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和種馬が発達障害の子供らをサポート 大阪・柏原にホースセラピー施設誕生日本伝統の在来馬による「ホースセラピー」を取り入れた画期的な児童発達支援・放課後等ディサービス「tenba」が大阪府柏原市にオープンした。NPO法人「MUKU」(大阪市)が、在来馬の活用に取り組む乗馬クラブ「和種馬ホースランド」(柏原市)と協働して実現した。 MUKUの福井宏昌理事長は大阪市平野区で「運動療法」に特化した障害児通所支援事業所を運営。施設に通う子供の大半は発達障害だが、「まんべんなく物事をこなすことはできなくても、好きなことや得意なことは十分にできる傾向がある」という。そうした子供たちに、多様な経験の機会を与えて可能性を引き出したいと考える福井さん。新たにホースセラピー型福祉施設を模索したが、馬の飼育はハードルが高く、なかなか先に進まなかった。そんな中、知人を通じて同クラブの横山雅始代表と知り合い、和種馬が温厚でセラピーに向くことを知ったという。 施設の利用は障害児通所受給者証を持つ3~18歳が対象。同クラブでのホースセラピーでは散歩や乗馬、馬の世話、馬を描くなどのカリキュラムを通し、情緒安定や筋力の強化、注意力や集中力の向上などが期待できるという。 「日常生活の中で落ち込む子も多いけれど、別のところで力を発揮できる子もいる。馬や動物に興味があったり、何をすればいいかわからないでいたりするなら、一度気軽に来てほしい」と福井さん。同クラブでは道産子など12頭が活躍。「日本の在来馬を守る取り組みも同時に知ってもらえたら」と和種馬の周知にも貢献したい考えだ。 営業日は火~金曜の午後3~6時(土曜祝日は午後1時半~4時半)。問い合わせはtenba(072・959・5768)。 和種馬は日本固有種で、背高は110~130センチと小柄。おとなしく穏やかな性格が特徴。長野県天然記念物の木曽馬や、北海道文化遺産の道産子など8種類があるが、数が減り続け、現在は全体で約1700頭になっている。産経新聞[YAHOOニュース]素晴らしい取り組みですが、年齢制限があるのが残念ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.31
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膵臓の治療が自閉症の子どもの症状改善に役立つ可能性、テキサス大学研究報告膵臓の治療が自閉症の子どもの症状を改善か意外に思うかもしれないが、自閉症がある子どもの膵臓に対する治療が、行動面の問題の軽減に有効である可能性が、米テキサス大学(UT)ヘルス・マクガバンメディカルスクールの精神医学および行動科学教授のDeborah Pearson氏らによる研究で示された。この研究結果は、「JAMA Network Open」に2023年11月30日掲載された。研究グループは、食事からのタンパク質摂取とセロトニンやドーパミンなどの重要な神経伝達物質との関連がこの結果の重要ポイントだと説明している。これらの神経伝達物質がうまく働かないと、子どもの行動に影響が及ぶ。自閉症スペクトラム障害(ASD)のある子どもの多くはパスタやパンなどの炭水化物の多い食品を好む一方、タンパク質の多い食事には抵抗を示す。しかし、神経伝達物質の合成に必要なアミノ酸はタンパク質からしか得ることができない。そこで研究グループは、膵酵素の補充により膵臓でのアミノ酸の産生量を増加させることが子どもの脳に有用であり、脳の神経伝達物質の不足に関連する問題行動の軽減につながるのではないかと考えた。Pearson氏は、「ASDのある子どもには、しばしば易刺激性(怒りっぽさ)などの不適応行動が併発する。そのような場合に、副作用のリスクが低い介入で対処できるかどうかを明らかにしたかった」と説明する。研究は、3~6歳のASDがある子ども190人(平均年齢4.5歳、男児79%)を対象に実施された。まず、12週間にわたって実施された第一段階の研究では、ランダムに選ばれた92人の子どもの食事に1日3回、豚由来の高プロテアーゼ膵酵素(900mg、以下、膵酵素)をふりかけた。一方、残る98人の食事には偽の酵素(プラセボ)をふりかけた。この研究期間中、研究者や子どもの親には、どの子に何が与えられているのかは明かされなかった。その結果、膵酵素を摂取した子どもでは、親の報告に基づいた子どもの易刺激性や多動性、従順性のなさ、不適切な発言が有意に減少したことが明らかになった。これに対し、プラセボを摂取した子どもでは、このような変化は認められなかった。次の段階の研究では、24週間にわたって全員に毎日膵酵素が投与された。その結果、この期間も、子どもの親の報告に基づいた易刺激性や多動性、不適切な発言が有意に減少したほか、無気力、引きこもりの程度も低下していた。全研究期間を通じて、膵酵素投与と関連/無関連の重大な有害事象は1件も報告されなかった。Pearson氏は、「今回の研究では、神経伝達物質の合成に必要なアミノ酸の産生を促すと考えられている膵酵素の補充がASDの未就学児の行動面の機能の改善に関連することと、その副作用は極めて少ないことが示された」と説明している。なお、本研究は、研究で使用された膵酵素補充剤を開発しているCuremark社の資金提供を受けて実施された。(HealthDay News 2023年12月21日)[@DIME]自閉症児は幼い頃から偏食があるので、何かしら体内の働きにも影響がありそうですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.30
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知的障害の子、避難所で発作 どこへ行けば…無人旅館でしのぐ母能登半島地震により一部で孤立状態が続く石川県輪島市の鵠巣(こうのす)地区。地元住民らが避難していた旅館「ねぶた温泉海游能登の庄」では、一時は最大130人が避難していたが、近くの国道の通行が再開し、今朝、避難者がいなくなった。 ここで食事の用意などにあたっていた従業員の伊藤恵子さん(59)は「肩の荷が下りた」と安堵(あんど)感をにじませた。一方、自宅も被災しており電気と水道が通っておらず、この旅館で寝泊まりしている。電波状況も悪く、「どうにもならない」と途方に暮れる。 伊藤さんは知的障害のある息子(35)の避難先について悩んでいる。介助が必要な息子は一時、市内中心部の避難所にいたが、大人数がいる場所でてんかんの発作をおこしてしまうため、現在はこの旅館で寝泊まりしている。この日、寒さもあり、息子は風邪を引いてしまった。元々いた障害者施設はまだ復旧していない。伊藤さんは「せめて電気があるところにいければいいけれど…」と声を落とした。[朝日デジタル]日常生活が保たれなくなると一気に不安に陥りますね。571万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント、感謝です。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.29
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発達障害考える連載、本に 新書「発達『障害』でなくなる日」が朝日新聞出版から発売された。2022~23年にくらし面の「患者を生きる」を始め、紙面とデジタルに掲載された連載をまとめた。発達障害は、生まれつき脳の働きにかたよりがある障害で、注意欠如・多動症スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)などがあ…この記事は有料記事です。[朝日デジタル]発達「障害」でなくなる日 (朝日新書931) [ 朝日新聞取材班 ]、「変わるべきは誰?」との本の注釈に、もはや発達障害は少数派ではなくなっているのでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.28
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「発達障害を退職理由にするよう指示された」 日本年金機構の元職員が慰謝料求め提訴日本年金機構(東京都)で働いていた30代男性職員が1月12日、障害を理由に退職させられたなどとして、年金機構に対して慰謝料など約1200万円を求め、東京地裁に提訴した。訴状によると、原告側は「上司のハラスメントなどが原因で休業、その後、面談などで退職を強いられた上、発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)を理由にするよう書面で“指示”された」と主張している。日本年金機構広報室は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し「訴状を見ていないため、コメントをいたしかねる」と回答した。 原告代理人の嶋﨑量弁護士は、提訴後の記者会見で「働きやすい環境を整えるべきなのに、むしろ真逆の対応で極めて不適切。障害者雇用促進法の理念に反している」と説明した。 原告男性も会見に出席し「厚生労働省所管の組織なのに、理解がないんだなと思う」と話し、障害者への合理的配慮を社会全体で考えるきっかけになってほしいとの思いを述べた。●年金機構は「退職勧奨」などの事実を認めず 原告側の説明によると、男性は2018年4月に入社し、翌年7月に登用試験を受けて正規職員となった。その4カ月後、上司に叱責されたことなどが原因で、過呼吸・めまい・不眠などの適応障害を発症したという。2020年1月に休職し、同年3月には発達障害の一つ「ADHD」と診断された。 同年10月、男性が機構との面談で診断について告げた際、職員から「そういうことであれば、働ける場所はない」などと言われたという。その数日後に「退職願」のひな形と共に退職の手続き書類が送られており、その書類には注釈として「退職願の〝理由〟欄には、例えば『注意欠陥多動性障害にて通院加療中であるが、現状では復帰することが困難なため』等と記入(略)してください」との記載があったとしている。 男性は「当時は精神状態も悪く、そうせざるを得ないものだと思ってしまった」といい、機構側の指示通りに記入し送付。12月末に退職に至った。 原告側によると、上司が机を叩くなどしたり、苛立った態度で接したりした行為などが原因で強い心理的負荷がかかったことは、2022年に労災として認定されている。一方、年金機構側はこれまでの交渉で、上司の行為や退職勧奨の事実は認められないと回答しており、今回の提訴に至ったという。●原告代理人「法の禁じる差別的取り扱いだ」 嶋﨑弁護士は「内部のハラスメント相談室に連絡し、労働局での調停もあったが、機構側は向き合ってこなかった。裁判所を通じて責任を問うていきたい」と述べた。2016年に施行された改正障害者雇用促進法では、事業主による差別の禁止や合理的配慮の提供の義務を規定し、厚労省が細かく指針も出している。「本来ならば事業主として原告の障害を把握し、それに応じた合理的配慮をすべきところ、むしろ障害を理由に退職を強いたのであり、法の禁じる差別的取り扱いだ」(嶋﨑弁護士) 2018年におこなわれた日本年金機構の運営評議会議事録には、委員からの問いに対する機構側の回答として、このような記載がある。「障害者の雇用については非常に重要なことと考えており、全国の年金事務所・事務センターで、有期雇用職員、無期転換職員として配置している。2019年度から、障害者の法定雇用率(国、地方公共団体等)が2.5%へ引き上げられるが、機構における直近の雇用率はこの基準を超えており、引き続き取り組んでまいりたい」弁護士ドットコムニュース編集部[YAHOOニュース]奇しくも厚生労働省の管轄の組織で実際にこういう勧告がされていたとしたらやはり不甲斐ないですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.27
