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3月31日(月)短歌用語辞典(飯塚書店発行)わ(10) わたりどり渡り鳥(名詞)候鳥。春に来て秋に南方へ去る夏鳥。つばめ。秋に北方から来て越冬し春に帰る冬鳥。雁・鴨。他に旅鳥といって北とを南を往復する途中による千鳥などがある。あはれなるひとのことばにかたむきしわれとな思ひそ野の渡り鳥 岡野直七郎渡り鳥くる頃となり学校の土手の茶の花咲き初(そ)めにけり 鎌倉広行わたる渡る(自動詞四段活用)移る。通り過ぎる。他の動詞の連用形に付けて、広く及ぶ。絶えず…する。「渡り」は名詞。白き波はればれとたつ崎々はここにし遠く見えわたりけり 玉城 徹抱擁をしらざる胸の深碧(ふかみどり)ただ一連に雁(かりがね)わたる 富小路貞子水晶橋 雨後を渡れば逢うという時間の中を生きし日のごと 道浦母都子公園より連なる緑うぐひすの渡りの季(とき)の色となりたり 頴田島一二郎(つづく)
2014.03.30
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月30日(日)戸を閉めるぽたりぽたりと雨もれる外は激しき雨風の音東風吹くなと叱り雨風を抑えるイエスキリストならば満開になりたる染井吉野なり今日春風に傷めつけらる区長との引継ぎなれば雨のなか公民館に向かわんとする今年度区の反省会雨のため出席者の数半減をする【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.30
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短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年) わ(9)わたなか海中(名詞)海の中。「わだなか」とも。うねり波しづまるときに海中に白く波寄る一つ岩あはれ 柴生田 稔潮退きし午後にて遠く島結ぶ道黒々と海中に見ゆ 浮貝すみ子わたのはら海の原(名詞)うなばら。広い海。「わだのはら」とも。わたのはらしづかにありてきこえきしこゑはくじらの子をよべるこゑ 森岡貞香わだの原みんなみの空にうかびたる真白雲(ましらくも)照る春ちかみかも 松村英一わたまし渡座(名詞)転居。引っ越し。「わたりまし」の転。もと「転居」の敬称。新しき家ゐに我を見出(みい)だししわたましの夜の清き月かな 佐佐木信綱(つづく)
2014.03.29
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月29日(土)柿の木に小さき鋭き芽が出たり何か良いこと起る気配にようやくに染井吉野も三分咲き四分咲きになり風心よし毎年のことにはあれどチューリップ咲きてわが子の命日となる霞たる桜を見つつ一面の菜の花畑を歩き行きたりうっとりと桜の花を見上げつつ転倒したること思い出す【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.29
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3月29日(土)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるわ(8) わたくし私(名詞)自分個人に関すること。わたくしごと。私事。(代名詞)自分自身。自身。わたくしのよろこびあれば朝(あした)より降り積む雪の香に立つばかり 阿久津善治旅の中こそわたくし 濃厚に時間(とき)の架橋を息づくものを 道浦母都子わたくしを取りもどしくる歩調もて昼休みどき階段くだる 篠 弘わたつみ海神・綿津見(名詞)海。うなばら。「わだつみ」とも。わたつみの波がみがきし石ひとつもとにもどしぬ力のかぎり 鹿児島寿蔵わたつみの櫂なりしかな朴の花しはぶくちちのこゑ太くして 辺見じゅん(つづく)
2014.03.28
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌庭隅に黙々と咲く木蓮の真白き花をただ見上げおり高く咲く白木蓮の下にして真赤な花を咲かす木瓜(ぼけ)の木窓際(まどぎわ)のカトレアの花開きたり玄関はまだ閉しておるもアルコールゼロのビールで相づちを打ちつついつしか短歌の話施設より春休みにて子がおればそれを理由に退席をする後輩の会計士とももう少し話したかったが叶わず帰る【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.28
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短歌用語辞典3月28日(金)わ(7)わた 絮(名詞)綿のように白くて柔らかい毛。青草をひたし流るる泉ありただよふ柳の絮かがやきて 五味保義陽の中にビル街をゆく草の絮生きものめきて我とゆき交ふ 音成京子わだかまる蟠る(自動詞四段活用)渦のようにかがまって輪を巻く。心などが滞る。内臓に疲労わだかまる如き日々空との曇り秋に入りゆく 田谷 鋭(つづく)
2014.03.27
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月27日(木)今天に祈りの言葉捧げんと白木蓮が咲き始めたり震災の祈りと思う天を向き白木蓮が今年も咲けり一分咲きまでにもゆかず桜の木赤き蕾におおわれているようやくに染井吉野も開かんとりきんでいるや赤くなりいるまだ咲かぬ桜並木に並びいる店をみながらしばし歩けり【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.27
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3月27日(木)短歌用語辞典(飯塚書店発行)わ(6)わざわい(わざはひ)災ひ・禍(名詞)不幸な巡り合わせ。不運。災難。寒の水一気に飲みてすがしけれわざはひ一つ断ちたるごとく 阿久津善治ライターに無数なる吾が指紋こよひ災ひをおのづから溜む 河野愛子わしづかむ鷲掴む(他動詞四段活用)無造作に乱暴に物をつかみとる。名詞「鷲掴み」から。鷲掴み汝が捧げゐる内臓の、愛さるる者にのみ血は潔からむ 永田和宏鯳(すけとう)を鷲掴みせるオオワシの流氷原へ翼はりゆく 三浦牧人わずらう(わづらふ)患ふ・煩ふ(自他動詞四段活用)心に思い悩む。病気になる。「わづらひ」は名詞。悩みの種。苦労の原因。結婚せぬ我を歎きし母にして今は煩ふただ孫のこと 宮地伸一ひと・くるま わずらいの無き夜歩きのはだか樹高し月青白し 坪野哲久(つづく)
