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月組による次回大劇場公演の演目が【I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調べ-】に決定した。母国オーストリアではかなり話題の作品らしく、外国語による上演は宝塚歌劇団が初となる。YouTubeで見た限り、明るく前向きで、爽やかな感動を届けてくれる作品のようだ。今の月組のイメージには合っているのではないだろうか。鳳月杏が参加する初の月組公演でもあるが、今から配役が楽しみだ。映像に出て来るお婆ちゃんが、妙に気になって仕方がない(笑)。オーストリアの第二の国歌とも称される主題歌【I AM FROM AUSTRIA】も、歌詞の意味は分からないが、メロディが美しく一緒に歌いたくなる曲だ。宝塚では、どんな日本語訳の歌詞が付くのだろうか。
2019.02.26

若い頃は、確かに「女性にモテたい」と思っていた。「もっと、格好良く生まれていれば…」と(笑)。しかし、離婚して齢も40を過ぎると、逆に「モテたらモテたで、色々と大変だろうな…」と思うようになった。女性の期待や要望に応え続けるのは、至難の技だ。僕のように貧乏暇無しで、女心も分からない男は、独りの方が性に合っている。なんて事を、一度だってモテた試しが無い男が言うと、ただの「負け惜しみ」に聞こえるので、この辺で止めておこう(笑)。今は、遠くからすみれの花達を愛でるだけで精一杯だ。そんな僕とは恐らく真逆の生き方をして来たであろう男が、今回の花組公演【CASANOVA】で、明日海りおが演じている主人公のジャコモ・カサノヴァだ。しかし、これは「演じている」と言うより、むしろ「明日海りおの魅力をカサノヴァに喩えて見せている」と言った方が良いのかも知れない。それ位、今回の舞台では両者が重なって映った。ファンも、カサノヴァの物語と言いながら、絶対に明日海りお本人に酔いしれていたに違いない。(彼女の「だろうな」という声が聞こえて来そうだ…笑)その美貌と美声、耽美な空気感に触れていると、彼(女)がたとえ自分一人だけのものではないと知りながらも、今だけはその愛に包まれていたいと思ってしまう。また会ってくれるなら、そのひと時のために、彼(女)の罪深さを許してしまいたくなる。そんな稀代のプレイボーイ像を、「宝塚のカサノヴァ」明日海りおが、愛と包容力を持って完璧に体現してくれた。これはもう、溺れるしかない(笑)。(【宝塚GRAPH / 2018年2月号】より)という事で、短いが今回はここまで。他のキャストの感想も書いてはいるのだが、どうも上手く纏らず、文章が細切れ状態なのだ。全部を書き上げていたら、一体いつになるか分からないので(笑)、とりあえず纏った分だけを。
2019.02.25

僕は常々「望海風斗は宝塚のスケールを超えている」と言って来たが、今回はポスター画像の段階から既に宝塚のイメージを凌駕するリアル感と完成度で驚かせてくれた。彩風咲奈と真彩希帆の表情も素晴らしく、本当に宝塚じゃないみたいだ…(笑)。(今回はあまりに見事なので、公式HPの画像を一切編集せず、そのまま載せる事に)原作は浅田次郎の小説で、中井貴一を主演に映画化もされているが、僕は観ていない。観劇する前に映画で予習するべきか、それとも予備知識を何も入れずに観劇するべきか、今真剣に悩んでいる…(笑)。
2019.02.23