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「自閉症で避難所に行けない」“災害弱者”のケアが課題 輪島市の「福祉避難所」は2か所のみ【news23】避難生活が長引く中、“災害弱者”のケアの必要性が高まっています。自閉症の息子を持つ母親は「団体生活が難しく、避難所に行けない」。ただ、こうした家族らを受け入れる「福祉避難所」は輪島市内で2か所に止まっています。課題が山積する現場から、藤森キャスターが報告します。住民の孤立に加え、対策が必要なのが災害弱者のケアです。自宅が被災した岩崎香さん(46)と、小学6年の息子・佑輝さん(11)。自閉症の佑輝さんは生活環境の変化に敏感。親の判断で避難所は諦め、一家は崩れかけた自宅で過ごしていました。岩崎香さん「飛んだり跳ねたりもするし、大声も出しちゃうし。団体での生活は難しいかなと思ってはいますけど、周りの理解と…みんな大変な時なので(難しい)」特に配慮が必要な人を受け入れるのが、福祉避難所。障害のある人や高齢者、乳幼児や妊産婦などが対象です。余震が続く中、自宅での生活に危険を感じた岩崎さん。受け入れ先を探し辿り着いたのが、現在、福祉避難所となっている、障害者のグループホームです。避難後、佑輝さんは少し落ち着きを取り戻したといいます。岩崎香さん「比較的おとなしくしてくれているのかなとは思うんですけど、こだわりとかもあって、すぐにはなじんでくれなくて。ご飯とかも好き嫌い、偏食もあるし、お皿が違うだけでも駄目なので。この子なりに頑張っていると思うんですね。慣れない環境なので」輪島市には福祉避難所が25か所ありますが、現在、受け入れができているのは、この施設を含め2か所だけ。職員や施設そのものが被災しているためで、3か所目が開設されるめどは立っていません。こちらの女性は当初、障害のある息子たちと通常の避難所に身を寄せましたが、2日後、その避難所を出ました。母親「もう一人の子は色んなことに興味があるもので、次から次から触ろうとするんですよね。物をちぎったりとか、そういうことがあるもので、触ったりできないというと、余計にパニックになってしまって。“障害があるということはわかっているんですけど、しっかり見とらな駄目や”と言われて、それがやっぱり結構ショックで…」今、親子が避難しているこちらの施設は福祉避難所ではありませんが、自主的に障害のある避難者を受け入れています。しかし、施設側もギリギリの状態です。支援施設「一互一笑」管理者 藤沢美春さん「スタッフが1人倒れていますし、1日から不眠不休で、皆さん自分の家をほっておいて来ているので。ただやっぱり皆さん、使命感ですかね。障害のある方や高齢の方だったり、災害の時にきちんと逃げられる、避難できる場所を、全国で色んな地域で支援してあげてほしいなと思います」共同生活が難しく、自宅で我慢する人々も…2次避難所の新設が急務小川彩佳キャスター:取材した藤森さんに伝えてもらいます。藤森祥平キャスター:取材させていただいた孤立した地区は、震災が発生した初日から、何とか皆さんやりくりして過ごしています。自宅にあった食べ物とか飲み物とかを、かき集めて持ち寄った。今もです。持ち寄った灯油は発電機用に使い、わずかな明かりとストーブで数日間、耐え忍んでいるということです。それから薬など、どうしても必要なものは、土砂崩れの寸断箇所を自分たちで越えて、市の中心部へ寒さの中1時間以上かけて歩いて取りに行った。車の使えない状況の中でも、少しずつ物資を整えて集めていったということですが、他の地域からの被災情報は届いていませんので、怖い思いをしながら皆さん協力し合って、避難の生活を送っているということです。そんな中、ようやく(地震から)9日目になって、自衛隊による空からの物資が届きました。これによってかなり安心した声が広がったそうですが、その先にもまだ孤立している地区がいくつもあり、その地区ともらった物資を分け与えているということですから、十分な備蓄という状態にはまだまだ程遠い現実があります。小川キャスター:それぞれ状況も、そしてニーズも異なってくると思います。藤森さんはさまざまな避難所を取材したということですけれども、1週間以上が経過して、今の避難所の課題というのは、これもまちまちだとは思うのですが、どういったところにあると感じていますか。藤森キャスター:さまざまな中でも、やはり生活用水の確保の重要性を皆さんおっしゃっています。ろくにまだトイレが使えない状況が広がっていて、川の水を自分たちで何度も何度も汲みに行ったりですとか、雪解けの水を使って自分の髪の毛を少し洗うなどしているということです。どこの避難所も衛生面、感染症の心配をしている状況で、マスクや消毒用のアルコールも十分足りません。また、情報収集があまりできないところというのは、噂レベルで不安を煽るような情報にすごく敏感になってしまうということで、これがまた不安をかきたてるという悪循環を生んでいるようです。さらにもう一つお伝えしたいのは、共同生活をすることが難しい人たちに対するケアの問題です。たとえば障害のある方ですとか、持病があったり、細やかな医療ケアが必要な方々が多くいらっしゃいます。この避難所で共同で生活する人が難しいという状況です。そういった人たちは、もう自宅で我慢して生活を続けるしかない。自分たちでまた物資を調達しに行かなくてはいけないということです。急激な環境の変化についていけない人もたくさんいますので、今回お話を聞いた方々も安心して過ごせる福祉避難所の開設が、一刻も早く進んでほしいと願う声が集まりました。輪島市内ではもう、すでに満員状態の避難所もあります。いわゆる災害関連死など、命の危険につながるような、そういったものを解消するために2次避難所などを新たに設けることは、非常に重要な視点で取り組まなければいけないと思います。ただ、1人1人皆さんのさまざまな声を聞かないと、作ったからみんながすぐに移動できる、どこか遠くの地域に移動できる、そんな簡単な話ではありません。課題は山ほどある中で、そういった皆さんの声を聞きながら、先のことが見えないという声も大事にしながら、まずは人命救助、そして復旧活動を少しでも加速するよう願うばかりです。【TBS NEWSDIG】前の記事に関連した避難所の様子、ただ事ではないこと、政治家にはきちんと認識して対処して欲しいですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.26
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自閉症の息子、避難所連れて行けず「限界」 追い詰められた家族能登半島地震の被災地には、障害者や介護が必要な高齢者ら、一般の避難所で生活するのが難しい人たちが少なくない。国は自治体に対し、そうした被災者を受け入れる「福祉避難所」を開設するよう求めている。しかし、計画通りには進んでいない現状がある。「もう限界です。このままでは家族が壊れてしまう」 5日、石川県輪島市の中心部にある障害者福祉施設「一互一笑(いちごいちえ)」に一人の男性(50)が訪れ、声を絞り出すようにして伝えた。 対応した職員に対して男性が語ったのは、障害のある子がいる一家が、地震発生からの5日間を必死な思いで過ごしてきた経験だった。 男性は妻(46)、重度の自閉症の小学6年の長男、小3の長女の4人家族。市中心部から約8キロ離れた集落で暮らしている。1日の激しい揺れの後、急いで外に避難しようとしたが、長男は混乱して靴を履こうとしなかった。男性が背負って車の中まで運んだ。 倒壊の恐れがある自宅には戻れない。しかし、一家は避難所で過ごす選択もできなかった。 長男は環境の変化に敏感で、食器や家具が違うだけでご飯が食べられなくなる。室内で跳びはねたり、建物を飛び出そうとしたりすることもある。旅行では周囲に迷惑をかけないようにと、必ず角部屋を選んで宿泊する。普段から、息を潜めるように暮らしてきた。 そのため、長男を連れて多くの人が集まる避難所に行くことはとても想像できなかった。「避難所に行けば、息子がうろうろするのは分かっている。人に迷惑をかけられないと思った」 自宅の隣にある離れの一室には、男性の高齢の母親が暮らしていた。地震によって壁が落ちて、窓ガラスが割れていたものの、自宅に比べれば損傷が少なかった。離れの一室で、母親を含めた5人で過ごすことにした。 しかし、生活は徐々に行き詰まっていく。長男はタブレット端末でお気に入りの動画を見るのが日課だが、充電が切れると落ち着かなくなった。布団の周りをぐるぐる歩き回り、ストレスで指や歯茎を血が出るほどかきむしった。そんな兄の状態を見て、長女も精神的に不安定になってしまった。余震で、いつ部屋が倒壊して下敷きになるかも分からない。 もう限界だった。地震から5日目、男性は長男が放課後等デイサービスで利用したことのある「一互一笑」に出向いた。事情を話し、支援を求めた。 同施設は、輪島市と協定を結んで災害時に障害者らを受け入れる「福祉避難所」に選ばれている。家族は、福祉避難所の存在を知らなかったという。窮状を聞いた管理者の藤沢美春さん(55)は、すぐさま市内にある障害者らの支援施設に、一家が一緒に暮らせる個室を確保した。 藤沢さんにもまた、重度の自閉症がある次女(28)がいる。男性の苦しみは手に取るように伝わってきた。「自閉症の人はこだわりが強く、いつもやっていることができないとパニックを起こして、自分を傷つけ、じっとしていられなくなる。迷惑をかけることを恐れて、避難所に行かずに車中泊や自主避難をしている障害者とその家族は、たくさんいると思う」 施設に入ったことで、長男は少しずつ落ち着きを取り戻したという。男性は、「施設に入ることができると聞いたときは、ほっとして涙が出た」と胸をなでおろす。一方で、「周りへの迷惑を考えると、仮設住宅やアパートで暮らすこともできない。今後のことを考えると不安ばかり」とも語った。毎日新聞【YAHOOニュース】福祉避難所の存在は知っていても、いざという時にはなかなか思考が及びませんね。普段からそういう場所を見学したり、訪ねてみる体験も必要なんでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.25
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愛してるのに「恥ずかしい」…ダウン症の弟がいる少年の成長を描いた映画が「完璧を求める社会」に問うもの ダウン症の弟がいる男の子の成長を描くイタリア映画「弟は僕のヒーロー」(ステファノ・チパーニ監督)が12日に公開される。弟を愛しているのに彼の存在を「恥ずかしい」と感じてしまう複雑な感情に向き合いつつ、陽気な家族の愛情が詰まった作品。原作者ジャコモ・マッツァリオールさん(27)は「数珠つなぎの感情を見せたかった」と語る。 弟の誕生に胸を躍らせる5歳のジャック。長い入院を終え自宅に来た弟ジョーはみんなとちょっと違うが、両親から「ジョーは特別な子」と聞き、さらに喜ぶ。しかし、思春期になると成長がゆっくりな弟を「恥ずかしい」と感じるように。高校生になり、好きな女の子に「女きょうだいしかいない」とつい噓(うそ)をつき、大騒動に発展してしまう。◆「唯一無二の弟」を主人公にした動画が話題に ジャコモさんは2015年、「自由で、唯一無二の存在である弟を知ってほしい」とダウン症のある弟ジョヴァンニさん(21)を主人公にした動画をユーチューブで公開した。共感を呼び、映画の原作となる同名小説の執筆につながった。ジャコモさんは映画の脚本にも参加。「弟がやらかしたエピソード」を盛り込み脚色もしたが、ジャックの感情の揺らぎはジャコモさんが経験したものだ。「弟ができる喜びや期待があったのに、弟を恥ずかしいと思うようになってしまった。弟への愛情は変わらなかったのに」と振り返る。◆他のきょうだいに恥の感覚はなかったなぜ恥ずかしいと感じたのか。同じ環境で育ったきょうだいに恥の感覚はなく「私の勇気がなかった」と認めつつ、社会の問題が大きいと指摘する。「完璧であることを追い求める社会で、若者は自分に足りないものに拘泥するようになってしまう」。ダウン症に対する社会の差別や偏見が積み重なり「僕たちきょうだいの誠実な関係が侵食され、自分の中にネガティブな要素が生まれた」。画ではそんな恥の感情を、ジョーや家族の愛が温かく包み込む。「ジャックのしたことは間違いだけれど、自分の中の恐怖が間違った行動を引き起こした。恐怖は自分の中にとどめず外に出さなきゃだめ」と作品に込めた思いを明かす。◆「ダウン症って最高」日本のユーチューバーも共感 「ジョーが頑張る姿に感動した」「ジョーが生まれたシーンはうちも同じだった」。東京都内で先月、ジャコモさんのトークショーがあり、ユーチューブの「けん太チャンネル」で発信しているダウン症のあるあべけん太さん(36)と兄の安部俊和さん(42)が感想を語った。映画に、ひとりで下校するジョーを家族が見守る場面がある。けん太さんも3年前にひとり暮らしに挑戦、買い物などを何度も練習し、今は自分のペースで生活を楽しむ。俊和さんは「3時間かけてご飯を食べたり、本人に心地いいリズムで自由に暮らせている」。 けん太さんは「ダウン症って最高。障害者やLGBTQもすてきなので、差別をやめてほしい」と呼びかけた。ジャコモさんは「ダウン症だけでなく誰にでも限界はある。超えられるように助け合うことが歩むべき道だ」と語った。【東京新聞】障がいの有無に関わらず、兄弟間には相性もあり、肉身だけに難しい部分もありますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.24