2014.03.26
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月26日(水)知らぬまに細枝にかれんな花咲かす三年前に植えしあんずが身障者役員会でも高齢化七十代はまだまだ若い一枝の椿の蕾知らぬまに一輪挿しに開いていたり花を見に子と妻つれて明日行くを約束したに雨と風吹く東風強く激しく雨も降り盥を置いて眠らんとする【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.26
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3月26日(水)短歌用語辞典(飯塚書店発行)わ(5) わくらばに(副詞)まれに、たまたま。たまさかに。偶然。わくらばにわれら肉親あひよりて幾日を過ぎぬ父あらぬ家に 古泉千樫わくらばに寂しき心湧くといへど児等がさやけき声に消(け)につつ 伊藤左千夫わざ業・枝(名詞)しわざ。行ない。行為。仕事。勤め。技術。すべ。華麗なる演技を見する選手らの業極まりて身は蝶と舞ふ 中村勝巳手の枝につむぐ言の葉言の葉が天の鴉片であらばよけむに 阿木津 英旺文社模試問題にみちびかれ荷風の文の神の技を読む 小池 光(つづく)
2014.03.25
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月25日(火)子の墓にラッパ水仙供えたり何か言いたきことあれば言えチューリップかたくつぼみを閉しおり今わの吾子(あこ)の口もとに似て木蓮が白くしずもる庭に居て黙禱したき思い湧きくる黙々と木蓮の花上を向く叫べるごとくさえずるごとく咲き始めしばかりというに疾風に木蓮の花飛ばされている【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.25
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3月25日(火) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年) わ(4)わく分く・別く(他動詞四段活用)はっきり区別する。分ける。離す。わきまえる。判別する。甥姪は知れどその子ら分きがたしおのおのの未来知るべくもなし 阿部静枝八ケ嶽と駒ケ嶽と分く諏訪口の黄に遠霞む春待たんかな 柿嶋秀男わく湧く(自動詞四段活用)現れる。勢いよく出る。生ずる。発生する。湧き出でし裏山杉の秀を越ゆる雲白白(はくはく)の夏を眩しむ 加藤知多雄国の蜂起たわむれに似て湧く声をわけ行く戦車笑わざる兵 近藤芳美わくらば病葉(名詞)夏、紅葉のように赤や黄白色に変色し、朽ち落ちる木の葉。同情を引かむ言葉はつつしめと言はれしわれの拾ふわくら葉 片野静雄(つづく)
2014.03.24
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月24日(月)七転び八起きの達磨髣髴す黙々として鶴竜優勝大相撲終りたる日の寂しさを今場所特に感じるは何故対岸の菜の花畑増えゆきて休耕田の増えたるを知る対岸の黄に輝ける一帯は今年増えたり休耕地らし繊細な指の形の雪柳踊りをおどる女性にも似る【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.24
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3月24日(月)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるわ(3) わかみず(わかみづ)若水(名詞)元旦に汲んで歳神に供え、初手洗、雑煮や福茶をわかす水。寒けれどすがすがしけれ井の端にいでてことしの若水汲めば 岡 麓藪かげに若水汲めり水さしに溢るるばかりその真清水を 平福百穂わぎえ(わぎへ)我家・吾家(名詞)わが家。自分の家。「わがいへ」の略。松風は我家のうへにわたりをり春べにむかふ音のしづかさ 土田耕平雨の中に我家ぬれゐぬひそびそと我家の通(かよ)ひ路(ぢ)にわれも濡れゐぬ 福田栄一わきて別きて・分きて(副詞)とりわけ。ことに。ことさらに。「取り分きて」とも。山茶花の斑(ふ)のくれなゐを別きてわがあはれとぞ見し冬も過ぎなむ 柴生田 稔 対岸の陸をチェックと数へくるるわきて瞳の青き少女は 原 三郎取りわきて思ひかへせばあたたかき言の葉なりしかの電話かな 馬場あき子(つづく)
2014.03.23
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月23日(日)ようやくに育ち始めし梅の実よ今朝のこの霜耐えておくれよ菜の花は霜に負けずに師走よりわれの心を明るくさせる霜にあい頭を垂れるつくしん坊幼きながらじっと耐えてる総会で新区長にはなりたるもしどろもどろの挨拶をするサボテンのごとく棘持つわが影か職を引くまで気づかざりしも【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.23
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短歌用語辞典3月23日(日)わ(2)わかつ 分かつ・別つ(他動詞四段活用)分ける。区別して判断する。領つ(他動詞四段活用)分配する。またひとつ砂の崩るるひそけさに死はありわかち合いし「戦後」を 近藤芳美ひとの骨領ちあふ息なまなましさくら冷えたるしたに骨みる 穴沢芳江わかば若葉(名詞)萌え出てまもない葉。新葉。にはか雨やみてあかるき夕空にさやぐ庭樹(にはき)は若葉つけたり 松村英一口笛を吹きて青年吾を越す桜若葉の濡れ光る道 白川 清(つづく)
2014.03.22
