いがわかっていることを示しています。ところが、自閉症の子は社会性、想像力、コミュニケーションの遅れがありますので、これがなかなか理解できません。すると、「さよなら」するとき相手が手のひらを自分に向けるのを見て、これをそのまま真似して、自分側に手のひらを向けてバイバイします。これが“逆さバイバイ”という現象です。その他、写真を撮るときにピースサインを裏表反対にしたり、絵本を逆さまにして読んだりするのも“逆さバイバイ”と似た現象です。けれども、保育園の先生の真似をしていたり、ママに見えやすいようにと相手の座っている位置まで気遣って反対に持っているケースもありますので、逆さバイバイとは意味合いが違うこともあります。■オウム返しオウムは「こんにちは」と言えば「こんにちは」と言いますが、それ以上でもそれ以下でもありません。オウムに「行ってきます」と声をかけたら「行ってらっしゃい。気を付けてね」とは答えてくれず、会話は成り立ちません。言葉の遅れのある自閉症の子には、このオウム返しがよく起こります。筆者の息子はもう高校生ですが、未だに朝、登校前に玄関で私が「行ってらっしゃい」と送り出すと、「行ってらっしゃい」と元気に手を振りながら出かけていきます。相手と自分の立場の違いによって言い方を変えることがなかなか出来ません。これはある意味、先の“逆さバイバイ”と同じですね。幼児期は「何が食べたいの?」と聞くと「何が食べたいの」と答え、「どこに行きたいの?」と聞けば「どこに行きたいの」と答えていました。小学生の頃にタクシーに乗った時、運転手さんから「僕のお名前は?」と聞かれたときも「僕のお名前は」とそのまま返していました。また、自分のことを聞かれているとは理解できず「“あんどうかつみ”です」と運転席のネームプレートをそのまま読み上げていたこともありました。こんな時は選択肢を与える質問の仕方で、「カレーライスとオムライスとハンバーグ、どれが食べたい?」と聞くようにして意思確認をしていました。また、ママが「お帰りなさい」と言ったら「お帰りなさい」と言ってしまう場合は「ただいま」と手本を示し、それこそ、これをオウム返しさせて答え方を教える方法もあります。■「クレーン現象」「逆さバイバイ」「オウム返し」がない自閉症児もいる“スペクトラム”とは、日本語に訳すと“連続体”です。自閉症は“自閉症スペクトラム(ASD)”と呼ばれるように連続体です。軽い子も重い子もいます。知的遅れが伴う子、正常範囲の知能の子、優れた知能の子もいます。ですから、すべての自閉症児にこれらの行動が見られる訳ではありません。自閉症の一つのタイプである“アスペルガー症候群”の子は、よくしゃべります。“逆さバイバイ”も“オウム返し”も“クレーン現象”も、全く起こらないケースも多々あります。■定型発達児でも起こることも自閉症の子どもでなくても、まだ言葉が出ない時期にクレーン現象が見られることがあります。オウム返しも見られます。ですから「クレーン現象をした!オウム返しをした!うちの子、もしかして自閉症?」と、それだけを取り上げて過度に不安になることはありません。実際に発達障害があるかどうかの診断は、その他の様々な検査を通して行われます。ただ、心配が膨らみ、そればかりに頭が支配されて親自身が「心ここにあらず」の状態になってしまうと子どもにも良い影響を与えません。もし、気になって仕方がないのであれば、発達障害を診てくれる小児専門の精神科の医師に相談してみましょう。病院は敷居が高いという場合は、お住まいの地域の自治体の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所などに出かけてみましょう。相談先など適切なアドバイスをもらえます。■まとめクレーン現象もオウム返しも逆さバイバイも、人と関わろうとする本人にとってはコミュニケーションの一つです。これらを目にして親が怒ったり、悲しむ顔をすることは止めましょう。もし、発達障害だと診断されたのならば、これからの子育ての仕方を学ぶ意味でも療育を受けるのも良い方法です。子ども自身だけではなく、適切な関わり方を親が学習できるからです。大事なわが子の特性に合った関わり方に親がスイッチを切り替えることにより、子どもも親も過ごしやすい日常を送ることができますよ。【excite news http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170518/Urepia_74637.html】 育児は、自分だけの尺度だけではなく、色々な子どもがいることを十分に理解したうえで、我が子にとって何が大切かを見極めることが大事なんでしょうね。🌠
2017.05.19
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自閉症は「矯正」されるべきものではない――自閉症を新たな視点から捉え直す ここ数年、アスペルガーやADHD、自閉症といった発達障害に世間の注目が集まり、書店などでも多くの関連書籍をみかける。ちょっとでも子供の行動がおかしいと親も学校も「診断」をもとめようとする風潮があるようで、そんな状況を「発達障害バブル」と危惧する専門家の指摘もある。その功罪は別として、子供の「理解できない行動」をなんとかしようとする親や周囲の切実な気持ちが、そうした診断の希求につながるともいえるのだろう。 ただ、そうやって安易に「診断」することは、時として悲劇を生むこともあるかもしれない。そんな側面を歴史から解き明かし、ある意味クールダウンさせてより広い視野を与えてくれるのが、講談社ブルーバックスの新刊『自閉症の世界 —多様性に満ちた内面の真実』(スティーヴ・シルバーマン:著 正高信男、入口真夕子:訳)だ。 著者のシルバーマンはWIREDなどで執筆するアメリカのサイエンスライターであり、TEDで自閉症に関するプレゼンをしたりもしている人物。そんな彼の執筆した『Neuro Tribes』(原題は神経学的マイノリティの意)が、京都大学霊長類研究所に所属する霊長類学・発達心理学者の正高信男氏らによって翻訳されたのが本書。自閉症という名称が誕生する以前からさまざまな混乱を経て「ニューロダイバーシティ(脳多様性)の一環と認める現在に至るまで、「自閉症の『夜明け前』」(正高氏のあとがきより)のような状況を克明に追う600ページを超える大長編だ。 正直、かなりのボリューム。だが、こうして全体を見渡すことで見えてくることに大きな意味がある。なぜ1900年代初頭にハンス・アスペルガーが行った先駆的な取り組み(自閉症の症状を認識し、その特異な能力を認めて「小さな教授」と呼び、のびのび生きる環境を用意した)が忘れ去られ、時期をほぼ同じくして自閉症児に注目したカナーの、無関心で冷酷な母親が引き起こす精神疾患と捉える「毒親説」が長く信じられてきたのか。そこには「自閉症」の第一人者であろうとするさまざまな関係者の思惑、納得する「原因」を規定し「治す」ことだけを目的とする医療現場のいびつさ、そして異端を排除しようとする社会の圧力が見えてくる。時に母親は悪者とされ、異常と診断された子は親と離され施設に入れられ(場合によっては一生)、その時代に流行した対処法(電気ショックなどの罰もアリ)で「治療」されていたにもかかわらず、ほとんど完治しなかったというのだからヒドい話だ。 そんな時代に風穴があいたのは、映画『レインマン』(1988)の公開だ。映画人気で自閉症の認知が一般化し、診断法の改訂の影響もあいまって急激に自閉症者の数も増大したという。そして続くネット時代はコミュニケーション障害克服の大きな助けとなり、いまや自閉症者自身が声をあげる時代となった。そこで明らかになったのは、社会が彼らに強制した数々の治療は、実は症状を改善させるどころかかえって彼らを追い込み、居場所を奪っていたという呆然とする事実でもある。 偉大な科学者や芸術家、シリコンバレーのIT長者たちには、おそらく自閉症と診断される存在が多くいると本書は述べる。むしろ彼らがいなければ、今日のような社会は作りだせなかったかもしれないし、社会にとって彼らの才能は大きな財産でもある。いまだ自閉症の原因や特効薬には辿りついていないとはいえ、もはや自閉症は「矯正」されるべきものではなく、社会が受け入れ「共生」するマイノリティだとする意味は大きいだろう。 そういえば、いま大人気の映画『美女と野獣』の主人公・ベルも変わった女の子として周囲から浮いていた。「異端」を排除する社会のシステムは少女を精神病院へおいやり、異形の野獣は人々に狩られそうになる。精神医学の世界では、こうした行為がつい30年前まで普通だったと考えるとなかなかぞっとする話だ。あくまでも「科学ノンフィクション」の本ではあるが、その長い道のりを読み終えた時、まるで長編物語がハッピーエンドを迎えたかのような不思議な感慨があるだろう。【ダ・ヴィンチニュース https://ddnavi.com/news/375101/a/】 【楽天ブックスならいつでも送料無料】自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実 (ブルーバックス) [ スティーブ・シルバーマン ]とても興味深い新書ですね。実際に、本人もハッピーエンドを迎えられる、そんな自閉症者の人生が歩めるといいですね。🌠