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ヘラルボニー、障害のある人のための災害情報を届ける活動「#障害者を消さない」を始動避難所で困難を抱える人への情報をまとめた特設サイトを公開はじめに、この度の令和6年1月1日に発生した石川県能登半島地震により、犠牲となられた方々におくやみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、福祉領域の拡張を進める株式会社ヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市/代表取締役Co-CEO:松田 崇弥、松田 文登/以下、ヘラルボニー)は、避難所などにおいて困難を抱える障害のある人たちのためのガイドライン・災害時に役立つ情報をまとめた特設ページを公開し、同時に「#障害者を消さない」を始動。SNSを通じて被災地にいる障害のある人たちのリアルな声を届ける活動を開始します。■東日本大震災、避難所から障害者が消えた2011年に発生した東日本大震災。その後、重度の知的障害のある子どもや大人200人余りが、避難先を転々としている現状が報道※1されました。知的障害や発達障害など、障害のある人のなかには、突然の環境の変化に対してパニックを起こして大声を出したり、落ち着きを失ってしまう方が多くいます。ですが、これらの特性についていまだ一般には知られておらず、災害など非常時における配慮はまだ十分ではありません。そのようななか、障害のある人たちが避難所から追いやられたり、自ら「健常者と同じ場所には(迷惑をかけてしまうので)いられない」と避難所を去っていく状況がありました。※1 2011年3月29日 朝日新聞■「#障害者を消さない」について能登半島で発生した地震において被災された方々の中にも、障害のある人は必ずいます。障害のある人が被災地・避難所で本当に必要とする情報を当事者だけでなく、多くの人に知っていただくため、SNSを通じて「#障害者を消さない」を始動します。 ・特設Webサイト|障害のある人のための災害ガイドライン避難所などにおいて困難を抱える障害のある人たちのためのガイドライン・災害時に役立つ情報をまとめた特設ページを公開しました。「災害用コミュニケーションボード」などを掲載しています。ぜひご活用ください。 特設WebサイトURLhttps://emergency.heralbony.jp■災害時に必要な情報・困りごとをSNS「#障害者を消さない」で募集当事者でない人たちが想像できることには限界があります。何が本当に必要な情報なのか、困っていることなのか、障害のある当事者だけでなく多くの人にその声を届けるため、SNSで広く情報を募集します。また、本特設ページに追加で記載してほしい情報についても引き続き募集します。ヘラルボニー公式Xアカウント(@heralbony)宛にハッシュタグ「#障害者を消さない」をつけて情報をお寄せください。ヘラルボニー公式Xアカウント https://twitter.com/heralbony[PRTIMES]いざという時の為にこういうアカウントがあることを知っておくだけでも違いますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.23
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障害者への性暴力、調査して判明した「おぞましい実態」 加害者の7割は近しい人 「なかったこと」にできるから?障害者が受けた性暴力の実態は、これまでほとんど明らかにされていなかった。理由は、「障害者が大げさに表現しているのでは」と疑われたり、知的障害のために被害を認識しづらかったりするなど「なかったこと」にされてきたからだ。法政大学助教の岩田千亜紀さん(現代福祉学部)が今年、被害経験のある障害者を対象にアンケートを実施。結果から浮かんだのは「加害者は、障害があると分かっていて性暴力をしている可能性が高い」というおぞましさだ。詳しい調査結果を聞いた。(共同通信=山岡文子) ▽被害者と近い関係 ―どのように調査を行ったのでしょうか。 身体障害や精神障害、発達障害などの当事者団体や、支援団体に協力をお願いし、インターネットでアンケートを行いました。回答者は18歳以上であることが条件です。最近受けた被害を思い出してさらに傷つかないよう、過去3カ月以内にドメスティックバイオレンスや性暴力、自殺しようとした人には依頼しませんでした。最終的に54人の回答を分析しました。このうち48人が女性、3人が男性、その他と回答した人が3人でした。 ―どんな性暴力を受けたのでしょうか。 複数回答で最も多かったのが「同意のないボディータッチ」が43人。その次に多かったのは「不快な性的ジョーク」が31人、や「痴漢」が24人、「同意のない性交」が23人でした。―加害者はどういう人だったのでしょうか。 これも複数回答で計131件の事例が寄せられました。7割は、被害者と近い関係にある人です。「友人・知人」が18件、「養親・継親を含む親」が13件、「学校関係者」が12件、「職場関係者」が11件の他、福祉施設関係者、医療関係者など計91件が近しい人から性暴力を受けたという回答でした。「知らない人」からの被害は26件でした。 ―それは加害者が、被害者に障害があると知っている可能性が高いということでしょうか。 回答者の数が限られているため一般化はできません。しかし、その可能性は否定できません。被害を受けた場所は自宅が最も多く、職場や学校も比較的多く上がりました。こうした回答を併せて考えると、被害者が加害者を知っている場合、加害者は被害者の障害について知らないとは、極めて考えにくいと思います。 ▽信じてもらえない ―54人中47人の回答者は性暴力を複数回、受けたという集計結果も出ました。・・・47NEWS[YAHOOニュース]いつになっても改善しない事案の一つですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.22
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障害者雇用という選択私はADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。そんな私は昔から、しっかりしてそう、賢そう、優しそう、と第一印象だけはピカイチでした。この第一印象と実際の能力とのギャップに悩んできたこと、そして障害者雇用で働くという選択にいたった経緯をお話します。発達障害を疑う その1 困り事が増え始めたのは、高校生のころです。ことあるごとに、周囲との理解力の差に違和感を持ち始めていました。親に発達障害の傾向があるのではないかと伝えたところ「あんたはそんなんじゃない」と、とても強く否定されたことを覚えています。私は中学生までは、お勉強ができて大人のいうことには素直に従ういわゆる真面目な子どもでした。一方、私の兄弟は勉強が苦手でやんちゃな、ちょっとした問題児でした。兄弟と比べれば手のかからない子どもが「発達障害かも」なんていっても、納得できませんよね。これ以降、親には悩んでいることを話さなくなりました。発達障害を疑う その2 大学卒業後、メーカーに入社。持ち前の第一印象を買われ営業部に配属されました。でも第一印象だけで乗り越えられるほど、営業の仕事は甘くありません。仕事では困り事が多発しました。見積書の金額ミス、書類の完成はいつもギリギリ、商談中は相手の話が整理できないのでただニコニコと頷くだけで何の提案もできない、仕事の効率が悪く残業続きで寝不足の毎日。当然、得意先からの信頼はえられず、重要な要件は私ではなく先輩に連絡が入ることもしばしば。先輩からは「最初はすごくできる子だと思ったのに、意外とそうじゃなかったね」なんて冗談もいわれました。仕事が辛くてたまらず、再び発達障害を疑い上司に相談することに。すると「普通に話せるのに、何が障害なの?もっと頑張ればいいんだよ」といわれました。自分の考え過ぎだった、努力が足りないんだ、そう思い受診にはいたりませんでした。でも、どう努力すればいいのか分かりませんでした。自分がなぜこんなに困るのか理解できていなかったからです。しんどい状況を変えることはできず、退職を決めました。ついに診断を受けるときがきた その後、医療系の仕事に転職し病院勤務となりました。ここでもミスが多発し、同僚から「人が死にますよ」とまでいわれました。事実だからこそ、今でも思い出すと息が苦しくなる辛い言葉です。このまま医療の現場にいていいのか不安になり、ようやく受診を決意しました。そしてADHD・ASDと診断されました。ショックや不安は一切ありませんでした。それどころか「これで今まで困っていたことに説明がつく!」と安堵と解放感でいっぱいでした。一般雇用で働いてみた 一般雇用で事務職に転職しました。理由は、落ち着いた環境で仕事ができそう、とにかく人の命に関わらない場所で働きたい、というものでした。ところがここでも、仕事を覚えられない、書類のミスが無くならない、電話対応では伝えることを忘れる、といった困り事が多発しました。主治医に相談したところ「環境が合っていない」という結論にいたり、約1か月で退職することになりました。退職の直前、上司にこういわれました。「実はあえて忙しい部署に配属していた。バリバリ働く方が合っていると思ったから」ああ、またそう思われていたのか……。一見誉め言葉ですが、働きやすい環境を求めて転職した私にとってはショッキングな言葉でした。私が障害者雇用を選んだワケ 次に入社する時は「仕事ができそう」という第一印象と、実際の能力とのギャップをできるだけ埋めてから入社したい、そう思いました。発達障害の診断を受けていても、一般雇用で働いている方は多くいらっしゃいます。実際に私も「自分に合った環境さえ選べれば、一般雇用でも働ける」といわれたことがあります。確かに一般雇用に比べると障害者雇用の収入は低く、仕事の幅も狭くなる傾向にあるといわれています。それでも私にとっては障害者雇用の方にメリットが多いと思い、障害者雇用を選択しました。もし一般雇用の面接で「実は仕事で困ることが多くありまして……」と伝えたら、きっと面接官は驚いてしまうでしょう。これが障害者雇用であれば、雇う側も「何かに困っている人だな」とある程度の構えを持ってくれているはずです。この構えがあるだけでもギャップを埋めるハードルは低くなると考えました。おわりに どんなに自分に合う職場が見つかっても、このギャップは無くなることはないでしょう。これからも上手く付き合っていかなければならない、私の課題です。にわかせんべい(ライター名)ストレス発散法は月に一度のひとりカラオケ。リフレッシュ法は笑うこと。涙活ならぬ笑活。ツボは映画「南極料理人」。【障害者.com】自分に最適の居場所は自分にしか分からないのでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.21
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知的障害者に水泳指導21年・池田さん 内閣府からエイジレス章を受章長崎県諫早市で知的障害者の水泳クラブ「諫早ペンギンクラブ」をボランティアで運営し21年になる池田篤代表(75)に、内閣府から本年度のエイジレス章が贈られた。26日、妻で専任コーチの博子さん(75)と市役所で大久保潔重市長に報告した池田さんは「生徒たちはもちろん、保護者も喜んでくれている。受章を励みにこれからも頑張りたい。障害者スポーツの底辺が広がればうれしい」と笑顔を見せた。 同章は、社会に貢献しながら自由で生き生きとした生活を送る「エイジレス・ライフ」を実践している高齢者に授与している。本年度は全国で60人が受章した。 同クラブは2002年10月に発足。夫婦で「障がい者スポーツ指導員」の資格を取得し、森山スポーツ交流館(森山町)の温水プールで週2回教え、20歳~43歳の17人が市内外から通っている。毎年秋の全国障害者スポーツ大会にはこれまで6人が県勢として出場。金メダルを獲得した生徒もいる。 市長への報告で池田さんは、最初は全く泳げなかった生徒たちが生き生きと練習に取り組んでいる様子などを紹介。障害者の練習場所が限られていることにも触れ、「諫早に障害者仕様のプールがあれば、全国大会や九州大会も誘致できる」と整備の検討を求めた。【長崎新聞】エイジレス章、すてきな試みですね。570万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。遅れ馳せながら、本年もよろしくお願いします。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.20
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発達障害について子どもたちに知ってもらうコンサート 下呂市見た目ではわかりにくい発達障害について子どもたちに知ってもらおうというコンサートが岐阜県下呂市の小学校で開かれました。このコンサートは、下呂市の小坂小学校が初めて開きました。19日は発達障害がある麻由美さんがボーカルをつとめるバンド、「&blue」が流行りの曲などを演奏し、4年生から6年生の約60人がリズムをとりながらきいていました。曲の合間には麻由美さんが自身についてしょっちゅう忘れ物をしたりスマホや鍵をなくしたりして生きにくさを感じていたものの数年前に発達障害であることがわかり、ほっとしたというエピソードなどを伝えました。このあと1年生から3年生も加わり、「あわてんぼうのサンタクロース」などを一緒に歌って楽しんでいました。6年生の女子児童は、「私たちも得意なことや苦手なことがあるけれど、発達障害はその差が激しいということがわかったので、カバーしながら接したいし、思いのこもった歌を聞けてよかったです」と話していました。麻由美さんは「子どもたちが楽しそうでよかったです。いろんな人がいるので、みんなで助け合って生きていくことが大切だと伝わっていてほしい」と話していました。岐阜 NEWS WEB(動画あり)[NHK NEWSWEB]こういうチャンスはなかなかないので、貴重な体験でしたね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.19