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月22日(土)施設にて卒園式が行われ教師も子らも涙をながす施設での立食パーティたくさんな料理出されて子も喜びぬ今日の日の役目終えたる太陽がいま静々と沈まんとする明日は区の総会が有るために決算資料に目を通したり四月からとうとう区長となるわれか自然体にて暮したきもの【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.22
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3月22日(土)短歌用語辞典(飯塚書店発行)わ(1)わ吾・我(代名詞)われ。わたくし。あ。一人称。吾をおもふ悲しき友のひとつにて嵐だつ夜(よは)に馬追来居り 斎藤茂吉磯行けば火にあたり居る蜑乙女(あまをとめ)たゆき眼をして吾をみたりけり 半田良平わか若(語素)若い、の意をあらわす複合語を作る。伸び出でし秋の若芽に水そそぎなほ落つかぬ心とも思ふ 柴生田 稔炭やくと伐り剥(はが)したる岩山に残れる若木雪にうもれつ 若山牧水わが我が・吾が(連語)わたくしの。われの。わたくしが。われが。夏はきぬ相模の海の南風にわが瞳燃ゆわがこころ燃ゆ 吉井 勇きぬた石いしのくぼみのありどころうす暗がりにわが涙垂る 山崎方代(つづく)
2014.03.21
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月21日(金)わが思い詰め込むごとくビニールの袋が高く舞い上りたり枝先にあまたな花を咲かせいるさくら寂しく揺れ踊りおり栃飛龍突いて突かれてなお突いて痛みこらえて勝利を得たりことわざに一寸先は闇という琴奨菊に白鵬負ける日馬富士また白鵬の両横綱相次いで今日負けてしまえり【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.21
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3月21日(金)短歌用語辞典(飯塚書店発行)ろ(3) ろかも(連語)感動の意を添える。眼(め)にありてこほしきろかも玄海のみ冬の彼も海豚(ふぐ)のあらひも 中島哀浪きみが掌(て)の葡萄一房したたるは甲斐のむらさきたのしきろかも 山田あきろじ(ろぢ)路地(名詞)家と家のせまい通路。路地の奥花火に遊ぶ親子ゐて寄せ合ふ顔の赤々と照る 平野宣紀売られける向ひ家の児はこの路地に友らといつも遊びしものを 大場ゆみ子ひとり行く北品川の狭き路地ほうせんか咲き世の中の事 岡部桂一郎
2014.03.20
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月20日(木)木蓮が桃が花咲き紅梅の散りたるあとにはなやぎもどる木蓮の花咲き初めし枝枝をぬらして春の雨降り止まず木蓮のつぼみがやっと開き初め恐る恐ると雨にぬれいる青き色増え始めたる農道をぬらして今日の雨降りやまぬさるすべりの枝にくまなくしずくつけ春肌寒き雨降りやまず【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.20
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3月20日(木) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年) ろ(3)ろうたける(らふたく)臈たく(自動詞下二段活用)美しく気品がある。悟桐(あをぎり)の新芽は艶めき朱(しゆ)に燃えてものの花よりも臈たけてあり 宮 柊二尋ね来し水木の花は御社の雨後の園生に臈たけて見ゆ 薩摩晴子ろうるい(らふるゐ)蠟涙(名詞)火をともしたろうそくから溶けて流れる蠟。蠟涙は垂りやまずして停電の夜半を書きつぐ思いのひとすじ 岩間正男冬山の高きところに凍りたる滝みゆ蠟涙のごとく寂しく 高橋加寿男(つづく)
2014.03.19
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月19日(水)固き殻今破りたり木蓮の莟するどき嘴(くちばし)が見ゆ磋牙司小さな体で全力でぶつかってゆく火の玉小僧栃飛龍負傷の体をぶちかます前へ前への相撲人生マイナスはプラスの始まり苦しみは楽の始まりそう思いたし簿記を知りバランスシートを知りてよりバランスこそを求め始める【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.19
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三月号歌評(同人誌「賀茂短歌」)下書き 後藤瑞義原 明男ウォーキング会ふ人毎に「元気だネ」世辞も沁み入る体感の道 「会う人毎に」です、「会う人毎が」ではありません。ですから、「元気だネ」と声をまずかけるのは作者の方でしょう。次に「世辞も沁み入る」と続きますが、この言葉の前に、省略があると感じます。つまり、作者が「元気だネ」と言えば相手も「原さんも元気ですね」と返ってきたのでしょう。作者は、腎臓を一つ切除されています。最近やっともとのペースに近づいてきたのでしょうか。「元気ですね」あるいは「元気になりましたね」と言ったことばが、たとえお世辞であっても、作者の心に深く沁み入ったのでしょう。それは、頭で分るのではなく、体感、体で感じられたのでしょう。これこそ作者の願っていた道、「体感の道」なのではないでしょうか。渡辺つぎ寂光の中の白梅半世紀近き亡夫の命日近し 「寂光の中の白梅」、この歌を読んだとき、なんと美しい歌なんだろうと思いました。まるで、この世でない世界に踏み入った感じがしたのです。「寂光」は、広辞苑によれば、静寂な涅槃の境地から発する智慧の光となっていました。亡くなられたご主人を寂光の中の白梅が象徴しているような感じを受けます。亡くなられたご主人への思いの深さは、「半世紀近き」という言葉に表れております。半世紀にもなるご主人の命日に思いを馳せる作者、作者は今月満百三歳になられます。鈴木菊江春よ春三日浮かれてけさの霜しゆんとこゑなき水仙の群 この歌の前に「着膨れのこたつに舞いきぬ曾(ひい)孫のはじける笑い新春(はる)のおとづれ」があります。「春よ春三日浮かれて」は正月三が日のことでしょう。