2017.05.18
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生き生き貼り絵 静岡・自閉症の杉江さん、30年かけ60万羽 父母が構図、3人ゆっくり合作 /静岡雄大な富士山のふもとに広がる満開の芝桜を描いた絵画に顔を近づけると、小さな小さな折り鶴を使った貼り絵と分かる。 折り鶴はすべて、知的障害を伴う自閉症を抱える杉江孝之さん(50)=静岡市葵区=が作った。 30年以上かけて折った鶴は60万羽を超える。 折り鶴を使った貼り絵の数々で先月展示会も開いており、母五十鈴さん(73)は「折り鶴に出会って孝之の人生は変わった」と語る。 杉江さんは決まって夕食後の約1時間半、自室でフォークソングのアルバムCDを聴きながら、鶴を折る。 5センチ四方の小さな紙を使い今では約40秒で1羽できあがる。 貼り絵の構図は五十鈴さんと父孝一さん(78)が考え、杉江さんが一羽ずつ丁寧に貼り付ける。 一つの作品で、中には6000羽以上を使うこともある。 杉江さんは1967年、転勤族だった孝一さんの赴任先だった富山市で生まれた。 生後2カ月で肺炎を患い、医師からは「完治しても知能障害は免れない」と宣告された。 公園に出かけても他の子とは遊ばず、一日に数時間、体を硬直させて泣き叫ぶようになった。 五十鈴さんは「当時はまだ自閉症という言葉もあまり知られておらず、周りに相談できる人もいなかった」と振り返る。 小学校入学時、ようやく診断を受けた。 折り鶴を始めたのは中学の頃。 引っ越した静岡県内の支援学校の当時の校長に「指先の刺激が脳細胞に働き情緒安定に効果がある」 と勧められた。 水泳や縄跳びにも取り組んだが、唯一続いたのが折り鶴だった。 折り鶴を始めたころは最も情緒が不安定な時期だったが、表情も明るくなっていったという。 「同じ作業を好むのは自閉症の特性かもしれないが、貼り絵は孝之の生きざまが感じられる」と五十鈴さん。 孝一さんと「ゆっくりかもしれないが、これからも親子3人の合作を増やしたい」と声をそろえた。【毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170506/ddl/k22/040/107000c】 折り鶴が趣味とは、一生の宝になりますね。 親子三人の共同作品、家族の歴史や思い出も刻まれていて素敵ですね。🌠
2017.05.17
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備える支える(4)発達障害者の苦境<熊本県内に3カ所ある「発達障がい者支援センター」には、熊本地震が起きた昨年4月14日から6月までに、計406件の相談が寄せられた。発達障害のある人の中には、「大勢で過ごす避難所生活に耐えられない」という困難に直面し、車中泊でしのいだり知人宅に身を寄せたりしたケースも多かった。> 本震から日が浅い熊本市内の体育館。避難してきた人たちを対象にエコノミークラス症候群を防ぐ体操が始まると、一人の女性(27)が激しい頭痛と吐き気に襲われた。女性は高機能自閉症で、知覚が過敏だった。体育館に反響する音楽に耐えかね、避難所の運営者に「やめて」と訴えたが、音楽はやまなかった。■不安拭えず 発達障害は自閉症や高機能自閉症、アスペルガー症候群などの総称で、包括して「自閉症スペクトラム障害」とも呼ばれる。熊本では避難所に身を寄せるのを敬遠したり、炊き出しの行列に並べなかったりする人がいて、ストレスで健康を損なうケースもあった。 障害の特性に気づいてもらえないと、配慮は行き届かない。熊本県や熊本市が運営する支援センターは、避難所の運営者に説明する一方、落ち着くことができる個別の空間を設けるように要請して回った。それでも、一部からは難色を示す声が漏れた。「こんな大変なときに無理だ」 公的な支援を象徴する避難所に頼れない。そんな中、同じ境遇にある人や家族同士、協力して避難生活を乗り切ったケースがあった。発達障害の子どもを熊本県外の実家に預けたり、付き合いのある家族同士で子どもの世話をしたり生活物資を融通し合ったり…。くだんの女性も自助グループの仲間の家に身を寄せ、落ち着きを取り戻した。 佐賀県特別支援学校知的障害教育校PTA連合会会長の樋口陵子さん(46)はこうした避難の実態について、熊本県の連合会を通じて知った。「避難所よりも、こういうコミュニティーの方が楽だったという声も聞いた。これができれば心強い。ただ、誰もがそうできるかというと…」。佐賀での自然災害を想定した場合、不安は拭えない。■具体的配慮を 発達障害のある人や家族が「自助」や「共助」を余儀なくされた実態に対し、行政などによる「公助」をどう充実させるか。熊本市は地震を教訓に、市地域防災計画の素案に当事者に情報を伝える上での注意点や、落ち着ける場所を確保するといった具体的な配慮を新たに加えた。これまでは障害の特性の列記にとどまっていたという。 市発達障がい支援センター所長の幅孝行さん(66)は「障害への地域の理解が進んでいなかったという反省から、啓発活動にも力を入れている」と話す。 樋口さんら佐賀県のPTA連合会は昨年12月、子どもの特性を記し、携帯できる個別の「緊急時サポートシート」を作成した。これを見た人が誰でも支援できるように、名前や連絡先に加え、パニックの前兆や対処法を記入する欄も設けたA4判1枚の用紙だ。 県内自治体では、発達障害者の防災を目的にした備えを充実させる動きは鈍い。「シートは道具にすぎないけれど、充実に向けた手掛かりになれば」。樋口さんの願いだ。【佐賀新聞 http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/422860】発達障害の子どもの特性を一覧できる緊急時サポートシートを手にする樋口陵子さん=三養基郡みやき町の中原特別支援学校携帯できる個人の「緊急時サポートシート」、全国的に普及し、定着するといいですね。🌠263万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.05.16
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インクルーシブ教育 発達障害の支援拡充 中高でも個別・補充指導 /長野自閉症や学習障害など発達障害の子どもが支援を受けながら、障害のない子どもと一緒に普通学級で学ぶ「インクルーシブ教育」。 県は今年度、小学校しかなかった発達障害のある子どもに個別指導をする「通級指導教室」を中学校5校でも導入し、今後も拡充していく予定だ。 就職や自立に大きな影響を及ぼす高校でも、文部科学省の支援を受け、障害に応じた補充指導を行う自立活動などを取り入れている。 発達障害の生徒のための「グロウアップ」の授業を担当する原田裕太教諭(36)は自閉症の男子生徒がゆっくり書き上げた授業の振り返りシートを見て、「よく書けてる」と褒めた。 もう一人の広汎(こうはん)性発達障害の男子生徒は「彼はうまく話せないけど、話せることはいっぱいあるよね」とさらに持ち上げる。 箕輪進修高校(箕輪町)の2年生の2人の男子生徒は通常の授業のペースについていけなかったり、集団生活になじめなかったりして、今年からこの授業を受けている。 自閉症の男子生徒は「丁寧にゆっくり教えてくれ、楽しく勉強できる」と言い、もう1人は「人のペースは違ってもお互いにいいところがある。カバーしあえれば」と明るく話す。 同高の2部は授業開始時間が通常より遅く、発達障害の生徒も通いやすくなっている。 10年前、特別支援教育を本格的に取り入れ、教諭たちはスクールカウンセラーなどから発達障害の子どもの特徴や対応方法を学び、注意散漫にならないようにと黒板の周辺に張り紙をしないようにしたり、視覚で伝わりやすいように授業でプリントを使ったりするなど工夫してきた。 2014年からは文部科学省の「高等教育における発達障がい支援モデル事業」の対象になり、生徒に応じて、個別指導をする自立活動の授業を始めた。 原田教諭は「人数が多いクラスだと気づかない、生徒一人一人の特徴に気づくようになり、通常の授業でも生かせる」と語る。 昨年、2部に入学した生徒のうち、発達障害は19%だったが、今年は47%に増加した。 