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「障害のある子は天使」だなんて思えない…障害児を育てる親を苦しめる“励ましの言葉” 障害のある子どもに対して、「こういう子って天使だよね」と言う人がいます。子育て本著者・講演家である私の息子は23歳で、知的障害を伴う自閉症です。幼い頃、息子はこだわりが強く、それが通らないとパニックに陥り、暴れ、自傷行為をし、私は疲労困憊(こんぱい)状態でした。そんな息子を育てながら、決して“天使”とは思えませんでした。 あるとき、息子が街中で迷子になったことがあります。必死で探しながら、心のどこかで「永遠に見つからなければいいのに」とさえ思いました。「ひどい母親だ」と責める人もいるかもしれませんが、そのときの私は瞬間的に、自然とそう思ってしまったのです。 障害児を育てているママに、「親を選んでやってきた」「神様が与えてくれた天使」と励ます人もいますが、受け止める側は内心「選ばれたくなんかなかった」と思っていることもあります。障害の上に「性格」「個性」がある 障害児ではなく、定型発達の子を育てていても、夫婦間の子育てやしつけの仕方に対する考え方の相違が生じ、家庭内で言い争いが絶えない家庭があります。 また、母親は「食事の前にお菓子を食べてはいけません」「ゲームは一日1時間だけ」と厳しくしているのに、父親がお菓子を食事前に与えたり、「好きなだけゲームしていいよ」と言ったりすることで、子どもがダブルバインド状態に陥り、相手を見て態度を変えるようになり、そのことがきっかけで、夫婦間でいさかいが絶えなくなることもあります。 もし、わが子が発達障害だった場合、子育てやしつけの仕方だけではなく、子どもの障害を認めるか認めないかで、定型発達児の子育て以上に、さらに夫婦間に溝ができることがあるかもしれません。 例えば、妻側は子どもの障害を受け入れて療育手帳を取ったり、療育を受けさせたりしたいのに、夫側が「こんなに小さいうちから障害児のレッテルを貼る気か!伸びるものも伸びなくなる!」と拒否したり、小学校の進学先を通常級にするか支援級にするかで争ったり……。家庭内でそうした状況に陥っているとき、「こういう子って天使だよね」と言われたら、とても嫌な気持ちになります。 「障害のある子の存在が、家族の絆となる」といったテーマが、時々テレビで取り上げられることがあります。“美談”や“感動ポルノ”とやゆされることもあります。しかし一方で、子どもの障害によって夫婦間に溝ができ、離婚に至るケース、また、育てにくい子として虐待に発展しているケースもあります。「発達障害児が虐待を受けているケースは、定型発達児の4倍」というデータもあるようです。 障害がある子を育てている親の中には、たとえ励ますつもりでも「こういう子ってピュアだよね」「秘めた才能があるよね」「天使だよね」などと言わないでほしい、と感じている親もいます。 そもそも障害は、染色体異常や脳の機能障害といったことが原因です。性格や個性は障害の上に、育った家庭環境や幼稚園、保育園、学校環境、友人関係などが複雑に影響してつくられていきます。 私の周りには、素直なダウン症児も、自閉傾向が強いダウン症児も、いじわるなダウン症児もいます。同じ障害があっても、性格や個性はその子によってさまざまなのです。「それでも、あなたがいてよかった」 同様に「秘めた才能があるから、そこを伸ばしてみたら」も、よく言われます。言葉をかけた人は勇気づけようとして言っていると思うのですが、この言葉で“療育の鬼”と化し、才能探しの旅に出たり、“才能の温泉掘り”に走ってしまったりする親御さんもいます。 でも、そういうときの親の顔は“眉間にシワ”の怖い顔になっていたり、子どもが思い通りにならない残念さで悲しそうな顔になっていたりします。 また、「才能を生かした職業に就いたら」と励まされ、「今から職業のことも心配しなくてはならないのか!」と感じ、そのプレッシャーに押しつぶされている親御さんもいます。 定型発達の人であっても、才能を生かして自立し、職業に生かせている人はほんの一握りです。「障害がある子は、何か秀でた才能を生かさなきゃいけない」と思う必要はないのではないでしょうか。 「子どもを受け入れる」というのは、たとえ秀でた才能がなくても、わが子の今の状態、存在そのものを受け止めることだと私は思います。 障害がある子を育てる私の友人が、こう言っていました。 「ちゃんとトイレに行けるようになったとか、偏食が減ったとか、目的地まで歩けるようになったとか、靴をそろえたとか、脱いだものをちゃんと洗濯かごにいれたとか、そんなことを喜んで、育てて、暮らしてきました。 絵も描けません。字も書けません。すごい暗記力もありません。スポーツもできません。テレビ番組にも、パラリンピックにも、スペシャルオリンピックにも出られません。ごく普通の障害児です。それでも、あなたがいてよかった。あなたでよかった」 「秘めた才能があるはず」「親を選んでやってきた天使」。耳に心地よさそうに聞こえても、相手にとってはつらい言葉になっていることもあります。皆さんはどうお感じになりますか。子育て本著者・講演家 立石美津子大人ンサー【YAHOOニュース】私も息子が自閉症だと診断された時に、親戚には「白い画用紙に作品を描くように育てなさい。」と言われ、なんとも言えない辛い気持ちになったものです。親ともなればきれいごとでは我が子は育てられませんね。長い年月を掛けてそれらしい親になっていくのでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.18
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「何歳?」と聞かれても答えられない発達障害の少年 「この子は…」初めて出会った人からの言葉に「すごく嬉しくなった」「自閉スペクトラム症」は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。自閉症といっても人によってこだわりや苦手なことも異なります。中村聖子(@dekoboko_mama)さんは、3人のお子さんを育てるシングルマザーです。末のお子さんは自閉症で重度知的障害をもっています。 中村さんはInstagram上で発達障害育児について投稿しています。嬉しくなった言葉今回投稿されたのは、息子さんが塩工房の塩釜の炎を見つめていたときの出来事です。 「何歳?」と聞かれても答えられない息子さんの代わりに中村さんが「7歳」と答えました。すると、それに対して初めて会った観光客の方は「この子は自然や感覚を味わうのが好きなのね」と声をかけました。 中村さんは、わかる人にはわかるんだなぁと嬉しくなったそうです。発達障害育児のリアルについての発信ー発達障害育児のリアルについて発信していこうと思ったきっかけはなんですか? 私自身がいちばん孤独で壮絶だと感じていた時期に、リアルな発信を求めていたからです。「私と同じような思いをしている人はいないのかな?」「いたとしたらどんな風に乗り越えているんだろう?」と、生の情報を知りたくてネットで検索しまくりました。今でこそリアルな情報発信は増えていますが、当時はあまり見つけられず、「私と同じように悩んでいる人がいるかもしれない」と思い、自分から発信してみようと思いました。 その他にも、「子どもの成長記録を残すため」と「子どもに関わってくださる方へ言葉だけで伝わらない様子をわかりやすく伝えるため」という理由から発信を続けているという中村さん。子育てで困難なことー中村さん自身HSS型HSPとありますが、子育てにおいてなにか困難に感じることなどはありましたか? 直感ですぐ行動に出るので積極的に見られがちなんですが、エネルギーの使い方が下手なので疲れすぎて動けなくなったりすることがよくありました。子どもたちにとって役に立ちそうな情報を集めて、片っ端から実践してくなど、自分よりも子ども優先になりすぎてしまい、身も心も疲弊していました。 ーどのように乗り越えたのでしょうか?心の学びを通して自分を整えることの大切さを知り、まずは自分のコップを喜びや愛で満たすことを意識し始めたらずいぶん楽になってきました。乗り越えたというより、認めてうまく付き合えるようになってきた、という感じかもしれません。息子さんの感じる力ーこのときのように息子さんが座り込んでじっと見ているのにはなにか理由があるのでしょうか? 息子が見ているのは塩工房の塩釜の炎です。きっと炎の揺らぎや、木がパチパチと燃える音、温かさなど、いろんな感覚を全身で味わっているのだと思います。 ーこの観光客の方の言葉を聞いたとき、どう思われましたか?純粋に嬉しかったです。「話ができない」と聞くと「かわいそう」と思われることが圧倒的に多かったのですが、あの観光客の方はとても温かいまなざしで、息子の感じる力を褒めてくださったように感じたので、心がほっこりしました。前向きな発信ー発達障害をもつお子さんを育てるうえで、今まで大きく悩んだことはどのようなことでしたか?とにかく今まで「常識」だと思っていたことがまったく通用しないことです。世間一般的な考えに当てはめると、常識外れな言動が多いので、周りからの冷たい目線も言葉もたくさん浴びてきました。 ーどのようにして乗り越えられたのですか?>「必要なことしか起こらない」「目の前に現れる人は自分の写し鏡」だということを知ってからは、何が起きても「このことから学べることは何?」と考えるようになり、自分を内観できるようになってきたので、周りのことが気にならなくなりました。そして、息子のことを枠にはめずに見られるようになりました。 ーほかにもいつも前向きな言葉で投稿をしていることが多いと感じました。発信していくうえで意識していることがあれば教えてください。 意識しているのはありのまま、リアルな日常をお伝えすることで、同じように悩んでいる方の口角が少しでも上がればいいなと思っています。また、専門家や国を動かすような大きな力を持った方にも見ていただき、発達障害の研究が進んだり、福祉サービスの充実につながってほしいという思いもあります。 ーSNSで発達障害育児のリアルを発信することで、育児や考え方、ユーザーとの交流などにおいて変化はありましたか? はい。何事に対しても「いい、悪い」「正しい、正しくない」とジャッジする考え方を手放せつつあります。まだまだ未熟ではありますが、発信を始める前の私に比べると大きく変化してきています。 ー今後、息子さんやご家族で行ってみたい場所やチャレンジしたいことなどはありますか? 私は元々ひとり旅が大好きで、いろんなところを回ってきました。いつか、子どもたちと一緒に世界一周旅行をしながら、私の体験談を語って回る「旅するYouTuber」とか「旅する講演家」みたいなのが理想です。 中村さんの前向きな発信に助けられたという人は多いのではないでしょうか。子育てに悩みはつきもの。そんなときに同じような境遇の人の言葉が聞けるのは心強いですよね。ほ・とせなNEWS[YAHOOニュース]日々悪戦苦闘しながらの育児、周りの目も気になるもの・・。その中でも理解者がいるとホッとしますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.17
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放課後デイに5300万円賠償命令 自閉症スペクトラム障害児の死亡障害がある子どもを預かる放課後等デイサービス事業所がサービス提供中、男児(当時7歳)が施設を抜け出し近くのため池に転落して死亡したのは施設側が安全配慮義務を怠ったことが原因として、両親が約7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、山口地裁であった。秋信治也裁判長は施設側の過失を認め、約5300万円の支払いを命じた。男児は今道爽太さん。山口市朝田の事業所「ツインテラス」に通っていた2021年8月、無施錠だった窓から施設を出て行方不明となり、その後近くのため池に浮かんでいるのが見つかり、死亡が確認された。 秋信裁判長は判決で、今道さんが自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断を受けており、興味のある方向へ走り出すといった特性があることを職員間で共有していたと指摘。「生命、身体に危険が及ぶ可能性を十分予見できた。施設側は出られないように措置を取るか、動静に十分注意すべき義務があったが、怠った」と認定した。健常者と障害者の平均賃金に差があるとして、賠償額の一部を減額した。毎日新聞[YAHOOニュース]不意の隙でも抜け出してしまう特性、ちょっとした油断が事故に繋がりますね。命はお金には変えられないけど、妥当な判決でしたね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.16
