2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
全11件 (11件中 1-11件目)
1
食いつきの悪い音楽ネタです(笑大阪に澤野工房というJazz専門レーベルがあります。junhiroが好みのタイプのジャズピアノのアルバムがたくさんあります。一番のおすすめはSerge Delaite TrioのLookin' Upというアルバム。特にタイトル曲の軽妙な感じがとても好きですこちらで誰かがアップしているようですので興味があればどうぞ!で、この澤野工房ですが、なかなかに面白いレーベルで、もともとは大阪のJazz好きの兄弟が「聴いて心地よかったらええやんか」の精神のもとに、主にヨーロッパから有名無名のアーティストを自らの足で探して日本に紹介したそうです。二人とも全くの素人でジャズが好きというパッションが二人を突き動かしたのでしょう何がユニークかって、大阪の履き物やさんなんですよ、この澤野さん!で、ウェブサイト、FBの他に先日タワレコに行った際にCDジャケット大のブックレットを見つけました自社で扱うアルバムが紹介されているのですが、それがユニークでBright, Mellow, Passion, Pleasant, Vintage, Quiet, Deepの7つのカテゴリーをそれぞれのアルバムにつけて、聞き手がアルバムの中身をイメージしやすいようにしてありますちなみに先のアルバムはBrightが50ポイント、Pleasantが50ポイントという具合。このレーベルからは他にも買っているのですが、自分の好みを見てみると、この二つのカテゴリーの他にもMellowが含まれたものが多いようです。 ポイントはアーティストについてこのカテゴリー分けが行われているのではなく、アルバムごとに行われているので参考になります。同じアーティストでもアルバムによってテイストが変わることがありますから、、、また、「好きなものに囲まれた暮らし」とか「山小屋で一人過ごす夜、静かで熱いざわめき」、「友人達が集まる部屋発見と出会い」そして「緑に囲まれた家、上質なものをセレクトする」という4つのシーンをあげ、さらにそれぞれごとに細かいシーンを設定してアルバムのリコメンドを行っていますたとえば「山小屋~」なら、「白夜のマッキンリー山頂」とか「初夏の八ヶ岳高原」というように聞き手がイメージしやすいシチュエーションを提示して、アルバムに誘導するやり方です小さなレーベルならでは自由な発想のマーケティングがとてもいいなぁと感心してしまいましたちなみにjunhiroが気に入ったLookin' Upですが、オリジナルはMichel Petruccianiというフランス人のジャズピアニストです。この方は生まれながらに障がいを持ち、体を自由に動かすこともままならず、背も100センチほどにしか伸びず、子供の頃に興味が向きがちなスポーツには足が踏み入れることを諦め、自らのパッションを音楽に向けたのだとか。ネットをふらふらとしていて今日たまたま見つけたネタなんですけどね、、、彼は1999年に36歳の若さで亡くなっていますが、彼の演奏がYouTubeにアップされていたのでご紹介しましょうhttp://www.youtube.com/watch?v=3Nrfble63cEアレンジとしては先のDelaiteの軽妙な感じの方が好きですが、Petruccianiが与えられた「生」を全うし、音楽に乗せて自己を表現したそのパッションに心を打たれました
Nov 28, 2011
コメント(12)

昨日はチチさん、マイちゃん、ボギさんと一緒に河口湖のあたりまでほうとうを食べに行きましたって、書きたいくらいそれぞれが酷いラウンドになってしまいましたこの時期の富士山の麓はかなり冷え込みますが、天気は素晴らしく、仲間も素晴らしく、残るは自分の腕次第という状況の中、ゴルフだけはなぜだか、4人ともに何があったのかを忘れたくなるような一日でしたいつも手入れの良いコースですし、天気もご覧のようにバッチリでした鳴沢は4~5度目のラウンドですが、このコースでここまで奇麗な富士山を拝んだのははじめてだと思いますjunhiroのショットがとにもかくにも酷かったですが、ショットを打ち終わったチチさんの肩の下がり方からしても、敵方も相当に難儀したラウンドだったことが見て取れるかと、、、鳴沢のシグネチャーホールである8番、パー3ではご覧のように逆さ富士を拝むことができました。風がなかったらもっと奇麗な姿が拝めたと思いますが、水面が揺れてしまっています9番ホールのティインググランドから終えたばかりの8番のグリーンを臨むとこんな景色が広がっていましたこの日の収穫は素晴らしい仲間と、素晴らしい環境でゴルフが出来たこと、そして、前から行きたいと行っていたこちらのお店でほうとうをついに頂くことが出来たことでしょうか、、、
Nov 26, 2011
コメント(12)

ダブリンのホテルを5時前にチェックアウトした。アイルランドはこの時期、8時にならないと明るくならないので、まだ辺りは闇の中だ。往路はロンドン経由でシャノン空港に降り立ったが、帰路はフランクフルト経由だ。そこで4時間ほどの乗り継ぎ待ちがあるのを幸いに、フランクフルト市街を歩いてみることにした観光案内で90分ほどの観光をしたいと伝えると「それはたっぷり時間があるわね」と、愛想の良いお姉さんが答えてくれた。彼女の勧めに従って、中央駅から15分ほどの歩いた所にあるマーケットのような所に行ってみた。土曜日のお昼時、果物、野菜、肉、ソーセージなどの食材が並び、ハンバーガーやらホットドッグも売っていて、大層なにぎわいだった。何かをパクつきながら、ワインやらアップルジュースにお酒が入ったものだろうか、それを飲みながら思い思いに語り合っていた。お腹がいっぱいだったのと、気温が4度ほどと寒かったのでそそられる事もなく、冷やかし専門で市場をグルグルと、スポーツショップが目に入ったので、チビスケ2号にサッカーのジャージでもないかと入ってみる。香川真司が活躍するドルトムントのユニフォームをお土産に買った空港に戻るとロビーには人があふれていた。飛行機がオーバーブックなのでロンドン経由便に乗り換えてくれる希望者を募っていた。ロンドン経由に乗り換えれば600ユーロをあげますとのこと。そのお金でロンドンで買い物をしてから帰るのも悪くないなと思った。しかも、午前と午後の差すらあれ、同じ日曜日のうちに家に着けるのだから、、、 が、着いた翌日からはすぐに仕事の日々が始まるので、ここは自重することにした機内では写真の整理をし、日本から持参した本を読み、時差に合わせて睡眠をとった明けて日曜日の昼前には自宅に戻り、その夜はゆっくりと湯船に浸かった。夕飯はリクエストしてあったブリ大根。やっぱり我が家は素晴らしい§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§今回の旅の行程とゴルフ場のwebページ、料金、そしてjunhiroが宿泊したホテルの中でおすすめできるものを紹介します。黄色で囲んであるShannon空港より入国し、Dublin空港から出国しました。また、ラウンドしたゴルフ場の名前に赤い囲み、位置に赤い○印が打ってありますこの間の移動は全てレンタカーで、平均して1一日120キロを運転した計算です。レンタカーは乗り捨て、およびカーナビ料金込みで400ユーロほどでした。(1ユーロは105円程度)下記の料金は2011年10月時点での「オフピーク料金」ですので、5月~9月あたりのピーク時と比較してかなり割安になっている場合がほとんどです。また、ホテルについてはMount Juliet以外は質素なB&Bですので、豪華さや充実した施設を求める向きにはさらに予算が必要です往路:成田空港午前発→ロンドンヒースロー空港→シャノン空港に同日21時頃着#1: Doonbeg Golf Club 70ユーロ#2: Ballybunion Golf Club - Old Course 95ユーロBallybunion Golf Club - Cashen Course Old Courseの料金にて無料プレイキャンペーン宿泊:The 19th Lodge 75ユーロ#3: Tralee Golf Club 90ユーロ宿泊Brook Manor Lodge 58ユーロ#4: Dingle Golf Links 40ユーロ宿泊:Ceann Sibeal B&B 40ユーロ#5: Dooks Golf Club 45ユーロ#6: Waterville Golf Links 120ユーロ宿泊:Golf Links View B&B 40ユーロ#7: Old Head Golf Links 200ユーロ宿泊:Tesben House B&B 50ユーロ#8: Mount Juliet Golf Club 70ユーロ宿泊:Mount Juliet Hotel 90ユーロ#9: The European Club 180ユーロ復路:ダブリン空港→フランクフルト空港→成田空港に翌日着