原田教諭は「診断を受けていない子どもも他にいる。支援を必要としている子どもはもっといる」と指摘する。 県教育委員会によると、発達障害と診断される子どもは年々増えているという。 03年の公立の小中学生の約20万人で発達障害は836人だったのに対し、15年は約17万人で5352人に増加。 信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部の本田秀夫部長は「以前は見逃されていた発達障害の子どもたちが、今は特徴などの認識が高まった」と説明する。 一方、自分だけが他の生徒と違う授業を受けているということで自尊心が傷つく子どもや、社会に出てからも同僚に「箕輪進修からはなぜ障害者が就職するのか」と言われることもあるという。 原田教諭は「以前に比べて理解されるようになったが、偏見を持つ大人の言葉で子どもが傷つけられることもある」と壁を訴える。 インクルーシブ教育がより普及するには、社会全体の理解も必要だ。 [毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170514/ddl/k20/040/003000c] こんなところにも本田秀夫先生の名、思わぬ講演会での出逢いに感謝です。🌠
2017.05.15
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支援手探り…発達障害の大学生発達障害の大学生が増えている。入学後、人間関係がうまくいかなかったり、授業の履修計画を立てられなかったりするなどの問題を抱え、退学してしまうケースもあるという。昨年4月には障害を理由とする差別を禁じた「障害者差別解消法」が施行され、大学側は対応を求められるようになった。各大学の実態と課題を探った。2月16日、下京区の公益財団法人「大学コンソーシアム京都」で開かれた「関西障害学生支援担当者懇談会」。関西各大学の担当者が年2回集まる会合で、発達障害の学生を取り巻く現状や支援のあり方について活発な意見が交わされた。 日本学生支援機構によると、発達障害の大学生(短大、高等専門学校含む)は2016年度で4150人にのぼり、06年度(127人)の約32倍。発達障害の認知が広がったことなどが背景にあり、関西でも同様の傾向にある。 懇談会では、ある大学から、「先生に質問したいので一緒に来てほしい」と学生に相談された事例が報告された。学生は教授と1対1で話をすることに精神的な負担を感じるのだという。別の大学からは「時間割が組み立てられない」との相談が年100回以上ある、との報告があった。 同様の相談は各大学とも増え、懇談会では、支援のあり方に頭を悩ます担当者の声が多く聞かれた。 ■個室で対応 障害者差別解消法は、国公立大には障害のある学生に不当な差別的扱いを行わないことと合理的配慮をすることを義務付け、私立大にも努力義務を課した。 施行前から各大学で支援が進んでおり、龍谷大(伏見区)は14年に「障がい学生支援室」を開設。学生の緊張を和らげるため、横になれるソファや一人になれる個室を設けた。「気軽に相談し、大学生活のペースをつかんでほしい」と支援コーディネーターの滝本美子さんは話す。 同志社大(上京区)では、臨床心理士が学生と教員をつなぐコーディネーターとなり、教員らに授業の録音や録画の許可を求めたりしている。また、入学直後に問題を抱えるケースが多いため、合格後から相談に訪れるよう呼びかけ、履修登録の支援などを行っている。 ■少ない窓口 ただ、全ての大学で支援体制が整備されているわけではない。 日本学生支援機構の調査(16年度)では、障害がある学生の支援情報をホームページ(HP)などで公開している大学(短大、高専含む)は全体の45・7%で、何らかの支援窓口があるのは66・6%。大学コンソーシアム京都によると、府内でも専門窓口をHPで公開しているのは加盟47大学(短大含む)中7大学にとどまる。 支援担当者と教員の間で情報が共有されていない大学もある。ある大学の担当者は「カウンセラーは守秘義務があり、個人情報を伝えることは慎重にならざるを得ない」と話す。 大学コンソーシアム京都は現在、先進的な大学の取り組みをまとめ、各大学に紹介することを検討している。学生交流事業部の藤井啓太郎次長は「大学間の連携を強め、障害がある学生が十分な学びの機会を得られるよう、各大学を支えていきたい」としている。発達障害 対人関係を築くのに困難を抱える「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や、不注意が見られる「注意欠如・多動性障害(ADHD)」、読み書きや計算が苦手な「限局性学習障害(SLD)」などがある。生まれつきの脳の障害が原因とされる。文部科学省の2012年調査では、公立小中学校の児童・生徒の6・5%に発達障害の可能性があると指摘されている。 ◇不安解消 一声かけて 京都大障害学生支援ルームの村田淳准教授(福祉社会学)に支援のあり方を聞いた。 Q 高校と大学の違いは。 大学では、時間割を自分で選択し、教室や近くに座る学生も講義ごとに変わります。発達障害は、臨機応変な判断が苦手な場合があり、大学に入ってから困って相談にくる学生もいます。 Q どのような支援が必要ですか。 大学では近年、集団で討議する授業が増えています。発達障害の学生は苦手な場合があり、教職員は発達障害への理解を深め、つまずいている学生がいれば、声をかけて不安を解消したり、相談窓口を紹介したりする必要があります。 Q 進学時に心に留めることは。 大学の支援体制を調べることも重要ですが、やはり自分が何を勉強したいかが大切です。自分で判断できない場合は、周囲としっかり相談してほしいと思います。2017年05月07日 The Yomiuri Shimbun 【http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20170506-OYTNT50042.html】大学も少子化でこういう対策も、手厚くなってきていますね。🌠
2017.05.14
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発達障害情報発信雑誌「きらり。」創刊「障がいを持っていてもきらりと輝く人生」を主題にした季刊の発達障害情報発信雑誌「きらり。」が創刊した。 創刊号の主な内容は、全国で活躍する人を紹介する「きらり人」▽発達障害の子供を育てる母親がさまざまなエピソードを語る対談▽発達障害者でつくる当事者会・団体の情報-など。 出版は、インターネットで小口資金を募るクラウドファンディングで目標額の100万円を超え、4月に実現した。朝倉美保編集長(37)は「当事者の気持ちを伝えることで、決して障害は特別ではないことを発信したい」と語る。 B5判、カラー64ページ。2000部発行。次号は7月5日発売。1冊1000円。2冊以上は同980円。1年購読プランは年4冊3920円(いずれも税抜き)。発行は、京都市中京区の出版業「みのりの森」。http://みのり.com/lp?no=302 【産経ニュース http://www.sankei.com/life/news/170609/lif1706090016-n1.html】クラウドファンディングで創刊された季刊の発達障害情報発信雑誌「きらり。」(「みのりの森」提供)年間購読がお得なようですね。🌠 a
2017.05.13