北翔海莉の母親に脱税疑惑が持ち上がり、驚いている。新聞記事を読む限りでは、申告漏れがあったのは事実のようだ。(問題は、それが単なるミスなのか、それとも故意なのかという事なのだろう)僕は、誰かの私設ファンクラブに入った事もなければ、その個人事務所やFCがどのように運営されているのかも知らないので、これについて何かを語れる立場にないが、宝塚の関係者、特に大好きなみっちゃんがこのような形で好奇の目に晒される事になってしまったのは、残念で仕方がない。つい数ヶ月前に、結婚というおめでたい報告があったばかりなだけに尚更だ。本当に、昨年末から色々な出来事が続いて、気持ちが追い付かない。(実は、先月も、常連さんの息子が警察に逮捕される事件を起こしたと聞いて、驚いたばかりだ)自分の不幸なら、いくらでも笑い話にできるのだが…。しかし、まあ、動揺してばかりもいられないので、気を取り直して花組公演【CASANOVA】の感想を書いて行こう。キャスト別の感想は後回しにして、今回は作品全体の印象を。18世紀のヴェネツィアに生まれ、1000人もの女性と浮名を流した男、ジャコモ・カサノヴァ。彼にとって、恋は生き甲斐のようなものだった。しかし、どれだけ恋を重ねようと、本当に愛する事ができる相手は、世界にただ1人だけ。そんな運命の女性ベアトリーチェと巡り逢いながらも、今度は過去の自分の行いが障壁となり、彼は彼女に辿り着く事ができない…。花組【CASANOVA】の内容を簡単に説明すると、そんな感じになるだろうか。直前に観た【ファントム】や【深きエルベのほとり】の濃密さ、濃厚さに比べると、今作はもっと軽いテイストの「オードブル」のような作品だ。イタリアの人生訓よろしく『マンジャーレ(食べて)、カンターレ(歌って)、アモーレ(恋をして)』いる内に、何となく舞台が終わる。だから、観終わった後も、大きな満腹感は無い。僕のように、脚本に重点を置いて観る向きには、物足りなさを感じる内容だろう。実際、全体的に予定調和な印象は否めず、特に第二幕は物語を一気に収束させようとするあまり、唐突さや強引さを感じる展開が目立った。登場人物達の会話や表情から、表現したい事はそれなりに伝わって来るのだが、何故そうなったのかを観る側にきちんと納得させるだけの根拠に欠けた。ただ、そうは言いつつも、一本立てだけあって、ベテランから若手まで満遍なく見せ場があり、そういう意味でオードブルのように楽しめる作品である事は間違いない。特に、明日海りおの魅力に溺れたい人には、これ程お誂(あつら)え向きな作品は無いだろう。その辺りも含めて、次回はそれぞれのキャストについて書いてみようと思う。ところで、どうでも良い指摘かも知れないが、あの場面はやはり【アナと雪の女王】をイメージしたのだろうか。ベアトリーチェが歌いながら階段を上って行く姿を観ながら、僕の頭の中で『Let It Go』が流れて来て「何だか似てるな〜」と思ったのだ。終演後にはすっかり忘れてしまっていたが、感想を書いてからいつものように【薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス】をチェックしたら、彼もその事に触れていて、同じように感じた人がいたと知り嬉しかった(笑)。
2019.02.21

今年から始めたLINEで、先日初めてスタンプを購入した。本当は『おしりたんてい』のものが欲しかったのだが無くて、他に何かあるかと探していたら『北斗の拳イチゴ味』のスタンプを見付け、思わず購入ボタンを押してしまった(笑)。『北斗の拳イチゴ味』とは、題名からも分かるように『北斗の拳』に出て来る敵キャラクター、聖帝サウザーを主人公にしたギャグ漫画だ。一応(?)原作者から公認を貰っており、単行本だけでなくアニメ化までされている。まあ、そうは言いつつも、漫画自体をちゃんと読んだ事はないのだが(失礼…)、実は『北斗の拳』の中で、僕はサウザーが一番好きなのだ。(逆らう人間は女子供でも容赦しない、という残忍で非道なキャラクターなのだが…)その『イチゴ味』がLINEのスタンプになっていると知り、どうしても無視できなかった(笑)。因みに、サウザーと並んで好きなのが南斗五車星の1人、雲のジュウザだ。こちらは、世紀末の動乱などどこ吹く風で、勝手気ままに生きていた無頼なのだが、ある人物との再会を切っ掛けに、打倒ラオウのため立ち上がる。2人ともキャラクターは真逆だが、誰かを強く想うが故に愛を捨てたという点で共通点がある。その哀しみの隠し方や生き様が、いかにも男っぽくて不器用で好きなのだ。 (左:サウザー / 右:ジュウザ)原作を知らないと笑えないと思うが、試し読みはこちら →【北斗の拳イチゴ味】『おしりたんてい』は、正月に姪っ子が「一緒に読もう?」と持って来たので初めて知った。顔がお尻の形をした私立探偵が様々な事件を解決していく児童書シリーズで、「ふ〜む、臭いますね」と「失礼こかせて頂きます」が口癖。その奇妙な造形は元より、謎解きの要素に溢れ、大人も子供と一緒に楽しめる絵本だ。現在は、Eテレでアニメ(毎週土曜、朝9時〜)も放送されている。必殺技のオナラ(?)を嗅いだ者が、敵味方を問わず劇画タッチの顔になるのも面白い。(助手のブラウンは、毎回それに巻き込まれる…笑)ぜひ、LINEのスタンプに加えて欲しいのだが…。
2019.02.18

「宝塚ブログ」ではないのだから、別に気にする必要は無いはずなのだが、宝塚の話題を書かないと何となく落ち着かないのは、僕が気弱だからなのか、それとも宝塚の存在が僕の中でそれだけ大きくなっているという事なのか…。しかし、こういう話題も記録しておくのがこのブログの目的なので、宝塚の諸々を期待していらっしゃる方々はご理解頂きたい。(来週19日には花組公演【CASANOVA】を観に行くので、そうしたら何か書けると思う)相変わらず寒い日が続くが、それでも少しずつ日は長くなっているのを感じる。朝も、先月までは6時半と言えばまだ真っ暗だったが、最近は薄っすらと明るくなり、春の目覚めが近い事を知らせてくれている。寒さに負けず、もう少し頑張ろうと思う。アメリカを襲っている大寒波に比べれば、全然マシだ…。新年早々、卵の値段が急落して驚いた。大晦日の値段が1240円で、1月5日が1100円だったので、それだけでも結構な値下がりと言えるが、これ位ならまだ無い話ではない。しかし、翌週はそこから更に値下がりして、何といきなり800円になった。約3年前に1550円まで高騰した時期があったが、その時の約半額だ。300円も一気に値下がりした事も驚いたが、1000円を切った事にも驚いて、思わず「えーッ!!?」と声を出してしまった程だ(笑)。1000円以下になる事なんて、僕の記憶ではこの5〜6年無かった気がする。業者の話によると、鶏の頭数が増えて、産む卵の数が急増した結果らしい。「それにしても、下がり過ぎだろう…」と思うのだが(笑)、まあ、高いよりはずっと良い。今は少し値上がりして970円。それでも、まだ1000円以下を維持しているのが凄い。今月は売上げが悪いので、少しでも支出を抑えたい所だ。12日(火)は、朝から病院の診察に行って来た。事故に遭ってから、ちょうど1ヶ月だ。9時過ぎにレントゲン撮影をしてから、待たされる事2時間45分…。結果は、特に問題無し。まだ痛みがあるので、来月19日にもう1回通院しなければならないが、次で最後だろう。炎症も(跡はまだ残っているが…)無事に治まり、また甘い物が食べられるようになった(笑)。ただ、怖いので、もう湿布は貼れない。(以前、お客さんから貰った湿布が「モーラスパップ30mg」なのに対し、病院から処方されたのは「120mg」なので、やはり結構きついのだと思う)まあ、炎症の話を医者にしても何も言わなかったので、別に貼らなくても大丈夫なのだろう。では、また。
2019.02.15

最近ラジオのCMで知ったのだが、英国のエレクトロ・ポップ・デュオ、PET SHOP BOYSが初来日してから、今年でちょうど30年になるらしい。30年前と言えば、1989年だ。その年は、僕が高校に入学した年で、ハード・ロックに興味を持ち始めた頃でもある。そんな中、深夜放送されていた『MTV』関連の番組で観て、一気に嵌まったのがデンマーク出身のロックバンド、D-A-D(ディー・エー・ディー)だ。シンプルながらパワフルで泥臭い彼らの音楽スタイルは、僕だけでなく当時の洋楽ロック・ファンの間でもかなり注目されたように記憶している。ベースが、何故か2弦しかない事も話題になった。そんな彼らの出世曲でもあり代表曲でもある【Sleeping My Day Away】は、今聴いてもやはり格好良い。