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自閉症の息子、要介護2の義母の世話に疲れました……。帯年収は300万円ほどですが、どうにか「生活保護」を受給できないですか?家族に介護が必要な方がいる世帯では「介護と日常生活との両立で大変だ」という声をよく耳にします。特に、例えば義理の母に息子にと、2人の人間の世話をしながら生活する状況であれば、なおさらです。 介護に疲れ果ててしまい、どうしたらいいか途方に暮れている方もいるでしょう。そこで、世帯年収300万円で介護に疲れた方は生活保護を受給できるのかについて考えてみました。世帯年収300万円では、生活保護を受けられないこともある地域や家族構成によっても異なる点ではありますが、世帯年収300万円という状態では、生活保護の受給は難しいでしょう。なぜなら、生活保護には世帯の構成や居住地によって基準額が定められているからです。その基準以下でなければ、生活保護による金銭的な支援はなされないようになっています。 確かに、要介護2の状態である義母の介護のために仕事が継続できず、生活が立ち行かなくなるような場合は、生活保護の対象となり得ます。しかし、世帯年収が300万円ある状態では、生活保護を受給するための収入の基準額を満たさず、生活保護が受けられない可能性が高いのです。 生活保護の基準額は、大変低く設定されています。最も基準額の高い、東京都23区など「1級地-1」に区分される都市部においては、夫婦と子1人の世帯であっても、基準額は16万4860円となっています。世帯年収300万円で「40代の夫と妻、自閉症である中学生の子、70代で要介護2の状態にある義母」からなる世帯において、生活保護を受けるのはそう簡単ではないでしょう。仕事を辞めたとしても、生活保護を受けられるとは限らない「世帯年収が300万円あることで生活保護を受けられないなら、仕事をやめたり減らしたりすればよい」と、考える方もいるかもしれません。 しかし、そうしたとしても生活保護を確実に受けられるとは限りません。生活保護は、自身の有する資産や能力などを活用しても、最低限度の生活ができない場合に受けられるものです。「義母が要介護2という状況で、介護する側の負担が重く、鬱を発症したり過労から体を崩したりして働けなくなってしまった」といったような場合には、生活保護を受けられる可能性があります。しかし、ただ単に「今がつらい」というだけで仕事を辞めても、生活保護の要件を満たしていないと判断され、生活保護を受けられない可能性があります。健康で、働くことができる場合は、自身で働いて収入を得ることが求められるからです。 そのため、「今がつらい」と仕事を辞めたとしても、生活保護を受けられないことは理解しておくべきでしょう。現実的なのは義母と世帯分離すること生活保護の受給の可否は、世帯単位で行われます。それに基づき、生活保護を受けるためには「世帯分離をする」という方法があります。世帯分離をすることで、介護のために親族と同居していても、その介護が必要な方だけが生活保護を受けることができます。 そうすることで、世帯年収が300万円ほどであっても、介護を必要とする義母だけが生活保護を受け、世帯全体の負担を減らすことが可能になるのです。なお、世帯分離をしたからといって、義母との別居を求められるわけではありません。必要に応じて同居が認められる可能性もあります。 とはいえ、世帯分離で生活保護を受給することは、どちらかといえば例外的です。必ず認められるわけではありません。まずは、世帯分離によって生活保護が受けられる可能性があるのか、事前に住んでいる市区町村役場の生活保護担当部署や、社会福祉協議会へ相談してみてください。まとめ自閉症の子の面倒を見つつ義母の介護までしていて、かつ世帯年収300万円という状況では、日々が辛くなってしまい「いっそ生活保護を」と考えるのも無理はありません。しかし、生活保護は基準を満たさない限り受けられません。 もし、生活保護を本気で考えているのであれば、住んでいる市区町村の役場や管轄部署、社会福祉協議会などへ相談してみてください。出典 厚生労働省「生活保護制度」に関するQ&A東京都福祉保健局 生活保護制度とはどのような制度ですか。 執筆者:柘植輝 行政書士ファイナンシャル フィールド【YAHOOニュース】子育て支援よりは今後は介護支援が必要になってきますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.15
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自閉症のわが子が描いた絵 親たちの希望に息子が「自閉症」と診断されたのは、3歳のときでした。会話をするのが難しく、すぐに目の前からいなくなってしまうため、泣きながら探し回ったという母親。そんな“わが子の世界”が見えるようになったのは、息子が小学6年生のとき、描き始めた絵がきっかけでした。現在、中学生になった息子。色鮮やかな絵は、母親だけでなく、障害のある子を持つ親にとっても、希望になっています。・・・(12月7日 「お好みワイドひろしま」で放送)[NHK NEWSWEB]こちらでも放送されていて、何よりお母様の明るい表情が印象的でしたね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.14
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【発達障害に対する支援(1)】 自閉スペクトラムと発達の多様性 小学5年生のユウトくんは給食の時間になるといつも気が重くなります。そのクラスでは数人のグループになって給食を食べるのですが、他のクラスメートが楽しそうに話す会話の輪に入れません。話題を合わせることができないのです。また、小学4年生のメイさんはウミウシが大好きです。話題といえばちょっと不思議な海洋生物のことばかりで、クラスに気の合う友達が一人もいません。この2人には共通の特徴があります。それは「自閉スペクトラム症」の診断を受けていることです。 自閉スペクトラム症(ASD)とは自閉症の特徴を持つ発達障害のことで、DSMという国際的な精神医学の診断書に記載されている診断名です。社会的コミュニケーションと対人的相互反応の問題、そして行動や興味などの限定された反復的な様式を特徴とします。簡単に言うと、人との関わり合いに難しさがあり、こだわりがとても強いということです。「スペクトラム」とは連続体という意味で、光のスペクトルを例に挙げると、虹にはさまざまな色が含まれますが、それぞれの色をはっきり分かつ境界線はありません。ASDも医学的に診断される人、診断はされないものの特性を持つ人、特性が濃い人や薄い人など、つながりつつ多様な現れ方をすることが分かり、スペクトラムという表現が使われるようになりました。そして、この考え方が発展し、神経多様性(ニューロ・ダイバーシティ)という概念が生まれました。脳の在り方は多様で、ASDは少数派ながらもその一つの現れという考え方です。 一方、自閉症の特性を持たない通常の発達は「定型発達」などと呼ばれます。そして今日、ASDは脳の故障でなく、定型的でない脳の問題と考えられるようになりました。つまり、ユニークな働きをする脳の持ち主ということです。そのような観点は、自閉症の特徴を「症状」でなく認知や行動の「スタイル」として見ることにもつながります。そして、少数派の人たちのスタイルを理解し、歩み寄る必要があります。また、ASDやその特性を持つ子どもたちも多数派の社会に適応するためのスキルを学ぶと生活しやすくなるでしょう。 本連載では、自閉症の特性と学校での問題の現れ方や指導・支援のポイントなどについて、具体例を挙げて紹介していきます。【プロフィール】藤野博(ふじの・ひろし) 東京学芸大学大学院教育学研究科教授/東京学芸大学附属特別支援学校校長。東北大学大学院教育学研究科博士前期課程修了。博士(教育学)。「発達障害の子どものコミュニケーションと社会性の発達と支援」をテーマに研究している。近著に『自閉症のある子どもへの言語・コミュニケーションの指導と支援』(明治図書)など。【教育新聞】コミュニケーション発達の理論と支援 (シリーズ 支援のための発達心理学 1) [ 藤野博 ]コミュニケーションと社会性、一番難しい部分なんでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.13
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虐待のあった知的障害者施設は変われたか 西興部村の事件から1年 出向職員に聞く<デジタル発>オホーツク管内西興部村の知的障害者らが入所する施設「清流の里」で、職員6人が入所者13人に対し、虐待を繰り返し行っていた事件が発覚してから1年。社会福祉法人「はるにれの里」(石狩)職員の中野喜恵さん(58)=西興部村出身=は、今年2月から清流の里に出向し、生活支援課長として施設の立て直しに取り組んでいる。虐待のあった施設は変わることができたのか―。中野さんに聞いた。(報道センター 高野渡)清流の里の虐待事件とは 2022年5~6月にかけ、社会福祉法人に「にしおこっぺ福祉会」が運営する入所施設「清流の里」で、職員6人が入所者13人に対し、お盆にこぼしたご飯を食べさせたり、体を無理やり引っ張ったりする虐待をしていたことが昨年12月に発覚した。村は身体的虐待や心理的虐待38件を認定した。職員6人は昨年12月26日付で懲戒解雇された。6人は暴行容疑で書類送検され、うち5人が略式起訴された。複数の職員が繰り返し虐待をしていた実態は、道内の福祉関係者に衝撃をもたらした。人手不足に対応するため、昨年12月から今年2月にかけ、北海道知的障がい福祉協会(札幌)は延べ14人の職員を派遣した。■虐待の背景にコロナ禍 ――清流の里になぜ出向したのですか。 「北海道知的障がい福祉協会から声がかかり、推薦を受けて2023年2月に出向しました。24年3月までの約1年間です。私は4年前から、自分の体を傷つけてしまうなどの行為をしてしまう『強度行動障害』など支援が難しい人たちへの対応について、現場に入って助言するコンサルタントの仕事をしています。適切な対応の仕方が分からないと、無理やり体を押さえつけるなどの虐待につながるからです。強度行動障害の支援者を対象にした国の研修も担当しています。そうしたことから声が掛かったのだと思います。清流の里では、入所施設のほか、生活介護事業所などの業務を取り仕切る生活支援課長を務めています」「清流の里」での取り組みについて語る中野さんなかの・きえ 1965年生まれ。興部高校、文化女子大学室蘭短期大学(現在は廃止)を卒業後、知的障害者の児童入所施設や保育園で働き、2001年に「はるにれの里」職員になった。生活介護事業所「ぼぬーる」所長などを歴任し、自閉症のある人の支援などに長年携わってきた。19年から強度行動障害の人の支援の仕方などを助言する「特別な支援に関わるプロジェクト(STP)マネージャー」。福祉業界を目指したのは、農協で働く父が知的にハンディのある同僚を連れて毎日のように家でご飯を食べ酒を飲み、交流していたことがきっかけで「自然と福祉を志していた」。 ――新型コロナウイルス禍で入所者が家族と接する機会が制限されたことで、虐待が発覚しにくい側面にあったと指摘されています。コロナ禍の影響をどう考えますか。 「コロナ禍で家族との交流も減り、外部の目が届きにくい状況でした。また、職員の研修は、オンラインで話を聞くことだけになっていました。虐待に関する知識も十分ではなく、利用者が暴れ出した時の対応やコミュニケーションの仕方が分からなかったことも、虐待の要因の一つだと思います。利用者について職員が話し合うケース会議や朝礼も開かれておらず、職員間の意思疎通も不十分でした」...この記事の続きをお読みいただくには、購読申し込み、または無料会員登録(道新ID取得)が必要です。[北海道新聞](西興部村の清流の里。知的障害者ら約40人が入所する)少しずつでも態勢が改善しているようですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.12