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保育園の「終わり」に直面した発達障害の息子。母が感じたことは…保育園が「終わる」ことをどう伝えればいい?発達障害の長男は、自閉症スペクトラム・ADHD、知的障害のハイブリッド。そんな長男が保育園年長さんだったころ、朝になると「今日は保育園おやすみ?」と私に聞くのが日課でした。 私「今日は保育園行く日だよ」 長男「ええ〜〜、じゃあ、明日はおやすみ?」 私「お休みは、明日の明日の明日だね」そんな会話を毎日交わし、それでも行ってしまえば楽しく帰ってくる長男。集団生活は本人にとって負担ではあったかと思いますが、暖かい先生方やお友達に囲まれて穏やかな日々を過ごしていました。そんな園生活もあとわずかとなった3月、私は「保育園がもう終わること」「小学校が始まること」をいつ伝えれば良いかと、タイミングを見計らっていました。というのも、自閉症の子どもには「終わり」「区切り」をはっきりさせた方がいいということをよく聞いていたからです。確かに長男にも当てはまることがあり、「終わり」をはっきりさせることで安心する様子は日々の生活の中でよく見られます。 年長の3月というこの時期には、療育の事業所であったり、行政の発達センターであったり、「終わり」になる場所がいくつかあります。それぞれの場所の先生たちも、 「修了証などで目で見てわかるようにしましょうか」 「きちんとさようならをした方がいいですよね」などど声をかけてくださり、長男がどう「終わり」を実感すれば次のステージへスムーズに移行できるかを親身に考えてくださいました。しかし、それで本当に長男がすっきりと終わりを認められるのか。最善の方法はなんなのか。そんなことを考える日々でした。そんな時に直面した、大好きなドラマの「終わり」 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387002401いかにして「終わる」か…そんなことを考えていたある日のことです。長男が毎週楽しみにしていたドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」が最終回を迎えることとなりました。録画したハードディスクが火を噴きそうなほど繰り返して見ては、主役の「左江内氏」を真似て、伊達眼鏡をかけて家中を飛び回っていた長男。録画しているとはいえリアルタイムで見るために、早い時間からお風呂も済ませて毎週の放送を心待ちにしていました。http://www.ntv.co.jp/saenai/スーパーサラリーマン左江内氏しかし最終回放送の日は違ったのです。 「終」の漢字がわかる長男は、その日でドラマが終わってしまうことに気づいたようです。最終回の日はわざわざリビングのテレビを別のチャンネルに変えて、テレビのない寝室にこもってしまいました。そしてその日録画した「最終回」を長男はまだ一度も見ようとしません。そんな彼の様子を見て、長男も長男なりに「終わる」ということの寂しさや辛さを抱えているんだなと気づきました。わかりやすく「はい、おしまいです。」「次はこれです。」と、明示して安心させてあげることも大切ですが、「終わりたくない」「認められない」という気持ちもとっても大切な感情なはず。このことに気付いた私は、「終わり」をゆっくり自分で消化することも彼の成長なのだから、「終わりを明示する」ことだけが最善だと思うのはやめることにしました。 卒園式の日、長男から思いがけない言葉が出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10179008144そして3月半ば、保育園の卒園式当日がやってきました。私たち両親のスーツ姿を見て、長男は何かを感じたようです。いままで毎日「保育園おやすみ?」と聞いていた長男は「保育園、終わりじゃない?」と心配そうに聞いてきました。 自閉症の子どもは『別れが辛いのではなく単に毎日のルーティーンが変わることが恐怖なのだ』と、さも感情が無いかのように表現されることもあります。でもこの時私は、長男の、保育園との別れを予感して込み上げる「寂しさ」を確かに感じました。それと同時に、「左江内氏ロス」のこともあって彼に「終わり」を突き付ける気持ちにはなれませんでした。「今日は卒園式だけど、3月の終わりまでは保育園には行けるよ。」ぼんやりとした答えを伝えて、卒園式を終えました。ほどなくして迎えた保育園最後の日。 最後の降園時にはたくさんの先生方が見送ってくださろうとしたのですが、そこでも何かを察した長男は「やめろ!!終わりじゃねえよ!!!」と玄関から猛ダッシュで走り去り、そのまま保育園生活に幕を閉じました。 曖昧だっていい。大切なのは本人の「心地よさ」 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10685001236しっかりと「終わり」「区切り」を付けなかったけれど、また保育園に行きたいと言うのではないだろうか。4月からは小学校に通うということが受け入れられるのだろうか。そんな心配を抱きながら迎えた4月。小学校に入学した長男は思いの外すんなりと小学校に登校しはじめ、学校では会う人会う人に名前を聞き歩き、給食をモリモリ食べてやんちゃを働いているようです。 振り返ってみると、これが彼なりの「終わり方」「始まり方」だったのかもしれません。もしかしたら心の中ではまだ「保育園」も「左江内氏」も終わっていないのかもしれないけれど、彼のペースでいつか消化できるだろうし、なんなら保育園へはまた顔を出しに行ったっていい。完全な終わりや線引きが無い、あいまいなままでいられる心地よさを求めたっていいのです。 「ちゃんと終わってあげる」「区切りをつけてあげる」それだけが最善とは限らない。しっかりと子どもの心の動きを感じ取って、教科書通りではない子育てをしなければなとまた気付かされました。【woman. excite. https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026288/ 】 人生の節目節目で訪れる終わり、それも次へのスタートラインとなる訳ですね。🌠262万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.05.12
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知的障害者の人たちが目指す本格的なパン屋がオープン知的障害のある人の就労を支援する葛飾区の社会福祉法人「原町成年寮」が区内にベーカリーカフェを開く。パンやコーヒーの名店から指導を受けたこだわりの品が並ぶ。「本格的な技術やサービスに接することで一般企業でのスムーズな就労につなげたい」と意気込んでいる。 店は京成お花茶屋駅から徒歩7分ほどの住宅街にある「Viser Polaire(ヴィゼ・ポレール)」(東堀切1丁目)。自家製クリーム入りのパンやハード系のパンを中心に種類は豊富だ。パンは店内のカフェスペースでも食べられる。 「『障害のある人のパン屋』ではなく本格的なパン屋を目指したい」と2年前から構想を練ってきた。法人が運営する就労支援事業所「クラフト」の所長、佐久間敦さん(45)はインターネットで人気のパン屋や実際に食べておいしかったパン屋に連絡し、技術指導を依頼した。 直接会ってもらえたのが5軒ほど。依頼に応じてくれたのが人気店「シニフィアン シニフィエ」と喫茶店「堀口珈琲」(いずれも世田谷区)だった。法人の職員はパン教室で基礎を学び、「シニフィアン……」のシェフ志賀勝栄さんからも技術やレシピの指導を受けた。堀口珈琲の執行役員、小野塚裕之さんからは、おいしそうに見えるドリップや提供する時のコツなども教わった。 法人の職員やパン職人が腕をふるい、「クラフト」を利用する軽度の知的障害の7人もレジ打ちや接客係として働く。クラフト利用者の多くは一般企業への就労を目指しており、佐久間さんは「一般企業と変わらないサービスや技術を提供することで、社会的スキルを身につけ、ここから羽ばたいていってほしい」と話す。 4月下旬のプレオープンでは接客などで改善点も見つかった。友人と店を訪れた近所の女性は「おしゃれで入りやすい雰囲気。パンはさくっとしていて、とってもおいしかった」と笑みをうかべ、「サービスに手間取ることがあっても、ゆっくり仕事に慣れていけばいいのよ」と話した。 店の営業は午前10時~午後4時(火水曜定休)。問い合わせはクラフト(03・3603・0598)。【朝日デジタル http://digital.asahi.com/articles/ASK557WYLK55UBQU00C.html?_requesturl=articles%2FASK557WYLK55UBQU00C.html&rm=366】「Viser Polaire」。4月下旬のプレオープンには近所の住民が訪れた=葛飾区東堀切1丁目 パンが並ぶ店内。4月下旬のプレオープンには近隣住民も訪れた=葛飾区東堀切1丁目下町、葛飾に、なんともおしゃれな佇まい、思わず中を覗いてしまいそうですね。🌠
2017.05.11