お孫さんが正月で帰省されたのでしょうか、元気な曾孫さんもいらっしゃるようです。「浮かれて」という言葉に、元気な曾孫さんたちとの生活を思い浮かべました。三が日が過ぎての霜の朝、こころなしか水仙達もうつむいて寂しく感じたようです。あるいはお孫さんや曾孫さんたちが帰られて静かになった感じもします。「しゆんとこゑなき水仙の群」に曾孫さんの帰られたさみしさを重ねあわせているようにも感じました。 黒田幸子毎朝のラヂオ体操の彼女達日毎に変わるシャツの色柄 テレビで毎朝体操をしているようです。Eテレ(2チャンネル)で朝の六時二十五分から十分間体操があります。ここで、テレビ体操といわないで「ラヂオ体操」としているところに、なにかなつかしさを感じました。作者も十分承知していることでしょう。ただ、ラヂオ体操の時代から親しんでいたことを感じました。ラヂオではどんな人が、あるいは、一人でおこなっているのか、そうでないのかが分りません。テレビですと女性のアシスタントが三名くらいおります。そして彼女達の毎日のシャツの色とか柄が変わるのです。そうした、ラジオ時代の体操の風景とテレビ時代の体操の風景の違いを歌いつつ、世の移り変りをも歌っているように感じました。 後藤早苗東名で渋滞していた新聞が夕方にくるつかれたように今年の大雪によって方々で被害がありました。その波及が雪のない伊豆の下田にもあったのです。いつもなら朝一番に届く新聞、それがなかなか来ない。新聞店からはなんの連絡もないが、多分大雪のために遅れているのだろうと察して待っているわけです。午前中に来ない、午後にも来ない、やっと夕方に配達された。待ちくたびれた作者でしょう。夕方やっと配達された朝刊がこころなしかつかれたように感じられた作者なのでしょう。 藤井美智子停電の寒さの中にすべのなく和讃のしらべ電池で流るる 確か、二月の大雨で西伊豆に停電がありました。二月ですから電気製品が使えないと寒さが応えたでしょう。作者はご主人を亡くされて現在お一人で暮しています。心細さは想像にかたくありません。 この歌は、上の句「停電の寒さの中にすべのなく」と下の句「和讃のしらべ電池で流るる」との間に、省略があると思います。すなわち、「すべもなく」て、電池で動くラジカセをもってきてテープをセットしたのでしょう。趣味の詩吟などもかけたでしょうか。そんななかで、今和讃のしらべが流れているのでしょう。そして、作者の心細さを癒していることでしょう。 小池美恵子「色白は七難かくす」と言われたりきびしき亡母(はは)のやすき一言 今は亡き母が「色白は七難かくす」と言っていたのでしょう。母親はなかなかきびしい人だったようです。そのきびしい母親が、「色白は七難かくす」という諺を作者に言っていたようです。色々欠点があっても、お前は色が白いからその欠点が隠れるだろうということでしょうか。「やすき一言」の解釈はなかなかむずかしいのですが、ちょっと軽い感じでいわれたのでしょうか。きびしかった母親がちょっと砕けた感じで、あるいは多少冗談のようなかんじで言ったのでしょうか。しかし、作者にはその言葉が深く心に刻まれたような感じがします。ただこの歌は母親の思い出を歌っているのではないように思います。この歌の前にお孫さんを詠んだ歌が並んでいます。ですから、お孫さんが作者に似て色が白いのではないでしょうか。お孫さんの将来を思うにつけて、自分が母から言われた「色白は七難かくす」という言葉を思いだしている、なんとか上手く生きていかれるだろうと思っているのではないでしょうか。【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.19
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3月19日(水)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるろ(2) ろう(らう)廊(名詞)廊下。回廊。歩廊。画廊。膝つきて廊拭き居しが許し乞ふかたちに似ると立ちあがりたり 蒔田さくら子北向きの廊下のすみに立たされて冬のうたなどうたへる箒 永井陽子ろうがわし(らうがはし)乱がはし(形容詞シク活用)乱雑だ。むさくるしい。「みだりがはし」とも。北風南風(きたみなみ)かたみに吹きて乱がはし春定まらぬ身の置きどころ 斎藤 史ろうかん(らうかん)琅玕(名詞)暗緑色・青碧色の半透明の石。まが玉に用いた。碧玉(へきぎょく)。または、美しい竹をいう。わが心旅となりゆく琅玕の一顆を胸に鎮め立てれば 山中智恵子春香をふふめる風を孕むゆゑ琅玕は鳴る竹の林に 石田比呂志(つづく)
2014.03.18
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月18日(火)枯れ草の中に元気に頭上げつくしん坊が日を浴びている風に揺れわいわいがやがや騒いでるつくしん坊は今伸び盛り二十年子が生活をする所施設の名前がつくし学園富士の絵を見て枯れ枝を透かしはるかに白雪の富士のお山が坐りてござる満開の桜の花の木の上に富士のお山が顔を出しおり【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.18
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短歌用語辞典3月18日(火)ろ(1)ろ (接尾語)余情や親愛感をあらわしたり、語調をととのえたりする。永き日の春の田沼の葦牙(あしかび)は眼(め)聡(さと)き童(こ)ろが摘みて行きにけり 木俣 修氷嚢の氷かすかにふれあへりみじろぐたびに音悲しきろ 小名木綱夫ろ炉(名詞)床を四角に切り、火で暖をとったり、湯を沸かしたり、食物を煮たりする所。いろり。煖炉。工場などの耐火性の装置。須賀川の牡丹の木(ぼく)のめでたきを炉にくべよちふ雪ふる夜半に 北原白秋夜の炉べに蜜(みつ)をのみつつ眼(め)つむれば幾百幾千の蜂と花々 結城哀草果原子炉の火ともしごろを魔女ひとり膝に抑へてたのしむわれは 岡井 隆(つづく)
2014.03.17