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発達障害に映画で理解を 室工大で上映会 観る会、1月27日 室蘭工業大の教員志望の学生や社会人らでつくる「発達障害の映画を観る会」は1月27日午後1時から、室工大大学会館多目的ホール(水元町)でドキュメンタリーとドラマ作品の無料上映会を行う。(会員限定記事)【北海道新聞】教員志望の大学生を中心に作られた発達障害テーマの映画、多くの理解を得られそうですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.11
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発達障害の患者の頭に「磁気刺激」、学会も認めない療法を勧めるクリニック 治療代のため高額ローンを組ますケースも。専門医から「発達障害ビジネス」と批判の声「発達障害に頭部の磁気刺激治療が効く」と宣伝している精神科クリニックが物議を醸している。「TMS」と呼ばれるこの治療法は比較的新しく、うつ病患者には保険適用されているが、発達障害への効果は日本精神神・・(有料会員限定記事)【北海道新聞】限定記事なので、全容が把握できませんが、藁をもつかみたいと願う患者の思いを逆なでするようなビジネス、実にやるせないですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.10
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知的障害の子らにクリスマス音楽を 天白区で愛産大工高生愛知産業大工業高校の生徒らが19日、知的障害のある子どもたちが生活する「市あけぼの学園」(天白区植田山2)を訪れ、清掃やコンサートなどのボランティア活動をした。 清掃には生徒会執行部と有志計50人が参加し、子どもたちが暮らす寮の窓拭きや寮周辺の草取りなどをした。生徒会長の2年藤崎流李(るい)さん(16)は「安心して生活するためには施設をきれいに保つのが大事。元気に過ごしてほしい」と願った。 清掃後は隣接する天白特別支援学校の体育館で、マーチングバンド部の生徒50人による学園の子ども向けのクリスマスコンサートを開いた。「きよしこの夜」「サンタが街にやってくる」などを吹奏楽やハンドベルで演奏。サ...この記事は会員限定です。【中日新聞】クリスマスにちなんだ曲を演奏するマーチングバンド部=天白区植田山2で残念ながら会員限定記事ですが、何とも素敵な交流ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.09
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発達障害で意外に多い自閉スペクトラム症 早期訓練より早期ブレーキを「発達障害のリアル」を、自身も発達障害(学習障害)の息子を育てるフリーランス編集者・ライターの私(黒坂真由子)が模索する本連載。このたび1冊の本になり、『発達障害大全』として近日、発売となる(アマゾンなどで予約販売中)。 前回に続き、ASD(*1)研究の第一人者、本田秀夫氏に話を聞く。発達障害は、さまざまな障害を含む概念だが、最も多いのはADHD(*2)だといわれている。しかし、本田氏らの研究から、ASDの人の数は、これまで考えられていたより、ずっと多いことがわかってきた。*1.ASD:自閉スペクトラム症、「Autism Spectrum Disorder」の略称。*2.ADHD:注意欠如多動症、「Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder」の略称。 前回に続き、ASD(*1)研究の第一人者、本田秀夫氏に話を聞く。発達障害は、さまざまな障害を含む概念だが、最も多いのはADHD(*2)だといわれている。しかし、本田氏らの研究から、ASDの人の数は、これまで考えられていたより、ずっと多いことがわかってきた。*1.ASD:自閉スペクトラム症、「Autism Spectrum Disorder」の略称。*2.ADHD:注意欠如多動症、「Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder」の略称。増えているのは、知的障害のないASD本田:ただ、診断が増えていることと、実数が増えているかどうかは別の話です。大人になってから初めて診断される人も増えていて、その人たちは子どものころに見落とされているわけですから。 ああ、そういうことなのですね。そのなかで知的障害を伴う人の割合はわかっているのですか。本田:今は、そのデータを持っていないんです。 先生のこれまでの臨床経験のなかで考えて、何割くらいだろうといった体感などありますか?本田:ちょっとわからないですね。特に大学病院で働くようになってからは、そういった実感を持ちづらくなっています。大学病院には、特殊なケースが紹介されることが多いですから。ただおそらく全国的に、ASDと診断されている人たちの圧倒的多数は、知的障害がないと思います。 地域の保健や医療の体制にもよりますが、知的障害があるほうが、早くにASDの診断につながりますよね。 そうですね。周りが気付きやすいと思います。本田:そういった事情から、これまで、ASDには知的障害がある人が多いと思われていた可能性があります。知的障害のない人のなかに、ASDの特徴を持っている人が結構いるとわかったのは、1980年代から90年代前半にかけてのことです。90年代に「ASDには知的障害のないケースの方がむしろ多い可能性がある」ということを初めてデータにしたのは、僕らです(*1)。 当時は「高機能自閉症(*2)」や「アスペルガー症候群(*3)」などと呼ばれました。知的障害のあるASDの人というのは、それ以前から見つかっていましたからそこの数字は変わらず、知的障害のないASDがどんどん増えてきているという感じになります。2000年代に入ってからもその傾向は続いています。*1. H Honda, Y Shimizu, K Misumi, M Niimi, Y Ohashi. Cumulative incidence and prevalence of childhood autism in children in Japan(1996), The British Journal of Psychiatry*2.高機能自閉症:幼児期に言語発達の遅れを示すが、知的障害のない自閉症を指す。*3.アスペルガー症候群:(Asperger syndrome):知的発達や言語発達に遅れがないタイプのASD。現在は、共通の特徴を持つ1つのスペクトラムとして、ASDという概念にまとめられている。 なるほど。数字が変わらない部分と、変わる部分がはっきりしました。本田:おそらくASDの要素と知的障害の要素は、独立の因子なのだと思います。知的障害のほうは、昔から把握されていたので、知的障害の因子で、患者さんを診るうちに、そこにASDも混ざっていることがわかってきた。それを今度は、ASDの因子を軸として診てみると、ASDのなかで知的障害がある人はごく一部にすぎない、むしろ知的障害のない人のほうが多いかもしれないということがわかってきた。そんな流れだと思います。「療育」とは、何か? ASDにかぎらず、発達障害と診断される人は増えていると思います。それに伴い、療育を受ける子どもが増えてきました。ただ、何をもって療育と呼ぶかというと、曖昧な印象を受けます。先生にはぜひ、療育についておうかがいしたいと思っていました。療育に定義はあるのでしょうか。・・・(会員登録記事です)【日経ビジネス】「発達障害大全」書き下ろしの為に対談の内容のようです。自閉症児に早期ブレーキを、納得です。☄にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.08
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発達障害大全内容紹介発達障害について、知っておきたかったこと、知りたいこと、これから知っておいたほうがよさそうなこと。生きづらさを軽くするため、知りたいことすべて ――ありそうでなかった「発達障害の教科書」。発達障害の子を育てる編集者・ライターが、各界第一人者の医師、研究者など13人に、あらゆる疑問をぶつけてとことん聞いた。入門書にして決定版!◎ 発達障害とは「脳の個性」◎ 発達障害に必要なのは「治療」ではなく「対応」◎ ADHDの薬には「劇的な作用」がある◎ 本当に怖いのは「二次障害」◎ 発達障害の診断が「自尊感情」を守る◎ 「IQが高い発達障害の子」は見逃されやすい◎ 「いじめられやすい子」が主役になれる特別支援学校◎ 仕事選びで大事なのは「絶対に向かない仕事」を知ること◎ 発達障害で障害者手帳をとることに損はない ……など。[本書にご協力いただいた方たち](1)医師(監修者)【精神科医・岩波明氏】ADHD(注意欠如多動症)研究の第一人者。日本初のADHD外来を立ち上げ、「大人の発達障害」の存在に光を当てた。【児童精神科医・宮口幸治氏】『ケーキの切れない非行少年たち』などの著作で、「軽度知的障害」や「境界知能」の問題に光を当てた。【小児科医・高橋孝雄氏】慶應大学医学部などで40年以上、小児科の臨床現場に立ってきた。優しく的確な子育ての助言に定評がある。【精神科医・本田秀夫氏】ASD(自閉スペクトラム症)研究の第一人者。発達障害の子どもを成人期まで診療した臨床経験を豊富に持つ。(2)当事者(診断を受けて社会で活躍する人たち)【漫画家・沖田×華氏】学習障害、ADHD、アスペルガー症候群(現在はASD)の診断を受けている人気漫画家。【作家・借金玉氏】大学時代にADHDの診断を受ける。早稲田大学卒業後、大手金融機関をへて起業し、大きな借金を背負った経験を持つ。【経営者・似鳥昭雄氏】ニトリホールディングス会長・創業者。70歳をすぎて発達障害の診断を受けた。(3)研究者(監修者)【中邑賢龍氏】東京大学先端科学技術研究センターを拠点に、個性的な子どもたちのための新しい学びのあり方を探る。【宇野彰氏】学習障害の中核である「発達性読み書き障害」を研究する、この分野の第一人者。子どもたちへの読み書きの指導も手掛ける。【横道誠氏】自身がASDとADHDの診断を受けたのを機に「当事者研究」をスタート。診断を受けた当事者の視点から、発達障害の情報発信を続ける。【松本敏治氏】ASDの言語発達を切り口にしたユニークな研究を手掛ける。2017年刊行の著書『自閉症は津軽弁を話さない』が、話題を呼ぶ。(4)教育と仕事のプロフェッショナル(監修者)【学校長・東野裕治氏】大阪府で特別支援学校の校長を歴任。発達障害の子どもが利用することの多い特別支援教育の現場をよく知る。【経営者・鈴木慶太氏】自身の子どもの発達障害をきっかけに発達障害の人に特化した就労支援を手掛ける株式会社Kaienを起業し、経営する。[日経BOOKPLUS]発達障害大全 「脳の個性」について知りたいことすべて [ 黒坂 真由子 ]本田先生も監修に名を連ねていますね。本格的な教科書のようですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.07
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「朝起きると死んでたらいいなと思ってた」発達障害グレーゾーンの映画監督・瑚海みどりと漫画家・クロミツが対談【映画「99%、いつも曇り」公開&書籍「灰低カタルシス」発売記念】2023年12月15日に映画「99%、いつも曇り」がアップリンク吉祥寺で公開された。インディース映画の登竜門とされる第17回田辺・弁慶映画祭ではグランプリなど5冠を達成し、発達障害の傾向がある女性のリアルな生き様を描いた本作に絶賛の声が集まっている。映画を手掛けたのは、50代にして初の長編映画監督を務めた瑚海(さんごうみ)みどり。女優として本作の主人公も演じている。 主人公は、アスペルガーの傾向があるアラフィフ女性・楠木一葉。母親の一周忌に叔父から言われた「子どもはもう作らないのか」という言葉をきっかけに、発達障害グレーゾーンである自分自身の存在や夫の気持ち、子どもをもつことの難しさに葛藤していく。瑚海みどり監督自身も発達障害グレーゾーンの当事者のひとりだ。発達障害グレーゾーンとは、発達障害の傾向があるものの発達障害という診断には至らない状態を指す。本作では、発達障害グレーゾーンであるが故の生きづらさを知る当事者として、「子どもをもつことは幸せの証」という世の中の“普通”に真正面から疑問をぶつけ、発達障害グレーゾーンに悩む女性の生き様を描き切った。■対談の内容を一部公開「私の人生は昔があって今がある」アップリンク吉祥寺に続き、2024年1月からはシアターセブン(大阪)やアップリンク京都での上映も決定している映画「99%、いつも曇り」のパンフレットには、瑚海みどり監督と同じく発達障害グレーゾーンの当事者である漫画家・クロミツ氏との対談が掲載されている。クロミツ氏はKADOKAWAより12月20日に発売されるコミックエッセイ「灰低カタルシス グレーゾーンダイアリー」の作者で、40代半ばで判明した発達障害グレーゾーンという特性と向き合い、生きづらさを克服していく奮闘記を描いた。 