Nov 21, 2011
コメント(80)

Doonbegから始まったラウンドも今日のヨーロピアン・クラブが最後だ。海沿いの田舎道を15分ほど走るとクラブハウスに着いたシンプルなクラブハウスに足を踏み入れると、気さくな受付嬢が迎えてくれた。ゴルフ場のロゴが入ったマーチャンダイズの品数も限られていて、本当にここが世界のトップ100にランクされているゴルフ場なのだろうか今日も最初のゲストのようで、誰かと組むには1時間以上待たねばならないとの事で、一人旅に出ることにしたコースの第一印象はリンクスだが、今まで回って来た南西部のコースとは異なり、ゴースなどの灌木があり、写真で見たポートラッシュやカウンティダウンに似た感じだろうか。木のあるなしで、これほどまでに雰囲気が違うという事を感じたと共に、4年前にラウンドした時にもアイルランドの西と東では同じリンクスでもタイプが違うと認識した事を改めて思い出したこの日のグリーンはこの旅でラウンドしたどのコースよりも素晴らしい仕上がりだった。非常に早く、かつ、滑らかで自分が意図した通りに転がってくれる。微妙な距離も流し込むように打つと、気持ち良く入ってくれた前日が森の中のコースだったので、海沿いを行くコースのその透明感と開放感がとても美しく思えた。そこここに写真を撮りたくなるスポットがあり、ゴルフそのものが疎かになりそうで困ったこのコースをデザインしたパット・ルディという人の事は知らなかったが、junhiroがこの先ラウンドしたい幾つかゴルフ場も設計しているようだ。実は今回の旅をするにあたり、ゴルフ場の選定の参考にした本がある。ケビン・マークハムという人が書いたアイルランドのゴルフ場のガイドブックで、350ほどあるというアイルランドのゴルフ場のほぼすべてを彼自身がラウンドし、8つの項目を点数化して100点満点で評価している。junhiroが今回の旅で回ったコースはディングルを除くどのコースも90点を超える高い評価を得ているが、その中でもヨーロピアンクラブは95点と最も高いポイントを得ているホールを進むうちに枕木で壁を固めたバンカーに気づく。ドゥーンベグでミレに教わったようにパターで打ってみようかとも思ったが、適当なチャンスがなかった枕木でバンカーの壁を固めると言えばピート・ダイが有名だが、彼のデザインからインスピレーションを得たのだろうか、あるいはこちらが本家だったりするのだろうか。垂直にそそり立つポットバンカーは、見るたびに手入れが大変そうだと思っていたが、枕木ならそうでもないのかも知れないと勝手に想像したヨーロピアンクラブは18ホールではなく20ホールで1ラウンドだ。27でも36でもなく、18+2。7番と8番の間にパー3の7a、12番と13番の間にもパー3の13aが存在する。どちらもアプローチで寄せてパーを拾ったが18ホールのスコアカウント対象外なので、結局トータルのスコアに貢献する事はなかったこのラウンドでは途中から風が強まり、Dooksの時ほどではないものの厳しいラウンドとなった。特に左から右に吹く風は、junhiroのスライス球を容赦なくヒースのブッシュに運び込みロストボールとなったり、深いラフからのショットを余儀なくされたこの日も他にプレーする人の影はなく、一人旅が続いた。ホールを順調に消化しハーフターンを迎える頃になるとカートを引きながらこの旅の事を思い返しはじめていた。長い一人旅ゆえの不安もあったが、土地土地で素晴らしい人に出会い、景色に息を飲み、勇気を試されるショットと向き合い、夜はギネスやサイダーで喉を潤わした事をいよいよ残りも2ホールとなったが、この17番、18番でのゴルフは残念ながらグダグダになってしまった。それでも18番のグリーンにボールを乗せ、2つでカップに沈めた。最後はあっけないものだその時の率直な感想は「ようやく終わった」という安堵感だったように思う。他には誰もいない食堂でこの旅最後のアイリッシュシチューを食べながらラウンドの日々を思い返していた。窓からは今終えた18番ホールでピンフラッグがはためく様子が見えたこれだけ毎日歩いてゴルフをすると、さすがに疲労困憊。年を取って、毎日ゴルフ三昧という甘い夢を見ていたが、相当に体を鍛えておかないと、たまのラウンドすら覚束なくなりそうだ行程を終えた安堵感、疲労、旅が終わるセンチな気分が入り交じったまま車を北に向かって走らせた。空港近くのホテルにチェックインし荷物を降ろすと、すぐさまレンタカーを空港の営業所に返しにホテルを出た。総走行距離は1126キロ。よき相棒でいてくれたルノーのフルエンスに感謝だ空港からダブリン市内の観光に向かい、ギネスの工場を訪ねて出来立てのギネスをいただこうと思っていたのだが、自分があまりに疲れている事に気づいた。また、明朝は4時過ぎにホテルをチェックアウトしなければ行けない事などが頭をかすめ、ホテルに戻りのんびりとクラブの手入れと、この旅で撮り貯めた写真の整理をすることにしたこの旅で共に雨に打たれ、風で転がりながらも頑張ってくれた9本のクラブたちとキャディバッグ、そしてトラベルケース
Nov 17, 2011
コメント(14)

興奮のうちにオールドヘッドを離れ、一路マウントジュリエットを目指す。連日のラウンドと移動で疲れもピークに達していたが、このリゾートに到着した瞬間、あまりに浮世離れした世界に驚き、体はともかく気持ちは高揚していたこの辺りはイングランドの侵攻によりヨーク公、後のジョージ2世の持ち物となり、それがさらに払い下げられた土地なのだとか広大な敷地には滔々と水をたたえた川が流れ、ゆったりとした馬場や、狩り場があり、ゴルフだけでなく、乗馬やクレー射撃、釣りにスパなど多くのアクティビティが楽しめる。メインのホテルは18世紀に建てられた領主様のもので、junhiroも今夜はこのお城に泊まる事になっている疲れているはずなのに、領主気取りで敷地の散歩に出かけた。せっかくこの地を訪れたのだから、ゴルフだけでなく他にも見ておきたいという島国の貧乏人根性丸出しの自分がいた。日は傾き始め、寒さが増す中、放牧場を囲んだ散歩道を行く。小一時間の散策で誰と会う事もなく深まり行くアイルランドの秋を楽しんだこんな館に男ひとりとはなんとももったいない。この夜は久しぶりにバスタブのあるホテルに泊まったのでお湯を張り、のんびりとお風呂を楽しみ疲れを癒した。やはり日本人にはシャワーだけの生活が続くと厳しいマウントジュリエットのコースは1991年にオープンし、今回の旅の中では唯一のパークランドゴルフ場だ。デザインはジャックニクラウスだが、いくつかの資料にはアイルランドゴルフ界の重鎮である、クリスティオコーナーの名前も併記されているこのコースではWGCのアメリカン・エキスプレス・チャンピオンシップが2002年と2004年に開催され、それぞれタイガー・ウッズとアーニー・エルスが勝利している。この他にもアイリッシュオープン(日本オープンのアイルランド版)が1993年から95年の3年続けて開催されており、トーナメントが行えるコースとしての評価も極めて高いようだ実はラウンドの朝は起きるのが辛かった。さすがに8日連続のラウンドで体が悲鳴を上げたようだ。