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月17日(月)白浜の短歌会にて歌評する一人一人の顔を見ながら平凡のありがたさそうそのことが分ればわれの歌も本物年取った腰が痛いというけれど生あることの幸せ思う昨日は寄合があり寝不足も歌会の歌評熱を帯びたり欠席の東部歌会選者賞出席したる友より受ける【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.17
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3月17日(月)短歌用語辞典(飯塚書店発行)れ(1)れもん檸檬(名詞)みかん科の小喬木。花は白く四季咲き。黄色の楕円形の実は香高い。檸檬搾り終へんとしつつ、轟きてちかき戦前・遙けき戦後 岡井 隆れんぎょう(れんげう)連翹(名詞)早春、葉の前に鮮黄色の花を長枝に群生する。生垣にも用いる。連翹の花にとどろくむなぞこに浄(きよ)く不断のわが泉あり 山田あき連翹の咲きし社宅の一区画また帰るなき小さき平和よ 近藤芳美連翹連翹連翹さむし亡き友がこのあかときを咳きやまぬ 塚本邦雄れんこん蓮根(名詞)はすの地下茎。食用として栽培される。蓮根掘は初冬の風物詩。蓮根を酢にひたしいる夜の孤立月あかるきにむしろみだるる 伊藤一彦(つづく)【送料無料】新・百人一首 [ 岡井隆 ]価格:924円(税5%込、送料込)
2014.03.16
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月16日(日)固き殻ようやく破り木蓮が長き眠りの目を覚ましたり寄合(よりあい)が夜あれば今日朝(あした)から早めに歌を作らんと思うつつましく生きゆくことの大切さ七十歳を過ぎて思うもたんぽぽははでではないが春を知り今いっせいに花を咲かせる誤れる選択といえど自らが選びしことぞどんな結果も【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.16
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3月16日(日)短歌用語辞典(飯塚書店発行)る(2) るつぼ坩堝(名詞)中の物質を直接火に触れさせずに強く熱するための容器。また中が煮えかえるように熱狂するさま。坩堝ふかく霧を煮つむる魔女として眠りゆく子をなだめぬながく 川野里子るり瑠璃(名詞)るり色。紫がかった紺色。紺碧(こんぺき)。湖岸(うみぎし)のあゆみおのづと水踏めば瑠璃をかくさぬ翡翠(かはせみ)飛べり 安永蕗子瑠璃いろの花一枝(いつし)掌(て)に受けむとす朝(あした)涼しき砂のハマゴウ 伊藤 麟(つづく)
2014.03.15
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月15日(土)寒風に向きて真赤に木瓜の花負けてはならぬと花開きおり磋牙司栃飛龍とも負けにけり残念ながらがんばりながら五首ノルマあと三首なり祈ります今日の短歌が出来ますように静岡県東部歌会欠席を思い出したり歌友の電話で友の歌の評価はいかに本日は静岡県の東部歌会【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.15
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3月15日(金) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年) る(29)る(助動詞)…れる。受身の意。自然に…される。自発の意。…できる。可能の意。…される。尊敬の意。われはいま植物色の管楽器夏花の野に吹鳴らさるる 斎藤 史四代をつづきし家が崩さるるどろどろといふ音をきくなれ 真鍋美恵子るいるい累累(形容動詞タリ活用)重なり合っているさま。ごろごろころがっているさま。ぞろぞろと連なり続くさま。続々。戦没をなべて殉教と呼ぶ国ぞるいるいと丘は墓 風に鳴る旗 吉田 漱奔馬ひとつ冬のかすみの奥に消ゆわれのみが累々と子をもてりけり 葛原妙子(つづく)
2014.03.14
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月14日(金)桜桃はヒヨドリの餌いっときの花を愛(め)でつつ満足とする肋骨(ろっこつ)にひびが入るも時という癒す力に任せんとする磋牙司下から下からさがらずに突き上げ今日の勝利を得たり今日勝って二勝四敗磋牙司小さな巨人明日もがんばれ散髪に行きて早速転倒の話をしたり肋骨のひびも【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.14
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3月14日(金)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるり(5) りんりん(副詞)声がよくとおるさま。東京に我はかへらむりんりんと朝(あした)の峡にひびく駒鳥 岡野弘彦りんりん凛凛(形容動詞タリ活用)勇ましいさま。りりしいさま。寒気などが鋭く身にしみるさま。葉牡丹の白と紫りんりんと霜をはじきて正月の庭 四賀光子夏至の日の国原早苗(くにはらさなへ)りんりんと立ちそむるなり水のひかりに 前 登志夫りんりん磷磷(形容動詞タリ活用)美しく輝くさま。ほろげたる羽根りんりんと炎(も)えてをり孔雀に過ぎゆく金色(きん)の如き時間 真鍋美恵子磷々と詠みくだすべし忘却も秋七草もひかりの微塵 前 登志夫(つづく)
2014.03.13
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月13日(木)東風激しく吹けば古傷を開くごとくに雨漏れがするぽたぽたと雨もれの音部屋中にひびくごとくに聞えくるなり栃飛龍きのうも勝ちて今日も勝つ三勝二敗白星先行磋牙司健闘するも負けにけり一勝四敗黒星先行白浜の歌会歌評終りたり一人一人のお心浮ぶ【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.13