この度、そのクロミツ氏と瑚海みどり監督の対談内容を抜粋紹介する。■【対談】漫画家クロミツ VS 瑚海みどり +KADOKAWA編集 澤田(一部抜粋) (瑚海みどり/以下、瑚海)映画って観てもらいました?(クロミツ/以下、クロ)あ、観ました。 (瑚海)あ、観ました?どうでした?(クロ)あの、すごいリアルだなと思いました。一つひとつの所作がすごいリアルに感じましたね。 (瑚海)私自身はちゃんと診断は受けてないんです。私、役者をずっとやってたんですけど、いっとき辞めてて。そのとき、昔お世話になった劇作家から演出助手をやってくれないか?って頼まれまして。それで、その劇作家のお兄さんが発達障害の子どもたちを見たりする先生みたいなことをやってたんです。そういうことから発達障害のことを彼女も知識として知っていて、「私もアスペルガーだけど、あんたもそうだと思うよ」って言われて。その後、全然別のところで一緒になった役者にも「私アスペルガーなんですけどサンゴさんも多分そうだと思います」って言われて。そこから、そうなのかなと思うようになったんですね。それで、今回長編映画を作ろうと思ったときに調べ始めたら、最近は「グレーゾーン」と呼ばれる、診断では発達障害までいかないんだけど傾向がある人たちが悩んでるっていう話がYouTubeにいっぱい上がってて。日本っていうのは閉鎖的だったりするからそういうところを書くのは挑戦しがいがあるんじゃないかなと思って書き始めたんですよね。 ◆本当はどっちなんだ?自分はどっちなんだろう?(瑚海)漫画、読ませていただいたんですけども。お父さんの存在とか、軋轢みたいなのとか、特に自分を追い詰めていく感じがね、すごく私にも響いたんですよ。 (クロ)親父とは、僕自身が親子喧嘩とが得意じゃなくて……親父はガンッて言ってくるんですけど、でもどっかで、ごめんな、と思いながら言ってきてるのかなって思っていましたね。 (瑚海)私たちの親の世代って口が悪いじゃないですか。「毒親」っていう言い方をするとそこまで毒ではないんだけども、結構口がきつい。そのことがあって、私は自分の生きづらさやコンプレックスが強くなっていったと思うんですよね。漫画を読んだ感想として、クロミツさんも漫画しかないんだ!って行き着くまでにちょっとお時間がかかったのかなという印象でした。私もこの映画を作るに至るまでっていうのが、やっぱり時間かかっていて。クロミツさんの白いやつと黒いやつが出てきて自分をずっと……。(クロ)「どっちなんだ」と言ってくるみたいなね。(瑚海)あれがものすごくリアルにわかってよかった。(クロ)よかった!この描き方あってるのかどうかわからないまま描いてたんで。自分がぶつかり合って、本当はどっちなんだ?自分はどっちなんだろう?というふうに思いながら描いてました。 ◆私の人生はこうやって流れてきたから今がある(瑚海)こういうふうになってきた道のりってやっぱり大事だと思うから、「何々だったら早く漫画家になれたのにね」っていうことはなかったと思うんですよね。私も「早く自分を素直に認めてスタートしてたら活躍してたかもしれないね」とか誰かに言われたとしても、そんなことはなくって。私の人生はこうやって流れてきたから今があるんだと思っているので。それが全部血肉となって、漫画にもこれだけ描けるっていうのは、めげずに引きこもったりせずにこれた強さもあるし、その力を親が授けてくれたというのもあるだろうし。(クロ)はい。そうですね。おっしゃる通りで。(瑚海)なので読んでるとジーンとくるっていうか、なんかすげえわかるっていうのがあって……私は朝起きるともう死んでたらいいなって思うこととかもよくあった。 (クロ)僕もありますね。なんか生きるの面倒くさいな、みたいな。 (瑚海)また始まっちゃった、みたいなね。だけど、あるときから考え方が変わったというか、何でも前向きに捉えていけば自分の武器になるっていうか、どれもこれも使えるなって思ってて。嫌なことが起きるとめんどくせえなって言いながらもそれも書いちゃえ、みたいなね。朝起きたら死んでたらいいなって思うようなこととか、リアルに書けて。大丈夫、みんなやってることだからっていうね。(澤田)純粋な興味なんですが、お2人はご自身の経験を書いているわけですよね。いわゆる自分の写し鏡のようなところだと思うんですけど、正直書きたくないみたいなものはなかったんですか?(瑚海)ありましたありました。具体的に言うと子どものことを語るシーンは本当の話ですね。「子どもが同じような思いしたらどうしようとかって心配した」って自分で書くのは嫌だなと思って、ちょっと覚悟がいりましたね。(澤田)泣きました、あのシーン。クロミツさんは書きたくなかったものはありましたか?(クロ)僕は、会社で怒られっぱなしだったけど、社長に言われたことがどうしてもすごい心残りだったんで。君は人が1年でできることを3年かかるかもしれないけど、しっかりやっていきなさいねっていうような。これは絶対描かなきゃ駄目だなと思いました。 (瑚海)私、あのシーンがすごくグッときましたよ。クロミツさんが今後いろいろ苦労するかもしれないっていうことを彼は見ててくれて、それを言葉としてアドバイスしてくれて、しかも投げやりな言葉じゃなくって、頑張っていきなさいよって最後に見送ってくれる感じが、いいシーンだなと思いました。(クロ)曝け出すって、結構大変な作業ですよね。 Walker Plus[YAHOOニュース]前触れが大きかっただけにかなりの反響ですね。やはり現実に悩みを抱えている当事者の声は、訴えて来るものがあるんでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.06
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三重 特別支援学校 校長 “生徒との接し方 犬と関わるように”三重県桑名市にある県立の特別支援学校で、障害がある生徒たちとの接し方について、校長が教諭に対し「犬と関わるように接したほうがよい」などと、指導していたことが分かりました。三重県教育委員会は「事実関係を確認し、対応を検討したい」としています。三重県教育委員会は7日、会見を行い、去年9月に桑名市の県立くわな特別支援学校で、50代の女性の校長が障害がある生徒たちとの接し方について教諭から相談を受けた際「犬と関わるように接したほうがよい」などと、犬のしつけに例えて指導していたと発表しました。指導を受けた教諭は、ことし3月、一身上の都合で退職したということです。県教育委員会によりますと匿名の通報がありことし9月に聞き取りなどを行ったところ、校長は不適切な発言をしたことを認め、その後、教職員に謝罪しました。また、別の教諭1人にも同様の内容の指導をしたと話しているということです。校長は現在も通常どおり勤務していて、県教育委員会は「人権意識の面で課題があると判断し、校長に障害がある子どもの人権などについて個別研修を実施している。事実関係の確認を行い校長の対応を検討する」としています。また、学校では今夜保護者への説明会を開き、詳しいいきさつを校長から伝えることにしています。三重県教育委員会の錦織厚史人権教育監は「子どもたちやそのご家族の心情を傷つけ心配をおかけし、誠に申し訳ありません」と話しています。【NHK NEWSWEB】(動画あり)どういう見解でそういう指導になったのか、そのいきさつの校長の弁を知りたいですね。569万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。今年も残り僅かとなりましたね。少し早いのですが、皆々様お揃いでどうぞ佳いお年を、今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.05
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全身麻酔で抜歯、特別支援学校生が死亡 酸素管誤挿入か堺市堺区の「堺市重度障害者歯科診療所」で7月、特別支援学校の男子生徒が全身麻酔で親知らずを抜く治療中に低酸素状態に陥り、約1カ月後に死亡したことが16日、遺族への取材で分かった。遺族によると、麻酔で自発呼吸できなくなるため酸素を送るチューブが挿管されたが、気管ではなく誤って食道に入ったとみられる。大阪府警が経緯を調べている。死亡したのは大阪府大阪狭山市の富川勇大さん(17)。父、勇雄さん(48)によると、勇大さんは7月13日に親知らずを抜く手術のために診療所を受診した。チューブを鼻から入れられた後、低酸素状態になり別の病院に搬送され、8月9日に低酸素脳症で死亡した。事故の数日後、診療所の院長が当時の経過を記したA4用紙1枚の報告書を遺族側に渡し、謝罪した。遺族側は死亡の詳しい状況が分からないとして、さらなる説明を求めているが、診療所側からの連絡はないという。勇大さんは家族と「手術が終わればおいしいご飯を食べに行こうね」と約束していたといい、勇雄さんは突然の死に「まだ納得していない」と憤った。診療所のホームページによると、診療所は2008年に開設され、堺市歯科医師会が運営する。〔共同〕【日本経済新聞】なんとも痛ましい辛い事故ですね。せめて意識さえあれば、早く気が付けたかと思うと全身麻酔の盲点を突いたような事故ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.04
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主役は松山の女子高生 映画「ノルマル17歳。」先行公開「ADHD」に「自分らしく」【愛媛】発達障害「ADHD」をテーマとした映画が全国に先駆け、愛媛で公開されています。主演は全国オーディションで選ばれた松山市在住の女子高校生。10日に映画の見どころを直撃しました。 「私、発達障害あってさ。ADHDっていうんだど知ってる?」 この映画は「ノルマル17歳。」。シネマサンシャイン重信で8日から先行公開されています。主人公は発達障害の一つ「ADHD」である2人の女子高校生。物語は生きづらさを感じながら、本当の普通とは何かを見直していきます。 10日は舞台あいさつを伴った上映が開かれチケットは完売。出演した俳優たちが登場し作品への思いを語りました。ADHDは不注意や落ち着きのなさ、衝動的な行動などが生活に影響を及ぼしている障害のこと。 主人公の1人「絃」を演じたのは松山市在住の西川茉莉さん。県内の高校に通う3年生の18歳です。全国オーディションで100人以上の中から選ばれました。舞台あいさつの直前、西川さんを直撃しました。主人公の絃役・西川茉莉さん(松山在住): 「台本いただいた時からこの絃ちゃんの役を演じたいと思っていた。合格って言っていただいた時は本当に震えがとまらないというか、すごくうれしかったです。ADHDについて全部理解した上で演じるのはすごく難しかったんですけど、私なりに絃ちゃんの思いを届けられたらなと思って頑張りました」絃の母親を演じたのは西条出身でタレントの眞鍋かをりさん。自身も過去にADHDの傾向があったといいます。しかし娘の障がいに理解のない母親の役を演じ苦労したということです。眞鍋かをりさん: 「どっちかというと(ADHDの)絃とか朱里ちゃんに共感することが多かったんですけど、逆に無理解な側を演じなきゃいけないっていうのがすごく大変だなと思いましたし、『そういう風に思われるんだな』というのはすごく発見でした」 タイトルの「ノルマル」の意味はラテン語で「普通」。メガホンを取った北宗羽介監督は作品を観た人に「普通とは何かを考えるきっかけにしてほしい」としています。 映画を観た人: 「外見は普通な感じでも、実際にそういう病気を持っているということと、家族の方の葛藤が繊細に描かれていた作品だと思います」映画を観た人: 「学校でも差別とかがなくなったらいいなと思いました。その人だけを特別に扱わずにみんなと一緒って見ていけばいいなと思いました」西川茉莉さん: 「自分らしくいていいんだよって温かく教えてくれる映画だと思うので、少し元気ない人とか、自分らしさを出すことをためらうときとかに見ていただいて、明日も頑張ろうと思っていただけたらうれしいです」愛媛出身の2人の俳優が親子役で共演する映画「ノルマル17歳。」は、シネマサンシャイン重信で21日まで先行公開され、来年春に東京の劇場で公開されます。テレビ愛媛(動画あり)【YAHOOニュース】舞台挨拶とても興味深い作品、来春の東京での公開が楽しみです。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.03