ダルさから来る頭の痛さなのか、あるいは風邪の症状なのか自分でも判断ができない。ラウンドフィも70ユーロ(約7300円程度)と安かったので、このまま寝坊してラウンドを流してしまおうかとも思ったくらいだったが、いつこの地を再訪する機会があるかもわからないので、何はともあれティオフする事にした結論から言うと、この旅の中で唯一のパークランドのゴルフ場は、本当に来てよかったと思えるコースだった。落ち着いた林間コースの佇まい。林間とはいえ、日本のコースのように密集した松に囲まれているのではなく、存在感のある木がポツンポツンと立ち、ホールにアクセントを加えている静かな秋の日のラウンドは誰に邪魔されることのない一人旅となった。スタート時の気温は5度、フェアウェイには朝露が輝いている。あたりには鳥の声しかなく、吐く息が白い。振り返れば自分の足跡と、手引きカートのタイヤの跡が自分の軌跡を描いている木々の他にも池や川が巧みに配置されていることで、リンクスタイプのゴルフ場ではなく、パークランドだという事を認識させられるこの日のラウンドではニクラウスが配置したバンカーに憎らしいほどに引っかかった。が、ここのバンカーは出しやすいだけでなく、距離も合わせやすくバンカーショットが上手くなったような錯覚に陥ったパークランドとはいえ、このコースのバンカーもかなり深いのだが砂が厚い事と、砂の種類が違うようでなんだか相性が良いようだ。リンクスの砂は総じて粒がとても細かく、また、湿っている事が多く、難しさを増しているのかもしれないこの2-3ラウンド、短いパットを決めきれずに苦しんでいたが、返しのパットをしっかりと沈める事に集中した。仕上げが素晴らしく、早いグリーンでは短いパットも気持ちよく打て、少し調子が取り戻せたようだ18ホール回るうち、ゴルファーには2組しか出会わなかった。もちろん前が詰まる事も、後ろから迫られる事もなかった。ホールで写真を撮ったり、コースガイドを眺めたりしたので、3時間40分ほどかかったが、まずまずのペースだった。日本でもいつもこんな感じで回れたら良いのにと思うこのコースを回りながら、日本ではどんなコースと似ているだろうかと考えを巡らせていた。頭に浮かんだのはオークヒルズ。そこをさらにゆったりとさせ、木々を熟成させた感じだろうか10月も中旬のこの時期、ゴルフ場は秋のメンテナンスの最中だ。Mount Julietではグリーンのエアレーションに出会う事はなかったが、フェアウェイの砂撒きに遭遇した。途中からjunhiroが行くホールの先をフェアウェイに砂を撒く車が進んで行く。雪だるま式にボールに砂が塗り重ねられ、球の勢いがあっという間に削がれて行く。早く追いつき、追い越さないと、、、ラウンド途中からドライバーやフェアウェイウッドの当たりが極端に悪くなってきた。疲れからか、知らぬ間にアドレスがお辞儀するようになってきていたようで、それを修正するとまたショットが良くなった美しく「ゆく秋」の雰囲気をもったゴルフ場でのラウンドを終えると、ロッカールームでシャワーを浴びた。ロッカールームは2004年のWGCの時のセッティングがそのまま残っているようで、全てのロッカーに出場選手の名前が書かれたプレートが貼ってあるよりどりみどりの中、今年メジャーチャンプに輝いたダレン・クラークのロッカーを借りる事にした。彼は北アイルランド国籍だし、ここの地元選手のようなものだ。他にもタイガー、エルス、ワトソンのほかPGAやWGCのレギュラーメンバーのロッカーがたくさんあった。日本人は丸ちゃんと晋呉のものがあったが、時代を感じさせた瞬間だったすっかりリフレッシュすると、練習場を見渡すレストランで昼食をとり、次の目的地に向かって出発した。途中、レンタカーのトリップメーターが借り出し以来、1000キロを記録したいよいよ明日はThe European Club、この旅最後のラウンドだ
Nov 15, 2011
コメント(12)

ウォータヴィルでの興奮のラウンドを終え、次の目的地であるオールドヘッドへ向かった。200キロ弱の高速道路を使わないドライブ。交通量が少なく、スピードが出せるとはいえ、かなり時間がかかるドライブだいくつかの休みを取った後に、だいぶオールドヘッドに近くなった浜辺で車を停めて、伸びをする。と、海に突き出した半島の突端に小さく灯台が見える。「あれっ、オールドヘッドかな? きっとそうだ」そう思ったとたん、運転の疲れも忘れ、勇んで車に乗り込み先に進んだオールドヘッドに近づくにつれ、なだらかな丘を登り、突然に視界が開け眼下に一条の細い道が城門を貫き、その向こうに菱形の土地が広がる。城門の向こうがオールドヘッドで、それがオールドヘッドのへの侵入者を拒んでいるようだ。車がアプローチするたびに城門のところで守衛が扉を開けている。これが和風の門だと鳳琳のような感じるのかな、などと下らぬ考えが頭を過ったプロショップに立ち寄り、明日の天気を確認すると「ちょっと寒いけど、よい天気になるわよ」と教えてくれたこの日の夜は何を食べようかと思案し、B&Bのおかみさんに相談するとキンセールにある魚料理のレストランを紹介してくれた。キンセールは入り江とも河口とも呼べるような入り組んだ港町で、漁船やヨットが多く停泊し、その周りは小高い丘に囲まれた美しい街だ紹介されたレストランではボールスープというには大きすぎるスープと、ツナのステーキをいただいた明けて今日は、今回の旅の白眉のひとつであるOld Head Golf Linksでのラウンドだ朝から晴れ渡り最高の天気。気温は4度と低いが雨もなく、そのうちに気温も上がるだろうこのコースの事はいくつかの文献や写真集で見て、気になっていたが実際にこの目で確かめ、足で踏みしめると、どう表現したら良いのか、言葉が見つからない。この世界観を伝える写真を撮りたいと思うが、どうやら鳥の視点が必要だ写真の灯台は「新しい灯台」と呼ばれるもので、この灯台に続く道が血管のようにコースを貫いている。新しい灯台とはいえ1850年代に建てられたもので、今でも現役だそうだコースに着くと、スターターが待ち構えていた。実はスタートの時間を間違え、まさにスタートというタイミングでの到着となってしまった。この日はビッグトムというあだ名のキャディがjunhiroのバッグを担ぎ、マイクという名のメンバーが一緒にラウンドしてくれることになったビッグトムはこのゴルフ場にごく初期からいるキャディの一人で、彼自身も全盛期には片手のハンディキャップを誇るプレイヤーだったそうだが、今では本業の牧畜業もリタイヤし時間がある時にこうしてキャディの仕事をしているのだとか。ま、実際には仕事というよりは朝の散歩のようなものらしい。ちなみに多くのプロゴルファーだけでなく、あのマイケルジョーダンのキャディも勤めたことがあるそうで、junhiroのキャディをしてもらうのはなんだかこそばゆい気分だ。さすがに多くの人に愛されているだけあって、指示が的確で信頼できる男だったロケーションに圧倒され、興奮のうちにラウンドを進める。いくつかエアレーション後のグリーンがあったが、その状態でも転がりはとてもスムースで満足の行くものだった。また、今回の旅で回った9つのゴルフの中で、最も高いラウンドフィだったが、それをも納得させてしまう圧倒的な景観があった一緒にラウンドしたマイクはアメリカのサンフランシスコ近郊に住んでおり、このコースのメンバーになって15年ほどになるという。毎年夏にこのゴルフ場を訪れるのだが、今年は都合でこのタイミングになってしまったそうだ。彼が住んでいる場所と、junhiroの会社の本社がある場所とは20分ほどしか離れておらず、いろいろと共通の話題が見つかり会話も弾んだサンフランシスコやペブルビーチ辺りのゴルフ場の話をすると、どこのゴルフ場の話をしても話題についてくるだけでなく、ほとんどのゴルフ場でラウンドした事があるという。あのサイプレスポイントでさえも! それだけでなく、彼の父はモントレー・ペニンシュラGCのメンバーだと言う。