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白浜短歌会三月歌評(三月十七日)NO.2下書き G子さん 患者らに声かけ見舞う看護師のまなこやさしく夜の病室 二ヶ月ぶりノルディックにて中庭を桜ミモザをめでつゝあゆむ(あるく) 1. このままでいいと思います。「やさしき夜の病室」ではなく、「やさしく」で切れてい ますから、本来の歌の順序としては、「看護師のまなこやさしく患者らに声かけ見舞う 夜の病室」となるのでしょう。どちらにしましても、結句のさりげない「夜の病室」という 言葉によって、がらっと内容が深まります。作者は入院なさっているのでしょう。自分 の病状を訴えるのではなく、このように看護師さんのやさしさに目を向けているところ がすばらしいと思います。 2. 「ノルディック」というのは、スキーのとき使う、両手に持つ杖だと思います。「あゆ む」と文語的な表現のほうがこの内容にふさわしく、深みが出るように感じます。「二 ヶ月ぶり」、「桜ミモザをめでつゝ」などの言葉が心に届きます。何でもないこと、たとえ ば歩くこと、歩くことが出来ること、このなんでもない日常生活の有難さを知った人の 歌だと思うのです。自分の病状を訴える歌もよいですが、こういう前向きな歌はさら に良いと思います。 しほざい 原 明男 地すべりの跡に生生 (なまなま )昨夜の雪浮ぶ大島白く凍てつく しほざいを遠くにおきて海苔を抓む屈む老女 (おうな )にどこまでも春 1.「生生(なまなま)」これは、昨夜の雪にかかる言葉だと思います。それにし ても雪に対して「生生」という言葉がすごいと思います。伊豆の生まれのわた しは雪に対するある種の思い入れ、あこがれみたいなものがあります。です からこういう題材に雪をもってくるのは冒険がありますが、原さんは成功して いるのではないでしょうか。なかなかきびしい作品になったと思います。大島 の復興もままならないのでしょう。そうしたなかで冬を迎え、雪に覆われてい る。「白く凍てつく」に作者の思い、傍観するしかない作者の無念のようなもの が滲んでいるようです。下の句は、「白く凍てつく大島浮ぶ」ということだと思い ます。 2.凪わたる海原、遠くからかすかに潮騒の音が聞えます。岸近くの磯では年 老いた女性が屈んで一心に海苔を抓んでいます。そうした光景を作者はやさし い眼差しで見ていたのでしょう。それを作者自身は姿を隠し、凪わたる海、お だやかな日差し、まるで大自然が老女をいつくしむように「どこまでも春」と歌っ たのでしょう。
2014.03.13
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白浜短歌会三月歌評(三月十七日)(NO.1)下書き A子さん ふすま開け婆ちゃんまんまよお風呂よと片事おしゃべり曾孫の美声(伝言)(曾孫は二歳の女の子)寒さ去り春の訪れわが望陽差しを浴びて身体運動 1.曾孫さんがかわいくてしょうがないといった歌です。それをどう歌おうか と苦心しているように思います。「曾孫の美声」にその気持がこもっているよ うです。「片事おしゃべり」がかならずしも「美声」とは結びつかないでしょう が、あえて「美声」といっているところが、「曾孫かわいい」と言っているよう にわたしには思えます。 参考:ふすま開け婆ちゃんまんまよお風呂よとかたことおしゃべり曾孫 は二歳 2.「わが望」は「わが望み」ですね。春を待つこころの歌です。そうした寒さのなかで も「身体運動」をして春待つ作者の気持が良いと思います。 参考:寒さ去る春の訪れ望みつつ陽差しを浴びて身体運動 三月 B子さん 三回忌家族が集い寺参り春雨の中笑顔で祈る 冬物のコート脱ぐよに気も晴れて気分壮快桜満開 賑わいて車の行き来儘ならず河津街道春爛漫 1.どなたの三回忌でしょうか。ご家族が集り寺参りをしたようです。この日は温かか ったのでしょうか。もう春雨のようだったのでしょう。そんな感じが「笑顔で祈る」を導 きだしたのでしょうか。笑顔は悲しみの果ての笑顔なのでしょうか。 2.「冬物のコート脱ぐよに」はなかなかすばらしい喩です。「気も晴れて」「気分壮快」 はダブッテいるように思います。そして、ダメ押しのように「桜満開」としています。わた しは、このような歌、あるもの、この場合「気分壮快」をあまりにも強調する歌を読む と、作者の逆の気分を思えるのです。「冬物のコート」にそうとう深い憂鬱を感じるの です。 3.河津桜で賑いている河津街道の渋滞を詠んでいるのでしょう。ただ、その渋滞の 苦情を述べるのではなく、河津桜の満開の状態を詠んでいるところが良いと思いま す。 参考:賑わいて車の行き来ままならず河津街道爛漫の春 H子さん 亡き夫の産まれたる日を赤く塗る 三月一日笑顔の日とす DNA永遠に連なる物語 連鎖の中に我等宿りし 思春期はサインコサイン模擬試験 越えて獲得この四十年 1.「産まれたる」という表現にまず目を留めました。「生まれたる」より具体的といいま すか即物的といいますか、そんな感じがしました。なんといっても結句の「笑顔の日」 です。単なる発想のすばらしさというだけでないように感じました。悲しみが笑いの元 のようにおもうからです。 2.題材のおもしろさ、すばらしさがあります。ご主人がなくなられたことなどを考えあ わせますと、「我も宿りし」ではなくやはり「我等宿りし」なのでしょう。 3.思春期の思い出のような感じですが、「越えて獲得」がすごい言葉だと思いまし た。なにかそうとう越えがたきことがあったのでしょうか。「思春期の、もしあの時…だ ったら」などといういろいろなことが想像させられました。 C子さん 染めないで白髪 (しらが )のままでいいんだよ年寄りらしくていいと思うよ 煮炊きして老後を送る夕御飯好みの味で独りも又よし 赤黄色小さき庭に春が来て花に水やる朝まだつめたし 1. 何か自分以外の人に諭しているような、そんな口調の歌です。しかし、これはやはりご自分 に一番言い聞かせているのではないでしょうか。そこが面白いと思いました。 2.「独りも又よし」と誰に語るともなく言っているようです。「みんなで食事をするのは 勿論楽しいけれど、ひとりはひとりのよさもあるよ」と言っているようです。あるいは、 言い聞かせているようです、ご自分自身に…。 2. 赤は椿でしょうか、黄色は水仙ですか、色とりどりの花が咲きだしました。庭は、 まるで春がきたようです。花に水をやろうと朝庭に出たのでしょうか、その冷たさに驚 いているようです。 