個人的には、’89年を象徴する1曲だ。(L.A.GUNSの【Rip and Tear】も忘れ難いが…)因みに、「D-A-D」とは「ディズニーランド・アフター・ダーク」の略。元々そのバンド名で活動していたのだが、メジャーデビューした際にディズニー側から告訴の警告を受け、頭文字だけの名称になったとか。L.A.GUNSは、トレイシー・ガンズ(G)を中心としたバンドで、勿論ロサンゼルスの出身。'85年、このL.A.GUNSとHOLLYWOOD ROSEというバンドが合流して、あの驚異のモンスターバンド、GUNS N' ROSES('87年デビュー)が誕生したというのは、あまりに有名な話だ。(ただ、トレイシーは直ぐに脱退しており、自ら再結成したL.A.GUNSで'88年にデビューする)デンマーク出身のロックバンドと言えば、'94年にデビューしたDIZZY MIZZ LIZZYも有名だ。国内外で高い評価を得るも、休み無しに続くツアーやレコーディングに疲れた事を理由に、'97年には活動を休止してしまう。それでも人気があるのか、代表曲の【Glory】は意外にも「カラオケDAM」で配信されている。僕もよく歌った。(最近、全然カラオケ行ってないな…)せっかくなので、デンマーク繋がりで、もう一つバンドを紹介しておこう。4人組のメロコア・バンド、STRAWBERRY SLAUGHTERHOUSEだ。'97年発表の2作目【SUCK - AND THE ART OF SURVIVING SUBURBIA】は、今でも時々聴きたくなるお気に入りの1枚だ。ただ、セールス的には結果が出なかったようで、3作目を発表する事なく解散してしまった…。そして、理由は分からないが、僕はこのアルバムを聴くと何故か「冬」を感じる。逆に言えば、冬に聴きたいアルバムという事になるか。どう考えても、冬のイメージは全く無いのだが…(笑)。
2019.02.13

昨年11月に祖母が亡くなった辺りから、プライベートでも宝塚でも妙に色々な事が続き、気持ちが追い付かないのか、最近はちょっと腑抜けてしまっている。偶然に見付けたオーロラの映像に癒される日々だ。世界的に有名なオーロラの観測地として知られるカナダのイエローナイフでは、3日いれば90%の確率で観られるらしい。個人的には、観光も兼ねて北欧に行きたいが、北欧は意外に曇り空が多く、オーロラ観測にはあまり向いていないのだとか…。(要は、お金と時間の問題だな…笑)
2019.02.11

七海ひろき卒業の感傷に浸るあまり、気にも留めていなかったが、そうだった。その可能性がある事をすっかり忘れていた。星組トップコンビ、紅ゆずると綺咲愛里が退団発表……。正直、2人に対しては、頑張って欲しいとは思っていたが、特に何かを期待してはいなかった。寧ろ、七海ひろきと礼真琴、そして瀬央ゆりあばかりに注目していた。しかし、公演を重ねるにつれ、組子達が徐々に個性を発揮し、組が輝きを増して行く様を見て、自分の見立てが間違っていた事に気付かされた。彼らがトップになるには、やはりそれだけの理由があったのだ。今回の【霧深きエルベのほとり】でも見事な演技を見せており、次回作で退団なんて想像すらしていなかった。そして、今日の発表に、思った以上に動揺している自分がいる。僕はいつの間に、こんなにも彼らを好きになっていたのか…。寂しい……。
2019.02.05

先週の話題になるが、ビートルズのデビュー前夜を描いた青春映画【BACKBEAT(バックビート)】の舞台版が、日本で上演される事が発表された。【BACKBEAT】と言えば、昨年末にこのブログで紹介したばかりだ。主演はアイドルグループ「A.B.C-Z」のメンバー・戸塚祥太。さすがに彼の事は全く知らないが、新聞記事によるとビートルズのファンらしいので、きっとスチュアート・サトクリフ役を熱演してくれるに違いない。これで、また少しでも若い人達がビートルズに興味を持ってくれると嬉しい。頑張れ!! ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆公式サイトはこちら → 舞台【BACKBEAT(バックビート)】因みに、これを書いている最中にラジオで知ったのだが、何と今日は「ビートルズの日」らしい。彼らの愛称「Fab4(ファブ・フォー)」と、2月4日の「February 4」を掛けているのだか。(「Fab」は「Fabulous(素晴らしい)」の略)偶然とは言え、正直ここまで繋がるとは思わなかった。主演がジャニーズグループというのも、先日の「嵐」繋がりと言えなくもない。(僕がジャニーズを話題にするなんて、滅多にある事じゃないし…)今年のテーマは「繋がる」なのか…?(笑)海外で上演された舞台版は、多分これだと思う。
2019.02.04

また月が欠ける…。鳳月杏の組替えが決まった時点で、何かあるだろう事は予測できたが、できればそれは誰もが喜べる方向であって欲しいと思っていた。しかし、劇団から発表されたのは、悲しい報せだった。たとえそれが彼らの宿命とは言え、あまりに満ち欠けが激し過ぎて、僕はどんな気持ちで夜空を見上げれば良いのか…。彼女が今の月組にもたらしてくれた恩恵は、余りに大きい。それは、ファンに限らず誰もが認める所だろう。それだけに、この結末にどう言葉を掛けて良いのか分からない。美弥るりか退団…。鳳月と同じ舞台に立つ事も無い。3週間前のあの喜びは何だったのか…。いつでも、月はそこにあるのに……。今はまた、涙で滲んでしまっている。とりあえず、気を取り直して、2度目の星組公演【霧深きエルベのほとり】観劇の感想を。言葉を選んでいたら、思ったよりも時間が掛かってしまった。ストーリーが頭に入っているからだろうか、3週間前に観た時以上に感情が込み上げて来て、涙をこらえるのに必死だった(笑)。前回はオーバーアクションに感じた紅ゆずるの芝居も、カールの人柄を知るにつけ、どことなく愛おしく思えて来る。そんな「動」のカールに対して、終始「静」の姿勢で周りと接していたのがフロリアンだ。礼真琴は、まだ僕が求める「覚醒」には至っていないが、フロリアンが抱える複雑な想いを、誠実さを持って丁寧に演じていた。【ファントム】でキャリエールを演じた彩風咲奈に続き、良い配役に巡り会えたと言えるだろう。話が逸れるが、今の芹香斗亜や美弥るりかがそうであるように、僕は「2番手はトップと双璧をなさなければならない」と考えている。それが、組の魅力をより一層際立たせる。翻って、現在の星組は、やはり紅ゆずるの色が非常に濃く、礼はどこか一歩引いて振舞っているように映る。今回のフロリアン役は、そうした彼女の姿勢が上手く作用し好演に結び付いたが、彼女はもっと我を出して良いように思う。そこから見えて来る景色が、必ずあるはずだ。全国ツアーで、ひと皮剥けるか…。話を戻そう。思った事を口にできるカールに対し、常に受け身のフロリアンは誰よりも辛い立場にある。迷う時もあれば、心が折れそうになる時もあるだろう。それでも、その場の感情に流されず、誰に対しても公平であろうとする彼の姿勢は尊敬に値する。自分の気持ちを偽る事と、心を強く保つ事は全く意味が違う。彼は、自分の弱さと真摯に向き合える信頼できる若者だ。カールのように振る舞う事はできても、フロリアンのように生きる事は難しい。そんな彼が、自らの言動の拠り所とするのが「真心」だ。偏った価値観の上流階級にあって、何故あそこまで誠実な青年が育ったのかは興味深い所だが、彼は常に私心を捨て、自身の信じる「真心」に従って行動する。それは、相手がどうとか、得とか損とかという問題ではない。「自分がどう生きるか」という彼自身の信条の問題であり、覚悟の問題だ。白洲次郎の言葉を借りれば「プリンシプル(原理・原則)」という事になるだろう。その真心を素直に表現できるフロリアンと、照れ隠しからつい憎まれ口を叩いててしまうカール。出自も生き方も全く違う2人ではあるが、自分の幸せよりもマルギットの幸せを優先しようとする部分ではどこか分かり合っていたような気がするし、そこに奇妙な男の友情を感じさせた。