そのゴルフ場は長い間AT&Tのプロアマの会場から外れていたが、今年、何十年か振りにPGAのコースに復帰したプライベートクラブだマイクはオールドヘッドでプレーをしなければ年会費が単なる「寄付金」になってしまうので、年に一度は訪れているのだという。もうちろん、そうした消極的な理由だけではなく、このコースでプレーできる満足感は何者にも代え難いだろうコースは断崖を行くホールがいくつもある。また、以前の日記で紹介したこのパー3は、写真の中の風景と少し違っている事に気がついた。マイクによると、このホールは塩害がひどくグリーンの芝がやられてしまうので、その養生に海側に柵を立ててグリーンを守っていた時期があったそうだ。どうやらその写真は、その当時に撮られたもののようだまたあるホールでは崖越えのティショットを強いられる。白ティからのプレーだったが、「絶対にお前に見せておきたい景色がある」と黒ティまで連れて行ってくれた。ここからではチチさんの飛距離でもボールが崖に飲み込まれるかもしれないマイクとの楽しい18ホールが終わると、どちらともなく一緒にランチを食べる事になったのだが、彼と食事をしていると食堂のスタッフや通りかかるスタッフが彼にみな挨拶をし、彼もjunhiroの事を皆に紹介してくれる。まあ、メンバーの特権かなと思っていたのだがどうも事情が違うようだ。スタッフの他にも多くの品の良い人たちが彼に挨拶をしていくたとえば、このゴルフ場を保有するオコーナー兄弟の一人やら、「彼は確かアイルランドの閣僚だったと思う」とか「彼は地元の名士で非常に大きな不動産の事業をやっている」などと、彼が紹介してくれるメンバーが大物ばかりでびっくりだオーナーのジョンは一緒のテーブルに座り込み、我々に混じってしばし歓談をするが、話のレベルがあまりに違うので驚く事ばかりだ。マイクが「ここのメンバーになって素晴らしい経験をしているが、一方でバリーバニオンに行く機会を失ってしまったのはちょっぴり淋しい。ここからだと車を飛ばしても3時間はかかるからね」と話すとジョンが「ヘリで行けば30~40分もあれば着くはずだ。いつでも飛ばしてあげるよ」と、真顔で言うまたjunhiroがOld Headの後はMount Julietというゴルフ場に行くと言うと、「あんなクズみたいなゴルフ場になんて行く必要はない。あそこに行くくらいなら、オールドヘッドから30分ほどの所にあるコークGCに行けという。すぐにヘッドプロに電話させてお前のティタイムを取ってやる」と、、、 きっと彼は生粋のリンクス好きでMount Julietのようなパークランドは好まないのだろうそして、マイクがトイレに立った隙にマイクの父はアメリカで最も人気のあるプロスポーツ会の重鎮だとこっそり教えてくれた。後にググってみたらなんとWikipediaにもちゃんと彼の父の項目があり、父の名を冠したファミコンのゲームまで販売されている。さらに日本に戻ってアメリカ人の同僚に聞いてみたら大概のアメリカ人ならマイクの父の事は知っているという。プロ選手を引退した後に、とあるチームの監督となりチャンピオンへと導いた後、そのスポーツのテレビ中継の解説を20年もの間つとめ、その後はコミッショナーのオフィスでアドバイザーをしているという。どうりで、お父さんが名門コースのメンバーで、彼自身も多くのコネクションを持っているわけだマイクが使っていたゴルフバッグにはオリンピックGCのロゴが入っており、サンフランシスコGCは素晴らしいと言う。どちらもプライベートクラブで普通の人はアクセスできないゴルフ場だ。さらに、junhiroが過去に2回ラウンドした事があるワイナリーの中のコースのオーナーとも知り合いで、そのオーナーはサイプレスポイントのメンバーで彼に誘われて何度かサイプレスも回った事があるというサイプレスには彼は気が向いた時に誘ってくれるのだが、彼が誘ってくれるのは大抵が前日で、しかもマイクに他の重要な用があるときだという。「きっと彼は俺の予定を知っていて行けない日に電話をかけていると思うよ」と笑いながら話してくれたで、サイプレスの評価はというと、「あくまでも個人の感想だけど」と前置きした上で、「サイプレスは素晴らしいコースであることは間違いないけれど、閉鎖的でなかなかプレーが出来ないので、神秘的なイメージがあって実際のコース以上に評価されていると思う」との事だった。また、あのあたりで他に好きなコースはどこかと話していた時に、二人の口から同時に飛び出したのがパサティエンポだった控え目で落ち着いた振る舞いと、誠実な態度にすっかり彼の事が好きになっていた。彼も奇妙な日本人がいろいろなリンクスコースを回っている事に興味を持ったようで、junhiroが去年行ったバンドンデューンズの話も興味深く聞いてくれたマイクとは固い握手をし、junhiroがアメリカに出張に行く際にまた会おうとわかれた。そして別れ際に、「ジョンはMount Julietの事を悪く言ったけど、きっと気に入ると思うよ。僕も回った事があるけど、素晴らしいコースだったよ」と、教えてくれた。この旅で新たな友人ができた喜びでMount Julietへと車を進めた
Nov 11, 2011
コメント(16)

今日のラウンドはウォータヴィル・ゴルフ・リンクス。この旅で最も楽しみにしていたゴルフ場の一つだ昨日は悪天でラウンドを途中で断念しただけに、天気が気になる。起き抜けに窓を開け、祈るように外を見る。風も雨もなく、遠く東の空は朝焼けに輝いている! 自然と顔が綻び、朝食の最中も早く外に出かけたくて仕方がないこの日ラウンドしたのはWaterville Golf Links。1889年設立の歴史あるゴルフリンクスで、在りし日のペインスチュアートやワトソン、タイガー、メディエートらも好んで訪れているという。コースにはペインの銅像が建っていたWaterville Golf Linksは川が大西洋に流れ込む砂州のようなところに出来たゴルフ場で、その起源は19世紀末に大西洋間の電話ケーブルの敷設でヨーロッパ側の拠点がこの地と決まるや、この地を訪れる多くの工夫が滞在するようになり、彼らにレクリエーションを提供する目的で作られたのだという。一方で、現在の18ホールが完成したのは意外に新しく1973年の事だその景観とコースの素晴らしさには定評があり、米ゴルフマガジン社の世界のトップ100コースで91位にランクされ、過去6~7年ほどの間になんと4人もの全英チャンピオンがこのコースで事前のキャンプを張っているという一方、このゴルフ場はアイルランド南西部にあるリンクスゴルフ場の中でも、最もアクセスの悪いゴルフ場の一つだ。地図の左下の黄色で囲ってあるのがこのゴルフ場の所在地だ。この地をこんな季節外れに訪れるのはコアなリンクスゴルファーか、釣り師ぐらいしかいないらしいアイルランドのゴルフ界の重鎮のクリスティ・オコーナーがアイルランド国内にあるゴルフ場から、ベストの18ホールを選んだ中で、ウォータヴィルからは例外敵に2つのホールが選ばれたとこのプレートに記されているこの日のスタートの予定は8:50だったが8時過ぎに受付を済ませ、早めにスタートさせてもらう。他にスタートする人があれば組み合わせて欲しいのだが、あと数時間はティオフする予定のゴルファーはいないらしく、今のところこのゴルフ場はjunhiroの貸し切りとのことで、今日も一人旅やむなしだスタート時間が早いので、コースには陰影が浮かび上がり滑らかな曲線を見せてくれる。この地で、ゴルフができるのだけの明るさになるのはだいたい朝の8時頃なので、8時30分前後のスタートはかなり早い時間だスターターと挨拶を交わすと「ハンディはいくつかな?」と訪ねられたので「16」と答えると「じゃあ、白からおやりなさい。きっと楽しめると思うよ」と。「白からでも6800もあるから赤にしようかと思っていたんだけど」と軽口をたたくと、「むろん赤でも構わんよ」と笑顔で答えてくれたこの日の風はそれほどでもなかったが、雨が降ったりやんだり。土砂降りというほどではなく、いきなりシャワーが降る。とはいえそれも1ホールも持たずにスっと上がる。そして忘れた頃にまたいきなり降ってくる。これを18ホールの間に3-4回ほど繰り返しただろうか。