D子 さん 打ちよせる波が連れくるわかめなる海のめぐみをありがたく受く また今日も穫りたる野菜ぬか漬けにするも取り出し忘れる夫は 1.まず、「わかめなる」でしょう。「なる」は連体形ですから、下に続きます。「わ かめなる海のめぐみ」と続くわけです。結句などで、名詞止のかわりに連体形で 止める場合もあります。「わかめなり」で終止形にして、ここでひと息入れるのも よいと思います。「打ちよせる波が連れくる」は現在形で、一般論といいますか、 そんな感じがしました。「連れ来し」(連れて来た)とするとぐっと臨場感は増すよ うに思います。「海のめぐみをありがたく受く」と「海のめぐみとありがたく受く」と どちらがよろしいでしょうか。一字ですがかなり違いがあると思います。 参考:打ちよせる波が連れ来しわかめなり海のめぐみとありがたく受く 2.「また今日も」は「今日も獲りたる野菜」と続くようです。「今日もまた」とする と、ひと息ここでつく感じがします。どちらの方がよいか。「忘れる夫は」と現在形 がよいか、「忘れし夫は」とちょっと思い出すような過去形にしたほうがよいか。 「夫は」の「は」は強い調子です。「わたしはそんなことはないが、夫は」の「は」に 思えます。それはそれでよいのですが。「夫よ」という言い方もあるでしょう。 参考:今日もまた獲りたる野菜をぬか漬けにするも取り出し忘れし夫は E子さん 腰痛になやまされたるつらき日々たそがれの空の彼方に祈るのみ 海遠く我の部屋よりみつめたる大島ちかぢかなつかしく見ゆ 1.「たそがれの空の彼方に」が独特な感じがしました。「のみ」が字余りです。 強めたいのだとおもうのですが、なくてもよろしいのではないかと思います。 2.海遠く、離れているなあと見つめていた大島が、なぜか今日は近々見え、な つかしく見えることだ…。といった感じだと思います。それは傷ついた大島を思 ってのことでしょう。その傷ついた大島に、作者はなんらかの親近感をおぼえた のでしょう。 F子さん 虎落笛 (もがりぶえ )鋭どく鳴らす風と雨に心許無い一日過ごしぬ 満開の河津桜を見る度に雪に閉ざさる老友 (とも )は如何にと眠られぬ夜の静寂 (しじま )を山鳩の声聞こえきて寝返りを打つ 1.この通りだとおもいます、作者の現在の心境は。正直に言えば、きれい過ぎる感 じというのでしょうか。歌としてはよく出来ていると思います。強風も今の時期は寒風 ですので、そうとう厳しいと思うのです。虎落笛が美しすぎるように感じたわけです。 虎落笛をつかうのであれば、「心許無い」をむしろ逆にする方法もあるとおもうので す。心が豊かだからこそ寒風を虎落笛と感じたのではないでしょうか。 参考:虎落笛鋭く鳴らす風と雨に心豊かなひと日過ごしぬ 2. 早咲きの河津桜と今年の大雪との対比です。それはよいとおもいます。「見る度 に」が少しひっかかりました。ここに時間が入っています。「満開」「雪に閉ざさる」など 強い言葉はかえって印象をうすめることもあるのです。抑えた表現のなかににじみ出 るものを大切にしたいと思っています。 参考:早咲きの河津桜を見ていたり大雪に遇う老友を思いて 3. 「眠られぬ」と言ってしまったら、「寝返りを打つ」があまり効果がないようです。言 わないで、「(何度も)寝返りを打つ」のであれば、読者は作者が「眠られぬ」と想像が つくと思います。 参考:眠られぬ夜の静寂に山鳩の声聞こえきていつしか眠る 三首とも、原作が悪いわけではありませんが、参考を参考にしてみてください。 逆のような表現をあえてしていますが、悲しみがあって喜びがあり、喜びがあっ て悲しみがあるからです。両者は一体であって、全く関係が無いことではないと 思うのです。それが文芸ともいえるのではないでしょうか。(つづく)
2014.03.13
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短歌用語辞典3月13日(木)り(4)りんご 林檎(名詞)長野・青森・北海道などが生産地。明治に西洋種が輸入されてから品種が改良され、現在も盛んに新種の現れている果実。日のあたる林檎おかれし卓あればなべて平安といふを憎みつ 尾崎左永子ぴしと鳴る林檎の中の雪の水全東北は雪ぞと思ふ 馬場あき子店頭の赤き林檎の頬をつと指につつきて幼子ゆけり 石田比呂志りんどう(りんだう)竜胆(名詞)秋に青紫や白の筒状花を開く。春咲く小形のものもある。竜胆の花活けをれば先の世も後の世もひとり棲むかと思ふ 大西民子生きの緒のぬきさしならぬ濃紫(こむらさき) 明日とはいはず今日の竜胆 築地正子(つづく)
2014.03.12
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月12日(水)転倒の折りにしたたか打ちつけしあばら骨より激痛走る病院に母を連れ行き知り人(びと)に会いたる母の話はずめり医師の前神経質と母を言うまるでわたしが母のごとくに昨日は区の仕事あり今日病院明日は文化協会の仕事白浜の歌評を急ぐ三月は決算三つせねばならぬが【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.12
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3月12日(水)短歌用語辞典(飯塚書店発行)り(3)りゅうひょう(りうひよう)流氷(名詞)海面に流出した氷塊。地平より一段高く海見えて流氷の白海を被える 清原日出夫流氷の海の色かも行きずりのわれに振り向く極地犬(ハスキー)の瞳(め)は 道浦母都子りり離離(形容動詞タリ活用)並び連なるさま。長くつながるさま。散り乱れているさま。心が離れて親しみのないさま。青春を晩年にわが生きゆかん離々たる中年の泪(なみだ)を蔵(ぞう)す 宮 柊二りり凛凛(形容動詞タリ活用)りんりん。寒気が鋭く身にしむさま。ひきしまって勇ましいさま。りりしいさま。衆とともにはだかる魂りりとあるきみの死顔ぞわれを哭かしむ 山田あき噴水は疾風にたふれ噴きゐたり 凛々たりきらめける冬の浪費よ 葛原妙子(つづく)
2014.03.11