マルギットの傍にいる男性がフロリアンだったからこそ、カールもまた自ら憎まれ役を買って出て、身を引いたのではないか。そんなカールとフロリアンの態度を見ながら、僕は漫画【北斗の拳】の最終章で描かれたバットの姿を思い出した。バットも、愛する女性リンと結婚できる立場にありながら、「それは彼女の本当の幸せではない」と言って、リンをケンシロウに託し自らは身を引こうとする。状況は全く違うが、「自分の幸せは愛する人が幸せになる事であり、自分が愛する人と一緒になる事ではない」という、頑(かたく)ななまでに不器用な男の愛の形は、彼らに共通しているだろう。自由と権利の名の下に、自己主張と承認欲求ばかりが強くなり、「忍耐」と「我慢」の違いが分からなくなっている現代社会では理解され難い生き方ではあるだろうが、僕はカールとフロリアンの中に確かな男気を見た。格好良い男には、ただ普通に生きるのとは違う、男としての「生き様」が必要だ。そして、その生き様を見せてくれるのが、宝塚の男役にほかならない。だからこそ、僕は宝塚が好きなのだ。(どこぞの宮家の婚約者にも、これ位の気概を持って欲しいものだが…)そんな2人の男の「真心」に触れたマルギットは、その後どうなるだろうか…。最後の場面、マルギットもフロリアンも何も語らないまま幕が降りるので、ここからは僕の想像になるが、もしマルギットがカールの愛と優しさに気付ける女性なら、やがて必ずフロリアンの愛と優しさにも気付く日が来るだろう。(そもそも、彼女が家出したのは父への反発心からであり、フロリアンを嫌っての事ではない)カールと出会い、誰かを愛する事、そして愛される事の意味を知った今なら尚更だろう。【霧深きエルベのほとり】は、世間知らずだったお嬢様が、一人の大人の女性へと成長する過程の物語でもある、と僕は思う。(願わくは、妹のシュザンヌもそうであって欲しい)そうでなければ、マルギットにヒロインとしての資格は無い。綺咲愛里の芝居は、そうしたマルギットの「イノセント(罪の無い)」な雰囲気をとてもよく出していた。レビューでも大人の色気が漂い、思わず見惚れてしまった程だ。これまでは「可愛さ」が先に立ち、紅ゆずるの背中を必死に追い掛ける姿に好感が持てたが、今回の舞台ではひと皮剥け、トップ娘役としての成長をしっかりと感じさせてくれた。紅・綺咲コンビに、また新たな代表作が加わったと言えるだろう。カールの水夫仲間達は、出番は限られていたが、それぞれに個性を出そうと頑張っていた。その中で、今回特に印象に残ったのが、オリバー役を演じる麻央侑希だ。頭は鈍(とろ)いが心優しくおっとりとした彼は、騒々しい連中の中にあって癒し的な存在になっている。そんなキャラクターを麻央は、素直に表現していた。後は、ヨーニー役の天飛華音だろうか。8日の公演を観た時に「そんなに声を張り上げて、千秋楽まで喉は保つんだろうか…?」と余計な心配をしてしまったのだが(笑)、3週間後に観た時も同じように叫んでいたので、きっと喉が丈夫なのだろう。(しかし、ケアだけは忘れずに…)七海ひろきのトビアスも相変わらず格好良く、カールの不器用さとは違い、最初から最後までスマートな男の生き様を見せてくれた。勿論、見えない所では色々な苦労をして来たのだろうが、だからこそ身に付けられる余裕や器の大きさを感じさせ、それはそのまま七海自身の生き様とも重なって見えた。いつだったか「彼女には(男役というより)唯一無二の七海ひろきを極めて欲しい」と書いたが、今回のトビアス役は正にそれを体現する芝居だったのではないか。最後の台詞も、そんな七海ひろきらしさが表れた実に爽やかな一言で、涙と笑顔が一緒に出てしまった(笑)。七海ひろき、おめでとう!!そして、星組の皆んなありがとう!!……………あ、レビュー【ESTRELLAS(エストレージャス)】の感想を書くスペースが無くなった…(笑)。
2019.02.02
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