青空と鉛色の空が目まぐるしく入れ替わり、虹が何度も出ては消えて行く。ウォータヴィルのトレードマークはウサギちゃん。フラッグにもしっかりとウサギが書かれている雨が上がるとご覧のように青空が広がり、こんな景色が広がる1970年代に完成しただけに他のリンクスコースと比較すると距離が長くタフなコースだが、フェアウェイは広く、景観の美しさと共に「どんなゴルファーをも優しく受け止める包容力のあるリンクス」という印象を受けたこんな風景を見ると美しいと思うとともに、なんとなく切ない気持ちになるjunhiroのいままでの20弱のリンクスゴルフコースの体験の中ででも、1、2を争う記憶に残る素晴らしいコースだった。グリーンの仕上げも素晴らしく、気持ちよくボールが転がってくれたこの日のラウンドでは広めのフェアウェイも相まって、ドライバーを気持ちよく振ることができ、FWもまずまずだが、アプローチとパターが悪くスコアがまとまらない。とはいえ前述のとおり、グリーンの仕上げは良いので後は純粋に本人の腕の問題だところで、ウォータヴィルのコースは夏坂健氏の「地球ゴルフ倶楽部」(新潮文庫)にも幽霊がプレーをしに出てくえるゴルフ場としてエピソードが紹介されている。12番のパー3のあたりは、2000年以上前から「聖なる土地」として信仰を集めていたと言う。そして、この地方の高邁な司教が亡くなった時にその亡骸もこの地に埋められたのだという。チャップリンやボブ・ホープ、スティーブ・マックィーンそしてサム・スニードはその幽霊を見たという。上の写真のホールが12番。幸か不幸かjunhiroの前には現われなかった。不思議な土地のこともこのプレートに書かれている18ホールを終え、スターターの所に挨拶に行く。ここには電動カートがあるんだねと話すと、「アメリカの資本で経営されているからね」とウィンクしながら答えてくれたこの写真の景色はjunhiroにとってリンクスコースのグリーン周りのお手本のようだラウンド後は次の目的地であるキンセールまでの200キロ弱のドライブ。この旅の中で一日の移動距離としては最も長いドライブだ。眺望を優先したいので高速道路ではなく下道が続くので運転にも気が抜けないが、それでも美しい風景に心が癒される。途中、こんな景色に出会い、車を停め、すっかり固まってしまった体を伸ばした。どんな人がこのお城に住んでいるのだろうか
Nov 8, 2011
コメント(14)

アイルランドの日記はまだ完了していないのですが、帰国来、国内で2ラウンドほどしましたので簡単に日記を上げておきたいと思います昨年までレクサス選手権が行われ、また昨年に日本女子オープンが開催された大利根CCにはGDOのブロック決勝で行ってきました。ちょうどアイルランドに滞在中に繰り上がったと連絡をいただきました。帰国の翌々日という日程だったので一瞬迷いましたが、せっかくのチャンスなので出場してきました。コース、コンディションともによかったのですが、自身のゴルフがひどく、せり出した木に引っかかること多数。ダボを量産して、下位で競技を終えて、関東大会の決勝に駒を進めることはできませんでしたそして本日、東京ゴルフ倶楽部をチチさん、マイちゃん、ボギさんと回ってきました。普段はアクセスができないコースですが、この時期は埼玉県民向けの解放日なるものがあって、運良く予約が取れたのでした。お天気もメンバーも最高なら、ついたキャディさんはこの春に学校を出たばかりの可愛いお嬢さん、そしてコースも最高でした日本のいわゆる名門コースは松林でセパレートされ、箱庭的な美しさを競うコースが多く、一方で似通ったホールが多くメモラビリティに欠けるという評価を受けることが多いように思いますが、特徴のあるホールが多く、またバンカリングが素晴らしいものでしたこの東京ゴルフ倶楽部のコースを設計したのは西本願寺の直系の大谷光明氏。坊さんとゴルフというのも意外な取り合わせですよね。このネタは以前に読んだ夏坂氏の「ゴルフを以って人を見ん」からいただきました。氏は他にも川奈の大島コースや名古屋の和合などを設計していますこの日、一番面白かったのはマイちゃんの行動。詳細は書きませんが、明らかにキャディさんが好みのタイプだったようです(猛爆こうして、自分が撮った写真を見て思ったことは埼玉や千葉、茨城あたりのゴルフ場で撮りたいと思える写真はグリーン周りに集中しているということ。海沿いにあるわけではないし、遠くに山が見えるわけでもなく、また花の時期でもないとどうしても写真の対象がグリーン周りに偏ってしまうなぁ、、、ところで、本日のラウンドで一つ達成できたことがあります。米ゴルフマガジン社が発表する2011年度版、世界のトップ100ゴルフコースのうち10コースをラウンドしたことになりました1) 7位:ペブルビーチゴルフリンクス(2008年1月、9月)2) 17位:バリーバニオン(2007年7月、2011年10月)3) 19位:パシフィックデューンズ(バンドン)(2010年8月)4) 42位:ラヒンチ(2007年7月)5) 48位:ポートマーノック(2007年7月)6) 60位:バンドンデューンズ(2010年8月)7) 74位:オールドマクドナルド(バンドン)(2010年8月)8) 91位:ウォータヴィル(2011年10月)9) 95位:ヨーロピアンクラブ(2011年10月)10) 96位:東京ゴルフ倶楽部(2011年11月)先日の日記でゴルフのスコアをカウントすることに意味があるのだろうかと書いた身としては、こうしたランキングにも疑問がないわけではないのですが、、、ただ、このランキングのランカーは世界中の多くのゴルフ場をラウンドした経験に基づき、世界に32、000以上あると言われるゴルフ場の中から特に素晴らしいと選ばれたものですから、自分がラウンドしても素晴らしいゴルフ場と思える確率が高いはず。まだ90ものコースが残っていますので、チャンスがあれば他のコースも回ってみたいと思いますちなみに日本で他にこのリストに載っているのは廣野と川奈の富士コースの2つです
Nov 7, 2011
コメント(18)

今日のラウンドはDooks Golf Club。 1889年にできたリンクスコースでアイルランドでは最も古い部類のコースの一つだ今日で9日間連続ラウンドの5日目、つまりちょうど中間点に当たる日だが旅の疲れが出てくる頃で、しかも昨晩のホテルでは奇妙な物音に神経質になって浅い眠りだったこの旅の一日目の日記に「旅の途中では酷いゴルフを嘆き、冷たい雨に濡れネズミになり、移動に辟易とし、道に迷って焦り、なぜこんな苦しい思いをするのかと自分の決断を責めこともあるかもしれない」と書いたが、まさにそれが現実となった厳しいラウンドとなってしまったこの日は朝から強風。 雨が降っていないのがせめてもの救いだが、本当に酷い風だ。 11時のティタイムだったが、早めに出れないかと9時前にはコースに出向いた。 プロショップでは「本当は8時から10時まではメンバーしかラウンドに出られないんだけど、この嵐で誰もいないからいつでもティオフしていいよ」との事さっさと準備をして1番ティに向かう。 緊張しているわけでもないのにボールがなかなかティに乗らない。 そう、強風で体が煽られて、手先が落ち着かないのだ。 1番ホールは風が吹き付ける海に向かってのショットでドライバーは途中で風に抵抗する事を諦めて150Yほどの場所に落ちてきたそれでも頑張って2番、3番と進んでいく。 風はますます強くなってきて、風上に向かって歩くのは相当な体力を要する。 上半身を前に倒し、登山のように一歩ずつ踏みしめて進むしかない手引きカートは風で倒れてしまうので、ショットの度に地面に寝かせておかなければならない4番ホールは160Yほどのパー3で、海と並行にレイアウトされており、海側に打ち出さないと、グリーンの遥か右に運ばれてしまいそうだ。グリーンの10メートル以上左へとユーティリティで覚悟を決めて打った球は途中から風に運ばれてグリーンの右サイドに落ちて、そのままグリーン右にこぼれていったアプローチをあげるとまるでボールが空中で止まっているように見えるくらい風の影響を受けるのでパターで転がし上げる。