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月11日(火)日が差せば凍りていたる枯草がかすかな音をたてて葉を上ぐかろうじて両手を突きぬ躓いて体もろともコンクリの上年取るというはこのこと数センチ高さに躓き倒れてしまうコンクリの上に倒れしその刹那おのれの体の重みを知れり倒れたるはずみにしたたか打ちたるは肋骨(ろっこつ)それに肝臓あたり足元をすくわれわれは転倒す思い上がっていたかも知れぬ【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.11
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3月11日(火)短歌用語辞典(飯塚書店発行)り(2) りっしゅう(りつしう)立秋(名詞)秋のはじまる日。陽暦八月八日。立秋となりたる空の色澄むに遠くの山の荒るるを伝ふ 富永 貢りっしゅん立春(名詞)春のはじまる日。陽暦二月四日ごろ。節分の翌日。髪落ちて鶴岡の灯に売られいる雛の気品や立春の雪 馬場あき子りっとう立冬(名詞)冬のはじまる日。陽暦十一月八日ごろ。冬立つ。冬に入る。冬きたる。けふ立冬の寒く時雨るる咳(しはぶ)けば即ち聞きぬあたたかく着よ 福田たの子(つづく)
2014.03.10
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月10日(月)早朝にゴミ捨てに行く六時半すでに袋が三つ出ている歌会が十日となりて施設へと早めに子供を送り届ける歌会は百三歳の誕生会詩吟の後にマイウエイを歌う若き日に詩吟を習いしこと語る百三歳の「富士山」を聞く栃飛龍攻めこみたるも敗れたり明日がんばろう磋牙司関も【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.10
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短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年) り(24)り裏・裡(接尾語)…うち。…のなか。「暗々裡」は、ひそかに。ないない。征矢(そや)ひとつ放つおもひに秋光(しうくわう)裡老のいのちをふるひたたしむ 木俣 修植物に執したまふを暗々裡利して乞ひきぬ十七年間 宮 柊二り(助動詞)…ている。…てある。動作が現に存在している意。…た。…てしまった。完了の意。咲き終へて散り敷く椿の花の紅(こう)踏み避(よ)け踏み避けわれは歩めり 来嶋靖生小雨けぶる苑の小道の暗くなり聞けり鴉のああああの声 野村 清青竹を男が割れり青竹のにほひのなかに次々に割る 真鍋美恵子りっか立夏(名詞)夏のはじまる日。陽暦で五月六日ごろ。レックスベコニア葉を美しく飾るとき病む切なさのつのりて立夏 佐藤早苗(つづく)
2014.03.09
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月9日(日)葉を落とし仮死状態の柿の木が息吹き返す春はまだ先木の枝は一本一本空に向き何を求めて伸びているのか葉を落し裸となれるすがしさよ細かな枝の心見えくる花を待つ桜の細き枝枝が地に影映ししずもりている焚きたての新米のごとその言葉一字一字を噛みしめて読むvc_pid=877935733&vc_vcptn=blog%2Fp%2FAysRdpD1D6aphp3dZWi0gs8-&vc_text=%B2%CE%BD%B8+%A4%EF%A4%AC%B2%C8%A4%CE%C5%B7%BB%C8&vc_url=http%3A%2F%2Fstore.shopping.yahoo.co.jp%2Fguruguru%2F9784434130373.html【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.09
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3月9日(日)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるら(4) らん蘭(名詞)蘭科の多年生植物。観賞用に栽培されてきた。寒蘭・春蘭・秋蘭・カトレア種類が多い。花は芳香と気品がある。蘭の鉢を取り込まむとし花よっりも葉よりも寒きわれかも知れず 大西民子日向(ひうが)の寒蘭も見て行きたいが花よりも先に人間がゐる 土屋文明らんらん爛爛(形容動詞タリ活用)光り輝くさま。鋭く光るさま。月蝕を終りし月がらんらんと星座の中を渡りゆくなり 楢崎勝子わが悪徒志願のあした爛らんとまなこかがやく種牛をみき 田島邦彦(つづく)
2014.03.08
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/3月8日(土)今日も五首出来ますようにと祈りつつ寝不足の目をこすり目覚める気がかりのことひとつあり眠らんとすれば幾度も思い出すなり信じようなにがなんでも信じようわれの取柄は信じぬくこと大学に合格せしも結局はわれの信じる力と思う幸運の多い一世(ひとよ)といえるのもわれの信じる力によらんキリストもきっと現れくれるらんわれに信じる力があれば【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2014.03.08
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短歌用語辞典3月8日(土)ら(3)らむ (助動詞)今ごろは…しているだろう。…だろう。…のだろう。「らん」と発音する。推量の意。帰らざる幾月ドアの合鍵の一つを今も君は持ちゐるらむか 大西民子亜麻鷺の歩みゆくらむ落ちたりし鬼の子のごと寂しきあゆみ 山中智恵子らる(助動詞)…られる。受身・自発・尊敬の意を示す。…できる。可能の意を示す。やわらかな秋の陽射しに奏でられ川は流れてゆくオルゴール 俵 万智生きらるる耕地は欲しと石工等は出稼ぎに彫りし野の石仏 窪田章一郎らん卵(名詞)鳥・魚・虫などのたまご。卵といふかなしきものを集めきて人は並ぶる白布の上 真鍋美恵子鮭の卵嚙めば涙のごときもの動くこころは人に知らゆな 尾崎左永子(つづく)
2014.03.07
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