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フレンドリー上映 自閉症の人も映画楽しんで自閉症の若者と家族を描いた米国のドキュメンタリー映画「ぼくと魔法の言葉たち」(全国順次公開中)の一部上映館で、同様の障害を持つ人に配慮し「動き回っても声を出してもOK」という“フレンドリー上映”を行っている。 作品は、3歳で言葉を失い、自閉症と診断されたオーウェン・サスカインドさんとその家族にロジャー・ロス・ウィリアムズ監督が2年間寄り添い、製作した。米国では高い評価を受け、今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補にもなった。 オーウェンさんは6歳まで他者と交流できなかった。あるとき父親は、息子の意味不明の言葉が、彼の好きなディズニーアニメのセリフだと気づき、セリフで話すことで心が通うようになる。「ライオン・キング」や「ピーター・パン」など、ディズニーアニメの名作場面もちりばめ、オーウェンさんの大学生活、職探しや失恋に向き合う様子も描いている。 シネスイッチ銀座(東京都中央区)は火曜日の2回目を“フレンドリー上映”としている。4月11日は照明をやや明るめにした館内で自閉症の子どもの保護者や乳幼児連れが鑑賞した。これまでも対象者を限定する例はあるが、同館や配給元によると、一般向け上映でこうした企画は国内で初めてだという。 10歳の長女が自閉症と診断された世田谷区の木村さほさん(44)は、約10年ぶりに映画館で鑑賞した。「自閉症への理解が広まれば、声を上げる様子を怖がる人も減ると思う」と期待する。【毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170507/ddm/013/040/014000c】できたら普通の映画にも、こういう試みが増えればうれしいですね。🌠
2017.05.10
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5歳女児を2階から投げ落とす…容疑の中3逮捕広島県三原市のスポーツ施設の2階から女児(5)を投げ落としたとして、県警三原署は6日、同市立中学3年の男子生徒(14)を殺人未遂容疑で逮捕した。 男子生徒は投げ落としたことを認め、「(女児が)足にまとわりついてきて腹が立った」と供述しているが、殺意は否認しているという。 発表では、男子生徒は5日午後6時15分頃、同市円一(えんいち)町のスポーツ施設「三原リージョンプラザ」の本館2階から、抱き上げた女児を約6メートル下の1階に投げ落として殺害しようとした疑い。女児はあごの骨を折るなどの重傷。女児は当初意識がなく、病院内で回復したという。 男子生徒は特別支援学級に通っており、女児と面識はなかったという。事件直前、1階で女児が男子生徒の足にまとわりつく様子が目撃され、施設内の防犯カメラには、男子生徒が女児を抱き上げて階段を上がる姿などが映っていた。【読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/national/20170606-OYT1T50005.html】とても衝撃的な事件でした。足にまとわりつかれたら、長男もどういう行動に出るか、それを考えるだけでも、想像がつきません。事件直前の様子が目撃されていたにも関わらず。誰も防げなかった状況が残念ですね。🌠261万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.05.09
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「バカはバカなりに努力しろ」 知的障害の息子が自殺 小学生のころから一日も学校を休まなかった息子が、就職からまもなく自殺した――。 静岡県浜松市の漁業鈴木英治さん(52)と妻のゆかりさん(50)が、次男航(こう)さん(当時18)の死の理由を問い続けている。 航さんには軽度の知的障害と学習障害があった。 航さんが、職場の自動車部品工場へ向かう途中で自殺したのは3年前の5月20日。 その日、いつもより早く家を出た航さんは、通勤に使っていた午前7時20分の電車をホームでやりすごした。 次の電車も見送り、同46分の貨物列車に飛び込んだ。 駅の防犯カメラに映像が残されていた。 航さんは、現場で教えられた仕事の手順などを細かくノートにメモしていた。 その中にはこんな走り書きがあった。 「バカはバカなりに努力しろ」 航さんに軽度の知的障害と学習障害があるとわかったのは小学4年のときだ。 通信簿はオール1。 だが明るく、人なつっこい性格で友だちに好かれた。 親や教師に言われたことはきちんと守る一方、融通や加減が利かない。 高校で入った野球部や水泳部では倒れるまで練習を続けてしまうことが何度もあったという。 高校卒業後、県内の大手自動車部品工場に障害者雇用枠で就職。 「小中高と12年間、無遅刻・無欠席。本人もまじめで体力があることは自覚していたので、工場での単純作業なら向いていると思ったようだ」と英治さんは話す。 だが、就職からわずか50日で航さんは自ら命を絶った。 一体、何があったのか――。 遺品のノートにあった「バカは~」の文字や、その後の会社とのやり取りの中で、両親の疑念はふくらんでいったという。 実は、就職内定後、母のゆかりさんは航さんの障害について理解してもらおうと会社を訪れ、人事担当者らに航さんの特性について説明し、配慮を求めたという。 「今となっては本当にこちらの話を聞こうという姿勢があったのかさえ疑問です」(ゆかりさん)。 理由の一つが航さんの配属先。 複雑な工程の理解が必要なプレス部門で、渡された作業マニュアルは82項目にも及ぶ複雑な工程があり、専門用語も多数使われていた。 ノートには乱れる文字がびっしりと並び、現場で必死にメモしていた様子が残る。 そして亡くなる前日、航さんの作業ミスで機械を停止させてしまうトラブルがあったことも後から分かったという。 両親は一昨年秋、会社側に慰謝料を含む損害賠償を求めて提訴。 「職務内容が過度の負担だった」などとして会社側の安全配慮義務違反を訴える。 これに対して会社側は、「(高校側から)学習障害があるが、健常者とほとんど変わらないとの説明を受けていた」「作業を覚えるよう強制したことはない」などと裁判に提出した書面で反論している。 「バカ~」のメモについても裁判で、「『バカだから覚えが悪いんですよ』と相談された際に、(上司も)頭が良い方ではないが、自分のできる範囲でがんばっていることを伝えようと思い、『バカはバカなりにやるしかないよ。メモをとるとか……』と自分の工夫を話し、指導した」などと説明している。 両親はいう。 「知的障害をバカと決めつけられ、能力を超える業務に対して『努力』を求められたとき、息子は何を思ったか……。親として守ってやれなかったことが悔しい」 朝日新聞の取材に会社側は「(コメントは)差し控える」と話している。 ■いまだ社会的な理解進まず 障害者差別解消法の施行から1年あまり。社会的な理解は進んでいるのか。 臨床心理士で浜松市発達相談支援センターの内山敏所長は「知的障害や発達障害など目にみえにくい障害には誤解や偏見も多い。 進学や就職の時期は特に、その人の生活上の困難の内容が十分に引き継がれ、適切な配慮がなされなければいけない」と注意を呼びかける。 「働く障害者の弁護団」代表の清水建夫弁護士(東京弁護士会)は 「知的障害者にはまじめで素直な労働者が多く、適切な配置や配慮があれば雇用側にとっても利益は大きい。一方、法的に義務づけられた障害者の雇用率を満たすのに精いっぱいで、現場では『どう受け入れていいか分からない』という企業が少なくないのも事実。原因をていねいに明らかにして、教訓を得ていく必要がある」 と指摘している。【朝日デジタル http://www.asahi.com/articles/ASK57639JK57UBQU00F.html】 慰謝料を求めても、何をしても、我が子は帰ってこないやるせなさ。 障害枠を埋めるので精いっぱいで、現場ではどう受け入れていいのか分からない、そんな企業は本当に多いのなら、障害枠を敢えて利用して就職する側の願いなど殆ど叶わないと感じてしまいます。 就職後も学校や保護者との連絡、より手厚くして、本人の職場環境を整えてあげたいものですね。🌠 関連記事ー過去日記
2017.05.08