グリーン上ももちろん風の計算をしないといけない。ボールを置いてパッティングに入ろうとすると、ボールが風で揺れている。R&Aのルール改正を前倒しでしてくれたら良いのに、なんて想いが頭を過る5番ホールは風を背にするホールでビッグドライブが期待されたが、何の事はない、ボールはそれほど上がらなかった。おかしいなと思って芝をちぎって投げてみるともの凄い勢いで地面に叩き付けられる。なるほど、本当の強風とはこんなものだと理解し、地元の人が打つようにフェースを閉じて右からフックボールを打ってみる。地べたを這いつくばり、フェアウェイをおもしろいように転がっていく。これが風のある場所のゴルフだと改めて思い出したここまでずっと一人旅だったが、5番ホールをプレー中に、1番をティオフしていく人を見て、「ああ、仲間がいる」と、心強く感じたホールを進むと風は激しさを増し歩くことが困難になってきた。風上に顔を向けると呼吸が苦しくなり、手引のカートがとてつもなく重く前に進む事がままならない。カートを引いていない手で鼻と口を覆い呼吸を助けてやらなければならない。ついには転がらないようにと倒しておいた手引きカートが風でゴロゴロ転がりだした。風にあたる面積が小さくなるようにキャディバッグの底を風上に向けてもこの様だ。さすがにゲームができない9番ホールを終えると這々の体でクラブハウスへと引き返し、バーで暖かい紅茶をいただく。小柄のバーテンダーが物好きな日本人にいろいろと話しかけてくる。日本ではカローラはいくらするのか。どうして内外価格差が発生するのか。日本のにはリンクスがあるのか。そんな話をしながら、ポット一杯の紅茶を飲み終えると、ポットをもう一つ持ってきてくれた12時になりキッチンに火が入り、料理を出せるというのでバーのカウンターに座ったまま、ポテトのスープとBLTサンドイッチをいただきようやく落ち着いたが、この後バック9をプレーする気持ちはすっかり萎えてしまった。外を見れば、風だけでなく雨も降ってきた。足は棒のようで、バリーバニオンの36ホールを回った時よりも、今日の9ホールの方が遥かに厳しかった9番ホールからクラブハウスへ戻る途中の家に停められていた。車も家族だなぁ~9ホールでラウンドを終えてしまったので、時間はたっぷりある。次の目的地のウォータヴィルまでは40キロほどと短いのでのんびりと車を進める。途中の街で立派な教会に惹かれて中に入ってみる。中には誰もおらず荘厳な雰囲気で、ステンドグラスがきれいだったやがてウォーターヴィルのゴルフ場の看板が目に入ったのでコースに行ってみる。駐車場には停まっている車は数える帆としかなく、さすがにこの荒天でプレーをする人間は限られているようだ。祈るような気持ちでプロショップで明日の天気を確かめる残念ながら明日も風が強く、ウェット、つまり雨の予報だそうだ。このゴルフ場の事を夏坂氏の本で読んで以来、思い入れがあるのでなんとか18ホール回りたいと思ったがどうだろうかいつもよりも早めにB&Bにチェックインする。華美ではないが清潔で好感が持てる。シャワーを浴び体を温め、明日の準備やら簡単な洗濯を済ませ、ふと窓の外を見ると雨はすっかりあがり、空は明るくなっていた。夕食前の腹ごなしにもう一度ゴルフ場を訪れ、海岸線を歩きコースの様子を下見し、何枚かの写真を撮った次いでウォータビルの町中をのんびりと歩いてみる。雨が上がり日が昇ったものの、相変わらず風は強いので重装備でなければ寒くていられない。車の外気温計は9度を指しており、さらに海からの風が吹き付けるので体感温度は5度以下かもしれない歩いていると、チャップリンの銅像が立っていた。なぜこの町にチャップリンなのかバーかレストランで話を聞いてみる事にしよう。夕食は地元のパブに入った。ディングル産のスカンピ(エビ)の揚げ物と、サラダ、ポテトフライをサイダーと共にいただく若者二人がビリヤードに興じているのをぼんやり眺めていた。黄と赤の球が7つずつに黒い球が一つ。自分の持ち球を全て落とした方が8番を狙う権利を得て、それを落とすと勝ちという、まさに8ボールだ。ぼんやり見ていると声をかけられ、2ゲームほど一緒に撞いたが完敗。この2年ほどビリヤードから遠ざかっているのでまあ、こんなものかこの旅の目的を話すとニューヨークから帰ってきたばかりという若い方が目を輝かせてウォーターヴィルがいかに素晴らしいコースかを話してくれた。よく見回せば、このバプの中にもこの20年ほどの間に訪れた有名なゴルファーのサインやら、記念品が所狭しと飾られていた。タイガー、ペインスチュワート、メディエートらのサインやスコアが飾ってあった。彼らからすれば、やはり地元のコースが一番のようで、今日回ったDooksのことはボロクソの言い様だった。ただし、バリーバニオンとトラリーについてはリスペクトしているようだった写真右の白い家がチャップリンのサマーハウスだそしてチャップリンについて訪ねると、彼は毎年のように夏になると家族を伴い、この寒村を訪れていたという。街のはずれに白い家が目についていたが、そこが彼のウォータヴィルでの家だったそうだその他にも、この村には大西洋間の最初の電話の海底ケーブルがカナダのハリファックスとの間で通ったという歴史もあるらしい。とはいえ、夏には観光客が来るものの、農業と漁業以外これといった産業もなく、秋から冬は死んだように静かな村に戻るのだと、まだあどけなさの残る少年のような顔のバーテンダーが教えてくれた
Nov 5, 2011
コメント(12)

4年前にはゴルフ場を訪れながら、時間の都合でラウンドできなかったディングルゴルフリンクスでのラウンドだディングルのコースがあるのはディングル半島の突端の北側にあるバリーフェリターという寒村で、何もない村だがカントリーライフに憧れる人にはうってつけの場所で旅先としてとても人気があるらしい。また、この地域の美しく雄大な自然も魅力の一つだ。ちなみに、アイルランドのドライブに関するエントリーの景色の写真のほとんどはこの地域で撮影したものだこのゴルフ場はヨーロッパで、最もアメリカに近いゴルフ場だと言う。アイルランドの最西端、つまりヨーロッパの西の端にあり、その西には大西洋が広がっているB&Bの朝食時、そんな話をアメリカ・ウィスコンシン州からやってきた、60代半ばのトレッカーに話ををすると身を乗り出してきた。「ゴルファーはそんな風にそこでゴルフをするために様々な理由を見つけるのよね」とは、彼の奥さんの弁。友人女性と二人は、また男たちのゴルフ話が始まったという顔をしながらも、童心に帰ったかのように談笑する二人を見守る優しさに満ちていた彼女に「男たちで盛り上がってごめんね」と告げると「人それぞれ盛り上がるスィートスポットを持っているのよね。私と彼女は自然の草花が大好きで、その話になると何時間でも盛り上がれるけれど、そんな時、彼はつまらなさそうなのよ。だからお互い様ね」と笑ったディングルでのラウンドは残念ながら組み合わせのプレーとはならなかった。この日はメンバーによる競技の日で、そのためのスタート枠が押さえられているのだそうだ。月例のようなものかと聞いたら、毎週日曜日は会員がステーブルフォードで競技を行っているとの事だった本当は競技の組が全てスタートした後にラウンドをするはずだったのだが、スターターが3人組の後では待ち待ちになってしまうので、先に出ていいよとのこと。なんともイイ加減だ。素振りもそこそこにティオフし、1番、2番とサクサクとホールアウトして行くアイルランドに来てから、組の前後で渋滞が発生することはあまりなかったのだが、さすがに3ホール目くらいから渋滞に突入してしまった。どうやら、前の3人組のその前で老齢の二人がラウンドしていて、ペースが遅いようだ。すると、前の3人は4番ホールで彼らと一緒にティショットを打ち、すぐに前方の二人に追いつくと、先にホールアウトしてしまった。こうやって遅い組は早い組をパスさせ、お互いのペースで気持ちよくラウンドをしていくんだなぁjunhiroもほどなく追いつくと、二人はどうやら年老いた夫婦らしい事に気がついた。さっさとホールを終え、ティショットを打ち終えた二人にすかさず、声をかけてパスさせて欲しい旨をお願いした。