月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

2008.03.22
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あまりにも現実味がなくて、でも、現実で。
逃げたくて、否定したくて、でも、自分とは関係なくて。
関係ないからこそ、余計に悔しくて、胸が痛む。そんなお話。
見たい人は、見てください。
とっても、とっても、自分が無力だと思うお話です。その後の生活に影響するか、しないかは、その人次第です。あまり、見ることをお薦めすることはできませんが、ここに書いていることなので、どうぞ、自己責任で、閲覧ください。






僕の、沢山いる友達の中で、特に仲が良くて、一緒に行動していることが多いある一人の男の子の話。~君とか、そういう呼び方をする気にはなれないので、以下、友達と呼びましょうか。
友達は、ある女の子と付き合っています。その子は、県内にはいなくて、実際にはまだ一度も会っていない子。要するに、遠距離恋愛。
その女の子は、友達のことを凄く好きで。友達もその子の事が好き。
でも、友達は、あることを知る前、別れようか、どうしようか、そんな話を一度、下校中に話していました。
友達は、そのこのことをよく話してくれます。いわゆる、コイバナ。
高校一年生です。コイバナは、男子でも、女子でも、よく話題にします。
いつもいつも、楽しくその話を聞いていました。
しかし、あることがきっかけで、楽しく、ではなく、今、どういう状況なのか。それがとても気になって仕方がなく、その子と友達の話を聞きたくて、でも、聞くと苦しくなって。現実というものは、何故こうも残酷で、思わず逃げたくなるようなモノを、人間に与えているのかと思ってしまうような、そんな話を、聞いてしまったのです。



それは、ある日行われたお別れ会の話。お別れ会といっても、クラスが変わるから、最後の思い出に、というもの。誰かを送るとか、そんなものではありません。
そのお別れ会の日、友達は楽しそうではなく、今までにないぐらい悩んでいて、とても、悲しそうな表情をしていました。
大方、その子のことで悩んでいるんだと思いました。
「どうしたん?」
と聞いても、
「なんもない」
といって、何も教えてはくれなくて。
今まで、その子のことで教えてくれなかったことなんてほとんどありませんでした。
そりゃあ、メールはみせてはくれなかったけれど、2人で管理しているブログのことや、その子の写メ、今の状況。色々話してくれたのに、それだけは話してくれなくて。不思議に思いながらお別れ会を楽しんでいました。
しかし、ずっと隣にいると、お別れ会が始まって1つめのプログラムが終わったくらいの時、友達は口を開きました。
「坂本(あだ名?ですね)にも教えといたろか?」
と。いきなりで、少し戸惑いながらも、もちろん僕は答えました。
「え?うん」
前を向いていた友達は、横にいた僕のほうを向いて、あることをつぶやきました。
それは少し笑いながらで、でも、すっごく空元気で、切ない笑顔で、あまりにもストレートに短くそれを伝えてきました。凄く小さな声で、短くて、聞こえづらくて。もう少しで、聞き逃しそうな言葉でした。






『がん。』





癌。悪性腫瘍。現代の全人類の死亡率のトップクラスにあるモノ。
医学が進化しようと、未だに確実に治すことが出来る、なんて、そんな簡単なものではなく。
決定的な治療法がない。それが現実で。
友達の彼女は、まだ17歳。自分より、一つ年上なだけ。


ゲームや、アニメの世界での話なら、どれだけよかっただろう。
現実味がなくて。それが現実で。
不幸。不運。災難。
そんな言葉じゃ表しきれなくて。
残酷で、逃げたくて。逃げられなくて。

ずっと自分とは関係ない世界のものだと思ってた。
いや、実際まったく関係なくて。繋がっているのは、友達。
自分のことじゃなくて、友達自身のことじゃなくて。
友達の、彼女で。

友達にとって、最も大切な存在。誰よりも、大切で、失いたくないもの。
その子が癌だと知ってから、その子は、
「別れたいなんて思わない」
そう行っています。今は、会いたくない。でも、会いに行かなきゃならなくて。会って支えてあげなくてはいけなくて。彼女を支える最後の柱が、友達で。


友達は、必死で支えています。友達は、
「自分は無力で、なにもできない」
そう言っています。周りにいる誰よりも、無力ということを感じていて。何も出来なくて、友達は、ほとんど寝ていません。
「数日前の自分が今の自分をみたら、絶対笑ってる」
弱弱しく笑ってそういいました。

そんな友達さえ助けることが出来ない自分が、無力で、2人が管理してるHPに書かれている日記を見ていると、すっごく胸が苦しくて。その2人のことを思い出すと辛くて、逃げたくて、何かで気を紛らわしています。

自分のことなら、どうにかなったと思っています。でも、自分じゃなくて、友達のことで。現実逃避がしたくても、逃げたってどうにもならないことで、無力だって思いました。
もし神様がいるなら、二人を助けてやって欲しいって、本気で思いました。
この話を、聞かなきゃよかったなんて思っていません。少しでも友達が楽になるのなら、なんだってしてあげます。友達には、彼女を支えてやって欲しいって思ってます。
きっと、治ると信じてます。僕は何も出来ないけれど、何も出来ないなりに、応援しています。がんばれって、一言でいいから、言ってあげたい、そう思います。





こんなところに書いたって、どうにもならないってわかってます。でも、少しでも、多くの人に、これが現実なんだって、知って欲しかったんだと思います。
どこかに幸福な人がいれば、どこかに不幸な人が絶対にいます。
もっと、周りを見てやってください。誰かを支えられるような、強い人間になってください。
この話を聞いた後、自分の将来について、すごく、すごく悩みました。
結局具体的な結論なんて出るわけがなくて、でも、一つだけ目指すものができて、一つだけ決心することが出来ました。




誰かを支えられて、誰かを助けられて。そして友達の彼女が助かって、とっても幸せな家族をあのふたりが作り上げることができたなら。
僕は、その家族を、どんな形でもいい。ただ、友達として、支えてあげたい。


そう、思いました。





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Last updated  2008.03.22 10:27:23
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マサヒロ@ 女ってバカだなw あいつらマジでチ●ポがありゃ、誰でも良い…
みはい@ みひゃあひはいひょふぁあwwwww マジレスするけどさ、このサイトで女と会…
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