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「私と同じようになってしまうかも」夫は子供が欲しそうで…アスペルガー傾向に苦しむ45歳女性が走った“ある極端な行動”とは「4年前、ひどく酔っ払って転んで、下手したら命に関わるような大怪我をして……、私、何やってんだろうって、つくづく思ったんです。40代半ばを過ぎて、細々と声優の仕事をやっていた時でした。でも、本当はもっとやりたいことがあるんじゃないか? と、どこかで悶々としていました。それで一念発起。映画美学校に通い始めたんです」 そこで映画作りの技術を身につけ、仲間を得て、ようやく完成したのが、瑚海みどりさんによる初の長編映画『99%、いつも曇り』だ。瑚海さんは、監督と主演を務めている。 主人公は楠木一葉(かずは)、45歳。現在職探し中ながらも、5歳年上の夫・大地(二階堂智)と、気ままな二人暮らしを送っていた。しかし母親の一周忌で親戚が放ったひと言「一葉ちゃんは、もう子供は作らないの?」をきっかけに夫婦の心は揺れ始める。年齢もさることながら、自身のアスペルガー傾向(発達障害グレーゾーン)を自覚し、苦しんできた一葉にとって、それは簡単ではない話題だったのだ。「私の子供も、私と同じようになってしまうかもしれない……」 一方、もう諦めたと言いつつ、子供が欲しそうな素振りを見せる夫。彼は職場の後輩に、親きょうだいと死別した自分には、妻しか家族がいないのだと打ち明ける。 そんな中、友人の紹介で養子縁組・里親制度を知った一葉は、夫には内緒で、ある極端な行動に走ってしまう――。「一葉は、ある意味“かわいそう”で“かわいい”女性。以前、この2つは表裏一体だと言った人がいて、なるほど一理あるなと。と言うのも、発達障害があってコミュニケーションにやや難があり、いつも周囲に不協和音を起こしてしまう彼女を、単なる“綺麗事”として描きたくはなかったんです。私も、人から『アスペルガーかもよ』と言われた経験があるので人ごとではないのですが、今回、映画を作るために改めて調べて知りました。いま、発達障害で苦しんでいる人がとても多いそうです。だからこそ、一葉のキャラクターは慎重に造形しました」 一葉は、実にアンバランスな魅力に満ちた人物だ。正義感は強いが飽きっぽく、激昂しやすいが心優しく、理屈っぽいのに芸術的感性に溢れている。ただ、少し、ほかの人たちとのズレが大きいだけ。でも、そんなズレって、本来誰だって持っていますよね? 皆ちょっとずつズレている。アメリカの友人は、『こっちにはそんな人いっぱいいるよ』と笑っていましたが、それが自然なんじゃないですか」 と、早口でまくしたてる瑚海さんはパワフルそのもので、やっぱり少し一葉に似ている。「それは皆に言われます(笑)。確かに劇中のエピソードは私由来のものも多いんですけど、監督として客観的にキャスティングした結果でもあるんですよ? ただ、変な行動力があるところは似ているかも」 瑚海さんの俳優としてのキャリアは、渡辺えりさん演出の舞台に立ったのがスタート。その後、天性の明るさとトーク力を買われてバラエティ番組のリポーターに抜擢。やがて結婚を機に活動休止。演技の仕事に戻ったのは40歳。そして、このたび51歳で映画監督デビューを飾った。「まさか監督になるとは思っていませんでしたけど、自分がやりたいことをやるには、もうこれしかない! と思ったんです。日本には、私のような歳で無名の俳優が主演クラスで活躍できる映画なんて、そうそうありませんから。でも、無名でもいい俳優さんはたくさんいるし、海外では、中年以上の女性が主役を張る作品もたくさん作られています」 ドキュメンタリーのように、一人の“特別ではない”40代女性の日常を切り取った本作。ここに監督の狙いと確信がある。波乱万丈、天真爛漫な50代の新人監督にエールを。さんごうみみどり/1972年生まれ、神奈川県出身。俳優・声優として活躍中。2020年より映画制作を学び、翌年、短編映画『橋の下で』で東京国際映画祭「Amazon Prime Videoテイクワン賞」審査員特別賞受賞。長編デビュー作となった本作では新人監督の登竜門である田辺・弁慶映画祭でグランプリを受賞している。INFORMATION映画『99%、いつも曇り』(12月15日公開)https://35filmsparks.com/(「文春オンライン」編集部/週刊文春 2023年12月21日号)【livedoor News】いよいよ公開なんですね。深いテーマですが、チャンスがあれば観てみたいです。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.02
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立憲議員が「オーガニックで子どもの発達障害の症状が改善」と投稿。専門家は取材に「魔法の薬なんてない」立憲民主党の川田龍平・参議院議員が12月7日、Xに「オーガニックな食事で子どもの発達障害の症状が改善できる」と投稿した。川田議員は、農薬「ネオニコチノイド」が子どもの発達に影響していると発信しているが、国立環境研究所が公表した調査結果では、「関連はみられない」と因果関係が否定されている。そもそも発達障害は「改善すべきもの」なのか。そして、国会議員が根拠のない情報を発信する危険性は何か。発達障害を正しく理解するため、ハフポスト日本版は「オーガニックで全て良くなるという『魔法の薬』なんてない」と話す専門家にインタビューした。「オーガニックな食事で子どもの発達障害の症状も改善!」と投稿川田議員は12月7日、「アメブロを投稿しました。『【お知らせ】オーガニックな食事で、子どもの発達障害の症状も改善!』」とXに投稿。 投稿には、「【新版】EU、米国、韓国、中国等で禁止されているネオニコチノイドの最新情報が出ました」とタイトルのブログ記事が添付されていた。 記事は主に、サイエンスライターが農薬「ネオニコチノイド」に関してまとめた本の宣伝で、川田議員は次のような趣旨のことを書いていた。「子どもの発達への影響を及ぼしている農薬ネオニコチノイドの危険性をわかりやすく伝えている」「オーガニックな食事で子どもの発達障害の症状も改善!と題し、有機農産物を活用した学校給食の拡がりを取り上げている」「子どもの発達との間に関連はみられない」ネオニコチノイドは本当に子どもの発達に影響を及ぼしているのか。 国立研究開発法人国立環境研究所は11月14日、 「母親の尿中ネオニコチノイド系農薬等濃度と子どもの発達との関連について―子どもの健康と環境に関する全国調査」を公表した。 ネオニコチノイド系の農薬は多くの国で使用されており、害虫に対する優れた防除効果があるため、日本では出荷量が約20年で2倍以上増えているという。これまでの研究はあくまで農薬のばく露(人が化学物質などの環境にさらされること)を使用頻度などの質問票で評価していたため、今回は実際に妊娠中の母親から尿を採取した上、ネオニコチノイド系農薬等のばく露を定量的に評価し、子どもの4歳までの発達との関連を調べたとしている。その結果、「母親の妊娠中のネオニコチノイド系農薬等ばく露と、子どもの発達との間に関連はみられなかった」ことが判明した。また、ネオニコチノイド系農薬などの推定1日摂取量が、許容1日摂取量を超える母親はいなかったという。なお、許容1日摂取量とは、環境汚染物質などの非意図的に混入する物質について、人が生涯にわたって毎日摂取し続けたとしても、健康への悪影響がないと推定される1日当たりの摂取量のことを示す。「オーガニックフードで良くなるというような『魔法の薬』はない」川田議員の投稿を発達障害の専門家はどうみたのか。ハフポスト日本版は12月13日、「ハートクリニック横浜」の柏淳院長を取材した。一問一答形式で紹介する。ーーそもそも発達障害とは何ですか。 基本的には生まれつきのものです。よく知られているのは「ASD(自閉スペクトラム症)」、「ADHD(注意欠如・多動症)」、「SLD(限局性学習症)」。例えばSLDで言うと、「読む・聞く・計算する」などのうちどれかが抜けるというものです。 人との関わり方に悩む人が多く、社会的な場面での振る舞いやコミュニケーション、集中力の欠如などが挙げられます。私は成人の専門医ですが、どうしてもチームワークの仕事で同僚の輪に入れなかったり、目の前の仕事しかできなかったりする人が多いです。 本来の知的な能力は高いのに仕事ができない人たちがいて、その場合はここで発達障害と診断されることがあります。 ーーどのように診断していくのでしょうか。 診断基準というものがあり、基本的にはそれに従います。例えばADHDは12歳までに症状が出ることになっていますが、そのような幼少期から現在まで続いている症状を確認していきます。ただ、症状があっても困っていない人もおり、その場合は特に診断をつける必要はありません。ーー川田議員の投稿に「発達障害の症状も改善」と書かれていました。診断をつけない場合もあるということですが、そもそも発達障害というのは改善させるべきものなのですか。改善という意味をどう捉えていいのかという論点はありますが、当然ながら病院に来る人は治療をしてもらう目的で来ています。ただ、基本的には生まれつきのものなので変わらない部分もあり、私たちからすると病気というよりは「特性」だと思っています。つまり、大多数を占める定型発達(発達障害ではない多数派の人々)の人たちが作った社会では非常に困ってしまうことも多い。ただ、学校で1日中机に座ることはできなくても、他に得意なことはたくさんあり、活躍の場さえ用意できれば力を発揮する人もたくさんいます。ーー川田議員の発信で問題だと思われたことは何でしょうか。やはり「オーガニックフードで発達障害の症状が改善する」という点ですね。 オーガニックフードそのものを否定するつもりはないですが、根拠のない情報を国会議員が発信してはならないと思いますし、そもそも何をもって「改善した」と言えるのか分かりません。農薬を取り除けば解決すると考えているのかもしれませんが、世の中そんなに簡単ではない。発達障害は生まれつきの脳の神経回路に由来する話なので、食べ物だけで変わるのであれば苦労はしません。 私たちは発達障害の特性とどう工夫して向き合っていくか、職場にどう馴染むか、仕事を行うためにはどういう支援が必要か、といったことを考えていますし、そのようなことの方が大事だと思います。ーー根拠のない発信が発達障害のある人に影響を及ぼす可能性はありますか。 心配しています。小児の発達障害を専門としている先生の場合、「何を食べさせたらいいのですか?」と聞かれることも出てくるかもしれません。もっと言うと、この川田議員の話を真に受けて医療機関に行かず、食事だけでなんとかしようという親も出てくる可能性があります。 発達障害には様々なものがあり、オーガニックフードで全部良くなるみたいな「魔法の薬」はありません。発達障害は悪いものだから改善しないといけないと捉える人が出てくると、差別につながる心配もあります。一冊の本だけを根拠としないでほしいですね。 ーーもし子どもが発達障害ではないかと思ったら、親はどのように行動すればいいのでしょう。 福祉、教育、行政などで様々な支援がありますが、やはり診断が必要となりますので、最初は医療機関にかかるシステムになっています。正しい知識を持った専門医と、どの程度自分の症状と向き合うのか、どれくらいを目標とするか、といったことを話し合い、方向性を決めることが重要です。 先ほど申した通り、子どもの頃から勉強ができてハイレベルな大学に通っていても、会社に入ったら馴染めないケースがあります。その場合、まずは目標を落とすことから始めないといけないし、違う分野では力を発揮できる可能性があるので、向き合い方、方向性を決めることが大事になってきます。 凹凸があったとして、その人の凸(得意なこと)をいかせるようにしていきます。ーーやはり発達障害を正しく理解し、特性として向き合っていくことが重要なのですね。 発達障害は悪いもの、というのは古い考え方です。確かに、日本では「学校の席に座ってられるようにすること」が求められており、確かにそれは必要なことではありますが、海外では森の中で教育するような学校がある国もあります。 まだ日本はそういう考え方が普及していないので、どうしても発達障害は悪いもので、改善させなければならないといったことを言う人が出てきます。日本の社会では「自分の努力が足りない」「自分が悪い」と思ってしまいますが、病院で診断されたらホッとする人もたくさんいます。これまでうまくいかなかった理由がわかるのでしょう。そういう意味で自由度の高い社会になってほしいです。ADHDは子どもで5%、ASDは2~3%いると言われています。広くとると、日本人の約10人に1人はなんらかの特性があるとも言われています。本当の少数派というわけではありません。 学校のシステム、社会のシステムが変わり、この10人に1人の特性を持った人々が活躍できるようになれば日本のためにもなると思います。ハフポスト日本版は川田議員の事務所に質問状をメール送付している。返信があり次第、追記する。HUFFPOST【YAHOOニュース】川田議員のブログ記事(ハフポスト日本版)確かにオーガニックで植物アレルギーに改善が見られる、と友人が息子さんの食生活に気をつけていたことがあります。でも、何の根拠のないこういう軽率な発信は、それを真に受けてしまう親御さんもいるので、医者に任せておいた方が賢明ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2023.12.01
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