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知的障害者が暮らす場は人里離れた山あいにある施設に集団で生活する障害者――。昨年7月に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件は、こうした実像を浮き彫りにした。障害者が暮らす場を施設から地域へ移す流れは、どうなっているのか。障害者はなぜ人里離れた施設で生涯を送らなければならないのか?やまゆり園事件から半年~福祉の「家族依存」、脱却を ■施設を離れられず 地域での受け入れに壁 大阪府南部にある富田林市の近鉄富田林駅から自動車で20分ほど走ると、金剛山をのぞむ山林に囲まれた広大な敷地が広がる。面積は約82万平方メートル。東京ディズニーランドの1・6倍にあたる。 敷地内に点在する7棟の施設に、42人の子どもを含む408人の知的障害者らが暮らしている。職員が「最寄りのコンビニまで約3キロ」と言う場所にあるのが、「こんごう福祉センター」だ。 3月末、敷地の大半を占める居住区域である「大阪府立金剛コロニー」が閉鎖された。代わりに今月1日、コロニーを運営してきた大阪府障害者福祉事業団が、介護の必要性の高い高齢者に対応した施設「にじょう」を60人の定員で開所した。48人はコロニーから移り、地域での生活が難しくなった高齢の障害者も新たに入所してきた。 昼下がり、「にじょう」の一室から高倉健の「唐獅子牡丹(ぼたん)」など1960~70年代の流行歌が聞こえてきた。昭和歌謡が好きな男性(73)が集めたCDだ。 男性には知的障害がある。若い頃は自動車やねじの工場で働いていたが、78年、34歳の時に失業した。それを機に、両親に代わって面倒をみていた親類が金剛コロニーへの入所を依頼。それ以来、39年にわたって暮らしている。 「これな、妹と住んでた家やねん」。男性は壁に貼られた絵を指さした。平屋建ての建物と2人の人物が描かれている。ただ、今は「ここがええ」という。 金剛コロニーは大阪府吹田市で万博が開かれた70年に開所され、当時は定員850人で国内最大規模。「北の万博、南のコロニー」と呼ぶ人もいた。 介護を担う家族の負担を解消し、「親亡き後」も子の安心した暮らしを願う親の思いに応えるのがコロニーだった。70年代には都道府県が各地に作り、全国でコロニーブームが起きた。 だが、地域から隔離される施設のあり方への疑問はあった。81年の国際障害者年を機に障害者も地域で暮らす「ノーマライゼーション」の考えが広がると、「施設から地域へ」という動きが出てきた。 事業団は2003年度から、高齢者向けも含め障害者が少人数で共同生活するグループホームを地域に本格的に整備。16年度までに491人が移った。 別の高齢者棟で暮らす石賀良三さん(68)は6年前、グループホームに移りたいと希望したが、障害が重くて受け入れられなかった。5年前に急性膵炎(すいえん)を患い、視力や聴力は衰え、のみ込みも難しくなってきた。妹の池田隆子さん(65)は、こう語る。「地域に出て元気でなくなった時、ずっといられるわけではない。高齢者施設も病院も障害者を受け入れてくれるかわからない。家族も高齢でみられない。より安心な場が施設と考える家族は多いのではないでしょうか」 施設を出た障害者は08~12年には全国に5千人前後いたが、13年以降は2千人台にとどまる。厚生労働省の担当者は「地域移行を進めた結果、障害が重度だったり高齢だったりする人が施設に残った。新たに地域移行できる人は近年、減っている」と分析する。 とりわけ地域移行の流れから取り残されがちなのが高齢者だ。金剛コロニーの高齢化率は06年に約6%だったが、今年3月時点では約30%に。高齢者対応の「にじょう」ができた背景には、そんな事情がある。 事業団の久保田全孝(まさゆき)理事長(62)は「地域移行は進めるが、入所者の高齢化や地域に移った人が高齢になって再入所する現実への対策が必要。地域と連携し、一時的な利用など地域生活を支える安全網の役割を果たす施設をめざす」と話す。■市街地で共同生活 行動広がる 在宅生活は難しいが、施設ではなく地域で生活したい障害者の住まいとしてカギを握るのは、グループホームだ。1989年に国が新たな住まいの選択肢として制度化した。日本グループホーム学会によると、全国に約2万カ所あり、昨年12月時点で10万7千人ほどの障害者が生活している。 重症心身障害児者向けの施設を運営する社会福祉法人「びわこ学園」が1年前に整備した滋賀県野洲市のグループホーム「えまい」。平日の午後4時すぎ、電動車いすに乗った寺田美智夫さん(51)が、作業所から送迎バスで帰ってきた。木造平屋建てでリビングを囲んで個室があり、8人の仲間と暮らす。 重度の知的障害と身体障害がある寺田さんは父を亡くしてから10年以上を施設で過ごしたが、外出できるのは年に数回程度だった。昨年6月に「えまい」に移った。今は、週に2日は学園の施設に通い、3日は別法人の作業所でペットボトルのふたを仕分ける仕事をする。生まれて初めて賃金やボーナスをもらった。 「朝起きて昼は外で活動し、夜はホームで過ごす。生活にメリハリや自由がある」と寺田さん。夜のトイレ介助のタイミングや焼酎を飲む日、ネット通販の注文などを自分の意思で決められるようになった。 我が子の将来を考えた親たちがグループホームを立ち上げたケースもある。東京都練馬区のグループホーム「とぅもろう」だ。 当初は区に整備を求めたが実現しなかったため、7千万円の補助を受け、資金を借り入れてNPOを設立。昨年4月から運営を始めた。今は20~30代を中心に重い知的障害と身体障害を併せ持つ9人が利用。夜勤の看護師を置き、医療的ケアにも対応する。 設立に関わった飛田悦子施設長(55)は「都内では施設も不足しており、将来、遠く離れた県の施設に入ることになるのではないか、という心配が親たちにあった」と解説する。 課題は介護人材の確保だ。びわこ学園の職員、南方孝弘さん(51)は「重い障害のある人を支えるには手厚い態勢が必要。そのために報酬が増える仕組みを整えてほしい」と訴える。 津久井やまゆり園の事件後、神奈川県は施設の建て替えを決めたが、障害者団体などは地域移行に逆行するとして反対している。 知的障害者と家族らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」の久保厚子会長は「障害がある人が望む地域での暮らし方は様々。グループホームの整備は急務だが、障害のない人たちと生活するシェアハウスなど多様な選択肢を増やすことも重要だ」と提案する。 大阪府立大の三田優子・准教授(障害者福祉)は施設の役割を「一時的に専門職が関わる拠点」と評価しつつ、こう指摘する。「障害のある人も地域で当たり前に暮らすのが本来の姿。障害のある人の魅力を発見して交流が生まれ、障害のない人も支えられる。こうした実践を積み重ねることが、やまゆり園の事件に象徴される障害者を抹殺するような考えをなくし、共生社会につながるはずだ」【朝日デジタル http://digital.asahi.com/articles/ASK4R33P8K4RUBQU001.html?rm=977】家族から遠く離れた施設暮らしが今までは多かったけど、今後は地元の地域に共生する暮らしが実践できるようになると、本当の意味での支え合う暮らしが整うのでしょうね。🌠
2017.05.07
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優れた味覚生かしコーヒー豆焙煎 発達障害の15歳が開店群馬県桐生市小曽根町の岩野響さん(15)が、自家焙煎(ばいせん)したコーヒー豆を販売する「HORIZON LABO(ホライズン・ラボ)」という店を、同所の水道山中腹に開業した。店のキャッチコピーは「ぼくができることから ぼくにしかできないことへ」。発達障害の一つ、アスペルガー症候群と向き合いつつ、高校には進まない選択をし、自分にしかできないことを探している。◎優れた味覚と嗅覚駆使 「水平線のように広く自由に」 響さんは障害の影響で空間をつかむ力が弱く、黒板の字を書き写せなかったり、運動が苦手だったりした。学校の授業と部活動の両立ができず、中学1年の10月に不登校になった。 物心ついた頃から、同じ調味料でもメーカーの違いが分かるほど優れた味覚と嗅覚を持つ。両親に毎日出していたコーヒーに興味を持つようになり、中学2年の5月に知人から手回しの焙煎機をもらった。一つのことに熱中する性格で、市内の伊東屋珈琲(コーヒー)のロースター、古谷哲成さんらとも意見を交わし、焙煎する時間と温度でコーヒーの味がどう変わるのかを研究した。 中学3年の夏に家族とタイ・プーケットの海を見て、水平線(ホライズン)のように広く自由に生きたいと思った。自分を表現できるコーヒーの研究成果を発表する形で店を出そうと決意。自宅近くの空き小屋を父の開人さんと共に改装し、4月にオープンした。 商品は月替わりの1種類で、グアテマラや東ティモールなどの豆をブレンドする。今月はすっきりと飲みやすい味に仕上がった。温度を上げつつ時間をかけて焙煎することで、酸味をなくして深みのある豆を提供する。鮮度にこだわり、3、4日以内に焙煎したものを販売しようと心がける。「誰がどんな入れ方や飲み方をしても楽しめる豆を提供したい」と話す。 営業は毎月1~7日の午前11時~午後7時。【上毛新聞 http://www.jomo-news.co.jp/ns/5914939113034422/news.html】「どんな入れ方や飲み方をしてもおいしい豆を提供したい」と話す岩野響さん味覚のこだわりで絶品のコーヒーを提供する。「ぼくができることから ぼくにしかできないことへ」への挑戦は素晴らしいですね。🌠260万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。