もちろん快くOKしてくれた。2打目地点までの短い会話だったが、当たり障りのないどこから来たのかという質問が思いがけない展開を見せた「日本のなんと言ったかしら、Hから始まるところに今年のクリスマスにスキーに行くのだけれど、雪は降るかしら」と。「北海道ですね」と答えると、「そうそう、そこよ! 息子が香港で働いていて、去年のクリスマスも北海道にスキーに行き、とても素晴らしかったので今年も予約を入れてもらったのよ」とは奥様の弁。奥さんはかなりしっかりしていたが、旦那さんは歩くスピードも相当に遅く、球の行方も自分ではわからないようで、彼女が面倒を見ていた「もしペースが合うようならこのまま一緒にラウンドしても良いわよ」と言ってくれたが、ラウンド後の移動が長いのと、たまたま2打目がきっちり乗ったので、そのままパットを沈めて先に進んだこうして偶然に知り合う人たちが、みな良い人で、かつその半分ほどは日本と何らかの絡みがあるのだからビックリだ。日記のネタに困らないので助かるjunhiroより先に老夫婦をパスした3人組は、10番ホールでティショットを終えると、junhiroが追いつくのを待っていてくれた。慌ててティショットを打とうとすると、時間をかけて良いから慌てるなと優しい言葉をかけてくれる。 3人のうちの一人は左打ちだったが、面白い事にパッティングは右というゴルファーだったディングルはコースの面白さや手入れの感じは、過去3日間に回った他のコースと比較すれば、格下かもしれない。しかし、広々としたフェアウェイにおらが村の牧歌的なゴルフがそこにあった。ある意味ノーザンに近いような雰囲気を持っている。ここでは、ビジターよりも圧倒的に村のプレイヤーが多いようだ。他のリンクスコースはいわゆるリンクスマニアを多く見受けるがここはそのリストには入っていないタイプのゴルフ場だからだろう数ホールの間、また一人旅が続いたが、18番ホールで先行の二人に追いついた。ここでも当然のように3人目としてティショットを打たせてもらう。競技に参加している二人だが、一人はティショットをチョロしてすぐ手前のラフに打ち込んだ。チョロと言っても100Yほどは飛びそうな当たりだったが、ラフにかかるとあっという間に勢いをそがれ、20Yほどしか進まなかった。そこから5回を要してようやくフェアウェイにボールが届いた。そんな彼を見て、このゴルフ場では上手い下手は関係なくオラが村のゴルフ場で、みんなのゴルフ競技を楽しんでいるのだと感じた実はここでプレーしながら、「ゴルフってスコアをつける事が本当に必要なのだろうか」と思ってしまったもちろんマッチプレーで各ホールでの勝ち負け、あるいはポイントターニーのポイントを決定するためにホールごとのストローク数をカウントする必要はあるかもしれないが、競技でないのならトータルのストロークの意味とは何だろうと考えてしまったいや、自分がいつも70台で上がれるなら、そんな事は思わなかったもしれない。しかし、こんな雄大な眺めの中でボールの軌跡を追っていくほど素晴らしいことはないし、思い通りに打てたショットだったり、カップの周りをクルリンとして憎々しげにそこに鎮座するボールだって愛おしく思えたりする。それだけで十分じゃないかとラウンドを終えるとプロショップでお土産を物色。バリーバニオンに続いてディングルのショップでLyle&Scotのセーターを買ってしまった。日本では20Kくらいするのに、こちらでは6Kで買える。胸にメーカーのロゴは入っていないが、ゴルフ場のロゴが入っており、上腕部にメーカーの刺繍がついている。実は、去年の冬はコートを着ないことにこだわって、スーツの下にセーターを着ていたがこれが殊の外気に入り、今年もセーターとスーツで過ごそうと思っている。そこで、セーターをもう1-2枚買っても良いなと思ってはいたが、まさかこの旅で2着も買ってしまうとはスーツケースにこれ以上はモノが入らないので、各ゴルフ場でマーカーとロゴボールを買うだけにしないと、、、 ディングルの周遊路の西端のあたりに突如としてキリスト像がある。ここで、60過ぎくらいのご夫婦と出会った。オランダから来た二人は、この地を42年振りに訪れたのだという。3週間ほどかけてアイルランドの南西部をのんびりと回っているのだとか。いつかカミさんとそんな旅をしてみたいなと思ったふらりと立ち寄った石造り風のしゃれたカフェレストラン、The Stonehouse Restaurantでは海が見える席でBaily’s Coffeeをいただいた。Bailey’sはjunhiroが若かった頃に好んで飲んでいリキュールをクリームで割った食後酒だ。カルーアミルクを想像してもらえれば、近い感覚かもしれない。コーヒーにそれを入れた飲み物がBailey’s Coffeeだ。コーヒーはいまだに苦手だが、こういうモノで割ってあれば飲めるこの店のオーナーはjunhiroが一人で不憫に思ったのか、席の近くを通るたび何くれとなく話をしてくれる。junhiroの旅にもとても興味を持ったようで、どこそこのゴルフ場にも行った方が良いとアドバイスをくれた。店を出て、建物の写真を撮っていると彼が出てきて、写真を撮ってやろうと申し出てきた。そこでまたこの建物についてしばし談笑。「とてもこのお店を気に入ったよ」と伝えると「ありがとう。もし良かったらTrip Advisorにコメントを書いてくれないか」Trip Advisorは今回の宿泊先を決めるためにも利用した、旅先のホテル、レストラン、観光地や、移動手段などに関する口コミサイトだ。このレストランだけでなく、バリーバニオンで泊まったB&BのオーナーもTrip Advisorにコメントしてくれたら嬉しいと言っていたので、旅行者のホテルやレストランの選択に与える影響が大きいのだろう この日は長い距離をドライブしたが、その中でjunhiroと同じ車を多く見かけて嬉しかった。ここでも自分と同じ車が頑張っているなぁと。気づいたのは同じ車でも日本ではあまり人気がない、灰色が混じったくすんだ感じのブルーやグリーンの車が多いという事。自分が車を買う時にこれらの色は全く頭になかったが、こちらの空や風景の色には殊のほか似合うようだこの日の宿泊予定のロッジにチェックインすると、そこから歩いてすぐの、別のホテルに併設されたパブでギネスではなく好物のサイダーを注文。サイダーといってもちゃんとアルコールが入っていて、こちらのパブではどこでも置いてあるし、スーパーでも売っている人気の飲み物の一つがそして、カウンターに座ったままアイリッシュシチューを注文。31アイスの3スクープ分はあろうかという山盛りになったマッシュポテトが二つに、ラム肉がゴロゴロ、そして人参がとろみのあるソースに浮いているといった感じのシチューをいただきお腹を満たした明日は1880年代の後半に開場と歴史のあるDooks Golf Clubでのラウンドだ。Dooksは難しいと会う人々が口々に言うので、楽しみでもあり、ちょっと不安もあるがどんな一日になるのだろうか
Nov 3, 2011
コメント(14)