2017.05.06
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自閉症は個性の一種である。現在活躍中の7人の自閉症の人々が語る自閉症に関するメリット 自閉症はある意味一つの個性なのである。 自閉症の人のコミュニケーションや体験は通常とは少々違う。だが自閉症ゆえに成功しているというケースがあるようだ。これは”自閉症にもかからわず”、ではないことに注意してほしい。 現在活躍中の7人の自閉症の人々が、その素晴らしさを語ってくれた。【1. シレー・ジャレル・ジョンソン詩人、エッセイスト、ディーフ・ポエット・ソサイエティの編集者】[画像を見る]両極端な思考の持ち主って言われるけど、全くその通り。好きなものはとことん好きだけど、嫌いなものはとことん嫌い。どちらでもいいっていうのはあまりないね。何よりも誤魔化せない。神経学的に標準とされる基準を圧倒していて、自閉症の人の嘘偽りのなさ、つまり徹底した裏表のなさの価値はまだあまり認められていないけどね。自分を抑えるのには凄くエネルギーがいるんだ。だから抑えたりはしない。それが要領の悪さにもつながるんだけど、でも言うべきことは遠慮せずに言うよ【2. リディア・X・Z・ブラウン作家、活動家、オーティスティック・ホヤのクリエイター】[画像を見る]正義感が強いわ。正しいことをやろうっていう燃えるような衝動があるの。それが世界を敵に回すように思える場合でもね。私の極端なまでの共感力のせいでしょう。それは自閉症であるためにした経験によって育まれた部分もあるのだけれど。幼い頃から暴力を止めたくて、弱者に向けられる国の暴力に反対するっていう今の仕事に情熱を感じてきたわ。不正や暴力が今もどこかで存在しているって考えると胸が痛むわね。それが自分に向けられたものであろうとなかろうと、人々が怯えずに暮らす世界を実現するために、私は出来る範囲で行動しなければならない。自閉症でなければ、こんな衝動はなかったんじゃないかしら【3. フィン・ガーディナーコミュニティ教育者、活動家、オーガナイザー】[画像を見る]すごい集中力で様々なことを深く学べることが最大のメリットかな。音楽とか、映画とか、とにかく没頭して、人が気がつかないようなことでも発見できる。障害の歴史でもゲームでも、熱中しているときは関係することは何でも集める。どんな題材でもあっという間に詳しくなるよ。音楽や映画やテレビにはのめり込む。歌声やリズム、映像や登場人物の感情なんかにどっぷり浸かるんだ。興味を持ったら、まっしぐらさ【4. シャーイン・ノイマイヤー弁護士、活動家】[画像を見る]興味のある分野に感じる情熱の強さかな。自分を駆り立てて、膨大な情報を学習したり、腕前を磨いたりできる。矯正施設での虐待について読んで、障害のある若者向けの活動を始めたんだ。で、ロースクール時代に障害者の権利保護を行なっている事務所に入って、施設の調査報告書なんかを数十年分読んだ。今じゃ百科事典並みの知識があるし、それに関する執筆や講演も行なっているよ。自閉症ならではのこうした衝動や記憶力は、虐待を食い止めるための最大の武器さ【5. モレニケ・ギワ・オナイウオーティズム・ウィメンズ・ネットワーク議長、活動家】[画像を見る]2つあるわ。 1つは解放感ね。自分が壊れているのでも、欠陥があるのでもないって気づいたとき、あたり前の基準なんかに従って、自分を決めつけなくてもいいんだって分かったの。もう1つは、嘘偽りのなさよ。自閉症であるってことは、役割を演じるのではなく、本音でいるってこと。現状維持のための嘘っぽさを演じるんじゃなくて、思っていることを伝えて、心のままに体を動かして行動するの。自閉症は、黒人であること、女性であることに並ぶ、私を成り立たせる核の部分よ【6. ジュリア・バスコムオーティスティック・セルフアドボカシー・ネットワーク代表】[画像を見る]自閉症っていうのは、何りよもまず生の現実であり、内面の体験であることを知ることが大切ね。外側の欠陥のように言われるけど、自閉症のほとんどの特徴は強力で、ポジティブな効果があるのよ。儀式や強烈な関心といった強迫的な特徴に関連する喜びは、自閉症の人の人生において大切な、欠かせない一部。自閉症にも喜びがある、そしてその喜びこそが自閉症の核となる部分だということを分かってくれれば、これについて本当のことを話し合えるようになるわ【7. N・I・ニコルソン作家、詩人、編集者、神経多様性の活動家】[画像を見る]どれが一番って訊かれると困るな。色々あるから。例えば、自閉症であることで、周囲のことをいかに熟慮して対応しているのか気がついたことがあるよ。僕の鋭敏な神経は、様々な感覚入力を選別したり、区別したりすることが難しい。 でも詩や作品を書くことができるのはそのお陰さ。個人としても編集者としても、献身的で進取の気性に富んだ様々な人たちからのサポートを得ている。みんな情熱を持って正義や平等のために戦っているよ。要するに自閉症であるってことは、僕が僕であり、僕の日常生活を送るためには絶対欠かせないものだってことさvia:7 activists tell us the best thing about being autistic/ translated hiroching / edited by parumo記事全文はこちら:自閉症は個性の一種である。現在活躍中の7人の自閉症の人々が語る自閉症に関するメリット http://karapaia.com/archives/52238034.html 【excite. ニュース http://www.excite.co.jp/News/odd/Karapaia_52238034.html】それぞれに逞しく、また勇ましく生きている、まさに人間力ですね。🌠
2017.05.05
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親子で発達障害のわたしが『光とともに…』に教わったこと我が家と同じ!『光とともに…』との出会いこんにちは、モンズ―スーと申します。発達障害の当事者で、発達障害グレーゾーンの子どもの母をしています。みなさんは、戸部けいこさんの『光とともに・・・~自閉症児を抱えて~』を知っていますでしょうか? 自閉症児の光くんとお母さんを主人公に、誤解されることの多かった発達障害の親子の成長を描いた作品です。社会的な関心を集め、篠原涼子さん主演のドラマでも話題になったんです。発売してからしばらくたち、知らない方も多いと思いますが、この4月に『光とともに・・・~自閉症児を抱えて~』の新装版が発売されました。 私が「光とともに・・・」をはじめて読んだのは、息子が発達の遅れを指摘され、「発達障害」という言葉を始めて聞き、私自身も発達障害の傾向があるのでは・・・と悩んでいた頃でした。そして今また読み返し、改めて感じたことがあります。Upload By モンズースーUpload By モンズースーUpload By モンズースーUpload By モンズースーUpload By モンズースー物語に共感しつつ、「いろんな子がいるんだ」と知るきっかけにもほんの数年前のことなのですが当時は今ほど発達障害の情報が無く、難しい専門書を読んでも知らない単語ばかりで理解できずにいました、しかし『光とともに・・・』は漫画だったのでとても読みやすく、自閉症児のお話を知ることができました。 私の息子は『光とともに・・・』の光くんとはまた違った子ですが、共感できるお話も多ありました、その一つが「偏食」です息子は乳児期に白い色の数種類の食べ物しか食べられないという変わったこだわりがありました、食卓に何種類もの料理を並べても、子どもの好きそうなメニューを作ってもけして食べず、毎食同じものを食べていました。 最初は私の育児の仕方が原因?うちの子だけ?と悩みましたが、『光とともに・・・』を読んでこれが特性の一つであることを知りました。 迷うこともあるけれど、我が家も光くん親子とともに考えていきたい『光とともに・・・』は同じ発達に遅れのある親の間でも多く読まれていて、それまで子どもの事を中々理解してくれなかった家族に勧めて読んでもらったら泣きながらよんでくれた・・・なんてお話も聞きました。 今回から、『光とともに・・・~自閉症児を抱えて~』の場面の中から発達障害の事例を取り上げてご紹介していきます。このコラムは秋田書店『フォアミセス』誌でも掲載しています。よかったらお手にとってご覧くださいね!Upload By モンズースー【woman.excite. https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026324/】【楽天ブックスならいつでも送料無料】新装版光とともに…誕生・幼児編/保育園編 [ 戸部けいこ ]まだ自閉症があまり知られていない頃は、『光とともに』のドラマに漫画本の登場は、何より親にとっては心強い味方ができたような気持でしたね。🌠
2017.05.04
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知的障害者も自立生活を 東京で支援イベント知的障害者の1人暮らしなどについて考えるイベント「知的障害者の自立生活 なぜ必要? どう実現する?」が6月3日午後6時、東京都大田区の区消費者生活センターで開かれる。 国連障害者権利条約は、居住地や誰と生活するか、障害者が選択できる重要性をうたっている。 しかし、国内では軽度の知的障害者なら1人暮らしをしている人はある程度いるが、重度の人たちは本人が望まなくても施設やグループホーム、家庭で生活していることがほとんど。 2014年から知的障害者も長時間の見守りができる重度訪問介護を利用できるようになったことから、制度上は自立生活がしやすくなった。 しかし、知的障害者の支援者の間からも、1人暮らしへの不安や、サポートする人材の不足を懸念する声が出ている。 その結果、自立への提案をしなかったり、できなかったりするのが現状だという。 こうした支援者の自立生活への意識を変えてもらおうと、サービス事業者、当事者家族、研究者ら6人が知的障害者自立生活声明文Project(プロジェクト)を結成し、今年2月に「声明文」をインターネットで公開した。 「知的障害のある人たちが公的介護を利用し、住み慣れた地域で自立した生活を継続していくための提案を、支援者がしていこう」と訴えている。 3日のイベントもプロジェクトが主催。 NPO法人グッドライフの末永弘さん、NPO法人はちくりうすの桜原雅人さんが知的障害者が自立している実践例を紹介。 参加者も交えたグループワークをする。 プロジェクトのメンバーでNPO法人風雷社中理事長の中村和利さんは「1人暮らしのメリットはたくさんある。障害のある人も自立生活が最初の選択肢になるよう、一緒に考えてほしい」と話している。 参加費500円。員100人。申し込み不要。問い合わせは中村さん070・5572・7004、メール jirituseimei@gmail.com。 【毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170530/org/00m/100/013000d】 申し込み不要、ブラッと覗けますし、実践例を紹介しての自立支援イベント、とても有意義ですね。 🌠
2017.05.03
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暴言の訳、発達障害だったなんて…「30秒で泣ける漫画」の作者が描く漫画「夫の発達障害」の一場面=作・吉谷光平さん 夫に発達障害の疑いがあるとわかったことで、暴力や暴言の原因に納得がいった――。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が「30秒で泣ける」と話題になった漫画家・吉谷光平さんが、新聞投稿を元に描きました。漫画「夫の発達障害」=作・吉谷光平さん 夫に発達障害の疑いがあるとわかったことで、暴力や暴言の原因に納得が行き、救われた――。そんな妻が「自分を大切に生きたい」と決意を記した朝日新聞への投書に、切実な声が寄せられています。夫の暴言・無関心…発達障害では? 苦しんできた妻たち:朝日新聞デジタル 漫画「夫の発達障害」の一場面=作・吉谷光平さん 広島県の60代女性は「結婚して35年、夫の偏屈で身勝手な言動に苦しんできました」とメールを寄せました。 息子2人との七五三の記念写真に夫はいません。予約した写真館に行く間際、「わしはいいわ」と出かけてしまったそうです。祖父が残したお金を息子たちの学費に使おうとしたら、夫は平然と「もうない」。パチンコにつぎ込んでいました。義母に相談すると、女性が家庭をおろそかにしたせいだと、逆に責められたといいます。 女性は精神的に不安定になり、皿を床に投げつけるなどしました。昨秋、本屋で発達障害に関する本に出会い、「夫はまさにこれ」と確信。「特性を持っている夫やあなたは悪くない」との記述に救われたそうです。 漫画「夫の発達障害」の一場面=作・吉谷光平さん 発達障害のうち、言葉や知的能力に遅れのないアスペルガー症候群などには、相手の気持ちを想像したり、場の雰囲気を読んだりするのが苦手な特性があります。 世間的には問題なくみえる夫への不満を訴えても周囲に伝わりにくく、妻はさらに追いつめられる。医学用語ではありませんが、予言を信じてもらえなくなったギリシャ神話の登場人物になぞらえ、「カサンドラ症候群」とも呼ばれます。 カサンドラは妻に限りません。ただ、アスペルガー症候群は男性の方が多く、経済力の差や伝統的夫婦像の影響もあり、妻の方に深刻な例が目立つといいます。 漫画「夫の発達障害」の一場面=作・吉谷光平さん 夫との関係や周囲の無理解に苦しむ妻の自助会も、各地にできています。 大阪市で開かれる会を主宰する50代女性は、障害が疑われる夫との関係に約30年悩んできました。熱があり「大丈夫?」と言ってほしいのに、夫は「寝れば」。会を続けて「共感を求められるのは迷惑なのだと、夫の側に立てるようになった」といいます。 ただ、会は助言の場ではないと強調します。「言葉にすることで考えを整理し、次の一歩を見つけてほしい」。解決にならないと来なくなる人も、夫との関わり方を決めたと巣立つ人もいます。「止まり木のような形で利用してくれればいい」と話します。漫画「夫の発達障害」の一場面=作・吉谷光平さん 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が「30秒で泣ける」と話題に。 【withnews. http://withnews.jp/article/f0170428000qq000000000000000W03u10801qq000015077A】漫画になれば、より理解が深まりそうですね。🌠
2017.05.02
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テクノロジー業界に多様性を。自閉症者のためのプログラミングスクール「Coding Autism」 精神発達障害のひとつである自閉症にかかっている人は、特に雇用の面で困難にぶつかることが多い。国際連合のデータによると、自閉症にかかっている成人の失業率は80%にも及ぶという。自閉症者のなかには潜在的に高い能力を持つ人も少なくないにもかかわらず、その力を発揮できる環境が不十分なのだとしたら、それは社会にとっても大きな損失だ。そこで、ロサンゼルスにある企業Coding Autismは、自閉症者ならではの特長を伸ばすプログラミングスクールを展開し、そこから雇用につなげようと活動している。Coding Autismは自閉症者が将来的にテクノロジー業界で活躍することを想定しており、そのために必要なスキルとしてコーディングやウェブ開発、エンジニアリングの訓練を施す。自閉症者は細かな作業や繰り返し作業に秀でる傾向があり、その性質を活かせる場を考えたうえでの方針だ。実際の仕事で必要となるスキルの指導だけではなく、職を得るまでのサポートも手厚く行っている。例えばワークショップやキャリアカウンセリング、面接対策など、健常者の職探しと比べても遜色の無いプログラムが用意されている。自閉症者が就業の機会を得やすくなれば、雇う側の企業にも良い影響をもたらす。ウェブ開発やプログラミングができる人材を探している企業は多いし、適切なスキルを身につけた自閉症者が多く参入すれば社内に多様性が生まれ、新たな変化がもたらされるかもしれない。現在こういった職種に就いている自閉症者の割合は1% と非常に少ないため、逆に言えば今後変化する余地がとても大きいと言える。Coding Autismが提供するサービスは、仕事で役立つ人材を育成するための実践的な内容だ。単に自閉症者が社会参加できる場があればいいという考えではなく、彼らがいかに職業人として社会に貢献できるかという目的意識がある。その点が、キャリア志向の自閉症者達から支持を得ることになるだろう。【参照サイト】Coding Autism [ideas for good http://ideasforgood.jp/2017/04/25/coding-autism/] 人材育成の根源ともいえるこの取り組みは、何より自閉症者が必要とし、求めている支援なのかもしれませんね。🌠
2017.05.01
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