アイルランドの旅ではドライブを楽しみにしていた。見慣れぬ土地を運転するのは緊張を強いられるが、アイルランドでのドライブは気持ちよい【トラクターと馬が行き交う。北海道ならこんな光景に出会えるだろうか?】9日間で1125キロを走ったが、運転を面倒だと思う事は一度もなかったし、時差にも関わらず眠くなった事もなかった。こちらでは、レンタカーの殆どがマニュアルシフトだ。オートマと比較すると、自分がこの車を操っているという気になる。レンタカーはフランス、ルノー社のFluenceという4ドアセダン+ディーゼルエンジンで、力強い走りだった【junhiroの足となってくれた力強い相棒】全走行1125キロのうち、1000キロ超が田舎道のドライブだった。その中での信号待ちは驚くなかれ、5回もなかった。では、全ての交差点で一時停止かと言えばそうでもない。イギリスや旧大英帝国圏と同様にアイルランドではラウンドアバウトと呼ばれる円形の周回路が交差点ごとに設置されている。ラウンドアバウトに差し掛かるとスピードを落とし、自分の右側から車がこなければそのままその円に進入し、自分が出たい道の手前で左にウィンカーを出しラウンドアバウトを離れて行く一般的な十字路をラウンドアバウトに置き換えると、交差点の中心に大きな円の道路があり、そこに入って最初の出口は左折、2番目は直進、3番目は右折、そして4番目はUターンという事になる。ナビの案内も何番目の出口で降りろという指示なので、たとえば7叉路であっても、頭の中で(往々にして口に出しているが)、い~ち、に~いと数えながら自分が出たい出口の前でウィンカーを出してやればいいのだ。また出損なったら何の事はない、もう1周すれば良いこのように信号待ちがない事、ドライバー同士のマナーが良い事、そして日本と同じ左側通行のために余計な気遣いなく気持ちよく運転する事ができるのだ【古い街の中心部にあるラウンドアバウト】今回の旅の主目的地であるリンクスタイプのゴルフコースがあるのは、たいていは海辺の小さな村。そこには繁華街といっても、たいていは1-2軒のパブと、ガソリンスタンド、そして小さなスーパーのたぐいがある程度の規模のものが殆どだそんな田舎ゆえ、ドライブ中に喉が渇いても村々の途中に自動販売機やコンビニはなく、次の集落に着くまで何も期待できない。そして、たどり着いても往々にしてスーパーも洒落たカフェもないので、パブに入りカウンター越しに飲み物を注文する。こんな時、こちらの人は何を頼むか観察していると、ギネスだったりマーフィーというブランドのビール、あるいはサイダー(と、いってもジュースではなくアルコールが入っている)だったり、グラスワインが多いようだ【平らな土地が少ないので丘の上まで石垣で牧草地を囲い、羊たちを放牧している】飲酒運転では? なんて固い事は言わないのだ。もちろん飲酒運転は御法度だが、酩酊するまで飲む人はいないし、そもそもjunhiroみたいにお酒が弱くないからへっちゃらだ。お酒の弱いjunhiroはハーフパイント(300cc弱)とこちらの人が頼む量の半分のサイズのサイダーを頂くのがお決まりだった。ちなみに下の写真のカフェに寄った時には、寒い体を温めたくて、ベイリーズと呼ばれるリキュールをコーヒーで割ったベイリーズコーヒーをいただいた【歴史のある建物に見えるが、築10年ほどとのこと】アイルランドでの運転で気に入っている事は他にもある。景色の素晴らしさだ。前回訪れて強烈に脳裏に残っている風景もあれば、今回出会って再訪を誓った場所もある。いずれも自然が豊富に残り、雄大な風景が広がり、あるいは自然と人の生活が違和感なく調和していた【トラリーからディングルへ抜ける時に通るコーナーパスと呼ばれるルート。峠に立つと海が両側に広がり、足下にはこんな景色広がっていた】【この辺りは天気次第で美しく青い海にも、怖く黒い海にもなる】ナビがあるので少々の無茶を承知で、対向車が来たら一巻の終わりだというような小道に入り込んでみる。両側には2mほどの生け垣が延々と続き、それを行くとふいに人家が現われたりする。ここでどんな仕事をし、どんな生活をしているのだろうかと不思議に思う【美しい自然は厳しい環境の裏返し。この環境では信仰がなければ暮らして行けないのではないかと感じた】持参したiPodから用意しておいたプレイリストを流してハンドルを握るのは至福の一時だ。中身はお気に入りのロック、ポップス、フュージョンにジャズ、そして普段はクラシックなど聞かないjunhiroだが、この旅を思ってベートーベンの田園をダウンロードしておいた。それがあまりにも完璧なタイミングで流れたので、車中で歓声を上げた【滔々と水をたたえた川がゆき、橋のたもとで羊たちがのんびりと草を食む。美しい田園風景だ】道に迷っても誰かに聞けば親切に教えてくれる。宿がわからず困っていた時には、巨大なトラクターを道ばたに寄せ作業をしていた老人に助けてもらった。junhiroが持っているメモ書きを目からわずか2-3センチにまで近づけないと見る事ができないほど目が悪いらしく、おまけにひどい訛りで言っている事の半分も理解できないが、言わんとしている事はわかったので、別れ際に握手をしようと思ったら「畑仕事で手が泥だらけだから握手はできないが、気をつけて」と笑顔で見送ってくれた【のどかな風景だ。こんな感じであちこちで羊がのんびりと草を食む姿を見かける】南下すべき道を行くはずが、曲がり角を間違えて岬の突端に抜ける西へ行く道の途上で出会った老人はjunhiroが日本人だとわかると、「若い頃に日本に医師として滞在したことがあるよ」と話してくれ、「道を間違ったついでに、もう2キロほど走りなさい。この岬の終点から素晴らしい景色が見えるからそれを見てから戻って来たらいい」と教えてくれた【前回の訪問で気に入り、今回も好天の下でこの景色が見る事が叶ったディングル半島の突端。早朝の撮影で朝焼けのピンクが残っている】一方で、大変なこともある。道が狭いのに、制限速度が高速に設定されているのだ。通常の田舎道であれば70~80キロ、少し整備されていれば100キロだ。やっかいなのが70~80キロという高速度に設定されている田舎道だ。交通量は少ないのだが、道幅が狭く車2台がやっとすれ違える程度しかないにもかかわらず、そのスピードで飛ばしてくる。すれ違う時にはお互い目一杯左に幅寄せし、時には左のタイヤをアスファルトから土の路肩に落とし、木の生け垣にミラーをこする事もある。この時、お互いの挨拶は手を挙げるのではなく、ハンドルにかけている右手の人差し指をチョコンと上げるだけのシンプルなものだ【The Long and Winding Road~♪ なんてマッカートニーのボーカルが聞こえてきそうだ】この狭い道が意外なトラブルを招いた。ドライブにも慣れ、途中のカフェでベイリーズコーヒーをいただいて車に戻ってみると、左のドアミラーのカバーが取れて、配線がむき出しになっていた。ミラーは残っているし、運転席からミラーの調整ができるので気づかなかったが、どこかで幅寄せをし過ぎてカバーを飛ばしてしまったようだ記憶を辿っても激しくミラーをこすった覚えもないし、駐車している間に誰かにぶつけられてしまったのだろうか? いや、ディングルの細い岩場の道で観光バスと鉢合わせになり、50mほどバックした時だろうか?【こんなカーブをクリアしていたら、前方に突然バスが現われた】車を借りる時にぶつけたら免責の最高額は15万円だけど、1万円で保険に入らないかと言われた事を思い出し、そのオファーを受けなかった事を後悔した。でも、ドアミラーのカバーの部品が高くて1万くらい、それに工賃と車両の休業補償を含め高くても4~5万くらいだろうと覚悟を決めて、レンタカーを返すまでは忘れる事にした。そうしないと車に乗るたびに重い気分になってしまう【こんな道路の制限速度が80キロなのだ。こちらが気をつけて運転するのは当たり前だが、相手も信頼するしかない】レンタカーを返す時にドキドキしながら係員が車をチェックする様子を見守る。「車の調子はどうでしたか?」「すごく良い感じだったよ。アイルランドのドライブは楽しいね」と笑顔で会話をしながらもビクビクものだった。やがて、レシートをハンディ端末から打ち出すとjunhiroに手渡して引き渡しが完了した。特に請求もない。このまま、逃げようかと思ったが、後でトラブルになるのも面倒なので「左のドアミラーのカバーが取れているよ。でもね、絶対に俺じゃないと思うんだよ」と、涙目で訴える「貸した時から壊れてたでしょ。車の状態の説明に書いてあったでしょ?」ホッとするやら、今までのドキドキは何だったんだと思いたくなるやら。その夜、この旅の写真を整理してみたら、2日目の朝に車を正面から撮った写真があり、その時点でもカバーがついていなかった 【遂に1000キロに到達。実質9日間で1100キロ強の走行距離で、平均すると田舎道を毎日125キロほど走った計算になる】この旅の目的はリンクスコースを巡る事だったが、ドライブして回り、色々な人と出会い、この土地をさらに好きになった
Nov 1, 2011
コメント(10)
全11件 (11件中 1-11件目)
1